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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062600
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】制御回路、表示装置及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240501BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240501BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 621B
G09G3/20 641F
G09G3/20 612U
G09G3/20 670J
G09G3/20 670K
G09G3/20 641G
G02F1/133 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170552
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 充芳
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZD25
2H193ZD31
2H193ZF01
2H193ZF12
5C006AA12
5C006AA22
5C006AC27
5C006AC28
5C006AF13
5C006AF41
5C006AF42
5C006AF44
5C006AF45
5C006AF53
5C006AF71
5C006BB11
5C006BC03
5C006BC11
5C006BF01
5C006BF15
5C006BF22
5C006BF41
5C006EB05
5C006EC09
5C006FA34
5C006FA56
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD25
5C080DD29
5C080EE29
5C080JJ02
5C080JJ07
5C080KK07
5C080KK20
5C080KK23
5C080KK43
(57)【要約】
【課題】液晶表示における表示品質の低下を抑制すること。
【解決手段】本開示に係る制御回路は、受信部と、生成部と、選択部とを備える。前記受信部は、複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号が入力される。前記生成部は、前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成する。前記選択部は、前記複数のフレーム信号のうち、2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号が入力される受信部と、
前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成する生成部と、
前記複数のフレーム信号のうち、
2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、
他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する
選択部と
を備える制御回路。
【請求項2】
前記選択部は、前記映像信号に基づいて前記FRCパターンの周期を算出し、算出された前記FRCパターンの周期に基づいて前記駆動極性パターンを選択する、請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記受信部は、前記映像信号の前記FRCパターンの周期を受信し、
前記受信された前記FRCパターンの周期に基づいて前記駆動極性パターンを選択する、
請求項1に記載の制御回路。
【請求項4】
前記選択部は、前記FRCパターンのフレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、請求項2又は請求項3に記載の制御回路。
【請求項5】
前記選択部は、前記FRCパターンのフレーム周期より長いフレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、請求項2又は請求項3に記載の制御回路。
【請求項6】
前記選択部は、4フレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、請求項1に記載の制御回路。
【請求項7】
前記選択部は、16フレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、請求項1に記載の制御回路。
【請求項8】
複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号が入力される受信部と、
前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成する生成部と、
前記複数のフレーム信号のうち、
2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、
