(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000626
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】光伝送装置
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20231226BHJP
H04B 10/50 20130101ALI20231226BHJP
【FI】
G02B6/42
H04B10/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099414
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】林 信幸
【テーマコード(参考)】
2H137
5K102
【Fターム(参考)】
2H137AA05
2H137DA39
2H137DB14
2H137HA05
5K102AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光モジュールの増加に伴うパッケージ基板の大型化を抑制することができる光伝送装置を提供する。
【解決手段】光伝送装置は、第1面を有する配線基板と、第1面に設けられたスイッチ集積回路チップ、配線基板を通じてスイッチ集積回路チップに接続された第1コネクタ、スイッチ集積回路チップと第1コネクタとの間に設けられ、配線基板を通じてスイッチ集積回路チップに接続された第2コネクタ、第1コネクタに電気接続された第1光モジュール、第2コネクタに電気接続された第2光モジュール、スイッチ集積回路チップを冷却する第1冷却部、第1、第2光モジュールを冷却する第2冷却部、を有するクーリングプレートと、を有し、第2冷却部は、スイッチ集積回路チップに近づくほど第1面に近づく第2面及び第3面を有し、第2面は第3面よりも第1面に近く、第1光モジュールは第2面に設けられ、第2光モジュールは第3面に設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有する配線基板と、
前記第1面に設けられたスイッチ集積回路チップと、
前記第1面に設けられ、前記配線基板を通じて前記スイッチ集積回路チップに接続された第1コネクタと、
前記第1面で前記スイッチ集積回路チップと前記第1コネクタとの間に設けられ、前記配線基板を通じて前記スイッチ集積回路チップに接続された第2コネクタと、
前記第1コネクタに電気的に接続された第1光モジュールと、
前記第2コネクタに電気的に接続された第2光モジュールと、
前記スイッチ集積回路チップを冷却する第1冷却部と、前記第1光モジュール及び前記第2光モジュールを冷却する第2冷却部と、を有するクーリングプレートと、
を有し、
前記第2冷却部は、前記第1面に平行な断面視で前記スイッチ集積回路チップに近づくほど前記第1面に近づくように傾斜した第2面及び第3面を有し、
前記第2面は前記第3面よりも前記第1面に近く、
前記第1光モジュールは前記第2面に設けられ、
前記第2光モジュールは前記第3面に設けられていることを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
前記第1面と前記第2面との間に設けられ、前記第1コネクタに接続された第3コネクタを有し、
前記第3コネクタは、前記第1面に平行な断面視で前記スイッチ集積回路チップに近づくほど前記第1面に近づくように傾斜した第4面を有し、
前記第1光モジュールは前記第2面と前記第4面との間に設けられ、
前記第1光モジュールは、前記第3コネクタに接続され、前記第3コネクタを介して前記第1コネクタに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記第3面の上に設けられ、前記第2コネクタに接続された第4コネクタを有し、
前記第4コネクタは、前記第1面に平行な断面視で前記スイッチ集積回路チップに近づくほど前記第1面に近づくように傾斜した第5面を有し、
前記第2光モジュールは前記第3面と前記第5面との間に設けられ、
前記第2光モジュールは、前記第4コネクタに接続され、前記第4コネクタを介して前記第2コネクタに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送装置。
【請求項4】
前記第1面と前記第3面とがなす角度は、前記第1面と前記第2面とがなす角度よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送装置。
【請求項5】
前記第1面と前記第2面とがなす角度は、10°以上80°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送装置。
【請求項6】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送装置の一つとして、パッケージ基板にスイッチ集積回路チップ(スイッチIC)及び光モジュールが実装されたCo-Packaged Optics(CPO)がある。CPOでは、平面形状が矩形のパッケージ基板の4辺に沿って複数の光モジュールが配置されている。CPOによれば、スイッチICと光モジュールとの間の配線が短く、消費電力を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-49691号公報
