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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062523
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】物品収納装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 55/00 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
A47B55/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170406
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮田 秀一
【テーマコード(参考)】
3B067
【Fターム(参考)】
3B067AA01
(57)【要約】
【課題】デッドスペースの発生を抑制して物品の収納数の増大化を図ることができるとともに、防盗性を良好なものとすること。
【解決手段】前面開口21aを臨む態様で底面、左右両側面、後面及び天面に囲繞された直方状の収納空間21bを有し、前面開口21aが前面扉22により開閉される物品収納部20が複数設けられた物品収納装置1であって、物品収納部20は、収納空間21bに収納され、前方領域が開放された直方状のモジュール本体31と、モジュール本体31の内部を上下及び左右の少なくとも一方に区画することで複数の収納域32を画成する区画部材33と、区画部材33によって画成された収納域32の前方部分を開閉する開閉扉35と、開閉扉35毎に設けられ、開閉扉35が閉となる状態に保持するロック状態と、開閉扉35が収納域32の前方部分を開成することを許容する解除状態との間で択一的に切り替え可能な扉体ロック機構36とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に形成された前面開口を臨む態様で底面、左右両側面、後面及び天面に囲繞された直方状の収納空間を有し、かつ前記前面開口が前面扉により開閉される物品収納部が設けられた物品収納装置であって、
前記物品収納部は、
前記収納空間に着脱可能に収納され、かつ前方領域が開放された直方状のモジュール本体と、
前記モジュール本体の内部を上下及び左右の少なくとも一方に区画することで複数の収納域を画成する区画部材と、
前記区画部材によって画成された収納域の前方部分を開閉する開閉部材と、
前記開閉部材毎に設けられ、かつ該開閉部材が閉となる状態に保持するロック状態と、該開閉部材が前記収納域の前方部分を開成することを許容する解除状態との間で択一的に切り替え可能なロック機構と
を備えたことを特徴とする物品収納装置。
【請求項2】
前記開閉部材は、前記モジュール本体に対して揺動可能に設けられた開閉扉であることを特徴とする請求項1に記載の物品収納装置。
【請求項3】
前記開閉部材は、前記モジュール本体に対して着脱可能に設けられた開閉蓋であることを特徴とする請求項1に記載の物品収納装置。
【請求項4】
前記開閉蓋は、前記前面扉に対して係脱可能に設けられており、
前記前面扉は、前記開閉蓋毎に設けられ、かつ該開閉蓋が自身と係合状態に保持するロック状態と、該開閉蓋が自身から離脱することを許容する解除状態との間で択一的に切り替え可能な前面扉側ロック機構を備えたことを特徴とする請求項3に記載の物品収納装置。
【請求項5】
前記モジュール本体は、前記収納域の物品の有無を検出する物品検出手段が側壁部に揺動可能に設けられ、
前記物品検出手段は、前記モジュール本体の内部を上下に区画する水平仕切板が配設される場合には、前記側壁部から離隔する態様で揺動して該水平仕切板に配置される一方、前記水平仕切板が配設されない場合には、前記側壁部に近接する態様で揺動して該側壁部に形成された収納凹部に収納されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の物品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば宅配ロッカー等のロッカー装置として、断熱構造を有する装置本体に複数のロッカー部が上下左右に並ぶ態様で配設されたものが知られている。ロッカー部は、断熱構造を有する箱体と、断熱構造を有する断熱扉とを備えている。箱体は、前面に前方開口を有しており、内部に収納空間を形成している。断熱扉は、箱体の前方開口を開閉する態様で揺動可能に設けられており、施解錠可能なものである。
【0003】
そのようなロッカー装置は、装置本体に設けられた冷却装置等の温度調節ユニットにより、各ロッカー部の収納空間が所望の温度に調整されており、収納空間に荷物等の物品が収納されている。そして、利用者が所定の解錠操作を行うことで任意のロッカー部の断熱扉を開く方向に揺動させ、収納空間に収納された物品を受け取ることができる。
【0004】
かかるロッカー装置においては、運用上、種々の物品を収納対象とすることが望ましく、各ロッカー部の収納空間は、最も大きい物品(以下、最大体積物品ともいう)を収納可能な容積を有しているのが一般的である。そのため、収納対象となる物品が最大体積物品よりも小さい場合、当該ロッカー部の収納空間には大きな余剰空間(デッドスペース)が生じており、無駄なスペースが問題となっていた。
【0005】
