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特開2024-62538セルロース繊維集合体およびシートの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062538
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】セルロース繊維集合体およびシートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/425 20120101AFI20240501BHJP
   D04H 1/732 20120101ALI20240501BHJP
   D21B 1/06 20060101ALI20240501BHJP
   D21H 15/02 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
D04H1/425
D04H1/732
D21B1/06
D21H15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170428
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】小穴 壮太郎
(72)【発明者】
【氏名】中島 嘉樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 英樹
(72)【発明者】
【氏名】中井 葉子
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 清夏
【テーマコード(参考)】
4L047
4L055
【Fターム(参考)】
4L047AA08
4L047AB02
4L047AB06
4L047AB07
4L047BA12
4L055AF09
4L055AF46
4L055BA10
4L055CA09
4L055EA16
4L055EA19
4L055FA30
4L055GA39
(57)【要約】
【課題】複数のセルロース繊維が絡み合い易く、かつ、断熱性を向上できるセルロース繊維集合体を提供する。
【解決手段】複数のセルロース繊維を含み、前記複数のセルロース繊維の結晶化度は、60%以下であり、前記複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比は、5以上である、セルロース繊維集合体。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルロース繊維を含み、
前記複数のセルロース繊維の結晶化度は、60%以下であり、
前記複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比は、5以上である、セルロース繊維集合体。
【請求項2】
請求項1において、
前記平均繊維長は、100μm以上5mm以下である、セルロース繊維集合体。
【請求項3】
請求項1において、
前記結晶化度は、55%以下である、セルロース繊維集合体。
【請求項4】
請求項1において、
前記比は、7以上である、セルロース繊維集合体。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
不織布である、セルロース繊維集合体。
【請求項6】
原料を解繊して、複数のセルロース繊維を含む解繊物を生成する解繊工程と、
前記解繊物を堆積する堆積工程と、
を含み、
前記解繊工程では、前記複数のセルロース繊維の結晶化度が60%以下となり、前記複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比が5以上となるように解繊する、シートの製造方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記解繊工程の前に、前記原料を粗砕する粗砕工程を含む、シートの製造方法。
【請求項8】
請求項7において、
堆積された前記解繊物を加圧する加圧工程を含む、シートの製造方法。
【請求項9】
請求項8において、
前記堆積工程の前に、前記解繊物に結着材を供給し、前記解繊物と前記結着材とを混合する混合工程と、
前記加圧工程の後に、前記解繊物と前記結着材との混合物を加熱する加熱工程と、
を含む、シートの製造方法。
【請求項10】
請求項9において、
加熱された前記混合物を切断する切断工程を含む、シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース繊維集合体およびシートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
古紙などの原料を乾式で解繊して、セルロース繊維を得る技術が知られている。このようなセルロース繊維を複数含むセルロース繊維集合体は、例えば、不織布などのシートとして用いられる。
【0003】
例えば非特許文献1には、乾式ボールミルによるセルロース繊維の機械的粉砕によって、結晶化度が低下した乾燥状態のセルロース微粒子を得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】遠藤 貴士、機械的粉砕によるセルロース繊維の微粒子形成挙動、高分子論文集、Vol.56、No.3、pp.166-173(Mar.,1999)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セルロース繊維集合体をシートとして用いる場合、セルロース繊維同士が絡み合うことが望まれる。非特許文献1に記載されたセルロース微粒子は、互いに絡み合い難いため、シートの成形が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るセルロース繊維集合体の一態様は、
複数のセルロース繊維を含み、
前記複数のセルロース繊維の結晶化度は、60%以下であり、
