(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062543
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】車両用操作ペダル装置
(51)【国際特許分類】
G05G 1/30 20080401AFI20240501BHJP
【FI】
G05G1/30 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170436
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000241496
【氏名又は名称】豊田鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中根 正隆
(72)【発明者】
【氏名】吉田 拓真
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA32
3J070BA51
3J070BA66
3J070BA71
3J070CB01
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】溶接基準孔を形成されたバンパブラケットを備える車両用操作ペダル装置において、バンパブラケットの突出量を短くすることにより、乗員の足蹴り荷重の負荷点が突出端であった場合にバンパブラケットに加えられる荷重のモーメントアーム長を抑制する。
【解決手段】ペダルアーム11の側方に突出して溶接固定され、当該固定位置に隣接して設けられたストップランプスイッチを乗員の足蹴り荷重から保護するバンパブラケット13を備え、バンパブラケット13は、溶接部から側方に離間した先端部に、溶接基準孔13cが穿設されており、溶接基準孔13cは、溶接部から離れた側が開放された切欠形状とされており、溶接基準孔13cの中心から見た切欠形状の開放方向は、溶接基準孔13cが切欠形状とされないで円形に形成された場合に溶接基準孔13cに隣接してバンパブラケット13の先端部が溶接部から離れる側に突出する方向とされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルアームの端部のペダル踏部を踏込み操作されると、ペダルアームの支持部を中心として揺動される車両用操作ペダル装置であって、
ペダルアームの側方に向けて突出して溶接にて固定され、当該固定位置に隣接して設けられた保護を要する部材を不用意に加えられる荷重から保護するバンパブラケットを備え、
該バンパブラケットは、ペダルアームへの溶接部から側方に離間した先端部に、前記バンパブラケットをペダルアームに溶接する際の基準位置となる溶接基準孔が穿設されており、
該溶接基準孔は、前記溶接部から離れた側が開放された切欠形状とされており、
前記溶接基準孔の中心から見た前記切欠形状の開放方向は、前記溶接基準孔が前記切欠形状とされないで形成された場合に前記溶接基準孔に隣接して前記バンパブラケットの先端部が前記溶接部から離れる側に突出する方向とされている
車両用操作ペダル装置。
【請求項2】
ペダルアームの端部のペダル踏部を踏込み操作されると、ペダルアームの支持部を中心として揺動される車両用操作ペダル装置であって、
ペダルアームの側方に向けて突出して溶接にて固定され、当該固定位置に隣接して設けられた保護を要する部材を不用意に加えられる荷重から保護するバンパブラケットを備え、
該バンパブラケットは、ペダルアームへの溶接部から側方に離間した先端部に、前記バンパブラケットをペダルアームに溶接する際の基準位置となる溶接基準孔が穿設されており、
該溶接基準孔は、前記溶接部から離れた側が開放された切欠形状とされており、
前記溶接基準孔の中心から見た前記切欠形状の開放方向は、前記溶接基準孔の中心と、前記溶接部における前記溶接基準孔の中心までの最短点とを結ぶ線の延長線上で前記溶接部から離れる方向とされている
車両用操作ペダル装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記バンパブラケットは、本来の機能である不用意に加えられる荷重からの保護機能とは別の機能を果たすために前記バンパブラケット上での位置精度の管理が求められる精度管理部位を備え、
