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特開2024-62549海水中の二酸化炭素固定化システム及び炭酸塩鉱物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062549
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】海水中の二酸化炭素固定化システム及び炭酸塩鉱物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/469 20230101AFI20240501BHJP
   C01B 32/60 20170101ALI20240501BHJP
   B01D 61/46 20060101ALI20240501BHJP
   B01D 61/44 20060101ALI20240501BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20240501BHJP
【FI】
C02F1/469
C01B32/60
B01D61/46 500
B01D61/44 500
B01D61/44 520
C02F1/44 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170449
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】矢野 慧一
(72)【発明者】
【氏名】小島 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】浦 優介
【テーマコード(参考)】
4D006
4D061
【Fターム(参考)】
4D006GA17
4D006HA47
4D006JA41A
4D006JA42A
4D006JA43A
4D006JA44A
4D006JA53Z
4D006KA17
4D006KA72
4D006KB13
4D006KB19
4D006KB30
4D006KE15R
4D006MA03
4D006MA11
4D006MA13
4D006MA14
4D006PA01
4D006PB03
4D006PB64
4D061DA04
4D061DB15
4D061EA09
4D061EB01
4D061EB04
4D061EB13
4D061EB17
4D061EB20
(57)【要約】
【課題】COを、優れた回収効率で回収できる二酸化炭素固定化システム、及び、海水から効率的に炭酸塩鉱物を製造できる炭酸塩鉱物の製造方法を提供する。
【解決手段】海水から酸性化海水と塩基性化海水を生成するバイポーラ膜電気透析装置1と、バイポーラ膜電気透析装置1から酸性化海水が導入され、気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離ユニット2と、バイポーラ膜電気透析装置1から塩基性化海水が導入されると共に、二酸化炭素分離ユニット2から気体状の二酸化炭素が導入される沈殿槽3とを備え、沈殿槽3から炭酸塩鉱物が回収される海水中の二酸化炭素固定化システムを用いて、透析工程と二酸化炭素分離工程と沈殿工程を行い、二酸化炭素を炭酸塩鉱物として固定化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水から酸性化海水と塩基性化海水を生成するバイポーラ膜電気透析装置と、
前記バイポーラ膜電気透析装置から前記酸性化海水が導入され、気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離ユニットと、
前記バイポーラ膜電気透析装置から前記塩基性化海水が導入されると共に、前記二酸化炭素分離ユニットから気体状の二酸化炭素が導入される沈殿槽とを備え、
前記沈殿槽から炭酸塩鉱物が回収される海水中の二酸化炭素固定化システム。
【請求項2】
さらに、前記二酸化炭素分離ユニットにおける気体状の二酸化炭素の分離を促進するための真空ポンプを備える、請求項1に記載の二酸化炭素固定化システム。
【請求項3】
さらに、中和タンクを備え、前記二酸化炭素分離ユニットにおいて気体状の二酸化炭素が分離された後の前記酸性化海水と、前記沈殿槽において炭酸塩鉱物が回収された後の前記塩基性化海水とが前記中和タンクで混合される、請求項1又は2に記載の二酸化炭素固定化システム。
【請求項4】
海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化海水と塩基性化海水を生成する透析工程と、
前記透析工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程と、
