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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062570
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】投影装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/23 20240101AFI20240501BHJP
【FI】
B60K35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170485
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 将人
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA19
3D344AA20
3D344AA26
3D344AC01
3D344AC22
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】乗員に対する通知の伝達性を向上させることができる投影装置を提供する。
【解決手段】投影装置1は、乗員に通知する通知情報S10に関連する車両9の内装部品90に対して通知情報S10に応じた投影像70を投影する投影部11と、取得した通知情報S10に基づいて投影部11を制御し、通知情報S10に応じた投影像70を内装部品90に投影させる制御部12と、を備えて概略構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員に通知する通知情報に関連する車両の内装部品に対して前記通知情報に応じた投影像を投影する投影部と、
取得した前記通知情報に基づいて前記投影部を制御し、前記通知情報に応じた前記投影像を前記内装部品に投影させる制御部と、
を備えた投影装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記車両に対する物体の接近を示す前記通知情報を取得した場合、取得した前記通知情報に関連する前記車両の前記内装部品として前記物体が接近する側のドアのドアトリムに前記投影像を投影するように前記投影部を制御する、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項3】
前記制御部は、閉まっていないドアに関する前記通知情報を取得した場合、取得した前記通知情報に関連する前記車両の前記内装部品として前記閉まっていないドアのドアトリムに前記投影像を投影するように前記投影部を制御する、
請求項1に記載の投影装置。
【請求項4】
前記投影部は、前記通知情報に応じた複数の図柄、及び前記複数の図柄ごとに投影光を出力する複数の光源を有し、
前記制御部は、取得した前記通知情報に基づいて前記複数の図柄から投影する図柄、及び前記複数の光源から前記投影する図柄に対応する光源を選択し、前記投影する図柄の前記投影像を前記通知情報に関連する前記車両の前記内装部品に投影するように前記投影部を制御する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、ステアリングホイール越しに配置された表示装置の表示領域のうち少なくともステアリングホイールを含む表示装置の周辺部材によって遮られる遮蔽領域を、ステアリング情報と少なくとも視線情報とに基づき推定する推定部と、推定した遮蔽領域に応じて、表示装置で表示し得る表示情報を表示領域における非遮蔽領域に表示するように表示調整を実行する制御部と、を備えた表示制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この表示制御装置は、表示情報として半ドア警告灯やシートベルト警告灯などの警告灯が表示領域に表示されている。表示制御装置は、表示装置の一部がステアリングホイールによって遮られる場合でも表示情報を運転者に視認させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-79879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の表示制御装置は、例えば、非遮蔽領域と表示される警告灯との間に関連性が低く、またステアリングホイールの回転に伴って表示位置が変化する可能性があるため、乗員が表示された警告灯による通知を認知し辛く、乗員に対する通知の伝達性が低い問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、乗員に対する通知の伝達性を向上させることができる投影装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、乗員に通知する通知情報に関連する車両の内装部品に対して通知情報に応じた投影像を投影する投影部と、取得した通知情報に基づいて投影部を制御し、通知情報に応じた投影像を内装部品に投影させる制御部と、を備えた投影装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乗員に対する通知の伝達性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置の正面図の一例であり、図1(b)は、図1(a)のA-A線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図2図2(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、車両の内装部品の一例を説明するための図である。