前記溶接基準孔は、前記バンパブラケットにおいて前記精度管理部位に対して前記溶接部から離れた側に形成されている
車両用操作ペダル装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記切欠形状における開放部の開放幅の最小値は、前記溶接基準孔の直径より小さくされている
車両用操作ペダル装置。
【請求項5】
請求項1又は2において、
前記切欠形状における開放部を形成する前記バンパブラケットの2つの先端部は、それぞれ面取りされて前記溶接部から離れる側への突出量が小さくされている
車両用操作ペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用操作ペダル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキペダルのような車両用操作ペダル装置には、ペダルの操作を検出するためのセンサ、スイッチ等(以下、センサ類という)が設けられる場合がある。このようなペダル装置では、乗員の足蹴りのように不用意に加えられる荷重からセンサ類を保護するため、センサ類に対し不用意に荷重が加えられる側にバンパブラケットが設けられる(特許文献1~3参照)。バンパブラケットは、ペダルアームに溶接にて固定されている。係る溶接時にバンパブラケットのペダルアームに対する位置精度を確保するため、バンパブラケットには、溶接基準孔が形成されている。
【0003】
図4は、ブレーキペダルに設けられるバンパブラケットの一例を示す。
図4において、バンパブラケットBは、ペダルアームPの側面に溶接にて固定されている。溶接部分には溶接ビードWが形成される。バンパブラケットBは、ペダルアームPの側面に突出して固定され、乗員の足蹴りのように不用意に加えられる荷重がセンサ類に及ばないようにしている。
図4の場合、バンパブラケットBは、ブレーキペダルの操作に応じてストップランプスイッチ(図示略)の操作部(図示略)に接離してストップランプスイッチをオン・オフ操作するための平面部Fを備えている。溶接基準孔Hは、平面部Fに対して溶接ビードWから離れた側に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-99794号公報
【特許文献2】特開2022-29564号公報
【特許文献3】特開2022-29565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バンパブラケットBは、母材である鋼板から打ち抜き加工により形成され、バンパブラケットBの所定箇所に孔抜き加工により溶接基準孔Hを形成している。孔抜き加工を行うためには、溶接基準孔HがバンパブラケットBの外形線から所定距離以上離れている必要がある。そのため、バンパブラケットBは、溶接基準孔Hの先端側が突出して突出端Eが形成される。その結果、バンパブラケットBのペダルアームPからの突出量は大きくなり、不用意に加えられる荷重の負荷点が突出端Eであった場合のモーメントアームは長くなる。従って、バンパブラケットBが荷重に耐えるためにはバンパブラケットBの板厚を厚くする必要がある。その結果、バンパブラケットBの重量、コストが増加する問題がある。
【0006】
本発明の課題は、溶接基準孔を形成されたバンパブラケットを備える車両用操作ペダル装置において、バンパブラケットの突出量を短くすることにより、不用意に加えられる荷重の負荷点が突出端であった場合にバンパブラケットに加えられる荷重のモーメントアーム長を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1発明の車両用操作ペダル装置は、ペダルアームの端部のペダル踏部を踏込み操作されると、ペダルアームの支持部を中心として揺動される車両用操作ペダル装置であって、ペダルアームの側方に向けて突出して溶接にて固定され、当該固定位置に隣接して設けられた保護を要する部材を不用意に加えられる荷重から保護するバンパブラケットを備え、該バンパブラケットは、ペダルアームへの溶接部から側方に離間した先端部に、前記バンパブラケットをペダルアームに溶接する際の基準位置となる溶接基準孔が穿設されており、該溶接基準孔は、前記溶接部から離れた側が開放された切欠形状とされており、前記溶接基準孔の中心から見た前記切欠形状の開放方向は、前記溶接基準孔が前記切欠形状とされないで形成された場合に前記溶接基準孔に隣接して前記バンパブラケットの先端部が前記溶接部から離れる側に突出する方向とされている。