前記複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比は、5以上である。
【0007】
本発明に係るシートの製造方法の一態様は、
原料を解繊して、複数のセルロース繊維を含む解繊物を生成する解繊工程と、
前記解繊物を堆積する堆積工程と、
を含み、
前記解繊工程では、前記複数のセルロース繊維の結晶化度が60%以下となり、前記複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比が5以上となるように解繊する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】複数のセルロース繊維の結晶化度の測定方法を説明するため図。
図2】本実施形態に係る解繊装置を模式的に示す斜視図。
図3】本実施形態に係る解繊装置を模式的に示す断面図。
図4】本実施形態に係る解繊装置を模式的に示す断面図。
図5】本実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。
図6】本実施形態に係るシートの製造方法を説明するためのフローチャート。
図7】解繊時間と、複数のセルロース繊維の結晶化度と、の関係を示すグラフ。
図8】解繊時間と、複数のセルロース繊維の平均繊維長と、の関係を示す表。
図9】解繊時間と、複数のセルロース繊維の平均繊維長と、の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1. セルロース繊維集合体
1.1. セルロース繊維
本実施形態に係るセルロース繊維集合体は、複数のセルロース繊維を含む。セルロース繊維は、セルロースが70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上の含有率を占める繊維である。セルロース繊維は、セルロースで構成されていてもよい。セルロースは、β-グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した高分子である。セルロース繊維は、このようなセルロース単位を含めば、例えば分岐構造等の部分的にセルロースでない分子構造が含まれていてもよい。
【0011】
セルロース繊維としては、木質系パルプに由来するものが好ましい。木質系パルプとしては、バージンパルプ、クラフトパルプ、晒ケミサーモメカニカルパルプ、合成パルプ、古紙等に由来するパルプなどが挙げられる。セルロース繊維集合体は、これらのうちの2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
【0012】
複数のセルロース繊維の平均繊維長は、例えば、100μm以上5mm以下であり、好ましくは120μm以上4mm以下であり、より好ましくは140μm以上3mm以下であり、さらにより好ましくは160μm以上2mm以下であり、さらによりいっそう好ましくは180μm以上1mm以下である。「平均繊維長」とは、加重平均の繊維長のことである。
【0013】
複数のセルロース繊維の平均繊維幅は、例えば、5μ以上50μm以下であり、好ましくは10μm以上30μm以下であり、より好ましくは15μm以上25μm以下であり、さらにより好ましくは17μm以上23μm以下である。「平均繊維幅」とは、加重平均の繊維幅のことである。繊維幅とは、セルロース繊維の繊維長と直交する方向の長さのことである。セルロース繊維の断面が円形の場合、繊維幅を繊維径と言い換えることができる。
【0014】
セルロース繊維の平均繊維長および平均繊維幅は、例えば、ファイバーテスターを用いて、「JIS P 8226-2:2011」に準拠して測定される。
【0015】
複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比は、例えば、5以上250以下であり、好ましくは6以上200以下であり、より好ましくは7以上150以下であり、さら好ましくは8以上100以下であり、さらによりいっそう好ましくは9以上50以下である。
【0016】
複数のセルロース繊維の結晶化度は、60%以下であり、好ましくは55%以下であり、より好ましくは54%以下であり、さらにより好ましくは53%以下である。
【0017】
複数のセルロース繊維の結晶化度は、X線回折によって測定できる。ここで、図1は、複数のセルロース繊維の結晶化度の測定方法を説明するため図である。複数のセルロース繊維の結晶化度を求めるためには、図1に示すように、X線回折によって、セルロース繊維の(200)に由来するピークの強度Iと、セルロース繊維の非晶質部分に由来する強度Iと、を求める。強度Iの回折角度は、23°付近である。強度Iは、(200)に由来するピークの低回折角度側の裾の強度である。具体的には、強度Iの回折角
度は、19°付近である。そして、強度Iおよび強度Iから、Segal法によって下記式(1)により、結晶化度を求める。
【0018】
結晶化度(%)=((I-I)/I)×100 ・・・(1)
【0019】
なお、複数のセルロース繊維に非晶質部分があることは、X線回折の他に、赤外吸収分光法(IR)により、セルロース繊維のヒドロキシ基に由来するピークの存在によって確認することができる。
【0020】
1.2. 結着材
本実施形態に係るセルロース繊維集合体は、セルロース繊維を結着させる結着材を含んでいてもよい。結着材の形状は、繊維状であってもよいし、粒状であってもよい。結着材の材質は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、水溶性樹脂などである。
【0021】
熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレンブタジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレンアクリル酸共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0022】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