【特許文献2】特開2011-257660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のCPOの構成では、多数の光モジュールがパッケージ基板の各辺に沿って配置される場合、パッケージ基板の大型化が避けられない。また、スイッチIC及び光モジュールを冷却する部材も大型化する。更に、スイッチICと光モジュールとの間の距離は、パッケージ基板に実装される光モジュールのサイズ及び数に依存する。このため、ある一定のサイズを有する多数の光モジュールがパッケージ基板の各辺に沿って配置された場合、スイッチICと光モジュールとの間の配線がパッケージ基板の各辺とスイッチICとの間の距離よりも長くなる。
【0005】
本開示の目的は、光モジュールの増加に伴うパッケージ基板の大型化を抑制することができる光伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、第1面を有する配線基板と、前記第1面に設けられたスイッチ集積回路チップと、前記第1面に設けられ、前記配線基板を通じて前記スイッチ集積回路チップに接続された第1コネクタと、前記第1面で前記スイッチ集積回路チップと前記第1コネクタとの間に設けられ、前記配線基板を通じて前記スイッチ集積回路チップに接続された第2コネクタと、前記第1コネクタに電気的に接続された第1光モジュールと、前記第2コネクタに電気的に接続された第2光モジュールと、前記スイッチ集積回路チップを冷却する第1冷却部と、前記第1光モジュール及び前記第2光モジュールを冷却する第2冷却部と、を有するクーリングプレートと、を有し、前記第2冷却部は、前記第1面に平行な断面視で前記スイッチ集積回路チップに近づくほど前記第1面に近づくように傾斜した第2面及び第3面を有し、前記第2面は前記第3面よりも前記第1面に近く、前記第1光モジュールは前記第2面に設けられ、前記第2光モジュールは前記第3面に設けられている光伝送装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、光モジュールの増加に伴うパッケージ基板の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
【
図2】第1実施形態に係る光伝送装置を示す分解上面図である。
【
図3】第1実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
【
図4】第1実施形態におけるパッケージ基板を示す上面図である。
【
図5】第1実施形態におけるクーリングプレートを示す上面図である。
【
図7】第1実施形態における第3コネクタを示す上面図である。
【
図8】第1実施形態における第3コネクタを示す下面図である。
【
図9】第1実施形態における第3コネクタを示す断面図である。
【
図10】第1実施形態における第4コネクタを示す上面図である。
【
図11】第1実施形態における第4コネクタを示す下面図である。
【
図12】第1実施形態における第4コネクタを示す断面図である。
【
図13】第1実施形態に係る光伝送装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図14】第1実施形態に係る光伝送装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図15】第1実施形態に係る光伝送装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図16】参考例に係る光伝送装置における光モジュールの配置を示す図である。
【
図17】第1実施形態における第3コネクタの他の例を示す断面図である。
【
図18】第2実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
【
図19】第2実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
【
図20】第3実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
【
図21】第3実施形態における第3コネクタ及び第4コネクタ等を示す下面図である。
【
図22】第3実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
【
図23】第3実施形態における第3コネクタを示す断面図である。
【
図24】第3実施形態に係る光伝送装置の製造方法を示す断面図である。
【
図25】第4実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
【
図26】第4実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
【
図27】第4実施形態におけるパッケージ基板を示す上面図である。
【
図28】第4実施形態に係る光伝送装置の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態は光伝送装置に関する。
図1は、第1実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
図2は、第1実施形態に係る光伝送装置を示す分解上面図である。