図3図3(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置の柄部の一例を説明するための断面図であり、図3(b)は、柄部の一例を示す上面図である。
図4図4(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置が運転席側のドアのドアトリムに投影した投影像の一例を示す図であり、図4(b)は、助手席側のドアのドアトリムに投影した投影像の一例を示す図である。
図5図5(a)は、変形例に係る投影装置が運転席側のAピラーに投影像を投影する場合の一例を示す図であり、図5(b)は、助手席側のAピラーに投影像を投影する場合の一例を示す図である。
図6図6(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置の半ドアに関する通知の一例を示す図であり、図6(b)は、投影装置の車線の逸脱に関する通知の一例を示す図である。
図7図7は、第2の実施の形態に係る投影装置のブロック図の一例である。
図8図8は、第2の実施の形態に係る投影装置の図柄の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
(投影装置1の概要)
図1(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置の正面図の一例であり、図1(b)は、図1(a)のA-A線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。図2(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、車両の内装部品の一例を説明するための図である。なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また図2(a)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。さらに図2(a)及び後述する図7では、投影光30aの光路を矢印で示している。
【0011】
投影装置1は、図1(a)~図2(a)に示すように、乗員に通知する通知情報S10に関連する車両9の内装部品90に対して通知情報S10に応じた投影像70を投影する投影部11と、取得した通知情報S10に基づいて投影部11を制御し、通知情報S10に応じた投影像70を内装部品90に投影させる制御部12と、を備えて概略構成されている。
【0012】
内装部品90は、一例として、図2(b)に示すように、運転席91側のドア900のドアトリム901と窓ガラス902、後述する助手席92側のドア903のドアトリム904と窓ガラス905、インストルメントパネル906、フロントガラス907、運転席91側のAピラー908、助手席92側のAピラー909、後述する運転席91側のBピラー910、後述する助手席92側のBピラー911であるがこれに限定されない。なお投影像70は、一例として、後部座席93側の左右のドア912のドアトリム913や窓ガラス914に投影されても良い。
【0013】
通知情報S10は、一例として、閉まっていないドアに関する通知、物体の接近に関する通知、車線の逸脱に関する通知、車間距離に関する通知、道路標識に関する通知などに関する情報である。この通知情報S10は、一例として、車両9を総合的に制御する車両制御部95から取得するものとするがこれに限定されず、投影装置1が通知する情報を検知するセンサなどから取得しても良い。
【0014】
閉まっていないドアに関する通知、物体の接近に関する通知、及び車線の逸脱に関する通知についは、後述する。
【0015】
車間距離に関する通知とは、例えば、前方の車両が予め定められた距離より近くなったことを示す通知である。通知情報S10は、例えば、前方の車両が予め定められた距離より近くなったことを示す情報を含んでいる。投影装置1が車間距離に関する投影像70を投影するように構成された場合、投影装置1は、例えば、通知に関する内装部品90として運転席91の前方のフロントガラス907、フロントガラス907との境界近くのインストルメントパネル906、Aピラー908などに車間距離に関する通知を示す投影像70を投影する。
【0016】
