(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062614
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ用加硫金型、及び空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B29C 33/02 20060101AFI20240501BHJP
B29D 30/00 20060101ALI20240501BHJP
B60C 11/03 20060101ALI20240501BHJP
B60C 11/00 20060101ALI20240501BHJP
B60C 13/00 20060101ALI20240501BHJP
B29C 33/42 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B29C33/02
B29D30/00
B60C11/03 300A
B60C11/03 100A
B60C11/00 F
B60C13/00 H
B29C33/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170576
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】西尾 泰一
【テーマコード(参考)】
3D131
4F202
4F215
4F501
【Fターム(参考)】
3D131BB03
3D131BC51
3D131BC55
3D131EA10V
3D131EA10X
3D131EC01V
3D131EC01W
3D131EC01X
3D131EC07X
3D131EC12V
3D131EC12W
3D131EC12X
3D131EC15X
3D131GA03
3D131HA03
3D131LA28
4F202AA45
4F202AG26
4F202AG28
4F202AH20
4F202AR07
4F202AR12
4F202CA21
4F202CU02
4F202CY22
4F202CY30
4F215AH20
4F215AM32
4F215VA01
4F215VC13
4F215VC25
4F215VC28
4F215VD01
4F215VD09
4F215VL27
4F215VP37
4F501TA01
4F501TB13
4F501TB24
4F501TC01
4F501TC09
4F501TE22
4F501TL36
4F501TV04
4F501TV11
4F501TV27
(57)【要約】
【課題】空気入りタイヤの加硫時間を短縮できると共に、金型の耐久性を確保する、空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【解決手段】タイヤ径方向の外端に位置しており、タイヤ周方向に延びている、トレッド11を、成形するためのトレッドモールド101と、トレッド11のタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びている、サイドウォール12を、成形するためのサイドモールド102と、サイドモールド102からタイヤ軸方向の内側に突出している、モールド突起108と、を備えている、空気入りタイヤ用加硫金型100であって、モールド突起108は、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点C1よりタイヤ径方向の外側に重心G1を、有している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ径方向の外端に位置しており、タイヤ周方向に延びている、トレッドを、成形するためのトレッドモールドと、
前記トレッドのタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びている、サイドウォールを、成形するためのサイドモールドと、
前記サイドモールドからタイヤ軸方向の内側に突出している、モールド突起と、を備えている、空気入りタイヤ用加硫金型であって、
前記モールド突起は、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を、有している、空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項2】
前記モールド突起は、タイヤ径方向の内側に、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の内側に向かうにつれて漸減する内径側狭窄部分、を有している、請求項1に記載の空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項3】
前記空気入りタイヤ用加硫金型によって成形される空気入りタイヤは、リブパターンを有しており、
前記モールド突起は、タイヤ周方向に等間隔で配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項4】
前記モールド突起は、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチで配置されている、請求項3に記載の空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項5】
前記空気入りタイヤ用加硫金型によって成形される空気入りタイヤは、ブロックパターンを有しており、
前記ブロックパターンは、タイヤ周方向に区画されている複数のブロックを有しており、
前記モールド突起は、それぞれの前記ブロックのタイヤ周方向の中央に対応して配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項6】
前記モールド突起は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅を有している、請求項1に記載の空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項7】
前記モールド突起は、タイヤ周方向の幅とタイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減している、請求項1に記載の空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項8】
前記モールド突起は、タイヤ径方向の外側において、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の外側に向かうにつれて漸減している外径側狭窄部分、を有している、請求項1に記載の空気入りタイヤ用加硫金型。
【請求項9】
タイヤ径方向の外端に位置しており、タイヤ周方向に延びている、トレッドと、
前記トレッドのタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びている、サイドウォールと、
前記サイドウォールからタイヤ軸方向の内側に窪んでいる、凹みと、を備えている、空気入りタイヤであって、
前記凹みは、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を、有している、空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記空気入りタイヤは、
前記トレッドの赤道に位置している、トレッドセンターと、
前記トレッドのタイヤ径方向の外端に位置している、踏面と、
前記サイドウォールのタイヤ径方向の内端に位置している、ビードと、
前記トレッドのタイヤ径方向の内端、前記サイドウォールのタイヤ軸方向の内端、及び前記ビードのタイヤ軸方向の内端にかけて延びているインナーライナと、を備えており、
前記インナーライナの面直方向における、前記インナーライナから前記トレッドセンターのタイヤ径方向の外端までの厚み、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚み、前記インナーライナから前記ビードの外端までの厚みの内、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みが最も大きく、