【0023】
水溶性樹脂としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシメチルセルロースや寒天等のセルロース誘導体、デキストリン等の澱粉、ゼラチン、膠、カゼインが挙げられる。
【0024】
なお、セルロース繊維集合体は、結着材として、樹脂の代わりにセリシンを含んでいてもよい。
【0025】
1.3. その他の含有物
本実施形態に係るセルロース繊維集合体は、セルロース繊維および結着材以外の添加物を含んでいてもよい。セルロース繊維集合体に含まれる添加物としては、例えば、タルクや炭酸カルシウムなどの填料、紙力増強剤、蛍光増白剤、難燃剤、香料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、凝集抑制剤、保存剤などが挙げられる。
【0026】
1.4. 形状
本実施形態に係るセルロース繊維集合体の形状は、特に限定されないが、例えば、厚さ方向と直交する面内方向の長さが、厚さに比べて大きいシート状であってもよい。面内方向の長さは、厚さ方向の2倍以上であってもよいし、5倍以上であってもよいし、10倍以上であってもよい。なお、セルロース繊維集合体の形状は、シート状に限定されず、面内方向の長さが厚さに近い立方体のような形状、球のような形状であってもよい。
【0027】
セルロース繊維集合体は、空気層を多く含んだウェブであってもよい。セルロース繊維集合体は、断熱材として用いられてもよい。セルロース繊維集合体は、ウェブを加熱加圧することによって得られた不織布であってもよい。不織布の厚さは、ウェブの厚さよりも小さい。不織布の密度は、ウェブの密度よりも高い。
【0028】
1.5. 作用効果
セルロース繊維集合体では、複数のセルロース繊維を含み、複数のセルロース繊維の結
晶化度は、60%以下であり、複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比は、5以上である。
【0029】
上記のように、セルロース繊維集合体では、複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比が5以上であるため、複数のセルロース繊維が絡み合い易い。そのため、セルロース繊維集合体は、シートとして成形され易い。さらに、セルロース繊維集合体は、高い強度を有することができる。
【0030】
さらに、セルロース繊維集合体では、複数のセルロース繊維の結晶化度が60%以下であるため、セルロース繊維同士の間に空気層が形成され易い。空気層は、セルロース繊維の非晶質部分同士の間に、特に形成され易い。そのため、セルロース繊維集合体では、断熱性を向上できる。空気層の大きさは、ナノサイズである。
【0031】
セルロース繊維集合体では、複数のセルロース繊維の平均繊維長は、100μm以上50mm以下であってもよい。複数のセルロース繊維の平均繊維長が100μm以上であれば、複数のセルロース繊維がより絡み合い易い。複数のセルロース繊維の平均繊維長が5mm以下であれば、複数のセルロース繊維がダマを形成する可能性を小さくできる。
【0032】
セルロース繊維集合体では、複数のセルロース繊維の結晶化度は、55%以下であってよい。複数のセルロース繊維の結晶化度が55%以下であれば、断熱性をより向上できる。
【0033】
セルロース繊維集合体では、複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比は、7以上であってもよい。複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比が7以上であれば、複数のセルロース繊維がより絡み合い易い。
【0034】
セルロース繊維集合体では、不織布であってもよい。セルロース繊維集合体では、上記のように、複数のセルロース繊維が絡み合い易いので、不織布として好適に用いられることができる。
【0035】
2. 解繊装置
次に、本実施形態に係る解繊装置について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る解繊装置20を模式的に示す斜視図である。図3は、本実施形態に係る解繊装置20を模式的に示す図3のIII-III線断面図である。図4は、本実施形態に係る解繊装置20を模式的に示す図3のIV-IV線断面図である。
【0036】
解繊装置20は、図2図4に示すように、例えば、回転体110と、固定部材120と、ハウジング130と、を含む。
【0037】
回転体110は、例えば、回転体本体112と、回転軸部材118と、を有している。
【0038】
回転体本体112は、回転軸部材118に固定されている。回転体本体112の断面形状は、図4に示すように、略十字状である。回転体本体112は、例えば、基部114と、解繊内刃116と、を有している。基部114には、回転軸部材118が挿通されている。解繊内刃116は、基部114から径方向に突出している。解繊内刃116は、周方向に等間隔に設けられている。図示の例では、解繊内刃116は、4つ設けられている。
【0039】
回転軸部材118は、ハウジング130の第1カバー134および第2カバー136に回転可能に接続されている。回転軸部材118は、図示しない駆動機構によって回転駆動される。回転軸部材118の回転に伴って、回転体本体112は、回転する。回転軸部材
118の回転数は、適宜調整される。図示はしないが、解繊装置20は、回転軸部材118の回転数を測定する回転センサーを有していてもよい。
【0040】
固定部材120は、回転体110の周囲に設けられている。固定部材120の形状は、例えば、筒状である。固定部材120は、回転しない。固定部材120は、例えば、リングプレート122と、スペーサープレート128と、を有している。固定部材120は、リングプレート122と、スペーサープレート128と、を交互に積層することによって構成されている。リングプレート122およびスペーサープレート128の数は、特に限定されない。1つのリングプレート122は、例えば、プレート状の部材を複数積層させることによって構成されていてもよい。
