(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062444
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】金型形状データの作成方法、金型の製造方法、プレス成形品の製造方法、プログラム、及び金型形状データ作成システム
(51)【国際特許分類】
B21D 22/00 20060101AFI20240501BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20240501BHJP
B21D 37/20 20060101ALI20240501BHJP
G06F 113/22 20200101ALN20240501BHJP
【FI】
B21D22/00
G06F30/10 100
B21D37/20 Z
G06F113:22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170268
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】岩永 修一
(72)【発明者】
【氏名】西村 隆一
【テーマコード(参考)】
4E050
4E137
5B146
【Fターム(参考)】
4E050JB10
4E050JD03
4E137AA10
4E137BA01
4E137BB01
4E137BC01
4E137CA09
4E137CB01
4E137EA01
4E137GA03
4E137GA08
4E137GB03
4E137HA08
5B146AA06
5B146BA04
5B146DC05
5B146EA02
5B146EA07
5B146EA09
5B146EA11
5B146EC08
(57)【要約】
【課題】プレス成形品に対応する金型の形状を実用的な範囲に保ちつつ、プレス成形品を目標形状に近づける。
【解決手段】金型形状データの作成方法は、金型形状データを取得するステップと、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得するステップと、目標形状データを取得するステップと、試作品の稜線の両側の板部のうち第1板部と目標形状における第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定するステップと、試作品の稜線の両側の板部のうち第2板部と、目標形状における第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定するステップと、第1形状差に基づいて、金型の第1板部に対応する面を修正するステップと、第2形状差に基づいて、金型の前記第2板部に対応する面を修正するステップと、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行される金型形状データの作成方法であって、
金型の形状を示す金型形状データを取得するステップと、
前記金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品であって、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得するステップと、
前記金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示す目標形状データを取得するステップと、
前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定するステップと、
前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定するステップと、
前記第1形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第1板部に対応する面を修正するステップと、
前記第2形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第2板部に対応する面を修正するステップと、
を有する、金型形状データの作成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の金型形状データの作成方法であって、
前記第1形状差を小さくするように、前記試作品データで示される前記試作品の前記目標形状に対する相対位置を移動させた状態で、前記試作品の前記第2板部と、前記第2板部に対応する前記目標形状の板部との形状差である前記第2形状差を決定する、金型形状データの作成方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の金型形状データの作成方法であって、
前記稜線に交差する少なくとも2つの面それぞれにおける前記試作品と前記目標形状の断面について、前記第1形状差を決定し、
前記少なくとも2面それぞれにおける前記試作品と前記目標形状の断面について、前記第2形状差を決定し、
前記少なくとも2面それぞれにおける前記金型形状の断面において、前記第1板部に対応する前記金型の面を修正し、
前記少なくとも2面それぞれにおける前記金型形状の断面において、前記第2板部に対応する前記金型の面を修正する、金型形状データの作成方法。
【請求項4】
請求項3に記載の金型形状データの作成方法であって、
前記第1形状差は、前記断面において、前記第1板部を前記目標形状に近づける、平行移動及び回転移動の組み合わせを含む第1移動操作を計算することで決定される、金型形状データの作成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の金型形状データの作成方法であって、
前記第2形状差は、前記第1移動操作に基づいて、前記断面における前記試作品の前記目標形状に対する相対位置を移動させた状態で、前記試作品の前記第2板部を、前記第2板部に対応する前記目標形状の板部に近づける第2移動操作を計算することで決定される、金型形状データの作成方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の金型形状データの作成方法であって、
請求項1に記載の各ステップを、コンピュータにより複数回実行し、
2回目以降の金型形状データを取得するステップでは、前回に修正された金型形状データを取得し、
2回目以降の試作品データを取得するステップでは、前回に修正された金型形状データを示す形状の金型でプレス成形された試作品の形状を示す試作品データを取得する、
金型形状データの作成方法。
【請求項7】
金型の製造方法であって、
請求項1又は2に記載の金型形状データの作成方法によりコンピュータが、金型形状データを作成するステップと、
前記金型形状データが示す形状の金型を作製するステップと、
を有する、金型の製造方法。
【請求項8】
プレス成形品の製造方法であって、
請求項7に記載の金型の製造方法により金型を作製するステップと、
前記金型を用いて板材をプレス成形することでプレス成形品を作製するステップと
を有する、プレス成形品の製造方法。
【請求項9】
金型の形状を示す金型形状データを取得する処理と、
前記金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品であって、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得する処理と、
前記金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示す目標形状データを取得する処理と、