図3は、第1実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
図3は、
図1中のIII-III線に沿った断面図に相当する。
【0011】
第1実施形態に係る光伝送装置1は、
図1~
図3に示すように、パッケージ基板110と、第3コネクタ140と、4つの光モジュール群120Aと、クーリングプレート160と、4つの光モジュール群120Bと、第4コネクタ150とを有する。光モジュール群120Aは複数の光モジュール120からなり、光モジュール群120Bは複数の光モジュール120からなる。例えば、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120の数及び光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120の数は、いずれも8個である。つまり、光伝送装置1は、例えば64個の光モジュール120を含む。光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120は第1光モジュールの一例であり、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120は第2光モジュールの一例である。
【0012】
図4は、第1実施形態におけるパッケージ基板110を示す上面図である。パッケージ基板110は矩形状の平面形状を有する。パッケージ基板110は配線基板である。パッケージ基板110は上面114を有する。上面114の中心にスイッチ集積回路チップ(スイッチIC)113が実装されている。上面114には、複数の第1コネクタ111及び複数の第2コネクタ112が取り付けられている。第1コネクタ111の数は、4つの光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120の総数と等しく、第2コネクタ112の数は、4つの光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120の総数と等しい。第1コネクタ111及び第2コネクタ112は、パッケージ基板110を通じてスイッチIC113に接続されている。第1コネクタ111及び第2コネクタ112は、例えばメスコネクタである。複数の第1コネクタ111及び複数の第2コネクタ112は、上面114に垂直な平面視で、口の字型で、スイッチIC113を包囲する環状を構成するように配置されている。例えば、複数の第1コネクタ111及び複数の第2コネクタ112は8個ずつ4辺を構成するように配置されている。第2コネクタ112はスイッチIC113と第1コネクタ111との間に設けられている。上面114は第1面の一例である。
【0013】
図5は、クーリングプレート160を示す上面図である。クーリングプレート160は、スイッチICを冷却する第1冷却部161と、光モジュール120を冷却する第2冷却部162と、第1冷却部161と第2冷却部162とを連結する連結部163とを有する。第1冷却部161は矩形状の平面形状を有する。平面視で、第1冷却部161は第2コネクタ112の内側に位置する。第2冷却部162は、平面視で、口の字型で、第1冷却部161を包囲する環状の形状を有する。また、
図3に示すように、第2冷却部162は、上面114に平行な断面視でスイッチIC113に近づくほど上面114に近づくように傾斜した斜面164及び165を有する。斜面164は斜面165よりも上面114に近い。本実施形態では、斜面164及び165は互いに平行であり、上面114と斜面164とがなす角度θ2と、上面114と斜面165とがなす角度θ3とが等しい。角度θ2及びθ3は0°超90°未満であり、好ましくは10°以上80°以下である。斜面164は第2面の一例であり、斜面165は第3面の一例である。
【0014】
クーリングプレート160は、更に、第2冷却部162につながる流入口166及び流出口167を有する。流入口166から水等の冷媒が第2冷却部162に供給され、連結部163を通じて第1冷却部161に冷媒が供給される。また、第1冷却部161に供給された冷媒は連結部163及び第2冷却部162を通じて流出口167から排出される。
【0015】
図6は、光モジュール120を示す断面図である。光モジュール120は、本体121と、端子122とを有する。本体121は、互いに平行な平面123及び124を有する。端子122は平面123に設けられている。平面124がクーリングプレート160の第2冷却部162に接触する。
【0016】
図7は、第3コネクタ140を示す上面図である。
図8は、第3コネクタ140を示す下面図である。
図9は、第3コネクタ140を示す断面図である。第3コネクタ140は、基部141と、突出部142とを有する。基部141及び突出部142の材料は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、液晶ポリマー(LCP)等のエンジニアリングプラスチックである。基部141に、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120を収容する収容部143が形成されている。収容部143は、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120と同数形成されている。収容部143は斜面164と平行な斜面144を有する。斜面144は、上面114に平行な断面視でスイッチIC113に近づくほど上面114に近づくように傾斜する。突出部142は基部141から下方に突出する。第3コネクタ140は、斜面144に端子147を有し、突出部142の下面に端子148を有し、端子147と端子148とを接続する導電部材149を有する。収容部143に光モジュール120が収容されると、端子122が端子147に接続される。収容部143に収容された光モジュール120は第2冷却部162の斜面164に設けられる。端子148は第1コネクタ111の端子に接続される。端子148が設けられた突出部142は、第1コネクタ111に挿入されるオスコネクタとして機能する。斜面144は第4面の一例である。
