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特開2024-62639情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062639
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240501BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240501BHJP
   G08G 1/0962 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G01C21/36
G08G1/0962
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170619
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯澤 高志
(72)【発明者】
【氏名】松村 悠馬
(72)【発明者】
【氏名】左近 昌嗣
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB26
2F129CC14
2F129CC15
2F129CC20
2F129CC28
2F129DD40
2F129DD44
2F129EE34
2F129EE37
2F129EE38
2F129EE39
2F129EE43
2F129EE78
2F129EE87
2F129EE90
2F129EE91
2F129EE93
2F129FF02
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF69
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181CC11
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF25
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】
移動中のユーザに向けた施設に関する音声案内の出力において、施設に関する情報のユーザによる認知効果を高めるとともに、良質なユーザエクスペリエンスを安定して提供することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的の1つとしている。
【解決手段】
移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御部と、前記出力制御部が前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定部と、を備え、前記タイミング設定部は、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御部と、
前記出力制御部が前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定部と、
を備え、
前記タイミング設定部は、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定する情報処理装置。
【請求項2】
前記タイミング設定部は、前記移動体から前記第1施設までの距離が、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて決まる第1距離となるまで前記移動体が前記第1施設に近づくタイミング、または前記移動体が前記第1施設に到達するまでの予測所要時間が、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて決まる第1時間となるタイミングを前記タイミングとして設定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記タイミング設定部は、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報に基づいて前記タイミングを設定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記第1距離または前記第1時間に基づいて、前記音声案内の内容であって前記音声案内を行った際の再生時間の長さが互いに異なる複数の案内コンテンツの中から選択された1の案内コンテンツを前記出力部より出力させる請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記音声案内の内容であって前記音声案内を行った際の再生時間の長さが互いに異なる複数の案内コンテンツの中から選択された1の案内コンテンツを前記出力部より出力させる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記タイミング設定部は、前記1の案内コンテンツの前記再生時間の長さに基づいて、前記タイミングを設定する請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記タイミング設定部は、前記第1道路の属性に関する情報によって示される前記第1道路の規模が大きいほど、または、前記第1施設の規模に関する情報によって示される前記第1施設の規模が大きいほど、早いタイミングを前記タイミングとして設定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記タイミング設定部は、前記第1施設の周辺の市街化の度合いに応じて前記タイミングを設定する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御部と、
前記音声案内の内容であって前記音声案内を行った際の再生時間の長さが互いに異なる複数の案内コンテンツの中から前記出力部より出力させる1の案内コンテンツを選択するコンテンツ選択部と、
を備え、
前記コンテンツ選択部は、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記1の案内コンテンツを選択する情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御ステップと、
前記出力制御ステップにおける前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定ステップと、
を含み、
前記タイミング設定ステップにおいて、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを備える情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータに、
移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御ステップと、
前記出力制御ステップにおける前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定ステップと、
を実行させ、
前記タイミング設定ステップにおいて、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定させるための情報処理プログラム。
【請求項12】
コンピュータを備える情報処理装置に、
移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御ステップと、
前記出力制御ステップにおける前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定ステップと、
を実行させ、
前記タイミング設定ステップにおいて、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定させる情報処理プログラムを記憶するコンピュータが読取可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体に関し、特に、音声案内に関する情報処理を行う情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内で音声案内を行う装置が知られている。例えば、特許文献1には、道路付近の看板などの特徴物の位置データを取得して、当該特徴物の位置に応じてこの特徴物を利用した音声による案内の開始時期を制御する音声案内ナビゲーション装置が開示されている。また、特許文献1には、車両に搭載されたカメラによって得た画像を用いて看板を認識し、当該看板がドライバの目に入りやすいタイミングで案内文が出力されるように案内時期を決定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-248477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、道路周辺の商業施設等の施設に関する詳細な情報を車両内で出力する場合、当該施設が視認できないタイミングで出力してしまうと、当該情報がユーザに認知されにくく、ユーザに快適な体験を提供できないことが課題の一つとして挙げられる。
【0005】
さらに、特許文献1のような音声案内ナビゲーション装置において、カメラによる画像を用いることなく、施設からの所定の距離や施設への到達時間に基づく一律のタイミングで施設に関する音声案内を行う場合、当該施設を視認できるタイミングで音声案内を出力することが困難であることが課題の一つとして挙げられる。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、移動中のユーザに向けた施設に関する音声案内の出力において、施設に関する情報のユーザによる認知効果を高めるとともに、良質なユーザエクスペリエンスを安定して提供することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御部と、前記出力制御部が前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定部と、を備え、前記タイミング設定部は、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定する情報処理装置である。
【0008】
請求項9に記載の発明は、移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御部と、前記音声案内の内容であって前記音声案内を行った際の再生時間の長さが互いに異なる複数の案内コンテンツの中から出力すべき1の案内コンテンツを選択するコンテンツ選択部と、を備え、前記コンテンツ選択部は、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記1の案内コンテンツを選択する情報処理装置である。
【0009】
