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特開2024-62605制御装置、検査方法、および対基板作業機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062605
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】制御装置、検査方法、および対基板作業機
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20240501BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170561
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】小林 貴紘
(72)【発明者】
【氏名】横井 勇太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幹也
(72)【発明者】
【氏名】西田 賢志郎
(72)【発明者】
【氏名】武内 友孝
【テーマコード(参考)】
3C707
5E353
【Fターム(参考)】
3C707AS14
3C707BS03
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT01
3C707FU01
3C707HS27
3C707KS08
3C707KT01
3C707KT06
3C707KT18
3C707LV15
3C707MT04
3C707NS17
5E353CC01
5E353CC04
5E353EE02
5E353EE23
5E353EE32
5E353EE51
5E353GG02
5E353HH12
5E353HH13
5E353HH26
5E353HH30
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353JJ52
5E353KK02
5E353KK03
5E353KK11
5E353LL03
5E353QQ01
5E353QQ22
(57)【要約】
【課題】部品保持具の検査作業を適切に行うことを課題とする。
【解決手段】
部品を保持する部品保持具の検査作業を行うか否かを、部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断する判断部と、判断部により部品保持具の検査作業を行うと判断された場合に、部品保持具の検査作業の実行指令を出力する出力部とを備える制御装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を保持する部品保持具の検査作業を行うか否かを、前記部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断する判断部と、
前記判断部により前記部品保持具の検査作業を行うと判断された場合に、前記部品保持具の検査作業の実行指令を出力する出力部と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記部品保持具の検査作業は、前記部品保持具の撮像データに基づいて前記部品保持具を検査する作業である請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記判断部は、
前記保持予定部品の価格が閾値以上である場合に、前記保持予定部品が特定部品であるとして、前記部品保持具の検査作業を行うと判断する請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記判断部は、
前記保持予定部品が特定部品であるか否かを示す情報と当該保持予定部品の識別情報とを含む部品情報と、当該保持予定部品を供給する供給装置の識別情報を含む供給装置情報とを関連付けて記憶する記憶装置から前記保持予定部品が特定部品であるか否かを示す情報を取得して、取得した情報に基づいて、前記部品保持具の検査作業を行うか否かを判断する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
部品を保持する部品保持具の検査作業を行うか否かを、前記部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断する判断工程を含み、
前記判断工程において前記部品保持具の検査作業を行うと判断された場合に、前記部品保持具の検査作業を実行する部品保持具の検査方法。
【請求項6】
部品を保持する部品保持具を有する装着ヘッドと、
前記部品保持具を検査する検査装置と、
前記装着ヘッドと前記検査装置との作動を制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置が、
