(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062484
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】理美容室用シャンプー補助デバイス
(51)【国際特許分類】
A45D 44/02 20060101AFI20240501BHJP
A45D 19/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A45D44/02 Z
A45D19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170331
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000149789
【氏名又は名称】株式会社大廣製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
(72)【発明者】
【氏名】廣田 能久
(72)【発明者】
【氏名】若月 晋
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040AA00
(57)【要約】
【課題】被施術者の体形や毛髪の長さの如何に関わらず円滑にシャンプー施術を行うことができる理美容室用のシャンプー補助デバイスを提供する。
【解決手段】理美容室に設置されたシャンプー台のシャンプーボウル21にて被施術者の頭部に対してシャンプー施術を行う際に使用する。シャンプーボウル21の縁部22に載置される本体10を備える。本体10は、シャンプーボウル21の内側に配置される基部11と、基部11の左右両側から前方に向けて伸びる左右の腕部15とを備える。本体10は基部11の基端辺12を除いた外周から立ち上がる周壁16を備え、基部11は上下方向に貫通する排水孔13を備える。左右の腕部15の間に被施術者30の首部を配置すると共に、被施術者30の頭部31を本体10の上に出した状態で前記シャンプー施術を行うことにより、シャンプー施術の際の水が基端辺12と排水孔13からシャンプーボウル21の中に排出される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
理美容室に設置されたシャンプー台のシャンプーボウルにて被施術者の頭部に対してシャンプー施術を行う際に使用するシャンプー補助デバイスにおいて、
前記シャンプーボウルの縁部に載置される本体を備え、前記本体は、前記シャンプーボウルの内側に配置される基部と、前記基部の左右両側から前方に向けて伸びる左右の腕部とを備え、
前記腕部は、前記シャンプーボウルの内側から外側にかけて配置されるものであり、
前記本体は、前記基部の基端辺を除いた外周から立ち上がる周壁を備え、
左右の前記腕部の間に前記被施術者の首部を配置すると共に、前記被施術者の頭部を前記本体の上に出した状態で前記シャンプー施術を行うことができるように構成されていると共に、前記シャンプー施術の際の水が前記基部の前記基端辺から前記シャンプーボウルの中に排出されるように構成されたことを特徴とするシャンプー補助デバイス。
【請求項2】
前記基部は、上下方向に貫通する排水孔を備え、前記シャンプー施術の際の水が前記基部の前記排水孔からも前記シャンプーボウルの中に排出されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のシャンプー補助デバイス。
【請求項3】
前記腕部は、前後方向に伸びているガイド突条を備え、前記ガイド突条は前記シャンプー施術の際の水を前記基部の方へ導くように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシャンプー補助デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
理美容室に設置されたシャンプー台のシャンプーボウルにて被施術者の頭部に対してシャンプー施術を行う際に使用するシャンプー補助デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
理美容室に設置されたシャンプー台のシャンプーボウルとしては、特許文献1や2に記載のものが知られている。また、特許文献2には、理美容室用シャンプー補助デバイスとして、シャンプーボウルに装着して用いるネックレストが開示されている。このネックレストは弾性を備え、このネックレストによって被施術者の首部を後ろから支持することで被施術者の頭部を安定させると共に首部の痛みの発生を抑制するものである。
【0003】
このように、通常理美容室にてシャンプー台でシャンプーを施術する際には、被施術者の首部がシャンプーボウルの縁やネックレストの上に乗り、頭部がシャンプーボウルの内側に入っている状態で行われる。しかしながら、被施術者が高齢の場合には、首部が前屈した状態となりがちであるため、シャンプーボウルの縁(ネープクッション)に首が乗らず、シャンプーボウルの内側に頭部が十分に入らない場合があった。この場合襟足などが十分に洗えなかったり、すすげなかったりするといった課題があった。
【0004】
また、被施術者が年少の場合には、その体形上シャンプーボウルの内側に頭部が十分に入らず、上記と同様にシャンプー施術がうまく行えないという課題があった。
さらに被施術者の毛髪が長い場合、シャンプー施術中において毛髪がシャンプーボウルの排水栓に入ってしまって巻き込まれてしまう恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-314223号公報
【特許文献2】登録実用新案第3171262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、被施術者の体形の如何に関わらず円滑にシャンプー施術を行うことができるようにした理美容室用のシャンプー補助デバイスの提供を課題とする。