【0041】
リングプレート122は、図4に示すように、例えば、基部124と、解繊外刃126と、を有している。
【0042】
基部124の形状は、例えば、円環状である。基部124の内側に、回転体110が設けられている。
【0043】
解繊外刃126は、基部124の内周に設けられている。解繊外刃126は、周方向に等間隔に設けられている。図示の例では、解繊外刃126は、周方向に凹凸形状を形成している。解繊外刃126は、解繊内刃116と接しない。解繊外刃126は、図3に示すように、解繊内刃116と隙間Gを隔てて設けられている。解繊外刃126は、回転体110が固定部材120の内側で回転した場合に、隙間Gに侵入した被解繊物を解きほぐすような気流を生じさせる。隙間Gの大きさは、適宜調整される。
【0044】
スペーサープレート128は、隣り合うリングプレート122の間に設けられている。スペーサープレート128の形状は、例えば、円環状である。スペーサープレート128の内側に、回転体110が設けられている。
【0045】
ハウジング130は、回転体110および固定部材120を収容している。ハウジング130は、例えば、固定部材120の周囲に設けられた筒状部132と、筒状部132の一方の開口を塞ぐ第1カバー134と、筒状部132の他方の開口を塞ぐ第2カバー136と、を有している。ハウジング130内は、密閉された空間である。解繊装置20では、密閉された空間で解繊を行う。図示はしないが、解繊装置20は、ハウジング130内の温度を測定する温度センサーを有していてもよい。
【0046】
本実施形態に係るセルロース繊維集合体は、例えば、解繊装置20によって原料を解繊することにより生成される。原料は、複数のセルロース繊維を含んでいれば特に限定されないが、例えば、古紙、PPC(Plain Paper Copier)などである。
【0047】
3. シート製造装置
次に、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。
【0048】
シート製造装置100は、図5に示すように、例えば、供給部10と、粗砕部12と、解繊装置20と、選別部40と、第1ウェブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウェブ形成部70と、水分付与部78と、シート形成部80と、切断部90と、を含む。
【0049】
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。
【0050】
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、大気中等の気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、5mm×15mmの細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。
【0051】
解繊装置20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊して解繊物を形成する。これにより、原料は、セルロース繊維が1本1本に解きほぐされた状態となる。解繊装置20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊装置20の構成は、上述の「2. 解繊装置」で説明したとおりである。
【0052】
選別部40は、解繊装置20により解繊された解繊物を、管3を介して導入口42から導入し、セルロース繊維の長さによって選別する。選別部40は、例えば、ドラム部41と、ドラム部41を収容するハウジング部43と、を有している。ドラム部41としては、例えば、篩を用いる。ドラム部41は、網を有し、網の目開きの大きさより小さいセルロース繊維、すなわち網を通過する第1選別物と、網の目開きの大きさより大きいセルロース繊維や未解繊片やダマ、すなわち網を通過しない第2選別物と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、堆積部60に移送される。第2選別物は、例えば、解繊装置20に戻される。具体的には、ドラム部41は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。ドラム部41の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
【0053】
第1ウェブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、管7に搬送する。第1ウェブ形成部45は、例えば、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、サクション機構48と、を有している。
【0054】
サクション機構48は、選別部40の開口を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウェブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47、およびサクション機構48の基本的な構成は、後述する第2ウェブ形成部70のメッシュベルト72、張架ローラー74、およびサクション機構76と同様である。
【0055】
ウェブVは、選別部40および第1ウェブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウェブVは、管7へ投入され、堆積部60へと搬送される。
【0056】
回転体49は、ウェブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bと、を有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウェブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