前記透析工程で得られた塩基性化海水と、前記二酸化炭素分離工程で得られた気体状の二酸化炭素とを沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる沈殿工程とを備える、炭酸塩鉱物の製造方法。
【請求項5】
前記二酸化炭素分離工程において、真空ポンプにより気体状の二酸化炭素の分離を促進する、請求項4に記載の炭酸塩鉱物の製造方法。
【請求項6】
前記二酸化炭素分離工程で気体状の二酸化炭素を分離した後の前記酸性化海水と、前記沈殿工程で沈殿させた炭酸塩鉱物を除いた後の前記塩基性化海水とを混合して中和する、中和工程を備える、請求項4又は5に記載の炭酸塩鉱物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水中の二酸化炭素固定化システム及び炭酸塩鉱物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止のために、二酸化炭素(CO)排出量の削減、および、COの回収貯留技術(CCS;Carbon dioxide Capture and Storage)が世界的に求められている。これまでのCCSに関する取組みは、工場排ガスおよび大気中のCOを対象としてきたが、最近、海洋酸性化の問題解決と合わせて、海水中のCO回収(DOC;Direct Ocean CaptureまたはOcean-based Carbon Dioxide Removal)が注目されている。
【0003】
海洋には人為起源のCOの約3割が溶解しており、体積当たりの海水中のCOの濃度は空気中の約120倍である。海水中からCOを回収すると、海水と大気との平衡状態を保つために海水が大気からCOを吸収するため、結果として大気中のCO量も削減される。
【0004】
海水中のCO回収技術としては、ガス透過膜、イオン交換樹脂、電気化学的酸性化を用いる手法が検討されてきたが、回収効率が低かった。
一方、バイポーラ膜電気透析法を用いて海水を酸性にすることで、気体状のCOを回収する手法が提案されている(特許文献1、非特許文献1)。
【0005】
また、特許文献2では、海水を塩基性化することにより、海水中のCOを炭酸カルシウムとして回収し、これを建築材料に利用する技術が提案されている。特許文献2では、海水を塩基性化するための塩基として、海水の一部を、バイポーラ膜電気透析法で処理して得られた塩基性化海水を利用することも提案されている。
また、非特許文献2では、海水を、バイポーラ膜電気透析法で処理し、塩基室内において、得られた塩基性化海水中のCOを炭酸塩鉱物として沈殿させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-13889号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/0072626号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Matthew D.Eisaman,Keshav Parajuly,Alexander Tuganov,Craig Eldershaw,Norine Chang and Karl A.Littau,“CO2 extraction from seawater using bipolar membrane electrodialysis”,Energy & Environmental Science,2012,インターネット<https://doi.org/10.1039/C2EE03393C>
【非特許文献2】R. Sharifian,L. Boer,R.M. Wagterveld,D.A. Vermaas,“Oceanic carbon capture through electrochemically induced in situ carbonate mineralization using bipolar membrane”,Chemical Engineering Journal,Volume438,2022,135326,インターネット<https://doi.org/10.1016/j.cej.2022.135326>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1、2,非特許文献1、2のいずれにおいても、COの回収効率は充分とは言えなかった。
さらに、非特許文献2では、バイポーラ膜電気透析装置内部で鉱物化が進行するため、バイポーラ膜上に炭酸塩鉱物が析出してしまい、COの回収効率が低下する課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みて、COを優れた回収効率で回収できる二酸化炭素固定化システム、及び、海水から効率的に炭酸塩鉱物を製造できる炭酸塩鉱物の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]海水から酸性化海水と塩基性化海水を生成するバイポーラ膜電気透析装置と、