請求項10に記載の発明は、情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御ステップと、前記出力制御ステップにおける前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定ステップと、を含み、前記タイミング設定ステップにおいて、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定する情報処理方法である。
【0010】
請求項11に記載の発明は、コンピュータを備える情報処理装置によって実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータに、移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御ステップと、前記出力制御ステップにおける前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定ステップと、を実行させ、前記タイミング設定ステップにおいて、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定させるための情報処理プログラムである。
【0011】
請求項12に記載の発明は、コンピュータを備える情報処理装置に、移動体が第1道路を移動して第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を前記移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御ステップと、前記出力制御ステップにおける前記音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定ステップと、を実行させ、前記タイミング設定ステップにおいて、前記第1道路の属性に関する情報及び前記第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記タイミングを設定させる情報処理プログラムを記憶するコンピュータが読取可能な記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1に係る情報処理システムの概要を示す図である。
図2】実施例1に係る車載装置が搭載されている車両の前席部分を示す図である。
図3】実施例1に係る情報処理システムによって行われる音声案内のタイミングの一例を示す図である。
図4】実施例1に係る車載装置の構成を示すブロック図である。
図5】実施例1に係る音声案内サーバの構成を示すブロック図である。
図6】実施例1に係る音声案内サーバがタイミングの設定に用いるテーブルの一例を示す図である。
図7】実施例1に係る音声案内サーバがタイミングの設定に用いるテーブルの他の一例を示す図である。
図8】実施例1に係る音声案内サーバがタイミングの設定に用いるテーブルの他の一例を示す図である。
図9】実施例1に係る情報処理システムによって行われる音声案内のタイミングの他の一例を示す図である。
図10】実施例1に係る音声案内サーバが実行するルーチンの一例を示すフローチャートである。
図11】実施例1に係る車載装置が実行するルーチンの一例を示すフローチャートである。
図12】実施例1に係る音声案内サーバが実行するルーチンの他の一例を示すフローチャートである。
図13】実施例1に係る音声案内サーバがタイミングの設定に用いるテーブルの他の一例を示す図である。
図14】実施例1に係る音声案内サーバが実行するルーチンの他の一例を示すフローチャートである。
図15】実施例1に係る音声案内サーバがタイミングの設定に用いるテーブルの他の一例を示す図である。
図16】実施例1に係る音声案内サーバがタイミングの設定に用いるテーブルの他の一例を示す図である。
図17】実施例2に係る車載装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例0014】
添付図面を参照しつつ、本実施例に係る情報処理装置としての情報処理システム100の構成及び機能について説明する。
【0015】
まず、図1図3を参照しつつ、情報処理システム100の構成及び機能の概要について説明する。
【0016】
図1は、情報処理システム100の概略を示す図である。情報処理システム100は、車両Mに搭載された車載装置10と、音声案内サーバ30とを含んで構成されている。
【0017】
情報処理システム100は、車両Mが道路上を走行して商業施設又はその他の施設に接近する際に、車載装置10と音声案内サーバ30とが通信を行って当該施設に関する音声案内を車両M内において出力するシステムである。
【0018】
音声案内サーバ30は、車載装置10との間でネットワークNWを介して通信を行うサーバ装置である。音声案内サーバ30と車載装置10とは、例えば、TCP/IP等の通信プロトコルを用いて相互にデータの送受信が可能になっている。車載装置10とネットワークNWとの接続は、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信によりなされ得る。
【0019】
音声案内サーバ30は、車両Mから必要な情報を取得し、車両M内において音声案内を開始するタイミングを設定して車載装置10に送信する。
【0020】
車載装置10は、車両Mにおいて音声案内を出力させる制御を行う端末装置である。車載装置10は、音声案内サーバ30が設定したタイミングで、施設に関する音声案内を車両M内において出力する。
【0021】
本実施例において、音声案内の対象となる施設は、車両Mにおいて設定されたルート上(経路上)にある施設である場合を中心に説明する。ルート上にある施設には、車両Mにおいて設定された目的地又は立寄地が含まれる。また、ルート上にある施設は、目的地又は立寄地に限られず、当該ルートに含まれる道路に隣接する施設、例えば当該道路から所定距離内(例えば、10m以内)にある施設であってもよい。
【0022】
本発明は、音声案内の対象となる施設として、車両Mにおいて設定されたルート上にある施設に限られず、ルートとは無関係に、例えば車両Mの現在位置から所定距離内(例えば、進行方向の1Km以内)に存在する施設についても適用できる。
【0023】
図1中、音声案内の対象となる施設の一例として、施設11を示している。施設11は、例えば、レストランAの店舗である。また、図1中、施設11の看板13を示している。看板13は、例えば施設11の敷地内に設置されており、施設11の建物よりも高さが高い看板である。
【0024】
本実施例において、施設に関する音声案内は、その施設の広告を含む。例えば、当該施設が商業施設である場合には、当該商業施設で販売する商品又は提供するサービスの内容等に関する広告が、音声案内として出力される。例えば、施設11に関する音声案内として、「レストランAでは、〇〇フェアを開催中です」といった音声が出力される。
【0025】
また、本実施例において、音声案内は、施設の建物の特徴又は看板の色等の施設の外観に関する案内を含んでも良い。例えば、「レストランAは、黄色い看板が目印です」といった音声が出力される。
【0026】
上記したような施設11に関する音声案内は、施設11が車両Mから視認できるタイミングで出力されると、車両Mの運転者又は同乗者すなわち車両M内のユーザによる高い認知効果が期待できる。また、上記したように、音声案内は施設11の広告を含むので、施設11が車両Mから視認できるタイミングで出力されると、車両M内のユーザにとって、具体的に目の前にある施設11に関する情報が得られることで、質の高いユーザエクスペリエンスが得られる。
【0027】
従って、音声案内サーバ30は、車両Mから施設11を視認できるタイミングとなるように、案内開始のタイミングを設定することが好ましい。なお、本実施例において、施設を視認できるタイミングは、目視によってその施設を認識できるタイミングのことを指す。例えば、施設11の場合、施設11の建物が視認できるタイミングに加えて、施設11の建物が視認できていなくても、施設11の看板13が視認できるタイミングも、施設11が視認できるタイミングに含まれる。
【0028】
本実施例において、音声案内サーバ30は、施設11と車両Mとの距離が施設の規模や施設にアプローチする際の道路の規模によって決まる所定の距離となるタイミングを、音声案内を開始するタイミングとして設定する。言い換えれば、音声案内サーバ30は、施設11と車両Mとの距離が施設の規模や施設にアプローチする際の道路の規模に応じて案内開始距離Dを設定または決定し、案内開始距離Dにまで車両Mが施設11に近づくタイミングを、音声案内を開始するタイミングとして設定する。
【0029】
本実施例において、音声案内サーバ30は、車両Mが案内開始距離Dまで接近したタイミングにおいて、車両Mから施設11を概ね視認できる状態となっているように、案内開始距離Dを設定する。
【0030】
また、本実施例において、音声案内サーバ30は、車両Mが施設11に到達するまでの予想所要時間が施設の規模や施設にアプローチする際の道路の規模によって決まる所定時間となるタイミングを案内開始タイミングとして設定してもよい。言い換えれば、音声案内サーバ30は、施設11と車両Mとの距離が施設の規模や施設にアプローチする際の道路の規模に応じて案内開始時間T1を設定または決定し、車両Mが施設11に到達するまでの予想所要時間が案内開始時間T1となるタイミングを、音声案内を開始するタイミングとして設定してもよい。
【0031】
なお、案内開始時間として所定の所要時間を設定する代わりに、施設11に到達するまでの予想所要時間が当該所定の所要時間になる地点を設定してその地点に到達するタイミングを、音声案内を開始するタイミングとして設定してもよい。
【0032】
以下、音声案内サーバ30が案内開始距離Dを設定する事により音声案内を開始するタイミングを設定する場合を中心に説明する。
【0033】
図2は、車両Mの前席部分を示す図である。図2に示すように、車載装置10は、車両Mのセンターコンソールに配置されている。本実施例において、車載装置10は、経路生成機能及びナビゲーション機能(いわゆるカーナビゲーション機能)を有する。なお、車載装置10自体はカーナビゲーション機能を有さなくてもよい。その場合は、車載装置10は、車両Mに搭載されているカーナビゲーション装置から、車両Mの位置情報を取得可能に接続されていてもよい。
【0034】
タッチパネルディスプレイ15は、タッチパネル及びディスプレイからなる。タッチパネルディスプレイ15は、車載装置10と通信可能に接続されている。タッチパネルディスプレイ15のディスプレイは、車載装置10から供給される画像を表示する。タッチパネルディスプレイ15のタッチパネルは、タッチパネルへの接触による入力操作を示す信号を車載装置10に送信する。
【0035】
例えば、タッチパネルディスプレイ15は、車両Mの経路案内に関する表示及び入力操作を示す信号を車載装置10に送信する。
【0036】