そこで、各ロッカー部の収納空間に前方に開口を有する箱状の内箱体を設置し、該内箱体の内部を複数の収納領域に区画するようにしたロッカー装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-094113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に提案されているロッカー装置では、内箱体の内部が複数の収納領域に区画されていても各収納領域の前方部分が開放しているため、断熱扉を開く方向に揺動させた場合に、各収納領域の内部の物品を取り出すことが可能となり、防盗性に問題があった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、デッドスペースの発生を抑制して物品の収納数の増大化を図ることができるとともに、防盗性を良好なものとすることができる物品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る物品収納装置は、前面に形成された前面開口を臨む態様で底面、左右両側面、後面及び天面に囲繞された直方状の収納空間を有し、かつ前記前面開口が前面扉により開閉される物品収納部が設けられた物品収納装置であって、前記物品収納部は、前記収納空間に着脱可能に収納され、かつ前方領域が開放された直方状のモジュール本体と、前記モジュール本体の内部を上下及び左右の少なくとも一方に区画することで複数の収納域を画成する区画部材と、前記区画部材によって画成された収納域の前方部分を開閉する開閉部材と、前記開閉部材毎に設けられ、かつ該開閉部材が閉となる状態に保持するロック状態と、該開閉部材が前記収納域の前方部分を開成することを許容する解除状態との間で択一的に切り替え可能なロック機構とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記物品収納装置において、前記開閉部材は、前記モジュール本体に対して揺動可能に設けられた開閉扉であることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記物品収納装置において、前記開閉部材は、前記モジュール本体に対して着脱可能に設けられた開閉蓋であることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記物品収納装置において、前記開閉蓋は、前記前面扉に対して係脱可能に設けられており、前記前面扉は、前記開閉蓋毎に設けられ、かつ該開閉蓋が自身と係合状態に保持するロック状態と、該開閉蓋が自身から離脱することを許容する解除状態との間で択一的に切り替え可能な前面扉側ロック機構を備えたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上記物品収納装置において、前記モジュール本体は、前記収納域の物品の有無を検出する物品検出手段が側壁部に揺動可能に設けられ、前記物品検出手段は、前記モジュール本体の内部を上下に区画する水平仕切板が配設される場合には、前記側壁部から離隔する態様で揺動して該水平仕切板に配置される一方、前記水平仕切板が配設されない場合には、前記側壁部に近接する態様で揺動して該側壁部に形成された収納凹部に収納されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、区画部材が、物品収納部の収納空間に着脱可能に収納された直方状のモジュール本体の内部を上下及び左右の少なくとも一方に区画することで複数の収納域を画成するので、物品の大きさに対応して収納スペースを変更することができ、物品の大きさに弾力的に対応することができる。しかも、開閉部材が、区画部材によって画成された収納域の前方部分を開閉し、開閉部材毎に設けられたロック機構が、開閉部材が閉となる状態に保持するロック状態と、該開閉部材が収納域の前方部分を開成することを許容する解除状態との間で択一的に切り替え可能なので、取出対象となる物品を収納する収納域の前方部分だけを開成させることができる。従って、デッドスペースの発生を抑制して物品の収納数の増大化を図ることができるとともに、防盗性を良好なものとすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態である物品収納装置の外観構成を示す正面図である。
図2図2は、本発明の実施の形態である物品収納装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
図3図3は、図1に示した物品収納装置の物品収納部の内部構造を示す正面図である。
図4図4は、図1に示した物品収納装置の物品収納部に収納モジュールが収納された状態を示す斜視図である。
図5図5は、図4に示した収納モジュールの外観構成を示す斜視図である。
図6図6は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す斜視図である。
図7図7は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す斜視図である。
図8図8は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す斜視図である。
図9図9は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す斜視図である。
図10図10は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す斜視図である。
図11図11は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す斜視図である。
図12図12は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す分解斜視図である。
図13図13は、図5に示した収納モジュールの内部構造を示す分解斜視図である。
図14図14は、図2に示した制御部が実施する処理内容を示すフローチャートである。
図15図15は、収納域に収納された物品の取り出し動作を説明するための説明図である。
図16図16は、本発明の実施の形態である物品収納装置の変形例の要部を拡大して示す斜視図である。
図17図17は、本発明の実施の形態である物品収納装置の変形例の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