前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定する処理と、
前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定する処理と、
前記第1形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第1板部に対応する面を修正する処理と、
前記第2形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第2板部に対応する面を修正する処理と、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項10】
金型の形状を示す金型形状データを取得する金型形状データ取得部と、
前記金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品であって、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得する試作品データ取得部と、
前記金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示す目標形状データを取得する目標形状データ取得部と、
前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定する第1形状差決定部と、
前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定する第2形状差決定部と、
前記第1形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第1板部に対応する面を修正し、
前記第2形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第2板部に対応する面を修正する修正部と、
を備える金型形状データ作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を用いたプレス成形の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、プレス装置は、一対以上の金型の間にプレス対象材を配置して、一対以上の金型を下死点に至るまで互いに近づけることで、プレス対象材を金型の加工面の形に応じた形状にプレス成形する。プレス成形品は、金型から取り出された後、下死点における残留応力に起因して形状が変化することがある。この現象は、スプリングバック(SB)等と呼ばれ、寸法精度の悪化の原因となる。
【0003】
スプリングバック対策として、特許第6149843号公報(特許文献1)には、離型後のプレス成形品に対して、圧子を押し込むことで形状を矯正する方法が開示されている。この方法では、コンピュータが、離型前の残留応力のうちスプリングバックの要因となるものが存在する領域を特定し、この領域に対して圧子を押し込んで変形を与えた後のスプリングバック解析を行う。コンピュータは、圧子の押し込み後の形状と目標形状とを比較することにより、圧子の押し込み部位及び押し込み量を決定する。
【0004】
特許第5941320号公報(特許文献2)には、成形品のスプリングバックを見込んでプレス成形金型の金型形状を決定する金型形状シミュレーションシステムが開示されている。このシステムは、有限要素法を用いて、プレス成形金型の下死点における成形品の残留応力を算出し、下死点の成形品の形状と残留応力からスプリングバック後の形状を算出して表示する。表示後に、システムは、ねじれ有無の評価を取得し、ねじれ有りの場合、残留応力を、モーメント成分と、面内応力成分と、面外応力成分とに分解し、それぞれに係数を掛けて合成することにより、補正残留応力を算出する。下死点における成形品の形状と補正残留応力とから算出されるスプリングバック後の成形品の形状が、ねじれ矯正金型見込み形状とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6149843号公報
【特許文献2】特許第5941320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、ハット部材のようにハット形状の断面を有するプレス成形品は、板材を金型でプレスすることで、曲げられて成形される。このようなプレス成形品は、金型の形状に応じた、曲げによる稜線を有する。例えば、ハット部材は、天板と縦壁の間の稜線、及び、縦壁とフランジの間の稜線を有する。発明者らは、このような稜線とその両側の板部を含む形状に板材をプレス成形するための金型の形状を、スプリングバックを考慮した計算により決定することを検討した。具体的には、残留応力によるスプリングバック後のプレス成形品の推定形状と、目標形状との差分ベクトルを算出し、差分ベクトルの反対方向に金型の面を変位させて、スプリングバックを考慮した金型形状を決定することを検討した。
【0007】
検討において、プレス成形品の稜線の両側の板部の双方で、目標形状とずれが生じた場合に、金型の面を上記差分ベクトルの反対方向へ変位させると、金型の形状が実用的な範囲から外れる場合があることがわかった。例えば、プレス成形品の稜線に対応する金型の稜線(肩部)の形状が、実用的な範囲から外れる場合がある。また、プレス成形品の板部に反りが生じた場合には、板部に対応する金型の面の形状が崩れることがある。
【0008】
そこで、本開示は、プレス成形品に対応する金型の形状を実用的な範囲に保ちつつ、プレス成形品を目標形状に近づけることができる金型形状データの作成方法、並びに、金型及びプレス成形品の製造方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態におけるコンピュータにより実行される金型形状データの作成方法は、金型の形状を示す金型形状データを取得するステップと、前記金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品であって、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得するステップと、前記金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示す目標形状データを取得するステップと、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定するステップと、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定するステップと、前記第1形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第1板部に対応する面を修正するステップと、前記第2形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第2板部に対応する面を修正するステップと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態における金型形状データ作成システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すシステムの動作例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図2に示すS4~S5における詳細な処理例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、目標形状における稜線及び板部の設定例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4(a)に示す目標形状をz軸方向から見た上面図である。
