IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 義平 稔の特許一覧

<>
  • 特開-クッション用カバー 図1
  • 特開-クッション用カバー 図2
  • 特開-クッション用カバー 図3
  • 特開-クッション用カバー 図4
  • 特開-クッション用カバー 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062459
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】クッション用カバー
(51)【国際特許分類】
   A47C 31/10 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
A47C31/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170292
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】522384385
【氏名又は名称】義平 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100111811
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】義平 稔
(57)【要約】
【課題】クッション同士の接続作業を一層簡易にするとともに、接続強度をより向上させることが可能なクッション用カバーを提供する。
【解決手段】クッション用カバー1は、弾性を有するクッション材2を被包し、平面視において多角形状で、接続および分離が可能であって、前記クッション材2を被包するカバー本体3と、前記カバー本体3の向かい合う側面31,32の各々の、長手方向の少なくとも一方端側に、前記クッション材2の厚み方向に離隔して設けられた2つ以上の接続具4a,4bとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有するクッション材を被包する、平面視において多角形状で、接続および分離が可能なクッション用カバーであって、
前記クッション材を被包するカバー本体と、
前記カバー本体の向かい合う側面の各々の、長手方向の少なくとも一方端側に、前記クッション材の厚み方向に離隔して設けられた2つ以上の接続具と
を備えることを特徴とするクッション用カバー。
【請求項2】
前記接続具が、第1接続部材と、第1接続部材と接続および分離が可能な第2接続部材とから構成され、
第1接続部材と第2接続部材とが、前記カバー本体の向かい合う側面の各々の、長手方向の少なくとも一方側に、前記クッション材の厚み方向に離隔して設けられている
請求項1記載のクッション用カバー。
【請求項3】
第1接続部材と第2接続部材とが、前記カバー本体の向かい合う側面の各々の、長手方向の両側に設けられ、第1接続部材と第2接続部材の前記厚み方向の取付位置が、長手方向の一方側と他方側とで逆である請求項2記載のクッション用カバー。
【請求項4】
第1接続部材が設けられた前記カバー本体の側面に連続する前記カバー本体の他の側面に、第1接続部材と接続および分離が可能な第3接続部材が設けられている
請求項2又は3記載のクッション用カバー。
【請求項5】
第1接続部材が、一方端側が前記カバー本体に取り付けられ、他方端側が自由端とされたベルト材と、前記ベルト材の自由端側に設けられた雄側または雌側の面ファスナーとを有し、
第2接続部材が、雌側または雄側の面ファスナーである
請求項2又は3記載のクッション用カバー。
【請求項6】
第1接続部材が、一方端側が前記カバー本体に取り付けられ、他方端側が自由端とされたベルト材と、前記ベルト材の自由端側に設けられた雄側または雌側の面ファスナーとを有し、
第3接続部材が、雌側または雄側の面ファスナーである
請求項4記載のクッション用カバー。
【請求項7】
接続および分離が可能なクッションであって、
弾性を有するクッション材と、
前記クッション材を被包するカバーと
を有し、
前記カバーとして請求項1~3のいずれかに記載のカバーを用いた
ことを特徴とするクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレスなどのクッションのカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クッションの一つであるマットレスでは、移動や収納などを容易にするため分割可能なものがこれまでから種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数のクッション部材を組み立てて使用する組み立て式マットレスにおいて、無膜ポリウレタンフォームからなる複数のクッション部材を雄面ファスナーで連結することが提案されている。
【0004】
特許文献2では、複数のクッション材が連結した分割式マットレスにおいて、クッション材同士を連結する部材として、ベルト材の先端部に設けられた係止部と、ベルト材の先端部に設けられたリング状接合具とを用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-281号公報