図18図18は、図17に示した制御部が実施する処理内容を示すフローチャートである。
図19図19は、本発明の実施の形態である物品収納装置の他の変形例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る物品収納装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である物品収納装置を示すものであり、図1は、物品収納装置の外観構成を示す正面図であり、図2は、物品収納装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
【0018】
ここで例示する物品収納装置1は、例えば宅配ロッカー等として用いられるロッカー装置であり、装置本体10を備えている。
【0019】
装置本体10は、前面に本体開口11を有する直方状の筐体であり、複数の物品収納部20が上下に並ぶ態様で配設されている。この装置本体10は、発泡ウレタンや真空断熱材等の断熱材を内蔵することにより断熱構造を有している。またこの装置本体10は、図示せぬ冷却ユニットを備えており、この冷却ユニットの駆動により内部が所定の温度以下に冷却されている。
【0020】
物品収納部20は、図3に示すように、箱体21及び前面扉22を備えている。箱体21は、板金構造を有しており、底面部211、左右の側面部212、後面部213及び天面部214を備え、前面に前面開口21aを有した直方状を成している。このような箱体21は、前面開口21aを臨む態様で底面211a、左右両側面212a、後面213a及び天面214aに囲繞された直方状の収納空間21bを有している。
【0021】
図3には明示していないが、底面部211や天面部214には、複数の通過孔が適宜形成されており、上記冷却ユニットにより冷却された空気が収納空間21bを通過可能となっている。これにより収納空間21bの内部雰囲気を所定温度以下に冷却することが可能である。
【0022】
このような箱体21は、装置本体10の内部において、該装置本体10の内部で前後方向に延在する図示せぬフレームに支持されることで、前面開口21aが本体開口11を臨む態様で取り付けられている。
【0023】
前面扉22は、箱体21毎に設けられており、対応する箱体21の前面開口21aを閉塞するのに十分な大きさを有した扉体である。この前面扉22は、板金構造を有しており、図には明示しないが、外板と内板との間に発泡ウレタンや真空断熱材等の断熱材が敷設されることにより断熱構造を有している。
【0024】
このような前面扉22は、右側部が箱体21における右側の側面部212の前端部分に軸支されており、該箱体21に対して近接離反する態様で前後方向に揺動可能である。つまり、前面扉22は、前方に向けて揺動することにより、前面開口21aを開放する一方、後方に向けて揺動することにより、前面開口21aを閉塞するものである。尚、図には明示しないが、この前面扉22の後面の各縁部には、パッキン等が取り付けられており、前面開口21aを閉塞する場合に、パッキンが箱体21の前面開口21aの開口縁部に当接することで、密閉性が確保されている。
【0025】
ところで、箱体21における前面開口21aの近傍には、前面扉開閉検知部23及び前面扉ロック機構24が設けられている。
【0026】
前面扉開閉検知部23は、例えば光センサ等で構成されるもので、前面扉22による前面開口21aの開閉を検知するものである。より詳細には、前面扉開閉検知部23は、箱体21の前面開口21aが閉成、すなわち前面扉22が閉となるか否かを検知するものである。かかる前面扉開閉検知部23は、前面扉22が閉となるか否かの検知結果を信号として後述する制御部50に送出するものである。
【0027】
前面扉ロック機構24は、箱体21の前面開口21aを閉成する前面扉22が閉となる状態を保持させて該前面扉22が前方に向けて揺動することを規制するロック状態と、該前面扉22が前方に向けて揺動することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる前面扉ロック機構24の切り替えは、制御部50から与えられる指令に応じて行われる。
【0028】
上記箱体21の収納空間21bには、図4に示すように収納モジュール30が収納されている。収納モジュール30は、例えばプラスチック等の樹脂材から構成されたものであり、図5図7に示すように、モジュール本体31、区画部材33、開閉扉35及び物品検出レバー37を備えて構成されている。
【0029】
モジュール本体31は、底壁部311、左右の側壁部312、背壁部313及び天壁部314により構成され、前方部分が開放した直方状のものである。このモジュール本体31は、箱体21の収納空間21bよりも僅かに小さい寸法を有しており、各壁部311等が箱体21の内面に接することが好ましい。
【0030】
つまり、モジュール本体31は、底壁部311が底面部211に接し、左側の側壁部312が左側の側面部212に接し、右側の側壁部312が右側の側面部212に接し、背壁部313が後面部213に接し、天壁部314が天面部214に接することが好ましい。またモジュール本体31においては、底壁部311及び天壁部314に、箱体21と同様に、複数の通過孔311a,314aが形成されている。
【0031】
区画部材33は、モジュール本体31の内部を区画するためのものであり、水平仕切板331,332、縦仕切板333,334及び連結部材335により構成されている。
【0032】
水平仕切板331,332は、モジュール本体31の内部を上下に区画するためのものであり、左側水平仕切板331と右側水平仕切板332とを有している。これら左側水平仕切板331と右側水平仕切板332とは、前後寸法及び左右寸法が互いに同じ大きさを有している。
【0033】
