(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006253
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240110BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240110BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H05K7/20 R
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106971
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 満生
【テーマコード(参考)】
2K203
5E322
【Fターム(参考)】
2K203FA04
2K203FA25
2K203FA44
2K203FA54
2K203LA03
2K203LA36
2K203MA14
5E322AA01
5E322AA03
5E322AB01
5E322AB04
5E322AB10
5E322BB03
5E322BB05
5E322BB06
5E322DB08
5E322DB10
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】熱源と受熱部材の間を強固に固定することが可能な電子装置を提供する。
【解決手段】
投影装置は、表示素子に当接される第1受熱部材316を有する第1冷却装置と、表示素子と第1受熱部材316との間に設けられ、第1受熱部材316が固定される固定板90と、第1受熱部材316と当接する第1屈曲部103aを有し、第1受熱部材316を固定板90に対して固定する押圧部材100と、を備え、固定板90は、第1屈曲部103aが間に位置するように押圧部材100を係合する第1係合部91及び第2係合部92を有し、押圧部材100は、第1係合部91及び第2係合部92に係合されることにより第1係合部91及び第2係合部92に係合される第1水平部102a及び第2屈曲部103bが夫々第1係合部91及び第2係合部92を固定板90側とは反対側に付勢するとともに第1屈曲部103aが第1受熱部材316を固定板90側に押圧する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源に当接される受熱部材を有する冷却装置と、
前記熱源と前記受熱部材との間に設けられ、前記受熱部材が固定される被固定部材と、
前記受熱部材を押圧する押圧部を有し、前記受熱部材を前記被固定部材に対して固定する弾性部材と、を備え、
前記被固定部材は、前記押圧部が間に位置するように前記弾性部材を係合する複数の係合部を有し、
前記弾性部材は、前記複数の係合部に係合されることにより、前記複数の係合部に係合される部位が夫々前記複数の係合部を前記被固定部材側とは反対側に付勢するとともに前記押圧部が前記受熱部材を前記被固定部材側に押圧する、
電子装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、線バネである、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記複数の係合部は、前記被固定部材と前記受熱部材との並び方向である第1方向と略直交する第2方向において、前記押圧部が間に位置するように前記弾性部材を係合する第1係合部と第2係合部とを含む、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記第1方向及び前記第2方向と略直交する第3方向に略対称に設けられ、
前記第1係合部は、前記第3方向に間隔を空けて一対設けられる、
請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第1係合部は、前記第1方向において前記被固定部材側とは反対側に突出するとともに前記第2方向に貫通する貫通孔を有し、
前記弾性部材は、その両端部が夫々前記第2方向において前記第1係合部の前記貫通孔に挿通されて係合される略爪状とされている、
請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第2係合部は、前記第3方向に間隔を空けて一対設けられる、請求項4に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第2係合部は、前記第1方向において前記被固定部材側とは反対側に突出するとともに前記第3方向の一方側に開放された略爪状とされている、請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第2係合部は、前記第3方向においてその突出先端部側から前記開放された側に向けて傾斜する第1傾斜部を有する、請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記弾性部材の前記両端部は、弾性変形していない状態において夫々前記第3方向における外側に開かれており、前記貫通孔の内壁を前記第3方向における外側に付勢するように前記第1係合部に係合される、請求項7に記載の電子装置。
【請求項10】
前記弾性部材は、一方の前記第2係合部に係合される部位と他方の前記第2係合部に係合される部位との間を繋ぐとともに環状をなして屈曲する環状屈曲部を有する、請求項6に記載の電子装置。
【請求項11】
前記被固定部材は、板状とされ、一方の板面は前記熱源側に向けられ、他方の板面に前記第1係合部が設けられ、
前記第2係合部は、前記被固定部材の前記一方の板面に前記弾性部材が係合される部位とされる、
請求項4に記載の電子装置。
【請求項12】
前記被固定部材は、前記他方の板面のうち前記一方の板面の前記第2係合部が設けられた部位と対応する部位に、前記第1方向において前記被固定部材側とは反対側に突出するとともに前記第2方向においてその突出先端部側から前記被固定部材の端部側に向けて傾斜する第2傾斜部を有する、請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記被固定部材は、開口部を有し、
前記受熱部材は、前記開口部に挿入され、該開口部を介した両側のうち一方側が前記熱源に当接されるとともに他方側が前記押圧部に押圧される、
請求項1に記載の電子装置。
【請求項14】
前記受熱部材のうち前記押圧部に押圧される部分に前記被固定部材側に凹んでなる凹部が設けられている、請求項1に記載の電子装置。
【請求項15】
青色波長帯域光、赤色波長帯域光、及び緑色波長帯域光を出射する光源を有する光源装置と、
前記光源装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光を被投影体に投影する投影光学系と
前記表示素子と前記光源装置を制御する制御部と、を備え、
少なくとも前記表示素子が前記熱源とされる投影装置である、
請求項1~14のいずれか1項に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、筐体の内部に設けられたDMD(Digital Micromirror Device)等の熱源に受熱部材が当接されて固定され、その熱源を冷却する冷却装置を備える投影装置等の電子装置が提案されている。例えば特許文献1には、DMDが設けられた画像表示ユニットを備え、DMDに対して受熱部材であるヒートシンクが当接される投影装置が開示されている。特許文献1には、ヒートシンクをDMDに当接させて固定させる場合、接着剤等を用いることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されると投影装置のように、熱源に対して接着剤等を介して受熱部材を固定する場合、外部からの衝撃等により熱源と受熱部材の間が外れてしまう虞があった。このため、熱源と受熱部材の間を強固に固定する必要があった。
【0005】
本発明は、熱源と受熱部材の間を強固に固定することが可能な電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の電子装置は、熱源に当接される受熱部材を有する冷却装置と、前記熱源と前記受熱部材との間に設けられ、前記受熱部材が固定される被固定部材と、前記受熱部材を押圧する押圧部を有し、前記受熱部材を前記被固定部材に対して固定する弾性部材と、を備え、前記被固定部材は、前記押圧部が間に位置するように前記弾性部材を係合する複数の係合部を有し、前記弾性部材は、前記複数の係合部に係合されることにより、前記複数の係合部に係合される部位が夫々前記複数の係合部を前記被固定部材側とは反対側に付勢するとともに前記押圧部が前記受熱部材を前記被固定部材側に押圧する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱源と受熱部材の間を強固に固定することが可能な電子装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る投影装置の機能回路ブロックを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る投影装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る投影装置の内部構造を示す平面模式図である。