【特許文献2】特開2002-315651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に提案のマットレスでは、クッション部材の連結は簡易に行えるものの、連結強度は強くないと考えられる。また特許文献2に提案のマットレスでも、係止部とリング状接合具との連結強度は強くないと考えられる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、クッション同士の接続作業を一層簡易にするとともに、接続強度をより向上させることが可能なクッション用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成する本発明の実施形態に係るクッション用カバーは、弾性を有するクッション材を被包する、平面視において多角形状で、接続および分離が可能なクッション用カバーであって、前記クッション材を被包するカバー本体と、前記カバー本体の向かい合う側面の各々の、長手方向の少なくとも一方端側に、前記クッション材の厚み方向に離隔して設けられた2つ以上の接続具とを備えることを特徴とする。
【0009】
前記実施形態のクッション用カバーにおいて、前記接続具が、第1接続部材と、第1接続部材と接続および分離が可能な第2接続部材とから構成され、第1接続部材と第2接続部材とが、前記カバー本体の向かい合う側面の各々の、長手方向の少なくとも一方側に、前記クッション材の厚み方向に離隔して設けられている構成としてもよい。
【0010】
また前記実施形態のクッション用カバーにおいて、第1接続部材と第2接続部材とが、前記カバー本体の向かい合う側面の各々の、長手方向の両側に設けられ、第1接続部材と第2接続部材の前記厚み方向の取付位置が、長手方向の一方側と他方側とで逆である構成としてもよい。
【0011】
また前記実施形態のクッション用カバーにおいて、第1接続部材が設けられた前記カバー本体の側面に連続する前記カバー本体の他の側面に、第1接続部材と接続および分離が可能な第3接続部材が設けられている構成としてもよい。
【0012】
また前記実施形態のクッション用カバーにおいて、第1接続部材が、一方端側が前記カバー本体に取り付けられ、他方端側が自由端とされたベルト材と、前記ベルト材の自由端側に設けられた雄側または雌側の面ファスナーとを有し、第2接続部材が、雌側または雄側の面ファスナーである構成としてもよい。
【0013】
また前記実施形態のクッション用カバーにおいて、第1接続部材が、一方端側が前記カバー本体に取り付けられ、他方端側が自由端とされたベルト材と、前記ベルト材の自由端側に設けられた雄側または雌側の面ファスナーとを有し、第3接続部材が、雌側または雄側の面ファスナーである構成としてもよい。
【0014】
本発明によれば、接続および分離が可能なクッションであって、弾性を有するクッション材と、前記クッション材を被包するカバーとを有し、前記カバーとして前記のいずれかに記載のカバーを用いたことを特徴とするクッションが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るクッション用カバーによれば、クッション同士の接続作業が一層簡易になるとともに、接続強度をより向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るクッション用カバーとクッション材とを示す斜視図である。
図2】本発明に係るクッションを接続してマットレスした場合の斜視図である。
図3】クッションを長手方向に接続する方法を説明する斜視図である。
図4】クッションの接続に使用しない第1接続部材の収納状態を説明する斜視図である。
図5】クッションを長手方向と幅方向に接続する方法を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図に基づきより詳しく説明するが本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。また、本明細書における長手方向、幅方向、厚み方向は、図1に示される長手方向、幅方向、厚み方向を意味するものとする。
【0018】
図1に示すクッションCは、平面視が長方形で板状のクッション材2と、クッション材2を被包するクッション用カバー(以下、単に「カバー」と記すことがある。)1とを有する。
【0019】
(クッション材)
クッション材2は、平面視において長方形で所定の厚みを有する板状体であって弾性を有する。クッションCをマットレスとして使用する場合、クッション材2の材質としては、例えば、ウレタンフォームやラテックス、ポリエチレン、綿、化繊などが挙げられる。これらの中でも、ウレタンフォームやラテックス、ポリエチレンが好適である。体圧分散性や加工性などの観点からウレタンフォームがより好適である。ウレタンフォームとしてはセル膜を有しない三次元網目構造のものが通気性や透水性の機能を有することから推奨される。クッション材2の厚みに特に限定はないが、クッションCをマットレスとして用いる場合には、通常、20mm以上300mm以下の範囲が好ましい。マットレスの長手方向および幅方向の長さは、一般に、2000mm程度および1000mm程度であるところ、例えば、3つのクッションCが接続されてマットレスが構成される場合には、一つのクッション材2の長手方向長さはマットレスの長手方向長さの1/3に設定される。