縦仕切板333,334は、モジュール本体31の内部を左右に区画するためのものであり、上側縦仕切板333と下側縦仕切板334とを有している。これら上側縦仕切板333と下側縦仕切板334とは、前後寸法及び上下寸法が互いに同じ大きさを有している。また下側縦仕切板334の下端部には、前後方向に沿って延在する下端フランジ334aが左右一対となる態様で設けられており、上側縦仕切板333の上端部には、前後方向に沿って延在する上端フランジ333aが左右一対となる態様で設けられている。
【0034】
連結部材335は、前後方向が長手方向となる長尺状部材であり、その前後寸法は、水平仕切板331,332及び縦仕切板333,334の前後寸法と略同じである。この連結部材335は、上側進入溝335a、下側進入溝335b、左側進入溝335c、右側進入溝335dが形成されている。上側進入溝335aは、上側縦仕切板333の下縁部を進入させるものである。下側進入溝335bは、下側縦仕切板334の上縁部を進入させるものである。左側進入溝335cは、左側水平仕切板331の右縁部を進入させるものである。右側進入溝335dは、右側水平仕切板332の左縁部を進入させるものである。
【0035】
そのような区画部材33は、次のようにしてモジュール本体31の内部を区画して複数の収納域32に画成することができる。
【0036】
左側水平仕切板331と右側水平仕切板332とを連結部材335を介して連結し、すなわち、左側水平仕切板331の右縁部を連結部材335の左側進入溝335cに進入させつつ右側水平仕切板332の左縁部を連結部材335の右側進入溝335dに進入させて連結し、これら左側水平仕切板331、右側水平仕切板332及び連結部材335の後縁部を背壁部313に形成された水平進入溝313a(図9等参照)に進入させつつ左側水平仕切板331の左縁部を左側の側壁部312に形成された左側壁進入溝312aに進入させ、右側水平仕切板332の右縁部を右側の側壁部312に形成された右側壁進入溝312bに進入させる。
【0037】
そして、下側縦仕切板334の下縁部を底壁部311に形成された底壁進入溝311bに進入させつつ上縁部を連結部材335の下側進入溝335bに進入させ、該下側縦仕切板334の後縁部を背壁部313に設けられた縦型用進入溝313b(図8参照)に進入させる。このとき、下側縦仕切板334の下端フランジ334aは、底壁部311の上面に接している。
【0038】
次に、上側縦仕切板333の上縁部を天壁部314に形成された天壁進入溝314bに進入させつつ下縁部を連結部材335の上側進入溝335aに進入させ、該上側縦仕切板333の後縁部を背壁部313に設けられた縦型用進入溝313bに進入させる。このとき、上側縦仕切板333の上端フランジ333aは、天壁部314の下面に接している。
【0039】
これにより区画部材33は、モジュール本体31の内部を区画して4つの収納域32に画成することができる。
【0040】
そのような区画部材33によるモジュール本体31の内部の区画例について説明する。図6及び図7に示したように4つの収納域32を画成する状態から、上側縦仕切板333及び下側縦仕切板334を取り外すことにより、区画部材33は、図8に示すように、モジュール本体31の内部を上下に区画して2つの収納域32を画成することができる。
【0041】
また、図6及び図7に示したように4つの収納域32を画成する状態から、左側水平仕切板331及び右側水平仕切板332を取り外すことにより、区画部材33は、図9に示すように、モジュール本体31の内部を左右に区画して2つの収納域32を画成することができる。
【0042】
更に、図6及び図7に示したように4つの収納域32を画成する状態から、左側水平仕切板331を取り外すことにより、区画部材33は、図10に示すように、モジュール本体31の内部を上下及び左右に区画して3つの収納域32を画成することができる。
【0043】
区画例ではないが、図6及び図7に示したように4つの収納域32を画成する状態から、全ての区画部材33を取り外すことにより、図11に示すように、モジュール本体31の内部に1つの収納域32を画成することができる。
【0044】
このように区画部材33は、モジュール本体31の内部に1~4つの収納域32を画成することができる。
【0045】
開閉扉35は、区画部材33により画成される収納域32の最大数(4つ)に対応してモジュール本体31に設けられ、左上開閉扉351、左下開閉扉352、右上開閉扉353及び右下開閉扉354を有している。
【0046】
左上開閉扉351は、モジュール本体31の内部が4つの収納域32に画成された際に、左上の収納域32の前方部分を閉塞するのに十分な大きさを有した扉体である。この左上開閉扉351は、左側部がモジュール本体31における左側の側壁部312の上側前端部分に軸支されており、モジュール本体31に対して近接離反する態様で前後方向に揺動可能である。つまり、左上開閉扉351は、前方に向けて揺動することにより、左上の収納域32の前方部分を開放する一方、後方に向けて揺動することにより、左上の収納域32の前方部分を閉塞するものである。
【0047】
左下開閉扉352は、モジュール本体31の内部が4つの収納域32に画成された際に、左下の収納域32の前方部分を閉塞するのに十分な大きさを有した扉体である。この左下開閉扉352は、左側部がモジュール本体31における左側の側壁部312の下側前端部分に軸支されており、モジュール本体31に対して近接離反する態様で前後方向に揺動可能である。つまり、左下開閉扉352は、前方に向けて揺動することにより、左下の収納域32の前方部分を開放する一方、後方に向けて揺動することにより、左下の収納域32の前方部分を閉塞するものである。
【0048】
右上開閉扉353は、モジュール本体31の内部が4つの収納域32に画成された際に、右上の収納域32の前方部分を閉塞するのに十分な大きさを有した扉体である。この右上開閉扉353は、右側部がモジュール本体31における右側の側壁部312の上側前端部分に軸支されており、モジュール本体31に対して近接離反する態様で前後方向に揺動可能である。つまり、右上開閉扉353は、前方に向けて揺動することにより、右上の収納域32の前方部分を開放する一方、後方に向けて揺動することにより、右上の収納域32の前方部分を閉塞するものである。