前記凹みの底部は、タイヤ径方向において、前記インナーライナを基準として、前記インナーライナの面直方向における、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みの40%以上60%以下の範囲に位置している、請求項9に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤ用加硫金型、及び空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空気入りタイヤの加硫時間を短縮することを目的とした空気入りタイヤ用加硫金型が開示されている。この加硫金型は、サイドウォールを成形するためのサイドモールドからタイヤ軸方向の内側に突出している、ピン状の伝熱用突起を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気入りタイヤの加硫工程において、トレッドモールドとサイドモールドから伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、この伝熱用突起により、グリーンタイヤのサイドウォールよりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え易いため、空気入りタイヤの加硫時間が短くなる。一方、伝熱用突起は、単なるピンであるため、加硫時間を短縮する効果が十分に得られないと共に、タイヤ軸方向の寸法を大きくすると、ピンが折れ曲がり易くなる。
【0005】
そこで、本発明は、空気入りタイヤの加硫時間を短縮できると共に、金型の耐久性を確保する、空気入りタイヤ用加硫金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず、本発明の一の態様は、タイヤ径方向の外端に位置しており、タイヤ周方向に延びている、トレッドを、成形するためのトレッドモールドと、
前記トレッドのタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びている、サイドウォールを、成形するためのサイドモールドと、
前記サイドモールドからタイヤ軸方向の内側に突出している、モールド突起と、を備えている、空気入りタイヤ用加硫金型であって、
前記モールド突起は、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を、有している、空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0007】
本発明によれば、空気入りタイヤの加硫工程において、トレッドモールドとサイドモールドから伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起は、サイドモールドからタイヤ軸方向の内側に突出しているため、グリーンタイヤのサイドウォールよりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え易い。よって、タイヤの加硫時間が短くなり、生産効率が向上する。
【0008】
また、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起は、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を有していることにより、タイヤ径方向の外側に偏った形状を有するため、グリーンタイヤの未加硫ゴムの内径側から外径側へ向かう流れが妨げられ難い。よって、タイヤの加硫工程において、未加硫ゴムの流れがモールド突起に負荷を与え難いため、モールド突起の形状が保たれると共に、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0009】
また、前記モールド突起は、タイヤ径方向の内側に、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の内側に向かうにつれて漸減する内径側狭窄部分、を有してもよい。
【0010】
本構成によれば、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起が内径側狭窄部分を有していることにより、未加硫ゴムは内径側狭窄部分に沿って流れるため、未加硫ゴムの抵抗が緩和されて、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0011】
また、前記空気入りタイヤ用加硫金型によって成形される空気入りタイヤは、リブパターンを有しており、
前記モールド突起は、タイヤ周方向に等間隔で配置されていてもよい。
【0012】
本構成によれば、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ周方向に均一に加硫され易い。
【0013】
また、前記モールド突起は、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチで配置されていてもよい。
【0014】
本構成によれば、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起がタイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチで配置されているため、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ周方向に均一に加硫され易い。モールド突起が、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度未満の角度ピッチで配置されている場合、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起の角度ピッチが小さいため、未加硫ゴムの流動が妨げられるおそれがある。モールド突起が、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に6度より大きい角度ピッチで配置されている場合、加硫工程において、トレッドモールドとサイドモールドから伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起の角度ピッチが大きいため、グリーンタイヤのサイドウォールよりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え難い。したがって、モールド突起は、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチで配置されていることが好ましい。
【0015】
また、前記空気入りタイヤ用加硫金型によって成形される空気入りタイヤは、ブロックパターンを有しており、
前記ブロックパターンは、タイヤ周方向に区画されている複数のブロックを有しており、
前記モールド突起は、それぞれの前記ブロックのタイヤ周方向の中央に対応して配置されていてもよい。
【0016】
本構成によれば、加硫工程において、トレッドモールドとサイドモールドから伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起は、それぞれのブロックのタイヤ周方向の中央に対応して配置されているため、熱が伝わり難いブロックのタイヤ周方向の中央に熱を伝え易い。よって、タイヤの加硫時間が短くなり、生産効率が向上する。
【0017】
また、前記モールド突起は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅を有してもよい。
【0018】