【
図6】
図6は、1つの断面における目標形状M及び試作品Sの例を示す図である。
【
図8】
図8は、ユーザから受け付ける移動の例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2形状差及び第3形状差の決定例を示す図である。
【
図10】
図10は、第4形状差、及び第5形状差の決定の例を示す。
【
図11】
図11は、金型形状データが示す金型形状の例を示す図である。
【
図12】
図12は、修正部による修正前と修正後の金型形状の面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(方法1)
本開示の実施形態におけるコンピュータにより実行される金型形状データの作成方法は、金型の形状を示す金型形状データを取得するステップと、前記金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品であって、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得するステップと、前記金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示す目標形状データを取得するステップと、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定するステップと、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定するステップと、前記第1形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第1板部に対応する面を修正するステップと、前記第2形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第2板部に対応する面を修正するステップと、を有する。
【0012】
上記方法1によれば、試作品の稜線の両側の2つの板部のそれぞれについて目標形状に対する形状差を決定し、2つの板部それぞれに対応する金型の面を、それぞれの形状差に基づいて修正することができる。これにより、試作品に対応する金型の形状を実用的な範囲に保ちつつ、プレス成形品を目標形状に近づけることができる金型形状データを作成することができる。
【0013】
金型形状データ、試作品データ、及び、目標形状データは、3次元形状を表す3次元座標のデータであってもよい。試作品データは、例えば、試作品の第1板部及び第2板部の形状を表す3次元データである。試作品データは、厚みを持つ板の3次元データでもよいし、厚みを持たない面の3次元データでもよい。目標形状データは、例えば、目標形状の第1板部及び第2板部に対応する板部の形状を表す3次元データである。目標形状データは、厚みを持つ板の3次元データでもよいし、厚みを持たない面の3次元データでもよい。
【0014】
第1形状差は、例えば、同じ座標系において試作品データで表される第1板部の座標と、目標形状データで表される第1板部に対応する目標形状の板部の座標との位置関係に基づき決定されてもよい。第1形状差は、例えば、座標系において、第1板部と目標形状の対応する板部との位置関係を示す値であってもよい。
【0015】
第1形状差は、例えば、第1板部の面と目標形状の対応する板部の面との距離を表すデータであってもよい。一例として、第1形状差は、座標系における1方向(例えば、プレス方向)における座標値の差異で表されてもよい。又は、第1板部の節点と、これに対応する目標形状の節点との位置関係を示すベクトルで表されてもよい。又は、第1形状差は、第1板部の面と目標形状の対応する面との関係を示す値で表されてもよい。第1板部の面と目標形状の対応する面との関係は、例えば、これらの間の移動及び変形の少なくとも1つで表されてもよい。一例として、第1形状差は、第1板部の面と目標形状の対応する面との位置関係(平行移動)を示すベクトルと、第一板部の面の目標形状の対応する面に対するねじれ量及び回転量の少なくとも1つとの組合せでもよい。
【0016】
第2形状差も、同じ座標系において試作品データで表される第2板部の座標と、目標形状データで表される第2板部に対応する目標形状の板部の座標との位置関係に基づき決定されてもよい。第2形状差は、例えば、座標系において、第2板部と目標形状の対応する板部との位置関係を示す値であってもよい。
【0017】
第2形状差も、第1形状差と同様に、2つの面間の距離、1方向における座標値の差異、又は節点間のベクトル、等で表されてもよい。又は、第2形状差は、第2板部の面と目標形状の対応する面との関係を示す値で表されてもよい。第2板部の面と目標形状の対応する面との関係は、例えば、これらの間の移動及び変形の少なくとも1つで表されてもよい。例えば、第2形状差は、第2板部の面と目標形状の対応する面との位置関係(平行移動)を示すベクトルと、第2板部の面の目標形状の対応する面に対するねじれ量、及び回転量の少なくとも1つとの組合せでもよい。
【0018】
目標形状データで示される目標形状は、試作品データと同様に、稜線とその両側の板部を含む形状を表す。目標形状における第1板部に対応する板部は、目標形状における稜線の両側の板部のうち一方の板部である。目標形状における第2板部に対応する板部は、目標形状における稜線の両側の板部のうち他方の板部である。
【0019】
第1形状差に基づいて、金型形状データにおける金型の第1板部に対応する面を修正する処理は、例えば、第1形状差を示す値に第1係数を掛けた値を修正量として、金型形状データにおける金型の第1板部に対応する面を修正する処理であってもよい。例えば、第1形状差が複数の物理量で示される場合、第1係数は、物理量毎に設定されてもよい。一例として、第1形状差を表すベクトル、ねじれ量、及び回転量のそれぞれに個別の係数を掛けた値を修正量としてもよい。第2形状差に基づいて、金型形状データにおける金型の第2板部に対応する面を修正する処理は、例えば、第2形状差を示す値に第2係数を掛けた値を修正量として、金型形状データにおける金型の第1板部に対応する面を修正する処理であってもよい。例えば、第2形状差が複数の物理量で示される場合、第2係数は、物理量毎に設定されてもよい。一例として、第2形状差を表すベクトル、ねじれ量、及び回転量のそれぞれに個別の係数を掛けた値を修正量としてもよい。第1係数及び第2係数は、それぞれ、独立して設定される値であってもよい。これにより、稜線の両側の板部のそれぞれに対応する金型のそれぞれの面の形状を適切な修正量で修正することができる。
【0020】
金型の第1板部に対応する面は、下死点において第1板部に接する金型の面とすることができる。金型の第2板部に対応する面は、下死点において第2板部に接する金型の面とすることができる。
【0021】
前記金型を用いたプレスにより成形される前記試作品及び前記プレス成形品は、上記のように、第1板部、第2板部、及び、これらの間の稜線を有する。稜線は、第1板部と第2板部との間の湾曲部である。稜線は、金型を用いたプレスによって形成される。稜線は、例えば、プレスにおける曲げ(ベント成形)又は、絞り(ドロー成形)により形成されてもよい。また、板部は、一例として、湾曲していない平板状であってもよい。或いは、板部の少なくとも一部は湾曲してもよい。また、板部は、段差又は凹凸を含んでもよい。
【0022】
(方法2)