【0017】
図10は、第4コネクタ150を示す上面図である。
図11は、第4コネクタ150を示す下面図である。
図12は、第4コネクタ150を示す断面図である。第4コネクタ150は、基部151と、突出部152とを有する。基部151及び突出部152の材料は、例えば、PPS、ポリアミド、PBT、LCP等のエンジニアリングプラスチックである。基部151に、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120を収容する収容部153が形成されている。収容部153は、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120と同数形成されている。収容部153は斜面165と平行な斜面154を有する。斜面154は、上面114に平行な断面視でスイッチIC113に近づくほど上面114に近づくように傾斜する。突出部152は基部151から下方に突出する。第4コネクタ150は、斜面154に端子157を有し、突出部152の下面に端子158を有し、端子157と端子158とを接続する導電部材159を有する。収容部153に光モジュール120が収容されると、端子122が端子157に接続される。収容部153に収容された光モジュール120は第2冷却部162の斜面165に設けられる。端子158は第2コネクタ112の端子に接続される。端子158が設けられた突出部152は、第2コネクタ112に挿入されるオスコネクタとして機能する。斜面154は第5面の一例である。
【0018】
ここで、第1実施形態に係る光伝送装置1の製造方法について説明する。
図13~
図15は、第1実施形態に係る光伝送装置1の製造方法を示す断面図である。
【0019】
まず、
図13に示すように、第1コネクタ111及び第2コネクタ112が取り付けられ、スイッチIC113が実装されたパッケージ基板110を準備する。また、第3コネクタ140の各収容部143に、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120を取り付ける。
【0020】
次いで、
図14に示すように、突出部142を第1コネクタ111に挿入する。この結果、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120がパッケージ基板110に実装される。その後、クーリングプレート160を準備する。
【0021】
続いて、
図15に示すように、第1冷却部161がスイッチIC113に接触し、第2冷却部162が光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120に接触するように、クーリングプレート160をパッケージ基板110に取り付ける。また、
図15に示すように、第4コネクタ150の各収容部153に、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120を取り付ける。
【0022】
次いで、突出部152を第2コネクタ112に挿入する。この結果、
図3に示すように、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120がパッケージ基板110に実装される。
【0023】
このようにして、第1実施形態に係る光伝送装置1を製造することができる。
【0024】
第1実施形態では、平面視で矩形状のパッケージ基板110の各辺に沿って光モジュール120が2列に並んで配置されている。すなわち、平面視で、4つの光モジュール群120Aに含まれる32個の光モジュール120が環状に配置され、これら32個の光モジュール120の内側に、4つの光モジュール群120Bに含まれる32個の光モジュール120が環状に配置されている。このため、光モジュール120の増加に伴うスイッチIC113と光モジュール120との間の距離の増加を抑制することができる。従って、パッケージ基板110に設けられた、スイッチIC113と光モジュール120との間の配線を短縮することができる。
【0025】
また、第1実施形態によれば、パッケージ基板110を小型化することもできる。
図16は、参考例に係る光伝送装置における光モジュールの配置を示す図である。
図16に示す参考例に係る光伝送装置では、平面視で矩形状のパッケージ基板110Xの各辺に沿って16個の光モジュール120が1列に配置されている。平面視での光モジュール120の長手方向の寸法が30mm、短手方向の寸法が14.3mmであるとすると、参考例では、パッケージ基板110Xの各辺の長さは最低で469mmとなる。これに対し、第1実施形態では、角度θ2及びθ3が30°であり、各辺に沿って8個ずつ2列の光モジュール120が配置されているとすると、パッケージ基板110の各辺の長さは最低で304mmとなる。このことから、第1実施形態によれば、参考例と比較して、パッケージ基板の面積を42%程度減少させることができる。
