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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006257
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/55 20190101AFI20240110BHJP
【FI】
G06F16/55
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106980
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】513056101
【氏名又は名称】フリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 顕範
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩之
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA02
5B175FA03
5B175GA03
(57)【要約】
【課題】証憑類の画像データを、ユーザの過去の仕分け状況等に応じて分類し、クラスタリングを行い、適切な階層のフォルダに格納する。
【解決手段】プロセッサ29とメモリ25とを備えるサーバ20を動作させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、ストレージ装置30のフォルダ格納情報を取得するステップと、フォルダ構成に関する情報の規則性を解析してフォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成するステップと、ユーザが画像データをストレージ装置30に格納する際の推奨フォルダ構成を生成してユーザに提示するステップと、ストレージ装置30に格納すべき画像データを指定したら、画像データを格納すべきフォルダを判定して画像データをこのフォルダに格納するステップと、画像データを格納したフォルダに関する情報をユーザに通知するステップとを実行させる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ユーザがストレージ装置に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、前記フォルダに格納されている前記画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報を取得するステップと、
取得した前記フォルダ格納情報に基づいて、前記フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し、この規則性に基づいて、前記フォルダ構成のモデルを前記ユーザ毎に生成するステップと、
生成した前記フォルダ構成の前記モデルに基づいて、前記ユーザが前記画像データを前記ストレージ装置に格納する際の推奨フォルダ構成を生成して前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザが前記ストレージ装置に格納すべき前記画像データを指定したことを検知するステップと、
検知した前記画像データを格納すべき前記ストレージ装置内の前記フォルダを、前記推奨フォルダ構成に基づいて判定し、判定した前記フォルダに検知した前記画像データを格納するステップと、
検知した前記画像データを格納した前記フォルダに関する情報を前記ユーザに通知するステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記フォルダ構成のモデルを前記ユーザ毎に生成するステップにおいて、前記証憑類の種類に基づいて前記フォルダ構成のモデルを生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記フォルダ構成のモデルを前記ユーザ毎に生成するステップにおいて、前記証憑類を前記フォルダに格納した時期に基づいて前記フォルダ構成のモデルを生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記メモリには、前記規則性を説明変数とし、前記フォルダ構成のモデルを目的変数とする学習モデルが格納され、
前記フォルダ構成のモデルを前記ユーザ毎に生成するステップにおいて、前記規則性を前記学習モデルに入力することで、前記フォルダ構成のモデルを生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、さらに、生成した前記フォルダ構成の前記モデルについて、前記モデルを変更する情報を受け入れるステップを実行する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プログラムは、さらに、前記受け入れた前記モデルを変更する情報に基づいて、生成した前記フォルダ構成の前記モデルを変更するステップを実行する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記モデルを変更する情報は、前記フォルダ構成に基づく前記フォルダに格納される前記画像データに係る前記証憑類の種類、及び前記画像データを前記フォルダに格納した時期の少なくとも一方を含む、請求項5または6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記画像データの指定を検知するステップにおいて、前記ユーザが前記画像データを一時的に格納する記憶領域から前記画像データを取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記画像データの指定を検知するステップにおいて、前記ユーザによる前記画像データの指定に基づいて前記画像データの入力を受け入れる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記画像データの指定を検知するステップにおいて、前記ユーザがネットワークを経由して送受信をしたデータから前記画像データを取得する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
ユーザがストレージ装置に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、前記フォルダに格納されている前記画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報を取得するステップと、
取得した前記フォルダ格納情報に基づいて、前記フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し、この規則性に基づいて、前記フォルダ構成のモデルを前記ユーザ毎に生成するステップと、
生成した前記フォルダ構成の前記モデルに基づいて、前記ユーザが前記画像データを前記ストレージ装置に格納する際の推奨フォルダ構成を生成して前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザが前記ストレージ装置に格納すべき前記画像データを指定したことを検知するステップと、
検知した前記画像データを格納すべき前記ストレージ装置内の前記フォルダを、前記推奨フォルダ構成に基づいて判定し、判定した前記フォルダに検知した前記画像データを格納するステップと、
検知した前記画像データを格納した前記フォルダに関する情報をユーザに通知するステップと
を実行する、情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
前記プロセッサは、
ユーザがストレージ装置に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、前記フォルダに格納されている前記画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報を取得するステップと、
取得した前記フォルダ格納情報に基づいて、前記フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し、この規則性に基づいて、前記フォルダ構成のモデルを前記ユーザ毎に生成するステップと、
生成した前記フォルダ構成の前記モデルに基づいて、前記ユーザが前記画像データを前記ストレージ装置に格納する際の推奨フォルダ構成を生成して前記ユーザに提示するステップと、
前記ユーザが前記ストレージ装置に格納すべき前記画像データを指定したことを検知するステップと、
検知した前記画像データを格納すべき前記ストレージ装置内の前記フォルダを、前記推奨フォルダ構成に基づいて判定し、判定した前記フォルダに検知した前記画像データを格納するステップと、
検知した前記画像データを格納した前記フォルダに関する情報をユーザに通知するステップと
を実行する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
AIを活用したOCRの機能として、非定型帳票の読込、データ抽出を行い、ユーザ管理やマスター連携を行うAI-OCRのパッケージは、すでに提供されている。
【0003】
上述した技術に関連する技術として、特許文献1に開示された技術がある。
【0004】
特許文献1は書類分類システムに関するもので、この書類分類システムは、書類の画像データを取得する分類前画像DBと、書類の画像データの文字以外の要素から書類の種類を分類する第1分類部と、第1分類部による分類の信頼度である第1信頼度に応じて第1分類部による分類を確定するか否かの判定を行う第1判定部と、第1判定部により分類が確定されなかった画像データについて、当該画像データ内の文字を認識して認識した文字から書類の種類を分類する第2分類部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2020/136778号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば税理士等の事務所では、顧客から領収書、請求書といった証憑類を受け取ると、分類、クラスタリングを行っているが、機械的に行える作業ではなく、手間がかかっている状況である。
【0007】
