(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062585
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】コーン転倒検知システム
(51)【国際特許分類】
E01F 9/654 20160101AFI20240501BHJP
E01F 9/608 20160101ALI20240501BHJP
E01F 9/688 20160101ALI20240501BHJP
E01F 13/02 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
E01F9/654
E01F9/608
E01F9/688
E01F13/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170522
(22)【出願日】2022-10-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】593202025
【氏名又は名称】株式会社エイビット
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】檜山 竹生
(72)【発明者】
【氏名】小林 充生
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
【Fターム(参考)】
2D064AA01
2D064AA17
2D064AA21
2D064BA01
2D064CA01
2D064EA01
2D064FA05
2D064GA02
2D101FA12
2D101GA32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】道路工事に使用されるコーンが強風や走行車両との接触により転倒されたとき、転倒を自動的に検知することで、コーンがいち早く正立状態に戻せるようにし、走行車線上にコーンが転倒している危険状態をいち早く回復する。
【解決手段】コーンに傾斜センサを搭載し、傾斜角度によって転倒を判断し、転倒と判断されたとき無線通信を用いて、直ちに、コーン管理センタに転倒の連絡を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路工事のために道路上に設置されたコーンに搭載された電子回路、無線通信網、コーン管理センタ、距離測定ツールより構成され、前記該電子回路は、傾斜センサ、無線通信部、レベル判定部、ID符号部、電池よりなり、前記距離測定ツールは、コーンの設置位置を、設置起点からの距離として測定する機能を有し、コーンの設置位置を前記ID符号とともに前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに送信し、道路上に設置されているコーンの前記傾斜センサ出力のレベルが一定値を超過した時、コーンが転倒したと判断し、無線通信網を介して、コーン管理センタに転倒したこととID符号を通報することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項2】
請求項1において、コーンはコーンの設置位置を示すGPSセンサを具備し、前記距離測定ツールは、GPS電波が受信困難な区域では、GPS電波が受信困難になる直前の地点をコーンの設置起点とし、設置起点からの距離として測定しGPSセンサに替わる設置位置とし、コーンの設置位置を前記ID符号とともに前記コーン管理センタに送信し、道路に設置されているコーンの前記傾斜センサ出力のレベルが一定値を超過した時、コーンが転倒したと判断し、無線通信網を介して、コーン管理センタに転倒したこととID符号を連絡することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、コーンは衝撃センサと損傷推定部を具備し、該損傷推定部が、衝撃センサ出力と傾斜センサ出力によってコーンが破損されたと判断したときは、破損したことをID符号とともにコーン管理センタに連絡することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、前記電子回路は、タイマ、衝撃センサを具備し、衝撃センサ情報と傾斜センサ情報が前記コーンから前記コーン管理センタへ定期的に送信され、コーン管理センタでは、コーンの損傷状況を監視することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2において、設置ツールがあり、該設置ツールは前記距離測定ツール機能とコーンの設置番号管理機能を有し、設置されるコーンに設置番号を付与できる機能を有すことを特徴とするコーン転倒検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路工事中に設置されるコーンが転倒したことを自動的に検知するコーン転倒検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路工事の際に、道路を走行する車両に対し、工事中であることを示すため、工事区間の工事中車線の境界や工事区間の前後に、コーンが設置されるが、設置されているコーンが、強風や走行車線を走行する車両と接触し、転倒することがある。