(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062650
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】操作入力ユニットおよびこれを備えた遊技機用操作ハンドル、遊技機、受電ユニット
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
A63F7/02 308G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170635
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】一色 信賢
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
(72)【発明者】
【氏名】中尾 悟朗
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA48
2C088DA09
2C088EA41
(57)【要約】
【課題】遊技機の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することが可能な操作入力ユニットおよびこれを備えた遊技機用操作ハンドル、遊技機、受電ユニットを提供する。
【解決手段】発射ハンドル内蔵ユニット20は、遊技機1に取り付けられ、遊技機1に対する操作入力を行うために任意の方向へ回転可能な発射ハンドル10に搭載されており、受電ユニット28と、無線情報送信部25と、を備える。受電ユニット28は、遊技機1に設けられた無線情報受信ユニット30から非接触で給電される。無線情報送信部25は、遊技機1との間において各種信号を送受信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に取り付けられ、前記遊技機に対する操作入力を行うために任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドルに搭載される操作入力ユニットであって、
前記遊技機に設けられた給電ユニットから非接触で給電される受電ユニットと、
前記遊技機との間において各種信号を送受信する第1通信部と、
を備えている操作入力ユニット。
【請求項2】
前記受電ユニットは、前記遊技機に設けられた前記給電ユニットに含まれる給電コイルに対する角度が異なる複数の受電コイルを含む、
請求項1に記載の操作入力ユニット。
【請求項3】
略立方体の形状を有する筐体部を、さらに備え、
複数の前記受電コイルは、前記略立方体の6つの面にそれぞれ設けられている、
請求項2に記載の操作入力ユニット。
【請求項4】
略立方体の形状を有する筐体部を、さらに備え、
前記受電ユニットは、前記略立方体の6つの面にわたって配置された単一の受電コイルを有している、
請求項1に記載の操作入力ユニット。
【請求項5】
少なくとも2軸を有し、任意の方向へ回転された前記遊技機用操作ハンドルの回転角度を検出する回転角度検出部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の操作入力ユニット。
【請求項6】
前記遊技機を使用する遊技者の手指が前記遊技機用操作ハンドルに触ったことを検知する人体検知部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の操作入力ユニット。
【請求項7】
前記遊技者によって操作された回転角度の基準となる基準角度を取得する基準角度取得部を、さらに備えている、
請求項6に記載の操作入力ユニット。
【請求項8】
前記基準角度取得部は、前記人体検知部において前記遊技者の手指が前記遊技機用操作ハンドルに触ったことを検知すると、前記基準角度を取得する、
請求項7に記載の操作入力ユニット。
【請求項9】
前記基準角度取得部において取得された前記基準角度から、所定時間経過後に最も変化が大きかった1つの軸を観測軸として設定する観測軸設定部を、さらに備えている、
請求項8に記載の操作入力ユニット。
【請求項10】
少なくとも2軸を有し、任意の方向へ回転された前記遊技機用操作ハンドルの回転角度を検出する回転角度検出部を、さらに備え、
前記回転角度検出部は、前記基準角度取得部において取得された前記観測軸における前記基準角度からの回転角度を検出する、
請求項9に記載の操作入力ユニット。
【請求項11】
少なくとも2軸を有し、任意の方向へ回転された前記遊技機用操作ハンドルの回転角度を検出する回転角度検出部を、さらに備え、
前記回転角度検出部は、前記人体検知部において前記遊技者の手指が前記遊技機用操作ハンドルから離れたことを検知すると、前記基準角度取得部において取得された前記基準角度をリセットする、
請求項8に記載の操作入力ユニット。
【請求項12】
前記基準角度取得部は、前記人体検知部において前記遊技者の手指が前記遊技機用操作ハンドルに触ったことを検知すると、再び、前記基準角度を取得する、
請求項11に記載の操作入力ユニット。
【請求項13】
前記回転角度検出部において検出された前記回転角度の大きさに応じて、前記遊技機における操作強度を制御する操作強度制御部を、さらに備えた、
請求項5に記載の操作入力ユニット。
【請求項14】
前記遊技機に含まれる発射装置による遊技球の発射を一時的に禁止する発射禁止部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の操作入力ユニット。
【請求項15】