そこで、本開示では、証憑類の画像データを、ユーザの過去の仕分け状況等に応じて分類し、クラスタリングを行い、適切な階層のフォルダに格納することが可能な技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態によると、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、ユーザがストレージ装置に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、フォルダに格納されている画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報を取得するステップと、取得したフォルダ格納情報に基づいて、フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し、この規則性に基づいて、フォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成するステップと、生成したフォルダ構成のモデルに基づいて、ユーザが画像データをストレージ装置に格納する際の推奨フォルダ構成を生成してユーザに提示するステップと、ユーザがストレージ装置に格納すべき画像データを指定したことを検知するステップと、検知した画像データを格納すべきストレージ装置内のフォルダを、推奨フォルダ構成に基づいて判定し、判定したフォルダに検知した画像データを格納するステップと、検知した画像データを格納したフォルダに関する情報をユーザに通知するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、証憑類の画像データを、ユーザの過去の仕分け状況等に応じて分類し、クラスタリングを行い、適切な階層のフォルダに格納することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1のファイル管理システム1の概要を説明するための図である。
図2】実施の形態1のファイル管理システム1の全体の構成を示す図である。
図3】実施の形態1のファイル管理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1のファイル管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。
図5】実施の形態1のファイル管理システム1を構成するサーバ20が記憶する、ユーザ情報データベース2021のデータ構造の例を示す図である。
図6】実施の形態1のファイル管理システム1を構成するサーバ20が記憶する、フォルダ格納情報データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図7】実施の形態1のファイル管理システム1を構成するサーバ20が記憶する、推奨フォルダ構成データベース2025のデータ構造の例を示す図である。
図8】実施の形態1のファイル管理システム1によるファイル格納処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図9】実施の形態1のファイル管理システム1によるファイル格納処理を行う流れの一例を示すフローチャートであり、図8に示す処理に続く処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】端末装置10に表示するフォルダツリーの画面例を示す図である。
図11】端末装置10に表示するフォルダツリーの画面例を示す図である。
図12】端末装置10に表示するフォルダツリーの画面例を示す図である。
図13】端末装置10に表示するフォルダツリーの画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0012】
なお、実施例を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0014】
以下の説明では、「テーブル」、「リスト」、「キュー」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いるが、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0015】
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0016】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0017】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU、GPU)によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGAやASIC)を含んでいてもよい。
【0018】
また、以下の説明において、「プロセッサ(部)」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0019】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0020】
また、以下の説明において、「メモリ部」は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリ部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。
【0021】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0022】
本開示において、記憶デバイスは、1台のHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の1台のストレージドライブ、複数台のストレージドライブを含むRAID装置、及び複数のRAID装置を含む。また、ドライブがHDDである場合には、例えば、SAS(Serial Attached SCSI) HDDを含んでもよく、NL-SAS(ニアラインSAS) HDDを含んでもよい。
【0023】
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0024】
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0025】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0026】
<0 システムの概要>
以下、本開示に係るファイル管理システムについて、図1を参照して説明する。
【0027】
図1は、本開示に係るファイル管理システムの動作の概要を示す図である。本開示に係るファイル管理システムは、ユーザからの指示に基づいてファイルを所定のフォルダに格納するためのシステムである。
【0028】
一般的に、ストレージ装置のように、ユーザからの指示により、ユーザから提供されたファイルを、これもユーザから指示があったフォルダに格納し(書き込み)、また、ユーザからの指示により、フォルダに格納されたファイルを他の情報処理装置(含むユーザが利用する端末装置)にコピー、移動する(読み出す)ことを可能にする情報処理装置が知られている。
【0029】
本開示に係るファイル管理システムは、ユーザが既にストレージ装置に格納したファイルのフォルダ構成、及びフォルダに格納されているファイルの内容を解析することで、フォルダ構成の規則性を解析し、フォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成する。そして、本開示に係るファイル管理システムは、生成したフォルダ構成のモデルに基づいて、ファイルをストレージ装置に格納する際の推奨フォルダ構成を生成してユーザに提示し、その上で、ユーザがストレージ装置に格納すべきファイルを指定したら、推奨フォルダ構成に従って、指定されたファイルを適切なフォルダに格納し、格納したフォルダに関する情報をユーザに通知する。
【0030】
本開示に係るファイル管理システムで扱うファイルは基本的に画像データであり、特に、証憑類を撮影して得られる画像データであることが好ましい。証憑類以外のものを撮影して得られる画像データや、画像データ以外のファイル、例えば文書ファイルやスプレッドシートファイル、さらにはプログラムファイルについて本開示に係るファイル管理システムへの適用を除外する意図はないが、本開示に係るファイル管理システムは、特に、証憑類の画像データが格納されたストレージ装置に好適に適用される。なお、本開示に係るファイル管理システムにおいて、画像データには撮像装置により証憑類を撮影して得られるデータの他、いわゆるPDFデータも含むものとする。また、以下の説明において、「ファイル」という用語は主に証憑類の画像データを指すものとするが、上述したように、本開示に係るファイル管理システムが証憑類の画像データを取り扱うシステムに限定される意図はない。
【0031】
証憑類はユーザの顧客から紙情報としてユーザに送付されることも多い。また、電子化されたデータでユーザに送付されてきても、会計上の要請等の関係から、電子化されたデータをプリンタで印刷した後、プリントアウトされた証憑類をファイリングするとともに、プリントアウトされた証憑類を再度デジカメ、スマートフォン等により撮像して画像データを生成し、この画像データをストレージ装置に格納、保管して管理することも多い。
【0032】
このような証憑類の画像データは、画像データの元となる証憑類の属性、内容を正確にかつ漏れなく表したファイル名が付与されているとは限らず、しかも、証憑類の属性、内容を把握するためには、画像データをユーザが視認可能な状態にする作業、つまり、プリントアウトする、ディスプレイに表示する等の作業を行う必要がある。ここに、証憑類の属性、内容には、証憑類の種類または名称(請求書、領収書、受領書など)、証憑類の発行元、発行先に関する情報、証憑類に記載された項目、内容等を含む。画像データから証憑類の属性、内容を把握する手法については後に詳述するが、一例として、画像データに対してOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)処理を行って証憑類の記載内容をテキストデータ化し、このテキストデータに基づいて証憑類の属性、内容を把握する手法が挙げられる。OCR処理自体は周知の技術であるので、本明細書では詳細な内容についての説明は割愛する。
【0033】