転倒したコーンが走行車線に置かれるよう転倒した場合、走行車線には危険物が落下している状態と等価になり、大変危険な状態になる。
【0003】
このため、警備車両を走行させ、コーンの転倒を含め走行車線上に危険物が落下していないかを巡回監視し、落下物を発見した時は、巡回警備員が落下物を移動・除去している。特許文献1には、コーンの転倒が加速度計を用いて検知され、転倒が検知されたら無線通信により連絡する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
道路工事の際にコーンが転倒しているかの確認を人手による巡回監視する作業に替え、コーン転倒を自動的に検知し、転倒したことをコーン管理センタに無線通信手段を介して連絡し、コーン管理センタから転倒したコーンを、本来の設置位置に戻し、正立させる作業を指示する。
【発明の効果】
【0006】
コーンが転倒したことを検知する人手による巡回監視作業の必要がなくなり、転倒したらコーンの正立作業を迅速に手配できるため、走行車線上に危険物の存在する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、道路工事区間にコーンが設置されている模様を示す。
【
図2】
図2は、本発明のコーンの簡略化された図と、コーンには電子回路、警告灯、衝撃センサが取り付けられている模様を示す。
【
図3】
図3は、設置されている複数のコーンが、無線通信網に接続され、さらに公衆通信網を介してコーン管理センタに接続されていることを示す。
【
図4】
図4は、本発明によりコーンに取り付けられている電子回路のブロック図を示す。
【
図6】
図6は本発明の設置ツールに搭載する設置用ソフトウエアの機能をブロック図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0009】
図1においては、片側2車線の道路で、車線1が走行車線、車線2は、工事用車線であり、工事区間および工事区間の前後が工事区域となり、車両の走行は禁止される。工事区域には、図の黒丸で示すようにコーンが適宜、多数、設置されている。
【0010】
各々のコーンは
図2に示すように、周知の円錐形状のもので、コーンの下部には電子回路を含んだ筐体が載置されている。円錐形状のコーンの頭部には警告灯が円状または半球状に設けられていて、コーンが夜間に転倒した時、赤い警告灯を点滅させ、走行車線を走る車両に「危険物あり」を知らせる。警告灯を点滅する電源は電子回路より供給されてもよいが、警告灯を点滅する専用の電池を警告灯と一体的に設ける方が良い。警告灯をコーンの頭部に円状に設置することで、転倒位置に関係なく、走行する車両に警告を表示することができる。また、衝撃センサは電子回路の基板上に設置されてもよいが、コーン内側の側面に衝撃センサを設置することもできるようにしている。
【0011】
図3は、多数設置されているコーン(A、B、・・・ N)が、無線通信網1で接続されているが、この無線通信網1は、工事区間の長さ(例えば数キロメートル)によるが、自営の無線通信網が使用可能である。もちろん4Gとか5Gの公衆無線通信網を使用しても良い。自営の無線通信網としては、消費電力の観点からLPWA(Low Power Wide Area)方式が好適であろう。
【0012】
図3の無線通信網1が自営の無線通信網であるときは、コーン管理センタ3が一般的には工事現場の位置から離れた位置にあるので、各コーンの情報は無線通信網1、公衆通信網2を介してコーン管理センタ3へ接続される。公衆通信網2は無線か有線かは問わない。コーン管理センタ3は所有する全てのコーンの状態を管理するもので、工事区域に設置されているコーンはもちろん倉庫に置かれているコーンも管理されている。
【0013】
図4は、
図2の電子回路のブロック図を示すもので、4は傾斜センサ、5は衝撃センサ、6は無線通信部、7は損傷推定部、8は履歴記憶部、9はID符号部、10は転倒レベル判定部、11はタイマ、12は電源制御部、13はGPSセンサ、14は電池、15は電池残量検知部、16は設置番号部、17は距離情報部である。さらに、端子A、端子B、端子Cが設けられている。