【0008】
本発明の第2発明の車両用操作ペダル装置は、ペダルアームの端部のペダル踏部を踏込み操作されると、ペダルアームの支持部を中心として揺動される車両用操作ペダル装置であって、ペダルアームの側方に向けて突出して溶接にて固定され、当該固定位置に隣接して設けられた保護を要する部材を不用意に加えられる荷重から保護するバンパブラケットを備え、該バンパブラケットは、ペダルアームへの溶接部から側方に離間した先端部に、前記バンパブラケットをペダルアームに溶接する際の基準位置となる溶接基準孔が穿設されており、該溶接基準孔は、前記溶接部から離れた側が開放された切欠形状とされており、前記溶接基準孔の中心から見た前記切欠形状の開放方向は、前記溶接基準孔の中心と、前記溶接部における前記溶接基準孔の中心までの最短点とを結ぶ線の延長線上で前記溶接部から離れる方向とされている。
【0009】
本発明の第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記バンパブラケットは、本来の機能である不用意に加えられる荷重からの保護機能とは別の機能を果たすために前記バンパブラケット上での位置精度の管理が求められる精度管理部位を備え、前記溶接基準孔は、前記バンパブラケットにおいて前記精度管理部位に対して前記溶接部から離れた側に形成されている。
【0010】
本発明の第4発明は、上記第1又は第2発明において、前記切欠形状における開放部の開放幅の最小値は、前記溶接基準孔の直径より小さくされている。
【0011】
本発明の第5発明は、上記第1又は第2発明において、前記切欠形状における開放部を形成する前記バンパブラケットの2つの先端部は、それぞれ面取りされて前記溶接部から離れる側への突出量が小さくされている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、溶接基準孔を切欠形状とすることにより溶接基準孔に隣接して溶接部から離れる側に突出するバンパブラケットの先端部がなくなる。そのため、バンパブラケットの側方への突出量が小さくなり、バンパブラケットが不用意に加えられる荷重を受ける際のモーメントアームの最大値が小さくなる。その結果、バンパブラケットの強度を小さくすることができ、板厚を薄くでき、溶接強度も小さくすることができる。また、溶接基準孔を切欠形状としたことにより、溶接基準孔をバンパブラケットの外形の成形である打抜き加工により形成することができ、孔抜き工程を別途設定する必要がなくなり、バンパブラケットの生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態の主要部を示す斜視図である。
【
図2】上記実施形態におけるバンパブラケット部分の拡大平面図である。
【
図3】上記実施形態における作用を説明する説明図である。
【
図4】本発明の従来技術を示す
図2に対応する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<一実施形態の構成>
図1は、本発明の一実施形態を示す。この実施形態は、車両のブレーキペダルに本発明を適用した例を示す。図中、矢印で示す方向は、車両の前方を前としたときの前後、上下、左右の各方向を示している。
図2以降の図においても同様である。
【0015】
ブレーキペダルである車両用操作ペダル装置10は、公知のように、ペダルブラケット(図示略)を介して車両のインストルメントパネル(図示略)又はダッシュパネル(図示略)にペダルアーム11が固定されている。具体的には、左右一対のペダルブラケットの間に掛け渡された支持軸(支持部に相当)15にペダルアーム11の両側部に固定されたボス部14が嵌合されている。左右のボス部14の間でペダルアーム11は支持軸15により貫通されている。ボス部14は、ペダルアーム11の上端部に設けられている。
図1では、ボス部14及び支持軸15は、ペダルアーム11の左側部分は、ペダルアーム11の陰に隠れて見えず、ペダルアーム11の右側部分のみが見えている。また、支持軸15は破断状態で示されている。
【0016】