画像データはストレージ装置に格納、保管されていることを前提とする。ストレージ装置とファイル管理を行う情報処理装置とが別体であってもよいし、ストレージ装置及びファイル管理を行う情報処理装置が一体化されていてもよい。ストレージ装置及びファイル管理を行う情報処理装置の設置場所にも特段の限定はない。ストレージ装置及び情報処理装置がいわゆるサーバであった場合、サーバが、ユーザが使用する端末装置といわゆるLAN(Local Area Network)で接続される拠点(いわゆるオンプレミス)に設置されていてもよいし、端末装置が設置されている拠点に近いが同一建物等ではない場所に設置される、いわゆるエッジサーバ(エッジクラウド)であってもよいし、プライベート/パブリッククラウドであってもよい。また、ストレージ装置及び情報処理装置が同一拠点等に設置されている必要もない。
【0034】
ファイル管理を行う情報処理装置は、端末装置に対して、階層的なフォルダ構成を実現するファイルシステムを提供する。階層的なフォルダ構成には、ルートディレクトリの中に様々なディレクトリが格納され、さらに、一つのディレクトリの中にさらに様々なディレクトリが格納されるという、いわゆるツリー構造のフォルダ構成(ファイルシステム)が含まれる。このような階層的なフォルダ構成を提供するファイルシステムは、端末装置(のユーザ)に対して少なくとも提供されればよく、ストレージ装置において同様のファイルシステムが提供される必要はない。言い換えれば、ストレージ装置のファイルシステムは階層的なフォルダ構成を提供する必要はなく、個々のフォルダ及びファイルを一意に識別する識別子(例えばUUID(Universally Unique Identifier))を用いて管理する、言い換えればフラットなフォルダ構成を提供するファイルシステムであってもよい。通常、ファイルシステムは、ディレクトリ(フォルダ)及びファイル毎に、その属性を記述した管理情報ファイルを作成し、この管理情報ファイルを参照することで、端末装置に対して階層的なフォルダ構成を提供する。但し、この管理情報ファイルは端末装置からはアクセスできない、いわゆる隠しファイルになっている。
【0035】
通常、ファイルシステムはOSの一機能として提供される。従って、ファイル管理を行う情報処理装置が提供するファイルシステムは、この情報処理装置のOSが提供するものである。また、端末装置のユーザが操作可能なフォルダ構成は、端末装置のOSの一機能であるファイルシステムが提供する。情報処理装置のファイルシステムと端末装置のファイルシステムとが異なることは当然あり得るので、仮にこれらファイルシステムの相違があった場合、いずれかのファイルシステムが差異を吸収する、端末装置と情報処理装置との間の通信プロトコルにより対処する(例えばsambaのように)等の手法がとられる。
【0036】
OSがWindows(含むWindows Server)(Windowsは登録商標)のようなGUI(Graphical User Interface)をユーザに提供する場合、このようなOSは同様にGUIベースのファイルシステムをユーザに提供する。GUIベースのファイルシステムには種々の態様があるが、一例として、フォルダ及びファイルをツリー構造で視認可能な状態で提示する、特定のフォルダに属するファイル及びフォルダを一覧形式で提示する、などの態様が一例として挙げられる。以下の説明では、フォルダ及びファイルをツリー構造で視認可能な状態で提示するGUIを有するファイルシステムを前提として説明を行う。
【0037】
本開示に係るファイル管理システムにおいて、図1(a)に示すようなフォルダ構成が端末装置のユーザに提供されているものとする。図1(a)に示すフォルダ構成は端末装置のユーザに視認可能な状態で提示されているものであり、既に説明したように、ストレージ装置のファイルシステムがこのようなフォルダ構成でファイルを管理しているとは限らない。
【0038】
図1(a)において、「ディレクトリ」と表示されているのはルートディレクトリであり、このルートディレクトリには、「領収書等フォルダ」というフォルダ名のフォルダがユーザの指示により生成されている。「領収書等フォルダ」には、ユーザがストレージ装置への格納を指定、指示したファイルが格納されている。既に説明したように、このファイルは証憑類の画像データである。図1(a)において(及び本明細書全体において)ファイルを示すアイコンの右横に記載されている文字はファイル名であってもよいし、ファイルの属性、内容を示すものであってもよい。図1(a)に示す状態では、複数のクライアント(クライアントA~C)から受領した証憑類の画像データが「領収書等フォルダ」に格納されており、また、証憑類としては請求書、領収書とが含まれ、さらに、この証憑類がどの時期のものであるか(4月分~7月分)についても特段の区分なく、単一のフォルダである「領収書等フォルダ」に格納されている。
【0039】
本開示に係るファイル管理システムは、ストレージ装置に格納されているユーザのフォルダ構成に関する情報と、フォルダに格納されているファイル(画像データ)に関する情報とを含むフォルダ格納情報を取得する。このようなフォルダ格納情報を取得する手法は既知であり、一例として、ファイルシステムに標準的に備えられている機能を用いて取得する手法が挙げられる。例えば、ファイルシステムがWindowsであれば、dirコマンドを用いてフォルダ格納情報を取得することができる。
【0040】
次いで、本開示に係るファイル管理システムは、このフォルダ格納情報に基づいて、フォルダ構成に関する情報の規則性を解析する。フォルダ構成に関する情報の規則性を解析する際には、画像データからOCR処理等により取得できる情報から画像データの元となる証憑類の属性、内容を解析、取得し、解析した情報と、予め取得してあるユーザの情報(例えばユーザの社名、法人番号、住所、連絡先、業種など)とを照合し、この照合結果等に基づいて規則性を解析すればよい。
【0041】
さらに、本開示に係るファイル管理システムは、この規則性に基づいて、フォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成する。このフォルダ構成のモデルを作成する際には、画像データを所定の規則に則ってクラスタリングし、クラスタリングした結果に基づいてフォルダ構成のモデルを作成するとよい。規則性の一例としては、証憑類の種類(取引先別、取扱品目別など)、証憑類の格納時期(日時、月次など)が挙げられる。クラスタリングをする際には、規則性を説明変数とし、フォルダ構成のモデルを目的変数とする学習モデルを、教師データに基づいて機械学習手法に則って生成し、学習モデルに規則性を入力することでフォルダ構成のモデルを生成するとよい。
【0042】
そして、本開示に係るファイル管理システムは、生成したフォルダ構成のモデルに基づいて、ユーザが画像データをストレージ装置に格納する際の推奨フォルダ構成を生成し、生成した推奨フォルダ構成をユーザに提示する。図1(b)は、ユーザに提示される推奨フォルダ構成の一例を示す。図1(b)に示す例では、クライアント毎にフォルダが生成され、クライアント単位のフォルダの配下には請求書フォルダ及び領収書フォルダが生成されている。また、請求書フォルダ等の配下には各月毎のフォルダが生成され、各月毎のフォルダには、これらフォルダ構成に従って画像データ(ファイル)が格納されている。
【0043】
本開示に係るファイル管理システムが生成した推奨フォルダ構成をユーザが受け入れれば、ファイル管理システムはフォルダ構成を推奨フォルダ構成に変更し、ユーザがカスタマイズを希望する旨入力したら、ユーザが希望するカスタマイズに合わせて推奨フォルダ構成を変更する。カスタマイズの具体的指示内容は任意であるが、一例として、ユーザは、フォルダに格納する画像データに係る証憑類の種類や時期の指定を行い、ファイル管理システムは、このカスタマイズに基づいて推奨フォルダ構成を変更する。
【0044】
この後、ユーザが新たにストレージ装置に画像データを格納しようとしたら、本開示に係るファイル管理システムは、この画像データが、推奨フォルダ構成のいずれのフォルダに格納されるべきかを判定し、判定した適切なフォルダに画像データを格納し、ユーザに対してどのフォルダに画像データを格納したかを通知する。図1(c)に示す例では、ユーザが格納しようとした画像データはクライアントAから受領した7月分の領収証であるとファイル管理システムが判定し、フォルダ「7月分」を作成して、このフォルダに画像データを格納する(図中太線部分)。
【0045】
なお、上記説明ではユーザがストレージ装置に格納する画像データを指定してストレージ装置への格納を指示していたが、ストレージ装置へ格納すべき画像データを、本開示に係るファイル管理システムが検索してストレージ装置への格納動作を行ってもよい。一例として、ユーザが使用する端末装置の記憶部(メモリ、ストレージ)を本開示に係るファイル管理システムが検索して、検索の結果発見した画像データをストレージ装置に格納してもよい。記憶部にある画像データの一例として、Dropbox(登録商標)のように、クラウド上のストレージ装置との共有、同期がされるフォルダを端末装置の記憶部に設けた場合、この共有フォルダ内にある画像データをストレージ装置の適切なフォルダに格納する、また、端末装置の記憶部内にあるメールデータ中から、メールの添付ファイルとして保管されている画像データをストレージ装置の適切なフォルダに格納するような態様が挙げられる。
【0046】
上記のような構成により、証憑類の画像データを、ユーザの過去の仕分け状況等に応じて分類し、クラスタリングを行い、適切な階層のフォルダに格納することを可能にしている。
【0047】
<実施の形態1>
以下、ファイル管理システム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0048】
<1 ファイル管理システム1の全体構成>