【0014】
傾斜センサ4は傾きを検出し、角度情報として出力するもので、コーンが風などで少し揺れたときは、傾斜角を10度とかの数値で出力するし、転倒した時は90度を出力する。電子回路がコーンのどこに設置されるか(底部か中間部か)によって、転倒とみなす角度は異なるが、コーンの設置時、あるいは倉庫からの出荷時に転倒とみなす角度を決め、転倒レベル判定部10に、その角度を転倒角度として設定しておく。
【0015】
転倒レベル判定部10でコーンが転倒したと判定されたときは、判定部出力は、無線通信部6よりコーン管理センタ3へ「コーンが転倒した」と連絡されると同時に端子Bを介して、警告灯をオンにする信号として警告灯へ導かれ、夜間は警告灯が赤く点滅される。
【0016】
衝撃センサ5は加速度計を内蔵していて、測定された加速度から、受けた衝撃の強さを出力する。衝撃センサ5の取り付け位置として電子回路基板上でよいが、
図2に示すように、コーンの内側側面に取り付けることで衝撃感度をより向上してもよい。端子Aはそのため電子回路の外に設置された衝撃センサの出力を電子回路内に導くためのものである。本発明での衝撃センサ5の使用目的は、走行する車両がコーンに接触したかどうか(ぶつけたかどうか)を検出するもので、コーンが転倒する理由は、強風の場合よりは、走行車両からぶつけられ転倒という場合の方が多く、どの程度の強度でぶつけられたかを検出するためである。
【0017】
このため損傷推定部7では、コーンがぶつけられ転倒に至らなくても、ぶつけられ強度から、傾斜センサ4の出力情報とともに、コーンの一部にひび割れや破損が生じたかも推定している。損傷推定部7が「コーンが破損」と判断した時は、コーンの転倒と同様に、コーン管理センタ3にそのことを即通知する必要がある。
【0018】
このため、損傷推定部7と転倒レベル判定部10の出力は電源制御部12を起動し、無線通信部6に電源を供給し、無線通信網1を介してコーン管理センタ3へ無線連絡する。
【0019】
コーンが転倒した時やコーンの破損が判断されるときは、コーンを交換する必要もあるので、コーン管理センタ3の指示で、現場に出向くときには交換用のコーンを用意して、現場でコーンの破損状態を見て、必要ならコーンを交換する。転倒したコーンを現場で正立させ、本来の設置位置に戻したときは、警告灯の点滅を停止するため、後記する設置ツールに、図示しない点滅停止操作をすることでコーンから警告灯への信号をオフにする。
【0020】
傾斜センサ4と衝撃センサ5の出力は、常時、出力状態が、履歴記憶部8に記憶されていて、タイマ11で設置される時間周期(1時間に一回とか)で、コーン管理センタ3に送信される。電池14の電池残量は、電池残量検知部15で常時検知されていて、電池残量は、無線通信部6がコーン管理センタ3へ通信を行うときは、適宜、電池残量も送信される。また、各コーンには特有のID符号が付与されID符号部9にそのID符号が記憶されていて、無線通信部6がコーン管理センタに送信する場合は、ID符号も送信される。さらに後記するが電子回路がGPSセンサ13を内蔵するときは、GPSセンサ13の出力も同時に送信される。
【0021】
電源制御部12では無線通信部6が通信を行うときのみに電池14が給電されるよう制御しているが、電力消費の大きい無線通信部6には必要なときのみ給電し、電子回路全体の省電力を図るためである。
【0022】
図5は、無線通信部6からコーン管理センタ3に送信される信号の形式を示す。信号種とあるのは、信号の種類を表すもので、
図5aのような、緊急な対応を必要とする緊急信号、
図5bのような定期的な観察信号、
図5c、
図5dのような、設置位置情報、
図5eのような設置番号信号がある。下記の表1に通信信号のリストが示されている。
【0023】
図5aは、コーン転倒時とコーン破損時の送信信号、
図5bは、一定周期で傾斜センサと衝撃センサの出力履歴を送信する場合である。履歴記憶部8の履歴は、コーン管理センサ3に履歴を送信完了した時、記憶情報はリセットされ次の周期の情報が履歴記憶される。
図5aにおける「コーンが転倒した」の情報フィールドには、傾斜センサの傾斜角と衝撃センサの衝撃強度情報が含まれている。また、「コーンが損傷した」の情報フィールドにも、傾斜センサの傾斜角と衝撃センサの衝撃強度情報が含まれている。
図5dにおいては、
図5cのGPSが設置起点と起点からの距離に置き換わっている。
【0024】
【0025】
表1の信号形式に「信号種のみ」とあるのは、
図5a、
図5b、
図5c、
図5dのように情報フィールドをもつ信号はなく、まさしく信号種で要求や指示が伝わる信号である。
【0026】