前記バイポーラ膜電気透析装置から前記酸性化海水が導入され、気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離ユニットと、
前記バイポーラ膜電気透析装置から前記塩基性化海水が導入されると共に、前記二酸化炭素分離ユニットから気体状の二酸化炭素が導入される沈殿槽とを備え、
前記沈殿槽から炭酸塩鉱物が回収される海水中の二酸化炭素固定化システム。
[2]さらに、前記二酸化炭素分離ユニットにおける気体状の二酸化炭素の分離を促進するための真空ポンプを備える、[1]に記載の二酸化炭素固定化システム。
[3]さらに、中和タンクを備え、前記二酸化炭素分離ユニットにおいて気体状の二酸化炭素が分離された後の前記酸性化海水と、前記沈殿槽において炭酸塩鉱物が回収された後の前記塩基性化海水とが前記中和タンクで混合される、[1]又は[2]に記載の二酸化炭素固定化システム。
[4]海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化海水と塩基性化海水を生成する透析工程と、
前記透析工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程と、
前記透析工程で得られた塩基性化海水と、前記二酸化炭素分離工程で得られた気体状の二酸化炭素とを沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる沈殿工程とを備える、炭酸塩鉱物の製造方法。
[5]前記二酸化炭素分離工程において、真空ポンプにより気体状の二酸化炭素の分離を促進する、[4]に記載の炭酸塩鉱物の製造方法。
[6]前記二酸化炭素分離工程で気体状の二酸化炭素を分離した後の前記酸性化海水と、前記沈殿工程で沈殿させた炭酸塩鉱物を除いた後の前記塩基性化海水とを混合して中和する、中和工程を備える、[4]又は[5]に記載の炭酸塩鉱物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の二酸化炭素固定化システムによれば、COを、優れた回収効率で回収できる、また、本発明の炭酸塩鉱物の製造方法によれば、海水から効率的に炭酸塩鉱物を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素固定化システムの概略構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素固定化システムで使用するバイポーラ膜電気透析装置の模式図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素固定化システムの概略構成図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素固定化システムで使用するバイポーラ膜電気透析装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
[二酸化炭素固定化システム]
本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素固定化システムを図1に基づいて説明する。なお、図1において、波線の矢印は気体の経路、一重線の矢印は液体の経路、二重線の矢印は固体の経路を示す。
図1に示すように、本実施形態の二酸化炭素固定化システムは、バイポーラ膜電気透析装置1と、二酸化炭素分離ユニット2(図中では、「CO分離ユニット」と表示)と、沈殿槽3と、真空ポンプ4と、中和タンク5とから概略構成されている。
【0013】
バイポーラ膜電気透析装置1には、海水タンク6から海水が導入されるようになっている。また、電極液タンク7から電極液が循環供給されるようになっている。そして、海水から、バイポーラ膜電気透析装置1により、酸性化海水と塩基性化海水が生成するようになっている。バイポーラ膜電気透析装置1の詳細については後述する。
【0014】
バイポーラ膜電気透析装置1で生成した酸性化海水は二酸化炭素分離ユニット2に導入され、二酸化炭素分離ユニット2において、酸性化海水から気体状の二酸化炭素が分離されるようになっている。
二酸化炭素分離ユニット2としては、酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離して取り出せるものであれば特に限定はない。例えば、酸性化海水と気相とを膜を解して接触させる膜接触器(例えば、スノーピュア社製Liqui-Cel)を使用できる。また、酸性化海水を噴霧するシャワーヘッド設備と酸性化海水を撹拌する手段との少なくとも一方を有し、気相から気体を採取できるタンクを使用してもよい。
【0015】