例えば、タッチパネルディスプレイ15は、車載装置10によって車両M内で出力される音声案内に関してユーザが設定を行うための入力操作を示す信号を車載装置10に送信する。例えば、当該ユーザによる設定は、音声案内のON/OFFの選択であってもよい。
【0037】
なお、車両Mにはタッチパネルディスプレイ15が備えられていなくともよい。その場合には、例えば、車載装置10は、車両Mの経路案内に関する入力操作等のユーザによる入力操作を、車両Mに備えられたマイク(図示せず)又は車載装置10に内蔵されたマイク(図示せず)を介して音声によって受け付けてもよい。
【0038】
GNSS受信機17は、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。GNSS受信機17は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの信号(GNSS信号)を受信する装置である。
【0039】
なお、GNSS受信機17は、GNSS信号が受信できれば車両M内のいずれの箇所に配されていてもよい。例えば、GNSS受信機17はルームミラーRMの近傍に配置されていてもよい。
【0040】
GNSS受信機17は、車載装置10と通信可能に接続されており、受信したGNSS信号を車載装置10に送信することが可能である。車載装置10は、GNSS信号を用いて車両Mの現在位置及び進行方向を取得する。
【0041】
スピーカ19は、例えば、AピラーAPまたはドアの室内側に設けられている。スピーカ19は、車載装置10と通信可能に接続されており、車載装置10から送信された信号に基づいて音声を出力する装置である。スピーカ19は、車載装置10による制御に基づいて、施設11に関する音声案内を出力する。
【0042】
なお、スピーカ19は、車載装置10に内蔵されていてもよい。なお、車両M内においてスピーカ19から音声案内が出力される際に、当該音声案内に関連する画像がタッチパネルディスプレイ15のディスプレイに表示されてもよい。
【0043】
また、図2には、車両Mの前方左側の遠方に、車両Mが走行中の道路沿いに存在する施設11及び施設11の看板13が視認できる様子を示している。また、図2中、施設11よりも手前に、施設21が視認できる様子を示している。
【0044】
施設21は、例えば個人商店であり、建物の大きさが施設11の建物の大きさと比較して小さい。また、施設21は、施設11の看板13のような、建物よりも高さのある看板を設置していない。従って、施設21は、施設11と比較して規模の小さい施設であるといえる。
【0045】
以下、施設11を規模の大きい施設、施設21を規模の小さい施設として説明する。
【0046】
図2に示すように、施設11のような規模の大きい施設(以下、大規模施設とも称する)は、遠くからでも視認できる傾向がある。大規模施設は、建物自体が大きいことや敷地の間口が広いことによって遠くから視認できる傾向があることに加えて、看板13のように高さのある看板を設置している場合が多く、建物が視認できなくても看板が視認できることによって、より遠くからでも認識できる傾向がある。
【0047】
これに対して、施設21のような小規模施設は、建物が小さかったり、敷地の間口が狭かったりすることに加えて、看板13のような高さのある看板を設置しない場合が多く、図2に示すように車両Mが近くまで接近するまで認識できない傾向がある。
【0048】
本実施例において、上記したように施設が概ね視認できるタイミングで音声案内を出力しようとする場合、施設11の場合は、音声案内を出力するタイミングを、車両Mが施設11から比較的遠い位置にあるタイミングとすることができる。一方、施設21の場合は、音声案内を出力するタイミングを、車両Mが施設21の比較的近くまで接近したタイミングとする必要がある。
【0049】
図3は、本実施例において大規模施設及び小規模施設について設定される案内開始距離の一例を示す図である。
【0050】
図3中の(a)は、車両Mが施設11に接近する際に設定される案内開始距離D1を示している。図3に示すように、敷地22内に、施設11及び看板13が存在している。入口23は、道路R1から敷地22内への入り口である。図3において、案内開始距離D1は、車両Mの前端部から敷地22の車両Mから見て手前側の端部までの距離として説明する。
【0051】
上述したように、施設11は規模が大きく、遠くからでも視認できるので、案内開始距離D1として、例えば百~数百メートル程度の比較的長い距離が設定され得る。車載装置10は、施設11と車両Mとの距離が案内開始距離D1以下になったタイミングで、施設11に関する音声案内を出力する。
【0052】
そのようなタイミングで音声案内を出力することで、例えば、車両M内のユーザが施設11の看板13を概ね視認できるようになったタイミングで音声案内を提供し得る。それによって、看板13が視認できないタイミングで出力される場合よりも確実に、音声案内の内容が車両M内のユーザに認知され得る。
【0053】
図3中の(b)は、車両Mが施設21に接近する際に設定される案内開始距離D2を示している。図3に示すように、敷地25内に、施設21が存在している。施設21の敷地内には、建物よりも高い看板は設けられていない。入口26は、道路R1から敷地25内への入り口である。図3において、案内開始距離D2は、車両Mの前端部から敷地25の車両Mから見て手前側の端部までの距離として説明する。
【0054】
上述したように、施設21は規模が小さく、遠くからでは視認できず、車両Mが近くまで接近するまで認識できない。従って、施設21に関する音声案内を開始する際の案内開始距離として、例えば施設11と同じ案内開始距離D1を設定した場合、車両Mからまだ施設21が視認できないタイミングで音声案内が出力されることになる。その場合、音声案内の内容が、車両M内のユーザの頭に入って行きにくくなる。言い換えれば、ユーザによる音声案内の内容の認知効果が低下する。
【0055】
そこで、施設21を音声案内の対象とする場合には、案内開始距離D2として、例えば数十~百メートル程度の、案内開始距離D1と比較して短い距離が設定される。車載装置10は、施設21と車両Mとの距離が案内開始距離D2以下になったタイミングで、施設21に関する音声案内を出力する。
【0056】
そのようなタイミングで音声案内を出力することで、例えば、車両M内のユーザが施設21の建物を概ね視認できるようになったタイミングで音声案内を提供し得る。それによって、施設21を音声案内の対象とする場合でも、施設21が視認できないタイミングで出力される場合よりも確実に、車両M内のユーザによる音声案内の内容の認知効果が高まる。
【0057】
このように、本実施例において、車載装置10が音声案内を開始するタイミングにおいて、車両M内のユーザが音声案内の対象となる施設を概ね視認できる状態となるように、音声案内サーバ30が案内開始距離Dを設定するための方法の1つとして、施設の規模を考慮することに着目している。音声案内サーバ30を、施設の規模に基づいて案内開始距離を設定するように構成することで、施設の大小にかかわらず、施設が概ね視認できるタイミングでの音声案内の出力を図っている。
【0058】
続いて、図4を参照しつつ、車両Mに搭載されている車載装置10の構成及び機能について説明する。
【0059】
図4は、車載装置10の構成を示すブロック図である。図4に示すように、車載装置10は、システムバス31を介して各部が接続されて構成されている。
【0060】
入力部33は、車載装置10と車両Mに備えられた機器とを通信可能に接続するインターフェースである。
【0061】
入力部33は、車載装置10とタッチパネルディスプレイ15のタッチパネルとを通信可能に接続するインターフェースである。
【0062】
入力部33は、車載装置10をGNSS受信機17に接続するインターフェースである。車載装置10は、GNSS受信機17からGNSS信号を受信して、車両Mの現在位置を示す情報を取得する。
【0063】
入力部33は、車載装置10とジャイロセンサ(図示せず)及び加速度センサ(図示せず)とを通信可能に接続するインターフェースである。ジャイロセンサは、例えば、車両Mの横方向の角度(姿勢)や角速度あるいは角加速度を検出することが可能なセンサである。加速度センサは、車両Mの上方から見て車両Mの進行方向、すなわち前後方向の加速度を検出可能なセンサである。また、加速度センサは、例えば、車両Mの進行方向と垂直な横方向(幅方向)の加速度を検出可能である。
【0064】
車載装置10は、例えば、GNSS受信機17により取得された車両Mの現在位置情報の遷移、並びにジャイロセンサ及び加速度センサのセンサ信号が示す加速度の向きに基づいて、車両Mの進行方向を示す情報を取得する。
【0065】
記憶部35は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、車載装置10において実行される各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部35に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0066】
記憶部35には、地図データベース(図中、地図DB)35Aが構築されている。地図DB35Aには、車載装置10による車両Mの経路生成、現在位置の把握、及び予測到着時間の算出等に用いられる地図情報が格納されている。
【0067】
制御部37は、CPU(Central Processing Unit)37A、ROM(Read Only Memory)37B、RAM(Random Access Memory)37C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU37Aが、ROM37Bや記憶部35に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0068】
制御部37は、入力部33を介して、車両Mの目的地設定等の経路案内に関する入力操作を示す信号を取得する。
【0069】
制御部37は、入力部33を介して、車両Mの現在位置情報をGNSS受信機17から取得する。当該現在位置情報は、例えば、時刻を示す情報と、その時刻における車両Mの位置を示す情報が対応付けられた情報である。
【0070】
制御部37は、入力部33を介して、タッチパネルディスプレイ15のタッチパネルの操作による車両Mの経路の設定に関する入力操作を受け付ける。制御部37は、入力された情報及び地図DB35Aに記憶された地図情報を用いて、目的地までの経路を生成する。
【0071】
制御部37は、車両M内における音声案内の対象とする施設の特定に資する情報を音声案内サーバ30に送信する。当該施設の特定に必要な情報は、例えば、車両Mの現在位置情報、車両Mの経路(ルート)、又は地図上の施設を特定する施設情報を含む。当該施設情報は、例えば、車両Mにおいて設定された目的地又は立寄地となる施設を特定する情報を含む。当該施設情報は、例えば、施設の位置情報、施設名又は施設を特定する識別子(施設ID)である。
【0072】