上記方法1において、前記第1形状差を小さくするように、前記試作品データで示される前記試作品の前記目標形状に対する相対位置を移動させた状態で、前記試作品の前記第2板部と、前記第2板部に対応する前記目標形状の板部との形状差である前記第2形状差を決定してもよい。これにより、第1板部と第2板部のそれぞれについて、より適切に形状差を決定できる。
【0023】
例えば、前記第2形状差を決定する前に、座標系において、試作品データで示される第1板部と、目標形状データで示される目標形状の対応する板部と第1形状差を小さくするように、第1板部又は対応する目標形状の板部の少なくとも一方を移動させるステップを、コンピュータが実行してもよい。
【0024】
(方法3)
上記方法1又は2において、前記稜線に交差する少なくとも2つの面それぞれにおける前記試作品と前記目標形状の断面について、前記第1形状差が決定されてもよい。また、前記少なくとも2面それぞれにおける前記試作品と前記目標形状の断面について、前記第2形状差が決定されてもよい。この場合、前記少なくとも2面それぞれにおける前記金型形状の断面において、前記第1板部に対応する前記金型の面が修正され、前記少なくとも2面それぞれにおける前記金型形状の断面において、前記第2板部に対応する前記金型の面が修正されてもよい。これにより、第1形状差及び第2形状差の決定及び、これらに基づく金型形状データの修正を、効率よく、実行できる。
【0025】
(方法4)
上記方法3において、前記第1形状差は、前記断面において、前記第1板部を前記目標形状に近づける、平行移動及び回転移動の組み合わせを含む第1移動操作を計算することで決定されてもよい。これにより、第1形状差を効率よく決定することができる。
【0026】
(方法5)
上記方法4において、前記第2形状差は、前記第1移動操作に基づいて、前記断面における前記試作品の前記目標形状に対する相対位置を移動させた状態で、前記試作品の前記第2板部を、前記第2板部に対応する前記目標形状の板部に近づける第2移動操作を計算することで決定されてもよい。これにより、第2形状差を効率よく決定することができる。第2移動操作は、例えば、回転移動を含んでもよい。
【0027】
(方法6)
上記方法1~5のいずれかにおいて、上記方法1の各ステップが、コンピュータにより複数回実行されてもよい。この場合、2回目以降の金型形状データを取得するステップでは、前回に修正された金型形状データを取得し、2回目以降の試作品データを取得するステップでは、前回に修正された金型形状データを示す形状の金型でプレス成形された試作品の形状を示す試作品データを取得してもよい。このように、修正された金型形状データを用いた修正処理を繰り返すことで、プレス成形品をより目標形状に近づけることができる金型形状データが得られる。例えば、第1形状差及び第2形状差が所定の条件を満たすまで、上記方法1の各ステップを繰り返し実行することができる。
【0028】
(方法7)
上記方法1~6のいずれかにより作成される金型形状データを用いた金型の製造方法も、本開示の実施形態に含まれる。前記金型の製造方法は、上記方法1~8のいずれかの金型形状データの作成方法によりコンピュータが、金型形状データを作成するステップと、前記金型形状データが示す形状の金型を作製するステップと、を有する。
【0029】
(方法8)
本開示の実施形態におけるプレス成形品の製造方法は、上記方法7の金型の製造方法により金型を作製するステップと、前記金型を用いて板材をプレス成形することでプレス成形品を作製するステップとを有する。
【0030】
上記方法8において、上記試作品データを取得するステップで、前記コンピュータが、前記金型形状データが示す形状の金型を用いたプレス成形により実際に作製された前記試作品の形状を計測することにより得られる前記試作品データを取得してもよい。この場合、上記方法8は、前記第1形状差に基づいて修正された前記金型形状データが示す面の形状になるように、前記金型の前記第1板部に対応する面を加工し、前記第2形状差に基づいて修正された前記金型形状データが示す面の形状になるように、前記金型の前記第2板部に対応する面を加工するステップをさらに有してもよい。これにより、金型で実際に作製された試作品と目標形状との形状差を基に金型形状データを修正できる。このようにして修正された金型形状データが示す形状に金型を加工することで、金型を用いたプレス成形によるプレス成形品を、より目標形状に近づけることができる。すなわち、プレス成形品の寸法精度をより高めることができる。
【0031】
本開示の実施形態におけるプログラムは、金型の形状を示す金型形状データを取得する処理と、前記金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品であって、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得する処理と、前記金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示す目標形状データを取得する処理と、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定する処理と、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定する処理と、前記第1形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第1板部に対応する面を修正する処理と、前記第2形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第2板部に対応する面を修正する処理と、をコンピュータに実行させる。
【0032】
本開示の実施形態における金型形状データの作成システムは、金型の形状を示す金型形状データを取得する金型形状データ取得部と、前記金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品であって、稜線とその両側の板部を含む試作品の形状を示す試作品データを取得する試作品データ取得部と、前記金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示す目標形状データを取得する目標形状データ取得部と、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定する第1形状差決定部と、前記試作品データが示す前記試作品の前記稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、前記目標形状データが示す前記目標形状における前記第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定する第2形状差決定部と、前記第1形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第1板部に対応する面を修正し、前記第2形状差に基づいて、前記金型形状データにおける前記金型の前記第2板部に対応する面を修正する修正部と、を備える。
【0033】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0034】
(システム構成例)
図1は、本実施形態における金型形状データ作成システム10の構成を示す図である。金型形状データ作成システム10(以下、単に「システム10」と称する。)は、金型形状データ取得部1、試作品データ取得部2、目標形状データ取得部3、第1形状差決定部4、第2形状差決定部5、及び修正部6を備える。システム10は、金型の形状を示す金型形状データ、その金型でプレス成形した試作品の形状を示す試作品データ、及び、プレス成形品の目標形状を示す目標形状データを入力し、目標形状に近いプレス成形品が得られるように金型形状データを修正する。