道路標識に関する通知とは、例えば、走行している道路の標識に関する通知である。通知情報S10は、例えば、最高速度、はみ出し通行禁止、車両進入禁止及び一時停止などに関する情報を含んでいる。投影装置1が道路標識に関する投影像70を投影するように構成された場合、投影装置1は、例えば、通知に関する内装部品90として運転席91の前方のフロントガラス907、フロントガラス907との境界近くのインストルメントパネル906、Aピラー908などに車間距離に関する通知を示す投影像70を投影する。
【0017】
なお乗員に通知する情報が複数である場合、投影装置1が後述するように複数の投影像70を切り替えるように構成されても良いし、複数の投影装置1によって複数の通知を行うように構成されても良い。また投影像70は、一箇所に投影されるのではなく、複数の内装部品90を移動するように投影されても良い。
【0018】
投影部11は、図1(b)に示すように、柄部2と、集光レンズ部4と、投影レンズ部5と、を有している。投影部11は、筐体10に取り付けられている。投影装置1は、一例として、天井94に配置されているがドアなどでも良く、これに限定されない。
【0019】
(筐体10の構成)
筐体10は、樹脂材料を用いて細長い箱形状に形成されている。筐体10は、前面100に円筒部100aを有している。円筒部100aは、円筒の開口部分である第1のレンズ開口100bを有している。この第1のレンズ開口100bは、第1の投影レンズ51が内部に露出している。
【0020】
筐体10の左側面101には、図1(a)に示すように、左側面101に設けられた左側爪部101aと、右側面102に設けられた右側爪部102aと、を有している。左側爪部101a及び右側爪部102aは、取付先に設けられた開口と嵌め合うように設けられている。
【0021】
コネクタ部103bは、車両9のコネクタが取り付けられる。このコネクタ部103bは、基板14のコネクタピン141が露出している。基板14は、細長いプリント配線基板である。
【0022】
(柄部2の構成)
図3(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置の柄部の一例を説明するための断面図であり、図3(b)は、柄部の一例を示す上面図である。なお以下では、一例として、透過領域26と遮光領域27とで形成された図柄について説明する。
【0023】
柄部2は、図3(a)に示すように、光が透過する透明樹脂材料を用いて細長い板形状にされた透明基板20を有している。第1の図柄22は、図3(b)に示すように、この透明基板20の表面200に形成されているが裏面201でも良く、また表面200及び裏面201に形成されても良い。この第1の図柄22は、投影されて投影領域7に投影像70を形成する。
【0024】
第1の図柄22は、一例として、透過領域26及び遮光領域27によって形成されている。透過領域26は、光源部3から出力された投影光30aを透過させる領域である。遮光領域27は、投影光30aを透過させない、又は透過率が透過領域26に比べて低い領域である。
【0025】
なお第1の図柄22は、一例として、透過領域26及び遮光領域27の2つの領域によって形成されているとしたがこれに限定されず、着色されていても良いし、遮光領域27が複数の透過率を有する領域を有しても良く、またこれらを組み合わせても良い。
【0026】
遮光領域27は、一例として、透明基板20の表面200に金属膜を形成し、その金属膜をエッチングして形成されても良いし、印刷などによって遮光性を有する塗料を塗布して形成されても良いし、遮光性を有する塗料を表面200に塗布した後、レーザによって透過領域26に対応する箇所の塗料を剥離して形成されても良く、またこれらに限定されない。
【0027】
(光源部3の構成)
光源部3は、一例として、図2(a)に示すように、光源として発光素子31aを有している。なお光源部3は、光源が1つの発光素子ではなく、複数の発光素子で構成されも良い。
【0028】
発光素子31aは、図1(b)に示すように、基板14の表面140に配置されている。この発光素子31aは、一例として、白色の投影光30aを出力するLED(Light Emission Diode)素子であるがこれに限定されず、LD(Laser Diode)素子などであっても良い。
【0029】
(集光レンズ部4の構成)
集光レンズ部4は、樹脂材料を用いて形成されている。集光レンズ部4は、第1の集光レンズ41を有している。この第1の集光レンズ41は、一例として、樹脂材料を用いて凸レンズとして形成されている。なお集光レンズ部4は、光源部3が指向性の高い発光素子31aを用いた場合や発光素子31aに集光レンズが取り付けられている場合、なくても良い。
【0030】
第1の集光レンズ41は、図1(b)に示すように、発光素子31aから出力された広がりのある投影光30aを対向して配置された第1の図柄22に導くように構成されている。
【0031】
集光レンズ部4は、図1(b)に示すように、円形の孔である孔部402を有している。この孔部402は、投影レンズ部5との位置決めに使用される。
【0032】
(投影レンズ部5の構成)