制御部37は、音声案内サーバ30によって設定された音声案内の開始のタイミングを示す情報を音声案内サーバ30から受信する。制御部37は、例えば、タイミングを示す情報として、施設に関する音声案内の出力を開始する際の当該施設と車両Mとの距離である案内開始距離を受信する。制御部37は、例えば、タイミングを示す情報として、施設に関する音声案内の出力を開始する際の車両Mが当該施設に到達するまでの時間である案内開始時間を受信してもよい。
【0073】
また、制御部37は、施設に関する音声案内の開始のタイミングを示す情報と共に、当該施設を特定する施設情報を受信する。言い換えれば、制御部37は、施設情報と、当該施設情報によって特定される施設に関する音声案内の開始のタイミングを示す情報との組を受信する。
【0074】
さらに、制御部37は、例えば、施設に関する音声案内の開始のタイミングを示す情報とともに、当該音声案内の内容を示すデータである案内コンテンツを音声案内サーバ30から受信する。案内コンテンツは、例えば、施設に関する案内文を読み上げた音声を含む音声データである。
【0075】
制御部37は、車両Mが道路R1を移動して施設11に接近する際に、施設11に関する音声案内を車両M内において出力させる。言い換えれば、制御部37は、移動体としての車両Mが第1道路としての道路R1を移動して第1施設としての施設11に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を移動体と共に移動する出力部としてのスピーカ19より出力させる出力制御部として機能する。
【0076】
制御部37は、車両Mが道路R1を移動して施設11に接近する際に、音声案内サーバ30から受信したデータが示すタイミングで、施設11に関する音声案内をスピーカ19から出力させる。
【0077】
例えば、制御部37は、車両Mが施設11に、受信した案内開始距離D1まで接近するタイミングで、施設11に関する音声案内の案内コンテンツを再生してスピーカ19から出力させる。
【0078】
例えば、制御部37は、車両Mが施設11に到達するまでの予想所要時間が、受信した案内開始時間T1となるタイミングで、施設11に関する音声案内の案内コンテンツを再生してスピーカ19から出力させる。
【0079】
通信部39は、無線装置(図示せず)に接続されているNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタである。通信部39は、制御部37からの命令に従って、音声案内サーバ30との通信を行う。
【0080】
例えば、通信部39は、車載装置10が、音声案内の対象とする施設の特定に資する情報を音声案内サーバ30に送信する際の通信を行う。例えば、通信部39は、車載装置10が、車両Mの現在位置情報、車両Mの経路、又は車両Mの目的地又は立寄地等の地図上の施設を特定する施設情報を音声案内サーバ30に送信する際の通信を行う。
【0081】
例えば、通信部39は、車載装置10が音声案内の開始するタイミングを示す情報を音声案内サーバ30から受信する際の通信を行う。例えば、通信部39は、車載装置10が案内開始距離又は案内開始時間を音声案内サーバ30から受信する際の通信を行う。
【0082】
出力部41は、車両Mに備えられたタッチパネルディスプレイ15のディスプレイに接続されている。出力部41は、制御部37からの命令に従って、ディスプレイに各種情報を供給するインターフェースである。
【0083】
例えば、出力部41は、ナビゲーション画面を表示するための情報をディスプレイに供給する。また、例えば、出力部41は、車載装置10によって車両M内で出力される音声案内に関してユーザが設定を行うための入力画面を表示するための情報をディスプレイに供給する。なお、出力部41は、車両M内においてスピーカ19から音声案内が出力される際に、当該音声案内に関連する画像をタッチパネルディスプレイ15のディスプレイに供給してもよい。
【0084】
また、出力部41は、スピーカ19に接続されている。出力部41は、制御部37からの命令に従って、施設11に関する音声案内を出力する。例えば、出力部41は、制御部37によって案内コンテンツが再生された音声を出力する。
【0085】
続いて、図5図9を参照しつつ、音声案内サーバ30の構成及び機能について説明する。
【0086】
図5は、音声案内サーバ30の構成を示すブロック図である。図5に示すように、音声案内サーバ30は、システムバス43を介して各部が接続されて構成されているサーバ装置である。
【0087】
大容量記憶装置45は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成された記憶装置である。大容量記憶装置45は、音声案内サーバ30において実行される各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されてもよく、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれてもよい。
【0088】
例えば、大容量記憶装置45は、音声案内サーバ30が、車載装置10が車両M内で音声案内の出力を開始するタイミングを設定する際に実行する情報処理プログラムを記憶する。
【0089】
また、大容量記憶装置45は、各種プログラムを実行するために必要なデータが格納された各種データベースを記憶している。
【0090】
大容量記憶装置45は、詳細地図データベース(図中、詳細地図DB)45Aを含む。詳細地図DB45Aには、地図上の施設と、当該施設の規模に関する情報(以下、施設規模情報とも称する)とを対応付けた情報を含む地図情報が記憶されている。施設規模情報は、車両Mが施設に接近する際に、音声案内サーバ30が、例えば図3に示したように、施設の規模に基づいて案内開始距離を設定する場合に用いられる。
【0091】
施設規模情報は、例えば、施設が有する駐車場の台数である。また、例えば、施設規模情報は、施設の建物面積(延べ床面積)であってもよい。例えば、施設が店舗である場合には、店舗面積を施設規模情報としてもよい。なお、例えば、施設の規模に関する情報として、その他の指標を用いてもよく、例えば、施設の敷地面積、または施設の建物の高さや階数等の数値を施設の規模に関する情報としてもよい。
【0092】
例えば、施設規模情報を用いた案内開始距離の設定に際し、施設の規模が大きければ、施設が早いタイミングで見え始めるという仮定に基づいた案内開始距離が設定される。
【0093】
また、詳細地図DB45Aに記憶されている地図情報は、地図上の道路と、当該道路の属性に関する情報(以下、道路属性情報とも称する)とを対応付けた情報を含む。道路属性情報は、例えば、道路の規模の大きさに関連する情報である。
【0094】
例えば、図3の例のように施設の規模に基づいて案内開始距離を設定する代わりに、施設に隣接する道路の属性に関する情報に基づいて案内開始距離を設定することができる。
【0095】
例えば、道路属性情報として、施設毎に、隣接する1又は複数の道路が対応付けられた情報が詳細地図DB45Aに記憶されている。施設に隣接する道都には、施設の敷地に接している道路のみならず、施設からの距離が所定距離以内(例えば、10m以内)の道路も含むものとしてもよい。例えば、1の道路が施設の敷地に接する他の道路に接続している場合に、当該1の道路と施設が近接していれば当該1の道路を隣接する道路として良い。
【0096】
道路属性情報は、例えば、車両Mが施設に隣接する道路を走行して施設に接近する際に、音声案内サーバ30が、当該施設に隣接する道路の属性に関する情報に基づいて案内開始距離を設定する場合に用いられる。
【0097】
なお、案内開始距離の設定に際し、道路の属性に応じて視認できるタイミングが変わるという仮定に基づいた案内開始距離が設定される。例えば、道路の属性によって当該道路に施設の規模の大小の傾向がある程度予測できるという仮定の下で、道路の属性に基づいた案内タイミングが設定される。
【0098】
道路属性情報は、例えば、道路の種類であり、例えば、一般国道、都道府県道又は市町村道の区別を示す情報であってもよい。例えば、本実施例において、一般国道、都道府県道及び市町村道のうち、一般国道は最も規模が大きい傾向があり、市町村道は最も規模が小さい傾向があるという仮定に基づいた案内タイミングが設定される。
【0099】
例えば、道路属性情報は、道路の種類に限られず、例えば、直接的に道路の規模を表す道路の幅員を示す情報であってもよく、道路が有するレーン数を示す情報であってもよい。
【0100】
例えば、道路属性情報に基づく案内開始タイミングは、道路属性情報によって直接または間接的に示される道路の規模が大きい程、当該道路が隣接する施設が見え始めるタイミングが早くなるという仮定の下に定められ得る。この仮定は、例えば、道路属性情報によって直接または間接的に示される道路の規模が大きい程当該道路が隣接する施設の規模も大きいという仮定や、道路の規模が大きいほど見通しが良い等の仮定から導き出される。
【0101】
大容量記憶装置45は、タイミング設定データベース(図中、タイミング設定DB)45Bを含む。タイミング設定DB45Bには、音声案内サーバ30が、車両Mにおける音声案内の出力の開始のタイミングを設定する際に用いられる各種タイミング設定テーブルが記憶されている。
【0102】
図6は、タイミング設定DB45Bに記憶されているタイミング設定テーブルの一例であるタイミング設定テーブルTB1を示す図である。タイミング設定テーブルTB1は、音声案内サーバ30が、施設の規模に関する情報に基づいて案内開始距離を設定する際に用いるテーブルである。
【0103】
図6に示すように、タイミング設定テーブルTB1は、施設の駐車場台数の区分と、駐車場台数の区分毎の案内開始距離とが対応付けられたデータである。タイミング設定テーブルTB1は、施設の規模に関する情報として、施設の駐車場台数を用いたものである。図6に示す例においては、駐車場台数が多いほど施設の規模が大きいという仮定に基づいて、駐車場台数が多いほど大きい案内開始距離が対応付けられている。
【0104】
例えば、音声案内サーバ30は、施設11の規模に関する情報として施設11の駐車場台数を詳細地図DB45Aから取得し、タイミング設定テーブルTB1を参照して、当該取得した駐車場台数に応じた案内開始距離を、施設11に関する音声案内の案内開始距離として設定する。図6に示す例においては、施設の規模に関する情報が示す施設の規模が大きい程、設定される案内開始距離は大きくなる、すなわち設定されるタイミングが早くなる。
【0105】
また、図7は、タイミング設定DB45Bに記憶されているタイミング設定テーブルの一例であるタイミング設定テーブルTB2を示す図である。タイミング設定テーブルTB2は、音声案内サーバ30が、道路の属性に関する情報に基づいて案内開始距離を設定する際に用いるテーブルである。
【0106】