【0049】
右下開閉扉354は、モジュール本体31の内部が4つの収納域32に画成された際に、右下の収納域32の前方部分を閉塞するのに十分な大きさを有した扉体である。この右下開閉扉354は、右側部がモジュール本体31における右側の側壁部312の下側前端部分に軸支されており、モジュール本体31に対して近接離反する態様で前後方向に揺動可能である。つまり、右下開閉扉354は、前方に向けて揺動することにより、右下の収納域32の前方部分を開放する一方、後方に向けて揺動することにより、右下の収納域32の前方部分を閉塞するものである。
【0050】
上記モジュール本体31においては、上記開閉扉35毎に扉体開閉検知部34及び扉体ロック機構36が設けられている。
【0051】
扉体開閉検知部34は、例えば光センサ等で構成されるもので、対応する開閉扉35が閉となるか否かを検知するものである。かかる扉体開閉検知部34は、対応する開閉扉35が閉となるか否かの検知結果を信号として制御部50に送出するものである。
【0052】
扉体ロック機構36は、収納域32の前方部分を閉成する対応する開閉扉35が閉となる状態を保持させて該開閉扉35が前方に向けて揺動することを規制するロック状態と、該開閉扉35が前方に向けて揺動することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる扉体ロック機構36の切り替えは、制御部50から与えられる指令に応じて行われる。尚、扉体ロック機構36による開閉扉35の前方に向けての揺動の規制は、種々の手段を採用することができ、扉体ロック機構36の一部が開閉扉35の一部に係止して揺動することを規制してもよい。
【0053】
物品検出レバー37は、区画部材33により画成される収納域32の最大数(4つ)に対応してモジュール本体31に設けられており、右下検出レバー371、左下検出レバー372、右上検出レバー373及び左上検出レバー374を有している。
【0054】
右下検出レバー371は、モジュール本体31の底壁部311において、底壁進入溝311bよりも右側に設けられている。この右下検出レバー371は、底壁部311の上方域に対して進退移動する態様で上下方向に揺動可能に設けられており、図示せぬ付勢手段により上方に揺動するよう付勢されている。
【0055】
かかる右下検出レバー371は、収納域32に収納された物品に押圧された場合には、付勢手段の付勢力に抗して下方に揺動して底壁部311の上方域から退行移動し、自身に対応して設けられた物品検出スイッチ38をオフ状態とする一方、該物品が取り出された場合には、上方に揺動して底壁部311の上方域に進出移動し、該物品検出スイッチ38をオン状態とするものである。かかる物品検出スイッチ38は、オン状態となる場合に、物品無と検出し、その旨を制御部50に送出するものである。
【0056】
左下検出レバー372は、モジュール本体31の底壁部311において、底壁進入溝311bよりも左側に設けられている。この左下検出レバー372は、底壁部311の上方域に対して進退移動する態様で上下方向に揺動可能に設けられており、図示せぬ付勢手段により上方に揺動するよう付勢されている。
【0057】
かかる左下検出レバー372は、収納域32に収納された物品に押圧された場合には、付勢手段の付勢力に抗して下方に揺動して底壁部311の上方域から退行移動し、自身に対応して設けられた物品検出スイッチ38をオフ状態とする一方、該物品が取り出された場合には、上方に揺動して底壁部311の上方域に進出移動し、該物品検出スイッチ38をオン状態とするものである。かかる物品検出スイッチ38は、オン状態となる場合に、物品無と検出し、その旨を制御部50に送出するものである。
【0058】
右上検出レバー373は、図12に示すように、モジュール本体31の右側の側壁部312において、右側壁進入溝312bよりも上側に設けられた右側レバー支持部材39に設置されている。
【0059】
右側レバー支持部材39は、例えばプラスチック等の樹脂材から形成された直方状のものである。この右側レバー支持部材39は、右端部の前端より前方に向けて突出する前端軸状部391と、右端部の後端より後方に向けて突出する後端軸状部392とが、右側の側壁部312に形成された右側収納凹部312cの下部に形成された支持孔312dに挿通することで、前端軸状部391及び後端軸状部392の中心軸回りに揺動可能に設けられている。
【0060】
この右側レバー支持部材39は、右側水平仕切板332が配設される場合には、右側の側壁部312から離隔する態様で下方に揺動し、図13に示すように右側水平仕切板332に形成された切欠部分332aに進入し、上面が右側水平仕切板332の上面と略同一平面を成すように配置される(図6等参照)。一方、右側レバー支持部材39は、右側水平仕切板332が配設されない場合には、右側の側壁部312に近接する態様で上方に揺動し、右側収納凹部312cの上部に設けられたスナップフィット312e(図8参照)により係止されて右側収納凹部312cに収納される(図9等参照)。
【0061】
上記右上検出レバー373は、右側レバー支持部材39の上面より出没する態様で揺動可能に設けられており、図示せぬ付勢手段により右側レバー支持部材39の上面より突出するよう付勢されている。
【0062】
かかる右上検出レバー373は、右側レバー支持部材39が右側水平仕切板332の切欠部分332aに進入した状態で配置される場合において、収納域32に収納された物品に押圧されたときには、付勢手段の付勢力に抗して右側レバー支持部材39の上面から没となる態様で下方に揺動し、該右側レバー支持部材39に設けられた物品検出スイッチ38をオフ状態とする一方、該物品が取り出された場合には、右側レバー支持部材39の上面から突出する態様で揺動し、該物品検出スイッチ38をオン状態とするものである。かかる物品検出スイッチ38は、右上検出レバー373とともに本発明の物品検出手段を構成しており、オン状態となる場合に、物品無と検出し、その旨を制御部50に送出するものである。