投影レンズ部5は、第1の図柄22を拡大した投影像70を投影領域7に投影するように構成されている。この投影レンズ部5は、一例として、樹脂材料を用いて形成されている。投影レンズ部5は、図1(b)に示すように、開口500を有している。この開口500には、柄部2が取り付けられている。
【0033】
投影レンズ部5は、第1の投影レンズ51を有している。第1の投影レンズ51は、集光された投影光30aを拡大して投影するため、両凸レンズとして構成されている。
【0034】
第1の投影レンズ51は、第1の集光レンズ41によって集光され、第1の図柄22を介して到達した投影光30aを投影領域7に拡大して投影し、投影像70を形成する。
【0035】
投影レンズ部5は、集光レンズ部4の孔部402に挿入される円柱部502を有している。この円柱部502は、孔部402に挿入されることで、柄部2、集光レンズ部4及び投影レンズ部5の位置決めがなされ、これらが一体となる。
【0036】
(制御部12の構成)
制御部12は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部12が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。この制御部12は、基板14に配置されている。
【0037】
制御部12は、図2(a)に示すように、発光素子31aと電気的に接続されている。制御部12は、制御信号Sを出力することで、発光素子31aの点灯と消灯を制御するように構成されている。なお発光素子31aは、例えば、制御信号Sの入力により点灯し、入力しないと消灯する。制御信号Sは、一例として、PWM(Pulse Width Modulation)信号であるがこれに限定されない。
【0038】
以下では、物体の接近に関する通知、及び閉まっていないドアに関する通知の一例について説明する。
【0039】
・物体の接近に関する通知について
図4(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置が運転席側のドアのドアトリムに投影した投影像の一例を示す図であり、図4(b)は、助手席側のドアのドアトリムに投影した投影像の一例を示す図である。
【0040】
制御部12は、車両9に対する物体の接近を示す通知情報S10を取得した場合、取得した通知情報S10に関連する車両9の内装部品90として物体が接近する側のドアのドアトリムに投影像70を投影するように投影部11を制御する。
【0041】
物体の接近に関する通知とは、例えば、人や動物などの生き物、他の車両、及び設置物などの物体の接近を知らせる通知である。通知情報S10は、例えば、どの方向において車両9と物体との距離が接近しているのかの情報を含んでいる。投影装置1が物体の接近に関する投影像70を投影するように構成された場合、制御部12は、例えば、通知に関連する内装部品90として物体の接近が検出された側のドアのドアトリムや窓ガラス、Aピラーなどに物体の接近に関する通知を示す投影像70を投影する。
【0042】
図4(a)及び図4(b)は、一例として、停車中に後方から接近してくる自転車や車両(二輪・四輪)が検知され、ドアオープン時のドアとの衝突可能性がある場合、衝突回避などを支援するための通知に関する通知情報S10である場合に投影される投影像70を示している。
【0043】
制御部12は、一例として、図4(a)に示すように、取得した通知情報S10が運転席91側のドア900に自転車が接近していることを示している場合、投影部11を制御してドア900のドアトリム901に投影像70を投影する。
【0044】
また制御部12は、一例として、図4(b)に示すように、取得した通知情報S10が助手席92側のドア903に自転車が接近していることを示している場合、投影部11を制御してドア903のドアトリム904に投影像70を投影する。
【0045】
なお制御部12は、光源部3を制御して発光素子31aを点滅状態とすることにより、点滅する投影像70を投影しても良い。
【0046】
また投影装置1は、運転席91側のドアトリム901、及び助手席92側のドアトリム904に投影像70を投影するため、複数の図柄を切り替えるように構成されても良いし、アクチュエータによって投影部11の角度を変えられるように構成されても良い。
【0047】
図5(a)は、変形例に係る投影装置が運転席側のAピラーに投影像を投影する場合の一例を示す図であり、図5(b)は、助手席側のAピラーに投影像を投影する場合の一例を示す図である。
【0048】
なお変形例として投影装置1は、一例として、図5(a)に示すように、運転席91側に物体が接近している場合、運転席91側のAピラー908に投影像70を投影するように構成されても良い。また投影装置1は、一例として、図5(b)に示すように、助手席92側に物体が接近している場合、助手席92側のAピラー909に投影像70を投影するように構成されている。図5(a)及び図5(b)は、一例として、人が接近している場合の投影像70を示している。
【0049】
・閉まっていないドアに関する通知について