前記遊技機用操作ハンドルに対して付与される外力を検知する移動検知部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の操作入力ユニット。
【請求項16】
請求項1または2に記載の操作入力ユニットと、
前記操作入力ユニットを内包する筐体部と、
を備えた遊技機用操作ハンドル。
【請求項17】
前記筐体部は、略球状の形状を有している、
請求項16に記載の遊技機用操作ハンドル。
【請求項18】
請求項16に記載の遊技機用操作ハンドルと、
前記遊技機用操作ハンドルが取り付けられた本体部と、
前記本体部に設けられ、前記遊技機用操作ハンドルに含まれる前記操作入力ユニットとの間において、各種信号の送受信を行う第2通信部と、
を備えた遊技機。
【請求項19】
任意の方向へ回転可能な操作部品に搭載され、外部の給電ユニットから非接触で給電される受電ユニットであって、
前記給電ユニットに含まれる給電コイルに対する角度が異なる複数の受電コイルと、
複数の前記受電コイルが取り付けられた筐体部と、
を備えている受電ユニット。
【請求項20】
前記筐体部は、略立方体の形状を有し、
複数の前記受電コイルは、前記略立方体の6つの面にそれぞれ設けられている、
請求項19に記載の受電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対する操作入力を行う操作入力ユニットおよびこれを備えた遊技機用操作ハンドル、遊技機、受電ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ台等の遊技機では、遊技球の発射強度は、操作ハンドルの回転角度に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器によって決定され、操作ハンドルと発射制御装置とが有線によって接続された構成であった。
例えば、特許文献1には、前面枠における遊技盤の下方に配置され前面枠の前面から前方に突出するハンドル支持台を設け、ハンドル支持台の上部に発射ハンドルを回動可能に設け、発射ハンドルをその回動中心軸が上下方向に延びるように配置した遊技機について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の遊技機の構成では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された遊技機では、遊技機に対峙する遊技者の腕が発射ハンドルの回動中心軸に沿うように延ばされるため、遊技者は手首を大きく曲げることなく発射ハンドルを握って回動させられ、発射ハンドルを回動操作する遊技者の疲労を軽減することができる。
【0005】
しかし、上記遊技機においても、操作ハンドルの回転方向および操作ハンドルの遊技機における設置場所がともに限定的であることから、遊技者が長時間の遊技をすると疲れやすいという課題があった。
本発明の課題は、遊技機の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することが可能な操作入力ユニットおよびこれを備えた遊技機用操作ハンドル、遊技機、受電ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る操作入力ユニットは、遊技機に取り付けられ、遊技機に対する操作入力を行うために任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドルに搭載される操作入力ユニットであって、受電ユニットと、第1通信部と、を備えている。受電ユニットは、遊技機に設けられた給電ユニットから非接触で給電される。第1通信部は、遊技機との間において各種信号を送受信する。
【0007】
ここでは、任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドル内に搭載される操作入力ユニットにおいて、遊技機側に設けられた給電ユニットから非接触で給電されるとともに、遊技機との間において各種信号を送受信する。
なお、第1通信部による遊技機との間の通信は、無線を介して行われてもよいし、有線を介して行われてもよい。
【0008】
これにより、任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドルに搭載された操作入力ユニットであっても、電力供給用の配線等の取り回しを考慮する必要がなく、遊技者は、自らにとって最も楽な方向へ遊技機用操作ハンドルを回転させて遊技機への操作入力を行うことができる。よって、従来の遊技機に設置された遊技機用操作ハンドルを右回りに回転操作する構成と比較して、楽な姿勢で遊技することができる。
この結果、遊技機の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することができる。
【0009】
第2の発明に係る操作入力ユニットは、第1の発明に係る操作入力ユニットであって、受電ユニットは、遊技機に設けられた給電ユニットに含まれる給電コイルに対する角度が異なる複数の受電コイルを含む。
これにより、任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドルの内部に搭載された操作入力ユニットが遊技機用操作ハンドルとともに回転する場合でも、給電ユニット(給電コイル)に対して異なる角度で設置された複数の受電コイルのいずれかによって受電することができる。
【0010】
第3の発明に係る操作入力ユニットは、第2の発明に係る操作入力ユニットであって、略立方体の形状を有する筐体部を、さらに備え、複数の受電コイルは、略立方体の6つの面にそれぞれ設けられている。