【0063】
左上検出レバー374は、モジュール本体31の左側の側壁部312において、左側壁進入溝312aよりも上側に設けられた左側レバー支持部材40に設置されている。この左側レバー支持部材40は、右側レバー支持部材39と左右対称となるものであり簡単に説明する。
【0064】
左側レバー支持部材40は、例えばプラスチック等の樹脂材から形成された直方状のものである。この左側レバー支持部材40は、左端部の前端より前方に向けて突出する前端軸状部と、左端部の後端より後方に向けて突出する後端軸状部とが、左側の側壁部312に形成された左側収納凹部312f(図7参照)の下部に形成された支持孔に挿通することで、前端軸状部及び後端軸状部の中心軸回りに揺動可能に設けられている。
【0065】
この左側レバー支持部材40は、左側水平仕切板331が配設される場合には、左側の側壁部312から離隔する態様で下方に揺動し、左側水平仕切板331に形成された切欠部分331aに進入し、上面が左側水平仕切板331の上面と略同一平面を成すように配置される(図7等参照)。一方、左側レバー支持部材40は、左側水平仕切板331が配設されない場合には、左側の側壁部312に近接する態様で上方に揺動し、左側収納凹部312fの上部に設けられたスナップフィットにより係止されて左側収納凹部312fに収納される。
【0066】
上記左上検出レバー374は、左側レバー支持部材40の上面より出没する態様で揺動可能に設けられており、図示せぬ付勢手段により左側レバー支持部材40の上面より突出するよう付勢されている。
【0067】
かかる左上検出レバー374は、左側レバー支持部材40が左側水平仕切板331の切欠部分332aに進入した状態で配置される場合において、収納域32に収納された物品に押圧されたときには、付勢手段の付勢力に抗して左側レバー支持部材40の上面から没となる態様で下方に揺動し、該左側レバー支持部材40に設けられた物品検出スイッチ38をオフ状態とする一方、該物品が取り出された場合には、左側レバー支持部材40の上面から突出する態様で揺動し、該物品検出スイッチ38をオン状態とするものである。かかる物品検出スイッチ38は、左上検出レバー374とともに本発明の物品検出手段を構成しており、オン状態となる場合に、物品無と検出し、その旨を制御部50に送出するものである。
【0068】
図2に示したように、物品収納装置1は、上記構成の他、操作入力部42及び制御部50を備えている。
【0069】
操作入力部42は、図1に示したように、装置本体10における前面の物品収納部20の右方側に設けられている。この操作入力部42は、例えばタッチパネル等により構成されており、タッチ操作により物品の選択がなされた場合に、その旨を制御部50に送出するものである。
【0070】
制御部50は、操作入力部42、前面扉開閉検知部群23A、前面扉ロック機構群24A、扉体開閉検知部群34A、扉体ロック機構群36A及び物品検出スイッチ群38Aに電気的に接続されており、同じく電気的に接続された記憶部51に記憶されたプログラムやデータに従って、物品収納装置1の各部の動作を統括的に制御するものである。
【0071】
前面扉開閉検知部群23Aは、上述した前面扉開閉検知部23の集合体である。前面扉ロック機構群24Aは、上述した前面扉ロック機構24の集合体である。扉体開閉検知部群34Aは、上述した扉体開閉検知部34の集合体である。扉体ロック機構群36Aは、上述した扉体ロック機構36の集合体である。物品検出スイッチ群38Aは、上述した物品検出スイッチ38の集合体である。上記記憶部51には、各収納域32に収納された物品に関する情報が物品情報として記憶されている。
【0072】
尚、制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0073】
図14は、図2に示した制御部50が実施する処理内容を示すフローチャートである。かかる処理内容を説明しながら物品収納装置1の動作について説明する。尚、説明の前提として、前面扉ロック機構24及び扉体ロック機構36はロック状態であるものとする。
【0074】
制御部50は、操作入力部42での物品の選択の有無を判断する(ステップS101)。物品の選択がされていない場合(ステップS101:No)、制御部50は、かかる処理を繰り返す。
【0075】
物品の選択がされた場合(ステップS101:Yes)、制御部50は、記憶部51に記憶された物品情報に基づいて、該当する前面扉ロック機構24を解除状態とするとともに、該当する扉体ロック機構36を解除状態にする(ステップS102,ステップS103)。
【0076】
これにより利用者は、図15に示すように、該当する前面扉22を開く方向(前方)に揺動させるとともに、該当する開閉扉35(左上開閉扉351)を開く方向(前方)に揺動させ、収納域32に収納された物品を取り出すことができる。
【0077】
上記ステップS103を実施した制御部50は、該当する収納域32(左上の収納域32)の物品検出スイッチ38(左上検出レバー374に対応した物品検出スイッチ38)が物品無と検出するか否かを判断する(ステップS104)。物品無と検出されない場合(ステップS104:No)、制御部50は、かかる処理を繰り返す。
【0078】
物品無と検出された場合(ステップS104:Yes)、制御部50は、扉体開閉検知部34により該当する開閉扉35が閉と検知されたか否かを判断する(ステップS105)。開閉扉35が閉と検知されない場合(ステップS105:No)、制御部50は、かかる処理を繰り返す。
【0079】
開閉扉35が閉と検知された場合(ステップS105:Yes)、制御部50は、前面扉開閉検知部23により該当する前面扉22が閉と検知されたか否かを判断する(ステップS106)。前面扉22が閉と検知されない場合(ステップS106:No)、制御部50は、かかる処理を繰り返す。