図1は、実施の形態1のファイル管理システム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、ファイル管理システム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20と、ストレージ装置30とを含む。端末装置10とサーバ20とストレージ装置30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ20はWebサーバ(クラウドサーバを含む)としての機能を有するサーバであり、端末装置10との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ20のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0049】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、端末装置10を使用してファイル管理システム1の機能である、ファイル(画像データ)をストレージ装置30に格納(書き込み)し、また参照(読み出し)する者であり、例えば画像データに係る証憑類を用いて取引を行う事業者である企業の担当者、または個人事業主等である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0050】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0051】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0052】
サーバ20は、端末装置10のユーザがストレージ装置30に証憑類の画像データを格納し、また、ストレージ装置30から証憑類の画像データを取り出す際に、この証憑類の画像データを管理する装置である。サーバ20は、端末装置10に対して階層的なフォルダ構成を有するファイルシステムを提供し、このファイルシステム上において、端末装置10のユーザからの指示等に基づいて、証憑類の画像データを適切なフォルダに格納する。このために、サーバ20は、ストレージ装置30に格納されている証憑類の画像データを解析し、フォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成して推奨フォルダ構成をユーザに提示し、この推奨フォルダ構成に基づいて証憑類の画像データを適切なフォルダに格納する。
【0053】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0054】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0055】
ストレージ装置30は、端末装置10のユーザが利用可能なストレージ装置である。ストレージ装置30は、端末装置10のユーザからの指示により、証憑類の画像データを自身の記憶デバイスに格納し、また、ユーザからの指示により、記憶デバイスに格納されている証憑類の画像データにアクセスし、指示に基づいて証憑類の画像データを読み出して端末装置10のユーザに提供する。本実施形態のファイル管理システム1では、端末装置10のユーザは、サーバ20経由でストレージ装置30にアクセスし、サーバ20経由で証憑類の画像データに対して各種指示を行う。ストレージ装置30のファイルシステムとサーバ20が提供するファイルシステムとは同一である必要はなく、端末装置10のユーザは、サーバ20のファイルシステム経由でストレージ装置30に格納されている証憑類の画像データに対して各種指示を行う。このような形態は、ストレージ装置30がいわゆるストレージサーバである場合に一般的に行われている形態である。ストレージ装置30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。そして、そのハードウェア構成はサーバ20のそれとほぼ共通するので、ここでの説明は省略する。
【0056】
<1.1 端末装置10の構成>
図3は、図1のファイル管理システム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、ディスプレイ150と、記憶部170と、制御部180とを含む。端末装置10は、図3では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図3に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0057】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0058】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0059】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部180へ与える。
【0060】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。
【0061】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部180へ出力する。
【0062】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部180へ出力する。
【0063】
ディスプレイ150は、制御部180の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。なお、ディスプレイ150は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンであり、上述のキーボード等の機能を含むものとして構成してもよい。
【0064】
記憶部170は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ15、記憶部16により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部170は、ユーザ情報1701、画像データ1702及びメールデータ1703を記憶する。
【0065】
ユーザ情報1701は、端末装置10を使用して、ファイル管理システム1の機能であるストレージ装置30へのファイルの格納等を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、事業者を識別する情報(事業者ID)、事業者の名称が含まれる。
画像データ1702は、ユーザが他の取引者から受領しあるいはユーザが他の取引者に送付した証憑類の画像データである。画像データ1702の取得方法は任意であり、一例として、ユーザが所有する撮像装置により証憑類を撮像し、この撮像装置から取得する手法が挙げられる。この撮像装置は端末装置10と一体に設けられたものでもよいし、あるいは、端末装置10と別体のものであってもよい。あるいは、証憑類がPDF形式のものであれば、このPDFデータそのものが画像データである。
メールデータ1703は、記憶部170に記憶される図略のメールソフトにより電子メールの送受信をした際に、送受信をした電子メールのデータである。このメールデータ1703内にも証憑類の画像データが添付ファイル(添付データ)として含まれていることがある。
【0066】
制御部180は、例えばプロセッサ19により構成され、記憶部170に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部180は、例えば予め端末装置10にインストールされている(記憶部170に格納されている)アプリケーションであるプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部1801と、送受信部1802と、データ処理部1803と、報知制御部1804としての機能を発揮する。
【0067】
入力操作受付部1801は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0068】
送受信部1802は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0069】
データ処理部1803は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0070】
報知制御部1804は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。報知制御部1804は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ(図示せず)に出力させる処理等を行う。
【0071】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図4は、図1のファイル管理システム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0072】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0073】
記憶部202は、例えばメモリ25、ストレージ26から構成され、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース(DB:Database)2021、フォルダ格納情報DB2022、フォルダ格納情報2023、フォルダ構成モデルデータ2024、推奨フォルダ構成DB2025、推奨フォルダ構成データ2026、教師データ2027、学習モデル2028等を記憶する。
【0074】
ユーザ情報データベース2021は、ファイル管理システム1の管理対象である、ファイル管理システム1を利用するユーザの情報、具体的には事業者を識別する情報(事業者ID)、事業者の名称(社名)、法人番号等の情報を保持するためのデータベースである。好ましくは、ユーザ情報DB2021は、端末装置10の記憶部170に格納されているユーザ情報1701を集約したものである。詳細は後述する。
【0075】
フォルダ格納情報DB2022は、ユーザがストレージ装置30に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、このフォルダに格納されている画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報2023をユーザ毎に管理するためのデータベースである。
【0076】
フォルダ構成モデルデータ2024は、フォルダ格納情報2023に基づいて、後述するフォルダ構成モデル生成モジュール2035が生成したデータである。詳細は後述する。
【0077】