図6(a)は、第1の実施の形態に係る投影装置の半ドアに関する通知の一例を示す図である。
【0050】
制御部12は、閉まっていないドアに関する通知情報S10を取得した場合、取得した通知情報S10に関連する車両9の内装部品90として閉まっていないドアのドアトリムに投影像70を投影するように投影部11を制御する。
【0051】
この閉まっていないドアに関する通知とは、例えば、車両9のドアが完全に閉まっていない状態、つまり半ドアであることを示す通知である。通知情報S10は、例えば、半ドアであるドアが運転席91側のドア900なのか、助手席92側のドア903なのか、の情報を含んでいる。投影装置1が半ドアに関する投影像70を投影するように構成された場合、制御部12は、例えば、半ドアが検知されたドアのドアトリムに、半ドアに関する通知を示す投影像70を投影する。
【0052】
制御部12は、一例として、図6(a)に示すように、取得した通知情報S10が助手席92の半ドアを示している場合、投影部11を制御してドア903のドアトリム904に投影像70を投影する。制御部12は、取得した通知情報S10が運転席91の半ドアを示している場合、ドア900のドアトリム901に投影像70を投影する。図6(a)に示す投影像70は、助手席92側のドア903が開いていることを示すマークが助手席92側のドア903のドアトリム904に文字と共に投影されるので、乗員が通知を認知し易くなっている。
【0053】
・車線の逸脱に関する通知について
図6(b)は、第1の実施の形態に係る投影装置の車線の逸脱に関する通知の一例を示す図である。
【0054】
車線の逸脱に関する通知とは、例えば、車両9が車線から逸脱しようとする、又は逸脱していることを知らせる通知である。通知情報S10は、例えば、どの方向に車両9が逸脱しようとしている、又は逸脱しているかの情報を含んでいる。投影装置1が車線の逸脱に関する投影像70を投影するように構成された場合、制御部12は、逸脱が検知された側のドアのドアトリムに、車線の逸脱に関する通知を示す投影像70を投影する。
【0055】
制御部12は、例えば、図6(b)に示すように、通知情報S10が左側の車線を逸脱しようとしている、又は逸脱していることを示している場合、助手席92側のドア903のドアトリム904に車線の逸脱を通知する投影像70を投影する。また制御部12は、例えば、通知情報S10が右側の車線を逸脱しようとしている、又は逸脱していることを示している場合、運転席91側のドア900のドアトリム901に車線の逸脱を通知する投影像70を投影する。図6(b)に示す投影像70は、左側の車線の逸脱を示すマークが逸脱する側のドア903のドアトリム904に文字と共に投影されるので、乗員が通知を認知し易くなっている。
【0056】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係る投影装置1は、乗員に対する通知の伝達性を向上させることができる。具体的には、投影装置1は、乗員に対する通知に関連する内装部品90に投影像70を投影するので、通知と関連性の低い場所に通知する場合と比べて、乗員が通知を認知し易く、通知の伝達性が向上する。
【0057】
投影装置1は、通知に関連する内装部品90に通知の内容を示すマークや文字を含む投影像70を投影するので、この構成を採用しない場合と比べて、乗員が直感的に通知を認知し易い。
【0058】
投影装置1は、通知が車両に対する接近や半ドアなどの警告である場合、通知に関連するドアトリムに投影像70を投影するので、速度計などが配置されるメータパネル内に表示する場合と比べて、面積が広く、乗員が認知し易い。
【0059】
投影装置1は、乗員が通知を認知し易いので、認知し難い場合と比べて、自動ブレーキ機能などが作動したり、警告音が発せられたりする前に乗員が回避行動を行うことができ、機能が作動することによる煩わしさを低減することができる。
【0060】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、投影部が複数の投影像を投影可能に構成されている点で第1の実施の形態と異なっている。
【0061】
図7は、第2の実施の形態に係る投影装置のブロック図の一例である。図8は、第2の実施の形態に係る投影装置の図柄の一例を示す図である。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0062】
投影部11は、通知情報S10に応じた複数の図柄、及び複数の図柄ごとに投影光を出力する複数の光源を有している。制御部12は、取得した通知情報S10に基づいて複数の図柄から投影する図柄、及び複数の光源から投影する図柄に対応する光源を選択し、投影する図柄の投影像70を通知情報S10に関連する車両9の内装部品90に投影するように投影部11を制御するように構成されている。
【0063】