他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する
選択部と
を有する制御回路と、
前記制御回路からの前記制御信号に従い駆動される前記液晶表示パネルと
を備える表示装置。
【請求項9】
複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号の入力を受け付けることと、
前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成することと、
前記複数のフレーム信号のうち、
2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、
他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する
ことと
を含む表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御回路、表示装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示パネルにおいては、液晶の駆動電圧の極性をフレームごとに反転させる反転駆動処理により、液晶の劣化の抑制と残像の低減とを図る技術が知られている。例えば表示品質の低下を抑制するために、液晶の劣化の抑制や残像の低減には需要があり、さらなる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-228670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示が解決しようとする課題は、液晶表示における表示品質の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る制御回路は、受信部と、生成部と、選択部とを備える。前記受信部は、複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号が入力される。前記生成部は、前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成する。前記選択部は、前記複数のフレーム信号のうち、2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る透明ディスプレイ装置によれば、液晶表示における表示品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る制御回路が搭載された表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る表示制御における液晶反転駆動の一例について説明するための模式図である。
図4図4は、実施形態に係る表示制御における液晶反転駆動の一例について説明するための模式図である。
図5図5は、実施形態に係る制御回路において実行される表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る制御回路において実行されるデータ駆動極性選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る制御回路、表示装置及び表示制御方法の実施形態について説明する。
【0009】
なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、説明を適宜省略する場合もある。また、同一又は略同一の部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、既出の図において前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。
【0010】
図1は、実施形態に係る制御回路3が搭載された表示装置1の構成の一例を示すブロック図である。表示装置1は、液晶表示パネルの駆動極性を周期的に切り替える、反転駆動が可能であるように構成された液晶表示装置の一例である。表示装置1は、図1に示すように、制御回路3、電源回路5、ドライバ7及び液晶表示(Liquid Crystal Display:LCD)パネル9を有する。
【0011】
制御回路3は、LCDパネル9の駆動タイミングを制御する。制御回路3は、タイミングコントロール回路とも呼ばれる。制御回路3は、入力信号に応じて液晶反転駆動における極性反転位相を所定のフレーム数ごとに切り替える。換言すれば、制御回路3は、入力信号の各フレームについて、入力信号に応じた液晶反転駆動の駆動極性のパターンを選択する。制御回路3は、入力信号に基づく階調、かつ、選択された駆動極性パターンでLCDパネル9により映像を表示する。なお、本実施形態において駆動極性パターンとは、各フレームについて選択される、各ピクセルの駆動極性を示すパターンであるとする。また、本実施形態では、当該駆動極性パターンの複数のフレームに亘る時系列、すなわち反転駆動の位相を示すパターンを駆動極性パターン群と記載する場合もある。駆動極性パターン群は、反転駆動パターンと表現することもできる。
【0012】
図2は、実施形態に係る制御回路3の構成の一例を示すブロック図である。制御回路3は、図2に示すように、信号受信部31、フレームカウンタ33、データ駆動極性選択部35、データ信号生成部37及びタイミング制御信号生成部39を有する。