【
図4】第1実施形態に係る投影装置において、光源ケースの表示素子が設けられた部分に第1冷却装置が取り付けられる様子を示す分解斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る投影装置において、固定板、第1受熱部材、押圧部材が設けられる部分を後方側から見た平面図である。
【
図6】第1実施形態に係る投影装置において、固定板、第1受熱部材、押圧部材が設けられる部分を下側から見た側面図である。
【
図7】第1実施形態に係る投影装置において、固定板、第1受熱部材、押圧部材が設けられる部分を後方側から見た斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係る投影装置における固定板の斜視図である。
【
図9】第1実施形態に係る投影装置における第1受熱部材の斜視図である。
【
図10】第1実施形態に係る投影装置における押圧部材の斜視図である。
【
図11】第1実施形態に係る投影装置において、押圧部材の取り付け態様を示す斜視図である。
【
図12】第2実施形態に係る投影装置において、固定板、第1受熱部材、押圧部材が設けられる部分を後方側から見た部分平面図である。
【
図13】第2実施形態に係る投影装置における押圧部材の斜視図である。
【
図14】第3実施形態に係る投影装置において、固定板、第1受熱部材、押圧部材が設けられる部分を後方側から見た部分斜視図である。
【
図15】第3実施形態に係る投影装置において、固定板、第1受熱部材、押圧部材が設けられる部分を前方側から見た部分斜視図である。
【
図16】第3実施形態に係る投影装置において、固定板、第1受熱部材を後方側から見た部分斜視図である。
【
図17】第3実施形態に係る投影装置において、押圧部材の取り付け態様を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図11を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、投影装置(電子装置)10の機能回路ブロック図である。投影装置制御部は、画像変換部53と制御部38とを含むCPU、入出力インターフェース52を含むフロントエンドユニット、表示エンコーダ24と表示駆動部26とを含むフォーマッタユニットを備える。入出力コネクタ部51から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース52、システムバスSBを介して画像変換部53で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0010】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶した上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0011】
表示駆動部26は、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜のフレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子50を駆動する。表示素子50は、例えばDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)である。投影装置10は、光源装置60から出射された光線束を、導光光学系180を介して表示素子50に照射することにより、表示素子50の反射光で光画像を形成し、投影光学系220を介して図示しないスクリーン等の被投影体に画像を投影表示する。なお、この投影光学系220の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動を行うことができる。
【0012】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体であるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、画像変換部53を介して表示エンコーダ24に出力する。よって、画像圧縮/伸長部31は、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の出力を行うことができる。
【0013】
制御部38は、投影装置10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成される。
【0014】
キー/インジケータ部37は、筐体に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成される。キー/インジケータ部37の操作信号は、制御部38に直接送出される。また、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36でコード信号に復調されて制御部38に出力される。
【0015】
制御部38はシステムバスSBを介して音声処理部47と接続されている。音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0016】
制御部38は、光源制御回路41を制御している。光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源装置60から出射されるように、光源装置60の励起光照射装置(光源)70、赤色光源装置(光源)74、蛍光ホイール装置120等の動作を個別に制御する。
【0017】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源装置60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファン340(
図3参照)の回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等により投影装置10本体の電源オフ後も冷却ファン340の回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によっては投影装置10本体の電源をオフにする等の制御も行う。
【0018】
次に、投影装置10の構成について説明する。
図2に示すように、投影装置10は、左右方向を長手方向とする略長矩形箱状に6面(上面20a、下面20b、左側面20c、右側面20d、前面20e、後面20f)を有する筐体20を備える。投影装置10は、前面20e側に投影口11を有する。投影装置10は、投影口11から投影光を出射する。なお、以下では、各図におけるX軸方向を投影装置10の左右方向(第2方向)(X軸正方向を右方向とする)とし、Y軸方向を投影装置10の前後方向(第1方向)(Y軸正方向を前方向とする)とし、Z軸方向を投影装置10の上下方向(第3方向)(Z軸正方向を上方向とする)として説明する。
【0019】
筐体20の上面20aには、投影装置10の設定等を行うことができる操作パネル21が設けられている。上面20aの四隅は角R状とされる。右側面20dには、第1吸気口22a及び第2吸気口22bが設けられている。前面20eには、投影口11の開口部、第3吸気口22c及び第1排気口22dが設けられている。筐体20には、レンズ鏡筒210が収納されている(
図3参照)。レンズ鏡筒210には、可動可能な調整リング30がレンズ鏡筒210側に設けられている。
【0020】
次に、
図3を参照して投影装置10の内部構造について説明する。
図3に示すように、投影装置10は、筐体20の略中央前方寄りの部分に光源装置60を備えている。光源装置60と左側面20cとの間には、導光光学系180や投影光学系220が配置されている。筐体20の後方部分には、上述した制御部38等が実装された制御回路基板260が配置されている。また、投影装置10は、制御回路基板260の右側に熱源である表示素子50を冷却するための第1冷却装置310を備えており、筐体20の右側前方寄りの部分に熱源である赤色光源装置74を冷却するための第2冷却装置320、及び熱源である励起光照射装置70を冷却するための第3冷却装置330を備えている。さらに、投影装置10は、光源装置60、制御回路基板260、第2冷却装置320、第3冷却装置330によって囲まれる部分(筐体20の右側部分)に、冷却ファン340を備えている。
【0021】