本実施形態では、真空ポンプ4が二酸化炭素分離ユニット2から沈殿槽3に至る気体経路中に設けられ、二酸化炭素分離ユニット2の気相を減圧できるようになっている。これにより、二酸化炭素分離ユニット2における気体状の二酸化炭素の分離が促進されるようになっている。なお、真空ポンプ4は、省略することもできる。
【0016】
一方、バイポーラ膜電気透析装置1で生成した塩基性化海水は沈殿槽3に導入されるようになっている。
また、二酸化炭素分離ユニット2で分離された気体状の二酸化炭素も、沈殿槽3に導入されるようになっている。
【0017】
沈殿槽3では、導入された塩基性化海水に対して、気体状の二酸化炭素を吹き込めるようになっている。そして、炭酸塩鉱物が沈殿し、沈殿した炭酸塩鉱物が外部に取り出されて回収できるようになっている。
なお、真空ポンプ4と沈殿槽3の間には、気体状の二酸化炭素を濃縮する装置を設けてもよい。濃縮装置としては、例えば、UBE社製のUBE CO SEPARATORを使用できる。
【0018】
中和タンク5には、二酸化炭素分離ユニット2において気体状の二酸化炭素が分離された後の酸性化海水と、沈殿槽3において炭酸塩鉱物が回収された後の塩基性化海水とが導入されるようになっている。そして、中和タンク5内で、酸性化海水と塩基性化海水とが混合されることより、中和され、かつ二酸化炭素濃度が低減した処理済み海水が得られるようになっている。
【0019】
バイポーラ膜電気透析装置1は、図2に示すように、陽極21と陰極22との間に、複数のバイポーラ膜11と複数のアニオン交換膜12とが交互に配置されて構成されている。
バイポーラ膜11はアニオン交換層とカチオン交換層の2つを張り合わせた構造の複合イオン交換膜である。具体的には、基材の一方の面にアニオン交換層を積層又は含浸させ、他方の面にカチオン交換層を積層又は含浸させたものを使用できる。
バイポーラ膜11は、陽極21側がアニオン交換層、陰極22側がカチオン交換層となるように配置される。
【0020】
アニオン交換膜12としては、基材にアニオン交換層を積層又は含浸させたものが使用できる。
バイポーラ膜11としては、例えばアストム社製ネオセプタBP-1を使用できる。アニオン交換膜12としては、例えばアストム社製ネオセプタASEを使用できる。
【0021】
バイポーラ膜11と、その陰極22側において隣接するアニオン交換膜12との間には、酸室16が形成されている。バイポーラ膜11と、その陽極21側において隣接するアニオン交換膜12との間には、塩基室17が形成されている。
また、最も陽極21側に配置されたバイポーラ膜11と陽極21との間には、陽極室23が形成されている。最も陰極22側に配置されたバイポーラ膜11と陰極22との間には、陰極室24が形成されている。
【0022】
酸室16と塩基室17には、各々海水タンク6から海水が流入するようになっている。また、酸室16では、酸性化海水が生成され、生成した酸性化海水は二酸化炭素分離ユニット2に供給されるようになっている。塩基室17では、塩基性化海水が生成され、生成した塩基性化海水は沈殿槽3に供給されるようになっている。
陽極室23と陰極室24には、各々電極液が電極液タンク7から流入し、また、電極液タンク7に戻るようになっている。
【0023】
[炭酸塩鉱物の製造方法]
本実施形態の二酸化炭素固定化システムでは、以下の(i)~(iii)の工程により、炭酸塩鉱物を製造する、炭酸塩鉱物の製造方法が実施できる。
(i)海水からバイポーラ膜電気透析法により酸性化海水と塩基性化海水を生成する透析工程。
(ii)前記透析工程で得られた酸性化海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程。
(iii)前記透析工程で得られた塩基性化海水と、前記二酸化炭素分離工程で得られた気体状の二酸化炭素とを沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる沈殿工程。
【0024】
本実施形態の二酸化炭素固定化システムによる炭酸塩鉱物の製造方法は、さらに、以下の(iv)の工程を備える。
(iv)前記二酸化炭素分離工程で気体状の二酸化炭素を分離した後の前記酸性化海水と、前記沈殿工程で沈殿させた炭酸塩鉱物を除いた後の前記塩基性化海水とを混合して中和する、中和工程。
【0025】
透析工程は、図2に示したバイポーラ膜電気透析装置1で行われる。海水タンク6からバイポーラ膜電気透析装置1に供給する海水は、予め濁質を除去する前処理を施しておくことが好ましい。濁質除去には、例えば、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ナノ濾過膜を用いた濾過装置が使用できる。電極液タンク7から陽極室23、陰極室24に供給する電極液としては、例えば、硫酸水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液などを用いることができる。
【0026】