推奨フォルダ構成DB2025は、フォルダ構成モデルデータ2024に基づいて、後述する推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成した、画像データをストレージ装置30に格納する際にサーバ20が推奨する推奨フォルダ構成(以下、推奨フォルダ構成と称する)データ2026をユーザ毎に管理するためのデータベースである。
【0078】
教師データ2027は、ストレージ装置30におけるユーザ毎のフォルダ構成のモデルの規則性と、この規則性に基づく推奨フォルダ構成とが関係づけられて記憶された教師データである。学習モデル2028は、教師データ2027を学習することにより得られる学習モデルであり、上述した規則性を説明変数とし、フォルダ構成のモデルを目的変数とする学習モデルである。学習モデル2028は、いわゆる機械学習(含む深層学習)手法に則って生成されたものである。学習モデル2028の生成方法については公知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0079】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、ユーザ情報取得モジュール2033、フォルダ格納情報取得モジュール2034、フォルダ構成モデル生成モジュール2035、推奨フォルダ構成生成モジュール2036、ファイル取得モジュール2037、ファイル自動格納モジュール2038、情報通知モジュール2039、及びカスタマイズモジュール2040に示す機能を発揮する。
【0080】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0081】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。これら受信制御モジュール2031及び送信制御モジュール2032は、ネットワーク80を介してアクセスしてきた端末装置10を含む外部機器に対して、サーバ20がWebサーバとして動作する機能をもたらす。
【0082】
ユーザ情報取得モジュール2033は、ファイル管理システム1が管理するワークフローにおいて、ユーザである事業者から、ユーザの情報の入力を受け付ける処理を制御する。ユーザ情報取得モジュール2033が受け付けるユーザ情報とは、例えば、事業者の社名、法人番号、住所、連絡先、業種等の情報である。ユーザ情報取得モジュール2033にユーザ情報を入力する事業者は、発注者、受注者、購入者等の当該取引に関係する主体であればよく、法人でも個人でもよいが、ファイル管理システム1にユーザとして登録されている必要があり、登録されていない場合には事前に登録が行われ、ID、パスワードが発行されて所定の認証が行われる。基本的に、ユーザ情報取得モジュール2033が取得するユーザ情報は、ファイル管理システム1を利用するユーザである事業者に関する情報であるが、これに加えて、このユーザに対する発注者、受注者、購入者等、ユーザが商取引を行う事業者についてのユーザ情報を取得してもよい。また、ユーザ情報取得モジュール2033は、ユーザが使用する端末装置10からユーザ情報1701を取得し、これをユーザに係るユーザ情報としてもよい。
【0083】
ユーザ情報取得モジュール2033は、受け付けたユーザ情報を、ユーザ情報DB2021に登録して記憶させる。
【0084】
フォルダ格納情報取得モジュール2034は、サーバ20経由で端末装置10のユーザがストレージ装置30に作成、設定したフォルダ格納情報を、このストレージ装置30から取得する。既に説明したように、本実施形態のファイル管理システム1において、フォルダ格納情報データとは、ユーザがストレージ装置30に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、このフォルダに格納されている画像データに関する情報とを含む。フォルダ格納情報取得モジュール2034によるフォルダ格納情報の取得方法についても既に説明したように、一例として、サーバ20が提供するファイルシステムに標準的に備えられている機能を用いて取得する手法が挙げられる。例えば、ファイルシステムがWindowsであれば、dirコマンドを用いてフォルダ格納情報を取得することができる。フォルダ格納情報取得モジュール2034は、フォルダ格納情報をユーザ単位で取得する。
【0085】
フォルダ格納情報取得モジュール2034は、取得したフォルダ格納情報2023を記憶部202に登録して記憶させるとともに、フォルダ格納情報DB2022に登録して記憶させる。
【0086】
フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、フォルダ格納情報取得モジュール2034が取得したフォルダ格納情報2023に基づいて、フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し、この規則性に基づいてフォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成する。
【0087】
具体的には、例えば、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、フォルダ格納情報2023を解析し、このフォルダ格納情報2023に含まれるフォルダ構成に関する情報、及び、フォルダに格納されている画像データに基づいて、フォルダ及び画像データをクラスタリングし、このクラスタリング結果に基づいてフォルダ構成のモデルを生成する。クラスタリングを行う観点としては、証憑類の種類や時期、例えば請求書・領収書等、取引先別、時期(各月等)別、品目別等が一例として挙げられる。
【0088】
このとき、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、ユーザ情報DB2021に格納されている情報を参照してクラスタリング処理を行い、フォルダ構成のモデルを生成することが好ましい。つまり、証憑類には、クラスタリングする観点を行う際の情報の一部のみ記載されていることもあり、記載された情報以外の情報を参照するためにも、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、ユーザ情報DB2021に格納されている情報を参照してクラスタリング処理を行い、フォルダ構成のモデルを生成することが好ましい。
【0089】
どのような観点に基づいてフォルダ構成モデル生成モジュール2035がクラスタリングを行うかについては、後述する推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成する推奨フォルダ構成が、ユーザにとって、現在のフォルダ構成よりも利便性が高いという観点から定められることが好ましい。つまり、証憑類は、上述した取引先別、時期(各月等)別、品目別等に基づいて分類されることにより、ユーザが証憑類の画像データを検索する際に、目的とする証憑類の画像データを迅速にかつ簡易に発見することができると考えられる。従って、クラスタリングする観点も、かかるユーザにとっての利便性を高めるという視点から定められることが好ましい。
【0090】
フォルダ構成モデル生成モジュール2035がクラスタリングを行うに当たっては、証憑類の画像データに基づいて、それぞれの画像データに係る証憑類の内容を把握することが好ましい。このため、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、いわゆるOCR処理により、画像データから証憑類に含まれる文字データを抽出し、この文字データに基づいてフォルダ構成に関する情報の規則性を解析する。OCR処理そのものについては周知であるので、ここではこれ以上の説明は行わない。
【0091】
特に、証憑類の画像データについては、証憑類が構造化されている(ほぼ所定の箇所にOCR処理すべき情報である、クラスタリングする観点に必要な情報が記載されている)こと、さらに、この構造化情報が個々の証憑類毎に大きく異なる(定型化されていない)こと、罫線や地模様が証憑類に含まれていることがあること、さらには、OCR処理すべき情報の元になる情報が手書き文字で記載されていることなど、OCR処理に当たって考慮すべき独自の点がある。このため、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、証憑類の画像データとこの画像データに記載されているOCR処理すべき情報との関係について予め学習をした学習モデル、及び、画像データ中に含まれる手書き文字画像データとこの手書き文字画像データに対応するテキストデータとの関係について予め学習をした学習モデルを予め記憶部202に格納しておき、これら学習モデルに基づいてOCR処理を行ってもよい。なお、これら学習モデルは、記憶部202に格納されている学習モデル2028とは異なる学習モデルである。
【0092】
また、フォルダ構成モデル生成モジュール2035によるクラスタリング処理については、クラスタリング処理そのものも既知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。クラスタリングする観点についても既に説明している。
【0093】
次いで、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、解析を行ったフォルダ構成に関する情報の規則性に基づいて、フォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成する。フォルダ構成モデル生成モジュール2035が生成するフォルダ構成のモデルは、ユーザ単位のフォルダ構成の規則を含む。つまり、推奨フォルダ構成生成モジュール2036が後述する推奨フォルダ構成を作成するに当たって、推奨フォルダ構成を作成する元となる、フォルダ構成及び個々のフォルダに格納されるべき画像データの種類、時期等(ここにいう種類とは証憑類の種類であり、時期とは証憑類が格納された時期を意味する)の規則である。一例として、ユーザがストレージ装置30に領収書及び請求書のみを格納しているならば、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、ルートディレクトリの直下に「領収書」フォルダ及び「請求書」フォルダを設け、これら「領収書」フォルダ及び「請求書」フォルダの下位にそれぞれ証憑類(含む画像データ)を受領しあるいは送付した月毎のフォルダを設けるか、あるいは、これら「領収書」フォルダ及び「請求書」フォルダの下位にそれぞれ証憑類(含む画像データ)の送付元、あるいは送付先のクライアント毎のフォルダを設ける、といったフォルダ構成のモデルを作成する。