【0020】
クッション材2は、特性の異なる板状弾性部材が積層された構造であってもよい。またクッション材2は、厚み方向の一方面または両方面にプロファイル加工が施されたものであってもよい。そしてまた、本発明で使用するクッション材2は板状に限定されるものではなく、例えば、弾性を有する複数のブロック片などから構成されていてもよい。
【0021】
(カバー)
カバー1は、クッション材2を被包するカバー本体3と、カバー本体3の幅方向の両側面に設けられた接続具4a,4bを備える。
【0022】
(カバー本体)
カバー本体3は、クッション材2に対応して平面視において長方形であって所定の厚みを有する。具体的には、カバー本体3は、クッション材2と相似形状を有し、クッション材2よりも僅かに大きい内容積を有する。
【0023】
カバー本体3の幅方向に向かい合う側面31及び側面32の長手方向略中央部から、長手方向一方の側面34の幅方向全体にわたって連続して、ファスナーなどでよい開閉部材11が設けられている。開閉部材11が開状態とされることで、クッション材2のカバー本体3内への収納・取り出しが可能となる。開閉部材11は通常では閉状態とされ、必要なときのみ開状態とされる。
【0024】
カバー本体3の材質としては、例えば、布帛や樹脂シートなど従来公知のものが使用できる。また、カバー本体3は伸縮性を有していてもよい。
【0025】
(接続具)
接続具4a,4bは、第1接続部材41と、第1接続部材41と接続および分離が可能な第2接続部材42とから構成される。
【0026】
第1接続部材41は、布帛などからなるベルト材411と、ベルト材411の長手方向の一方端側に設けられた面ファスナーの雄側ファスナー412とから構成される。ベルト材411の長手方向他方端側はカバー本体3に取り付けられ、他方端側は自由端とされている。そして、ベルト材411の自由端の、カバー本体3側に向く面に雄側ファスナー412が取り付けられている。第2接続部材42は、面ファスナーの雌側ファスナーであって、第1接続部材41と厚み方向に所定距離隔ててカバー本体3に取り付けられている。なお、第1接続部材41と第2接続部材42とは接続および分離が可能であればよく、第1接続部材41が雌側ファスナーを有し、第2接続部材42が雄側ファスナーであっても勿論構わない。
【0027】
第1接続部材41と第2接続部材42とは、カバー本体3の幅方向に向かい合う側面31および側面32の長手方向両端部に、厚み方向に所定距離隔てて設けられている。より詳細には、カバー本体3の側面31の、長手方向一方端側(図1の左端側)では、厚み方向上側に第1接続部材41、下側に第2接続部材42が、厚み方向に所定距離隔てて設けられ、長手方向他方端側(図1の右端側)は、厚み方向上側に第2接続部材42、下側に第1接続部材41が、厚み方向に所定距離隔てて設けられている。つまり、カバー本体3の側面31の長手方向一方端側と他方端側とで、第1接続部材41と第2接続部材42の厚み方向の取り付け位置が逆になっている。
【0028】
また、カバー本体3の側面32では、側面31と向かい合う端部の第1接続部材41と第2接続部材42の厚み方向の取り付け位置が逆になっている。すなわち、カバー本体3の側面32では、長手方向一方端側(図1の左端側)は、厚み方向上側に第2接続部材42、下側に第1接続部材41が、厚み方向に所定距離隔てて設けられ、長手方向他方端側(図1の右端側)は、厚み方向上側に第1接続部材41、下側に第2接続部材42が、厚み方向に所定距離隔てて設けられている。
【0029】
カバー本体3の側面33および側面34には、第3接続部材43としての雌側ファスナーが設けられている。より詳細には、第1接続部材41のベルト材411が、カバー本体3の外周面に接触するように曲げられたときに、ベルト材411の自由端側に設けられた雄側ファスナー412がカバー本体3の側面33および側面34と接触する位置に、第3接続部材43としての雌側ファスナーが設けられている。つまり、カバー本体3の側面33では、幅方向手前側は厚み方向下側および幅方向奥側は厚み方向上側に第3接続部材43としての雌側ファスナーが設けられている。カバー本体3の側面34では、幅方向手前側は厚み方向上側および幅方向奥側は厚み方向下側に第3接続部材43としての雌側ファスナーが設けられている。なお、第3接続部材43は、第1接続部材41と接続および分離が可能であればよく、第1接続部材41が雌側ファスナーを有し、第3接続部材43が雄側ファスナーであっても勿論構わない。
【0030】
(クッションの接続)
本発明に係るクッションCは長手方向に所望個数連続して接続することができる。図2は、図1に示すクッションCを長手方向に3つ接続してマットレス9としたものである。マットレス9の長手方向の長さはクッションCの接続個数によって調整可能である。