陽極21と陰極22の間に電圧を印加すると、酸室16と塩基室17に導入された海水中の水分子は、バイポーラ膜11内に侵入してHとOHに解離される。この内Hは、陰極22側に引かれて、バイポーラ膜11のカチオン交換層を通過し、酸室16に移動する。一方、OHは、陽極21側に引かれて、バイポーラ膜11のアニオン交換層を通過し、塩基室17に移動する。また、塩基室17内のCl等のアニオンは、陽極21側に引かれて、アニオン交換膜12を通過して酸室16に移動する。
その結果、酸室16に導入された海水は、酸性化海水となり、塩基室17に導入された海水は、塩基性化海水となる。
【0027】
酸性化海水のpHは、3.0~5.0が好ましく、4.0~5.0がより好ましく、4.5前後が特に好ましい。酸性化海水のpHが好ましい上限値以下であれば、海水中に溶存する大部分のHCO イオン及びCO 2-イオンがCOに転換されるので、二酸化炭素分離工程において、効率的に二酸化炭素を分離できる。酸性化海水のpHが好ましい下限値以上であれば、電気透析におけるエネルギー消費量を抑えることができる。
【0028】
塩基性化海水のpHは、9.0~10.0が好ましく、9.0~9.5がより好ましく、9.3前後が特に好ましい。塩基性化海水のpHが好ましい下限値以上であれば、沈殿工程において、効率的に炭酸塩鉱物を沈殿させることができる。塩基性化海水のpHが好ましい上限値以下であれば、塩基室17内で沈殿が生じてしまうことを回避しやすい。
【0029】
塩基性化海水は、塩基室17内で必要以上に滞留させない方が好ましい。塩基性化海水は、塩基性化海水中のCO 2-イオンとカルシウムイオンやマグネシウムイオン等とが沈殿を形成可能な程度に塩基性化されるので、必要以上に滞留させてしまうと、塩基室17内で沈殿が生じてしまうからである。一旦塩基室17内で沈殿が生じてしまうと、その沈殿が種結晶となり、さらなる沈殿を引き起こすので好ましくない。
【0030】
酸性化海水のpHと塩基性化海水のpHは、例えば、印加電圧と電流、酸室16、塩基室17内を通過する海水の流量等によって調整できる。バイポーラ膜電気透析装置1に再循環させることで調整してもよい。
なお、陽極室23に導入された電極液は塩基性化され、陰極室24に導入された電極液は酸性化されるが、電極液タンク7に戻って混合されるので元の組成に戻る。
【0031】
二酸化炭素分離工程は、図1に示した二酸化炭素分離ユニット2で行われる。二酸化炭素分離ユニット2には、バイポーラ膜電気透析装置1から酸性化海水が導入される。そして、酸性化海水に含まれる溶存COは、気体COとして分離される。真空ポンプ4により減圧状態とすることにより、溶存COから気体COへの転換が促進され、効率的に酸性化海水から気体COを分離できる。分離した気体COは、必要に応じて濃縮してもよい。
【0032】
沈殿工程は、沈殿槽3で行われる。沈殿槽3には、バイポーラ膜電気透析装置1から塩基性化海水が導入される。また、二酸化炭素分離ユニット2から気体COが導入される。沈殿槽3内において、塩基性化海水に気体COが吹き込まれることにより、塩基性化海水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと、気体COが塩を形成し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩鉱物として析出し沈殿する。
また、塩基性化海水中のCO 2-イオンも、沈殿槽3内で充分な滞留時間をとることにより、塩基性化海水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと塩を形成し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩鉱物として析出し沈殿する。
【0033】
沈殿した炭酸塩鉱物は、固液分離により、沈殿槽3から回収することができる。これにより、海水中の二酸化炭素を固定化できると共に、金属資源として有用な炭酸塩鉱物を得ることができる。得られた炭酸塩鉱物は、例えば、建築材料、製紙材料、プラスチック添加物等として活用できる。
【0034】
沈殿槽3での炭酸塩鉱物の沈殿を促進するために、沈殿槽3には、予め炭酸塩鉱物の種結晶を導入しておくことが好ましい。
また、固液分離により、沈殿槽3から回収した炭酸塩鉱物の一部は、種結晶として沈殿槽3に戻すことが好ましい。
【0035】
中和工程は、中和タンク5で行われる。中和タンク5には、二酸化炭素分離ユニット2から二酸化炭素を除去した後の酸性化海水が導入される。また、沈殿槽3から炭酸塩鉱物を除去した後の塩基性化海水が導入される。導入された酸性化海水と塩基性化海水とは、中和タンク5内で混合されて、中和され、かつ二酸化炭素濃度が低減した処理済み海水が得られる。処理済み海水は、そのまま海洋放出することができる。