【0026】
本実施形態によれば、多数の光モジュール120がパッケージ基板110に実装されても、パッケージ基板110の大型化を抑制し、スイッチIC113と光モジュール120との間の距離の増加を抑制できる。従って、光モジュール120を高密度化させてバンド幅を向上することができる。
【0027】
更に、第3コネクタ340、クーリングプレート160及び第4コネクタ350が同心の四角錘台形状で重なり合う。このため、高い剛性を得ることができる。また、光伝送装置1の製造時には、自己整合的に位置合わせが行われるため、位置ずれを抑制して高い位置精度を得ることができる。従って、光モジュール120とクーリングプレート160との間に優れた密着性が得られ、優れた冷却性能が得られる。このため、光伝送装置1に高い信頼性を得ることができる。
【0028】
角度θ2及びθ3が大きいほど、パッケージ基板110を小型化できるが、その一方で、光伝送装置1の高さが大きくなる。パッケージ基板110のサイズ及び光伝送装置1の高さのバランスを考慮すると、角度θ2及びθ3は、より好ましくは40°以上50°以下である。また、光伝送装置1の高さの制約が強い場合は、角度θ2及びθ3は、より好ましくは10°以上30°以下である。
【0029】
なお、第3コネクタ140における端子147と端子148との接続にフレキシブル基板が用いられてもよい。
図17は、第3コネクタ140の他の例を示す断面図である。
図17に示すように、端子147及び148を含むフレキシブル基板149Aが用いられてもよい。図示を省略するが、フレキシブル基板149Aは、端子147と端子148とを接続する配線層を含む。同様に、第4コネクタ150における端子157と端子158との接続にフレキシブル基板が用いられてもよい。配線層は導電部材の一例である。
【0030】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主としてクーリングプレートの構成の点で第1実施形態と相違する。
図18は、第2実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
図19は、第2実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
図19は、
図18中のXIX-XIX線に沿った断面図に相当する。
【0031】
第2実施形態に係る光伝送装置2は、
図18及び
図19に示すように、クーリングプレート160に代えてクーリングプレート260を有する。クーリングプレート260は、第2冷却部162に代えて第2冷却部262を有する。第2冷却部262は、平面視で、口の字型で、第1冷却部161を包囲する環状の形状を有する。また、
図19に示すように、第2冷却部262は、上面114に平行な断面視でスイッチIC113に近づくほど上面114に近づくように傾斜した斜面164及び265を有する。斜面164は斜面265よりも上面114に近い。本実施形態では、上面114と斜面265とがなす角度θ3が、上面114と斜面164とがなす角度θ2よりも大きい。角度θ2及びθ3は0°超90°未満であり、好ましくは10°以上80°以下である。角度θ2及びθ3は、より好ましくは40°以上50°以下である。また、光伝送装置1の高さの制約が強い場合は、角度θ2及びθ3は、より好ましくは10°以上30°以下である。斜面265は第3面の一例である。
【0032】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0033】
第2実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態では、第1実施形態よりも第2冷却部162の容積を大きくできるため、光モジュール120をより冷却しやすくできる。
【0034】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、主として第3コネクタ及び第4コネクタの構成の点で第1実施形態と相違する。
図20は、第3実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
図21は、第3実施形態における第3コネクタ及び第4コネクタ等を示す下面図である。
図22は、第3実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
図23は、第3実施形態における第3コネクタを示す断面図である。
図22は、
図20中のXXII-XXII線に沿った断面図に相当する。
【0035】
第3実施形態に係る光伝送装置3は、
図20~
図23に示すように、第3コネクタ140に代えて第3コネクタ340を有し、第4コネクタ150に代えて第4コネクタ350を有する。
【0036】