次に、コーンの設置時の作業について説明する。設置作業は、設置端末として、携帯電話やタブレットを用い、設置端末に設置用のソフトウエアを搭載したものを設置ツールとして使用する。
【0027】
図6は、設置用ソフトウエアの動作をブロック図的に示すものであり、21は設置起点操作、22は距離測定部、23はGPS情報、24は設置通知操作、25は通信部、26は設置番号管理部、27はトンネル名選択操作、28はコーン情報読取操作、29はコーンクリア操作、30はUSB端子、31は自営無線通信モジュールである。
【0028】
設置作業はコーン運搬車に積まれている複数のコーンを設置個所でひとつずつ降ろしていきながら行われる。コーンが設置される都度、設置ツールの設置通知操作24によって、
図5eの信号形式で、設置番号管理部26から、設置番号がひとつずつコーンに送信されるとともに、コーンへGPSセンサ13とID符号部9と送信されたばかりの設置番号部16の情報をコーン管理センタ3へ送信する事が要求され、コーンから前記3つの情報がコーン管理センタ3へ送信される。
図5eには設置起点と距離情報も含まれているが、設置起点と距離情報は、設置箇所が後記するトンネル内の時にのみ付加される。
【0029】
コーンの設置番号は、1、2、3・・・と順次的な番号が使用されるが、トンネル内に設置される時は、34TA3、のような番号にする。これは順次的な番号34にトンネルA内の番号は3であることを示している。トンネルAというトンネル名の入力は必ずしも必要としないが、トンネル名選択操作27によって選択される。
【0030】
コーンが設置されている場所が、トンネル内などGPS情報が受信困難になる箇所では、トンネル入口からの距離情報をGPS情報の代替情報として利用する。携帯電話には歩数計機能があり、加速度センサを使用した距離測定機能が具備されているので、その機能を活用する。
【0031】
このため、設置ツールには設置起点操作21があり、この操作によって, GPS情報の受信が困難になる直前の地点であるトンネル入口などのGPS情報を起点として起点からの距離が距離測定部22で測定される。トンネル内でも、コーンが設置されると設置通知操作24によって、設置番号と設置起点と起点からの距離を含んだ距離情報が通信部25よりコーンに送信され、コーンからは送られてきた設置番号と距離情報とID符号がコーン管理センタ3に送信される。
【0032】
コーン運搬車がトンネルを抜け、GPS情報が受信可能になると、前記した方法で、GPS情報を用いた設置情報がコーン管理センタ3へ送信されていく。前記したトンネル入口などでのGPS情報としては、設置ツール(携帯電話)に付属のGPS情報23が用いられる。
【0033】
上記の説明において、コーンがGPSセンサ13を内蔵しているが、内蔵しなくても、設置起点をトンネル入口ではなく、工事区域の1番目のコーンの設置位置とし、その位置からの距離を、設置位置として使用することができる。また設置ツールが具備するGPS情報を設置地点で利用してもよい。
【0034】
コーン管理センタ3では所有しているコーンの全ての状態を管理テーブルで管理している。表2はその一例を示す。表2において、ID符号、製造メーカ、製造年月、製造番号は、各コーンにとって時間的に変化するものではないが、他の項目は変化するものである。したがって他の項目はコーンのタイマ11で定まる一定周期(1時間ごととか)で、日時情報とともに、時系列的に管理されている。表2のGPS値は、コーンがトンネル内に設置されている時は、GPSに替わり、トンネル起点からの距離になる。
【0035】
表2には記述されてないが、コーンが転倒した時とコーンが破損したと推定されたときは、ID符号とGPS情報(あるいは距離情報)とコーンの設置番号が、コーン管理センタ3へ即連絡が入るので、コーン管理センタ3は、コーンの警備会社あるいは設置管理会社へ「設置位置(GPS値)がxxxで設置番号がyyyのコーンが転倒したので、即、正立させる作業を行うこと」とかの連絡を入れる。なお、転倒したコーンについてコーン管理センタ3に連絡する情報は、コーンのID符号のみでもよい。コーン管理センタ3では、コーンの位置情報や設置番号が別途管理されているので、その管理情報を使用して連絡しても良い。
【0036】
【0037】
コーンの転倒は一つであるとは限らず、自動車事故の大きさによっては、複数個のコーンが転倒・散乱するケースもある。この場合コーンが、本来設置されていた場所に戻されるとは限らない。そのため、コーンの設置情報(設置番号とID符号)を読み取り、設置番号をもとに正しい位置に戻すことが必要である。
【0038】
そのため、設置ツールのコーン情報読取操作28を行い、読み取られた情報を活用する。ID符号の読取は、倉庫などコーンが工事現場で使用されていないとき、コーン管理上、特に必要になる。