これにより、略立方体を構成する6つの面にそれぞれ受電コイルが1つずつ設けられているため、任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドル内に設置された操作入力ユニットが遊技機用操作ハンドルとともに回転した場合でも、受電コイルの少なくとも1つが、給電コイルに正対する向きとなることで受電することができる。
【0011】
第4の発明に係る操作入力ユニットは、第1の発明に係る操作入力ユニットであって、略立方体の形状を有する筐体部を、さらに備え、受電ユニットは、略立方体の6つの面にわたって配置された単一の受電コイルを有している。
これにより、略立方体を構成する6つの面にまたがって単一の受電コイルが設けられているため、任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドルを回転させた場合でも、6つの面のいずれかが給電ユニットに含まれる給電コイルにほぼ正対した状態となり、給電コイルから受電することができる。
【0012】
第5の発明に係る操作入力ユニットは、第1または第2の発明に係る操作入力ユニットであって、少なくとも2軸を有し、任意の方向へ回転された遊技機用操作ハンドルの回転角度を検出する回転角度検出部を、さらに備えている。
これにより、遊技者は、自らにとって最も楽な方向へ遊技機用操作ハンドルを回転させることで、回転角度に応じて遊技機への操作入力を行うことができる。
【0013】
第6の発明に係る操作入力ユニットは、第1または第2の発明に係る操作入力ユニットであって、遊技機を使用する遊技者の手指が遊技機用操作ハンドルに触ったことを検知する人体検知部を、さらに備えている。
これにより、遊技者の手指が遊技機用操作ハンドルを触ったことを検知することで、遊技機用操作ハンドルから遊技機への操作入力を行う条件の1つとして検知結果を利用することができる。
【0014】
第7の発明に係る操作入力ユニットは、第6の発明に係る操作入力ユニットであって、遊技者によって操作された回転角度の基準となる基準角度を取得する基準角度取得部を、さらに備えている。
これにより、任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドルであっても、所定のタイミングで、遊技機用操作ハンドルの操作の基準となる基準角度を取得することで、基準角度からの回転角度に応じた操作量を遊技機側へ出力することができる。
【0015】
第8の発明に係る操作入力ユニットは、第7の発明に係る操作入力ユニットであって、基準角度取得部は、人体検知部において遊技者の手指が遊技機用操作ハンドルに触ったことを検知すると、基準角度を取得する。
これにより、遊技者が遊技機を遊技しようと遊技用操作ハンドルを触ったことを検知したタイミングで、遊技機用操作ハンドルの操作の基準となる基準角度を取得することができる。
【0016】
第9の発明に係る操作入力ユニットは、第8の発明に係る操作入力ユニットであって、基準角度取得部において取得された前基準角度から、所定時間経過後に最も変化が大きかった1つの軸を観測軸として設定する観測軸設定部を、さらに備えている。
これにより、上述した基準角度を原点とし、その原点から最も変位が大きかった1つの軸を観測軸として設定することで、観測軸における基準角度からの回転角度を検出することができる。
【0017】
第10の発明に係る操作入力ユニットは、第9の発明に係る操作入力ユニットであって、少なくとも2軸を有し、任意の方向へ回転された遊技機用操作ハンドルの回転角度を検出する回転角度検出部を、さらに備え、回転角度検出部は、基準角度取得部において取得された観測軸における基準角度からの回転角度を検出する。
これにより、観測軸における基準角度からの回転角度を、遊技機用操作ハンドルの操作量として検出することができる。
【0018】
第11の発明に係る操作入力ユニットは、第8の発明に係る操作入力ユニットであって、少なくとも2軸を有し、任意の方向へ回転された遊技機用操作ハンドルの回転角度を検出する回転角度検出部を、さらに備え、回転角度検出部は、人体検知部において遊技者の手指が遊技機用操作ハンドルから離れたことを検知すると、基準角度取得部において取得された基準角度をリセットする。
これにより、遊技者が遊技用操作ハンドルから手を離したタイミングで、一旦、取得した基準角度をリセットすることで、再び遊技者が遊技用操作ハンドルに手を振れたタイミングで、基準角度を取得し直すことができる。
【0019】
第12の発明に係る操作入力ユニットは、第11の発明に係る操作入力ユニットであって、基準角度取得部は、人体検知部において遊技者の手指が遊技機用操作ハンドルに触ったことを検知すると、再び、基準角度を取得する。
これにより、一旦、取得した基準角度がリセットされた後、再び遊技者が遊技用操作ハンドルに手を触れたタイミングで基準角度を取得し直すことで、その遊技者が遊技用操作ハンドルに触れた位置を基準として回転角度を検出することができる。
【0020】
第13の発明に係る操作入力ユニットは、第5の発明に係る操作入力ユニットであって、回転角度検出部において検出された回転角度の大きさに応じて、遊技機における操作強度を制御する操作強度制御部を、さらに備えている。
これにより、遊技機用操作ハンドルの回転角度に応じて遊技機における操作強度を制御することで、回転角度が大きくなるほど操作強度を大きく、回転角度が小さくなるほど操作強度を小さくすることができる。
【0021】
第14の発明に係る操作入力ユニットは、第1または第2の発明に係る操作入力ユニットであって、遊技機に含まれる発射装置による遊技球の発射を一時的に禁止する発射禁止部を、さらに備えている。