前記部品保持具の検査作業を行うか否かを、前記部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断して、前記部品保持具の検査作業を行うと判断した場合に、前記部品保持具の検査作業を前記検査装置により実行し、前記部品保持具の検査作業を行わないと判断した場合に、前記装着ヘッドによる部品の装着作業を実行する対基板作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品保持具の検査作業を行うための制御装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、部品保持具の検査作業に関する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002-280798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品保持具の検査作業を適切に行うことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本明細書は、部品を保持する部品保持具の検査作業を行うか否かを、前記部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断する判断部と、前記判断部により前記部品保持具の検査作業を行うと判断された場合に、前記部品保持具の検査作業の実行指令を出力する出力部とを備える制御装置を開示する。
【0006】
また、本明細書は、部品を保持する部品保持具の検査作業を行うか否かを、前記部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断する判断工程を含み、前記判断工程において前記部品保持具の検査作業を行うと判断された場合に、前記部品保持具の検査作業を実行する部品保持具の検査方法を開示する。
【0007】
また、本明細書は、部品を保持する部品保持具を有する装着ヘッドと、前記部品保持具を検査する検査装置と、前記装着ヘッドと前記検査装置との作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置が、前記部品保持具の検査作業を行うか否かを、前記部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断して、前記部品保持具の検査作業を行うと判断した場合に、前記部品保持具の検査作業を前記検査装置により実行し、前記部品保持具の検査作業を行わないと判断した場合に、前記装着ヘッドによる部品の装着作業を実行する対基板作業機を開示する。
【発明の効果】
【0008】
本開示では、部品を保持する部品保持具の検査作業を行うか否かを、部品保持具により保持される予定の部品である保持予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断される。これにより、特定部品が部品保持具に保持される前に、部品保持具の検査作業を行うことが可能となり、部品保持具の検査作業を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電子部品装着装置を示す斜視図である。
図2】テープフィーダを示す斜視図である。
図3】制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0011】
図1に、電子部品装着装置10を示す。電子部品装着装置10は、装着機本体20、搬送装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す)24、装着ヘッド26、マークカメラ27、パーツカメラ28、供給装置29、制御装置(図3参照)30を備えている。装着機本体20は、フレーム32と、そのフレーム32に上架されたビーム34とによって構成されている。
【0012】
搬送装置22は、2つのコンベア装置40,42を備えている。それら2つのコンベア装置40,42は、互いに平行、かつ、所定の方向に延びるようにフレーム32に配設されている。なお、コンベア装置40,42の延びる方向を、X軸方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY軸方向と称する。それら2つのコンベア装置40,42の各々は、電磁モータ(図3参照)46によって各コンベア装置40,42に支持される回路基板をX軸方向に搬送する。また、回路基板は、所定の位置において、基板保持装置(図3参照)48によって保持される。
【0013】
移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ50をX軸方向にスライドさせる電磁モータ(図3参照)52と、Y軸方向にスライドさせる電磁モータ(図3参照)54とを備えている。スライダ50には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータ52,54の作動によって、フレーム32上の任意の位置に移動する。
【0014】