図7に示すように、タイミング設定テーブルTB2は、道路の種類と、道路の種類毎の案内開始距離とが対応付けられたデータである。タイミング設定テーブルTB2は、道路の属性に関する情報として、道路の種類を用いたものである。図7に示す例においては、道路の規模としては、一般国道は最も規模が大きく、市町村道は最も規模が小さいと仮定し、さらに、規模の大きい道路に隣接する施設ほど施設の規模も大きいという仮定に基づいて、一般国道に最大の案内開始距離が対応付けられ、市町村道に最小の案内開始距離が対応付けられている。
【0107】
例えば、音声案内サーバ30は、車両Mが施設11に隣接する道路R1を走行して施設11に接近する場合に、道路R1の属性に関する情報として、道路R1の種類を詳細地図DB45Aから取得する。その後、音声案内サーバ30は、タイミング設定テーブルTB2を参照して、当該取得した道路の種類に応じた案内開始距離を、施設11に関する音声案内の案内開始距離として設定する。図7に示す例においては、道路の属性に関する情報が示す道路の規模が大きいほど、設定される案内開始距離は大きくなる、すなわち設定されるタイミングが早くなる。
【0108】
なお、図7に示す例において、道路の種類の代わりに、道路の属性に関する情報として、道路の幅員が案内開始距離と対応付けられていてもよい。その場合、幅員が大きいほど大きい案内開始距離が対応付けられる。また、道路の属性に関する情報として、道路のレーン数が案内開始距離と対応付けられていてもよく、その場合、道路のレーン数が多いほど大きい案内開始距離が対応付けられる。
【0109】
なお、例えば、タイミング設定DB45Bには、タイミング設定テーブルTB1又はTB2の案内開始距離に代えて、音声案内を開始する際の車両Mが施設に到達するまでの所要時間を道路属性情報又は施設規模情報に対応付けたタイミング設定テーブルが記憶されていてもよい。そのようなタイミング設定テーブルは、音声案内サーバ30が、案内開始時間を設定または決定し、車両Mが施設に到達するまでの予想所要時間が当該案内開始時間となるタイミングを、音声案内を開始するタイミングとして設定する際に用いられる。
【0110】
さらに、大容量記憶装置45は、案内コンテンツデータベース(図中、案内コンテンツDB)45Cを含む。案内コンテンツDB45Cには、施設に関する音声案内を出力するためのデータである案内コンテンツが記憶されている。上記したように、案内コンテンツは、例えば、施設に関する案内文を読み上げた音声データを含むデータである。
【0111】
例えば、案内コンテンツDB45Cには、施設を特定する情報と、当該施設について準備された案内コンテンツとが対応付けられて記憶されている。案内コンテンツは、例えば、例えば店舗が実施するキャンペーンの案内等の施設の広告に関する内容を含む音声データである。また、案内コンテンツは、例えば、施設の外観に関する内容を含む音声データであってもよい。
【0112】
案内コンテンツは、例えば、音声案内サーバ30が設定した案内開始距離とともに車載装置10に送信されて、車載装置10によって再生されて車両M内のスピーカ19から出力される。
【0113】
例えば、案内コンテンツは、定期的に更新される。なお、例えば、案内コンテンツは、音声案内サーバ30の外部のサーバ等の装置から取得されてもよい。
【0114】
制御部47は、CPU(Central Processing Unit)47A、ROM(Read Only Memory)47B、RAM(Random Access Memory)47C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU47Aが、ROM47Bや大容量記憶装置45に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0115】
[施設の特定]
例えば、制御部47は、車載装置10から受信した情報を用いて、車両M内における音声案内の対象とする施設を特定する。例えば、制御部47は、車両Mにおいて設定された目的地又は立寄地である施設を特定する施設情報を取得することで、当該目的地又は立寄地を音声案内の対象とする施設として特定する。
【0116】
また、制御部47は、例えば、車両Mにおいて設定されたルート情報を取得し、詳細地図DB45Aを参照して、ルート上に存在する施設、すなわち、ルートに含まれる道路に隣接する施設を、音声案内の対象とする施設として特定する。
【0117】
また、制御部47は、例えば、車両Mの現在位置情報を取得し、車両Mが走行中の道路に隣接する施設を、音声案内の対象とする施設として特定してもよい。例えば、車両Mの現在位置から所定距離内(例えば、進行方向の1km以内)に存在する、案内コンテンツが準備された1又は複数の施設を音声案内の対象とする施設として特定してもよい。
【0118】
例えば、車両Mの走行履歴(移動履歴)又は車両M内のユーザの行動履歴に基づいて、音声案内の対象とする施設を特定してもよい。例えば、車両Mが走行中の道路に隣接する施設の中から、又は、車両Mにおいて設定されたルート上に存在する施設の中から、車両Mの走行履歴又はユーザの行動履歴に基づいて推奨される施設が、音声案内の対象となる施設として特定されてもよい。
【0119】
[タイミングの設定]
制御部47は、車両Mが道路R1を走行して施設11に接近する際に、大容量記憶装置45に記憶された情報処理プログラムを読み出して実行することで、詳細地図DB45Aに記憶された道路の属性に関する情報又は施設の規模に関する情報に基づいて、タイミング設定DB45Bに記憶されたタイミング設定テーブルを参照して、施設11に関する音声案内を開始するタイミングを設定する。
【0120】
言い換えれば、制御部47は、第1道路の属性に関する情報及び第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、出力制御部としての車載装置10の制御部37が音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定部として機能する。
【0121】
制御部47は、例えば、車両Mが施設11に接近する際に走行する道路R1の属性に関する情報または施設11の規模に関する情報に基づいて、車載装置10が施設11に関する音声案内を開始する際の施設11と車両Mとの距離である案内開始距離を設定する。
【0122】
言い換えれば、制御部47は、移動体から第1施設までの距離が、第1道路の属性に関する情報または第1施設の規模に関する情報に基づいて決まる距離となるまで移動体が第1施設に近づくタイミングを、出力制御部が音声案内の出力を開始させるタイミングとして設定する。
【0123】
また、制御部47は、例えば、車両Mが施設11に接近する際に走行する道路R1の属性に関する情報または施設11の規模に関する情報に基づいて、車載装置10が施設11に関する音声案内を開始する時点から車両Mが施設11に到達するまでの時間に対応する案内開始時間を設定する。
【0124】
言い換えれば、制御部47は、移動体が第1施設に到達するまでの時間が、第1道路の属性に関する情報または第1施設の規模に関する情報に基づいて決まる時間となるタイミングを、出力制御部が音声案内の出力を開始させるタイミングとして設定する。
【0125】
[タイミングの送信]
制御部47は、施設に関する音声案内について設定したタイミングを示す情報を車載装置10に送信する。例えば、制御部47は、設定した案内開始距離又は案内開始時間を車載装置10に送信する。
【0126】
例えば、制御部47は、タイミングを示す情報と共に、施設を特定する施設情報及び音声案内として再生するための案内コンテンツを車載装置10に送信する。
【0127】
通信部49は、無線装置(図示せず)に接続されているNIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタである。通信部49は、制御部47からの命令に従って、音声案内サーバ30と外部との通信を行う。
【0128】
例えば、通信部49は、音声案内サーバ30が車両Mの現在位置情報、車両Mの経路、又は車両Mの目的地又は立寄地等の地図上の施設を特定する施設情報等の音声案内の対象とする施設の特定に資する情報を車載装置10から受信する際の通信を行う。
【0129】
例えば、通信部49は、音声案内サーバ30が、施設に関する音声案内を開始するタイミングを示す情報を車載装置10に送信する際の通信を行う。
【0130】
以下、各図面を参照しつつ、音声案内サーバ30の制御部47が実行する案内開始距離の設定について詳細に説明する。
【0131】
上述したように、音声案内サーバ30は、音声案内の対象とする施設の規模が大きいほど遠くからでも視認できる、すなわち当該施設が見え始めるタイミングが早くなるという仮定の下、施設の規模に基づいて音声案内の開始のタイミングの設定を行うことができる。また、上述したように、道路の属性が直接又は間接的に示す道路の規模が大きい程、当該道路が隣接する施設が見え始めるタイミングが早くなるという仮定の下、道路の属性に基づいて音声案内の開始のタイミングの設定を行うことができる。
【0132】
しかし、実際には、比較的小規模な施設が比較的大規模な道路に隣接している場合や、逆に、比較的小規模な道路に比較的大規模な施設が隣接している場合などもある。そこで、音声案内サーバ30は、施設の規模及び道路の属性の両方に基づいて、音声案内の開始のタイミングの設定を行うことができる。
【0133】
図8は、音声案内サーバ30のタイミング設定DB45Bに記憶されているタイミング設定テーブルの一例であるタイミング設定テーブルTB3を示す図である。タイミング設定テーブルTB3は、音声案内サーバ30が、施設の規模に関する情報及び道路の属性に関する情報に基づいて案内開始距離を設定する際に用いるテーブルである。
【0134】
図8に示すように、タイミング設定テーブルTB3において、道路の属性としての道路の種類毎に、施設の規模としての施設の駐車場台数の3つの区分がそれぞれ対応付けられており、道路の種類と駐車場台数との組み合わせ毎に、案内開始距離が対応付けられている。
【0135】
タイミング設定テーブルTB3を用いて案内開始距離を設定すれば、例えば、施設に隣接する道路の種類が同じであっても、駐車場台数の大小に応じた案内開始距離を設定することができる。また、例えば、施設の駐車場台数が同程度であっても、当該施設に隣接し、車両Mが当該施設に接近する際に走行する道路の種類に応じた案内開始距離を設定することができる。従って、施設を視認できる状態での音声案内の出力を、より精度よく実行することができる。
【0136】
図9は、音声案内サーバ30が設定する案内開始距離の一例を示す図である。図9は、施設11に隣接している2つの道路の各々を車両Mが走行して施設11に接近する場合に、道路の属性及び施設の規模の両方に基づいて案内開始距離を設定する場合について示している。図3の場合と同様に、図9において、案内開始距離は、車両Mの前端部から敷地22の車両Mから見て手前側の端部までの距離として説明する。
【0137】