ペダルアーム11下端部には、乗員側に略平坦な踏面を備えたペダル踏部12が固定されている。そのため、乗員がペダル踏部12を足で下方に踏むことによりペダルアーム11は、支持軸15を中心として下方向に揺動される。この揺動により車両のブレーキ操作が行われる。ペダルアーム11には、ペダルブラケットとの間にリターンスプリング(図示略)が配設されており、乗員がペダル踏部12の踏込み操作を解除すると、ペダルアーム11は、リターンスプリングの付勢力により支持軸15を中心として上方向に揺動されて初期位置に復帰する。復帰位置ではペダルアーム11はストッパ(図示略)に当接してそれ以上の揺動を規制されている。
【0017】
図1、2のように、ペダルアーム11の右側面上でボス部14に隣接する位置にバンパブラケット13が溶接にて固定されている。バンパブラケット13は、左側端部で下方に屈曲形成されたフランジ部13bを備え、このフランジ部13bでペダルアーム11に溶接されている。そして、バンパブラケット13の先端部は、右側に突出されている。バンパブラケット13のフランジ部13bとペダルアーム11との間には、溶接に伴う溶接ビード(溶接部ともいう)16が形成されている。
【0018】
<バンパブラケット13の形状>
バンパブラケット13は、フランジ部13bと先端部との間でクランク状に先端部が上方に屈曲されている。その屈曲部より先端側の上面には、平面を成す平面部13aが仮想線の丸印で示すように形成されている。平面部13aは、平面を上方に向けられており、その方向にはストップランプスイッチ(図示略)が配設されている。ストップランプスイッチはペダルブラケットに固定されている。そのため、上述のようにペダルアーム11が下方に揺動されると、平面部13aがストップランプスイッチの操作部から離れてストップランプスイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられる。平面部13aの位置は、ストップランプスイッチのオン、オフのタイミングを決めるため、比較的高い位置精度が求められる。従って、平面部13aは、位置精度管理が求められる精度管理部位である。また、ストップランプスイッチは、乗員の足蹴りのように不用意に加えられる荷重からバンパブラケット13により保護されており、本発明における保護を要する部材に相当する。
【0019】
バンパブラケット13には、平面部13aに隣接して溶接基準孔13cが穿設されている。溶接基準孔13cは、溶接部16から離間したバンパブラケット13の先端部に設けられている。溶接基準孔13cは、ペダルアーム11に対してバンパブラケット13を溶接する際に治具が嵌合して溶接トーチ操作時の基準位置となる孔である。そのため、溶接基準孔13cの位置は、バンパブラケット13の大きさや形状、溶接部位の位置によって決定される。従来の溶接基準孔13cは
図4に基づいて説明したように単純な円形孔であるが、この実施形態の溶接基準孔13cは切欠形状とされてバンパブラケット13の先端側が開放されている。切欠形状の開放方向は、溶接基準孔13cの中心Cと溶接ビード16における溶接基準孔13cの中心Cまでの最短点16aとを結ぶ線Lの延長線上で、溶接ビード16から離れる方向DRとされている。この方向DRは、
図4のように溶接基準孔Hが切欠形状とされないで形成された場合に溶接基準孔Hに隣接してバンパブラケットBの突出端Eが溶接ビードWから離れる側に突出する方向である。切欠形状の開放幅OWは、溶接基準孔13cの直径Dよりも小さくされている。また、切欠形状を形成する開放部13dの2つの先端部13eは、それぞれ面取りされてR形状とされ、溶接ビード16の反対側への突出量が小さくされている。
【0020】
<一実施形態の作用効果>
上記実施形態によれば、溶接基準孔13cを切欠形状とすることにより、
図4の従来のバンパブラケットBで溶接ビードWから離れる側に突出していた突出端Eがなくなっている。また、切欠形状の開放部13dの先端部13eの突出量がR形状により小さくされている。その結果、
図3に矢印で示すようにバンパブラケット13の先端部13eに乗員の足FOの足蹴りによる荷重が加えられたとき、バンパブラケット13に働く曲げ応力は、バンパブラケット13の先端部13eの溶接ビード16から離れる側への突出量が小さくなった分だけ小さくなる。これは、バンパブラケット13の先端部13e(
図2参照)又は突出端E(
図4参照)に荷重が加えられた際のモーメントアームが