装着ヘッド26は、回路基板に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26は、下端面に設けられた吸着ノズル60を有している。吸着ノズル60は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図3参照)62に通じている。吸着ノズル60は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。また、装着ヘッド26は、吸着ノズル60を昇降させるノズル昇降装置(図3参照)64を有している。そのノズル昇降装置64によって、装着ヘッド26は、保持する電子部品の上下方向の位置を変更する。
【0015】
マークカメラ27は、下方を向いた状態でスライダ50に取り付けられており、装着ヘッド26とともに、X軸方向及びY軸方向に移動する。これにより、マークカメラ27は、フレーム32上の任意の位置を撮像する。パーツカメラ28は、フレーム32上の搬送装置22と供給装置29との間に、上方を向いた状態で配設されている。これにより、パーツカメラ28は、装着ヘッド26の吸着ノズル60に保持された部品を撮像する。
【0016】
供給装置29は、フレーム32の前方側の端部に配設されており、複数のテープフィーダ70を有している。各テープフィーダ70は、図2に示すように、リール72と送出装置74と剥離装置76とを有しており、上面の端部において、電子部品を供給する。詳しくは、リール72には、テープ化部品78が巻回されており、テープ化部品78が巻回されたリール72が、リール収納部79に収納されている。そして、リール収納部79に収納されたリール72からテープ化部品78が、テープガイド80上に引き出されている。テープ化部品78は、電子部品がテーピングされたものであり、所定ピッチで送り穴(図示省略)が形成されている。その送り穴には、送出装置74のスプロケット82が噛合している。そして、スプロケット82は、電磁モータ84により回転する。このような構造により、テープ化部品78は、供給位置に向かって送り出される。
【0017】
また、剥離装置76は、フィルム剥離機構86とギア機構88とを有している。フィルム剥離機構86は、テープ化部品78からトップフィルム90を剥離するための機構であり、テープフィーダ70の上面端部に形成された開口92の手前に配設されている。ギア機構88は、テープ化部品78から剥離されたトップフィルム90を、フィルム回収部94内に引っ張り込む機構である。このような構造により、テープ化部品78からトップフ
ィルム90が剥離されることで、テープ化部品78に収容されている電子部品が、開口92において露出し、その露出した電子部品が、装着ヘッド26の吸着ノズル60によって吸着保持される。つまり、開口92が、テープフィーダ70の電子部品供給位置となっている。また、開口92のテープ化部品78の送り出し方向の側面には、下方に向かうように、テープ案内通路96が形成されている。このテープ案内通路96を通って、テープ化部品78から電子部品が取り出された廃棄テープ98が排出される。なお、リール72には、そのリール72に巻回されているテープ化部品78の電子部品の部品IDを示すバーコード100が貼付されており、テープフィーダ70には、そのテープフィーダ70のフィーダIDを示すバーコード102が貼付されている。また、テープフィーダ70はメモリ104を有しており、そのメモリ104にフィーダIDが記憶されている。
【0018】
また、テープフィーダ70のテープ化部品78の送り出し方向の側面には、コネクタ106が配設されている。一方、図1に示すように、フレーム32の前方側の端部にテープフィーダ装着台110が配設されている。テープフィーダ装着台110は、フレーム32に対して垂直方向に立設された立設面112と、立設面112の下端から突出する突出面114とから構成されている。突出面114にはY方向に延びるように複数のスライド溝116が形成されており、立設面112には、複数のスライド溝116の各々に対応してコネクタ接続部118が設けられている。そして、テープフィーダ70の下端をスライド溝116に嵌め込んで、テープフィーダ70のコネクタ106がコネクタ接続部118に接続される。これにより、テープフィーダ70が、テープフィーダ装着台110に位置決めされた状態で装着されて、電気的に接続される。
【0019】