図9に示すように、施設11は、表側の入口23が道路R1に面している。また、施設11は、裏口51を有しており、裏口51が道路R2に面している。看板13は、道路R1から見え易いように設置されている。図9に示す例において、道路R1の種類は一般国道であり、道路R2の種類は市町村道であるとする。上述したように、施設11は規模の大きい施設である。図9に示す例において、例えば、施設11は、駐車場を100台分以上備えていることとする。
【0138】
車両Mが道路R1を走行して施設11に接近する場合、看板13が遠くからでも視認できることで、車両Mから施設11を遠くからでも認識できる。この場合、音声案内サーバ30の制御部47は、案内開始距離D3として、例えば百~数百メートル程度の比較的長い距離を設定する。例えば、制御部47は、図8に示したタイミング設定テーブルTB3を参照し、道路の種類「一般国道」と、駐車場台数「100台以上」との組み合わせにより、案内開始距離D3を400mに設定する。
【0139】
一方、車両Mが道路R2を走行して施設11に接近する場合は、看板13が道路R2から見え易いように設置されていないため、施設11以外の遠くからでは施設11を視認できず、車両Mが施設11の近くまで接近するまで、施設11を認識できない場合が多い。この場合、音声案内サーバ30の制御部47は、案内開始距離D4として、例えば数十~百メートル程度の、案内開始距離D3と比較して短い距離を設定する。例えば、制御部47は、図8に示したタイミング設定テーブルTB3を参照し、道路の種類「市町村道」と、駐車場台数「100台以上」との組み合わせにより、案内開始距離D4を案内開始距離D3よりも短い200mに設定する。
【0140】
このように、図8のように施設の規模及び道路の属性の両方を反映したテーブルを用いることで、音声案内サーバ30は、同じ施設11に接近する場合でも、施設11に接近する際に車両Mが走行する道路の属性に応じた案内開始距離を設定することができる。それによって、車両Mが施設11に接近する際に、道路R1又は道路R2のいずれを走行する場合でも、車両M内のユーザが施設11を概ね視認できる状態で音声案内が出力されるように、音声案内の出力の開始のタイミングを設定できる。
【0141】
さらに、例えば、音声案内の対象とする施設が市街地に存在する場合には、例えば郊外の視界の開けた道路沿いに存在する場合よりも、周囲の建物や街路樹等に隠れて施設が視認しにくくなり、道路の側方の施設に対する見通しが悪いので、視認できるようになる際の施設から車両Mまでの距離も短くなる傾向がある。
【0142】
そこで、制御部47は、施設の周辺の市街化の度合いに応じて案内開始距離を決定してもよい。市街化の度合いは、例えば建物の密度や高層建築物の有無に応じて定められ、例えば施設に対応付けて詳細地図DB45Aに記憶される。
【0143】
制御部47は、例えば、タイミング設定テーブルを参照して設定した案内開始距離に、施設の周辺の市街化度に応じた補正値を掛けて補正した値を案内開始距離として設定してもよい。例えば、当該補正値として、市街化度が大きいほど小さい値が設定されてもよい。具体的には、例えば、都市部に存在する施設については補正値を1未満(例えば、0.8)とし、郊外に存在する施設については補正値を1以上(例えば、1.2)としてもよい。
【0144】
なお、音声案内サーバ30は、例えば、案内開始距離の代わりに案内開始時間が定められたタイミング設定テーブルを用いて、音声案内の出力を開始する時点における車両Mの施設までの所要時間である案内開始時間を設定してもよい。
【0145】
図10図11を参照しつつ、本実施例における情報処理システム100において実行される制御ルーチンについて説明する。
【0146】
図10は、音声案内サーバ30の制御部47が、車載装置10が車両Mにおいて音声案内を開始するタイミングを設定する際に実行するルーチンの一例であるタイミング設定ルーチンRT1を示すフローチャートである。制御部47は、例えば、音声案内サーバ30が車載装置10との通信を開始すると、タイミング設定ルーチンRT1を開始する。
【0147】
制御部47は、タイミング設定ルーチンRT1を開始すると、車両Mの進行方向に音声案内の対象となる案内対象施設が存在するか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101において、例えば、制御部47は、車両Mの進行方向の所定距離内、例えば1km以内に、案内の対象となる施設が存在するか否かを判定する。
【0148】
ステップS101において、例えば、制御部47は、車両Mの目的地又は立寄地を示す施設情報を車載装置10から受信し、当該目的地又は立寄地が車両Mの進行方向の所定距離内に存在する場合に、車両Mの進行方向に案内対象施設が存在すると判定する。
【0149】
ステップS101において、例えば、制御部47は、車両Mの経路情報を車載装置10から受信して、車両Mの経路上に存在する施設を特定する。その後、制御部47は、当該経路上に存在する施設の少なくともいずれかが車両Mの進行方向の所定距離内に存在する場合に、車両Mの進行方向に案内対象施設が存在すると判定する。
【0150】
ステップS101において、例えば、制御部47は、車両Mの現在位置情報を車載装置10から受信して、車両Mの現在位置から進行方向の所定距離内に、例えば案内コンテンツが準備された施設が存在する場合に、車両Mの進行方向に案内対象施設が存在すると判定する。
【0151】
その場合、例えば、制御部47は、車両Mの走行履歴又は車両M内のユーザの行動履歴に基づいて、車両Mの現在位置から進行方向の所定距離内に存在する複数の施設の中から選択した施設を案内対象施設として特定してもよい。例えば、車両M内のユーザの行動履歴は、例えば当該ユーザが携帯する端末の検索履歴等に基づいて取得されてもよい。例えば、当該走行履歴又は行動履歴に基づくユーザの嗜好に合わせて推奨される施設が案内対象施設として選択されてもよい。
【0152】
ステップS101において、案内対象施設が存在しないと判断する(ステップS101:NO)と、制御部47は、タイミング設定ルーチンRT1を終了し、次のタイミング設定ルーチンRT1を新たに開始する。
【0153】
ステップS101において、案内対象施設が存在すると判断する(ステップS101:YES)と、制御部47は、詳細地図DB45Aを参照し、道路の属性に関する道路属性情報及び施設の規模に関する施設規模情報を取得する(ステップS102)。
【0154】
ステップS102において、例えば、制御部47は、車両Mが走行中の道路又はステップS101において特定した施設に隣接する道路についての道路属性情報を取得する。
【0155】
ステップS102において、例えば、制御部47は、地図上の道路に対応付けられた道路の属性、道路の種類、道路の幅員、又は道路のレーン数を道路属性情報として取得する。
【0156】
ステップS102において、例えば、制御部47は、ステップS101において特定した施設の駐車場台数又は店舗面積を施設規模情報として取得する。
【0157】
ステップS102の実行後、制御部47は、ステップS102において取得した道路属性情報及び施設規模情報に基づいて、案内対象施設に関する音声案内の出力を開始するタイミングを示す案内開始距離を設定する(ステップS103)。
【0158】
ステップS103において、制御部47は、例えば図8に例示したような、タイミング設定DB45B内のタイミング設定テーブルを参照して、道路属性情報及び施設規模情報に応じた案内開始距離を設定する。
【0159】
ステップS103において、制御部47は、案内開始距離の代わりに、音声案内の出力を開始する時点における車両Mから案内対象施設までの所要時間である案内開始時間を設定してもよい。
【0160】
ステップS103において、制御部47は、車両Mが道路R1を移動して施設11に接近する際に、道路R1の属性に関する情報及び施設11の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、車載装置10の制御部37がスピーカ19からの音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定ステップを実行するタイミング設定部として機能する。
【0161】
ステップS103の実行後、制御部47は、ステップS103において設定した案内開始距離及び案内コンテンツを車載装置10に送信する(ステップS104)。ステップS104において、例えば、制御部47は、案内対象施設を特定する施設情報に案内開始距離を対応付けて送信する。
【0162】
例えば、制御部47は、案内コンテンツDB45Cを参照し、案内対象施設に関する案内コンテンツを取得して、案内開始距離と共に車載装置10に送信する。
【0163】
ステップS104の実行後、制御部47は、タイミング設定ルーチンRT1を終了し、次のタイミング設定ルーチンRT1を新たに開始する。
【0164】
なお、タイミング設定ルーチンRT1のステップS103において、制御部47は、道路属性情報及び施設規模情報のいずれか一方に基づいて案内開始距離を設定してもよい。その場合、制御部47は、ステップS102において、道路属性情報及び施設規模情報のうちの案内開始距離の設定に用いるいずれか一方の情報のみを取得すればよい。
【0165】
図11は、車載装置10の制御部37が、音声案内サーバ30によって設定されたタイミングで音声案内を開始する際に実行するルーチンの一例である音声案内ルーチンRT2を示すフローチャートである。制御部37は、例えば、車載装置10が音声案内サーバ30との通信を開始すると、音声案内ルーチンRT2を開始する。
【0166】
制御部37は、例えば、音声案内サーバ30との通信を開始すると、車両Mの現在位置情報の送信を開始する。また、例えば制御部37は、車両Mの目的地までの経路を生成すると、当該車両Mにおいて生成した経路又は車両Mの目的地又は立寄地を示す情報を音声案内サーバ30に送信する。
【0167】
制御部37は、音声案内ルーチンRT2を開始すると、音声案内の出力を開始する際の案内開始距離及び案内コンテンツを音声案内サーバ30から受信したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201において、例えば、制御部37は、案内対象施設を特定する施設情報と、当該施設情報に対応付けられた案内開始距離を音声案内サーバ30から受信した場合に、案内開始距離を受信したと判定する。
【0168】
ステップS201において、例えば、施設情報及び案内開始距離と共に、当該施設情報によって特定される施設に関する音声案内として再生するための案内コンテンツを受信する。
【0169】
ステップS201において、例えば、制御部37は、車両Mの目的地又は立寄地である施設についての案内開始距離を受信する。
【0170】
ステップS201において、例えば、制御部37は、車両Mにおいて設定された経路上の施設についての案内開始距離を受信する。
【0171】
ステップS201において、例えば、制御部37は、車両Mの現在位置情報に基づいて音声案内サーバ30によって特定された案内対象施設についての案内開始距離を受信する。