また本発明は、被施術者の毛髪の長さの如何に関わらず円滑にシャンプー施術中に毛髪がシャンプーボウルの排水栓に流れ込むことを抑制する理美容室用のシャンプー補助デバイスの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、理美容室に設置されたシャンプー台のシャンプーボウルにて被施術者の頭部に対してシャンプー施術を行う際に使用するシャンプー補助デバイスを提供する。このデバイスは、前記シャンプーボウルの縁部に載置される本体を備え、前記本体は、前記シャンプーボウルの内側に配置される基部と、前記基部の左右両側から前方に向けて伸びる左右の腕部とを備える。前記腕部は、前記シャンプーボウルの内側から外側にかけて配置されるものであり、前記本体は、前記基部の基端辺を除いた外周から立ち上がる周壁を備える。左右の前記腕部の間に前記被施術者の首部を配置すると共に、前記被施術者の頭部を前記本体の上に出した状態で前記シャンプー施術を行うことができるように構成されていると共に、前記シャンプー施術の際の水が前記基部の前記基端辺と前記排水孔から前記シャンプーボウルの中に排出されるように構成されたものである。
【0008】
本発明の実施に際しては、前記基部は、上下方向に貫通する排水孔を備え、前記シャンプー施術の際の水が前記基部の前記排水孔からも前記シャンプーボウルの中に排出されるように構成し得る。
また前記腕部は、前後方向に伸びているガイド突条を備え、前記ガイド突条は前記シャンプー施術の際の水を前記基部の方へ導くように構成し得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、被施術者の体形の如何に関わらず円滑にシャンプー施術を行うことができるようにした理美容室用のシャンプー補助デバイスを提供することができたものである。
また本発明は、被施術者の毛髪の長さの如何に関わらず円滑にシャンプー施術中に毛髪がシャンプーボウルの排水栓に流れ込むことを抑制する理美容室用のシャンプー補助デバイスを提供することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるシャンプー補助デバイスの使用状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
この実施の形態にかかるシャンプー補助デバイスは、理美容室に設置されたシャンプー台20のシャンプーボウル21にて被施術者30の頭部31に対してシャンプー施術を行う際に使用する。シャンプー補助デバイスは自立性のある合成樹脂製など適宜素材で構成することができるが、被施術者30に痛みを感じさせることを抑制するために適当な弾性を備えたものであることが好ましい。
【0012】
シャンプー補助デバイスは、シャンプーボウル21の縁部22に載置される本体10を備える。シャンプー補助デバイスは平面視において、シャンプーボウル21の内側に配置される基部11と、基部11の左右両側から前方に向けて伸びる左右の腕部15とを備えているが、両者は連続的に形成されたものであって、両者の間に明確な境目を設ける必要はない。
【0013】
使用に際しては、腕部15は、シャンプーボウル21の内側から前方の外側(
図1の左側)にかけて配置される。そしてその一部(前後方向の中間部)の底面が、シャンプーボウル21の縁部22に載せられる。
本体10は、平面視にて略U字状を示し、
図1に示すように、被施術者30の首部32が左右の腕部15の間を通され、被施術者30の頭部31が本体10の上に出た状態で、シャンプー施術が行われる。
【0014】
図2に示すように、腕部15のそれぞれ外周は、滑らかに丸みを帯びて連続する曲線で構成されている。そして左右の腕部15の間の間隔は、両者がつながる中央部17から、前方に向かうに従い徐々に大きくなり、前後方向の中間部の手前付近で最大となる。以上の部分に、被施術者30の首部32の後ろ側が接するように装着される。左右の腕部15の間隔は、さらに前方に向かうに従い徐々に小さくなるものであるが、被施術者30の首部32を無理なく通すことができるものとされている。それぞれの腕部15の先端部は丸みを帯びたものとされており、この先端にて両者の間隔が最大となっている。
なお、腕部15の形状は、被施術者30の首部32に装着することができることを条件に適宜変更して実施することができる。
【0015】
シャンプー補助デバイスの本体10の外周には、基部11の基端辺12を除いて、平板状の底部から上方へ向けて立ち上がる周壁16が形成されている。但し、周壁16は、基端辺12を除く本体10の全外周に周壁16を設ける必要はなく、周壁16が形成されていない外周が一部にあっても構わない。また、周壁16の高さは一定である必要はなく、この例では、周壁16は中央部17では低く、前方に向かうに従って徐々に高くなっている。
上記の装着状態でシャンプー施術を行うと、その際の水は周壁16によって外側に溢れてしまうことが抑制され、腕部15から基部11の基端に向けて流れることにより、周壁16のない基端辺12からシャンプーボウル21の中に排出される。
【0016】
周壁16は、被施術者30の首部32に沿うように当接することによって、施術時の水が襟足などの首部32を濡らしてしまうことを抑制することができる。従って、周壁16は真っ直ぐ上方へ立ち上がるのであっても構わないが、左右の腕部15の少なくとも対向辺では、互いの間隔が上方に向かうに従って狭くなくなるように外側へ傾斜させても構わない。外側へ傾斜させることによって、個人差のある被施術者30の首部32の大きさにも、対応しやすくすることができる。
【0017】
さらにこの実施の形態では、基部11の底部を上下方向に貫通する排水孔13が形成されている。排水孔13からも水が排出されるため、万が一のオーバーフロー防止の機能も果たす。また排水孔13に、壁などに設けられたフック(図示せず)などを通して、シャンプー補助デバイスを引っ掛けておくこともできる。
【0018】
さらにこの実施の形態では、腕部15から基部11に向けて前後方向に伸びるガイド突条14が複数本形成されている。これらのガイド突条14は、シャンプー施術の際の水を基部11の方へ導くのに有利であり、またシャンプー施術の際に横方向に水が飛び散ることを抑制するのに有利である。
【0019】
このシャンプー補助デバイスは、被施術者30の頭部31に直接セッティングされるので、シャンプーボウル21の内側に頭部31が十分に入っていなくても、襟足などをしっかりと洗え、すすぎもスムーズにできる。また被施術者30の毛髪が長い場合でも、毛髪を10の上に乗せてシャンプー施術を行うことができるため、シャンプーボウル21の底面と間隔を置くことができ、毛髪がシャンプーボウル21の排水栓に流入することを抑制することができる。
【符号の説明】
【0020】
10 本体
11 基部
12 基端辺
13 排水孔
14 ガイド突条
15 腕部
16 周壁
17 中央部
20 シャンプー台
21 シャンプーボウル
30 被施術者
31 頭部
32 首部