【0035】
金型形状データ取得部1は、金型の形状を示す金型形状データを取得する。取得により金型形状データは、システム10を構成するコンピュータがアクセス可能な記憶部に記録される。金型形状データは、例えば、XYZ軸を有する3次元の直交座標系において金型の形状を表す3次元座標データであってもよい。金型形状データは、点群データであってもよいし、面データであってもよいし、ライン(線)データの集合であってもよい。
【0036】
金型形状データ取得部1は、例えば、金型のCADデータ(設計データ)より、初期の金型形状を示す金型形状データを取得してもよい。初期の金型形状は、寸法精度が懸念される部位を含むプレス成形品と同等の形状としてもよいし、類似するプレス成形品の過去の見込み形状を基に設定された形状としてもよい。また、システム10が、初期の金型形状データを修正した後の、2回目以降の処理では、システム10で修正された金型形状データが取得されてもよい。或いは、修正された金型形状データが示す形状に加工された金型を計測することで得られる3次元計測データが、金型形状データとして取得されてもよい。また、金型形状データは、目標形状データを基に作成されてもよい。
【0037】
なお、金型形状データで表される金型は、特定の形状に限られない。本実施形態では、上型と下型で構成される金型を例として挙げている。この変形例として、金型形状データで表される金型は、パッド又はブランクホルダ等を含んでもよい。金型において、目標とするプレス成形品に下死点で接する面すなわち成形面の形状が、主に、システム10において、修正処理の対象となる。
【0038】
試作品データ取得部2は、金型を用いたプレスにより板材から成形される試作品の形状を示す試作品データを取得する。取得により試作品データは、システム10を構成するコンピュータがアクセス可能な記憶部に記録される。試作品データで示される試作品は、金型を用いたプレスの稜線とその両側の板部を含む。すなわち、試作品は、少なくとも1本の稜線を有する。
【0039】
試作品データは、例えば、XYZ軸を有する3次元の直交座標系において試作品の形状を表す3次元座標データであってもよい。試作品データは、点群データであってもよいし、面データであってもよいし、ライン(線)データの集合であってもよい。試作品データ取得部2は、例えば、計測システムによる実測で得られた試作品の3次元形状を示すデータである。或いは、金型形状データが示す金型を用いたプレス成形のシミュレーションにより得られた試作品の形状を示すデータであってもよい。
【0040】
目標形状データ取得部3は、目標形状データを取得する。目標形状データは、金型を用いたプレスで成形されるプレス成形品の目標形状を示すデータである。取得により目標形状データは、システム10を構成するコンピュータがアクセス可能な記憶部に記録される。目標形状は、金型によるプレスで成形するプレス成形品の目標形状である。そのため、目標形状データで示される目標形状は、少なくとも1本の稜線とその両側の板部を含む形状である。目標形状データの稜線とその両側の板部は、試作品の稜線とその両側の板部とそれぞれ1対1で対応する。
【0041】
目標形状データは、例えば、XYZ軸を有する3次元の直交座標系においてプレス成形品の目標形状を表す3次元座標データであってもよい。目標形状データは、点群データであってもよいし、面データであってもよいし、ライン(線)データの集合であってもよい。目標形状データ取得部3は、例えば、プレス成形品のCADデータ(設計データ)、CAE解析結果、又は、プレスによる試作結果物を形状測定したデータ等から目標形状データを取得してもよい。
【0042】
第1形状差決定部4は、試作品データが示す試作品の稜線の両側の板部のうち一方である第1板部と、目標形状データが示す目標形状における第1板部に対応する板部との形状差を第1形状差として決定する。第1形状差は、例えば、1つの座標系における試作品データが示す第1板部の座標と、目標形状データが示す対応する板部の座標との比較処理により決定されてもよい。例えば、座標系において、第1板部を目標形状の対応する板部にフィットさせるような、第1板部の移動又は変形の少なくとも1つを示す値が、第1形状差として決定されてもよい。移動は、例えば、平行移動又は回転の少なくとも1つを含んでもよい。変形は、例えば、ねじり変形又はそり変形の少なくとも1つを含んでもよい。
【0043】
第1形状差決定部4は、第1板部と、目標形状の対応する板部とのフィッティング処理を自動で実行してもよい。また、第1形状差決定部4は、座標系における第1板部及び目標形状の対応する板部を画面に表示し、ユーザが、画面において、第1板部を目標形状にフィットさせる移動又は変形の仕方を指定できるようにしてもよい。
【0044】
なお、第1形状差として、第1板部に含まれる複数の部位のそれぞれについて、対応する目標形状の板部の部位にフィットさせる移動又は変形の少なくとも1つが決定されてもよい。この部位は、例えば、第1板部の断面、板面の領域等としてもよい。
【0045】
第2形状差決定部5は、試作品データが示す試作品の稜線の両側の板部のうち他方である第2板部と、目標形状データが示す目標形状における第2板部に対応する板部との形状差を第2形状差として決定する。第2形状差は、例えば、1つの座標系における試作品データが示す第2板部の座標と、目標形状データが示す対応する板部の座標との比較処理により決定されてもよい。例えば、座標系において、第2板部を目標形状の対応する板部にフィットさせるような、第2板部の移動又は変形の少なくとも1つを示す値が第2形状差として決定されてもよい。移動は、例えば、平行移動又は回転移動の少なくとも1つを含んでもよい。変形は、例えば、ねじり変形、そり変形の少なくとも1つを含んでもよい。
【0046】
第2形状差決定部5は、第2板部と、目標形状の対応する板部とのフィッティング処理を自動で実行してもよい。また、第2形状差決定部5は、座標系における第2板部及び目標形状の対応する板部を画面に表示し、ユーザが、画面において、第2板部を目標形状にフィットさせる移動又は変形の仕方を指定できるようにしてもよい。
【0047】
なお、第2形状差として、第2板部に含まれる複数の部位のそれぞれについて、対応する目標形状の板部の部位にフィットさせる移動又は変形の少なくとも1つが決定されてもよい。この部位は、例えば、第2板部の断面、板面の領域等としてもよい。
【0048】
第2形状差決定部5は、座標系において、第1形状差を小さくするように、試作品データで示される試作品の目標形状に対する相対位置を移動させた状態で、試作品の第2板部と、第2板部に対応する目標形状の板部との形状差である第2形状差を決定してもよい。例えば、第1板部を目標形状の対応する板部にフィットするように移動させた状態で、第2板部と目標形状の対応する板部との第2形状差が決定されてもよい。
【0049】
図1の例では、システム10は、第1形状差決定部4、及び、第2形状差決定部5を含んでいるが、システム10は、第3形状差決定部、・・・第n形状差決定部を含んでもよい。ここで、nは、自然数であり、n=m+1である。mは、試作品及び目標形状における稜線の数である。
【0050】
修正部6は、第1形状差に基づいて、金型形状データにおける金型の第1板部に対応する面を修正する。また、修正部6は、第2形状差に基づいて、金型形状データにおける金型の第2板部に対応する面を修正する。金型形状データが示す金型の形状は、試作品及び目標形状の稜線に対応する角又は溝と、稜線の両側の板部のそれぞれに対応する2つの面を有する。金型の対応する2つの面は、角又は溝から両側に延びる面である。試作品及び目標形状の稜線と、金型の角又は溝は1対1で対応する。試作品及び目標形状の稜線の両側の板部と、金型の面も1対1で対応する。