本構成によれば、加硫工程において、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅を有しているため、グリーンタイヤのサイドウォールよりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え易いと共に、グリーンタイヤの未加硫ゴムの内径側から外径側へ向かう流れが妨げられ難い。よって、タイヤの加硫時間が短くなり、生産効率が向上すると共に、ゴム流れ不良が起こり難くなる。モールド突起が、タイヤ周方向において、4mm未満の最大幅を有する場合、モールド突起は、細くなり、タイヤ周方向の剛性が低下して、容易に変形するおそれがある。モールド突起が、タイヤ周方向において、8mmより大きい最大幅を有する場合、モールド突起が過剰に大きくなるため、未加硫ゴムの流動が妨げられるおそれがある。したがって、モールド突起は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅を有することが好ましい。
【0019】
また、前記モールド突起は、タイヤ周方向の幅とタイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減していてもよい。
【0020】
本構成によれば、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起のタイヤ周方向の幅とタイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減していることにより、未加硫ゴムはモールド突起に沿って流れるため、未加硫ゴムの抵抗が緩和されて、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0021】
また、前記モールド突起は、タイヤ径方向の外側において、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の外側に向かうにつれて漸減している外径側狭窄部分、を有してもよい。
【0022】
本構成によれば、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起が外径側狭窄部分を有していることにより、未加硫ゴムは外径側狭窄部分に沿って流れるため、モールド突起の外径側に回り込みやすく、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0023】
また、本発明の他の態様は、タイヤ径方向の外端に位置しており、タイヤ周方向に延びている、トレッドと、
前記トレッドのタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びている、サイドウォールと、
前記サイドウォールからタイヤ軸方向の内側に窪んでいる、凹みと、を備えている、空気入りタイヤであって、
前記凹みは、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を、有している、空気入りタイヤを提供する。
【0024】
本発明によれば、空気入りタイヤの加硫工程において、グリーンタイヤが加熱されるとき、熱が、凹みを介して、グリーンタイヤのサイドウォールよりタイヤ軸方向の内側に伝わり易い。よって、タイヤの加硫時間が短くなり、生産効率が向上する。
【0025】
また、空気入りタイヤの加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、凹みは、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を有していることにより、タイヤ径方向の外側に偏った形状を有するため、グリーンタイヤの未加硫ゴムの内径側から外径側へ向かう流れが妨げられ難い。よって、タイヤの加硫工程における、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0026】
また、前記空気入りタイヤは、
前記トレッドの赤道に位置している、トレッドセンターと、
前記トレッドのタイヤ径方向の外端に位置している、踏面と、
前記サイドウォールのタイヤ径方向の内端に位置している、ビードと、
前記トレッドのタイヤ径方向の内端、前記サイドウォールのタイヤ軸方向の内端、及び前記ビードのタイヤ軸方向の内端にかけて延びているインナーライナと、を備えており、
前記インナーライナの面直方向における、前記インナーライナから前記トレッドセンターのタイヤ径方向の外端までの厚み、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚み、前記インナーライナから前記ビードの外端までの厚みの内、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みが最も大きく、
前記凹みの底部は、タイヤ径方向において、前記インナーライナを基準として、前記インナーライナの面直方向における、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みの40%以上60%以下の範囲に位置してもよい。
【0027】
本構成によれば、加硫工程において、グリーンタイヤが加硫されるとき、凹みの底部が、タイヤ径方向において、インナーライナを基準として、インナーライナの面直方向における、インナーライナから踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みの40%以上60%以下の範囲に位置しているため、熱が、凹みを介して、加硫成形されるタイヤのショルダー陸の厚みが大きい部分に伝わり易い。よって、タイヤの加硫時間が短くなり、生産効率が向上する。凹みの底部が、タイヤ径方向において、インナーライナを基準として、インナーライナの面直方向における、インナーライナから踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みの40%未満の範囲に位置している場合、熱が、ショルダー陸の厚みが大きい部分に伝わり難い。また、凹みの底部が、タイヤ径方向において、インナーライナを基準として、インナーライナの面直方向における、インナーライナから踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みの60%を超える範囲に位置している場合、熱が、ショルダー陸の厚みが大きい部分に伝わり難いと共に、ショルダー陸の剛性が確保され難い。したがって、凹みの底部は、タイヤ径方向において、インナーライナを基準として、インナーライナの面直方向における、インナーライナから踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みの40%以上60%以下の範囲に位置していることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
したがって、本発明に係る空気入りタイヤ用加硫金型によれば、空気入りタイヤの加硫時間を短縮できると共に、金型の耐久性を確保しながら、ゴム流れ不良を起こし難い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの子午線断面図である。
【
図2】
図1の空気入りタイヤを成形する加硫金型の子午線断面図である。
【
図3】
図2の加硫金型をタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に展開した展開図である。
【
図6】別の実施形態に係る加硫金型をタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に展開した展開図である。
【
図7】別の実施形態に係る加硫金型をタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に展開した展開図である。
【
図8】別の実施形態に係る空気入りタイヤの子午線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という)1の子午線断面図であって、タイヤ赤道CLから一方側のみを示している。本実施形態のタイヤ1は、ライトトラック用、又はトラックバス用のゴム製のタイヤとして構成されている。本実施形態において、タイヤ軸方向において、タイヤ赤道CLへ向かう方向を内側と呼称して、タイヤ赤道CLから離れる方向を外側と呼称する。