【0039】
また、コーンクリア操作29は、コーンが工事現場から撤収された後、新たな工事現場で使用開始されるまでの間に、前の工事で、履歴管理部8、設置番号部16、距離情報部17に記憶されていた情報を消去するための操作である。
【0040】
コーンと読取ツール間の通信は、コーンが自営の無線通信網を使用する場合、設置ツールが自営の無線通信機能を具備することが必要で、自営の無線通信モジュール31が、設置ツールのUSB端子30に接続されている。
【0041】
前記したようにコーンは破損している時は、設置されている現場で交換することがあり、交換されたときは、表2をアップデートする必要があるが、交換時に設置通知操作24を行うことで、設置位置についての新たな情報が、コーン管理センタ3に送信される。
【0042】
表2には傾斜度合、衝撃度合という項目に対し大、中、小の分類で記述しているが、傾斜角、衝撃力の数字情報をもとに別途、区分けが定義され表2の管理テーブルに記入される。また、ID符号、製造メーカ、製造年月、製造番号は記入を省略している。GPS値は、GPS情報か距離情報が記入される。
【0043】
衝撃度合が大のとき、傾斜角情報を参考に「コーンが破損」と判断されるときは前記したように、コーン管理センタ3へ「コーンが破損した」と即連絡を入れるが、工事期間中、衝撃度合が中の頻度が高いコーンがある時は、他のコーンで転倒が生じ、連絡するついでに、当該コーンが破損してないかを確認する作業を依頼しても良い。
【0044】
また、道路工事が終了し、コーンを撤収するときは、倉庫では、各コーンの衝撃度合の時系列的な変化(履歴)を見ながら、コーンの破損状況を観察・監視し、必要であれば修理を行う。さらに、GPS情報の履歴を見ながら、コーンが転倒しないまでも強風などで位置がずらされている状況を確認し、気象情報(設置期間中の風速情報など)を参考にしながら、コーンが、強風でもより安定的に設置されるよう設置強度の改善を行う必要度を把握する。
【0045】
工事現場にあるコーンで電池残量が小となったコーンは翌日の工事開始時にコーンを交換する。交換されたコーンは倉庫で充電端子Cより充電される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によるコーンの転倒を自動的に検知するシステムは、現在のコーン転倒検知のため巡回車を運転しながら巡回監視するという人出を利用したシステムより利便性の高いものであり、産業上の利用可能性は、きわめて大きい。
【符号の説明】
【0047】
1.無線通信網
2.公衆通信網
3.コーン管理センタ
4.傾斜センサ
5.衝撃センサ
6.無線通信部
7.損傷推定部
8.履歴管理部
9.ID符号部
10.転倒レベル判定部
11.タイマ
12.電源制御部
13.GPSセンサ
14.電池
15.電池残量検知部
16.設置番号部
17.距離情報部
21.設置起点操作
22.距離測定部
23.GPS情報
24.設置通知操作
25.通信部
26.設置番号管理部
27.トンネル名選択操作
28.コーン情報読取操作
29.コーンクリア操作
30.USB端子
31.自営無線通信モジュール
【手続補正書】
【提出日】2023-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜センサと、電子回路を内蔵したコーンと、無線通信網と、コーン管理センタとで構成され、前記電子回路は、コーン特有のID符号を記憶しているID符号部と、転倒レベル判定部と、無線通信部とを具備し、前記傾斜センサで検知されたコーンの傾斜角度をもとに前記転倒レベル判定部でコーンが転倒したと判定されたときは、前記ID符号とともに前記無線通信部より、前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに通報することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項2】
請求項1において、前記コーンはコーンの設置位置を示すGPSセンサを具備し、GPS電波が受信困難な区域では、GPS電波が受信困難になる直前の地点をコーンの設置起点とし、該設置起点からの距離情報をGPSセンサに替わる設置位置とすることを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記コーンは衝撃センサと前記電子回路内に損傷推定部を具備し、該損傷推定部が、衝撃センサ出力と傾斜センサ出力によってコーンが破損されたと判断したときは、破損したことをID符号とともに前記コーン管理センタに連絡することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