【0051】
修正部6は、第1形状差に基づいて、金型の対応する面の修正後の形状を決める。この処理は、例えば、第1板部の各部位の第1形状差に第1係数を掛けた値を、金型の対応する面の各部位の座標に足し合わせる処理としてもよい。修正部6は、第2形状差に基づいて、金型の対応する面の修正後の形状を決める。この処理は、例えば、第2板部の各部位の第2形状差に第2係数を掛けた値を、金型の対応する面の各部位の座標に足し合わせる処理としてもよい。
【0052】
システム10は、修正部6により修正された金型形状データを出力する。修正された金型形状データは、CADシステム又は解析システムへ出力されてもよい。金型形状データが示す修正後の金型形状になるように、金型が加工されてもよい。この場合、加工された金型を用いたプレス成形により、再度、試作品が作製される。或いは、修正後の金型形状の条件でのプレス成形のシミュレーションが解析システムで実行されてもよい。この場合、修正後の金型を用いたプレス成形の解析結果として、試作品データが生成される。
【0053】
また、金型形状データ取得部1は、修正部6で修正された金型形状データを、金型形状データとして取得してもよい。この場合、修正された金型形状でプレス成形された試作品の試作品データが、試作品データ取得部2で取得される。第1形状差決定部4及び第2形状差決定部5は、この試作品データと目標形状データに基づいて、第1形状差及び第2形状差を決定する。修正部6は、第1形状差及び第2形状差を基に、金型形状データを修正する。このように、修正された金型形状データ、及び、修正された金型でプレス成形された試作品の試作品データを用いて、金型形状データの修正処理を繰り返し実行することができる。これにより、目標形状により近いプレス成形品が得られるように、金型形状データが示す金型形状を収束させることができる。なお、繰り返される修正処理のそれぞれにおいて、第1係数及び第2係数が設定されてもよい。第1係数及び第2係数は、例えば、第1形状差及び第2形状差に基づいて決定されてもよい。第1形状差及び第2形状差に応じて第1係数及び第2係数を決定することで、金型形状データの金型形状が収束しやすくなる。
【0054】
システム10は、プロセッサ及びメモリを備える1又は複数のコンピュータにより構成される。金型形状データ取得部1、試作品データ取得部2、目標形状データ取得部3、第1形状差決定部4、第2形状差決定部5、及び修正部15の各機能は、プロセッサが、所定のプログラムを実行することで実現できる。このようなプログラム及びそれを記憶した非一時的(non-transitory)な記憶媒体も、本開示の実施形態に含まれる。
【0055】
(動作例)
図2は、
図1に示すシステムの動作例を示すフローチャートである。
図2に示す例では、目標形状データ取得部3が、目標形状データを取得する(S1)。目標形状データ取得部3は、例えば、CADシステムから目標形状のCADデータ(設計データ)を読み込み、システム10のコンピュータがアクセス可能な記憶部に記録する。目標形状データ取得部3は、必要に応じてCADデータを変換してもよい。
【0056】
金型形状データ取得部1は、金型形状データを取得する(S2)。金型形状データ取得部1は、初回は、初期の金型形状データとして、CADシステムから金型のCADデータ(設計データ)を読み込む。2回目以降のS2では、後述するS5において修正部6が修正した金型形状データを読み込む。なお、初回において、金型形状データがない場合は、目標形状データから金型形状を生成することができる。例えば、目標形状を部材の厚みを考慮してオフセットした形状を金型表面の形状として生成することができる。このように、初期の金型形状データは、目標形状と同等にしてもよい。
【0057】
試作品データ取得部2は、試作品データを取得する(S3)。試作品データは、金型形状データが示す形状の金型でプレス成形された試作品を計測して得られた形状データでもよい。又は、金型形状データが示す形状の金型でプレス成形するシミュレーションにより算出された試作品の形状を示すデータであってもよい。2回目以降のS3では、後述するS6で得られる、修正金型を用いたプレス成形又は解析で得られる試作品の形状データが読み込まれる。
【0058】
S4では、第1形状差決定部4が、試作品の稜線の両側の板部のうち第1板部と目標形状との第1形状差を決定し、第2形状差決定部5が、試作品の稜線の両側の板部のうち第2板部と目標形状との第2形状差を決定する。試作品において稜線が2本以上ある場合は、各稜線についてその両側の板部それぞれの目標形状との形状差が決定される。処理の対象となる稜線がm本ある場合は、第1~第n板部(n=m+1)のそれぞれについて目標形状との形状差が決定される。すなわち、第1~第n形状差が決定される。
【0059】
なお、第k形状差(k=2、3、・・・、n)を決定する際に、第k-1形状差を小さくするように、第k-1部材を移動させた状態で、第k板材と目標形状の対応する板部との第k形状差を決定してもよい。これにより、第1~第n形状差を、それぞれ適切に決定することができる。
【0060】
S5において、修正部6は、第1~第n板部について、第1~第n形状差を用いて、金型形状データの示す金型の対応する面を修正する。この場合、修正の対象となる金型の対応する面もn面となる。
【0061】
S6において、システム10は、S5で修正された金型形状データを、例えば、CAEシステムに提供する。CAEシステムでは、修正された金型を用いたプレス成形のシミュレーションが実行される。解析結果として、修正された金型でプレス成形された成形品(試作品)の形状データが生成される。或いは、S5で修正された金型形状データは、金型加工システムに提供されてもよい。この場合、S6では、修正された金型形状データで示される形状の金型を用いたプレス成形で作製された試作品の形状データが取得される。
【0062】
修正された金型形状の金型を用いたプレス成形又はCAE解析で得られた試作品が、予め設定された設定条件を満たす場合(S7でYES)、処理は終了する。設定条件は、例えば、試作品の形状が目標形状と同等となる条件としてもよい。「同等」の基準は、適宜、設定されてもよいが、例えば、第1~第n形状差のうち、ユーザが指定する位置における節点における目標形状と試作品形状の距離が閾値以下(例えば、距離が0.1mm以下等)とすることができる。或いは、試作品と目標形状の部分的な曲率の差異が、閾値を下回ることを設計条件としてもよい。
【0063】
図3は、
図2に示すS4~S5における詳細な処理例を示すフローチャートである。
図3の例では、システム10は、目標形状データ及び金型形状データにおいて、目標形状及び金型形状における稜線及び板部を決定する(S11)。例えば、目標形状において、稜線と板部の領域が決定される。例えば、目標形状のCADデータにおいて定義されている稜線又は板部の位置、又は、設計上の稜線の湾曲部分の位置(R止まりの位置)を基に、目標形状における稜線と板部が決定されてもよい。金型形状では、目標形状と同様に、稜線及び板部を決定することができる。
【0064】
図4は、目標形状における稜線及び板部の設定例を示す図である。
図4(a)に示す例では、目標形状Mは、長手方向(延在方向)に垂直な断面がハット形状のハット部材の形状である。ハット部材は、天板T1と、天板T1の両端から延びる2つの縦壁T2、T3と、縦壁T2、T3それぞれの天板T1とは反対の端から延びるフランジT4、T5を有する。天板T1と縦壁T2、T3の間に稜線R2、R3があり、縦壁T2、T3とフランジT4、T5の間の稜線R1、R4がある。T1~T5は、第1~第5板部に対応する板部の一例である。