【0032】
[タイヤの構造]
タイヤ1は、
図1における左右方向で示すタイヤ軸方向に延びているトレッド11、トレッド11のタイヤ軸方向の両端から
図1における上下方向で示すタイヤ径方向の内側にそれぞれ延びている一対のサイドウォール12、及び一対のサイドウォール12のタイヤ径方向の内端に配置されている一対のビード13を備える。
【0033】
トレッド11は、タイヤ1の軸心周りに円筒状に延びるように、
図1における裏表方向で示すタイヤ周方向に延びている。トレッド11は、タイヤ径方向の外端に配置されており、転動時に接地する接地面である踏面14を有する。本実施形態では、踏面14のタイヤ軸方向の両端の間の距離をトレッド幅W1と呼称する。
【0034】
ビード13は、タイヤ径方向の内側に配置されているビードコア15、及びビードコア15よりタイヤ径方向の外側に配置されているビードフィラー16を備える。ビードコア15は、リング状に束ねられた多数の鋼線を備える。ビードフィラー16は、リング状であり、トレッド11とサイドウォール12を構成するゴムよりも硬質のゴムからなる。また、ビードフィラー16は、ビードコア15から、タイヤ径方向の外側へ向けてタイヤ軸方向の外側へ傾斜した方向に延びている。
【0035】
タイヤ1は、トレッド11のタイヤ径方向の内端、サイドウォール12のタイヤ軸方向の内端、及びビード13のタイヤ軸方向の内端にかけて延びているインナーライナ17を備える。このインナーライナ17の外側には、一対のビード13間にトロイダル状に掛け渡されたカーカス18が積層されている。
【0036】
カーカス18は、ビードコア15の周りでタイヤ外面側に折り返されて、巻き掛けられている。
【0037】
トレッド11の踏面14とカーカス18との間には、タイヤ周方向に延びるベルト層19が配置されている。
【0038】
ベルト層19は、タイヤ径方向に積層されている複数のベルトプライを有する。本実施形態において、ベルト層19は、4つのベルトプライ、すなわち、最もタイヤ径方向の内側に配置されている第1ベルトプライ19a、第1ベルトプライ19aよりタイヤ径方向の外側に配置されている第2ベルトプライ19b、第2ベルトプライ19bよりタイヤ径方向の外側に配置されている第3ベルトプライ19c、第3ベルトプライ19cよりタイヤ径方向の外側に配置されている第4ベルトプライ19dを有する。
【0039】
第1ベルトプライ19a、第2ベルトプライ19b、及び第3ベルトプライ19cは、タイヤ軸方向において、トレッド幅W1の75%以上の幅を有する幅広ベルトである。一方、第4ベルトプライ19cは、タイヤ軸方向において、トレッド幅W1の75%未満の幅を有する幅狭ベルトである。特に、第3ベルトプライ19cは、幅広ベルトの最外層ベルトと呼称する。
【0040】
本実施形態では、ベルト層19は、4つのベルトプライを有するが、異なる数のベルトプライ、例えば2つ又は3つのベルトプライを有してもよい。また、本実施形態では、ベルト層19は、幅広ベルトと幅狭ベルトを有するが、幅狭ベルトを有していなくてもよい。
【0041】
トレッド11には、複数の周溝21が、タイヤ軸方向に間隔をあけて、タイヤ周方向に延びている。本実施形態において、複数の周溝21のうち、タイヤ軸方向の内側に配置されている周溝21を内側周溝21aと呼称して、内側周溝21aよりタイヤ軸方向の外側に配置されている周溝21を外側周溝21bと呼称する。
【0042】
トレッド11には、内側周溝21aと外側周溝21bによって、タイヤ周方向に延びる複数の陸22が区画されている。陸22は、それぞれ、インナーライナ17の面直方向において、インナーライナ17からトレッド11の外端まで拡がるゴム層である。
図1において、3列の陸22が区画されているが、周溝21の数と陸22の数は必要に応じて変更が可能である。
【0043】
複数の陸22のうち、内側周溝21aの内側をセンター陸22a、内側周溝21aと外側周溝21bとの間をクォーター陸22b、外側周溝21bの外側をショルダー陸22cと呼称する。
【0044】
センター陸22aは、周溝21の溝底よりタイヤ径方向の外側に位置しているセンターリブ23aを有する。クォーター陸22bは、周溝21の溝底よりタイヤ径方向の外側に位置しているクォーターリブ23bを有する。ショルダー陸22cは、周溝21の溝底よりタイヤ径方向の外側に位置しているショルダーリブ23cを有する。
【0045】
ショルダーリブ23cは、ショルダーリブ23cの踏面14のタイヤ軸方向の外端から、タイヤ軸方向の外側に向けてタイヤ径方向の内側へ傾斜した方向に延びている面取り24と、面取り24のタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びてサイドウォール12に繋がる連続部25とを有する。本明細書では、サイドウォール12は、タイヤ1の側面における、周溝21の溝底よりタイヤ径方向の内側の部分である。
【0046】
本実施形態において、面取り24のタイヤ軸方向の内端は、踏面14のタイヤ軸方向の外端である。
【0047】
インナーライナ17の面直方向における、インナーライナ17から踏面14のタイヤ軸方向の外端までの厚みT1は、ショルダー陸22cの最大厚みである。インナーライナ17の面直方向における、インナーライナ17から踏面14のタイヤ軸方向の外端までの厚みT1、インナーライナ17からトレッド11の赤道に位置するトレッドセンター26のタイヤ径方向の外端までの厚みT2、インナーライナ17からビード13の外端までの厚みT3の内、インナーライナ17から踏面14のタイヤ軸方向の外端までの厚みT1が最も大きい。
【0048】
サイドウォール12には、複数の凹み27が設けられている。複数の凹み27は、サイドウォール12に対してタイヤ周方向の異なる位置に設けられており、サイドウォール12からタイヤ軸方向の内側に窪んでいる。
【0049】
[加硫金型]
図2は、
図1のタイヤ1を成形する加硫金型100の子午線断面図であって、タイヤ赤道CLから一方側のみを示している。
【0050】
加硫金型100は、タイヤ1の加硫工程において、グリーンタイヤからタイヤ1を成形する。加硫金型100は、グリーンタイヤよりタイヤ径方向の外側に配置されて、タイヤ径方向に可動する、トレッドモールド101と、グリーンタイヤよりタイヤ軸方向の両方の外側にそれぞれ配置されて、タイヤ軸方向に移動する、一対のサイドモールド102とを備える。
【0051】
トレッドモールド101は、タイヤ1の軸心周りに円筒状に延びるように、タイヤ周方向に延びている。トレッドモールド101は、タイヤ1の加硫工程において、タイヤ径方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられて、タイヤ1のトレッド11を形成する。
【0052】
トレッドモールド101は、タイヤ周方向に並んでいる複数のセグメント101aに分割されている。それぞれのセグメント101aは、加硫金型100が
図2に示す金型閉状態と図示しない金型開状態との間で変化するように、タイヤ径方向に可動する。
【0053】
トレッドモールド101は、タイヤ軸方向の両端において、一対のトレッドモールド側割り面103を有する。トレッドモールド側割り面103は、タイヤ軸方向の外側へ向けてタイヤ径方向の外側へ傾斜した方向に延びている。
【0054】
サイドモールド102は、それぞれ、タイヤ1の軸心周りにドーナツ状に拡がるように、タイヤ径方向に延びている。サイドモールド102は、タイヤ1の加硫工程において、タイヤ軸方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられて、タイヤ1のサイドウォール12と、ショルダーリブ23cの連続部25とを形成する。
【0055】
サイドモールド102は、それぞれ、タイヤ径方向の外端において、サイドモールド側割り面104を有する。サイドモールド側割り面104は、タイヤ径方向の外側へ向けてタイヤ軸方向の外側へ傾斜した方向に延びている。