また、制御装置30は、図3に示すように、コントローラ130と、複数の駆動回路131と、画像処理装置132と、制御回路133と、メモリ134とを備えている。複数の駆動回路131は、電磁モータ46,52,54,84、基板保持装置48、正負圧供給装置62に接続されている。コントローラ130は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路131に接続されている。これにより、搬送装置22、移動装置24等の作動が、コントローラ130によって制御される。また、コントローラ130は、画像処理装置132に接続されている。画像処理装置132は、マークカメラ27およびパーツカメラ28によって得られた画像データを処理するものであり、コントローラ130は、それら画像データから各種情報を取得する。また、コントローラ130は、制御回路133を介して表示装置136に接続されている。これにより、コントローラ130は、任意の画像を表示装置136に表示する。さらに、コントローラ130は、メモリ134にも接続されている。これにより、コントローラ130は、各種情報をメモリ134に記憶したり、メモリ134から各種情報を取得する。また、メモリ134は、情報管理装置150に接続されている。情報管理装置150は、電子部品装着装置10により装着作業が実行される際に必要な情報を管理しており、その情報が情報管理装置150から制御装置30のメモリ134に出力されることで、装着作業に必要な情報がメモリ134に記憶される。
【0020】
電子部品装着装置10では、上述した構成によって、搬送装置22に保持された回路基板に対して、装着ヘッド26によって装着作業が実行される。具体的には、コントローラ130の指令により、回路基板が作業位置まで搬送され、その位置において、回路基板が、基板保持装置48によって固定的に保持される。次に、マークカメラ27が、コントローラ130の指令により、回路基板の上方に移動し、回路基板を撮像する。この際、撮像データに基づいて、回路基板の保持位置等に関する情報が演算される。また、テープフィーダ70は、コントローラ130の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド26が、コントローラ130の指令により、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル60によって電子部品を吸着保持する。次に、装着ヘッド26が、コントローラ130の指令により、パーツカメラ28の上方
に移動し、吸着ノズル60に保持されている電子部品を撮像する。この際、撮像データに基づいて電子部品の保持姿勢等に関する情報が演算される。そして、装着ヘッド26が、コントローラ130の指令により、回路基板の上方に移動し、電子部品を回路基板に装着する。この際、吸着ノズル60に保持されている電子部品の向き,姿勢等が、回路基板の保持位置,電子部品の保持姿勢等に基づいて補正されて、電子部品が回路基板に装着される。
【0021】
このように、電子部品装着装置10では、テープフィーダ70から供給された電子部品が吸着ノズル60により保持されて回路基板に装着される。このため、吸着ノズル60に異物,はんだ等が付着していたり、吸着ノズル60に欠け等の破損が生じている場合には、吸着ノズル60による電子部品の保持が不安定となる場合がある。このような場合には、吸着ノズル60による電子部品の保持ミス,画像処理後の電子部品の姿勢ズレ等が発生し、無駄な部品廃棄,不良基板の生産等に繋がり生産性が低下する。このため、パーツカメラ28による吸着ノズル60の検査作業が実行される。詳しくは、吸着ノズル60により電子部品が保持される前に、装着ヘッド26がパーツカメラ28の上方に移動し、電子部品を保持していない状態の吸着ノズル60がパーツカメラ28により撮像される。この際、吸着ノズル60の電子部品を保持するノズルの先端が下方からの視点においてパーツカメラ28により撮像される。このため、画像処理により撮像データに基づいて吸着ノズル60のノズル先端への異物等の付着の有無,ノズル先端の破損の有無等が検査される。そして、吸着ノズル60のノズル先端に異物等が付着しておらず、ノズル先端に破損等が無い場合に、吸着ノズル60は正常であると判断される。一方、吸着ノズル60のノズル先端に異物等が付着していたり、ノズル先端に破損等がある場合に、吸着ノズル60は異常であると判断される。そして、吸着ノズル60が正常であると判断された場合に、その吸着ノズル60による電子部品の保持作業が実行される。一方、吸着ノズル60が異常であると判断された場合に、表示装置136にエラー画面が表示される。これにより、吸着ノズル60による電子部品の保持ミス等に起因する生産性の低下を防止することができる。
【0022】
しかしながら、吸着ノズル60が電子部品を保持する前に、毎回、吸着ノズル60の検査作業が実行されることが理想的であるが、パーツカメラ28による撮像,画像処理に所定の時間を要するため、検査頻度が高すぎると、スループットが低下する。このようなことに鑑みて、吸着ノズル60により保持される予定の部品(以下、「保持予定部品」と記載する)の価格に基づいて吸着ノズル60の検査作業を行うか否かが判断される。この際、電子部品装着装置10の装着作業で用いられる情報を利用して吸着ノズル60の検査作業を行うか否かが判断される。
【0023】