なお、炭酸塩鉱物除去後の塩基性化海水は、中和タンク5に導入する前に大気と接触させることにより大気中の二酸化炭素を吸収させてもよい。
【0036】
本実施形態の炭酸塩鉱物の製造方法によれば、バイポーラ膜電気透析装置1で生成した酸性化海水の溶存COと塩基性化海水のCO 2-イオンの双方から、炭酸塩鉱物が得られると共に、二酸化炭素を固定化することができる。
また、塩基性化海水のCO 2-イオンは、沈殿槽3において沈殿させ、塩基室17内で沈殿させないため、バイポーラ膜11やアニオン交換膜12の目詰まり等の問題も生じにくい。
【0037】
<第2実施形態>
[二酸化炭素固定化システム]
本発明の第2実施形態に係る二酸化炭素固定化システムを図3に基づいて説明する。なお、図3において、図1と同様の構成部材については、図1と同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。図1と同様に、波線の矢印は気体の経路、一重線の矢印は液体の経路、二重線の矢印は固体の経路を示す。
【0038】
図3に示すように、本実施形態の二酸化炭素固定化システムは、バイポーラ膜電気透析装置10と、二酸化炭素分離ユニット2(図中では、「CO分離ユニット」と表示)と、沈殿槽3と、真空ポンプ4と、中和タンク5とから概略構成されている。
【0039】
バイポーラ膜電気透析装置1には、海水タンク6から海水が導入されるようになっている。また、電極液タンク7から電極液が循環供給されるようになっている。そして、海水から、バイポーラ膜電気透析装置1により、濃縮された酸性化海水(酸性化濃縮海水)と濃縮された塩基性化海水(塩基性化濃縮海水)と脱塩された海水(脱塩海水)とが生成するようになっている。バイポーラ膜電気透析装置10の詳細については後述する。
【0040】
バイポーラ膜電気透析装置10で生成した酸性化濃縮海水は二酸化炭素分離ユニット2に導入され、二酸化炭素分離ユニット2において、酸性化濃縮海水から気体状の二酸化炭素が分離されるようになっている。
二酸化炭素分離ユニット2としては、第1実施形態の二酸化炭素分離ユニット2と同様のものが使用できる。
【0041】
本実施形態でも、真空ポンプ4が二酸化炭素分離ユニット2から沈殿槽3に至る気体経路中に設けられ、二酸化炭素分離ユニット2の気相を減圧できるようになっている。これにより、二酸化炭素分離ユニット2における気体状の二酸化炭素の分離が促進されるようになっている。なお、真空ポンプ4は、省略することもできる。
【0042】
一方、バイポーラ膜電気透析装置10で生成した塩基性化濃縮海水は沈殿槽3に導入されるようになっている。
また、二酸化炭素分離ユニット2で分離された気体状の二酸化炭素も、沈殿槽3に導入されるようになっている。
沈殿槽3では、導入された塩基性化濃縮海水に対して、気体状の二酸化炭素を吹き込めるようになっている。そして、炭酸塩鉱物が沈殿し、沈殿した炭酸塩鉱物が外部に取り出されて回収できるようになっている。真空ポンプ4と沈殿槽3の間には、気体状の二酸化炭素を濃縮する装置を設けてもよい。
【0043】
中和タンク5には、二酸化炭素分離ユニット2において気体状の二酸化炭素が分離された後の酸性化濃縮海水と、沈殿槽3において炭酸塩鉱物が回収された後の塩基性化濃縮海水とが導入されるようになっている。そして、中和タンク5内で、酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水とが混合されることより、中和され、かつ二酸化炭素濃度が低減した処理済み海水が得られるようになっている。
【0044】
バイポーラ膜電気透析装置10の構成を図4に示す。なお、図4において、図2と同様の構成部材については、図3と同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図4に示すように、バイポーラ膜電気透析装置10は、陽極21と陰極22との間に、複数のバイポーラ膜11と複数のアニオン交換膜12と複数のカチオン交換膜13が配置されて構成されている。
【0045】
具体的には、陽極21に最も近い側にはアニオン交換膜12が配置され、その後は、陽極21側から、カチオン交換膜13、バイポーラ膜11、アニオン交換膜12と順に配置された3種の膜を1セットとする繰り返しで配置される。
すなわち、アニオン交換膜12はバイポーラ膜11の陰極22側に、カチオン交換膜13はバイポーラ膜11の陽極21側に配置される。
【0046】
バイポーラ膜11の構成とアニオン交換膜12の構成は、第1実施形態において説明したのと同様である。カチオン交換膜13は、基材にカチオン交換層を積層又は含浸させたものを使用できる。カチオン交換膜13としては、例えば、アストム社製ネオセプタCSEを使用できる。
バイポーラ膜11は、陽極21側(カチオン交換膜13側)がアニオン交換層、陰極22側(アニオン交換膜12側)がカチオン交換層となるように配置される。
【0047】