【0094】
好ましくは、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、記憶部202に格納されている学習モデル2028を用いてフォルダ構成のモデルをユーザ毎に生成する。既に説明したように、学習モデル2028は、フォルダ構成に関する情報の規則性を説明変数とし、フォルダ構成のモデルを目的変数とする学習モデルである。フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、解析したフォルダ構成に関する情報の規則性を学習モデル2028に入力し、この学習モデル2028が、入力した規則性に基づいて推論した結果であるフォルダ構成のモデルの出力を受け入れ、学習モデル2028からの出力を、生成したフォルダ構成のモデルとする。
【0095】
フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、生成したフォルダ構成モデルデータ2024を記憶部202に登録して記憶させる。
【0096】
推奨フォルダ構成生成モジュール2036は、フォルダ構成モデル生成モジュール2035が生成したフォルダ構成モデルデータ2024に基づいて、端末装置10のユーザが画像データをストレージ装置30に格納する際の推奨フォルダ構成を生成してユーザに提示する。推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成する推奨フォルダ構成データは、フォルダ格納情報取得モジュール2034が取得するフォルダ格納情報2023と同様に、ユーザがストレージ装置30に格納する証憑類の画像データが格納されるフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、このフォルダに格納される画像データに関する情報とを含むことが好ましい。つまり、推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成する推奨フォルダ構成は、現時点でストレージ装置30に構成されている、ユーザ毎のフォルダ格納情報2023に基づいて、このフォルダ格納情報2023に代えて推奨フォルダ構成に基づくフォルダ構成をストレージ装置30に構成することを推奨するフォルダ構成である。推奨フォルダ構成生成モジュール2036は、この推奨フォルダ構成をユーザ毎に生成する。
【0097】
そして、推奨フォルダ構成生成モジュール2036は、生成した推奨フォルダ構成を推奨フォルダ構成データ2026として記憶部202に記憶させるとともに、生成した推奨フォルダ構成をユーザに提示する。推奨フォルダ構成をユーザに提示する態様については特段の限定はなく、一例として、サーバ20が提供するファイルシステムにおいて、フォルダ格納情報2023に基づく階層的な表示と、この推奨フォルダ構成データ2026に基づく階層的な表示を並列的に提示する態様が挙げられる。この階層的な表示は、端末装置10のディスプレイ150に表示されることが好ましい。
【0098】
推奨フォルダ構成生成モジュール2036が推奨フォルダ構成を端末装置10のユーザに提示した後、ユーザからの変更指示(つまり推奨フォルダ構成に基づくフォルダ格納情報2023の変更の承諾)があったら、推奨フォルダ構成生成モジュール2036は、推奨フォルダ構成データ2026に基づいてフォルダ格納情報2023の変更をファイルシステムに指示してもよい。あるいは、推奨フォルダ構成生成モジュール2036は、推奨フォルダ構成をユーザに提示したら、ユーザからの変更指示を受けることなくフォルダ格納情報2023の変更をファイルシステムに指示してもよい。
【0099】
ファイル取得モジュール2037は、端末装置10のユーザから、ストレージ装置30に格納すべき証憑類の画像データの指定を検知し、端末装置10等からこの画像データを取得する。ファイル取得モジュール2037による画像データの指定の検知は、サーバ20が提供するファイルシステムにおいて、端末装置10のユーザがストレージ装置30に格納すべき証憑類の画像データを指定した(例えば画像データに係るアイコンをストレージ装置30のいずれかのフォルダにドラッグ・アンド・ドロップしたなど)ことにより行えばよい。ファイル取得モジュール2037は、取得した画像データを一時的に記憶部202に格納する。
【0100】
ファイル取得モジュール2037による、ストレージ装置30に格納すべき証憑類の画像データの取得形態については特段の限定はない。一例として、端末装置10の記憶部170に例えばクラウドサーバとの共有フォルダを設けることで、他のユーザとのファイル共有を行うアプリケーション(一例としてDropbox(登録商標))が端末装置10にインストールされている場合、この共有フォルダに画像データが格納されたことを検知したら、ファイル取得モジュール2037がこの共有フォルダ内の画像データを取得するような形態が挙げられる。また、ファイル取得モジュール2037が端末装置10の記憶部170に格納されているメールデータ1703を定期的にスクレイピングし、あるいは、端末装置10のユーザがメールを送受信したことを契機にスクレイピングし、このメールデータ1703内の画像データを取得するような形態も挙げられる。
【0101】
ファイル自動格納モジュール2038は、ファイル取得モジュール2037が取得した画像データについて、この画像データの指定を行った端末装置10のユーザに係る推奨フォルダ構成データ2026を参照して、この画像データを格納すべきストレージ装置30内のフォルダを判定し、この判定結果に基づいて、判定を行ったフォルダに格納する。判定を行うに当たって、ファイル自動格納モジュール2038は、フォルダ構成モデル生成モジュール2035と同様に、対象となる画像データについてOCR処理等を行い、画像データの内容を解析して、画像データを格納すべきフォルダを判定することが好ましい。さらに、ファイル自動格納モジュール2038は、推奨フォルダ構成に適切なフォルダが存在しない場合、フォルダを自動的に追加、生成してもよい。なお、ファイル自動格納モジュール2038が画像データを格納するフォルダは、サーバ20が提供するファイルシステムにおけるフォルダである。
【0102】
情報通知モジュール2039は、ファイル自動格納モジュール2038により画像データが適切なフォルダに格納されたとき、このフォルダに関する情報を端末装置10のユーザに通知する。情報通知モジュール2039によるユーザへの通知態様は特段の限定はなく、一例として、端末装置10のユーザが、サーバ20が提供するファイルシステムによりフォルダ構成を、端末装置10のディスプレイ150を介して参照していた場合、画像データが格納されたフォルダに係るアイコンを強調表示する、アニメーション表示する等の態様が挙げられる。また、端末装置10の図略のスピーカー等を介して音声通知をしてもよい。
【0103】
カスタマイズモジュール2040は、フォルダ構成モデル生成モジュール2035が生成したフォルダ構成モデルデータ2024を端末装置10のユーザに提示し、このフォルダ構成モデルデータ2024を変更する情報を受け入れる。そして、カスタマイズモジュール2040は、ユーザから受け入れたモデルを変更する情報に基づいて、フォルダ構成モデル生成モジュール2035が生成したフォルダ構成モデルデータ2024を変更する。つまり、カスタマイズモジュール2040は、フォルダ構成モデル生成モジュール2035が生成したフォルダ構成モデルデータ2024について、ユーザからのカスタマイズ指示を受けて、このカスタマイズ指示に基づいてフォルダ構成モデルデータ2024を変更する。
【0104】
カスタマイズモジュール2040が端末装置10のユーザから受け入れる、フォルダ構成モデルデータ2024の変更指示に関する情報に特段の限定はないが、一例として、フォルダ構成モデルデータ2024に基づいてフォルダに格納される画像データに係る証憑類の種類、及び画像データをフォルダに格納した時期を含む。
【0105】
カスタマイズモジュール2040によりフォルダ構成モデルデータ2024が変更されたことに伴い、推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成する推奨フォルダ構成は、このフォルダ構成モデルデータ2024に基づいて生成されることから、ユーザによるカスタマイズ指示は最終的に推奨フォルダ構成に反映される。
【0106】
<2 データ構造>
図5は、図4のサーバ20が記憶するユーザ情報DB2021のデータ構造の例を示す図である。図6は、図4のサーバ20が記憶するフォルダ格納情報DB2022のデータ構造の例を示す図である。また、図7は、図4のサーバ20が記憶する推奨フォルダ構成DB2025のデータ構造の例を示す図である。
【0107】
図5に示すように、ユーザ情報DB2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「社名」と、項目「法人番号」と、項目「住所」と、項目「連絡先」と、項目「業種」と、項目「ディレクトリ」等とを含む。
【0108】
項目「ユーザID」は、ファイル管理システム1の管理対象である、ファイル管理システム1による取引の主体である事業者(ユーザ)それぞれを識別する情報である。
【0109】
項目「名称」は、項目「ユーザID」で識別されるユーザの法人名称または個人の氏名を示す情報である。
【0110】
項目「法人番号」は、項目「ユーザID」で識別されるユーザの法人番号を示す情報である。
【0111】
項目「住所」は、項目「ユーザID」で識別されるユーザの住所を示す情報である。
【0112】
項目「連絡先」は、項目「ユーザID」で識別されるユーザにおける、取引の担当者の連絡先を示す情報である。
【0113】
項目「業種」は、項目「ユーザID」で識別されるユーザである法人の業種を示す情報である。
【0114】
項目「ディレクトリ」は、項目「ユーザID」で識別されるユーザが画像データを格納しているストレージ装置30におけるルートディレクトリを示す情報である。この情報は、通常ファイルパスと呼ばれる情報である。ファイルパスはサーバ20が提供するファイルシステム毎に固有であるので、図5では詳細な図示をしていない。
【0115】
図6に示すように、フォルダ格納情報DB2022のレコードのそれぞれは、項目「ディレクトリ」と、項目「フォルダ格納情報」等とを含む。