光源装置60は、光源ケース61によって、内部に光源、レンズ、ミラー等の光学部材を収容する。光源装置60は、青色波長帯域光の光源であって励起光源でもある励起光照射装置(光源)70と、赤色波長帯域光の光源である赤色光源装置(光源)74と、緑色波長帯域光の光源である緑色光源装置(光源)78と、を備える。緑色光源装置78は、励起光照射装置70と蛍光ホイール装置120により構成される。また、光源装置60には、青色波長帯域光、緑色波長帯域光、赤色波長帯域光を導光する光源光学系140が配置されている。光源光学系140は、複数のレンズとして、複数のレンズ群、及び2つのダイクロイックミラー141,142、及び複数の反射ミラーを有している。光源光学系140は、各色の光源装置(励起光照射装置70、赤色光源装置74及び緑色光源装置78)から出射される光線束を、光源光学系140の出射側に配置されたマイクロレンズアレイ170の入射面に集光する。
【0022】
励起光照射装置70は、投影装置10の筐体20の左右方向における略中央部分であって後面20f寄りに配置されている。励起光照射装置70は、青色レーザダイオード71による光源群、反射ミラー群72、及びレンズ群等を有する。光源群は、後面20fと光軸が平行になるよう配置された半導体発光素子である複数の青色レーザダイオード71により形成される。反射ミラー群72は、階段状に配列された複数の反射ミラーを有し、青色レーザダイオード71から出射される光線束の有効径を一方向に縮幅して出射する。反射ミラー群72は、各青色レーザダイオード71からの出射光の光軸を前面20e方向に約90度変換する。
【0023】
赤色光源装置74は、青色レーザダイオード71と光軸が平行となるように配置された赤色発光ダイオード75と、赤色発光ダイオード75からの出射光を集光する集光レンズ群とを有している。この赤色発光ダイオード75は、赤色波長帯域光を出射する半導体発光素子である。また、赤色光源装置74は、赤色光源装置74から出射される赤色波長帯域光の光軸が、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光の光軸、及び蛍光ホイール121から出射される緑色波長帯域光の光軸と交差するように配置されている。
【0024】
緑色光源装置78を構成する蛍光ホイール装置120は、励起光照射装置70から出射される青色波長帯域光の光路上であって、前面20eの近傍に配置される。蛍光ホイール装置120は、前面20eと平行となるように(換言すれば、励起光照射装置70からの出射光の光軸と直交するように)配置された蛍光ホイール121と、この蛍光ホイール121を回転駆動するモータと、このモータを駆動制御する図示しない駆動制御装置と、を備えている。また、蛍光ホイール装置120の発光側には、集光レンズ群やレンズ部材が配置されている。なお、駆動制御装置は、前述の光源制御回路41により制御される。
【0025】
導光光学系180は、凹レンズ181、凸レンズ182、反射ミラー183及びコンデンサレンズ184を有する。なお、コンデンサレンズ184は、コンデンサレンズ184の後面20f側に配置される表示素子50から出射された画像光を投影光学系220に向けて出射するので、投影光学系220の一部ともされている。凹レンズ181は、マイクロレンズアレイ170と凸レンズ182との間(換言すれば、マイクロレンズアレイ170と表示素子50との間の光路)に配置される。また、凸レンズ182は、凹レンズ181と反射ミラー183との間(換言すれば、マイクロレンズアレイ170と表示素子50との間の光路)に配置される。
【0026】
投影光学系220は、コンデンサレンズ184、可動レンズ群、固定レンズ群により構成される。コンデンサレンズ184の前面20e側の光軸上に配置される固定レンズ群は、固定鏡筒に内蔵され、上述した調整リング30による手動又は自動により移動されることにより、ズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0027】
次に、投影装置10が備える冷却構造について説明する。第1冷却装置310は、第1ヒートシンク312と第1ヒートパイプ314と第1受熱部材316とを有している。第2冷却装置320は、第2ヒートシンク322と第2ヒートパイプ324と第2受熱部材326とを有している。第3冷却装置330は、第3ヒートシンク332と第3ヒートパイプ334と第3受熱部材336とを有している。各ヒートパイプ314,324.334は、複数箇所で屈曲しながら延在する管状部材であり、その一端側が各受熱部材316,326,336に接続され、その他端側が各ヒートシンク312,322,332に挿通されて接続されている。各受熱部材316,326,336は、各熱源(表示素子50、赤色光源装置74、青色レーザダイオード71)に対して直接的又は熱伝導性を有する緩衝材を介して間接的に接続されている。
【0028】
各ヒートパイプ314,324.334の内部には図示しない冷媒が流れている。冷媒は、各ヒートパイプ314,324.334の一端側において各熱源から各受熱部材316,326,336を介して熱を与えられて気化し、より温度が低い他端側(各ヒートシンク312,322,332側)に移動する。他端側に移動した気化した冷媒は、各吸気口22a,22b,22cの近傍に配置された各ヒートシンク312,322,332において各吸気口22a,22b,22cから吸気された外気により冷却されて液化し、再び一端側へと移動する。このように各ヒートパイプ314,324.334内の冷媒がヒートパイプ314,324,334の一端側と他端側との間を往復することにより、各熱源における熱が各冷却装置310,320,330により冷却される。
【0029】
次に、
図4~
図11に基づいて、光源ケース61の表示素子50が設けられた部分に第1冷却装置310が取り付けられる構造を詳細に説明する。第1冷却装置310は、表示素子50の後方側に取り付けられる。
図4に示すように、光源ケース61の表示素子50が設けられた部分には、第1冷却装置310が取り付けられる取付位置とされる取付部62が設けられている。取付部62には開口部が設けられており、その開口部内に略矩形環状をなすパッキン80を間に挟んで表示素子50が嵌め込まれている。パッキン80により、表示素子50の外周面と光源ケース61の開口部の内周面との間が密閉されている。また、取付部62のうち表示素子50が嵌め込まれた開口部の周りには、後述する固定板90が取り付けられる3つのネジ孔62aが設けられている。
【0030】
表示素子50の後方側には、表示素子50に近い側から順に、接続基板56、固定板(被固定部材)90、第1受熱部材316、第1ヒートパイプ314、押圧部材(弾性部材)100が取り付けられる。即ち、これらの各部材は、前後方向(固定板90と第1受熱部材316との並び方向)に取り付けられる。これらの各部材が取り付けられた状態では、
図5及び
図7に示すように、第1ヒートパイプ314の一端側314a(第1ヒートシンク312に接続される他端側314bとは反対側)が後方側に露出した形で第1受熱部材316に接続される。第1受熱部材316のうち第1ヒートパイプ314が接続された部位(後述する接続部316b)は、固定板90の後方側に配置される。そして、上下方向に対称な形状に設けられた押圧部材100が固定板90の後述する第1係合部91及び第2係合部92に係合される。
【0031】
押圧部材100は、固定板90に係合されることにより、その一部である後述する第1屈曲部103aが第1受熱部材316と当接する。押圧部材100が固定板90に係合された状態では、
図5等に示すように、押圧部材100の第1屈曲部103aが第1係合部91と第2係合部92の間に位置する。押圧部材100は、固定板90の第1係合部91及び第2係合部92に係合された状態で第1屈曲部103aが第1受熱部材316と当接することにより、第1受熱部材316を固定板90側に押圧する。これにより、固定板90と押圧部材100との間で第1受熱部材316が固定される。押圧部材100が第1受熱部材316を押圧する作用については、後で詳しく説明する。以下、表示素子50の後方側に取り付けられる各部材(表示素子50を含む)の構成について詳しく説明する。
【0032】
表示素子50の後面外周にはソケット部50bが設けられている。ソケット部50bは、略矩形環状をなしており、その内側に水平方向を長辺方向として略長矩形状に開口する素子開口部50aが設けられている。素子開口部50aの周りには、複数の孔部から構成されるソケット部50bが設けられている。表示素子50の後面側には表示素子50を制御する接続基板56が取り付けられる。一方、接続基板56の前面側には、表示素子50のソケット部50bに設けられた複数の孔部と接続される端子群(不図示)が設けられており、これらの端子群が孔部に接続されることにより表示素子50と接続基板56の間が電気的に接続される。
【0033】