詳しくは、電子部品装着装置10で装着作業が実行される前に、作業者が、装着作業で回路基板に装着予定の部品をテープフィーダ70にセットする。つまり、作業者は、装着予定の部品のテープ化部品78が巻回されているリール72をテープフィーダ70のリール収納部79にセットする。この際、作業者は、リール72に貼付されているバーコード100と、テープフィーダ70に貼付されているバーコード102とをバーコードリーダにより読み取る。そのバーコードリーダは情報管理装置150に繋がれており、バーコード100が示す部品IDと、バーコード102が示すフィーダIDとが情報管理装置150に入力される。なお、情報管理装置150には、予め電子部品の部品情報とテープフィーダのフィーダ情報とが登録されている。部品情報には、電子部品の部品ID,部品名,部品数,ベンダー,価格が含まれている。一方、フィーダ情報には、テープフィーダのフィーダIDが含まれている。このため、情報管理装置150は、バーコード100が示す部品IDとバーコード102が示すフィーダIDとが入力されると、入力された部品IDを含む部品情報と、入力されたフィーダIDを含むフィーダ情報とを関連情報として関連付けて記憶する。また、情報管理装置150は、関連情報を制御装置30のメモリ134
に送信する。
【0024】
また、作業者は、装着予定の部品のテープ化部品78が巻回されているリール72をテープフィーダ70のリール収納部79にセットすると、そのテープフィーダ70を電子部品装着装置10のテープフィーダ装着台110に装着する。この際、テープフィーダ70のコネクタ106がテープフィーダ装着台110のコネクタ接続部118に接続され、テープフィーダ70は、メモリ104に記憶されているフィーダIDを電子部品装着装置10の制御装置30に送信する。これにより、制御装置30は、テープフィーダ装着台110でのテープフィーダ70の装着位置を認識する。また、制御装置30は、メモリ134に記憶されている関連情報を参照して、テープフィーダ装着台110に装着されているテープフィーダ70から供給可能な電子部品の種類を特定する。つまり、テープフィーダ装着台110に装着されているテープフィーダ70のフィーダIDと一致するフィーダIDを含むフィーダ情報と関連付けられている部品情報を、関連情報に基づいて特定する。そして、特定した部品情報に含まれる部品IDに基づいて部品の種類を特定する。これにより、制御装置30は、テープフィーダ装着台110に装着されているテープフィーダ70から供給可能な電子部品の種類を認識する。このように、制御装置30は、テープフィーダ装着台110に装着されているテープフィーダ毎に供給可能な電子部品の種類を認識することで、電子部品装着装置10での装着作業を実行する。
【0025】
また、制御装置30は、メモリ134に記憶されている関連情報を利用して、吸着ノズル60の検査作業を行うか否かを判断する。詳しくは、制御装置30は、装着予定部品の装着作業を実行する際に、装着ヘッド26に装着予定部品の保持指令を出力するが、その装着予定部品の保持指示を出力する前に、装着予定部品の部品情報から装着予定部品の価格を特定する。つまり、制御装置30は、装着予定部品の部品IDと同じ部品IDを含む部品情報を、メモリ134に記憶されている関連情報のなかから特定する。そして、制御装置30は、特定した部品情報に含まれる部品の価格を特定する。次に制御装置30は、特定した部品の価格、つまり、装着予定部品の価格が閾値以上であるか否かを判断する。なお、閾値として予め所定の値がメモリ134に登録されている。
【0026】
そして、制御装置30は、装着予定部品の価格が閾値以上である場合に、吸着ノズル60の検査作業を行うと判断する。つまり、制御装置30は、装着予定部品の価格が閾値以上である場合に、装着予定部品が価格の高い特定の部品であるとして、吸着ノズル60の検査作業を行うと判断する。そして、制御装置30は、吸着ノズル60の検査作業を行うと判断すると、吸着ノズル60の検査作業の実行指令を電子部品装着装置10に出力する。つまり、制御装置30は、装着ヘッド26をパーツカメラ28の上方に移動させる旨の指令を移動装置24に出力するとともに、装着ヘッド26がパーツカメラ28の上方に移動した後に吸着ノズル60を撮像する旨の指令をパーツカメラ28に出力する。そして、制御装置30は、撮像データに基づいて画像処理を行って、吸着ノズル60のノズル先端への異物等の付着の有無,ノズル先端の破損の有無等を検査する。
【0027】
一方、制御装置30は、装着予定部品の価格が閾値未満である場合に、吸着ノズル60の検査作業を行わないと判断する。つまり、制御装置30は、装着予定部品の価格が閾値未満である場合に、装着予定部品が価格の高い特定の部品でないとして、吸着ノズル60の検査作業を行わないと判断する。そして、制御装置30は、吸着ノズル60の検査作業を行わないと判断すると、装着予定部品の保持作業の実行指令を電子部品装着装置10に出力する。つまり、制御装置30は、装着ヘッド26をテープフィーダ70の供給位置の上方に移動させる旨の指令を移動装置24に出力するとともに、装着ヘッド26がテープフィーダ70の供給位置の上方に移動した後に吸着ノズル60により電子部品を保持する旨の指令を装着ヘッド26に出力する。
【0028】