【0013】
ここで、信号受信部31は、受信部の一例である。また、データ駆動極性選択部35は、選択部の一例である。また、データ信号生成部37は、生成部の一例である。
【0014】
信号受信部31の入力端子は、表示装置1における外部との通信インタフェースに電気的に接続される。
【0015】
信号受信部31は、表示装置1の外部から、疑似的に高階調化する処理が施された信号を受け付ける。疑似的に高階調化された信号とは、ディザパターンを周期的に切り替え、FRC(Frame Rate Control)の手法により疑似的に多階調化する処理が施された映像信号である。本実施形態では、入力信号は、複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号であるとする。なお、本実施形態では、当該高階調化、あるいは多階調化の処理を、FRC処理と記載する場合もある。また、本実施形態においてディザパターンとは、FRC処理において疑似的な多階調化のために階調値を調整するピクセルの位置を示すパターンであるとする。また、FRC処理におけるディザパターンに沿って各ピクセルの階調値が規定された階調値のパターンを、FRCパターンと記載する場合もある。また、本実施形態では、当該FRCパターンの複数のフレームに亘る時系列を示すパターンをFRCパターン群と記載する場合もある。
【0016】
信号受信部31は、入力信号に含まれる複数のフレーム信号のそれぞれを取り出す。ここで、複数のフレーム信号のそれぞれは、入力信号の各フレームのRGB値を示す入力RGB信号である。信号受信部31は、取り出された各フレームの入力RGB信号を出力する。また、信号受信部31は、入力信号に含まれる複数のフレーム信号のそれぞれに基づくデータ・イネーブル(DE:Data Enable)信号、垂直同期(VSYNC:Vertical Synchronizing)信号及び水平同期(HSYNC:Horizontal Synchronizing)信号を取り出し、取り出されたDE信号、VSYNC信号及びHSYNC信号を出力する。
【0017】
なお、表示装置1が車両に搭載される場合、信号受信部31は、車両に搭載された他の装置からの情報を受信してもよい。当該他の装置は、例えばカーナビゲーション装置の映像出力回路であってもよいし、車載のDVDやBD等の再生装置であってもよいし、スマートフォン等の有線又は無線で映像出力可能に構成された電子機器であってもよい。
【0018】
フレームカウンタ33の入力端子は、信号受信部31のDE信号、VSYNC信号及びHSYNC信号を出力する出力端子に電気的に接続される。
【0019】
フレームカウンタ33は、DE信号、VSYNC信号及びHSYNC信号のうちの少なくとも1の信号を用いて入力信号に含まれるフレームをカウントする。フレームカウンタ33は、フレームのカウント値を出力する。
【0020】
データ駆動極性選択部35の一方の入力端子は、信号受信部31のDE信号、VSYNC信号及びHSYNC信号を出力する出力端子に電気的に接続される。データ駆動極性選択部35の他方の入力端子は、フレームカウンタ33の出力端子に電気的に接続される。データ駆動極性選択部35の出力端子は、制御回路3のRGBデータ出力信号を出力する出力端子に電気的に接続される。
【0021】
データ駆動極性選択部35は、入力信号に施されたFRC処理におけるディザパターンに応じた液晶反転駆動の駆動極性パターンを選択する。具体的には、データ駆動極性選択部35は、液晶反転駆動における極性反転の位相が所定のフレーム周期で切り替わるように、入力信号に含まれる複数のフレームそれぞれに対して、液晶反転駆動の駆動極性を選択する。駆動極性パターンを切り替える所定のフレーム周期は、例えば、予め定められて、レジスタなどのデータ駆動極性選択部35の内部メモリに格納されているとする。データ駆動極性選択部35は、選択された各フレームについての駆動極性パターンを出力する。液晶反転駆動の駆動極性の選択の詳細については、後述する。
【0022】
データ信号生成部37の一方の入力端子は、信号受信部31の入力RGB信号を出力する出力端子に電気的に接続される。データ信号生成部37の他方の入力端子は、データ駆動極性選択部35の出力端子に電気的に接続される。
【0023】
データ信号生成部37は、信号受信部31からの入力RGB信号と、データ駆動極性選択部35からの駆動極性パターンとに基づき、LCDパネル9の駆動を制御するためのRGBデータ出力信号を生成し、生成されたRGBデータ出力信号を出力する。RGBデータ出力信号は、入力信号に含まれる各フレームの入力RGB信号、すなわちLCDパネル9の複数のピクセルそれぞれについての階調を示す信号と、当該入力RGB信号がLCDパネル9で表示される際の各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む。ここで、RGBデータ出力信号は、制御信号の一例である。
【0024】
タイミング制御信号生成部39の入力端子は、信号受信部31のDE信号、VSYNC信号及びHSYNC信号を出力する出力端子に電気的に接続される。タイミング制御信号生成部39の出力端子は、制御回路3のデータドライバ制御信号を出力する出力端子及びスキャンドライバ制御信号を出力する出力端子のそれぞれに電気的に接続される。