バイポーラ膜11と、その陰極22側において隣接するアニオン交換膜12との間には、酸室16が形成されている。バイポーラ膜11と、その陽極21側において隣接するカチオン交換膜13との間には、塩基室17が形成されている。アニオン交換膜12とカチオン交換膜13との間には、脱塩室18が形成されている。
また、最も陽極21側に配置されたアニオン交換膜12と陽極21との間には、陽極室23が形成されている。最も陰極22側に配置されたアニオン交換膜12と陰極22との間には、陰極室24が形成されている。
【0048】
酸室16と塩基室17と脱塩室18には、各々海水タンク6から海水が流入するようになっている。また、酸室16では、酸性化濃縮海水が生成され、生成した酸性化濃縮海水は二酸化炭素分離ユニット2に供給されるようになっている。塩基室17では、塩基性化濃縮海水が生成され、生成した塩基性化濃縮海水は沈殿槽3に供給されるようになっている。脱塩室18では脱塩海水が生成され、海洋に放出されるようになっている。
陽極室23と陰極室24には、各々電極液が電極液タンク7から流入し、また、電極液タンク7に戻るようになっている。
【0049】
[炭酸塩鉱物の製造方法]
本実施形態の二酸化炭素固定化システムでは、以下の(i’)~(iii’)の工程により、炭酸塩鉱物を製造する、炭酸塩鉱物の製造方法が実施できる。
(i’)海水からバイポーラ膜電気透析法により濃縮された酸性化海水(酸性化濃縮海水)と濃縮された塩基性化海水(塩基性化濃縮海水)に加えて、脱塩海水を生成する透析工程。
(ii’)前記透析工程で得られた酸性化濃縮海水から気体状の二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離工程。
(iii’)前記透析工程で得られた塩基性化濃縮海水と、前記二酸化炭素分離工程で得られた気体状の二酸化炭素とを沈殿槽に導入して炭酸塩鉱物を沈殿させる沈殿工程。
【0050】
本実施形態の二酸化炭素固定化システムによる炭酸塩鉱物の製造方法は、さらに、以下の(iv’)の工程を備える。
(iv’)前記二酸化炭素分離工程で気体状の二酸化炭素を分離した後の前記酸性化濃縮海水と、前記沈殿工程で沈殿させた炭酸塩鉱物を除いた後の前記塩基性化濃縮海水とを混合して中和する、中和工程。
【0051】
透析工程は、図4に示したバイポーラ膜電気透析装置1で行われる。海水タンク6からバイポーラ膜電気透析装置1に供給する海水は、予め濁質を除去する前処理を施しておくことが好ましい。濁質除去には、第1実施形態で説明したのと同様の濾過装置が使用できる。電極液タンク7から陽極室23、陰極室24に供給する電極液としては、第1実施形態で説明したのと同様のものを用いることができる。
【0052】
陽極21と陰極22の間に電圧を印加すると、酸室16と塩基室17に導入された海水中の水分子は、バイポーラ膜11内に侵入してHとOHに解離される。この内Hは、陰極22側に引かれて、バイポーラ膜11のカチオン交換層を通過し、酸室16に移動する。一方、OHは、陽極21側に引かれて、バイポーラ膜11のアニオン交換層を通過し、塩基室17に移動する。
【0053】
また、脱塩室18及び陰極室24内のCl等のアニオンは、陽極21側に引かれて、アニオン交換膜12を通過して酸室16に(最も陽極21側の脱塩室18内のアニオンは陽極室23に)移動する。
また、脱塩室18内のNa、K、Li等のカチオンは、陰極22側に引かれて、カチオン交換膜13を通過して塩基室17に移動する。
その結果、酸室16に導入された海水は、酸性化濃縮海水となり、塩基室17に導入された海水は、塩基性化濃縮海水となり、脱塩室18に導入された海水は脱塩海水となる。
【0054】
酸性化濃縮海水のpHは、3.0~5.0が好ましく、4.0~5.0がより好ましく、4.5前後が特に好ましい。酸性化濃縮海水のpHが好ましい上限値以下であれば、海水中に溶存する大部分のHCO イオン及びCO 2-イオンがCOに転換されるので、二酸化炭素分離工程において、効率的に二酸化炭素を分離できる。酸性化濃縮海水のpHが好ましい下限値以上であれば、電気透析におけるエネルギー消費量を抑えることができる。
【0055】
塩基性化濃縮海水のpHは、9.0~10.0が好ましく、9.0~9.5がより好ましく、9.3前後が特に好ましい。塩基性化濃縮海水のpHが好ましい下限値以上であれば、沈殿工程において、効率的に炭酸塩鉱物を沈殿させることができる。塩基性化濃縮海水のpHが好ましい上限値以下であれば、塩基室17内で沈殿が生じてしまうことを回避しやすい。
【0056】
塩基性化濃縮海水は、塩基室17内で必要以上に滞留させない方が好ましい。塩基性化濃縮海水は、塩基性化濃縮海水中のCO 2-イオンとカルシウムイオンやマグネシウムイオン等とが沈殿を形成可能な程度に塩基性化されるので、必要以上に滞留させてしまうと、塩基室17内で沈殿が生じてしまうからである。一旦塩基室17内で沈殿が生じてしまうと、その沈殿が種結晶となり、さらなる沈殿を引き起こすので好ましくない。