【0031】
3つのクッションC1~C3の長手方向の接続は、クッションC1とクッションC2との接続を例に説明すると、図3に示すように、長手方向に隣り合うマットレスC1,C2の側面31a,31bにおいて、クッションC1の第1接続部材41aのベルト材411aの先端部の雄側ファスナー412aが、クッションC2の第2接続部材42bである雌側ファスナーに接続される。また同時に、クッションC2の第1接続部材41bのベルト材411bの先端部の雄側ファスナー412bが、クッションC1の第2接続部材42aである雌側ファスナーに接続されることで行われる。
【0032】
隣り合うクッションの側面の厚み方向の2カ所においてクッションが接続されるので、クッションの接続強度は従来よりも向上し、接続部分でのズレが確実に抑制される。また面ファスナーによる接続であるので、クッションの接続作業が一層簡易になる。
【0033】
なお、図4に示すように、クッションCにおいて、他のクッションとの接続に使用しない第1接続部材41のベルト材411の自由端は、ベルト材411の雄側ファスナー412をクッションの側面33および側面34に取り付けられている第3接続部材43である雌側ファスナーに接続させる。これにより、第1接続部材41のベルト材411が不必要にはためく等が効果的に防止されると共に、クッションCの外観も向上する。
【0034】
このように、複数個のクッションC1~C3が長手方向に分離可能に接続できることで、例えばマットレス9として使用する場合には、使用者の身長や成長に合わせてマットレス9の長手方向の長さを適宜調整可能できるようになる。また、収納する際には個々のクッションC1~C3に分離して収納・保管できる。
【0035】
本発明に係るクッションは、長手方向のみならず幅方向にも合わせて接続することもできる。図5は、4個のクッションC1~C4を長手方向および幅方向に2個ずつ接続する場合の、4つのクッションC1~C4の平面視中央部における接続具の接続状態を説明する図である。
【0036】
クッションC1の第1接続部材41aのベルト材411aは、側面31aに対して外方に略垂直に屈曲し、ベルト材411aの先端部の雄側ファスナー412aは、クッションC4の第3接続部材としての雌側ファスナー43dに接続する。
【0037】
クッションC2の第1接続部材41bのベルト材411bは、側面31bに対して外方に略垂直に屈曲し、ベルト材411bの先端部の雄側ファスナー412bは、クッションC3の第3接続部材としての雌側ファスナー43cに接続する。
【0038】
クッションC3の第1接続部材41cのベルト材411cは、側面32cに対して外方に略垂直に屈曲し、ベルト材411cの先端部の雄側ファスナー412cは、クッションC2の第3接続部材としての雌側ファスナー43bに接続する。
【0039】
クッションC4の第1接続部材41dのベルト材411dは、側面32dに対して外方に略垂直に屈曲し、ベルト材411dの先端部の雄側ファスナー412dは、クッションC1の第3接続部材としての雌側ファスナー43aに接続する。
【0040】
このように、対角に位置するクッションC1とクッションC4およびクッションC2とクッションC3が接続される結果、4つのクッションC1~C4は全体として固定される。
【0041】
このような接続を同様に行うことで、長手方向および幅方向に所望個数からなるクッションを固定して集合体を形成することが可能となる。なお、図4に示したように、集合体の外周に位置するクッションの、他のクッションとの接続に使用しない第1接続部材41のベルト材411の自由端は、ベルト材411の雄側ファスナー412をクッションの第3接続部材43である雌側ファスナーに接続させることで、第1接続部材41のベルト材411が不必要にはためく等が効果的に防止されると共に、クッション材の外観も向上する。
【0042】
(その他)
以上説明した実施形態では、カバーの形状は平面視において長方形(四角形)であったが、本発明はこれに限定されるものではなく五角形や六角形などの多角形であっても構わない。
【0043】
また接続箇所は厚み方向の2カ所に限定されるものではなく、クッションの厚みを考慮して3カ所以上であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るカバーによれば、クッション同士の接続作業が一層簡易になるとともに、接続強度をより向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 カバー
2 クッション材
3 カバー本体
4a,4b 接続具
9 マットレス
11 開閉部材
41,41a~41d 第1接続部材
42,42a~42d 第2接続部材(雌側ファスナー)
43,43a~43d 第3接続部材(雌側ファスナー)
31~34,31a~34d 側面
411,411a~411d ベルト材
412,412a~412d 雄側ファスナー
C,C1~C4 クッション
図1
図2
図3
図4
図5