【0025】
タイミング制御信号生成部39は、LCDパネル9の駆動タイミングを制御する。具体的には、タイミング制御信号生成部39は、信号受信部31からのDE信号及びVSYNC信号に基づき、ドライバ7の信号駆動回路を制御するデータドライバ制御信号を生成し、生成されたデータドライバ制御信号を出力する。信号駆動回路は、データドライバとも呼ばれる。また、タイミング制御信号生成部39は、信号受信部31からのDE信号及びHSYNC信号に基づき、ドライバ7の走査駆動回路を制御するスキャンドライバ制御信号を生成し、生成されたスキャンドライバ制御信号を出力する。操作駆動回路は、スキャンドライバとも呼ばれる。
【0026】
電源回路5は、車載バッテリや商用電源などの表示装置1の外部に設けられた外部電源、あるいは表示装置1に搭載されたバッテリからの電力を用いて電源電圧を生成する。電源回路5は、生成された電源電圧を制御回路3及びドライバ7のそれぞれに供給する。
【0027】
ドライバ7は、制御回路3の複数の出力端子のそれぞれに電気的に接続される。
【0028】
ドライバ7は、電源回路5からの電源電圧を用いて、制御回路3からのRGBデータ出力信号に従う階調及び駆動極性、かつ、データドライバ制御信号に従うタイミングでLCDパネル9の複数のデータラインのそれぞれを駆動する信号駆動回路を有する。信号駆動回路は、LCDパネル9の複数のデータラインのそれぞれに電気的に接続される。また、ドライバ7は、電源回路5からの電源電圧を用いて、制御回路3からのスキャンドライバ制御信号に従いLCDパネル9の複数の走査ラインのそれぞれを駆動する走査駆動回路を有する。走査駆動回路は、LCDパネル9の複数の走査ラインのそれぞれに電気的に接続される。
【0029】
LCDパネル9は、複数のピクセルを有し、ドライバ7の制御に従うタイミング、階調及び駆動極性で各ピクセルが動作することにより映像を表示する。
【0030】
ここで、本開示に係る表示制御における液晶反転駆動の一例について説明する。図3及び図4は、それぞれ実施形態に係る表示制御における液晶反転駆動の一例について説明するための模式図である。
【0031】
図3及び図4において、4×4の各マスは、それぞれR、G及びBの各画素を含み、LCDパネル9の複数のピクセルのうちの任意の16ピクセルを例示するものとする。また、図3及び図4の各マスの階調値又は駆動極性は、R、G及びBの各画素のいずれかを例示するものとする。また、以下の説明において、i(iは1から4の整数)行j(jは1から4の整数)列のマスを(i,j)と記載する場合もある。
【0032】
制御回路3の信号受信部31に入力される入力信号は、上述したように、ディザパターンを用いたFRC処理により多階調化が施された信号である。本実施形態では、図3に示すように、パターン1、パターン2、パターン3及びパターン4の4フレームごとのFRCパターン群41を含む入力信号を例示する。パターン1、パターン2、パターン3及びパターン4の各FRCパターンは、そのフレーム時点における複数のピクセルについての階調値のパターンを例示する。
【0033】
パターン1のFRCパターンは、(1,1)、(2,3)、(3,2)及び(4,4)のマスが254の階調値を有し、他のマスが255の階調値を有する。
【0034】
パターン2のFRCパターンは、(1,2)、(2,4)、(3,1)及び(4,3)のマスが254の階調値を有し、他のマスが255の階調値を有する。
【0035】
パターン3のFRCパターンは、(1,4)、(2,2)、(3,3)及び(4,1)のマスが254の階調値を有し、他のマスが255の階調値を有する。
【0036】
パターン4のFRCパターンは、(1,3)、(2,1)、(3,4)及び(4,2)のマスが254の階調値を有し、他のマスが255の階調値を有する。
【0037】
つまり各マスは、パターン1からパターン4の4パターンのうち、ある1つのパターンにおいては254の階調値を示し、他の3つのパターンにおいては255の階調値を示す。入力信号において、パターン1からパターン4の4フレームのFRCパターン群41が繰り返されることにより、各マスは254.75の階調値を示す。
【0038】
駆動極性パターンとしては、上述したように、FRCパターンに応じたパターンが選択される。本実施形態では、図3に示すように、パターンA及びパターンBから各フレームの駆動極性パターンが選択された駆動極性パターン群43を例示する。
【0039】
パターンAは、(1,1)、(1,3)、(2,2)、(2,4)、(3,1)、(3,3)、(4,2)及び(4,4)のマスが「+」の駆動極性で駆動され、他のマスが「-」の駆動極性で駆動されるドット反転駆動の駆動極性パターンを示す。
【0040】
パターンBは、各マスの駆動極性がパターンAとは反転されたドット反転駆動の駆動極性パターンを示す。
【0041】