これにより、例えば、遊技機がパチンコ機である場合において、遊技機用操作ハンドルから手を放すことなく、任意のタイミングで遊技球の発射装置を一時的に発射停止とすることができる。
【0022】
第15の発明に係る操作入力ユニットは、第1または第2の発明に係る操作入力ユニットであって、遊技機用操作ハンドルに対して付与される外力を検知する移動検知部を、さらに備えている。
これにより、例えば、遊技機用操作ハンドルに対する演出効果としての外力の付与、あるいは、遊技者による遊技機用操作ハンドルへの不正な衝撃の付与等を容易に検知することができる。
【0023】
第16の発明に係る遊技機用操作ハンドルは、第1または第2の発明に係る操作入力ユニットと、操作入力ユニットを内包する筐体部と、を備えている。
これにより、遊技機の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することが可能な遊技機用操作ハンドルを得ることができる。
【0024】
第17の発明に係る遊技機用操作ハンドルは、第16の発明に係る遊技機用操作ハンドルであって、筐体部は、略球状の形状を有している。
これにより、遊技者にとって楽に操作できる任意の方向に、略球状の筐体部を回転させながら遊技機に対する操作入力を行うことができるため、遊技者の疲労を効果的に軽減することができる。
【0025】
第18の発明に係る遊技機は、第16の発明に係る遊技機用操作ハンドルと、遊技機用操作ハンドルが取り付けられた本体部と、本体部に設けられ、遊技機用操作ハンドルに含まれる操作入力ユニットとの間において、各種信号の送受信を行う第2通信部と、を備えている。
これにより、遊技機の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
【0026】
第19の発明に係る受電ユニットは、給電ユニットから非接触で給電される受電ユニットであって、複数の受電コイルと、筐体部と、を備えている。複数の受電コイルは、給電ユニットに含まれる給電コイルに対する角度が異なる。筐体部は、複数の受電コイルが取り付けられている。
ここでは、任意の方向へ回転可能な操作部品に搭載される受電ユニットにおいて、筐体部に、給電ユニットに含まれる給電コイルに対して異なる角度で配置された複数の受電コイルによって非接触で受電する。
これにより、任意の方向へ回転可能な操作部品に搭載された操作入力ユニットが操作部品とともに回転する場合でも、給電ユニット(給電コイル)に対して異なる角度で設置された複数の受電コイルのいずれかによって受電することができる。
【0027】
第20の発明に係る受電ユニットは、第19の発明に係る受電ユニットであって、筐体部は、略立方体の形状を有し、複数の受電コイルは、略立方体の6つの面にそれぞれ設けられている。
【0028】
これにより、略立方体を構成する6つの面にそれぞれ受電コイルが1つずつ設けられているため、任意の方向へ回転可能な遊技機用操作ハンドル内に設置された操作入力ユニットが遊技機用操作ハンドルとともに回転した場合でも、受電コイルの少なくとも1つが、給電コイルに正対する向きとなることで受電することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る操作入力ユニットによれば、遊技機の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態に係る操作入力ユニットを搭載した遊技機用操作ハンドルが取り付けられた遊技機の構成を示す全体斜視図。
【
図3】
図1の遊技機に含まれる発射ハンドル内蔵ユニットおよび無線情報受信ユニットの構成を示す制御ブロック図。
【
図4】
図2の発射ハンドルの外観構成を示す斜視図。
【
図5】
図4の発射ハンドルの内部構成を示す分解斜視図。
【
図6】
図5の発射ハンドルの内部に配置された発射ハンドル内蔵ユニットの構成を示す分解斜視図。
【
図7】
図6の発射ハンドル内蔵ユニットに含まれる基板の反対側の面の構成を示す分解斜視図。
【
図8】
図3の遊技機側に設けられた無線情報受信ユニットの構成を示す分解斜視図。
【
図9】
図8の無線情報受信ユニットに含まれる基板の反対側の面の構成を示す分解斜視図。
【
図10】
図9の発射ハンドルに含まれる受電ユニットの構成を示す概念図。
【
図11】
図10の受電ユニットを遊技機側の給電コイルに対して傾けた状態を示す概念図。
【
図14】
図8の発射ハンドルを用いた遊技機において遊技する際の処理の流れを示すフローチャート。
【
図15】
図14のステップS13の原点/軸設定処理の流れを示すフローチャート。
【
図16】本発明の実施形態2に係る発射ハンドルの構成を示す外観図。
【
図17】
図16の発射ハンドルに含まれる発射ハンドル内蔵ユニットおよび無線情報受信ユニットの構成を示す制御ブロック図。
【
図18】本発明の実施形態3に係る発射ハンドルの構成を示す外観図。
【
図19】
図18の発射ハンドルに含まれる発射ハンドル内蔵ユニットおよび無線情報受信ユニットの構成を示す制御ブロック図。
【
図20】
図18の発射ハンドルを用いた遊技機において遊技する際の処理の流れを示すフローチャート。
【
図21】
図20のステップS51の衝撃検知処理の流れを示すフローチャート。
【
図22】
図20のステップS54の移動検知処理の流れを示すフローチャート。
【
図23】本発明の他の実施形態に係る操作入力ユニットに含まれる受電ユニットの筐体部を展開した図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)20を搭載した発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)10が取り付けられた遊技機1について、