【0172】
ステップS201において、制御部37は、案内開始距離を受信していないと判定する(ステップS201:NO)と、音声案内ルーチンRT2を終了し、音声案内ルーチンRT2を新たに開始する。
【0173】
ステップS201において、制御部37は、案内開始距離を受信したと判定する(ステップS201:YES)と、自車両が案内対象施設の案内開始距離以下にまで接近したか否かを判定する(ステップS202)。
【0174】
ステップS202において、制御部37は、車両Mの現在位置から、ステップS201において受信した案内開始距離が設定されている案内対象施設までの距離を算出し、案内開始距離以下か否かを判定する。
【0175】
ステップS202において、制御部37は、案内開始距離以下に接近していないと判定する(ステップS202:NO)と、音声案内ルーチンRT2を終了し、音声案内ルーチンRT2を新たに開始する。
【0176】
ステップS202において、制御部37は、案内開始距離以下に接近したと判定する(ステップS202:YES)と、案内対象施設に関する案内コンテンツを再生してスピーカ19に出力させる(ステップS203)。ステップS203において、例えば、制御部37は、ステップS201において音声案内サーバ30から受信した案内コンテンツを再生する。
【0177】
なお、音声案内サーバ30が、案内開始距離の代わりに、音声案内の出力を開始する時点における車両Mの施設までの所要時間である案内開始時間を設定する場合には、ステップS202において、制御部37は案内開始距離以下に接近したと判定することに代えて、車両Mの施設までの距離及び車両Mの現在の速度などに基づいて車両Mが施設に到達するまでの予測所要時間を算出し、当該予測所要時間が案内開始時間以下となったかを判定するようにしてもよい。
【0178】
ステップS203において、制御部37は、移動体としての車両Mが第1道路を移動して案内対象施設である第1施設に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を移動体と共に移動する出力部より出力させる出力制御ステップを実行する出力制御部として機能する。
【0179】
なお、制御部37は、案内コンテンツを車載装置10内に有していてもよく、その場合、ステップS203において、案内対象施設についての車載装置10内の案内コンテンツを読み出して再生してもよい。また、ステップS203において、制御部37は、音声案内サーバ30以外の外部の装置から案内コンテンツを取得して再生してもよい。
【0180】
ステップS203の実行後、制御部37は、音声案内ルーチンRT2を終了し、音声案内ルーチンRT2を新たに開始する。
【0181】
なお、例えば、車載装置10において、制御部37は、音声案内ルーチンRT2と並行して、車両Mにおいて設定されたルートに沿った経路案内である通常のナビゲーション処理を実行している。例えば、音声案内ルーチンRT2のステップS202において、車両Mが案内開始距離以下に接近していないと判定する(ステップS202:NO)と、当該通常のナビゲーションが継続して行われる。
【0182】
例えば、ステップS202において、車両Mが案内開始距離以下に接近したと判定する(ステップS202:YES)と、制御部37は、通常のナビゲーション処理への割り込みとして、ステップS203を実行して、施設11に関する詳細な説明を含む音声案内を開始する。
【0183】
例えば、当該通常のナビゲーション処理における重要な案内地点(例えば、交差点)を案内しているタイミングにおいては、通常のナビゲーション処理が優先され、制御部37は、車両Mが案内開始距離以下に接近したと判定しても、ステップS203を実行しないこととしてもよい。その場合、例えば、ステップS203の音声案内の出力は遅れて実行されるようにしてもよい。または、重要な案内地点の案内の終了後、車両Mが案内対象施設を既に通過している場合には、ステップS203は実行されないこととしてもよい。
【0184】
ここまで、実施例1においては、車載装置10は記憶部35に地図DB35Aを記憶しており、車載装置10の制御部37は、地図DB35Aを使用して経路生成が可能であるとして説明を行ったが、車載装置10に代えて、音声案内サーバ30が経路生成を行うようにしてもよい。この場合、車載装置10は、ユーザによる車両Mの経路案内に関する入力操作の情報、及び車両Mの現在位置情報を音声案内サーバ30に送信することとし、音声案内サーバ30の制御部47は、車載装置10から取得したこれらの情報と、詳細地図DB45Aの地図情報とに基づいて経路を生成し通常のナビゲーション処理を行うことができる。また、音声案内サーバ30の制御部47は、音声案内ルーチンRT2に相当する処理を実行し、車両Mの現在位置が案内対象施設の案内開始処理以下に接近した場合に、案内コンテンツを再生させるコマンドを車載装置10に送信するようにし、車載装置10は当該コマンドを受信した場合に、対応する案内コンテンツを再生するようにしてもよい。
【0185】
以上、詳細に説明したように、本実施例の情報処理システム100は、移動体としての車両Mが第1道路としての道路R1を移動して第1施設としての施設11に接近する際に、当該第1施設に関する音声案内を移動体と共に移動する出力部としてのスピーカ19より出力させる出力制御部を有している。
【0186】
また、情報処理システム100は、第1道路の属性に関する情報及び第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、出力制御部が音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定部を有している。
【0187】
このような構成により、タイミング設定部が設定するタイミングには、第1道路の属性に関する情報及び第1施設の規模に関する情報の少なくともいずれかが反映される。第1施設の規模によって、又は施設に接近する際に車両Mが走行する道路の属性によって、車両Mから第1施設を視認できるタイミングは異なる場合がある。
【0188】
例えば、タイミング設定部は、第1道路の属性に関する情報によって示される道路の規模が大きいほど、または、第1施設の規模に関する情報によって示される第1施設の規模が大きいほど、早いタイミングを音声案内の出力を開始させるタイミングとして設定することができる。それによって、例えば、車両Mから第1施設を概ね視認できる状態において音声案内が出力されるように、音声案内の出力を開始させるタイミングを設定することができる。
【0189】
従って、情報処理システム100によれば、移動体によって移動中のユーザに向けた施設に関する音声案内の出力において、施設に関する情報のユーザによる認知効果を高めるとともに、良質なユーザエクスペリエンスを安定して提供することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することができる。
【0190】
[変形例1]
図12及び図13を参照しつつ、音声案内サーバ30の制御部47が、車載装置10が車両Mにおいて音声案内を開始するタイミングを設定する際に実行するタイミング設定ルーチンRT1の変形例について説明する。
【0191】
図12は、タイミング設定ルーチンRT1の変形例であるタイミング設定ルーチンRT3を示すフローチャートである。タイミング設定ルーチンRT3は、ステップS301からステップS303までは、タイミング設定ルーチンRT1のステップS101からステップS103までと同様に進行する。
【0192】
制御部47は、ステップS303を実行して案内開始距離を設定した後、案内開始距離の大きさに応じた案内コンテンツを選択する(ステップS304)。
【0193】
上述したように、音声案内として再生される案内コンテンツは、案内文を読み上げた音声を含む音声データである。本変形例において、1つの施設につき、音声案内を行った際の再生時間の長さ(以下、コンテンツ長とも称する)が互いに異なる複数の案内コンテンツが準備されている。
【0194】
ステップS304において、制御部47は、ステップS301において特定した案内対象施設に関する、再生時間の長さが互いに異なる複数の案内コンテンツの中から、ステップS303において設定した案内開始距離に応じた案内コンテンツを選択する。例えば、ステップS304において、案内開始距離が短い場合には、短いコンテンツ長の案内コンテンツが選択される。
【0195】
図13は、ステップS304において制御部47が案内開始距離に応じた案内コンテンツを選択する際に参照するコンテンツ選択テーブルの一例であるテーブルTB4を示す図である。テーブルTB4は、例えば、大容量記憶装置45内に記憶されている。
【0196】
図13に示すように、テーブルTB4において、案内開始距離Dの長さの区分と、区分毎のコンテンツ長とが対応付けられている。具体的には、案内開始距離Dが短い区分ほど短いコンテンツ長が対応付けられている。
【0197】
ステップS304において、例えば、制御部47は、テーブルTB4を参照して、案内開始距離に応じたコンテンツ長の案内コンテンツを選択する。
【0198】
ステップS304の実行後、制御部47は、施設情報と対応付けた案内開始距離及びステップS304において選択した案内コンテンツを車載装置10に送信する(ステップS305)。
【0199】
ステップS305の実行後、制御部47は、タイミング設定ルーチンRT3を終了し、次のタイミング設定ルーチンRT3を新たに開始する。
【0200】
本ルーチンによれば、音声案内の出力が開始されてから、車両Mが案内対象施設に到達するまでに終了するように、案内コンテンツの再生を行うことができる。
【0201】
例えば、案内開始距離に対してコンテンツ長が長すぎると、車両Mが案内対象施設に到着した時点で音声案内が終了せず、例えば車両Mが案内対象施設を通過して、車両Mから案内対象施設を視認できなくなってからも音声案内の出力が継続される。そのような場合、音声案内の内容がユーザに認知され難いことに加えて、ユーザにとって快適な体験を提供し難くなる。
【0202】
本ルーチンによれば、車両Mから施設を視認できる期間内に、その施設に関する音声案内の出力の開始から終了までを収めることができる。つまり、ユーザにとって実際に施設が見えているという、音声情報と視覚情報とのリンクがしやすく、案内に含まれる情報を受け入れ易い状況下で音声案内が提供される。これにより、施設に関する情報のユーザによる認知を確実にし、かつ、より一層良質なユーザエクスペリエンスを安定して提供することができる。
【0203】
なお、本変形例において、再生時間の長さの異なる複数の案内コンテンツは、例えば以下のように準備される。
【0204】
案内文は、例えば、導入部、本体部及び結び部から構成されている。導入部は、例えば、施設に関する詳細な案内のテーマの提示を行う部分である。例えば、「レストランAでは、〇〇キャンペーンを開催中です」といった内容を含む。
【0205】