【0080】
前面扉22が閉と検知された場合(ステップS106:Yes)、制御部50は、上記ステップS103で解除状態にした扉体ロック機構36をロック状態にするとともに、上記ステップS102で解除状態にした前面扉ロック機構24をロック状態にし(ステップS107,ステップS108)、その後に今回の処理を終了する。
【0081】
以上説明したように、本発明の実施の形態である物品収納装置1によれば、区画部材33が、物品収納部20の収納空間21bに収納された直方状のモジュール本体31の内部を上下及び左右の少なくとも一方に区画することで複数の収納域32を画成するので、物品の大きさに対応して収納スペースを変更することができ、物品の大きさに弾力的に対応することができる。しかも、開閉扉35が区画部材33によって画成された収納域32の前方部分を開閉し、開閉扉35毎に設けられた扉体ロック機構36が、開閉扉35が閉となる状態に保持するロック状態と、該開閉扉35が収納域32の前方部分を開成することを許容する解除状態との間で択一的に切り替えるので、取出対象となる物品を収納する収納域32の前方部分だけを開成させることができる。従って、デッドスペースの発生を抑制して物品の収納数の増大化を図ることができるとともに、防盗性を良好なものとすることができる。
【0082】
上記物品収納装置1によれば、右上検出レバー373及びこれに対応した物品検出スイッチ38、並びに左上検出レバー374及びこれに対応した物品検出スイッチ38は、モジュール本体31の側壁部312に揺動可能に設けられ、モジュール本体31の内部を上下に区画する水平仕切板331,332が配設される場合には、側壁部312から離隔する態様で揺動して該水平仕切板331,332に配置される一方、水平仕切板331,332が配設されない場合には、側壁部312に近接する態様で揺動して該側壁部312に形成された収納凹部312c,312fに収納されるので、検出レバーや物品検出スイッチ38を取り外す必要がなく、区画部材33による区画を容易なものとすることができる。
【0083】
図16及び図17は、それぞれ本発明の実施の形態である物品収納装置の変形例を示すものであり、図16は、物品収納装置の要部を拡大して示す斜視図であり、図17は、物品収納装置の特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。尚、上述した実施の形態である物品収納装置1と同一の構成要素には同一の符号を付して重複した説明を適宜省略する。
【0084】
ここで例示する物品収納装置2は、上記物品収納装置1の開閉扉35に代えて開閉蓋65を備えている。開閉蓋65は、区画部材33により画成される収納域32の最大数(4つ)に対応してモジュール本体61に設けられている。これら4つの開閉蓋65のうち上側の開閉蓋65には、後面の上端部分に後方係合用突部651が形成されており、この後方係合用突部651がモジュール本体61の天壁部614の前面に形成された本体側係合用孔614aに挿入可能である。また下側の開閉蓋65には、後面の下端部分に後方係合用突部652が形成されており、この後方係合用突部652がモジュール本体61の底壁部611の前面に形成された本体側係合用孔611aに挿入可能である。更に、4つの開閉蓋65の前面の中央部分には、前方係合用突部653が形成されており、これら前方係合用突部653は、前面扉22の後面に形成された扉側係合孔25に挿入可能である。
【0085】
また物品収納装置2は、操作入力部42及び制御部70を備えている。制御部70は、操作入力部42、前面扉開閉検知部群23A、前面扉ロック機構群24A、第1蓋体ロック機構群66A、第2蓋体ロック機構群26A及び物品検出スイッチ群38Aに電気的に接続されており、同じく電気的に接続された記憶部71に記憶されたプログラムやデータに従って、物品収納装置2の各部の動作を統括的に制御するものである。
【0086】
第1蓋体ロック機構群66Aは、第1蓋体ロック機構66の集合体である。第1蓋体ロック機構66は、モジュール本体61において、開閉蓋65毎に設けられている。この第1蓋体ロック機構66は、対応する開閉蓋65の後方係合用突部651,652が本体側係合用孔611a,614aに挿入した状態に保持させて該開閉蓋65を閉となる状態に保持させるロック状態と、後方係合用突部651,652が本体側係合用孔611a,614aから抜け出すことで開閉蓋65がモジュール本体61から離脱することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる第1蓋体ロック機構66の切り替えは、制御部70から与えられる指令に応じて行われる。
【0087】
第2蓋体ロック機構群26Aは、第2蓋体ロック機構(前面扉側ロック機構)26の集合体である。第2蓋体ロック機構26は、前面扉22の内部において、開閉蓋65毎に設けられている。この第2蓋体ロック機構26は、対応する開閉蓋65の前方係合用突部653が扉側係合孔25に挿入した状態に保持させて該開閉蓋65を前面扉22と係合状態に保持させるロック状態と、前方係合用突部653が扉側係合孔25から抜け出すことで開閉蓋65が前面扉22から離脱することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる第2蓋体ロック機構26の切り替えは、制御部70から与えられる指令に応じて行われる。
【0088】
尚、制御部70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0089】
図18は、図17に示した制御部70が実施する処理内容を示すフローチャートである。かかる処理内容を説明しながら物品収納装置2の動作について説明する。尚、説明の前提として、前面扉ロック機構24、第1蓋体ロック機構66及び第2蓋体ロック機構26はロック状態であるものとする。
【0090】