図1~
図15を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
また、出願人は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0032】
(1)遊技機1の構成
本実施形態に係る遊技機1は、
図1に示すように、パチンコ機であって、本体部1aの前面に設けられた遊技部2と、上球皿3と、下球皿4と、発射装置5と、ハンドル支持台6と、発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)10と、を備えている。
【0033】
遊技部2は、発射ハンドル10によって打ち出された遊技球(遊技媒体)が移動する領域である。発射ハンドル10は、遊技球の発射操作を行うための装置であって、遊技者が発射ハンドル10を任意の方向へ回転させた状態で保持すると、本体部1aの内部に設置された発射装置5から遊技球が連続発射されて遊技部2に打ち出される。
上球皿3は、遊技において獲得した遊技球、または、球貸し操作にて貸し出された遊技球が貯留され、下球皿4は、上球皿3から溢れた遊技球が貯留される。つまり、遊技部2に設けられた入賞口(不図示)に遊技球が入賞すると、入賞口に応じて設定されている数の遊技球が、遊技機1の背面側に設置された球払出装置(図示せず)より上球皿3または下球皿4に払い出される。
【0034】
発射装置5は、
図1に示すように、遊技機1の本体部1aの内部に設けられており、遊技球を遊技部2へ連続的に発射する。なお、発射装置5は、後述する発射制御部41(
図3参照)によって遊技球の発射を制御される。
ハンドル支持台6は、遊技機1の本体部1aの正面における右下から遊技者の方向へ突出するように設置された略直方体形状の部材であって、その上面側において発射ハンドル10を任意の方向へ回転可能な状態で支持している。
【0035】
(2)発射ハンドル10の構成
本実施形態に係る発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)10は、遊技機1の遊技球を遊技部2へ打ち出す際に操作されるコントローラとしての略球状の部材であって、
図1に示すように、遊技機1の右下に取り付けられたハンドル支持台6に設置されている。
発射ハンドル10は、
図2に示すように、ハンドル支持台6の上面において、360度任意の方向へ回転可能な状態でセットされている。
【0036】
また、発射ハンドル10は、略球状の筐体部10aと、タッチセンサ用電極11と、ストップスイッチ用電極12と、筐体部10a内に設けられた発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)20と、を備えている。
タッチセンサ用電極11は、発射ハンドル内蔵ユニット20に内蔵された、例えば、静電容量式タッチスイッチとしてのタッチセンサに接続されている。タッチセンサ用電極11は、遊技機1の遊技者の手指が、発射ハンドル10に触れたことを検知するために、発射ハンドル10の表面あるいは裏面に設けられている(
図4参照)。
【0037】
なお、タッチセンサ用電極11は、発射ハンドル10のどの部分を遊技者が触っても検知できるように、発射ハンドル10のできるだけ広い範囲に設けられている、あるいは、複数のタッチセンサ用電極11が発射ハンドル10の表面に分散して設けられていることが好ましい。
ストップスイッチ用電極12は、発射ハンドル内蔵ユニット20に内蔵された、例えば、静電容量式タッチスイッチとしてのストップスイッチに接続されている。ストップスイッチ用電極12は、遊技者の手指が触れたことを検知すると、遊技機1における遊技球の発射を一時的に停止させるために、発射ハンドル10の表面に設けられている(
図4参照)。
【0038】
なお、ストップスイッチ用電極12は、遊技者が遊技中に操作しやすいように、例えば、発射ハンドル10の表面における遊技者の親指が位置する付近に設けられていることが好ましい。
発射ハンドル内蔵ユニット20は、
図3に示すように、人体検知部21と、発射禁止部22と、回転角度検出部(回転角度検出部、基準角度取得部、観測軸設定部)23と、発射情報処理部(発射強度制御部)24と、無線情報送信部(第1通信部)25と、送信アンテナ26と、電力供給部27と、受電ユニット28とを備えている。
【0039】
なお、発射ハンドル内蔵ユニット20の詳細な構成については、後段にて詳述する。
人体検知部21は、タッチセンサ用電極11(
図4および
図5参照)と接続されており、遊技機を使用する遊技者の手指が発射ハンドル10に触ったことを検知する。
発射禁止部22は、ストップスイッチ用電極12(
図4および
図5参照)と接続されており、発射ハンドル10が操作された状態において遊技者の手指がストップスイッチ用電極12に触れたことを検知すると、遊技機1に含まれる発射装置5による遊技球の発射を一時的に禁止する。
【0040】
回転角度検出部(回転角度検出部、基準角度取得部、観測軸設定部)23は、例えば、ジャイロセンサであって、少なくとも2軸を有し、任意の方向へ回転された発射ハンドル10の回転角度を検出する。
また、回転角度検出部23は、遊技者によって操作された回転角度の基準となる基準角度を取得する。より詳細には、回転角度検出部23は、人体検知部21において遊技者の手指が発射ハンドル10に触ったことを検知すると、検知した時点での発射ハンドル10の回転角度を、基準角度として取得する。
【0041】