本体部は、施設に関して詳細に案内する内容であり、具体的な商品やサービスの内容、価格等の説明を含む。
【0206】
結び部は、施設に関する案内のまとめの部分であり、例えば、導入部や本体部の内容を踏まえた顧客に向けたメッセージを端的に表すフレーズが含まれる。例えば、結び部には、「レストランAにぜひお越しください」等のフレーズが含まれる。
【0207】
例えば、1つの施設の同じテーマについて、導入部、本体部及び結び部からなる案内文を用いた再生時間の長い案内コンテンツに対して、例えば本体部を省略し、導入部と結び部とを組み合わせた案内文又は導入部のみの案内文を用いた案内コンテンツを作成することで、再生時間の短い案内コンテンツを準備することができる。
【0208】
なお、案内コンテンツの再生時間の長さは、案内コンテンツを構成する案内文の文字数によって決まる場合もあり、案内コンテンツの長さを文字数によって表してもよい。
【0209】
なお、タイミング設定ルーチンRT1と同様に、タイミング設定ルーチンRT3においても、案内開始距離の代わりに案内開始時間を設定してもよい。その場合、制御部47は、案内開示時間に応じたコンテンツ長の案内コンテンツを選択する。
【0210】
[変形例2]
図14乃至図16を参照しつつ、音声案内サーバ30の制御部47が、車載装置10が車両Mにおいて音声案内を開始するタイミングを設定する際に実行するタイミング設定ルーチンRT1の他の変形例について説明する。
【0211】
図14は、タイミング設定ルーチンRT1の変形例であるタイミング設定ルーチンRT4を示すフローチャートである。タイミング設定ルーチンRT4は、ステップS401からステップS402までは、タイミング設定ルーチンRT1のステップS101からステップS102までと同様に進行する。
【0212】
制御部47は、ステップS402の実行後、ステップS402において取得した道路属性情報及び施設規模情報に基づいて、案内コンテンツを選択する(ステップS403)。
【0213】
ステップS403において、例えば、制御部47は、道路属性情報及び施設規模情報の少なくともいずれかに基づいて、車載装置10が出力させる音声案内の再生時間の長さ(コンテンツ長)を決定する。その後、制御部47は、ステップS401において特定した施設について準備された複数の案内コンテンツの中から、再生時間の長さが当該決定したコンテンツ長に近い案内コンテンツを選択する。
【0214】
図15は、ステップS403において制御部47が道路属性情報に基づいてコンテンツ長を決定する際に参照するコンテンツ長テーブルTB5を示す図である。テーブルTB5は、例えば、大容量記憶装置45内に記憶されている。図15に示すように、テーブルTB5において、道路の属性としての道路の種類毎に、コンテンツ長が対応付けられている。
【0215】
制御部47は、例えば、テーブルTB5を参照して、道路属性情報に基づいてコンテンツ長を決定し、当該決定したコンテンツ長に近い案内コンテンツを選択する。
【0216】
図16は、ステップS403において制御部47が施設規模情報に基づいてコンテンツ長を決定する際に参照するコンテンツ長テーブルTB6を示す図である。テーブルTB6は、例えば、大容量記憶装置45内に記憶されている。
【0217】
制御部47は、例えば、テーブルTB6を参照して、施設規模情報に基づいてコンテンツ長を決定し、当該決定したコンテンツ長に近い案内コンテンツを選択する。
【0218】
例えば、制御部47は、ステップS403において、テーブルTB5を参照して道路属性情報に基づいて決定したコンテンツ長と、テーブルTB6を参照して施設規模情報に基づいて決定したコンテンツ長とのうちの、例えば短い方のコンテンツ長に近い案内コンテンツを選択することで、道路属性情報及び施設規模情報の両方に基づいて案内コンテンツを選択してもよい。
【0219】
ステップS403において、制御部47は、音声案内を行った際の再生時間の長さが互いに異なる複数の案内コンテンツの中から、出力部より出力させる1の案内コンテンツを選択するコンテンツ選択部として機能する。
【0220】
ステップS403の実行後、制御部47は、ステップS403において選択した案内コンテンツに応じて案内開始距離を設定する(ステップS404)。ステップS404において、例えば、ステップS403において選択した案内コンテンツのコンテンツ長に基づいて、車両Mの速度を考慮して、案内開始距離を算出する。例えば、案内開始時間は、ステップS403において選択した案内コンテンツの再生が終わるまでに車両Mが案内対象施設を通過しないように設定される。
【0221】
なお、ステップS404において、制御部47は、案内開始距離の代わりに案内開始時間を設定してもよい。例えば、案内開始時間は、ステップS403において選択した案内コンテンツのコンテンツ長よりも短くならないように設定される。
【0222】
ステップS404の実行後、制御部47は、ステップS401において特定した案内対象施設の施設情報、ステップS403において選択した案内コンテンツ及びステップS404において設定した案内開始距離を車載装置10に送信する(ステップS405)。
【0223】
ステップS405の実行後、制御部47は、タイミング設定ルーチンRT4を終了し、次のタイミング設定ルーチンRT4を新たに開始する。
【0224】
なお、ステップS403において、制御部47が参照するテーブルは、上記した例に限られず、例えば、道路属性情報及び施設規模情報の両方の組み合わせについてコンテンツ長が対応付けられたテーブルを用いてもよい。
【0225】
本ルーチンによれば、道路属性情報及び施設規模情報の少なくともいずれかに基づいて案内コンテンツを選択した上で、選択された案内コンテンツのコンテンツ長に合わせて案内開始距離又は案内開始時間を設定することができる。それによって、音声案内の出力が開始されてから、車両Mが案内対象施設に到達するまでに終了するように、案内コンテンツの再生を行うことができる。従って、ユーザによる施設に関する情報の認知を確実にし、かつ、より一層良質なユーザエクスペリエンスを安定して提供することができる。
【実施例0226】
図17を参照しつつ、本実施例に係る情報処理装置としての車載装置70の構成について説明する。本実施例においては、実施例1において音声案内サーバ30が有する機能及び大容量記憶装置45に記憶されている情報を、車載装置70が有している。
【0227】
図17に示すように、車載装置70は、大容量記憶装置71の内容及び制御部73の機能のみが車載装置10と異なり、その他の点においては、車載装置10と同様に構成されている。
【0228】
図17に示すように、大容量記憶装置71は、音声案内サーバ30の大容量記憶装置45と同様に、詳細地図DB45A、タイミング設定DB45B及び案内コンテンツDB45Cを有している。
【0229】
制御部73は、車両Mが道路上を走行して施設に接近する際に、当該施設に関する音声案内を車両M内のスピーカ19から出力させる出力制御部として機能する。
【0230】
また、制御部73は、車両Mにおいて取得した情報に基づいて、音声案内の対象となる施設を特定する機能を有する。例えば、制御部73は、車両Mにおいて設定された目的地又は立寄地を音声案内の対象とする施設として特定する。また、制御部73は、例えば、詳細地図DB45Aを参照して、車両Mにおいて設定されたルートに含まれる道路に隣接する施設を、音声案内の対象とする施設として特定する。
【0231】
また、制御部73は、例えば、車両Mの現在位置情報に基づいて、車両Mが走行中の道路に隣接する施設を、音声案内の対象とする施設として特定してもよい。
【0232】
制御部73は、車両Mが案内対象施設に接近する際に走行する道路の属性に関する情報及び案内対象施設の規模に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、音声案内の出力を開始させるタイミングを設定するタイミング設定部として機能する。
【0233】
例えば、制御部73は、案内開始距離を設定し、案内開始距離にまで車両Mが施設に近づくタイミングを、音声案内を開始するタイミングとして設定する。
【0234】
例えば、制御部73は、案内開始時間を設定し、車両Mが施設に到達するまでの所要時間が当該案内開始時間となるタイミングを、音声案内を開始するタイミングとして設定してもよい。
【0235】
例えば、制御部73は、タイミング設定部が設定したタイミングで、例えば案内コンテンツDB45C内の案内コンテンツをスピーカ19から出力させる。
【0236】
上述した実施例における構成及びルーチンは例示に過ぎず、用途等に応じて適宜選択、組み合わせ及び変更可能である。
【0237】
例えば、上述したタイミング設定ルーチンRT1とタイミング設定ルーチンRT4とを組み合わせて、道路属性情報又は施設規模情報に基づいて音声案内の出力を開始させるタイミングを設定し、かつ、道路属性情報又は施設規模情報に基づいて、再生時間の長さが互いに異なる複数の案内コンテンツの中から、出力部より出力させる1の案内コンテンツを選択することとしてもよい。
【0238】
例えば、車載装置10は、車載装置10と同様の構成を有する端末装置とタッチパネルディスプレイ15が一体化された構成であってもよい。具体的には、例えば、車載装置10は、上述した車載装置10と同様の機能を発揮するアプリケーションを搭載したスマートフォン、タブレットまたはPC等の端末装置であってもよい。この場合、車載装置10は、移動体内のユーザによって携帯されていてもよい。
【0239】
また、車載装置10は、車両Mの運転者に提示する画面を表示しない構成であってもよい。例えば、車載装置10は、ドライブレコーダのような構成を有していてもよく、例えば、前方を撮影する前方カメラと一体となった装置であってもよい。具体的には、車載装置10は、例えば、前方カメラの筐体内に上記した車載装置10の音声案内を出力する機能を果たすハードウェアを内蔵したような装置であってもよい。この場合、経路生成のための入力操作は音声によって受け付けられてもよい。
【0240】
上記の実施例において、車載装置10が車両に搭載されている例について説明したが、本発明の車載装置10は、自転車、バイク等の他の移動体とともに移動するものであってもよい。また、当該移動体は人であってもよい。例えば、車載装置10はスマートフォンのような携帯型端末であり、これを人が保持しており、例えば道路上又は道路に沿った歩道上を歩いて移動して施設に接近する際に、当該スマートフォンのスピーカから当該施設に関する音声案内の出力が行われてもよい。
【符号の説明】
【0241】
10 車載装置
11、21 施設
13 看板
15 タッチパネルディスプレイ
17 GNSS受信機
19 スピーカ
30 音声案内サーバ
33 入力部
35 大容量記憶装置
37 制御部
39 通信部
41 出力部
45 大容量記憶装置
47 制御部
49 通信部
100 情報処理システム
M 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17