例えば(1,1)のマスに対応するピクセルには、駆動極性「+」で階調値「254」に対応するデータ電圧値に応じた電荷が供給される。このため、図3及び図4に示すように、FRCパターン群41に対して駆動極性パターン群43を用いる場合、1~4フレームの4フレーム平均の直流(DC)成分は、各フレームでのFRCパターン及び駆動極性パターンの組合せにより、(1,1)、(1,2)、(2,1)、(2,2)、(3,3)、(3,4)、(4,3)及び(4,4)のマスが「-0.25」となり、他のマスが「+0.25」となる。
【0042】
まず、図4の上部に示すように、FRCパターン群41が繰り返されるFRCパターン群42に対して、駆動極性パターン群44を用いる場合を説明する。駆動極性パターン群44においては、駆動極性パターン群43が繰り返される。例えば、5~8フレームの4フレームにおいても駆動極性パターン群43が用いられる場合、言い換えると1~4フレーム目の反転駆動の位相「A→B→A→B」が保持された場合、すなわち各フレームでのFRCパターン及び駆動極性パターンの組合せが直前の4フレームの1~4フレームと同一である場合、4フレーム平均のDC成分も同一となる。したがって、FRCパターン群42に対して駆動極性パターン群44を用いる場合、1~8フレームの8フレーム平均のDC成分は、(1,1)、(1,2)、(2,1)、(2,2)、(3,3)、(3,4)、(4,3)及び(4,4)のマスが「-0.25」となり、他のマスが「+0.25」となる。
【0043】
このように、FRCパターン及び駆動極性パターンの組合せによりピクセルごとに「+」又は「-」のDC成分が発生したままの場合、液晶表示パネルにおいて残像が発生したり、液晶表示パネルが劣化したりするなど、液晶表示の表示品質が低下する可能性がある。
【0044】
そこで、本実施形態に係る表示装置1においては、FRCパターン及び駆動極性パターンの組合せにより発生するDC成分が相殺又は低減されるように、駆動極性パターン群を所定のフレーム周期で切り替える。具体的には、本実施形態に係る表示装置1においては、所定のフレーム周期で各ピクセルの駆動極性を反転させずに保持することにより、所定のフレーム周期で反転駆動の位相を反転させる。
【0045】
ここでは、図4の下部に示すように、FRCパターン群41が繰り返されるFRCパターン群42に対して、駆動極性パターン群46を用いる場合を説明する。駆動極性パターン群46は、駆動極性パターン群43と駆動極性パターン群45とを含み、所定のフレーム周期で駆動極性パターン群43が駆動極性パターン群45に切り替わる。図4は、所定のフレーム周期として、例えばFRCパターンの周期である4フレーム周期を用いる場合を例示する。制御回路3のデータ駆動極性選択部35は、5フレーム目の駆動極性パターンとして4フレーム目と同一の駆動極性パターンを選択する。つまり、データ駆動極性選択部35は、5~8フレームでは、1~4フレームの反転駆動の位相「A→B→A→B」を反転させ、位相「B→A→B→A」とする。ここで、1~4フレームの反転駆動の位相は駆動極性パターン群43に対応し、5~8フレームの反転駆動の位相は駆動極性パターン群45に対応する。これにより、駆動極性パターン群46を用いる場合の1~8フレームの8フレーム平均のDC成分は、階調値が変化しない場合には、図4に示すように各マスを「0」とすることができる。
【0046】
なお、本実施形態では、隣接するピクセルの駆動極性が互いに異なる駆動極性パターンを用いるドット反転駆動を行う場合を例示するが、これに限らない。反転駆動は、全ピクセルの駆動極性が同一の駆動極性パターンを用いるフレーム反転駆動であってもよいし、行ごとに駆動極性が異なる駆動極性パターンを用いる行ライン反転駆動であってもよいし、列ごとに駆動極性が異なる駆動極性パターンを用いる列ライン反転駆動であってもよい。また、反転駆動は、行ライン反転駆動又は列ライン反転駆動において、各行又は各列で所定数の列又は行ごとに駆動極性がさらに異なる駆動極性パターンを用いる行ジグザグ反転駆動又は列ジグザグ反転駆動であってもよい。
【0047】
なお、本実施形態では、例えば図3及び図4に示すように4×4ピクセルのディザパターンを4フレーム周期で変化させるFRCパターン群を例示するが、これに限らない。FRCパターン群は、2×2ピクセルのディザパターンを2フレーム周期で変化させるものなど、他のピクセル数ごと、他のフレーム周期ごとにディザパターン及び/又はFRCパターンを変化させるものであっても構わない。これらのFRCパターン群のフレーム周期が例えば予め定められてデータ駆動極性選択部35の内部メモリなどに格納されていればよい。
【0048】
次に、本開示に係る表示装置1の動作例について説明する。
【0049】
図5は、実施形態に係る制御回路3において実行される表示制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0050】
信号受信部31は、例えば表示装置1の外部からの入力信号を取得する(S101)。また、信号受信部31は、入力信号に含まれる複数のフレームについての入力RGB信号、DE信号、VSYNC信号及びHSYNC信号を取り出す。
【0051】
データ信号生成部37は、信号受信部31からの入力RGB信号に基づいて、LCDパネル9の各ピクセルに印加するデータ電圧値を決定する(S102)。
【0052】
データ駆動極性選択部35は、入力信号のFRCパターンに応じた液晶反転駆動の駆動極性パターンを選択するデータ駆動極性選択処理を行う(S103)。