さらに、回転角度検出部23は、x軸、y軸、z軸のうち、取得した基準角度を基準として、所定時間経過後に取得された回転角度について、最も変位量が大きかった1つの軸を観測軸として設定する。そして、回転角度検出部23は取得した観測軸における基準角度からの回転角度を、発射ハンドル10の操作量として検出する。
これにより、観測軸における基準角度からの回転角度を、発射ハンドル10の操作量として検出することができる。
【0042】
ここで、回転角度検出部23は、人体検知部21において遊技者の手指が発射ハンドル10から離れたことを検知すると、取得した基準角度をリセットするとともに、人体検知部21において遊技者の手指が発射ハンドル10に触ったことを検知すると、再び、基準角度を取得する。
これにより、遊技者が発射ハンドル10から手を離したタイミングで、一旦、取得した基準角度をリセットすることで、再び遊技者が発射ハンドル10に手を振れたタイミングで、基準角度を取得し直すことができる。
【0043】
発射情報処理部(発射強度制御部)24は、人体検知部21および発射禁止部22における検知結果に基づいて、遊技機1側に設けられた発射装置5による遊技球の発射条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、発射情報処理部24は、人体検知部21において遊技者が発射ハンドル10の表面に触れていることを検知し、かつ、発射禁止部22において遊技者がストップスイッチ用電極12に触れていないことを検知すると、遊技球を発射可能であることを示す信号を無線情報送信部25へ送信する。
【0044】
また、発射情報処理部24は、回転角度検出部23において検出された回転角度の大きさに応じて、遊技機1の発射装置5における遊技球の発射強度(操作強度)を制御する。
無線情報送信部(第1通信部)25は、回転角度検出部23における検出結果に応じた信号を、送信アンテナ26を介して、遊技機1の無線情報受信ユニット30に対して無線を介して送信する。
【0045】
電力供給部27は、無線電力受電部28aが遊技機1側から受電した電力を、タッチセンサ用電極11、ストップスイッチ用電極12、回転角度検出部23、発射情報処理部、無線情報送信部25に対して供給する。
受電ユニット28は、遊技機1側に設けられた無線電力送電部(給電ユニット)34の給電コイル35から、受電コイル28bを介して非接触で給電される。受電ユニット28は、
図5に示すように、発射ハンドル内蔵ユニット20とともに、筐体部28cを貫通するように略球状の筐体部10aの内部に設けられた支持軸10bによって、筐体部10aの内部において支持されている。
なお、受電ユニット28の詳細な構成については、後段にて詳述する。
【0046】
(3)発射ハンドル内蔵ユニット20の内部構成
本実施形態に係る発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)20は、
図5に示すように、略球状の筐体部10aの内部において、貫通孔20eに挿入される支持軸10bによって支持されている。そして、発射ハンドル内蔵ユニット20は、
図6に示すように、略箱型のカバー20a,20bの内部に設けられた基板20cの第1面上に、上述した人体検知部21と、発射禁止部22と、回転角度検出部23と、発射情報処理部24と、無線情報送信部25と、電力供給部27と、無線電力受電部28a、コネクタ20dとが配置されている。
【0047】
略箱型のカバー20a,20bは、
図6に示すように、側面にそれぞれ貫通孔20eを有している。この貫通孔20eは、基板20cにも設けられている。
これにより、上述した支持軸10bがカバー20a,20bおよび基板20cにそれぞれ設けられた貫通孔20eに挿入されることで、発射ハンドル内蔵ユニット20が、発射ハンドル10の筐体部10aの内部において支持される。
【0048】
また、発射ハンドル内蔵ユニット20は、
図7に示すように、基板20cの第1面とは反対側の第2面上に、上述した送信アンテナ26が設けられている。
そして、発射ハンドル内蔵ユニット20は、基板20cの第1面側に設けられたコネクタ20dを介して、タッチセンサ用電極11およびストップスイッチ用電極12と電気的に接続される。
【0049】
(4)無線情報受信ユニット30の構成
ここで、発射ハンドル内蔵ユニット20との間において各種信号の送受信を行う遊技機1側の無線情報受信ユニット(給電ユニット)30は、
図3に示すように、受信アンテナ31と、無線情報受信部(第2通信部)32と、無線情報処理部33と、無線電力送電部34と、給電コイル35と、電力変換部36とを備えている。
【0050】
受信アンテナ31は、発射ハンドル内蔵ユニット20側の送信アンテナ26から、発射情報等を含む各種信号を受信する。
無線情報受信部(第2通信部)32は、受信アンテナ31を介して受信した発射情報等を含む各種信号を無線情報処理部33へ送信する。
無線情報処理部33は、無線情報受信部32から受信した発射情報等を含む各種信号を処理して、発射制御部41へ送信する。
【0051】
これにより、発射制御部41は、無線情報処理部33において発射可能と判定されている場合に、発射装置5から遊技球を連続的に発射させることができる。一方、無線情報処理部33において発射不可と判定されている場合には、発射制御部41は、発射装置5からの遊技球の発射を行わないように制御する。
無線電力送電部34は、上述した発射ハンドル内蔵ユニット20側の受電コイル28bに対して、給電コイル35を介して所定の電力を供給する。
【0052】
給電コイル35は、無線電力送電部34から給電される電力を、受電コイル28bへ送電する。本実施形態では、給電コイル35は、
図2に示すように、ハンドル支持台6の底面に設けられている。