【0057】
回転体49は、第1ウェブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウェブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に設けられている。回転体49は、突部49bがウェブVと接触可能な位置であって、ウェブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュ
ベルト46が突部49bによって磨耗することを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。これは、メッシュベルト46が損傷を受けずにウェブVを切断することが可能な距離である。
【0058】
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物と、結着材と、を混合する。混合部50は、例えば、結着材を供給する結着材供給部52と、第1選別物と結着材とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、結着材は、結着材供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。結着材は、上述の「1.2. 結着材」で説明したとおりである。
【0059】
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と結着材を混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と結着材とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
【0060】
結着材供給部52としては、図5に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。なお、結着材供給部52から、上述の「1.3. その他の含有物」で説明した添加物を供給してもよい。混合部50を通過した第1選別物と結着材との混合物は、管54を介して、堆積部60に移送される。
【0061】
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った混合物をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。
【0062】
堆積部60は、例えば、ドラム部61と、ドラム部61を収容するハウジング部63と、を有している。ドラム部61としては、回転する円筒の篩を用いる。ドラム部61は、網を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さいセルロース繊維を降らせる。ドラム部61の構成は、例えば、ドラム部41の構成と同じである。
【0063】
なお、ドラム部61の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ドラム部61として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、ドラム部61は、ドラム部61に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
【0064】
第2ウェブ形成部70には、堆積部60を通過した混合物が堆積され、ウェブWが形成される。第2ウェブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
【0065】
メッシュベルト72には、堆積部60の開口を通過した混合物が堆積される。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、混合物を通し難く空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した混合物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウェブWが形成される。
【0066】
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方に設けられている。サクション機構76は、下方に向く気流を発生させることができる。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。堆積部60および第2ウェブ形成部70を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウェブWが形成される。
【0067】
水分付与部78は、メッシュベルト72上のウェブWに水を付与する。水分付与部78は、水分を付与することができれば特に限定されないが、例えば、スプレーなどである。そして、ウェブWは、シート形成部80へと搬送される。
【0068】
シート形成部80は、水分が付与されたウェブWを加圧加熱して、シートSを成形する。シート形成部80は、ウェブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウェブWを加熱する加熱部84と、を有している。
【0069】
加圧部82は、例えば、一対のカレンダーローラー85で構成され、ウェブWに対して圧力を加える。ウェブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウェブWの密度が高められる。
【0070】