【0053】
データ信号生成部37は、信号受信部31からの入力RGB信号と、データ駆動極性選択部35からの駆動極性パターンとに基づき、LCDパネル9の駆動を制御するためのRGBデータ出力信号を生成し、生成されたRGBデータ出力信号を出力する(S104)。
【0054】
図6は、実施形態に係る制御回路3において実行されるデータ駆動極性選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0055】
データ駆動極性選択部35は、駆動極性の初期値として、極性「High」を設定する(S201)。ここで、極性「High」は、例えば上述の駆動極性「+」に対応する。
【0056】
データ駆動極性選択部35は、偶数フレームであるとき(S202:No)、極性を反転させる(S203)。ここで、「極性を反転させる」とは、データ駆動極性選択部35が、直前に設定されたものと異なる駆動極性を選択することを意味する。例えば、S201において極性「High」が設定された場合、データ駆動極性選択部35は、S203では極性「Low」を設定する。極性「Low」は、例えば上述の駆動極性「-」に対応する。一方で、奇数フレームであるとき(S202:Yes)、図6の流れはステップS204へ進む。
【0057】
データ駆動極性選択部35は、奇数行であるとき(S204:No)、極性を反転させる(S205)。一方で、偶数行であるとき(S204:Yes)、図6の流れはステップS206へ進む。
【0058】
データ駆動極性選択部35は、奇数列であるとき(S206:No)、極性を反転させる(S205)。一方で、偶数列であるとき(S206:Yes)、図6の流れはステップS208へ進む。
【0059】
データ駆動極性選択部35は、所定のフレーム周期ではないとき(S208:No)、極性を反転させる(S209)。一方で、所定のフレーム周期であるとき(S208:Yes)、図6の流れはステップS210へ進む。
【0060】
一例として、データ駆動極性選択部35は、フレーム番号Fが(F mod8)>3を満たすとき、所定のフレーム周期ではないと判定し、各ピクセルの駆動極性を反転させる。つまり、データ駆動極性選択部35は、フレーム番号Fが(F mod8)>3を満たすとき、1つ前のフレームとは異なる駆動極性パターンを選択する。
【0061】
一例として、データ駆動極性選択部35は、フレーム番号Fが(F mod8)>3を満たさないとき、所定のフレーム周期であると判定し、各ピクセルの駆動極性を保持する。つまり、データ駆動極性選択部35は、フレーム番号Fが(F mod8)>3を満たさないとき、すなわち4フレーム周期で、1つ前のフレームと同一の駆動極性パターンを選択する。ここで、(F mod8)>3を満たさないフレーム番号Fは、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される入力信号に対する、(2M+1)フレーム目(M≧N、Mは正の整数)目のフレームの一例である。
【0062】
データ駆動極性選択部35は、S202~S209の各判定に基づき、データ駆動極性のパターンを選択する(S210)。その後、データ駆動極性選択処理は終了する。
【0063】
なお、本実施形態では、4フレーム周期のFRCパターン群に応じた4フレーム周期で駆動極性パターン群を切り替える場合を例示したが、これに限らない。
【0064】
一例として、駆動極性パターン群は、2フレーム周期のFRCパターン群に応じた2フレーム周期で切り替えることもできる。この場合、図6のS208の判定は、フレーム番号Fが(F mod4)>1を満たすか否かに基づいて行われればよい。
【0065】
一例として、駆動極性パターン群は、FRCパターン群のフレーム周期の所定数倍のフレーム周期で切り替えることもできる。つまり、駆動極性パターン群を切り替えるフレーム周期は、FRCパターン群のフレーム周期より長いフレーム周期であってもよい。所定数倍のフレーム周期としては、FRCパターンのフレーム周期の2倍、3倍、4倍、8倍、16倍など適宜設定可能である。これらの場合、図6のS208の判定は、反転を切り替えるフレーム周期Xに対して、フレーム番号Fが(F mod(2X))>(X-1)を満たすか否かに基づいて行われればよい。
【0066】
なお、本実施形態では、駆動極性パターン群を切り替える所定のフレーム周期が予め定められてデータ駆動極性選択部35の内部メモリに格納されている場合を例示したが、これに限らない。
【0067】
一例として、駆動極性パターン群を切り替える所定のフレーム周期は、映像信号に対して多階調化の処理を施す処理回路から供給され、信号受信部31により取得され、データ駆動極性選択部35の内部メモリにより保持されていてもよい。
【0068】
当該処理回路は、制御回路3の内部に設けられていてもよい。この場合、制御回路3に入力される入力信号は、FRC処理前の映像信号であり得る。
【0069】
あるいは、当該処理回路は、表示装置1において制御回路3の前段に設けられていてもよい。この場合、表示装置1に入力される入力信号は、FRC処理前の映像信号であり得る。
【0070】
あるいは、当該処理回路は、映像信号を出力する装置の内部に設けられている、あるいは映像信号を出力する装置の外部かつ後段に設けられているなど、表示装置1の外部に設けられていてもよい。