電力変換部36は、遊技機1に設けられた送信電力供給部42から供給された電力を送電用の電力に変換して、無線電力送電部34へ送信する。
【0053】
ここで、無線情報受信ユニット30は、遊技機1側に設けられており、
図8に示すように、略箱型のカバー30a,30bの内部に設けられた基板30cの第1面上に、上述した無線情報受信部32と、無線情報処理部33と、無線電力送電部34と、電力変換部36と、コネクタ30dとが配置されている。
なお、コネクタ30dは、上述したカバー30a,30bの外部に配置された給電コイル35と基板30cとの電気的接続、および、遊技機1側の装置と基板30cとの電気的接続を行うために設けられている。
また、無線情報受信ユニット30では、
図9に示すように、基板30cの第1面とは反対側の第2面上に、上述した受信アンテナ31が設けられている。
【0054】
(5)受電ユニット28の構成
本実施形態の発射ハンドル内蔵ユニット20は、上述したように、受電ユニット28を介して、遊技機1側から供給される電力を用いて駆動される。
【0055】
受電ユニット28は、電磁誘導方式によって給電ユニット(無線情報受信ユニット30)側から給電される。受電ユニット28は、
図10に示すように、6つの受電コイル28b(L1~L6)と、略立方体の6つの面にそれぞれ受電コイル28bが設けられた筐体部28cと、制御回路28d(
図13参照)と、出力部28e(
図13参照)と、を有している。
【0056】
6つの受電コイル28b(L1~L6)は、
図10に示すように、遊技機1側の給電コイル35に電流が流れることで生じる磁束の向きに対して、正対する向きで配置された受電コイル28bにおいて受電することができる。すなわち、給電コイル35によって生じる磁束が受電コイル28bにおいて鎖交した状態であれば、フレミングの法則によって受電コイル28bに電流が流れ、給電コイル35から受電コイル28bへの送電が可能となる。
【0057】
本実施形態では、受電ユニット28が、給電コイル35に対する角度が異なる複数の受電コイル28bを有している。
これにより、受電ユニット28が内包された発射ハンドル10が任意の方向へ回転操作された場合でも、給電コイル35に対して、少なくとも1つの受電コイル28bを磁束が通過することで、受電コイル28bにおいて給電コイル35から受電することができる。
【0058】
すなわち、発射ハンドル10が任意の方向へ回転操作されると、
図11に示すように、給電コイル35によって生じる磁束の向きに対して、受電コイル28bが斜めになる場合がある。
このとき、磁束の方向に対して、受電コイル28bが平行な向きに配置されると、受電コイル28bを磁束が通過しないため、受電コイル28bにおいて受電することができない。
【0059】
本実施形態では、給電コイル35によって生じる磁束が通過する受電コイル28b(例えば、L1,L2,L3,L4等)が存在することで、任意の方向へ回転操作される発射ハンドル10内に、受電ユニット28が配置された構成であっても、確実に受電することができる。
なお、略立方体の6つの面にそれぞれ設けられた受電コイル28bは、
図12に示すように、並列関係で接続されており、各受電コイル28bにおいて受電した電力を出力する。
【0060】
また、略立方体形状の筐体部28cは、
図13に示すように、展開された状態で受電コイル28b(L1~L6)が各面に設けられる。そして、折り目28caに沿って略90度に折り曲げることで、略立方体の筐体部28cを形成する。
制御回路28dは、
図13に示すように、筐体部28cの6つの面にそれぞれ設けられており、各受電コイル28b(L1~L6)において受電した電力を出力部28eへ送信する。
出力部28eは、
図13に示すように、筐体部28cの6つの面の内の1つの面に設けられており、各受電コイル28b(L1~L6)において受電した電力を、上述した発射ハンドル内蔵ユニット20の基板20cへ出力する。
【0061】
<遊技機1における発射装置5の発射制御>
本実施形態の遊技機1では、以上のような構成により、遊技者によって発射ハンドル10が操作されると、
図14に示すフローチャートに沿って、発射装置5の発射制御を行う。
【0062】
すなわち、
図14に示すように、ステップS11において、遊技機1の電源が投入されて遊技機1側から発射ハンドル内蔵ユニット20への給電が開始されると、ステップS12では、発射ハンドル内蔵ユニット20の人体検知部21が、遊技者の手指がタッチセンサ用電極11に触れたか否かを判定する。
ここで、人体検知部21が、遊技者が発射ハンドル10に触れたことを検知すると、ステップS13へ進む。一方、遊技者が発射ハンドル10に触れていない場合には、ステップS14へ進む。
【0063】
次に、ステップS13では、発射ハンドル内蔵ユニット20の回転角度検出部23が、人体検知部21が遊技者が発射ハンドル10に触れたことを検知した位置(角度)を基準にして、原点/軸設定処理を実施する。
なお、この原点/軸設定処理の詳細な内容については、後段にて詳述する。
次に、ステップS14では、ステップS12において遊技者が発射ハンドル10に触れていないと判定されたため、100msec待機し、再び、ステップS12の人体検知の判定を行う。
【0064】
次に、ステップS15では、回転角度検出部23が、ステップS14の原点/軸設定処理が正常に完了したか否かを判定する。ここで、正常に完了したと判定された場合には、ステップS16へ進む。一方、正常に完了していないと判定された場合には、ステップS17へ進む。
次に、ステップS16では、ステップS15において、ステップS14の原点/軸設定処理が正常に完了したと判定されたため、取得された基準角度および観測軸を基準にして、最初に遊技者が発射ハンドル10に触れた位置からの変位角(回転角度)θを算出する。