接続基板56のうち表示素子50の素子開口部50aと前後方向に重なる部分には、素子開口部50aと略同形状及び略等しい大きさで開口する基板開口部56aが設けられている。また、接続基板56のうち、取付部62のネジ孔62aと前後方向に重なる部分には、取付ネジ110が挿通される第1挿通孔56bが設けられている。接続基板56の後面側には、固定板90及び第1受熱部材316が取り付けられる。第1受熱部材316は、固定板90に固定され、固定板90を介して光源ケース61の取付部62に取り付けられる。
【0034】
図8に示すように、固定板90は、水平方向を長手方向とする略長矩形状の厚板状部材とされる。固定板90は、その前面(一方の板面)90Fが表示素子50側(接続基板56側)に向けられ、その後面(他方の板面)90Bに後述する押圧部材100が取り付けられる。固定板90のうち接続基板56の基板開口部56aと前後方向に重なる部分(
図4参照)には、素子開口部50a及び基板開口部56aと略同形状及び略等しい大きさで開口する固定板開口部(開口部)90aが設けられている。また、固定板90の外端部のうち接続基板56の第1挿通孔56bと前後方向に重なる部分(
図4参照)には、取付ネジ110(
図5及び
図6参照)が挿通される第2挿通孔90bが設けられている。
【0035】
固定板90の後面90Bのうち右端側(
図8に示す奥側)には、後方側(
図8に示す上側)に向けて略角柱状に突出する一対の第1係合部91が設けられている。一対の第1係合部91は、上下方向に間隔を空けて設けられている。各第1係合部91には、押圧部材100の一部が係合される。一対の第1係合部91の間隔は、固定板開口部90aの上下方向における開口幅と略等しくされている。具体的には、各第1係合部91は、左右方向に貫通する形で刳り貫かれた略アーチ状となっており、左右方向に貫通する貫通孔91aを有している。なお、固定板90における各第1係合部91の貫通孔91aに対応する部分は、固定板90をその板厚方向(前後方向)に貫通する形で刳り貫かれた第1肉抜き部90c1とされている。
【0036】
固定板90の後面のうち左端側(
図8に示す手前側)には、後方側に向けて略爪状に突出する一対の第2係合部92が設けられている。具体的には、各第2係合部92は、上下方向外側(開放された側)に向けて開放された略爪状とされている。一対の第2係合部92は、上下方向に間隔を空けて設けられている。一対の第2係合部92には、押圧部材100の一部が係合される。一対の第2係合部92の間隔は、一対の第1係合部91の間隔及び固定板開口部90aの上下方向における開口幅と略等しくされている。また、各第2係合部92の突出高さは、各第1係合部91の突出高さよりも低く(各第1係合部91の突出高さの略2/3程度)されている。
【0037】
具体的には、各第2係合部92は、後方側に略壁状に立ち上がる立壁部92aと、立壁部92aの先端部から上下方向外側に向けて略90°屈曲して延びる延在部92bと、を有している。延在部92bの後方側には、立壁部92aの先端部から上下方向外側に向けて第2係合部92の先端側(後方側)から基端側(前方側)に傾斜する(前後方向に傾斜する)傾斜面(第1傾斜部)92b1が設けられている。なお、固定板90における各第2係合部92の延在部92bに対応する部分は、固定板90をその板厚方向(前後方向)に貫通する形で刳り貫かれた第2肉抜き部90c2とされている。また、固定板90の後面のうち各第2係合部92の左側には、後方側に略円柱状をなして凸状に突出する位置決め凸部94がそれぞれ設けられている。各位置決め凸部94は、固定板開口部90aの開口を隔てて設けられている。
【0038】
以上のような構成とされた固定板90は、間に接続基板56を挟み込む形で、その前面側が光源ケース61の取付部62に取り付けられる。具体的には、取付部62の各ネジ孔62aに接続基板56の各第1挿通孔56bが重ね合わされ、その後方側から各第1挿通孔56b(各ネジ孔62a)に固定板90の各第2挿通孔90bが重ね合わされる。そして、固定板90の後方側から各第2挿通孔90b及び各第1挿通孔56bにそれぞれ取付ネジ110が挿通されて各ネジ孔62aにネジ止めされることにより、固定板90及び接続基板56が取付部62に対して共締めされて固定される。この状態では、基板開口部56a及び固定板開口部90aが素子開口部50aと前後方向に重畳する。
【0039】
図4及び
図9に示すように、第1受熱部材316は、前方側(
図9に示す下側)に設けられて熱源である表示素子50に当接されて表示素子50から受熱する受熱部316aと、後方側(
図9に示す上側)に設けられて第1ヒートパイプ314が接続される接続部316bとを有している。受熱部316aは、略直方体状とされ、接続部316bの前面316bFから前方に向けて突出する形で設けられている。受熱部316aは、その外周形状及び大きさが素子開口部50a(基板開口部56a、固定板開口部90a)の開口形状及び大きさと略一致している。第1受熱部材316は、後述するように固定板開口部90aに挿入され、固定板開口部90aを介した両側のうち、その一方側である受熱部316aが表示素子50と当接し、その他方側である接続部316bが後述する弾性部材100の第1屈曲部103aに押圧される。
【0040】
接続部316bは、左右方向に横長の略板状とされ、その後面側に第1ヒートパイプ314の一端側314aが接続される。接続部316bの左右方向の寸法は、固定板90に設けられた各第1係合部91と各第2係合部92の間隔よりも小さくされており、各第1係合部91と各第2係合部92の間に接続部316bが収まるようになっている。接続部316bの上下の外縁部のやや右寄りの部分には、円弧状に切り欠かれた位置決め切欠き316b1がそれぞれ設けられている。各位置決め切欠き316b1は、固定板90の各位置決め凸部94の外周面に沿った形で切り欠かれており、各位置決め凸部94が嵌合されるようになっている。接続部316bの後面316bBにおける各位置決め切欠き316b1の間には、左右方向に延びる壁状の一対の溝壁316b2によって溝状に構成される接続溝316b3が設けられている。
【0041】
接続溝316b3は、その左右両側が開放されている。接続溝316b3は、その内面が第1ヒートパイプ314の一端側314aの外周面に沿った形状とされており、第1ヒートパイプ314の一端側が嵌合されるようになっている。そして、第1ヒートパイプ314の一端側314aは、その先端部314a1が接続溝316b3の左側の開放端と略一致する形で接続溝316b3に嵌合される(
図5参照)。接続溝316b3に嵌合された第1ヒートパイプ314の一端側314aは、その先端部314a1側を除き、接続溝316b3の内面とほぼ隙間がない形で当接する。このため、表示素子50から第1受熱部材316に伝熱された熱は、第1ヒートパイプ314に効果的に伝熱される。
【0042】
以上のような構成とされた第1受熱部材316は、その受熱部316aが固定板開口部90a及び素子開口部50aにその後方側から挿入される。第1受熱部材316は、接続部316bが固定板90の後面90Bと当接するまで前方側に押し込まれる。このとき、各位置決め切欠き316b1が固定板90の各位置決め凸部94と嵌合されるように第1受熱部材316が位置決めされながら前方側へ押し込まれる。これにより、受熱部316aの前面が素子開口部50aの後面と当接するとともに受熱部316aの外周面316a1が固定板開口部90a及び素子開口部50aの内周面と当接し、表示素子50で発生した熱が受熱部316aへと伝熱される。なお、接続部316bが固定板90の後面90Bと当接することにより、接続部316bの後面316bBと固定板90の後面90Bとの間に、接続部316bの板厚に相当する段差S1が設けられる(
図7参照)。
【0043】
図5~
図7、及び
図10に示すように、押圧部材100は、複数箇所が屈曲された線状の部材により構成される。具体的には、押圧部材100は、ピアノ線により構成された剛性を有する線バネとされている。このため、外部から力を加えることにより弾性変形可能となっている。押圧部材100は、上下方向に略対称な形状で設けられている。即ち、
図5に示すように、押圧部材100は、対称線L1を挟んで略対称な形状とされている。そして、
図5及び
図10に示すように、押圧部材100は、その右側部分100Rが屈曲されて閉じており、その左側部分100Lが開放された両端部100Eとなっており、全体として左右方向に横長に延びている。
【0044】
図10に示すように、押圧部材100の両端は、それぞれ後方(
図10に示す上方)に向けて略90°に屈曲して後方側にわずかに延びるフック状のフック部101となっている。押圧部材100は、各フック部101からそれぞれ右方に向けて水平に延びる第1水平部102a、各第1水平部102aの右端部からそれぞれ前方側に向けて凹状となるように直線状に屈曲する第1屈曲部(押圧部)103a、各第1屈曲部103aからそれぞれ右方に向けて水平に延びる第2水平部102b、各第2水平部102bの右端部からそれぞれ前方側に向けて凹状となるように直線状に屈曲するとともに押圧部材100の右側部分100Rに設けられた第2屈曲部103b、を有している。押圧部材100の下側部分100Dに設けられた第1水平部102a、第1屈曲部103a、第2水平部102b、第2屈曲部103bと押圧部材100の上側部分100Uに設けられた第1水平部102a、第1屈曲部103a、第2水平部102b、第2屈曲部103bとは、平行となるように延びている。