【0057】
酸性化濃縮海水のpHと塩基性化濃縮海水のpHは、例えば、印加電圧と電流、酸室16、塩基室17内を通過する海水の流量等によって調整できる。バイポーラ膜電気透析装置1に再循環させることで調整してもよい。
【0058】
二酸化炭素分離工程は、図3に示した二酸化炭素分離ユニット2で行われる。二酸化炭素分離ユニット2には、バイポーラ膜電気透析装置10から酸性化濃縮海水が導入される。そして、酸性化濃縮海水に含まれる溶存COは、気体COとして分離される。真空ポンプ4により減圧状態とすることにより、溶存COから気体COへの転換が促進され、効率的に酸性化濃縮海水から気体COを分離できる。分離した気体COは、必要に応じて濃縮してもよい。
【0059】
沈殿工程は、沈殿槽3で行われる。沈殿槽3には、バイポーラ膜電気透析装置10から塩基性化濃縮海水が導入される。また、二酸化炭素分離ユニット2から気体COが導入される。沈殿槽3内において、塩基性濃縮海水に気体COが吹き込まれることにより、塩基性化濃縮海水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと、気体COが塩を形成し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩鉱物として析出し沈殿する。
また、塩基性化濃縮海水中のCO 2-イオンも、沈殿槽3内で充分な滞留時間をとることにより、塩基性化濃縮海水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと塩を形成し、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の炭酸塩鉱物として析出し沈殿する。
【0060】
沈殿した炭酸塩鉱物は、固液分離により、沈殿槽3から回収することができる。これにより、海水中の二酸化炭素を固定化できると共に、金属資源として有用な炭酸塩鉱物を得ることができる。得られた炭酸塩鉱物は、例えば、建築材料、製紙材料、プラスチック添加物等として活用できる。
【0061】
沈殿槽3での炭酸塩鉱物の沈殿を促進するために、沈殿槽3には、予め炭酸塩鉱物の種結晶を導入しておくことが好ましい。
また、固液分離により、沈殿槽3から回収した炭酸塩鉱物の一部は、種結晶として沈殿槽3に戻すことが好ましい。
【0062】
中和工程は、中和タンク5で行われる。中和タンク5には、二酸化炭素分離ユニット2から二酸化炭素を除去した後の酸性化濃縮海水が導入される。また、沈殿槽3から炭酸塩鉱物を除去した後の塩基性化濃縮海水が導入される。導入された酸性化濃縮海水と塩基性化濃縮海水とは、中和タンク5内で混合されて、中和され、かつ二酸化炭素濃度が低減すると共に濃縮された処理済み海水が得られる。処理済み海水は、そのまま海洋放出することができる。
なお、炭酸塩鉱物除去後の塩基性化濃縮海水は、中和タンク5に導入する前に大気と接触させることにより大気中の二酸化炭素を吸収させても良い。
【0063】
本実施形態の炭酸塩鉱物の製造方法によれば、バイポーラ膜電気透析装置10で生成した酸性化濃縮海水の溶存COと塩基性化濃縮海水のCO 2-イオンの双方から、炭酸塩鉱物が得られると共に、二酸化炭素を固定化することができる。
また、塩基性化濃縮海水のCO 2-イオンは、沈殿槽3において沈殿させ、塩基室17内で沈殿させないため、バイポーラ膜11やカチオン交換膜13の目詰まり等の問題も生じにくい。
【0064】
本実施形態では、第1実施形態と比較して、海水を濃縮して塩基性化海水のイオン濃度を高めることができるので、沈殿槽3での沈殿形成がより促進される。但し、脱塩海水に含まれる二酸化炭素を回収できないというデメリットが存在する。
一方、第1実施形態は、酸室16と塩基室17とに求められるpH変化を達成するための電流量が第2実施形態より少なくてよい。すなわち、エネルギー消費量が少ない。
【0065】
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。上記実施形態に係る二酸化炭素固定化システム及び炭酸塩鉱物の製造方法は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」および「13.気候変動に具体的な対策を」の目標などの達成に貢献し得る。
【符号の説明】
【0066】
1 バイポーラ膜電気透析装置
2 二酸化炭素分離ユニット
3 沈殿槽
4 真空ポンプ
5 中和タンク
6 海水タンク
7 電極液タンク
10 バイポーラ膜電気透析装置
11 バイポーラ膜
12 アニオン交換膜
13 カチオン交換膜
16 酸室
17 塩基室
18 脱塩室
21 陽極
22 陰極
23 陽極室
24 陰極室
図1
図2
図3
図4