加熱部84としては、例えば、加熱ローラー、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を有している。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置として構成する場合に比べて、ウェブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。加熱部84で加熱されることにより、結着材は接着性を発現し、複数のセルロース繊維を結着させる。カレンダーローラー85と加熱ローラー86は、例えば、それらの回転軸が平行になるように配置される。カレンダーローラー85は、加熱ローラー86によってウェブWに印加される圧力よりも高い圧力をウェブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー85および加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
【0071】
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
【0072】
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
【0073】
4. シートの製造方法
4.1. 各工程
次に、本実施形態に係るシートの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係るシートの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0074】
本実施形態に係るシートの製造方法は、図6に示すように、例えば、粗砕工程(ステップS1)と、解繊工程(ステップS2)と、選別工程(ステップS3)と、混合工程(ステップS4)と、堆積工程(ステップS5)と、加圧工程(ステップS6)と、加熱工程(ステップS7)と、切断工程(ステップS8)と、を含む。
【0075】
本実施形態に係るシートの製造方法は、例えば、上述したシート製造装置100を用いて行われる。
【0076】
粗砕工程では、供給された原料を粗砕する。粗砕工程は、例えば、シート製造装置100の粗砕部12を用いて行われる。
【0077】
解繊工程では、粗砕された原料を解繊して、複数のセルロース繊維を含む解繊物を生成する。解繊工程では、複数のセルロース繊維の結晶化度が60%以下となり、複数のセル
ロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比が5以上となるように解繊する。解繊工程は、例えば、シート製造装置100の解繊装置20を用いて行われる。解繊装置20による解繊時間は、特に限定されないが、例えば、0.5秒以上5000秒以下であり、好ましくは1秒以上1000秒以下であり、好ましくは3秒以上100秒以下である。解繊時間が0.5秒以上であれば、複数のセルロース繊維の結晶化度を小さくできる。解繊時間が5000秒以下であれば、解繊時間を短縮できる。
【0078】
選別工程では、解繊物の選別を行う。選別工程は、例えば、シート製造装置100の選別部40を用いて行われる。
【0079】
混合工程では、解繊物に結着材を供給し、解繊物と結着材とを混合する。混合工程は、例えば、シート製造装置100の混合部50を用いて行われる。
【0080】
堆積工程では、解繊物と結着材との混合物を堆積する。堆積工程は、例えば、シート製造装置100の堆積部60を用いて行われる。
【0081】
加圧工程では、堆積された解繊物と結着材との混合物を加圧する。加圧工程は、例えば、シート製造装置100の加圧部82を用いて行われる。
【0082】
加熱工程では、加圧された解繊物と結着材との混合物を加熱する。加熱工程は、例えば、シート製造装置100の加熱部84を用いて行われる。
【0083】
切断工程では、加熱された解繊物と結着材との混合物を切断する。切断工程は、例えば、シート製造装置100の切断部90を用いて行われる。
【0084】
以上の工程により、シートSを製造することができる。
【0085】
4.2. 作用効果
シートの製造方法では、原料を解繊して、複数のセルロース繊維を含む解繊物を生成する解繊工程と、解繊物を堆積する堆積工程と、を含み、解繊工程では、複数のセルロース繊維の結晶化度が60%以下となり、複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比が5以上となるように解繊する。そのため、シートの製造方法では、複数のセルロース繊維が絡み合い易く、かつ、断熱性が向上されたシートを製造できる。
【0086】
シートの製造方法では、解繊工程の前に、原料を粗砕する粗砕工程を含む。そのため、シートの製造方法では、原料を解繊し易い。
【0087】
シートの製造方法では、堆積された解繊物を加圧する加圧工程を含む。そのため、シートの製造方法では、シートの厚さを制御することができる。
【0088】
シートの製造方法では、堆積工程の前に、解繊物に結着材を供給し、解繊物と結着材とを混合する混合工程と、加圧工程の後に、解繊物と結着材との混合物を加熱する加熱工程と、を含む。そのため、シートの製造方法では、加熱によって結着材は接着性を発現し、セルロース繊維同士を結着させることができる。
【0089】
シートの製造方法では、加熱された混合物を切断する切断工程を含む。そのため、シートの製造方法では、所定の形状のシートSを製造することができる。
【0090】
5. 実験例
5.1. 実験条件
図2図4に示す解繊装置20に対応する解繊装置を用いて、原料を解繊し、複数のセルロース繊維を含む解繊物を得た。原料としては、富士フィルム株式会社製のコピー用紙「GR70-W」を用いた。解繊装置による解繊時間を、0秒、3秒、10秒、30秒、60秒、180秒、300秒、600秒と振った。解繊時間0秒は、解繊を行っていない試料である。
【0091】
5.2. 結晶化度
解繊物に含まれる複数のセルロース繊維の結晶化度を、X線回折により測定した。X線測定装置としては、Bruker社製の「D8 DISCOVER with GADDS」を用いた。上述した式(1)に基づいて、結晶化度を測定した。強度Iの回折角度は、22.5°であった。強度Iの回折角度は、18.8°であった。