【0045】
第1水平部102a、第1屈曲部103a、第2水平部102b、第2屈曲部103bは、直線上に並ぶ形で設けられている。なお、各第1屈曲部103aが設けられた部分において、押圧部材100の下側部分100Dと上側部分100Uの上下方向における間隔は、第1受熱部材316の接続部316bにおける一対の溝壁316b2の上下方向における間隔よりわずかに大きくされており、各第1屈曲部103aが各溝壁316b2と干渉しないようになっている。また、第1屈曲部103aの下端部と第2屈曲部103bの前後方向における間隔D1(
図10参照)は、接続部316bと固定板90との間に設けられた段差S1よりも小さくされており、第2屈曲部103bが固定板90の後面90Bと干渉しないようになっている。また、各第1水平部102aと各第2屈曲部103bとの左右方向における間隔は、固定板90における各第1係合部91と各第2係合部92との左右方向における間隔と略等しくされている。
【0046】
各第2屈曲部103bの右端部は、各フック部101の先端部(後端部)と前後方向において略等しい位置まで後方側に延びている。そして、各第2屈曲部103bの後方側から延びた先端部は、左側(各フック部101側)に向けて略水平方向に延びるとともに閉ループをなすように曲線状に屈曲して(環状に屈曲して)繋がっている。即ち、各第2屈曲部103bの後方側から延びた先端部は、それぞれ左側に向けて略水平方向に延びて交差し(以下、当該交差した部分を「交差部100X」という。)、その交差部100Xから左側に向けて略水平方向に延びる形でループ状に屈曲して繋がっている(以下、当該ループ状に屈曲した部分を「ループ部(環状屈曲部)104」という。)。このようにして、押圧部材100の右側部分100Rでは、その下側部分100Dと上側部分100Uとが繋がっている。なお、交差部100Xでは、押圧部材100の上側部分100Uから延びる部分が、下側部分100Dから延びる部分の後方側に位置するように交差している。
【0047】
図5に示すように、押圧部材100のループ部104は、左右方向に長い横長の略楕円形状となっている。押圧部材100は、弾性変形していない(外部から力が加えられていない)定常状態では、その両端部100Eが外側にわずかに開くようになっている。そして、押圧部材100では、ループ部104の上下両側に位置する部分(以下、「摘まみ部104a」という。)をその外側から摘まんで内側方向I1に押すことにより、ループ部104が弾性変形し、梃の原理により各第2屈曲部103bの間の間隔が両端部100Eと同様に外側方向O1に開くようになっている。
【0048】
次に、固定板90に対する押圧部材100の取り付け態様について説明する。押圧部材100は、固定板90に取り付けられた第1受熱部材316の後方側から固定板90に取り付けられる。押圧部材100を固定板90に取り付ける場合、
図11に示すように、まず、押圧部材100の各フック部101を固定板90の各第1係合部91の貫通孔91aに挿通させて各第1係合部91に引掛けることにより、各第1水平部102aを各第1係合部91に係合させる。この状態では、各第1水平部102aが各第1係合部91に設けられた貫通孔91aの上下方向外側の内壁面91bと干渉し(
図7等参照)、押圧部材100の両端部100Eが外側に開くことが抑制されるとともに、各第2屈曲部103bの間隔が各第2係合部92の各傾斜面92b1の間隔D2(
図5参照)と略等しくなる。次に、押圧部材100の右側部分100Rを固定板90の各第2係合部92側へ押し、各第2屈曲部103bを各第2係合部92の各傾斜面92b1に当接させる。
【0049】
次に、各第2屈曲部103bを固定板90の後面90B側(前方側)へとさらに押す。すると、各第2屈曲部103bが各傾斜面92b1によりガイドされて外側に弾性変形しつつ(換言すれば、外側に開きつつ)、固定板90の後面90B側(即ち前方側)へと移動する。そして、各第2屈曲部103bが各第2係合部92の延在部92bよりも前方側に移動すると、各第2屈曲部103bが各傾斜面92b1によるガイドから外れて弾性復帰し、各第2係合部92の延在部92bの下端面と当接する。これにより、各第2屈曲部103bが各第2係合部92に係合され、各第1屈曲部103aが接続部316bと当接する。以上の手順により、押圧部材100が固定板90に取り付けられる。押圧部材100が固定板90に取り付けられた状態では、押圧部材100が固定板90の後面90Bに沿った姿勢となり、各第1水平部102aが各第1係合部91に設けられた貫通孔91aの後方側の内壁面91bと当接する。
【0050】
ここで、押圧部材100は、固定板90に取り付けられた状態で、各第1水平部102aが各第1係合部91の内壁面91bとわずかに干渉するとともに各第2屈曲部103bが各第2係合部92の延在部92bとわずかに干渉するような寸法及び形状で設けられている。このため、押圧部材100が固定板90に取り付けられることにより、各第1係合部91に係合された各第1水平部102a及び各第2係合部92に係合された各第2屈曲部103bには固定板90側とは反対側(後方側)に力F1が掛かる(
図6参照)。即ち、各水平部102aは各第1係合部91をそれぞれ後方側に付勢し、各第2屈曲部103bは各第2係合部92をそれぞれ後方側に付勢する。
【0051】
これにより、各第1屈曲部103aには、梃の原理により固定板90側(前方側)に向かう方向の弾性力F2が掛かる(
図6参照)。このため、押圧部材100の左側部分100Lと右側部分100Rとの間に位置する各第1屈曲部103aは、その弾性力により第1受熱部材316の接続部316bを固定板90側(前方側)に押圧する。このように押圧部材100が接続部316bを前方側に押圧することにより、第1ヒートパイプ314の一端側314aが接続された接続部316bが固定板90と押圧部材100との間(固定板90の後面90Bと各第1屈曲部103aの間)で挟持され、強固に固定される。さらに、各第1屈曲部103aは第1ヒートパイプ314が接続された接続溝316b3を上下に挟む形で接続部316bを押圧するため、接続部316b(第1受熱部材316)が固定板90と押圧部材100との間から外れ難い。
【0052】
一方、押圧部材100を固定板90から取り外す場合、
図5に示すように、まず、ループ部104の各摘まみ部104aを摘まんで内側方向I2に押し、各第2屈曲部103bを外側方向O1に開く。ここで、押圧部材100は、定常状態においてその両端部100Eが外側に開くような形状となっていることから、固定板90に取り付けられた状態で各第1水平部102aが各第1係合部91に設けられた貫通孔91aの内壁面91bを上下方向外側に付勢する(
図7参照)。このため、各第2屈曲部103bを外側方向O1に開くことにより、各第2屈曲部103bが各第2係合部92から容易に外れるようになっている。次に、各第2屈曲部103bの係合が外れた状態で押圧部材100の右側部分100Rを後方側に引き上げ(
図11に示す状態)、各摘まみ部104aの摘まみを解放する。その後、各フック部101を各第1係合部91から外す。以上の手順により、押圧部材100が固定板90から取り外される。このように、押圧部材100は固定板90から容易に取り外すことができる。
【0053】
以上説明したように本実施形態に係る投影装置10は、表示素子50に当接される第1受熱部材316を有する第1冷却装置310と、表示素子50と第1受熱部材316との間に設けられ、第1受熱部材316が固定される固定板90と、第1受熱部材316と当接する第1屈曲部103aを有し、第1受熱部材316を固定板90に対して固定する押圧部材100と、を備える。そして、固定板90は、第1屈曲部103aが間に位置するように押圧部材100を係合する第1係合部91及び第2係合部92を有する。押圧部材100は、第1係合部91及び第2係合部92に係合されることにより第1係合部91及び第2係合部92に係合される第1水平部102a及び第2屈曲部103bが夫々第1係合部91及び第2係合部92を固定板90側とは反対側(後方側)に付勢するとともに第1屈曲部103aが第1受熱部材316を固定板90側(前方側)に押圧する。
【0054】
上記のような構成とされた本実施形態に係る投影装置10では、押圧部材100が固定板90の第1係合部91及び第2係合部92に係合されて第1係合部91及び第2係合部92を固定板90側とは反対側に付勢することにより、第1係合部91及び第2係合部92の間において第1受熱部材316を押圧する第1屈曲部103aには、梃の原理により、固定板90側(前方側)に向かう方向の弾性力F2が掛かる。これにより、第1屈曲部103aが第1受熱部材316を固定板90側に押圧し、第1受熱部材316が固定板90と押圧部材100との間で挟持され、固定板90に対して強固に固定される。このため、熱源である表示素子50と第1受熱部材316の間を強固に固定することができる。