本実施の形態の投影装置1は、一例として、図7及び図8に示すように、4つの図柄に基づく投影像70を切り替えるように構成されている。投影部11は、一例として、発光素子31a、第1の集光レンズ41、第1の図柄22及び第1の投影レンズ51と、発光素子31b、第2の集光レンズ42、第2の図柄23及び第2の投影レンズ52と、が運転席91側のドアトリム901の方向に向いて投影像70を投影する。また投影部11は、一例として、発光素子31c、第3の集光レンズ43、第3の図柄24及び第3の投影レンズ53と、発光素子31d、第4の集光レンズ44、第4の図柄25及び第4の投影レンズ54と、が助手席92側のドアトリム904の方向に向いて投影像70を投影する。
【0064】
(柄部2の構成)
柄部2は、図8に示すように、第1の図柄22~第4の図柄25を有している。第1の図柄22及び第2の図柄23は、運転席91側のドアトリム901に投影される。第1の図柄22は、例えば、投影されて図4(a)に示す投影像70となる。第2の図柄23は、例えば、図5(a)に示す投影像70がドアトリム901に投影される。
【0065】
第3の図柄24及び第4の図柄25は、助手席92側のドアトリム904に投影される。第3の図柄24は、例えば、投影されて図4(b)に示す投影像70となる。第4の図柄25は、例えば、図5(b)に示す投影像70がドアトリム904に投影される。
【0066】
(光源部3の構成)
光源部3は、第1の図柄22~第4の図柄25に応じた光源として発光素子31a~発光素子31dを有している。発光素子31a~発光素子31dは、一例として、白色の投影光30a~投影光30dを出力するLED素子であるがこれに限定されない。
【0067】
発光素子31a~発光素子31dは、制御部12から出力される制御信号S~制御信号Sに基づいて点灯と消灯を行う。なお光源部3は、1つの光源が複数の発光素子から構成されても良い。
【0068】
(集光レンズ部4の構成)
集光レンズ部4は、発光素子31a~発光素子31dに応じて第1の集光レンズ41~第4の集光レンズ44を有している。第1の集光レンズ41~第4の集光レンズ44は、投影光30a~投影光30dを集光して対応する第1の図柄22~第4の図柄25に導くように構成されている。第1の集光レンズ41~第4の集光レンズ44は、一体に形成されても良いし、別々に形成されて筐体10に取り付けられても良い。
【0069】
(投影レンズ部5の構成)
投影レンズ部5は、第1の図柄22~第4の図柄25に応じて第1の投影レンズ51~第4の投影レンズ54を有している。第1の投影レンズ51及び第2の投影レンズ52は、運転席91側のドアトリム901の同じ投影領域7に投影像70を投影する。第3の投影レンズ53及び第4の投影レンズ54は、助手席92側のドアトリム904の同じ投影領域7に投影像70を投影する。第1の投影レンズ51~第4の投影レンズ54は、一体に形成されても良いし、別々に形成されて筐体10に取り付けられても良い。
【0070】
(制御部12の構成)
制御部12は、発光素子31a~発光素子31dと電気的に接続されている。制御部12は、取得した通知情報S10に基づいて点灯する発光素子31a~発光素子31dを判定する。
【0071】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の投影装置1は、複数の投影像70を切り替えることができるので、この構成を採用しない場合と比べて、乗員に対する複数の通知の伝達性を向上させることができる。
【0072】
なお変形例として投影装置1は、複数の投影像70を連続的に切り替えることにより、動的な投影像70を投影するように構成されても良い。
【0073】
以上述べた少なくとも1つの実施の形態の投影装置1によれば、乗員に対する通知の伝達性を向上させることが可能となる。
【0074】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1…投影装置、2…柄部、3…光源部、4…集光レンズ部、5…投影レンズ部、7…投影領域、9…車両、10…筐体、11…投影部、12…制御部、14…基板、20…透明基板、22~25…第1の図柄~第4の図柄、26…透過領域、27…遮光領域、30a~30d…投影光、31a~31d…発光素子、41~44…第1の集光レンズ~第4の集光レンズ、51~54…第1の投影レンズ~第4の投影レンズ、70…投影像、90…内装部品、91…運転席、92…助手席、93…後部座席、94…天井、95…車両制御部、100…前面、100a…円筒部、100b…第1のレンズ開口、101…左側面、101a…左側爪部、102…右側面、102a…右側爪部、103b…コネクタ部、140…表面、141…コネクタピン、200…表面、201…裏面、402…孔部、500…開口、502…円柱部、900…ドア、901…ドアトリム、902…窓ガラス、903…ドア、904…ドアトリム、905…窓ガラス、906…インストルメントパネル、907…フロントガラス、908…Aピラー、909…Aピラー、910…Bピラー、911…Bピラー、912…ドア、913…ドアトリム、914…窓ガラス
図1
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図8