第3コネクタ340は、基部341と、突出部342とを有する。基部341及び突出部342の材料は、例えば、PPS、ポリアミド、PBT、LCP等のエンジニアリングプラスチックである。突出部342は基部341から下方に突出する。第3コネクタ340は、端子347及び348を含むフレキシブル基板349Aを有する。端子347は光モジュール120の端子122に接続される。端子348は突出部342の下面に設けられ、第1コネクタ111の端子に接続される。図示を省略するが、フレキシブル基板349Aは、端子347と端子348とを接続する配線層を含む。端子348が設けられた突出部342は、第1コネクタ111に挿入されるオスコネクタとして機能する。配線層は導電部材の一例である。
【0037】
第4コネクタ350は、基部と、突出部352(
図24参照)と、フレキシブル基板とを有する。フレキシブル基板は、光モジュール120の端子122に接続される端子と、第2コネクタ112の端子に接続される端子358と、これらを接続する配線層とを有する。端子358は突出部352の下面に設けられている。端子358が設けられた突出部352は、第2コネクタ112に挿入されるオスコネクタとして機能する。配線層は導電部材の一例である。
【0038】
光伝送装置3は、サポートバー371と、ネジ372と、ネジ373と、ネジ375とを有する。サポートバー371は光モジュール群120Bに含まれる光モジュールをクーリングプレート160の斜面165の上に支持する。ネジ372はサポートバー371をクーリングプレート160に固定する。ネジ373は第4コネクタ350をサポートバー371に固定する。ネジ375は第3コネクタ340をクーリングプレート160に固定する。
【0039】
他の構成は第1実施形態と同様である。
【0040】
ここで、第3実施形態に係る光伝送装置3の製造方法について説明する。
図24は、第3実施形態に係る光伝送装置3の製造方法を示す断面図である。
【0041】
まず、
図24に示すように、第1コネクタ111及び第2コネクタ112が取り付けられ、スイッチIC113が実装されたパッケージ基板110を準備する。また、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120が第3コネクタ340を介して固定され、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120が第4コネクタ350を介して固定されたクーリングプレート160を準備する。
【0042】
次いで、第3コネクタ340の突出部342を端子348と共に第1コネクタ111に挿入し、第4コネクタ350の突出部352を端子358と共に第2コネクタ112に挿入する。この結果、
図22に示すように、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120と、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120とがパッケージ基板110に実装される。
【0043】
このようにして、第3実施形態に係る光伝送装置3を製造することができる。
【0044】
第3実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3実施形態によれば、簡素な構成の第3コネクタ340及び第4コネクタ350を用いることができる。
【0045】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、主として第3コネクタ及び第4コネクタの構成の点で第3実施形態と相違する。
図25は、第4実施形態に係る光伝送装置を示す上面図である。
図26は、第4実施形態に係る光伝送装置を示す断面図である。
図26は、
図25中のXXVI-XXVI線に沿った断面図に相当する。
図27は、第4実施形態におけるパッケージ基板を示す上面図である。
【0046】
第4実施形態に係る光伝送装置4は、
図25~
図27に示すように、第3コネクタ340及び第4コネクタ350に代えてコネクタ440を有する。コネクタ440は、第3コネクタ340と第4コネクタ350とが一体となった構成を有する。コネクタ440は、突出部342及び352に代えて、突出部442(
図28参照)を有する。突出部442は、突出部342と突出部352とが一体となった構成を有する。
【0047】
パッケージ基板110の上面114には、第1コネクタ111及び第2コネクタ112が一体となった構成を有する複数のコネクタ411が取り付けられている。コネクタ411の数は、4つの光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120の総数及び4つの光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120の総数と等しい。コネクタ411は、パッケージ基板110を通じてスイッチIC113に接続されている。コネクタ411は、例えばメスコネクタである。複数のコネクタ411は、上面114に垂直な平面視で、口の字型で、スイッチIC113を包囲する環状を構成するように配置されている。
【0048】
他の構成は第3実施形態と同様である。
【0049】
ここで、第4実施形態に係る光伝送装置4の製造方法について説明する。
図28は、第4実施形態に係る光伝送装置4の製造方法を示す断面図である。
【0050】
まず、
図28に示すように、コネクタ411が取り付けられ、スイッチIC113が実装されたパッケージ基板110を準備する。また、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120と、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120とがコネクタ440を介して固定されたクーリングプレート160を準備する。