【0056】
トレッドモールド側割り面103とサイドモールド側割り面104は、加硫金型100が金型閉状態であるとき、互いに当接するように、対応する形状を有している。
【0057】
トレッドモールド101は、タイヤ径方向の内側において、踏面成形面105を有する。
【0058】
踏面成形面105は、タイヤ1の加硫工程において、トレッドモールド101がタイヤ径方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられることによって、踏面14をトレッド11に成形する。
【0059】
トレッドモールド101は、タイヤ軸方向に間隔をあけて、踏面成形面105からタイヤ径方向の内側に突出しており、タイヤ周方向に延びている、複数の周溝成形骨106を有する。本実施形態において、複数の周溝成形骨106のうち、タイヤ軸方向の内側に配置されている周溝成形骨106を内側周溝成形骨106aと呼称して、内側周溝成形骨106aよりタイヤ軸方向の外側に配置されている周溝成形骨106を外側周溝成形骨106bと呼称する。
【0060】
内側周溝成形骨106aと外側周溝成形骨106bは、それぞれ、タイヤ1の加硫工程において、トレッドモールド101がタイヤ径方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられることによって、内側周溝21aと外側周溝21bとをトレッド11に成形する。
【0061】
内側周溝21aと外側周溝21bがトレッド11に成形されるとき、トレッド11が区画されて、センターリブ23a、クォーターリブ23b、及びショルダーリブ23cがトレッド11に成形される。
【0062】
トレッドモールド101は、踏面成形面105のタイヤ軸方向の外端から、タイヤ軸方向の外側に向けてタイヤ径方向の内側へ傾斜した方向に延びている面取り成形面107を有する。
【0063】
面取り成形面107は、タイヤ1の加硫工程において、トレッドモールド101がタイヤ径方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられることによって、面取り24を成形する。
【0064】
サイドモールド102は、サイドモールド102に対してタイヤ周方向の異なる位置に設けられており、サイドモールド102からタイヤ軸方向の内側に突出している、複数のモールド突起108を有する。
【0065】
複数のモールド突起108は、それぞれ、タイヤ1の加硫工程において、サイドモールド102がタイヤ軸方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられることによって、凹み27を成形する。
【0066】
複数のモールド突起108は、それぞれ、周溝成形骨106の先端よりタイヤ径方向の内側に位置している。複数のモールド突起108が、周溝成形骨106の先端よりタイヤ径方向の外側に位置している場合、成形されるショルダー陸22cは、凹み27から踏面14までの厚みが薄くなるため、剛性が低下して、容易に動き易くなるおそれがある。したがって、複数のモールド突起108は、それぞれ、周溝成形骨106の先端よりタイヤ径方向の内側に位置していることが好ましい。
【0067】
モールド突起108の先端は、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、インナーライナ17から踏面14のタイヤ軸方向の外端までの厚みT1の40%以上60%以下の範囲R1に位置している。
【0068】
モールド突起108の先端が、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、厚みT1の40%未満の範囲に位置している場合、モールド突起108は、ショルダー陸22cの厚みが大きい部分に熱を伝え難い。また、モールド突起108の先端が、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、厚みT1の60%を超える範囲に位置している場合、モールド突起108は、ショルダー陸22cの厚みが大きい部分に熱を伝え難いと共に、ショルダー陸22cの剛性が確保され難い。したがって、モールド突起108の先端は、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、厚みT1の40%以上60%以下の範囲R1に位置していることが好ましい。
【0069】
モールド突起108の先端は、タイヤ軸方向において、サイドモールド102を基準として、サイドモールド102からタイヤ軸方向の内側へ向かう幅広ベルトの内の最外層ベルトのベルト端までの長さ、すなわちサイドモールド102からタイヤ軸方向の内側へ向かう第3ベルトプライ19cのベルト端までの長さの40%以上60%以下の範囲R2に位置している。
【0070】
モールド突起108の先端が、タイヤ軸方向において、サイドモールド102を基準として、サイドモールド102からタイヤ軸方向の内側へ向かう第3ベルトプライ19cのベルト端までの長さの40%未満の範囲に位置している場合、モールド突起108は、サイドウォール12よりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え難い。モールド突起108の先端が、タイヤ軸方向において、サイドモールド102を基準として、サイドモールド102からタイヤ軸方向の内側へ向かう第3ベルトプライ19cのベルト端までの長さの60%を超える範囲に位置している場合、モールド突起108は、第3ベルトプライ19cに近くなりベルト端自体の耐久性が低下するおそれがある。したがって、モールド突起108の先端は、タイヤ軸方向において、サイドモールド102を基準として、サイドモールド102からタイヤ軸方向の内側へ向かう第3ベルトプライ19cのベルト端までの長さの40%以上60%以下の範囲R2に位置していることが好ましい。
【0071】
モールド突起108の基端のタイヤ径方向の長さL1は、モールド突起108のタイヤ軸方向の長さL2の2/3以上5/2以下であることが好ましい。モールド突起108の基端のタイヤ径方向の長さL1が、モールド突起108のタイヤ軸方向の長さL2の2/3未満である場合、モールド突起108は細くなり、タイヤ径方向の剛性が低下して、容易に変形するおそれがある。モールド突起108の基端のタイヤ径方向の長さL1が、モールド突起108のタイヤ軸方向の長さL2の5/2を超える場合、モールド突起108が過剰に大きくなり、タイヤ1のゴム層の厚みが確保され難い。したがって、モールド突起108の基端のタイヤ径方向の長さL1は、モールド突起108のタイヤ軸方向の長さL2の2/3以上5/2以下であることが好ましい。
【0072】
本実施形態において、モールド突起108は、タイヤ径方向の内側において、タイヤ軸方向の内側へ向けてタイヤ径方向の外側へ傾斜する傾斜面109を有する。したがって、モールド突起108は、子午線断面において、タイヤ径方向の外側に偏る台形状になる。
【0073】
図3は、
図2の加硫金型100をタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に展開した展開図であって、ショルダーリブ23cのタイヤ軸方向の外側から見たドーナツ形状を帯状に展開している。
【0074】