図4の従来ではML2であるのに対し、本実施形態の
図2ではML1となって長さが短くなるためである。即ち、ML2>ML1となっている。
【0021】
そのため、本実施形態では、バンパブラケット13の強度を小さくすることができ、板厚を薄くでき、溶接強度も小さくすることができる。また、溶接基準孔13cを切欠形状としたことにより、溶接基準孔13cをバンパブラケット13の外形の成形である打抜き加工により形成することができ、溶接基準孔13cのための孔抜き工程を別途設定する必要がなくなり、バンパブラケット13の生産性を高めることができる。
【0022】
本実施形態では、溶接基準孔13cより溶接ビード16側に精度管理部位である平面部13aを置かれている。そのため、平面部13aの位置精度が管理し易くなる。また、平面部13aの存在に影響を受けることなく溶接基準孔13cを切欠形状に形成することができる。
【0023】
本実施形態では、切欠形状における開放部13dの開放幅OWの最小値を溶接基準孔13cの直径Dより小さくされている。そのため、溶接基準孔13cが切欠形状とされても溶接基準孔13cとしての機能を維持することができる。
【0024】
<その他の実施形態>
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、上記実施形態では、車両用操作ペダル装置をブレーキペダルに適用したが、クラッチペダル等の他のペダルに適用してもよい。また、上記実施形態では、ブレーキペダルの構造として一つの例を示したが、他の構造のブレーキペダルにも適用できる。上記実施形態では、保護を要する部材をストップランプスイッチとしたが、ペダルアームの操作量を検出するストロークセンサ等の他の部材としてもよい。上記実施形態では、バンパブラケット上に設けられたストップランプスイッチ操作用の平面部を精度管理部位としたが、バンパブラケット上に設けられたストロークセンサに対する操作部材を精度管理部位としてもよい。また、精度管理部位は本発明において必須ではない。
【0025】
<各発明に対応する上記実施形態の作用効果>
最後に上述の「課題を解決するための手段」における第1発明以降の各発明に対応する上記実施形態の作用効果を付記しておく。
【0026】
第1発明によれば、溶接基準孔を切欠形状とすることにより溶接基準孔に隣接して溶接部から離れる側に突出するバンパブラケットの先端部がなくなる。そのため、バンパブラケットの側方への突出量が小さくなり、バンパブラケットが不用意に加えられる荷重を受ける際のモーメントアームの最大値が小さくなる。その結果、バンパブラケットの強度を小さくすることができ、板厚を薄くでき、溶接強度も小さくすることができる。また、溶接基準孔を切欠形状としたことにより、溶接基準孔をバンパブラケットの外形の成形である打抜き加工により形成することができ、孔抜き工程を別途設定する必要がなくなり、バンパブラケットの生産性を高めることができる。
【0027】
第2発明によれば、第1発明と同様の作用効果を達成することができる。
【0028】
第3発明によれば、溶接基準孔より溶接部側に精度管理部位を置くことができる。そのため、精度管理部位の位置精度を確保し易くすることができる。また、精度管理部位の存在に影響を受けることなく溶接基準孔を切欠形状に形成することができる。
【0029】
第4発明によれば、切欠形状における開放部の開放幅の最小値が前記溶接基準孔の直径より小さくされることにより、溶接基準孔が切欠形状とされても溶接基準孔としての機能を維持することができる。
【0030】
第5発明によれば、切欠形状における開放部を形成する前記バンパブラケットの先端部が面取りされることにより、開放部の先端部における溶接部から離れる側への突出量が小さくなる。そのため、バンパブラケットが不用意に加えられる荷重を受ける際のモーメントアームの最大値を更に小さくすることができ、第1発明の作用効果を更に高めることができる。
【符号の説明】
【0031】
10 車両用操作ペダル装置
11 ペダルアーム
12 ペダル踏部
13 バンパブラケット
13a 平面部(精度管理部位)
13b フランジ部
13c 溶接基準孔
13d 開放部
13e 先端部
14 ボス部
15 支持軸(支持部)
16 溶接ビード(溶接部)
16a 溶接基準孔の中心までの最短点
DR 方向
OW 開放幅
FO 足
ML モーメントアーム長