【0116】
項目「ディレクトリ」は、ユーザが画像データを格納しているストレージ装置30におけるルートディレクトリを示す情報であり、ユーザ情報DB2021の項目「ディレクトリ」と共通である。
【0117】
項目「フォルダ格納情報」は、項目「ディレクトリ」で識別されるルートディレクトリに関するフォルダ格納情報2023を示す情報である。図6に示す例では、サーバ20の記憶部202に格納されているフォルダ格納情報2023のファイル名が「フォルダ格納情報」としてフォルダ格納情報DB2022に格納されている。なお、図6において項目「フォルダ格納情報」のファイル名として拡張子txtを有するファイル名が表示されているが、フォルダ格納情報2023のファイル形式が拡張子txtを有するテキストファイルに限定されると解釈すべきではない。
【0118】
図7に示すように、推奨フォルダ構成DB2025のレコードのそれぞれは、項目「ディレクトリ」と、項目「推奨フォルダ構成情報」等とを含む。
【0119】
項目「ディレクトリ」は、ユーザが画像データを格納しているストレージ装置30におけるルートディレクトリを示す情報であり、ユーザ情報DB2021の項目「ディレクトリ」と共通である。
【0120】
項目「推奨フォルダ構成情報」は、項目「ディレクトリ」で識別されるルートディレクトリに画像データを格納しているユーザに対して、推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成した推奨フォルダ構成データ2026を示す情報である。図7に示す例では、サーバ20の記憶部202に格納されている推奨フォルダ構成データ2026のファイル名が「推奨フォルダ構成情報」として推奨フォルダ構成DB2025に格納されている。なお、図7において項目「推奨フォルダ構成情報」のファイル名として拡張子txtを有するファイル名が表示されているが、推奨フォルダ構成データ2026のファイル形式が拡張子txtを有するテキストファイルに限定されると解釈すべきではない。
【0121】
<3 動作>
以下、図8ないし図9を参照しながら、実施の形態1におけるファイル管理システム1によるファイル管理処理について説明する。
【0122】
ステップS800において、サーバ20のユーザ情報取得モジュール2033はは、端末装置10に対してユーザ情報の入力を求める。好ましくは、ユーザ情報取得モジュール2033はは、端末装置10のディスプレイ150に、ユーザ情報の入力を求める画面を生成するためのデータを送出する。端末装置10の報知制御部1804は、サーバ20から送出されたデータに基づいて所定の画面をディスプレイ150に表示させ、端末装置10の入力操作受付部1801は、ユーザから、記憶部170に格納されているユーザ情報1701を指定する操作入力を受け入れる。そして、端末装置10の送受信部1802は、指定を受け付けたユーザ情報1701をサーバ20へ送信し、サーバ20のユーザ情報取得モジュール2033はは、端末装置10から送信されてきたユーザ情報1701に格納された情報に基づいて、ユーザ情報DB2021を更新する。
【0123】
ステップS801において、フォルダ格納情報取得モジュール2034は、ストレージ装置30におけるフォルダ格納情報をユーザ毎(言い換えればユーザが使用するルートディレクトリ毎))に取得し、取得したフォルダ格納情報2023を記憶部202に格納する。
【0124】
ステップS802において、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、ステップS801で取得したフォルダ格納情報2023に基づいて、ユーザがストレージ装置30に格納した証憑類の画像データ(ファイル)の内容を読み取る。次いで、ステップS803において、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、ステップS802で読み取ったファイルの内容に基づいて、このファイルのクラスタリング処理を行う。そして、ステップS804において、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、ステップS803におけるクラスタリング処理の結果に基づいて、フォルダ構成モデルデータ2024をユーザ毎に生成する。
【0125】
ステップS805において、推奨フォルダ構成生成モジュール2036は、ステップS804においてフォルダ構成モデル生成モジュール2035が生成したフォルダ構成モデルデータ2024に基づいて、推奨フォルダ構成データ2026を生成し、この推奨フォルダ構成データ2026に基づく推奨フォルダ構成をユーザに提示する。
【0126】
ステップS806において、カスタマイズモジュール2040は、推奨フォルダ構成を提示したユーザからカスタマイズ指示の入力指示を待ち(ステップS806においてYES)、入力指示があったら、ステップS807において、カスタマイズモジュール2040は、ユーザからのカスタマイズ指示に基づいて、推奨フォルダ構成データ2026を修正する。
【0127】
次いで、ステップS900において、ファイル取得モジュール2037は、端末装置10のユーザによる、ストレージ装置30に格納すべき証憑類の画像データの指定入力を待ち(ステップS900においてYES)、指定入力があったら、ステップS901において、ファイル自動格納モジュール2038は、ステップS900において検知された証憑類の画像データ(ファイル)を読み取る。次いで、ステップS902において、ファイル自動格納モジュール2038は、ステップS901で読み取ったファイルの内容に基づいて、このファイルのクラスタリング処理を行う。そして、ステップS903において、ファイル自動格納モジュール2038は、ステップS902におけるクラスタリング処理の結果に基づいて、ステップS900において検知したファイルを格納すべきフォルダを判定し、ステップS904において、ファイル自動格納モジュール2038は、ステップS903において判定したフォルダにファイルを格納する。
【0128】
そして、ステップS905において、情報通知モジュール2039は、ステップS904においてファイル自動格納モジュール2038がファイルを格納したフォルダに関する情報を、端末装置10のユーザに通知する。
【0129】
<4 画面例>
以下、図10ないし図13を参照しながら、ファイル管理システム1によるファイル管理処理の画面例について説明する。
【0130】
図10は、端末装置10に表示されるストレージ装置30のフォルダ格納情報2023の画面例を示す図である。図10の画面例は、サーバ20のフォルダ格納情報取得モジュール2034が取得し、端末装置10に送信したフォルダ格納情報2023が表示された状態の画面例を示す。図8のステップS801に相当する。
【0131】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ150にはウィンドウ1000が表示され、このウィンドウ1000には、端末装置10のユーザがストレージ装置30に作成した(実際にはサーバ20が提供するファイルシステムにより作成した)フォルダ格納情報1001が表示されている。図10に示す例では、端末装置10のユーザは、ルートディレクトリの配下に「領収書等フォルダ」のみ作成し、この「領収書等フォルダ」内に画一的に各種画像データを格納している。
【0132】
図11は、サーバ20のフォルダ構成モデル生成モジュール2035によるファイル(証憑類の画像データ)のクラスタリング処理の一例を説明するための図である。図8のステップS802、S803に相当する。
【0133】
図11に示した画面例は、図10の画面例と同一のフォルダ格納情報1101がウィンドウ1100に表示されたものである。フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、端末装置10のユーザがストレージ装置30に格納したファイルを読み取り、読み取った内容に基づいてファイルのクラスタリングを行う。図11に示す例では、フォルダ構成モデル生成モジュール2035は、ファイルの送受信先であるクライアント(クライアントA、B、C)に基づくクラスタリング(図中粗い点線1102で示す)、ファイルの送受信月(4月、5月、6月、7月)に基づくクラスタリング(図中細かい点線1103で示す)、及び、ファイルの種類(請求書、領収書)に基づくクラスタリング(図中一点鎖線1104で示す)を行っている。
【0134】
図12は、端末装置10に表示される推奨フォルダ構成データ2026の画面例を示す図である。図12の画面例は、サーバ20の推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成し、端末装置10に送信した推奨フォルダ構成データ2026が表示された状態の画面例を示す。図8のステップS805に相当する。
【0135】
図12に示すように、端末装置10のディスプレイ150にはウィンドウ1200が表示され、このウィンドウ1200には、推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成し、端末装置10に送信した推奨フォルダ構成データ1201が表示されている。図12に示す例では、図10に示す画面例と比較して、ルートディレクトリの配下にクライアント毎のフォルダが生成され、クライアント毎のフォルダの配下にファイルの種類毎(請求書、領収書)のフォルダが生成され、ファイルの種類毎のフォルダの配下に送受信月毎のフォルダが生成され、そして、送受信月毎のフォルダに証憑類の画像データが格納されている。
【0136】
図13は、端末装置10に表示される、ファイル自動格納動作後に端末装置10のユーザに提示される画面例を示す図である。図13の画面例は、サーバ20の情報通知モジュール2039が生成し、端末装置10に送信した通知情報が表示された状態の画面例を示す。図9のステップS905に相当する。
【0137】