【0055】
また、投影装置10では、押圧部材100は、線バネである。これにより、押圧部材100が第1係合部91及び第2係合部92に係合された状態において、第1係合部91及び第2係合部92の間に位置する第1屈曲部103aに固定板90側への弾性力F2が付与されるための押圧部材100の具体的な構成を提供することができる。
【0056】
また、投影装置10では、第1係合部91及び第2係合部92は、固定板90と第1受熱部材316との並び方向である前後方向と略直交する左右方向において、第1屈曲部103aが間に位置するように押圧部材100を係合する第1係合部91と第2係合部92とを含む。これにより、押圧部材100を係合するための第1係合部91と第2係合部92の具体的な配置及び並び方向を提供することができる。
【0057】
また、投影装置10では、押圧部材100は、前後方向及び左右方向と略直交する上下方向に略対称に設けられ、第1係合部91は、上下方向に間隔を空けて一対設けられる。これにより、線バネである押圧部材100の両端部100E側を各第1係合部91に係合させることができ、左右方向において押圧部材100の両端部100E側とは反対側を第2係合部92に係合させることができる。
【0058】
また、投影装置10では、第1係合部91は、前後方向において固定板90側とは反対側に突出するとともに左右方向に貫通する貫通孔91aを有し、押圧部材100は、その両端部100Eが夫々左右方向において第1係合部91の貫通孔91aに挿通されて係合される略爪状とされている。この構成によれば、押圧部材100の両端部100Eが第1係合部91の貫通孔91aに挿通されることにより、当該両端部100Eが貫通孔91aの内壁面91bと当接する。このため、押圧部材100の両端部100Eが第1係合部91を固定板90とは反対側に押圧するための具体的な構成を提供することができる。さらに、貫通孔91aに挿通される押圧部材100の両端部100Eが貫通孔91aから外れ難くするための具体底な構成を提供することができる。
【0059】
また、投影装置10では、第2係合部92は、上下方向に間隔を空けて一対設けられる。これにより、線バネである押圧部材100の両端部100E側が各第1係合部91に係合された状態で、当該両端部100E側とは反対側を一対の第2係合部92に夫々係合させることができる。このため、押圧部材100を固定板90に対して確実に係合させることができる。
【0060】
また、投影装置10では、第2係合部92は、前後方向において固定板90側とは反対側に突出するとともに上下方向の一方側に開放された略爪状とされている。これにより、押圧部材100の両端部100E側とは反対側を、略爪状とされた一対の第2係合部92に夫々引掛けることにより係合させることができる。このため、押圧部材100の両端部100E側とは反対側を一対の第2係合部92に係合させるための具体的な構成を提供することができる。
【0061】
また、投影装置10では、第2係合部92は、上下方向においてその突出先端部側から前記開放された側に向けて傾斜する傾斜面92b1を有する。この構成によれば、押圧部材100の両端部100E側とは反対側の部位を各第2係合部92の傾斜面92b1に当接させて固定板90側へ押すことにより、当該反対側の部分が傾斜面92b1に沿ってガイドされ、爪状とされた各第2係合部92に夫々係合される。このため、押圧部材100の両端部100E側とは反対側の部分を第2係合部92に容易に係合させることができる。
【0062】
また、投影装置10では、押圧部材100の両端部100Eは、定常状態において夫々上下方向における外側に開かれており、貫通孔91aの内壁面91bを上下方向における外側に付勢するように第1係合部91に係合される。このため、各第2屈曲部103bを上下方向における外側に開くことにより、各第2屈曲部103bが両端部100Eの開く方向に従って容易に外側に開き、各第2屈曲部103bを各第2係合部92から容易に外すことができる。
【0063】
また、投影装置10では、押圧部材100は、一方の第2係合部92に係合される部位と他方の第2係合部92に係合される部位との間を繋ぐとともに環状をなして屈曲するループ部104を有する。この構成によれば、ループ部104の上下両側に位置する部分をその外側から摘まんで内側方向I1に押すことにより、ループ部104が弾性変形し、梃の原理により各第2屈曲部103bの間の間隔が外側方向O1に開く。このため、略爪状とされた各第2係合部92に係合された押圧部材100の部分を各第2係合部92から容易に外すことができる。
【0064】
また、投影装置10では、固定板90は、固定板開口部90aを有し、第1受熱部材316は、固定板開口部90aに挿入され、固定板開口部90aを介した両側のうち一方側が表示素子50に当接されるとともに他方側が押圧部材100の第1屈曲部103aに押圧される。これにより、第1受熱部材316の一部である受熱部316aが表示素子50に当接されながら、表示素子50と第1受熱部材316の他の一部である接続部316bとの間に固定板90が設けられるための具体的な構成を提供することができる。
【0065】
また、投影装置10は、青色波長帯域光、赤色波長帯域光、及び緑色波長帯域光を出射する励起光照射装置70、赤色光源装置74、緑色光源装置78を有する光源装置60と、光源装置60からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子50と、表示素子50から出射された画像光を被投影体に投影する投影光学系220と、表示素子50と光源装置60を制御する制御部38と、を備え、少なくとも表示素子50が熱源とされる投影装置10である。これにより、熱源である表示素子50と第1受熱部材316の間を押圧部材100により強固に固定することができる投影装置10を実現することができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、
図12及び
図13を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略又は簡素化する。第2実施形態に係る投影装置は、押圧部材200の構成が第1実施形態と異なっている。
図13に示すように、第2実施形態に係る押圧部材200は、ループ部204を除いた部分が第1実施形態における押圧部材100と略等しい構成とされる。即ち、押圧部材200は、第1実施形態の押圧部材100と同様の構成とされたフック部201、第1水平部202a、第1屈曲部203a、第2水平部202b、第2屈曲部203bをそれぞれ有している。そして、押圧部材200は、対称線L2を挟んで上下方向に略対称な形状とされている。
【0067】
図13及び
図14に示すように、押圧部材200では、各第2屈曲部103bの後方側から延びた先端部は、後方にわずかな段差をなし、右側(各フック部101側とは反対側)に向けて略水平方向に延びるとともに閉ループをなすように曲線状に屈曲して(環状に屈曲して)繋がっている。即ち、各第2屈曲部203bの後方側から延びた先端部は、それぞれ右側に向けて略水平方向に延びて交差し(以下、当該交差した部分を「交差部200X」という。)、その交差部200Xから右側に向けて略水平方向に延びる形でループ状に屈曲して繋がっている(以下、当該ループ状に屈曲した部分を「ループ部(環状屈曲部)204」という。)。
【0068】
このような構成とされた押圧部材200においても、第1実施形態の押圧部材100と同様に、ループ部204の上下両側に位置する摘まみ部204aをその外側から摘まんで内側方向に押すことにより、ループ部204が弾性変形し、梃の原理により各第2屈曲部103bの間の間隔が外側方向に開くようになっている。このため、押圧部材200の固定板90への取り付け態様、固定板90からの取り外し態様についても、第1実施形態の押圧部材100と同様の態様とされる。
【0069】
即ち、押圧部材200を固定板90に取り付ける場合、押圧部材100の各フック部101を各第1係合部91に引掛けて各第1水平部102aを各第1係合部91に係合させる。そして、各第2屈曲部103bを各第2係合部92の各傾斜面92b1に当接させ、各第2屈曲部103bを固定板90の後面90B側へと押すことにより、各第2屈曲部103bを各第2係合部92に係合させる。以上の手順により、押圧部材200を固定板90に取り付けることができる。
【0070】