【0071】
一例として、駆動極性パターン群を切り替える所定のフレーム周期は、制御回路3への入力信号からFRCパターンの周期性を演算により検出することにより決定されてもよい。例えば、データ駆動極性選択部35は、入力信号に基づいてFRCパターンの周期を算出し、算出した周期に基づいて駆動極性パターンを選択する。なお、所定のフレーム周期の検出は、制御回路3の内部で行われる場合に限らず、表示装置1において制御回路3の前段で行われてもよいし、映像信号を出力する装置の内部又は後段など、表示装置1の外部で行われてもよい。制御回路3の外部でFRCパターンの周期が算出される場合には、当該周期は、信号受信部31により取得され得る。
【0072】
なお、本実施形態では、駆動極性パターン群を切り替える所定のフレーム周期、すなわち位相反転の周期が所定の値に固定されている場合を例示したが、これに限らない。一例として、起動時に上述の実施形態のようにして位相反転の周期の初期設定を行い、例えば入力信号源が切り替えられた際、あるいは外部から指示コマンドが与えられた際、入力される映像信号のディザパターン周期性の変更が検出された際など、適宜に位相反転の周期を最適値に変更することも可能である。
【0073】
以上説明したように、実施形態に係る制御回路3は、LCDパネル9の駆動タイミングを制御する。制御回路3は、入力信号に応じてLCDパネル9の液晶反転駆動における極性反転位相を所定のフレーム数ごとに切り替える。
【0074】
従来、液晶の劣化の抑制や残像の低減のために、液晶の駆動電圧の極性をフレームごとに反転させる、反転駆動処理が知られている。また、液晶表示においては、ディザパターンを用いたFRC処理のように、疑似的な多階調化処理が知られている。
【0075】
しかしながら、多階調化処理の結果、画素の輝度がフレームごとに異なる場合がある。また、多階調化処理を反転駆動処理と組み合わせた場合、図3及び図4を用いて上述したように、各画素の極性の偏りを解消しきれない場合がある。
【0076】
多階調化処理及び反転駆動処理の組合せに起因する各画素の極性の偏りについて、FRC処理の制御によって解消するのは難しい場合もある。例えば高階調化処理を行う信号源が、信号源からの信号を受け取って表示する表示装置の外部に設けられているなど、信号源を制御できない状況では、FRC処理の制御によって各画素の極性の偏りを解消するのは困難である。
【0077】
一方、本実施形態に係る表示装置1においては、制御回路3が液晶反転駆動における極性反転位相を制御することにより、多階調化処理及び反転駆動処理の組合せに起因する各画素の極性の偏りの解消を図っている。このため、本実施形態に係る制御回路3及び制御回路3を搭載する表示装置1によれば、信号源に対する制御なく各画素の極性の偏りの解消を図ることができる。
【0078】
したがって、本実施形態に係る技術によれば、多階調化処理及び反転駆動処理の組合せに起因する各画素の極性の偏りを低減することができるため、液晶表示における表示品質の低下を抑制することができる。また、本実施形態に係る技術は、例えば複数の信号源から受け取った信号に基づいて映像を表示するような場合においても有用である。
【0079】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、液晶表示における表示品質の低下を抑制することができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0081】
また、上述の各実施形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」又は「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0082】
上述の各実施形態では、制御回路3、信号受信部31、フレームカウンタ33、データ駆動極性選択部35、データ信号生成部37、タイミング制御信号生成部39及びドライバ7のそれぞれについて、ハードウェアを用いて構成する場合を例として説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0083】
例えば、制御回路3、信号受信部31、フレームカウンタ33、データ駆動極性選択部35、データ信号生成部37、タイミング制御信号生成部39及びドライバ7のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)等のメモリとを有し、メモリにロードされた制御プログラムをプロセッサが実行することにより、上述の制御を実現してもよい。この場合、当該制御プログラムは、例えばROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供されてもよい。また、当該制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、当該制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、当該制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0084】