このように、電子部品装着装置10では、装着予定部品が価格の高い特定部品である場合に、吸着ノズル60の検査作業が実行され、装着予定部品が価格の高い特定部品でない場合に、吸着ノズル60の検査作業は実行されず、装着予定部品の吸着ノズル60による保持作業が実行される。これにより、吸着ノズル60の検査作業の実行頻度を少なくすることで、スループットの低下を防止するとともに、価格の高い部品の保持作業の前に吸着ノズル60の検査作業を行うことで、高価な部品の廃棄等を防止することが可能となる。
【0029】
なお、制御装置30のコントローラ130は、図3に示すように、判断部160と出力部162とを有している。判断部160は、装着予定部品が価格の高い特定部品であるか否かに基づいて吸着ノズル60の検査作業を行うか否かを判断するための機能部である。出力部162は、吸着ノズル60の検査作業を行うと判断された場合に、検査作業の実行指令を出力するための機能部である。
【0030】
また、上記実施例では、部品情報に含まれる部品の価格を利用して、装着予定部品の価格が閾値以上である場合に、装着予定部品が価格の高い特定部品であるとして、吸着ノズル60の検査作業を行うと判断される。一方で、第2の実施例として、部品情報に特定部品を示す情報が含まれており、その特定部品を示す情報を利用して、装着予定部品が価格の高い特定部品であるか否かに基づいて、吸着ノズル60の検査作業を行うか否かが判断されてもよい。詳しくは、部品情報として、価格の高い部品の部品IDが特定部品情報として登録される。例えば、特定部品情報として部品ID:aaa、bbbが登録される。そして、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致するか否かが判断される。つまり、例えば、装着予定部品の部品IDがaacである場合には、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致しないと判断される。そして、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致しない場合に、吸着ノズル60の検査作業を実行しないと判断される。一方、例えば、装着予定部品の部品IDがaaaである場合には、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致すると判断される。そして、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致する場合に、吸着ノズル60の検査作業を実行すると判断される。このように、特定部品情報に基づいて装着予定部品が特定部品か否かが判断され、その判断結果に基づいて吸着ノズル60の検査作業を実行するか否かが判断されてもよい。
【0031】
また、第2の実施例では、特定部品情報として価格の高い部品の部品IDが登録されているが、第3の実施例として、予備部品数の数が少ない部品の部品IDが登録されていてもよい。例えば、予備部品数の少ない部品ID:ccc、dddが特定部品情報として登録される。そして、例えば、装着予定部品の部品IDがccbである場合には、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致しないと判断される。そして、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致しない場合に、吸着ノズル60の検査作業を実行しないと判断される。一方、例えば、装着予定部品の部品IDがcccである場合には、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致すると判断される。そして、装着予定部品の部品IDが特定部品情報と一致する場合に、吸着ノズル60の検査作業を実行すると判断される。このように、特定部品情報として予備部品数の少ない部品の部品IDが登録されて、その特定部品情報に基づいて装着予定部品が特定部品か否かが判断され、その判断結果に基づいて吸着ノズル60の検査作業を実行するか否かが判断されてもよい。
【0032】
また、第3の実施例では、部品情報に、予備部品数の数が少ない部品の部品IDが登録されているが、第4の実施例として、予備部品数が登録されていてもよい。このような場合には、装着予定部品の予備部品数が閾値以下であるか否かが判断される。そして、装着予定部品の予備部品数が閾値以下である場合に、装着予定部品が予備部品数の少ない特定部品であるとして、吸着ノズル60の検査作業を実行すると判断される。一方、装着予定部品の予備部品数が閾値を超えている場合に、装着予定部品が予備部品数の少ない特定部品でないとして、吸着ノズル60の検査作業を実行しないと判断される。このように、予
備部品数に基づいて装着予定部品が特定部品か否かが判断され、その判断結果に基づいて吸着ノズル60の検査作業を実行するか否かが判断されてもよい。
【0033】
以上、上記した本実施形態では、以下の効果を奏する。
【0034】