モールド突起108は、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチR3で配置されていることが好ましい。モールド突起108が、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度未満の角度ピッチで配置されている場合、タイヤ1の加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起108の角度ピッチが小さいため、未加硫ゴムの流動が妨げられるおそれがある。モールド突起108が、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に6度より大きい角度ピッチで配置されている場合、タイヤ1の加硫工程において、トレッドモールド101とサイドモールド102から伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起108の角度ピッチが大きいため、グリーンタイヤのサイドウォール12よりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え難い。したがって、モールド突起108は、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチR3で配置されていることが好ましい。
【0075】
図4は、
図3の円IVの部分拡大図であって、タイヤ側面視におけるモールド突起108を示している。
【0076】
モールド突起108は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅W1を有していることが好ましい。モールド突起108の最大幅W1が4mm未満である場合、モールド突起108が細いため、タイヤ周方向の剛性が低下して、容易に変形するおそれがある。モールド突起108の最大幅W1が8mmより大きい場合、モールド突起108が過剰に大きくなるため、タイヤ1の加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、未加硫ゴムの流動が妨げられるおそれがある。
【0077】
モールド突起108は、タイヤ径方向の内側に、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の内側に向かうにつれて漸減する内径側狭窄部分110を有している。モールド突起108は、内径側狭窄部分110を有することにより、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の外側に偏る台形状になるため、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点C1よりタイヤ径方向の外側に重心G1を有している。
【0078】
図5は、
図3におけるモールド突起108のV-V線に沿った断面図である。
【0079】
モールド突起108は、タイヤ周方向の幅がタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減している。
【0080】
図2に示すように、モールド突起108は、タイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減している。
【0081】
タイヤ1の加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起108のタイヤ周方向の幅とタイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減していることにより、未加硫ゴムはモールド突起に沿って流れるため、未加硫ゴムの抵抗が緩和されて、ゴム流れ不良が起こり難くなる。したがって、モールド突起108は、タイヤ周方向の幅とタイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減していることが好ましい。
【0082】
図2に示すように、サイドモールド102は、モールド突起108よりタイヤ径方向の外側において、タイヤ径方向に延びている、連続部成形面111を有する。
【0083】
連続部成形面111は、タイヤ1の加硫工程において、サイドモールド102がタイヤ軸方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられることによって、連続部25を成形する。
【0084】
[加硫工程]
次に、タイヤ1の加硫工程を説明する。
【0085】
タイヤ1の加硫工程が実施されるとき、まず、トレッドモールド101のセグメント101aが、それぞれ、グリーンタイヤのタイヤ径方向の外側に配置される。また、一対のサイドモールド102が、それぞれ、グリーンタイヤのタイヤ軸方向の外側に配置される。
【0086】
次に、トレッドモールド101のセグメント101aと一対のサイドモールド102が、それぞれ、トレッドモールド側割り面103とサイドモールド側割り面104が互いに当接して、加硫金型100が金型閉状態となるように、タイヤ径方向の外側とタイヤ軸方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられる。トレッドモールド101のセグメント101aと一対のサイドモールド102は、それぞれ、グリーンタイヤに向けて押し付けられる間、グリーンタイヤを加熱し続ける。
【0087】
トレッドモールド101のセグメント101aと一対のサイドモールド102が、それぞれ、グリーンタイヤに向けて押し付けられる間、グリーンタイヤの未加硫ゴムはタイヤ径方向の内側から外側へ流動する。グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動することによって、トレッドモールド101の内側周溝成形骨106a、外側周溝成形骨106b、及び面取り成形面107が、それぞれ、内側周溝21a、外側周溝21b、センターリブ23a、クォーターリブ23b、ショルダーリブ23c、及び面取り24をトレッド11に成形する。また、サイドモールド102のモールド突起108、及び連続部成形面111が、それぞれ、凹み27、及び連続部25をサイドウォール12に成形する。
【0088】
[作用効果]
このように構成したタイヤ1は、以下の特徴を有する。
【0089】
タイヤ1の加硫工程において、トレッドモールド101とサイドモールド102から伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起108は、サイドモールド102からタイヤ軸方向の内側に突出しているため、グリーンタイヤのサイドウォール12よりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え易い。よって、タイヤ1の加硫時間が短くなり、生産効率が向上する。
【0090】
また、タイヤ1の加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起108は、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点C1よりタイヤ径方向の外側に重心G1を有していることにより、タイヤ径方向の外側に偏った形状を有するため、グリーンタイヤの未加硫ゴムの内径側から外径側へ向かう流れが妨げられ難い。よって、タイヤ1の加硫工程において、未加硫ゴムの流れがモールド突起に負荷を与え難いため、モールド突起の形状が保たれると共に、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0091】
タイヤ1の加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起108が内径側狭窄部分110を有していることにより、未加硫ゴムは内径側狭窄部分110に沿って流れるため、未加硫ゴムの抵抗が緩和されて、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0092】