制御部70は、操作入力部42での物品の選択の有無を判断する(ステップS201)。物品の選択がされていない場合(ステップS201:No)、制御部70は、かかる処理を繰り返す。
【0091】
物品の選択がされた場合(ステップS201:Yes)、制御部70は、記憶部71に記憶された物品情報に基づいて、該当する第1蓋体ロック機構66を解除状態とするとともに、該当する前面扉22において、該当する第2蓋体ロック機構26以外の第2蓋体ロック機構26を解除状態にする(ステップS202,ステップS203)。つまり、選択された物品を収納する収納域32の前方部分を開閉する開閉蓋65を前面扉22と係合状態にさせ、それ以外の開閉蓋65をモジュール本体61に係合させる。その後、制御部70は、該当する前面扉ロック機構24を解除状態にさせる(ステップS204)。
【0092】
これにより利用者は、該当する前面扉22を開く方向(前方)に揺動させることにより、該当する開閉蓋65も前面扉22と一体的に揺動し、収納域32に収納された物品を取り出すことができる。
【0093】
上記ステップS204を実施した制御部70は、該当する収納域32の物品検出スイッチ38が物品無と検出するか否かを判断する(ステップS205)。物品無と検出されない場合(ステップS205:No)、制御部70は、かかる処理を繰り返す。
【0094】
物品無と検出された場合(ステップS205:Yes)、制御部70は、上記ステップS201で解除状態にした第1蓋体ロック機構66をロック状態にするとともに、上記ステップS203で解除状態にした第2蓋体ロック機構26をロック状態にする(ステップS207,ステップS208)。
【0095】
そして、制御部70は、上記ステップS204で解除状態にした前面扉ロック機構24をロック状態にし(ステップS209)、その後に今回の処理を終了する。
【0096】
そのような物品収納装置2によれば、区画部材33が、物品収納部20の収納空間21bに収納された直方状のモジュール本体61の内部を上下及び左右の少なくとも一方に区画することで複数の収納域32を画成するので、物品の大きさに対応して収納スペースを変更することができ、物品の大きさに弾力的に対応することができる。しかも、開閉蓋65が区画部材33によって画成された収納域32の前方部分を開閉し、開閉蓋65毎に設けられた第1蓋体ロック機構66が、開閉蓋65を閉となる状態に保持させるロック状態と、該開閉蓋65がモジュール本体61から離脱することを許容する解除状態との間で択一的に切り替えるので、取出対象となる物品を収納する収納域32の前方部分だけを開成させることができる。従って、デッドスペースの発生を抑制して物品の収納数の増大化を図ることができるとともに、防盗性を良好なものとすることができる。
【0097】
しかも、前面扉22の内部において開閉蓋65毎に設けられた第2蓋体ロック機構26が、対応する開閉蓋65を前面扉22と係合状態に保持させるロック状態と、開閉蓋65が前面扉22から離脱することを許容する解除状態との間で択一的に切り替えるので、前面扉22を開く方向に揺動させるだけで、該当する開閉蓋65も前面扉22と一体的に揺動させることができ、利便性の向上を図ることができる。
【0098】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0099】
上述した実施の形態では、開閉扉35毎に扉体ロック機構36が設けられていたが、本発明においては、図19に示すように、一部が切り欠かれたカム80と、該カム80を中心軸回りに駆動させる駆動機構81とを備え、カム80を回転させてカム80の切欠部分80aが一部の開閉扉35′の前方に配置させることで、該開閉扉35′だけが開く方向に揺動することを許容してもよい。これによれば駆動機構81が1つで済むため、動力源の削減により製造コストの低減化を図ることができる。
【0100】
上述した実施の形態では、ロッカー装置を物品収納装置1,2の一例として説明したが、本発明においては、前面開口が断熱性の前面扉(ガラス扉)により開閉される自動販売機にも適用することができる。この場合、物品収納部の収納空間には、多数の収納モジュールを配設することが好ましい。
【0101】
上述した実施の形態では、物品収納装置1が複数の物品収納部20を備えていたが、本発明においては、物品収納装置は、1つの物品収納部を備えているだけでもよい。
【0102】
上述した実施の形態では、モジュール本体31(収納モジュール30)が箱体21の収納空間21bに収納されていたが、本発明においては、モジュール本体が収納空間に対して着脱可能に収納されていてもよい。これによれば、必要に応じてモジュール本体(収納モジュール)を取り外して収納空間の全域を物品の収納に利用することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0103】
上述した実施の形態では特に言及していないが、前面扉ロック機構が解除状態となる場合に、バネ等の付勢手段により前面扉が半開状態になるようにしてもよい。これによれば、利用者は対象となる物品が収納される前面扉を容易に認識することができる。
【0104】
上述した実施の形態では特に言及していないが、各物品収納部には例えばLED等の光源が設置されており、常態においては、全ての光源が点灯しており、物品が選択された場合に、該当する物品収納部のみ光源の点灯を維持するようにしてもよい。これによれば、利用者は対象となる物品が収納される前面扉を容易に認識することができる。
【符号の説明】
【0105】
1…物品収納装置、10…装置本体、20…物品収納部、21…箱体、21a…前面開口、21b…収納空間、22…前面扉、23…前面扉開閉検知部、24…前面扉ロック機構、30…収納モジュール、31…モジュール本体、32…収納域、33…区画部材、34…扉体開閉検知部、35…開閉扉、36…扉体ロック機構、37…物品検出レバー、38…物品検出スイッチ、50…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19