装着予定部品が特定部品であるか否かに基づいて判断され、装着予定部品が特定部品である場合に吸着ノズル60の検査作業の実行指令が出力される。これにより、吸着ノズル60の検査作業の実行頻度を少なくすることで、スループットの低下を防止するとともに、特定の部品の保持作業の前に吸着ノズル60の検査作業を行うことで、その特定の部品の廃棄等を防止することが可能となる。
【0035】
吸着ノズル60の検査作業は、吸着ノズル60の撮像データに基づいて行われる。これにより、吸着ノズル60への異物等の付着の有無,吸着ノズル60の破損等の有無を好適に判断することが可能となる。
【0036】
装着予定部品の価格が閾値以上である場合に、装着予定部品が特定部品であるとして、吸着ノズル60の検査作業を行うと判断される。これにより、装着予定部品が高価な特定の部品であるか否かを適切に判断することが可能となる。
【0037】
装着予定部品が特定部品であるか否かを示す情報と装着予定部品の部品IDとを含む部品情報と、当該装着予定部品を供給するテープフィーダ70のフィーダIDを含むフィーダ情報とが関連付けてメモリ134に記憶されている。そして、制御装置30は、メモリ134から、装着予定部品が特定部品であるか否かを示す情報を取得して、取得した情報に基づいて、吸着ノズル60の検査作業を行うか否かが判断される。部品情報とフィーダ情報とは部品の装着作業に用いられるものであり、その装着作業に用いられる情報を利用して吸着ノズル60の検査作業を実行するか否かを判断することで、装着作業に用いられる情報を有効活用することが可能となる。なお、装着予定部品が特定部品であるか否かを示す情報は、上記実施例において、部品の価格,予備部品数,特定部品情報であるが、希少価値の高い部品を示す情報,破損し易い部品を示す情報,保持し難い形状の部品を示す情報等、種々の情報を採用することが可能である。
【0038】
なお、上記実施例において、電子部品装着装置10は、対基板作業機の一例である。装着ヘッド26は、装着ヘッドの一例である。パーツカメラ28は、検査装置の一例である。制御装置30は、制御装置の一例である。吸着ノズル60は、部品保持具の一例である。テープフィーダ70は、供給装置の一例である。メモリ134は記憶装置の一例である。判断部160は、判断部の一例である。出力部162は、出力部の一例である。装着予定部品は、保持予定部品の一例である。また、判断部160により実行される工程が、判断工程の一例である。
【0039】
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、装着予定部品が特定部品である場合に吸着ノズル60の検査作業を実行すると判断されているが、装着予定部品が特定部品であり、かつ、所定の条件を満たしている場合に、吸着ノズル60の検査作業を実行すると判断されてもよい。所定の条件として、種々の条件を採用することが可能である。具体的には、例えば、吸着ノズル60による吸着回数,吸着ノズル60による吸着ミスの発生回数,撮像データに基づく画像処理エラーの発生回数等を所定の条件として採用することが可能である。
【0040】
また、上記実施例では、部品保持具として吸着ノズル60が採用されているが、部品を保持可能なものであれば、チャック等、種々の部品保持具を採用することが可能である。
【0041】
また、上記実施例では、部品を供給する供給装置としてテープフィーダ70が採用されているが、バルクフィーダ,スティックフィーダ等、種々のフィーダを採用することが可能である。また、フィーダに限定されず、トレイ型部品供給装置,ばら部品供給装置等を採用することも可能である。
【0042】
また、上記実施例では、吸着ノズル60の検査作業として、撮像データに基づく検査作業が採用されているが、種々の検査作業を採用することが可能である。具体的には、例えば、吸着ノズル60のノズルの伸縮性を確認する作業,吸着ノズル60が部品を吸着保持する際の負圧の確認作業等を採用することが可能である。
【0043】
また、上記実施例では、メモリ134に記憶されている部品情報は情報管理装置150から出力されているが、部品発注システム等から部品情報が出力されもよい。
【0044】
また、上記実施例では、電子部品装着装置10の制御装置30が吸着ノズル60の検査作業を行うか否かを判断しているが、電子部品装着装置10の外部に配設されている情報処理装置が吸着ノズル60の検査作業を行うか否かを判断してもよい。このように、情報処理装置が判断を行う場合は、判断結果に応じた指令を電子部品装着装置10に送信する。
【0045】
また、上記実施例では、部品情報などを記憶するメモリ134が制御装置30に設けられているが、クラウド,電子部品装着装置10を管理する上位管理装置等に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10:電子部品装着装置(対基板作業機) 26:装着ヘッド 28:パーツカメラ(検査装置) 30:制御装置 60:吸着ノズル(部品保持具) 70:テープフィーダ(供給装置) 134:メモリ(記憶装置) 160:判断部(判断工程) 162:出力部
図1
図2
図3