押圧部材200が固定板90に取り付けられた状態では、第1実施形態と同様に、各水平部202aは各第1係合部91をそれぞれ後方側に付勢し、各第2屈曲部203bは各第2係合部92をそれぞれ後方側に付勢する。これにより、各第1屈曲部203aには、梃の原理により固定板90側(前方側)に向かう方向の弾性力が掛かる。このため、各第1屈曲部203aがその弾性力により接続部316bを固定板90側(前方側)に押圧し、接続部316bが固定板90と押圧部材100との間で挟持され、強固に固定される。このように第2実施形態に係る投影装置においても、熱源である表示素子50と第1受熱部材316の間を強固に固定することができる。
【0071】
一方、押圧部材200を固定板90から取り外す場合についても、第1実施形態と同様に、ループ部204の各摘まみ部204aを摘まんで内側方向に押すことにより各第2屈曲部203bを外側方向に開き、各第2屈曲部103bを各第2係合部92から外す。そして、この状態から押圧部材100の右側部分を後方側に引き上げて各摘まみ部204aの摘まみを解放し、各フック部201を各第1係合部91から外すことにより、押圧部材200を固定板90から容易に取り外すことができる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、
図14~
図16を参照して本発明の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略又は簡素化する。第3実施形態に係る投影装置は、固定板190の構成、第1受熱部材416の構成、及び押圧部材300の構成が第1実施形態と異なっている。
図14及び
図16に示すように、固定板190の後面190Bのうち右端側(
図14に示す右斜め上側)には、後方側(
図14に示す上側)に向けて略角柱状に突出する一対の第1係合部91が設けられている。一対の第1係合部91は、上下方向に間隔を空けて設けられている。各第1係合部191は、左右方向に貫通する形で刳り貫かれた略アーチ状となっており、左右方向に貫通する貫通孔191aを有している。各第1係合部191は、第1実施形態における各第1係合部91と外周形状がわずかに異なるが、その作用は、第1実施形態における各第1係合部91と同様である。
【0073】
図14、
図16及び
図17に示すように、固定板190の後面190Bのうち左端側(
図14に示す左斜め下側)には、後方側に向けて突出する一対のガイド部192が設けられている。一対のガイド部192は、上下方向に間隔を空けて設けられている。具体的には、各ガイド部192は、それぞれ左右方向に山型状となるように突出する二枚の壁状部材からなっている。そして、各ガイド部192の左側部分には、左右方向においてその突出先端部から固定板190の左端部側に向けて先端側(後方側)から基端側(前方側)に傾斜する(前後方向に傾斜する)傾斜面(第2傾斜部)192aが設けられている。
【0074】
また、
図15に示すように、固定板190の前面190Fのうち左端側(
図15に示す左斜め上側)には、左側及び後側に開口し、リブ状に突出する壁部に囲まれた収容空間とされる第2係合部196が設けられている。第2係合部196は、固定板190の前面190Fの左端部において上下方向に拡がる形で設けられた空間とされる。第2係合部196には、後述する押圧部材300の第2屈曲部306が係合される。上述したガイド部192は、固定板190の後面190Bうち前面190Fの第2係合部196が設けられた部位と対応する部位に設けられている。
【0075】
図16に示すように、第1受熱部材416の接続部416bの後面416bBのうち押圧部材300の各第1屈曲部303aが当接して各第1屈曲部303aにより押圧される部位には、固定板190側(前方側)に凹んでなる凹部416b4がそれぞれ設けられている。各凹部416b4は、左右方向に沿って設けられており、その開口底面は左右方向における略中央部が最も凹んだ略円弧状となっている。第1受熱部材416は、各凹部416b4を除く他の部分が第1実施形態における第1受熱部材316と同様とされる。即ち、第1受熱部材416は、各凹部416b4の間に一対の溝壁416b2が設けられており、一対の溝壁416b2の間に第1ヒートパイプ314の一端側314aが接続される接続溝416b3が設けられている。
【0076】
図14、
図15及び
図17に示すように、押圧部材300は、押圧部材300は、上下方向に略対称な形状で設けられている。押圧部材300は、その左側部分が屈曲されて閉じており、その右側部分が開放された両端部となっており、全体として左右方向に横長に延びている。押圧部材300の両端は、それぞれ後方(
図17に示す上方)に向けて略90°に屈曲して後方側にわずかに延びるフック状のフック部301となっている。押圧部材300は、各フック部301からそれぞれ左方に向けて水平に延びる第1水平部302a、各第1水平部302aの右端部からそれぞれ前方側に向けて凹状となるように直線状に屈曲する第1屈曲部(押圧部)303a、各第1屈曲部303aからそれぞれ右方に向けて水平に延びる第2水平部302bを有している。
【0077】
各第2水平部302bの左端部は、固定板190の左端部よりもわずかに左側まで延びている。そして、各第2水平部302bの左端部は、それぞれ左側に凹状となるように前方側に直線状に屈曲して延びて繋がっている(以下、当該屈曲して繋がった部位を「第2屈曲部306」という。)。第2屈曲部306は、固定板190の前面190Fより前方側に設けられている(
図15参照)。ここで、固定板190に設けられた各ガイド部192の上下方向の間隔は、押圧部材300の各第2水平部302bの上下方向の間隔と略等しくされている。また、固定板190に設けられた第2係合部196の上下方向の開口幅よりも小さくされている。
【0078】
次に、第3実施形態において、固定板190に対する押圧部材300の取り付け態様について説明する、押圧部材100を固定板90に取り付ける場合、実施形態1と同様に、
図17に示すように、まず、押圧部材300の各フック部301を固定板190の各第1係合部191の貫通孔191aに挿通させて各第1係合部191に引掛けることにより、各第1水平部302aを各第1係合部191に係合させる。この状態で押圧部材300の左側部分を前方側へ押すと、第2屈曲部306が固定板の各ガイド部192の傾斜面192aと当接する(
図17に示す状態)。
【0079】
次に、押圧部材300の左側部分をさらに前方側(
図17に示す下側)に押すと、第2屈曲部306が各傾斜面192aによりガイドされて外側(左側)に弾性変形しつつ、固定板190の前面190F側(即ち前方側)へと移動する。そして、第2屈曲部306が固定板190の左端部を通過して固定板190の前面190F側まで移動すると、第2屈曲部306と固定板190との間の当接が一旦外れて第2屈曲部306が弾性復帰し、第2屈曲部306が第2係合部196と当接する。即ち、第2屈曲部306が第2係合部196の開口内に入り込む(
図15に示す状態)。これにより、第2屈曲部306が各第2係合部196に係合され、各第1屈曲部303aが接続部416bの凹部416b4に嵌り込んだ形で凹部416b4の開口底面と当接する。凹部416b4の開口底面に当接された第2屈曲部306は、第2係合部196を後方側に付勢する。以上の手順により、押圧部材300が固定板190に取り付けられる。
【0080】
一方、押圧部材300を固定板190から取り外す場合、第2屈曲部306を摘まんで左側に弾性変形させ、この状態で押圧部材300の左側部分を後方側へ引くことで第2屈曲部306の係合を外す。そして、第2屈曲部306を弾性変形させた状態で、第2屈曲部306を固定板190の後方側へ移動させ、第2屈曲部306の摘まみを解放する。その後、各フック部301を各第1係合部191から外す。以上の手順により、押圧部材300が固定板190から取り外される。このように、押圧部材300は固定板190から容易に取り外すことができる。
【0081】
以上説明したように第3実施形態に係る投影装置では、固定板190は、板状とされ、前面190Fは表示素子側に向けられ、後面190Bに第1係合部191が設けられ、第2係合部196は、固定板190の前面190Fに押圧部材300が係合される部位とされる。このように、固定板190において第1係合部191と第2係合部196が互いに異なる板面に設けられた場合であっても、押圧部材300が第1係合部191及び第2係合部196に係合されることにより、第1水平部302a及び第2屈曲部306が夫々第1係合部191及び第2係合部196を固定板190側とは反対側(後方側)に付勢する。このため、梃の原理により、第1屈曲部303aが第1受熱部材316を固定板90側に押圧し、第1受熱部材416が固定板190と押圧部材300との間で挟持され、固定板190に対して強固に固定される。このように、第3実施形態においても、第1受熱部材316が熱源である表示素子と第1受熱部材416の間を強固に固定することができる。
【0082】