図4(a)の例では、目標形状は、厚みを有さない面の形状であるが、目標形状は、厚みを有する構造体の形状であってもよい。
【0065】
なお、目標形状は、断面ハット形状に限られない。
図4(b)~
図4(e)は、目標形状と、稜線及び板部の設定の変形例を示す。
図4(b)~
図4(e)において、T1~T7は、それぞれ、目標形状Mで設定される板部の例である。なお、(b)~(d)では、各板部は、湾曲しない平板である。板部は、湾曲してもよいし、段差又は凹凸を含んでもよい。例えば、
図4(e)に示す板部T1のように、凹部を含む部分を1つの板部に設定することもできる。
【0066】
図4(a)の例では、線R1~R4のそれぞれの両側の板部が、第1~第5板部T1~T5に設定される。稜線R1~R4の位置は、例えば、CADデータにおいて定義されている稜線の位置に基づき決定されてもよいし、ユーザからの指定に基づいて決定されてもよい。
図4(a)の例では、稜線R1~R4は、線で定義されるが、稜線R1~R4は、面又は立体で定義されてもよい。
【0067】
図3のS11では、目標形状と同様に、試作品データにおいて、試作品における稜線及び板部を設定することができる。目標形状が、
図4(a)に示すようなハット部材である場合、試作品も、同様に、天板、2つの縦壁、及び2つのフランジを有するハット部材となる。ここでは、一例として、試作品の天板を第1板部とし、2つの縦壁を第2、第3板部、2つのフランジを第4、第5板部とする。
【0068】
図3のS11では、目標形状と同様に、金型形状データにおいて、金型における第1~第n板部に対応する面を設定することができる。目標形状が、
図4(a)に示すようなハット部材である場合、金型は、ハット部材の各板部すなわち、天板、2つの縦壁、及び2つのフランジのそれぞれに対応する面を有する形状となる。
【0069】
S12において、システム10は、目標形状、試作品、及び金型形状を1つの座標系に配置する。すなわち、座標系における目標形状、試作品、及び金型形状の位置を決定する位置合わせが行われる。例えば、目標形状の長手方向の一方の端部が、試作品の長手方向の一方の端部と合致するように、座標系においてこれらの位置を決定することができる。位置合わせは、特に限定されないが、例えば、目標形状、試作品、及び金型形状に設定された基準となる面、軸又は点が合うように、それぞれの位置を決定する方法、又は、試作品の全体又は部分の点群データと目標形状との誤差和が最小になる位置を決定する方法(例えば、ベストフィット)等が挙げられる。
【0070】
S13において、システム10は、座標系において、目標形状、試作品、及び金型形状に共通する複数の断面を設定する。
図5は、
図4(a)に示す目標形状をz軸方向から見た上面図である。
図5の例では、稜線R2、R3に直行し、所定間隔(例えば、1mm等)で並ぶ複数の面が断面Dに設定される。複数の断面のそれぞれにおいて、目標形状、試作品、及び金型形状の断面データが作成される。
【0071】
図3のS14において、システム10は、S13で設定した断面における目標形状、試作品、及び金型形状のデータ(例えば、点群データ)を取得する。S15では、S13で設定した断面のうち、初回の処理の対象とする断面が選択される。形状差を計算する断面は、自動的に選択されてもよいし、ユーザの入力に基づいて選択されてもよい。
【0072】
図6は、形状差を計算する断面のうち1つの断面における目標形状M及び試作品Sの例を示す図である。
図6の例では、試作品Sの天板Ts1が第1板部であり、目標形状の天板T1が第1板部に対応する板部となる。天板T1は、稜線R2、R3の間の部分である。試作品Sの天板Ts1は、稜線Rs2、Rs3の間の部分である。試作品Sの稜線Rs2、Rs3の位置は、ユーザの指定に基づき決定されてもよい。又は、断面において画像認識される試作品Sの形状又は目標形状の稜線R2、R3の位置に基づき、自動的に稜線Rs2、Rs3及び天板Ts1の位置が決定されてもよい。試作品Sの縦壁Ts2が第2板部であり、目標形状Mの縦壁T2が第2板部に対応する板部である。縦壁Ts2は、稜線Rs3、Rs4の間の部分である。稜線Rs3、Rs4の位置は、ユーザの指定、若しくは、画像認識又は稜線R3、R4の位置に基づき、決定されてもよい。
【0073】
図3のS16において、第1形状差決定部4は、断面における試作品Sの天板Ts1と目標形状の天板T1との形状差を決定する。第1形状差決定部4は、断面において、試作品Sの天板Ts1が、目標形状の天板T1とフィットするように、試作品Sを移動させる。
図7は、試作品の移動の例を示す図である。
図7に示す例では、まず、試作品Sの天板Ts1の1つの代表点(例えば、天板Ts1の一方端である稜線Rs2)が、z方向において最も目標形状に近づくように、z方向に試作品Sを平行移動する(
図7の(a)から(b)、z方向の移動量:ΔZweb1)。その後、代表点を中心に試作品Sを回転移動させる。天板Ts1の他方端(稜線Rs3)が、目標形状の天板T1に最も近づく位置に、試作品Sを回転する(
図7の(b)から(c)、回転角度:Δθweb1)。これらの移動は、第1形状差決定部4が、代表点の座標に基づき自動的に決定することができる。
【0074】
S16において、第1形状差決定部4は、さらに、試作品Sの目標形状Mに対する移動又は変形の少なくとも1つをユーザから受け付けてもよい。
図8は、ユーザから受け付ける移動の例を示す図である。
図8の例では、断面における試作品Sと目標形状が重ねて表示される。ユーザは、画面において、試作品Sを選択し、移動指示を入力することができる。例えば、ユーザは、試作品の平行移動の移動方向及び移動距離(ΔXweb2、ΔZweb2)、及び、回転軸及び回転角度(回転軸L5、角度θweb2)を指定することができる。これにより、例えば、
図8の(a)から(b)のように試作品Sが移動する。
【0075】
このように、自動移動に加えて、ユーザの手動による移動を受け付けた場合、自動移動と手動による移動を合成した移動が、第1形状差として決定される。なお、自動移動又は手動による移動のいずれか一方のみで、第1形状差が決定されてもよい。
【0076】
図3のS17において、未処理の板部がある場合、システム10は、次の板部(第2板部)を対象として選択し、S16の処理により、選択した板部(第2板部)について、目標形状の対応する板部との形状差(第2形状差)を決定する。
図9は、第2形状差及び第3形状差の決定例を示す図である。
図9に示す例では、第1形状差を決定するための試作品Sを移動した後の状態で、第2板部すなわち縦壁Ts2と目標形状Mの縦壁T2との形状差が決定される。具体例として、縦壁Ts2の天板Ts1側の端(稜線Rs3)を中心として縦壁Ts2を回転させる。回転角度Δθwall-Rは、例えば、縦壁Ts2のフランジ側の端(稜線Rs4)が、目標形状に最も近くなる角度とする。この回転角度Δθwall-Rが、第2形状差として決定される。
【0077】
図9では、第3板部である試作品Sの縦壁Ts3についても、同様に、縦壁Ts3を縦壁T3に近づける回転移動の回転角度Δθwall-Lが、第3形状差として決定される例を示している。
【0078】
図10は、第4形状差、及び第5形状差の決定の例を示す。
図10の例では、フランジTs4の縦壁側の端(稜線Rs4)を中心として、フランジTs4を回転させる。回転角度θfrange―Rは、フランジTs4の先端が、目標形状に最も近くなる角度とすることができる。この回転角度θfrange―Rが、第4形状差として決定される。同様に、回転角度θfrange―Lが、第5形状差として決定される。