図13に示すように、端末装置10のディスプレイ150にはウィンドウ1300が表示され、このウィンドウ1300には、推奨フォルダ構成生成モジュール2036が生成した推奨フォルダ構成データ2026に基づくフォルダ構成が表示されている。図13に示す例において、端末装置10のユーザは、「クライアントA 7月分領収書」ファイル1302をストレージ装置30に格納すべく、このファイル1302の指定入力を行ったものとする。ファイル自動格納モジュール2038は、このファイル1302の内容を読み取り、格納すべきフォルダを判定する。図13に示す例では、ファイル自動格納モジュール2038は、「クライアントA」フォルダ→「領収書」フォルダの配下に「7月分」フォルダ1303を新規に生成し、このフォルダ1303にファイル1302を格納すべきと判定し、このファイル1302をフォルダ1303に格納している。そして、情報通知モジュール2039は、フォルダ1303を新規生成したこと、指定入力のあったファイル1302をこのフォルダ1303に格納したことを端末装置10のユーザに通知している。特に、図13に示す例では、情報通知モジュール2039は、これらファイル1302及びフォルダ1303を強調表示している。
【0138】
<5 小括>
以上のように、本実施形態によると、取得したフォルダ格納情報に基づいてフォルダ構成のモデルを生成し、このフォルダ構成のモデルに基づいて推奨フォルダ構成を生成して端末装置10のユーザに提示し、さらに、端末装置10のユーザが、ストレージ装置30に格納すべき画像データを指定したら、この画像データを格納すべきフォルダを判定して判定したフォルダに格納し、格納したフォルダに関する情報を端末装置10のユーザに通知している。これにより、証憑類の画像データを、ユーザの過去の仕分け状況等に応じて分類し、クラスタリングを行い、適切な階層のフォルダに格納することが可能になる。
【0139】
また、本実施例によると、生成したフォルダ構成のモデルについて、端末装置10のユーザからカスタマイズ(フォルダ構成のモデルの変更)指示入力を受け入れ、このカスタマイズ指示入力に基づいてフォルダ構成のモデルを変更している。これにより、システムが作成したフォルダ構成のモデルを端末装置10のユーザがカスタマイズすることが可能になる。
【0140】
<6 付記>
なお、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0141】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0142】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0143】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0144】
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0145】
(付記1)
プロセッサ(29)とメモリ(25)とを備えるコンピュータ(20)を動作させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ(29)に、ユーザがストレージ装置(30)に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、フォルダに格納されている画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報(2023)を取得するステップ(S801)と、取得したフォルダ格納情報(2023)に基づいて、フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し(S803)、この規則性に基づいて、フォルダ構成のモデル(2024)をユーザ毎に生成するステップ(S804)と、生成したフォルダ構成のモデル(2024)に基づいて、ユーザが画像データをストレージ装置(30)に格納する際の推奨フォルダ構成(2026)を生成してユーザに提示するステップ(S805)と、ユーザがストレージ装置(30)に格納すべき画像データを指定したことを検知するステップ(S900)と、検知した画像データを格納すべきストレージ装置(30)内のフォルダを、推奨フォルダ構成(2026)に基づいて判定し(S903)、判定したフォルダに検知した画像データを格納するステップ(S904)と、検知した画像データを格納したフォルダに関する情報をユーザに通知するステップ(S905)とを実行させる、プログラム。
(付記2)
フォルダ構成のモデル(2024)をユーザ毎に生成するステップ(S804)において、証憑類の種類に基づいてフォルダ構成のモデル(2024)を生成する、付記1に記載のプログラム。
(付記3)
フォルダ構成のモデル(2024)をユーザ毎に生成するステップ(S804)において、証憑類をフォルダに格納した時期に基づいてフォルダ構成のモデル(2024)を生成する、付記1または2に記載のプログラム。
(付記4)
メモリ(25)には、規則性を説明変数とし、フォルダ構成のモデル(2024)を目的変数とする学習モデル(2028)が格納され、フォルダ構成のモデル(2024)をユーザ毎に生成するステップ(S804)において、規則性を学習モデル(2028)に入力することで、フォルダ構成のモデル(2024)を生成する、付記1~3のいずれかに記載のプログラム。
(付記5)
プログラムは、さらに、生成したフォルダ構成のモデル(2024)について、モデル(2024)を変更する情報を受け入れるステップ(S806)を実行する、付記1~4のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
プログラムは、さらに、受け入れたモデル(2024)を変更する情報に基づいて、生成したフォルダ構成のモデル(2024)を変更するステップ(S807)を実行する、付記5に記載のプログラム。
(付記7)
モデル(2024)を変更する情報は、フォルダ構成に基づくフォルダに格納される画像データに係る証憑類の種類、及び画像データをフォルダに格納した時期の少なくとも一方を含む、付記5または6に記載のプログラム。
(付記8)
画像データの指定を検知するステップ(S900)において、ユーザが画像データを一時的に格納する記憶領域から画像データを取得する、付記1~7のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
画像データの指定を検知するステップ(S900)において、ユーザによる画像データの指定に基づいて画像データの入力を受け入れる、付記1~8のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
画像データの指定を検知するステップ(S900)において、ユーザがネットワークを経由して送受信をしたデータから画像データを取得する、付記1~9のいずれかに記載のプログラム。
(付記11)
プロセッサ(29)とメモリ(25)とを備えた情報処理装置(20)であって、プロセッサ(29)は、ユーザがストレージ装置(30)に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、フォルダに格納されている画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報(2023)を取得するステップ(S801)と、取得したフォルダ格納情報(2023)に基づいて、フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し(S803)、この規則性に基づいて、フォルダ構成のモデル(2024)をユーザ毎に生成するステップ(S804)と、生成したフォルダ構成のモデル(2024)に基づいて、ユーザが画像データをストレージ装置(30)に格納する際の推奨フォルダ構成(2026)を生成してユーザに提示するステップ(S805)と、ユーザがストレージ装置(30)に格納すべき画像データを指定したことを検知するステップ(S900)と、検知した画像データを格納すべきストレージ装置(30)内のフォルダを、推奨フォルダ構成(2026)に基づいて判定し(S903)、判定したフォルダに検知した画像データを格納するステップ(S904)と、検知した画像データを格納したフォルダに関する情報をユーザに通知するステップ(S905)とを実行する、情報処理装置(20)。
(付記12)
プロセッサ(29)とメモリ(25)とを備えたコンピュータ(20)により実行される方法であって、プロセッサ(29)は、ユーザがストレージ装置(30)に格納した証憑類の画像データが格納されたフォルダについてのフォルダ構成に関する情報と、フォルダに格納されている画像データに関する情報とを含むフォルダ格納情報(2023)を取得するステップ(S801)と、取得したフォルダ格納情報(2023)に基づいて、フォルダ構成に関する情報の規則性を解析し(S803)、この規則性に基づいて、フォルダ構成のモデル(2024)をユーザ毎に生成するステップ(S804)と、生成したフォルダ構成のモデル(2024)に基づいて、ユーザが画像データをストレージ装置(30)に格納する際の推奨フォルダ構成(2026)を生成してユーザに提示するステップ(S805)と、ユーザがストレージ装置(30)に格納すべき画像データを指定したことを検知するステップ(S900)と、検知した画像データを格納すべきストレージ装置(30)内のフォルダを、推奨フォルダ構成(2026)に基づいて判定し(S903)、判定したフォルダに検知した画像データを格納するステップ(S904)と、検知した画像データを格納したフォルダに関する情報をユーザに通知するステップ(S905)とを実行する、方法。
【符号の説明】
【0146】
1 ファイル管理システム、10 10A 10B 端末装置、20 サーバ、25 メモリ、29 プロセッサ、30 ストレージ装置、80 ネットワーク、150 ディスプレイ、170 記憶部、1701 ユーザ情報、1702 画像データ、1703 メールデータ、180 制御部、202 記憶部、203 制御部、2021 ユーザ情報データベース、2022 フォルダ格納情報データベース、2023 フォルダ格納情報、2024 フォルダ構成モデルデータ、2025 推奨フォルダ構成データベース、2026 推奨フォルダ構成データ、2027 教師データ、2028 学習モデル、2031 受信制御モジュール、2032 送信制御モジュール、2033 ユーザ情報取得モジュール、2034 フォルダ格納情報取得モジュール、2035 フォルダ構成モデル生成モジュール、2036 推奨フォルダ構成生成モジュール、2037 ファイル取得モジュール、2038 ファイル自動格納モジュール、2039 情報通知モジュール、2040 カスタマイズモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13