、前記電子回路はタイマを具備し、前記衝撃センサと前記傾斜センサの情報が前記コーンから前記コーン管理センタへ前記タイマで設定された周期で定期的に送信され、前記コーン管理センタでは、コーンの損傷状況を監視することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2において、設置ツールがあり、該設置ツールは前記設置起点からの距離を測定する機能とコーンの設置番号管理機能とともに、設置されるコーンに設置番号を付与できる機能を有すことを特徴とするコーン転倒検知システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
各々のコーンは
図2に示すように、周知の円錐形状のもので、コーンの下部には電子回路
18を含んだ筐体が載置されている。円錐形状のコーンの頭部には警告灯
19が円状または半球状に設けられていて、コーンが夜間に転倒した時、赤い警告灯を点滅させ、走行車線を走る車両に「危険物あり」を知らせる。警告灯を点滅する電源は電子回路
18より供給されてもよいが、警告灯を点滅する専用の電池を警告灯
19と一体的に設ける方が良い。警告灯
3をコーンの頭部に円状
または半球状に設置することで、転倒位置に関係なく、走行する車両に警告を、
見やすく表示することができる。
また、コーンの中央部の内側側面には衝撃センサと傾斜センサを含むセンサ部20が載置されている。このセンサ部20は、電子回路18の基板上に一体化しても設置してもよく、一体化された基板の設置位置はコーンの下部でなく、内側側面でもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図4は、
図2の電子回路
18のブロック図を示すもので、6は無線通信部、7は損傷推定部、8は履歴記憶部、9はID符号部、10は転倒レベル判定部、11はタイマ、12は電源制御部、13はGPSセンサ、14は電池、15は電池残量検知部、16は設置番号部、17は距離情報部である。さらに、A、B、C、Dで示す端子が設けられ、
Aは衝撃センサ5、Bは警告灯19、C
は傾斜センサ4に接続されている。Dは電池を充電する充電端子である。なお、16設置番号部、17距離情報部にある情報は、設置時に後記する方法で設置ツールから入力される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
衝撃センサ5は加速度計を内蔵していて、測定された加速度から、受けた衝撃の強さを出力する。本発明での衝撃センサ5の使用目的は、走行する車両がコーンに接触したかどうか(ぶつけたかどうか)を検出するもので、コーンが転倒する理由は、強風の場合よりは、走行車両からぶつけられ転倒という場合の方が多く、どの程度の強度でぶつけられたかを検出するためである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
電源制御部12では無線通信部6が通信を行うときのみに電池14が給電されるよう制御しているが、電力消費の大きい無線通信部6には必要なときのみ給電し、電子回路18全体の省電力を図るためである。なお、後記する設置ツール使用時は、設置ツールからの情報受信のため、無線通信部の給電はオンにされている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
図5aは、コーン転倒時とコーン破損時の送信信号、
図5bは、一定周期で傾斜センサと衝撃センサの出力履歴を送信する場合である。履歴記憶部8の履歴は、コーン管理センタ3に履歴を送信完了した時、記憶情報はリセットされ次の周期の情報が履歴記憶される。
図5aにおける「コーンが転倒した」の情報フィールドには、傾斜センサの傾斜角と衝撃センサの衝撃強度情報が含まれている。また、「コーンが損傷した」の情報フィールドにも、傾斜センサの傾斜角と衝撃センサの衝撃強度情報が含まれている。
図5dにおいては、
図5cのGPSが設置起点と起点からの距離に置き換わっている
が、その説明は後記する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
設置作業はコーン運搬車に積まれている複数のコーンを設置個所でひとつずつ降ろしていきながら行われる。コーンが設置される都度、設置ツールの設置通知操作24によって、
図5eの信号形式で、設置番号管理部26から、設置番号がひとつずつコーンに送信されるとともに、コーンへGPSセンサ13とID符号部9と送信されたばかりの設置番号部16の情報をコーン管理センタ3へ送信する事が要求され,コーンから前記3つの情報が、
図5cの信号形式でコーン管理センタ3へ送信される。