また、上述の各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力端子と出力端子を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0085】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサおよびメモリを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
【0086】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0087】
なお、制御回路3、信号受信部31、フレームカウンタ33、データ駆動極性選択部35、データ信号生成部37、タイミング制御信号生成部39及びドライバ7のそれぞれは、1の回路により実現されてもよいし、複数の回路の協働により実現されてもよい。また、信号受信部31、フレームカウンタ33、データ駆動極性選択部35、データ信号生成部37、タイミング制御信号生成部39及びドライバ7のうちの少なくとも2が1の回路により実現されてもよい。
【0088】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
(技術1)
複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号が入力される受信部と、
前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成する生成部と、
前記複数のフレーム信号のうち、
2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、
他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する
選択部と
を備える制御回路。
(技術2)
前記選択部は、前記映像信号に基づいて前記FRCパターンの周期を算出し、算出された前記FRCパターンの周期に基づいて前記駆動極性パターンを選択する、上記技術1に記載の制御回路。
(技術3)
前記受信部は、前記映像信号の前記FRCパターンの周期を受信し、
前記受信された前記FRCパターンの周期に基づいて前記駆動極性パターンを選択する、
上記技術1に記載の制御回路。
(技術4)
前記選択部は、前記FRCパターンのフレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、上記技術2又は上記技術3に記載の制御回路。
(技術5)
前記選択部は、前記FRCパターンのフレーム周期より長いフレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、上記技術2又は上記技術3に記載の制御回路。
(技術6)
前記選択部は、4フレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、上記技術1に記載の制御回路。
(技術7)
前記選択部は、16フレーム周期で、1つ前のフレーム信号と同一の前記駆動極性パターンを選択する、上記技術1に記載の制御回路。
(技術8)
上記技術1から上記技術7のうちのいずれか1に記載の制御回路と、
前記制御回路からの前記制御信号に従い駆動される前記液晶表示パネルと
を備える表示装置。
(技術9)
複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号が入力される受信部と、
前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成する生成部と、
前記複数のフレーム信号のうち、
2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、
他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する
選択部と
を有する制御回路と、
前記制御回路からの前記制御信号に従い駆動される前記液晶表示パネルと
を備える表示装置。
(技術10)
複数のフレーム信号を含み、かつ、2N個(Nは正の整数)のFRCパターンが2Nフレーム期間周期で繰り返される映像信号の入力を受け付けることと、
前記複数のフレーム信号のそれぞれと、当該フレーム信号が表示される際の液晶表示パネルの各ピクセルについての駆動極性を示す駆動極性パターンとを含む、前記液晶表示パネルの駆動を制御するための制御信号を生成することと、
前記複数のフレーム信号のうち、
2Mフレーム目(M≧N、Mは正の整数)及び(2M+1)フレーム目の前記フレーム信号に対して、同一の前記駆動極性パターンを選択し、
他の前記フレーム信号に対して、1つ前のフレーム信号とは異なる前記駆動極性パターンを第1パターン及び第2パターンから選択する
ことと
を含む表示制御方法。
【符号の説明】
【0089】
1 表示装置
3 制御回路
31 信号受信部
33 フレームカウンタ
35 データ駆動極性選択部
37 データ信号生成部
39 タイミング制御信号生成部
5 電源回路
7 ドライバ
9 LCDパネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6