加硫工程において、グリーンタイヤが加硫されるとき、モールド突起108の先端が、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、インナーライナ17から踏面14のタイヤ軸方向の外端までの厚みT1の40%以上60%以下の範囲R1に位置しているため、モールド突起108は、加硫成形されるタイヤ1のショルダー陸22cの厚みが大きい部分に熱を伝え易い。よって、タイヤ1の加硫時間が短くなり、生産効率が向上する。モールド突起108の先端が、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、厚みT1の40%未満の範囲に位置している場合、モールド突起108は、ショルダー陸22cの厚みが大きい部分に熱を伝え難い。また、モールド突起108の先端が、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、厚みT1の60%を超える範囲に位置している場合、モールド突起108は、ショルダー陸22cの厚みが大きい部分に熱を伝え難いと共に、ショルダー陸22cの剛性が確保され難い。したがって、モールド突起108の先端は、タイヤ径方向において、インナーライナ17を基準として、インナーライナ17の面直方向における、厚みT1の40%以上60%以下の範囲R1に位置していることが好ましい。
【0093】
加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起108がタイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチR3で配置されているため、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ周方向に均一に加硫され易い。モールド突起108が、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度未満の角度ピッチで配置されている場合、加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起108の角度ピッチが小さいため、未加硫ゴムの流動が妨げられるおそれがある。モールド突起108が、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に6度より大きい角度ピッチで配置されている場合、加硫工程において、トレッドモールド101とサイドモールド102から伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起108の角度ピッチが大きいため、グリーンタイヤのサイドウォール12よりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え難い。したがって、モールド突起108は、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチR3で配置されていることが好ましい。
【0094】
加硫工程において、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起108は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅W1を有しているため、グリーンタイヤのサイドウォール12よりタイヤ軸方向の内側に熱を伝え易いと共に、グリーンタイヤの未加硫ゴムの内径側から外径側へ向かう流れが妨げられ難い。よって、タイヤ1の加硫時間が短くなり、生産効率が向上すると共に、ゴム流れ不良が起こり難くなる。モールド突起108が、タイヤ周方向において、4mm未満の最大幅を有する場合、モールド突起108は、細くなり、タイヤ周方向の剛性が低下して、容易に変形するおそれがある。モールド突起108が、タイヤ周方向において、8mmより大きい最大幅を有する場合、モールド突起108が過剰に大きくなるため、未加硫ゴムの流動が妨げられるおそれがある。したがって、モールド突起108は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅W1を有することが好ましい。
【0095】
加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起108のタイヤ周方向の幅とタイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減していることにより、未加硫ゴムはモールド突起108に沿って流れるため、未加硫ゴムの抵抗が緩和されて、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0096】
[他の実施形態]
なお、本発明は、上述の実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0097】
例えば、上述の実施形態では、加硫金型100によって成形されるタイヤ1はリブパターンを有しているが、ブロックパターンを有してもよい。
【0098】
図6は、別の実施形態に係る加硫金型200をタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に展開した展開図であって、ブロックパターンを有するトレッドモールド201とサイドモールド202を示している。トレッドモールド201は、内側周溝成形骨206aと外側周溝成形骨206bとの間において、タイヤ周方向に異なる幅の間隔を空けて配置されている、複数のクォーター横溝成形骨212bと、外側周溝成形骨206bの外側において、タイヤ周方向に異なる幅の間隔を空けて配置されている、複数のショルダー横溝成形骨212cとを有する。
【0099】
内側周溝成形骨206a、外側周溝成形骨206b、クォーター横溝成形骨212b、及びショルダー横溝成形骨212cは、それぞれ、タイヤ1の加硫工程において、トレッドモールド101がタイヤ径方向の外側からグリーンタイヤに向けて押し付けられることによって、内側周溝、外側周溝、クォーター横溝、及びショルダー横溝をトレッドに成形する。
【0100】
内側周溝、外側周溝、クォーター横溝、及びショルダー横溝がトレッドに成形されるとき、トレッドが区画されて、センターブロック、クォーターブロック、及びショルダーブロックがトレッドに成形される。
【0101】
サイドモールド202は、サイドモールド202からタイヤ軸方向の内側に突出している、複数のモールド突起208を有する。モールド突起208は、それぞれ、ショルダーブロックのタイヤ周方向の中央、すなわちトレッドを区画することによって、ショルダーブロックを成形するショルダー横溝成形骨212cの間の中央に配置されている。
【0102】
加硫金型200によって成形されるタイヤのブロックパターンが、タイヤ周方向に区画されている、タイヤ周方向の幅が異なるブロックを有している、すなわちピッチバリエーションを有している場合、タイヤが回転するとき、ブロックが路面に繰り返し衝突して発生するパターンピッチノイズが低減される。また、加硫工程において、トレッドモールド201とサイドモールド202から伝えられる熱によって、グリーンタイヤが加熱されるとき、モールド突起208は、それぞれのブロックのタイヤ周方向の中央に対応して配置されているため、熱が伝わり難いブロックのタイヤ周方向の中央に熱を伝え易い。よって、タイヤの加硫時間が短くなり、生産効率が向上する。
【0103】
図6に示す実施形態において、複数のクォーター横溝成形骨212bと複数のショルダー横溝成形骨212cは、タイヤ周方向に異なる幅の間隔を空けて配置されているが、タイヤ周方向に等間隔で配置されていてもよい。この場合、加硫金型によって成形されるタイヤのブロックパターンは、タイヤ周方向に区画されている、タイヤ周方向の幅が等しいブロックを有している、すなわち等間隔ピッチを有している。
【0104】
また、上述の実施形態では、モールド突起108は、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の外側に偏る台形状であるが、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を有している異なる形状であってもよい。
【0105】