また、第3実施形態に係る投影装置では、固定板190は、後面190Bのうち前面190Fの第2係合部196が設けられた部位と対応する部位に、上下方向において固定板190側とは反対側(後方側)に突出するとともに左右方向においてその突出先端部側から固定板190の左端部側に向けて傾斜するガイド部192の傾斜面192aを有する。この構成によれば、押圧部材300の左側部分(第2屈曲部306)をガイド部192の傾斜面192aに当接させて固定板190の前面190F側へ押すことにより、当該部分が傾斜面192aに沿ってガイドされ、左右方向における固定板190の端部を超えて第2係合部196に係合される。このため、押圧部材100の左側部分を第2係合部196に容易に係合させることができる。
【0083】
また、第3実施形態に係る投影装置では、第1受熱部材416のうち押圧部材300の第1屈曲部303aに押圧される部分に固定板190側に凹んでなる凹部416b4が設けられている。この構成によれば、押圧部材300が固定板190に取り付けられた状態では、第1屈曲部303aが凹部416b4に嵌り込んだ形で第1受熱部材416と当接する。これにより、第1受熱部材416と当接した第1屈曲部303aが第1受熱部材416から外れ難くになるため、固定板190と押圧部材300との間で第1受熱部材416をより確実に挟持することができ、表示素子と第1受熱部材416の間を一層強固に固定することができる。
【0084】
なお、以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。例えば上記の各実施形態では、第1冷却装置において熱源と第1受熱部材の間が強固に固定される構成を例示したが、第2冷却装置、第3冷却装置についても、同様に押圧部材により熱源である各光源と第2受熱部材、第3受熱部材の間が強固に固定される構成とされてもよい。
【0085】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]熱源に当接される受熱部材を有する冷却装置と、
前記熱源と前記受熱部材との間に設けられ、前記受熱部材が固定される被固定部材と、
前記受熱部材を押圧する押圧部を有し、前記受熱部材を前記被固定部材に対して固定する弾性部材と、を備え、
前記被固定部材は、前記押圧部が間に位置するように前記弾性部材を係合する複数の係合部を有し、
前記弾性部材は、前記複数の係合部に係合されることにより、前記複数の係合部に係合される部位が夫々前記複数の係合部を前記被固定部材側とは反対側に付勢するとともに前記押圧部が前記受熱部材を前記被固定部材側に押圧する、
電子装置。
[2]前記弾性部材は、線バネである、前記[1]に記載の電子装置。
[3]前記複数の係合部は、前記被固定部材と前記受熱部材との並び方向である第1方向と略直交する第2方向において、前記押圧部が間に位置するように前記弾性部材を係合する第1係合部と第2係合部とを含む、前記[2]に記載の電子装置。
[4]前記弾性部材は、前記第1方向及び前記第2方向と略直交する第3方向に略対称に設けられ、
前記第1係合部は、前記第3方向に間隔を空けて一対設けられる、前記[3]に記載の電子装置。
[5]前記第1係合部は、前記第1方向において前記被固定部材側とは反対側に突出するとともに前記第2方向に貫通する貫通孔を有し、
前記弾性部材は、その両端部が夫々前記第2方向において前記第1係合部の前記貫通孔に挿通されて係合される略爪状とされている、
前記[4]に記載の電子装置。
[6]前記第2係合部は、前記第3方向に間隔を空けて一対設けられる、前記[4]に記載の電子装置。
[7]前記第2係合部は、前記第1方向において前記被固定部材側とは反対側に突出するとともに前記第3方向の一方側に開放された略爪状とされている、前記[6]に記載の電子装置。
[8]前記第2係合部は、前記第3方向においてその突出先端部側から前記開放された側に向けて傾斜する第1傾斜部を有する、前記[7]に記載の電子装置。
[9]前記弾性部材の前記両端部は、弾性変形していない状態において夫々前記第3方向における外側に開かれており、前記貫通孔の内壁を前記第3方向における外側に付勢するように前記第1係合部に係合される、前記[7]に記載の電子装置。
[10]前記弾性部材は、一方の前記第2係合部に係合される部位と他方の前記第2係合部に係合される部位との間を繋ぐとともに環状をなして屈曲する環状屈曲部を有する、前記[6]に記載の電子装置。
[11]前記被固定部材は、板状とされ、一方の板面は前記熱源側に向けられ、他方の板面に前記第1係合部が設けられ、
前記第2係合部は、前記被固定部材の前記一方の板面に前記弾性部材が係合される部位とされる、
前記[4]に記載の電子装置。
[12]前記被固定部材は、前記他方の板面のうち前記一方の板面の前記第2係合部が設けられた部位と対応する部位に、前記第1方向において前記被固定部材側とは反対側に突出するとともに前記第2方向においてその突出先端部側から前記被固定部材の端部側に向けて傾斜する第2傾斜部を有する、前記[11]に記載の電子装置。
[13]前記被固定部材は、開口部を有し、
前記受熱部材は、前記開口部に挿入され、該開口部を介した両側のうち一方側が前記熱源に当接されるとともに他方側が前記押圧部に押圧される、
前記[1]に記載の電子装置。
[14]前記受熱部材のうち前記押圧部に押圧される部分に前記被固定部材側に凹んでなる凹部が設けられている、前記[1]に記載の電子装置。
[15]青色波長帯域光、赤色波長帯域光、及び緑色波長帯域光を出射する光源を有する光源装置と、
前記光源装置からの光源光が照射され、画像光を形成する表示素子と、
前記表示素子から出射された前記画像光を被投影体に投影する投影光学系と
前記表示素子と前記光源装置を制御する制御部と、を備え、
少なくとも前記表示素子が前記熱源とされる投影装置である、
前記[1]から[14]のいずれかに記載の電子装置。
【符号の説明】
【0086】
10 投影装置 11 投影口
20 筐体 20a 上面
20b 下面 20c 左側面
20d 右側面 20e 前面
20f 後面 21 操作パネル
22a 第1吸気口 22b 第2吸気口
22c 第3吸気口 22d 第1排気口
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 30 調整リング
31 画像圧縮/伸長部 32 メモリカード
35 Ir受信部 36 Ir処理部
37 キー/インジケータ部 38 制御部
41 光源制御回路 43 冷却ファン駆動制御回路
45 レンズモータ 47 音声処理部
48 スピーカ 50 表示素子
50a 素子開口部 50b ソケット部
51 入出力コネクタ部 52 入出力インターフェース
53 画像変換部 56 接続基板
56a 基板開口部 56b 第1挿通孔
60 光源装置 61 光源ケース
62 取付部 62a ネジ孔
70 励起光照射装置 71 青色レーザダイオード
72 反射ミラー群 74 赤色光源装置
75 赤色発光ダイオード 78 緑色光源装置
80 パッキン 90 固定板
90F 前面 90B 後面
90a 固定板開口部 90b 第2挿通孔
90c1 第1肉抜き部 90c2 第2肉抜き部
91 第1係合部 91a 貫通孔
91b 内壁面 92 第2係合部
92a 立壁部 92b 延在部
92b1 傾斜面 94 位置決め凸部
100 押圧部材 100D 下側部分
100E 両端部 100L 左側部分
100R 右側部分 100U 上側部分
100X 交差部 101 フック部
102a 第1水平部 102b 第2水平部
103a 第1屈曲部 103b 第2屈曲部
104 ループ部 104a 摘まみ部
120 ホイール装置 121 蛍光ホイール
140 光源光学系 141 ダイクロイックミラー
142 ダイクロイックミラー 170 マイクロレンズアレイ
181 凹レンズ 182 凸レンズ
184 コンデンサレンズ 190 固定板
190B 後面 190F 前面
191 第1係合部 191a 貫通孔
192 ガイド部 192a 傾斜面
196 第2係合部 200 押圧部材
200L 左側部分 200R 右側部分
200X 交差部 201 フック部
202a 第1水平部 202b 第2水平部
203a 第1屈曲部 203b 第2屈曲部
204 ループ部 220 投影光学系
300 押圧部材 301 フック部
302a 第1水平部 302b 第2水平部
303a 第1屈曲部 306 第2屈曲部
310 第1冷却装置 312 第1ヒートシンク
314 第1ヒートパイプ 314a 一端側
314b 他端側 316 第1受熱部材
316a 受熱部 316a1 外周面
316b 接続部 316b1 位置決め切欠き
316b2 溝壁 316b3 接続溝
316bF 前面 316bB 後面
320 第2冷却装置 322 第2ヒートシンク
324 第2ヒートパイプ 326 第2受熱部材
330 第3冷却装置 332 第3ヒートシンク
334 第3ヒートパイプ 336 第3受熱部材
416 第1受熱部材 416b 接続部
416b2 溝壁 416b3 接続溝
416b4 凹部 D1 間隔
D2 間隔 F1 力
F2 弾性力 L1 対称線
L2 対称線 S1 段差
SB システムバス