【0051】
次いで、コネクタ440の突出部442を端子348及び358と共にコネクタ411に挿入する。この結果、
図26に示すように、光モジュール群120Aに含まれる光モジュール120と、光モジュール群120Bに含まれる光モジュール120とがパッケージ基板110に実装される。
【0052】
このようにして、第4実施形態に係る光伝送装置4を製造することができる。
【0053】
第4実施形態によっても第3実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第4実施形態によれば、コネクタの数の低減により接続信頼性を向上しやすい。
【0054】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0055】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0056】
(付記1)
第1面を有する配線基板と、
前記第1面に設けられたスイッチ集積回路チップと、
前記第1面に設けられ、前記配線基板を通じて前記スイッチ集積回路チップに接続された第1コネクタと、
前記第1面で前記スイッチ集積回路チップと前記第1コネクタとの間に設けられ、前記配線基板を通じて前記スイッチ集積回路チップに接続された第2コネクタと、
前記第1コネクタに電気的に接続された第1光モジュールと、
前記第2コネクタに電気的に接続された第2光モジュールと、
前記スイッチ集積回路チップを冷却する第1冷却部と、前記第1光モジュール及び前記第2光モジュールを冷却する第2冷却部と、を有するクーリングプレートと、
を有し、
前記第2冷却部は、前記第1面に平行な断面視で前記スイッチ集積回路チップに近づくほど前記第1面に近づくように傾斜した第2面及び第3面を有し、
前記第2面は前記第3面よりも前記第1面に近く、
前記第1光モジュールは前記第2面に設けられ、
前記第2光モジュールは前記第3面に設けられていることを特徴とする光伝送装置。
(付記2)
前記第1面と前記第2面との間に設けられ、前記第1コネクタに接続された第3コネクタを有し、
前記第3コネクタは、前記第1面に平行な断面視で前記スイッチ集積回路チップに近づくほど前記第1面に近づくように傾斜した第4面を有し、
前記第1光モジュールは前記第2面と前記第4面との間に設けられ、
前記第1光モジュールは、前記第3コネクタに接続され、前記第3コネクタを介して前記第1コネクタに電気的に接続されていることを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
(付記3)
前記第1面に垂直な平面視で、
前記第3コネクタは、前記スイッチ集積回路チップを包囲する環状の形状を有し、
複数の前記第1光モジュールが環状に前記第3コネクタに接続されていることを特徴とする付記2に記載の光伝送装置。
(付記4)
前記第3面の上に設けられ、前記第2コネクタに接続された第4コネクタを有し、
前記第4コネクタは、前記第1面に平行な断面視で前記スイッチ集積回路チップに近づくほど前記第1面に近づくように傾斜した第5面を有し、
前記第2光モジュールは前記第3面と前記第5面との間に設けられ、
前記第2光モジュールは、前記第4コネクタに接続され、前記第4コネクタを介して前記第2コネクタに電気的に接続されていることを特徴とする付記1又は2に記載の光伝送装置。
(付記5)
前記第1面に垂直な平面視で、
前記第4コネクタは、前記スイッチ集積回路チップを包囲する環状の形状を有し、
複数の前記第2光モジュールが環状に前記第4コネクタに接続されていることを特徴とする付記4に記載の光伝送装置。
(付記6)
前記第1面と前記第3面とがなす角度は、前記第1面と前記第2面とがなす角度よりも大きいことを特徴とする付記1又は2に記載の光伝送装置。
(付記7)
前記第1面と前記第2面とがなす角度は、10°以上80°以下であることを特徴とする付記1又は2に記載の光伝送装置。
(付記8)
前記第1面と前記第2面とがなす角度は、40°以上50°以下であることを特徴とする付記7に記載の光伝送装置。
(付記9)
前記第1面と前記第2面とがなす角度は、10°以上30°以下であることを特徴とする付記7に記載の光伝送装置。
(付記10)
前記第1コネクタと前記第2コネクタとが一体化されていることを特徴とする付記1又は2に記載の光伝送装置。
【符号の説明】
【0057】
1、2、3、4:光伝送装置
110:パッケージ基板
111:第1コネクタ
112:第2コネクタ
113:スイッチIC
114:上面
120:光モジュール
120A、120B:光モジュール群
140、340:第3コネクタ
141、341:基部
142、342:突出部
143:収容部
144:斜面
147、148、347、348:端子
149:導電部材
149A、349A:フレキシブル基板
150、350:第4コネクタ
151:基部
152、352:突出部
153:収容部
154:斜面
157、158、358:端子
159:導電部材
160、260:クーリングプレート
161:第1冷却部
162、262:第2冷却部
163:連結部
164、165、265:斜面
411、440:コネクタ
442:突出部