図7は、別の実施形態に係る加硫金型300をタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に展開した展開図である。加硫金型300のサイドモールド302は、モールド突起308を備える。モールド突起308は、タイヤ径方向の外側において、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の外側に向かうにつれて漸減している外径側狭窄部分313を有する。外径側狭窄部分313の最小幅W2は、モールド突起308が、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の外側に偏る形状になるように、内径側狭窄部分310の最小幅W3より大きい。したがって、モールド突起308は、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を有する。
【0106】
加硫工程において、グリーンタイヤの未加硫ゴムがタイヤ径方向の内側から外側へ流動するとき、モールド突起308が外径側狭窄部分313を有していることにより、グリーンタイヤは外径側狭窄部分313に沿って流れるため、モールド突起308の外径側に回り込みやすく、ゴム流れ不良が起こり難くなる。
【0107】
また、上述の実施形態では、タイヤ1は、面取り24を有するショルダーリブ23cを備えるが、異なる形状のショルダーリブを備えてもよい。
【0108】
図8は、別の実施形態に係る空気入りタイヤ400の子午線断面図である。タイヤ400は、ボックスショルダータイプであって、面取りがタイヤ軸方向の外端に設けられていないショルダーリブ423cを備える。
【0109】
本発明の第1の態様は、タイヤ径方向の外端に位置しており、タイヤ周方向に延びている、トレッドを、成形するためのトレッドモールドと、
前記トレッドのタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びている、サイドウォールを、成形するためのサイドモールドと、
前記サイドモールドからタイヤ軸方向の内側に突出している、モールド突起と、を備えている、空気入りタイヤ用加硫金型であって、
前記モールド突起は、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を、有している、空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0110】
本発明の第2の態様は、前記モールド突起は、タイヤ径方向の内側に、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の内側に向かうにつれて漸減する内径側狭窄部分、を有している、第1の態様に記載の空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0111】
本発明の第3の態様は、前記空気入りタイヤ用加硫金型によって成形される空気入りタイヤは、リブパターンを有しており、
前記モールド突起は、タイヤ周方向に等間隔で配置されている、第1の態様又は第2の態様に記載の空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0112】
本発明の第4の態様は、前記モールド突起は、タイヤ軸線を中心としたタイヤ周方向に4度以上6度以下の角度ピッチで配置されている、第3の態様に記載の空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0113】
本発明の第5の態様は、前記空気入りタイヤ用加硫金型によって成形される空気入りタイヤは、ブロックパターンを有しており、
前記ブロックパターンは、タイヤ周方向に区画されている、タイヤ周方向の幅が異なる複数のブロックを有しており、
前記モールド突起は、それぞれの前記ブロックのタイヤ周方向の中央に対応して配置されている、第1の態様又は第2の態様に記載の空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0114】
本発明の第6の態様は、前記モールド突起は、タイヤ周方向において、4mm以上8mm以下の最大幅を有している、第1の態様から第5の態様のいずれかに記載の空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0115】
本発明の第7の態様は、前記モールド突起は、タイヤ周方向の幅とタイヤ径方向の長さがタイヤ軸方向の内側に向かうにつれて漸減している、第1の態様から第6の態様のいずれかに記載の空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0116】
本発明の第8の態様は、前記モールド突起は、タイヤ径方向の外側において、タイヤ周方向の幅がタイヤ径方向の外側に向かうにつれて漸減している外径側狭窄部分、を有している、第1の態様から第7の態様のいずれかに記載の空気入りタイヤ用加硫金型を提供する。
【0117】
本発明の第9の態様は、タイヤ径方向の外端に位置しており、タイヤ周方向に延びている、トレッドと、
前記トレッドのタイヤ軸方向の外端からタイヤ径方向の内側に延びている、サイドウォールと、
前記サイドウォールからタイヤ軸方向の内側に窪んでいる、凹みと、を備えている、空気入りタイヤであって、
前記凹みは、タイヤ側面視において、タイヤ径方向の上端とタイヤ径方向の下端との間の中点よりタイヤ径方向の外側に重心を、有している、空気入りタイヤを提供する。
【0118】
本発明の第10の態様は、
前記空気入りタイヤは、
前記トレッドの赤道に位置している、トレッドセンターと、
前記トレッドのタイヤ径方向の外端に位置している、踏面と、
前記サイドウォールのタイヤ径方向の内端に位置している、ビードと、
前記トレッドのタイヤ径方向の内端、前記サイドウォールのタイヤ軸方向の内端、及び前記ビードのタイヤ軸方向の内端にかけて延びているインナーライナと、を備えており、
前記インナーライナの面直方向における、前記インナーライナから前記トレッドセンターのタイヤ径方向の外端までの厚み、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚み、前記インナーライナから前記ビードの外端までの厚みの内、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みが最も大きく、
前記凹みの底部は、タイヤ径方向において、前記インナーライナを基準として、前記インナーライナの面直方向における、前記インナーライナから前記踏面のタイヤ軸方向の外端までの厚みの40%以上60%以下の範囲に位置している、第9の態様に記載の空気入りタイヤを提供する。
【符号の説明】
【0119】
1 空気入りタイヤ
11 トレッド
12 サイドウォール
13 ビード
14 踏面
15 ビードコア
16 ビードフィラー
17 インナーライナ
18 カーカス
19 ベルト層
19a 第1ベルトプライ
19b 第2ベルトプライ
19c 第3ベルトプライ
19d 第4ベルトプライ
21 周溝
21a 内側周溝
21b 外側周溝
22 陸
22a センター陸
22b クォーター陸
22c ショルダー陸
23a センターリブ
22b クォーターリブ
23c ショルダーリブ
24 面取り
25 連続部
26 トレッドセンター
27 凹み
100 空気入りタイヤ用加硫金型
101 トレッドモールド
101a セグメント
102 サイドモールド
103 トレッドモールド側割り面
104 サイドモールド側割り面
105 踏面成形面
106 周溝成形骨
106a 内側周溝成形骨
106b 外側周溝成形骨
107 面取り成形面
108 モールド突起
109 傾斜面
110 内径側狭窄部分
111 連続部成形面
200 空気入りタイヤ用加硫金型
201 トレッドモールド
202 サイドモールド
206a 内側周溝成形骨
206b 外側周溝成形骨
208 モールド突起
212b クォーター横溝成形骨
212c ショルダー横溝成形骨
300 空気入りタイヤ用加硫金型
302 サイドモールド
308 モールド突起
310 内径側狭窄部分
313 外径側狭窄部分
400 空気入りタイヤ
423c ショルダーリブ
T1 厚み
T2 厚み
T3 厚み
R1 範囲
R2 範囲
R3 角度ピッチ
L1 長さ
L2 長さ
C1 中点
G1 重心
W1 最大幅
W2 最小幅
W3 最小幅