設置箇所が後記するトンネル内のときは、図5cのGPSは、図5dのように、設置起点と距離情報に置き換わる。なお、設置場所情報としてGPSセンサ13の出力情報を利用するときは図5eの設置起点と距離情報の信号は、不要になる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
1.無線通信網
2.公衆通信網
3.コーン管理センタ
4.傾斜センサ
5.衝撃センサ
6.無線通信部
7.損傷推定部
8.履歴管理部
9.ID符号部
10.転倒レベル判定部
11.タイマ
12.電源制御部
13.GPSセンサ
14.電池
15.電池残量検知部
16.設置番号部
17.距離情報部
18.電子回路
19.警告灯
20.センサ部
21.設置起点操作
22.距離測定部
23.GPS情報
24.設置通知操作
25.通信部
26.設置番号管理部
27.トンネル名選択操作
28.コーン情報読取操作
29.コーンクリア操作
30.USB端子
31.自営無線通信モジュール
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜センサおよび衝撃センサと、電子回路を内蔵したコーンと、無線通信網と、コーン管理センタとで構成され、前記電子回路は、コーン特有のID符号を記憶しているID符号部と、転倒レベル判定部と、損傷推定部と、無線通信部とを具備し、前記傾斜センサで検知されたコーンの傾斜角度をもとに前記転倒レベル判定部でコーンが転倒したと判定されたときと、前記損傷推定部でコーンが破損したと推定されたときは、前記ID符号とともに前記無線通信部より、前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに通報することを特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項2】
傾斜センサと、電子回路を内蔵したコーンと、無線通信網と、コーン管理センタとで構成され、前記電子回路は、コーン特有のID符号を記憶しているID符号部と、転倒レベル判定部と、無線通信部とを具備し、前記傾斜センサで検知されたコーンの傾斜角度をもとに前記転倒レベル判定部でコーンが転倒したと判定されたとき、前記ID符号とともに前記無線通信部より、前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに通報するシステムであって、設置ツールを具備し、該設置ツールは、設置起点操作部、設置番号管理部、GPS情報部、距離測定部、通信部、コーン情報読取操作部、タイマを有し、設置されるコーンに対し、前記GPS情報部、前記設置起点操作部、前記距離測定部の情報に基づいて特定されるコーンの設置位置とコーンのID符号と前記設置番号管理部がコーンに付与した設置番号とを前記タイマが定める時間間隔で前記コーン管理センタに届けるとともに、前記コーン情報読取部が、コーンの設置番号、ID符号の読取りを可能にすることを特徴とするコーン転倒検知システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
各々のコーンは
図2に示すように、周知の円錐形状のもので、コーンの下部には電子回路を含んだ筐体が載置されている。円錐形状のコーンの頭部には警告灯が円状または半球状に設けられていて、コーンが夜間に転倒した時、赤い警告灯を点滅させ、走行車線を走る車両に「危険物あり」を知らせる。警告灯を点滅する電源は電子回路より供給されてもよいが、警告灯を点滅する専用の電池を警告灯と一体的に設ける方が良い。警告灯をコーンの頭部に円状または半球状に設置することで、転倒位置に関係なく、走行する車両に警告を表示することができる。また、衝撃センサは電子回路の基板上に設置されてもよいが、コーン内側の側面に衝撃センサを設置することもできるようにしている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図4は、
図2の電子回路のブロック図を示すもので、4は傾斜センサ、5は衝撃センサ、6は無線通信部、7は損傷推定部、8は履歴記憶部、9はID符号部、10は転倒レベル判定部、11はタイマ、12は電源制御部、13はGPSセンサ、14は電池、15は電池残量検知部、16は設置番号部、17は距離情報部である。さらに、端子A、端子B、端子Cが設けられている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
1.無線通信網
2.公衆通信網
3.コーン管理センタ
4.傾斜センサ
5.衝撃センサ
6.無線通信部
7.損傷推定部
8.履歴管理部
9.ID符号部
10.転倒レベル判定部
11.タイマ
12.電源制御部