【0079】
このようにして、第1~第5板部について、それぞれ、第1~第5形状差が算出される。システム10は、S13で設定された断面のうち未処理の断面がある場合(S18でYES)、次の断面の対象として選択する。次の断面について、第1~第5形状差を決定する処理(S16~S17)が実行される。
【0080】
なお、試作品Sの板部と、目標形状の板部との形状差を決定するためのフィッティングは上記例に限られない。例えば、成形品の板部と目標形状の対応する板部にて垂線(最近点)ベクトルを取得し、積分値(ベクトルのノルムの二乗)が最小となるようフィッティングすることで、平行移動及び回転角度を計算することができる。また、フィッティング処理では、試作品の平行移動及び回転の他、試作品の変形(例えば、そり量)が計算されてもよい。また、試作品の移動又は変形の替わりに、目標形状又は試作品及び目標形状の両方の移動又は変形が計算されてもよい。
【0081】
S13で設定された断面の全てについて形状差決定処理が終了すると(S18でNO)、修正部6が、各断面においてS16で決定された第1~第5形状差を基に、金型形状データを修正する(S19)。S19において、修正部6は、各断面における金型形状データにおいて、対象とする板部(第1板部~第5板部)のそれぞれに対応する面を修正する。
【0082】
図11は、金型形状データが示す金型形状の例を示す図である。
図11に示す金型形状は、
図4(a)に示す目標形状における板部T1~T5のそれぞれに対応する面Tk1~Tk5を有する。すなわち、金型形状は、下死点において、天板Ts1と接する面Tk1、2つの縦壁Ts2、Ts3と接する2つの面Tk2、Tk3、2つのフランジTs4、Ts5と接する2つの面Tk4、Ts5を有する。金型形状の面Tk1~Tk5は、例えば、金型の稜線Rk1~Rk4の位置を基に決定されてもよい。稜線Rk1~Rk4の位置は、例えば、金型のCADデータで定義された稜線の位置に基づいてもよい。或いは、ユーザによる指定、若しくは、画像処理又は目標形状に基づいて稜線又は各面の位置が決定されてもよい。
【0083】
図12は、修正部6による修正前と修正後の金型形状の面の例を示す図である。S19の処理において、修正部6は、天板Ts1、縦壁Ts2、Ts3、フランジTs4、Ts5のそれぞれ対応する面Tk1、Tk2、Tk3、Tk4、Tk5を修正する。面Tk1~Tk5それぞれの修正量は、第1~第5形状差の移動量それぞれに係数を掛けた値とすることができる。通常は、第1~第5形状差として算出された移動と、金型の面の修正の方向は反対方向になる。この場合、修正部6は、形状差の移動方向と反対方向に、移動量に応じた分だけ金型の面を変位させることができる。この場合、係数は、負の値とすることができる。係数は、移動方向又は回転移動ごとに設定されてもよい。例えば、
図7及び
図8に示す例では、天板Ts1の第1形状差として決定された移動は、x方向の平行移動、z方向の平行移動、及び、y方向を中心軸とする回転の3通りの移動が含まれる。これら3通りの移動のそれぞれに対して、係数を掛けた値を金型の面Tk1の修正量とすることができる。
【0084】
図12の例では、天板Ts1の回転角θwebに対して係数N1を掛けた値、x方向の移動に対して係数N2を掛けた値、及び、z方向の移動に対して係数N3を掛けた値の合計が、天板Ts1に対応する金型の面の修正量となる。このように、移動方向又は回転移動ごとに係数を設定することで、適切な修正量を決定できる。このようにして、形状差を小さくできる見込み金型形状が決定される。
図12において、N1~N3は、第1板部に対する第1係数の例であり、N3は、第2板部に対する第2係数の例である。
図12の係数N1~N5はいずれも移動量に対する係数である。例えば、第1~N形状差のいずれかが、変形量を含む場合は、変形量に係数をかけた値をさらに用いて金型の修正量を決定してもよい。
【0085】
図3のS19において、各断面について、各板部に対応する金型の面の金型形状データの修正の処理が、実行される。これにより、複数の断面のそれぞれにおいて、見込み金型形状が決定される。
【0086】
本実施形態によれば、稜線を有するプレス成形品において、寸法精度を向上させることができる金型形状データを作成することができる。そのため、この金型形状データが示す形状の金型を用いてプレス成形することで、目標形状に近いプレス成形品を製造できる。金型形状データが示す形状の金型を製造する方法、及び、その金型を用いてプレス成形品を製造する方法も、本開示の実施形態に含まれる。
【0087】
また、例えば、稜線を有するプレス成形品のスプリングバックによる寸法精度不良は、プレス成形品の長手方向のそり又はねじれ、及び、プレス成形品の長手方向に垂直な断面内における稜線の両側の板部の角度変化又は各板部のそり、の組み合わせが要因となることがある。このような、複合的な要因による目標形状との形状差に対して、従来技術に基づいて差分ベクトルの反対方向へ金型の面を変位させると、金型が実用的な形状でなくなる場合がある。例えば、稜線の両側の板部の双方に顕著な形状差がある場合に、これら形状差を金型に反映すると、金型の肩部の形状が崩れることがある。又は、板部の角度変化及びそりが大きい場合に、これら形状差を金型に反映させると、板部に対応する金型の面の形状が崩れることがある。これに対して、本実施形態では、試作品の稜線の両側の板部のそれぞれについて、形状差が決定され、これらの板部のそれぞれに対応する金型の面が、それぞれ、形状差に基づいて修正される。これにより、複合的な要因による形状差が生じる場合であっても、金型の形状を実用的な範囲に保ちつつ、プレス成形品を目標形状に近づけることができる。
【0088】
本実施形態は、これらに限定されないが、例えば、自動車のピラー、メンバー、サイドシル等、各種の自動車車体用部品のプレス成形に用いる金型に好適に適用することができる。近年、排気ガスに含まれる二酸化炭素の削減や、燃費向上のため、車体の軽量化が求められている。自動車骨格部品の素材として、軽量化と強度の両立のため、高強度鋼板の適用拡大が進められている。高強度鋼板は、プレス成形時に残留応力に起因するスプリングバック(SB)が生じやすい。自動車骨格部品への高強度鋼板の適用においては、高強度鋼板をプレス成形によって部材に加工する際に、スプリングバックによる寸法精度不良が生じることが、課題の一つである。例えばハット断面を有するフロントサイドメンバの場合、たて壁およびフランジの「跳ね」(パンチ肩部・ダイ肩部で角度変化)が生じ、寸法精度が悪化する。素材の高強度化が進み、様々な骨格部品において同様の難しい課題がある。
【0089】
本実施形態の金型形状データの作成方法によれば、このような課題を解決することができる。従来の残留応力の数値解析による金型形状の決定手法では、実際に金型を作製する前の数値解析によって十分に対策しきることは難しかった。そのため、金型作製後に試作と金型修正を必要としていた。本実施形態では、プレス成形品の目標形状に近づけるための金型の見込み形状を、金型の形状を実用的な範囲に保ちつつ、高精度に決定することができる。そのため、例えば、生産準備段階の金型作製前に数値解析を活用して、寸法精度を向上させることが可能になる。
【0090】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0091】
10 金型形状データ作成システム
1 金型形状データ取得部
2 試作品データ取得部
3 目標形状データ取得部
4 第1形状差決定部
5 第2形状差決定部
6 修正部