【0092】
図7は、解繊時間と、複数のセルロース繊維の結晶化度と、の関係を示すグラフである。図7の横軸は、対数表示である。図7に示すように、解繊装置による解繊時間が長いほど、セルロース繊維の結晶化度が小さくなることがわかった。
【0093】
5.3. 平均繊維長
解繊物に含まれる複数のセルロース繊維の平均繊維長および平均繊維幅を測定した。平均繊維長および平均繊維幅は、ファイバーテスターを用いて、「JIS P 8226-2:2011」に準拠して測定した。ファイバーテスターは、L&W社製のファイバーテスター「912plus」を用いた。
【0094】
図8は、解繊時間と、複数のセルロース繊維の平均繊維長と、の関係を示す表である。図9は、解繊時間と、複数のセルロース繊維の平均繊維長と、の関係を示すグラフである。図8には、複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比Rも示している。複数のセルロース繊維の平均繊維幅は、解繊時間によらず、20μmであった。
【0095】
図8および図9に示すように、解繊時間が長くなるほど、平均繊維長が短くなることがわかった。図8に示すように、解繊時間が長くなるほど、比Rが小さくなることがわかった。
【0096】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0097】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成できる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0098】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0099】
セルロース繊維集合体の一態様は、
複数のセルロース繊維を含み、
前記複数のセルロース繊維の結晶化度は、60%以下であり、
前記複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比は、5以上である。
【0100】
このセルロース繊維集合体によれば、複数のセルロース繊維が絡み合い易く、かつ、断熱性を向上できる。
【0101】
セルロース繊維集合体の一態様において、
前記平均繊維長は、100μm以上5mm以下であってもよい。
【0102】
このセルロース繊維集合体によれば、複数のセルロース繊維がより絡み合い易く、かつ、複数のセルロース繊維がダマを形成する可能性を小さくできる。
【0103】
セルロース繊維集合体の一態様において、
前記結晶化度は、55%以下であってもよい。
【0104】
このセルロース繊維集合体によれば、断熱性をより向上できる。
【0105】
セルロース繊維集合体の一態様において、
前記比は、7以上であってもよい。
【0106】
このセルロース繊維集合体によれば、複数のセルロース繊維がより絡み合い易い。
【0107】
セルロース繊維集合体の一態様において、
不織布であってもよい。
【0108】
このセルロース繊維集合体によれば、複数のセルロース繊維が絡み合い易いので、不織布として好適に用いられることができる。
【0109】
シートの製造方法の一態様は、
原料を解繊して、複数のセルロース繊維を含む解繊物を生成する解繊工程と、
前記解繊物を堆積する堆積工程と、
を含み、
前記解繊工程では、前記複数のセルロース繊維の結晶化度が60%以下となり、前記複数のセルロース繊維の平均繊維幅に対する平均繊維長の比が5以上となるように解繊する。
【0110】
このシートの製造方法によれば、複数のセルロース繊維が絡み合い易く、かつ、断熱性が向上されたシートを製造できる。
【0111】
シートの製造方法の一態様において、
前記解繊工程の前に、前記原料を粗砕する粗砕工程を含んでもよい。
【0112】
このシートの製造方法によれば、原料を解繊し易い。
【0113】
シートの製造方法の一態様において、
堆積された前記解繊物を加圧する加圧工程を含んでもよい。
【0114】
このシートの製造方法によれば、シートの厚さを制御することができる。
【0115】
シートの製造方法の一態様において、
前記堆積工程の前に、前記解繊物に結着材を供給し、前記解繊物と前記結着材とを混合する混合工程と、
前記加圧工程の後に、前記解繊物と前記結着材との混合物を加熱する加熱工程と、
を含んでもよい。
【0116】
このシートの製造方法によれば、加熱によって結着材は接着性を発現し、セルロース繊維同士を結着させることができる。
【0117】
シートの製造方法の一態様において、
加熱された前記混合物を切断する切断工程を含んでもよい。
【0118】
このシートの製造方法によれば、所定の形状のシートSを製造することができる。
【符号の説明】
【0119】
3,7…管、9…ホッパー、10…供給部、12…粗砕部、14…粗砕刃、20…解繊装置、40…選別部、41…ドラム部、42…導入口、43…ハウジング部、45…第1ウェブ形成部、46…メッシュベルト、47,47a…張架ローラー、48…サクション機構、49…回転体、49a…基部、49b…突部、50…混合部、52…結着材供給部、54…管、56…ブロアー、60…堆積部、61…ドラム部、62…導入口、63…ハウジング部、70…第2ウェブ形成部、72…メッシュベルト、74…張架ローラー、76…サクション機構、78…水分付与部、80…シート形成部、82…加圧部、84…加熱部、85…カレンダーローラー、86…加熱ローラー、90…切断部、92…第1切断部、94…第2切断部、96…排出部、100…シート製造装置、110…回転体、112…回転体本体、114…基部、116…解繊内刃、118…回転軸部材、120…固定部材、122…リングプレート、124…基部、126…解繊外刃、128…スペーサープレート、130…ハウジング、132…筒状部、134…第1カバー、136…第2カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9