13.GPSセンサ
14.電池
15.電池残量検知部
16.設置番号部
17.距離情報部
21.設置起点操作
22.距離測定部
23.GPS情報
24.設置通知操作
25.通信部
26.設置番号管理部
27.トンネル名選択操作
28.コーン情報読取操作
29.コーンクリア操作
30.USB端子
31.自営無線通信モジュール
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜センサおよび衝撃センサと、電子回路を内蔵したコーンと、無線通信網と、コーン 管理センタとで構成され、前記電子回路は、コーン特有のID符号を記憶しているID符号部と、転倒レベル判定部と、損傷推定部と、無線通信部とを具備し、前記傾斜センサで 検知されたコーンの傾斜角度をもとに前記転倒レベル判定部でコーンが転倒したと判定されたときと、前記損傷推定部でコーンが破損したと推定されたときは、前記ID符号とともに前記無線通信部より、前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに通報すること を特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項2】
傾斜センサおよび衝撃センサと、電子回路を内蔵したコーンと、無線通信網と、コーン管理センタとで構成され、前記電子回路は、コーン特有のID符号を記憶しているID符号部と、転倒レベル判定部と、タイマと、履歴記憶部と、無線通信部とを具備し、前記傾斜センサで検知されたコーンの傾斜角度をもとに前記転倒レベル判定部でコーンが転倒したと判定されたとき、前記ID符号とともに前記無線通信部より、前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに通報するシステムであって、前記傾斜センサと衝撃センサの情報とID符号が前記履歴記憶部に記憶され、前記タイマで定める一定の時間間隔でコーン管理センタに送信されるとともに、設置ツールを具備し、該設置ツールは、設置起点操作部、設置番号管理部、GPS情報部、距離測定部、通信部、コーン情報読取操作部を有し、設置されるコーンに対し、設置の都度、前記設置番号管理部からコーンに設置番号を付与し、付与された設置番号と、前記GPS情報部、前記距離測定部の情報に基づいて特定されるコーンの設置位置情報とコーンのID符号とを前記コーンに送信し、該送信情報をコーンからコーン管理センタに送信することを要求するとともに、前記コーン情報読取部が、コーンの設置番号、ID符号の読取りを可能にすることを特徴とするコーン転倒検知システム。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜センサおよび衝撃センサと、電子回路を内蔵したコーンと、無線通信網と、コーン 管理センタとで構成され、前記電子回路は、コーン特有のID符号を記憶しているID符号部と、転倒レベル判定部と、損傷推定部と、無線通信部とを具備し、前記傾斜センサで 検知されたコーンの傾斜角度をもとに前記転倒レベル判定部でコーンが転倒したと判定されたときと、前記損傷推定部でコーンが破損したと推定されたときは、前記ID符号とともに前記無線通信部より、前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに通報すること を特徴とするコーン転倒検知システム。
【請求項2】
傾斜センサおよび衝撃センサと、電子回路を内蔵したコーンと、無線通信網と、コーン管理センタとで構成され、前記電子回路は、コーン特有のID符号を記憶しているID符号部と、転倒レベル判定部と、タイマと、履歴記憶部と、無線通信部とを具備し、前記傾斜センサで検知されたコーンの傾斜角度をもとに前記転倒レベル判定部でコーンが転倒したと判定されたとき、前記ID符号とともに前記無線通信部より、前記無線通信網を介して前記コーン管理センタに通報するシステムであって、前記傾斜センサと衝撃センサの情報が前記履歴記憶部に記憶され、前記ID符号とともに前記タイマで定める一定の時間間隔でコーン管理センタに送信されるとともに、設置ツールを具備し、該設置ツールは、設置起点操作部、設置番号管理部、GPS情報部、距離測定部、通信部、コーン情報読取操作部を有し、設置されるコーンに対し、設置の都度、前記設置番号管理部からコーンに設置番号を付与し、付与された設置番号と、前記GPS情報部、前記距離測定部の情報に基づいて特定されるコーンの設置位置情報とコーンのID符号とを前記コーンに送信し、該送信情報をコーンからコーン管理センタに送信することを要求するとともに、前記コーン情報読取操作部が、コーンの設置番号、ID符号の読取りを可能にすることを特徴とするコーン転倒検知システム。