【0065】
一方、ステップS17では、ステップS15において、ステップS14の原点/軸設定処理が正常に完了していないと判定されたため、発射ハンドル内蔵ユニット20の発射情報処理部24が、遊技機1内の発射装置5による遊技球の発射を禁止する信号を出力する。
次に、ステップS18では、ステップS16において変位角θが算出された後、発射情報処理部24が、発射装置5による遊技球の発射を許可するか否かを判定する。ここで、発射情報処理部24が、所定の発射条件を満たしていると判定すると、ステップS19へ進む。一方、発射情報処理部24が、所定の発射条件を満たしていないと判定すると、ステップS20へ進む。
【0066】
なお、所定の発射条件とは、例えば、発射ハンドル10(タッチセンサ用電極11)に遊技者が触れており、かつ、遊技者が発射ハンドル10のストップスイッチ用電極12に触れていないこと等が含まれる。
次に、ステップS19では、ステップS18において発射許可と判定されたため、発射情報処理部24が、発射許可信号を出力するとともに、ステップS16において算出された変位角θを発射ハンドル10の操作量として出力する。
【0067】
一方、ステップS20では、ステップS18において所定の発射条件を満たしておらず発射許可できない判定されたため、発射情報処理部24が、発射禁止信号を出力する。
次に、ステップS21では、600msec経過するまで待機する。
次に、ステップS22では、発射ハンドル内蔵ユニット20の人体検知部21が、発射ハンドル10を遊技者が触っている状態が継続しているか否かを判定する。
【0068】
ここで、遊技者が継続して発射ハンドル10を触っていると判定されると、ステップS16へ戻り、再び、発射ハンドル10の操作量(変位角θ)の算出を行い、発射条件を満たすか否かに応じて、発射制御部41が発射装置5を制御する。
一方、遊技者が発射ハンドル10から手を離したと判定されると、再び、ステップS12へ戻り、同じあるいは別の遊技者が遊技機1の発射ハンドル10に触れるまで待機する。
【0069】
続いて、ステップS13における原点/軸設定処理の詳細について、
図15に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
すなわち、
図15に示すように、上述したステップS11において遊技者が発射ハンドル10に触れたことを検知すると、ステップS31では、発射ハンドル内蔵ユニット20の回転角度検出部23が、x軸、y軸、z軸の各軸における基準角度θx0、θy0、θz0を取得する。
【0070】
次に、ステップS32では、100msecが経過するまで待機する。
次に、ステップS33では、回転角度検出部23が、100msec経過後のx軸、y軸、z軸の各軸における回転角度θx、θy、θzを取得する。
次に、ステップS34では、回転角度検出部23が、x軸、y軸、z軸の各軸における変位角Δθx、Δθy、Δθzを算出する。
【0071】
ここで、
Δθx=θx-θx0
Δθy=θy-θy0
Δθz=θz-θz0
である。
【0072】
次に、ステップS35では、回転角度検出部23が、ステップS34において算出された変位角Δθx、Δθy、Δθzが所定の閾値θthよりも大きいか否かを判定する。
ここで、Δθ>θthである場合には、ステップS36へ進む。一方、Δθ≦θthである場合には、ステップS37へ進み、回転角度検出部23が、所定の最低発射強度に満たない操作量であると判断し、異常完了と判断し処理を終了する。
【0073】
次に、ステップS36では、ステップS35において、x軸、y軸、z軸のうち少なくとも1つの軸における変位量(Δθx、Δθy、Δθz)が閾値よりも大きいと判定されたため、回転角度検出部23が、x軸、y軸、z軸の各軸における回転角度θx、θy、θzのうち、最も変位量が大きい軸を観測軸として設定する。
次に、ステップS38では、ステップS36において観測軸が設定された後、回転角度検出部23が、正常完了と判断し、原点/観測軸の設定処理を終了する。
なお、ステップS31において取得された基準角度θx0、θy0、θz0、およびステップS36において設定された観測軸は、遊技者が発射ハンドル10から手を放すたびにリセットされる。そして、同じあるいは別の遊技者が再び発射ハンドル10に触れると、再度、基準角度の取得および観測軸の設定が実施される。
【0074】
<主な特徴1>
本実施形態の発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)20は、遊技機1に取り付けられ、遊技機1に対する操作入力を行うために任意の方向へ回転可能な発射ハンドル10に搭載されており、受電ユニット28と、無線情報送信部25と、を備える。受電ユニット28は、遊技機1に設けられた無線情報受信ユニット30から非接触で給電される。無線情報送信部25は、遊技機1との間において無線を介して各種信号を送受信する。
【0075】
これにより、任意の方向へ回転可能な発射ハンドル10に搭載された発射ハンドル内蔵ユニット20であっても、配線等の取り回しを考慮する必要がなく、遊技者は、自らにとって最も楽な方向へ発射ハンドル10を回転させて遊技機1への操作入力を行うことができる。よって、従来の遊技機に設置された遊技機用操作ハンドルを右回りに回転操作する構成と比較して、楽な姿勢で遊技することができる。
【0076】
この結果、遊技機1の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することができる。
また、従来の一定の方向(右方向)へ回転させる遊技機用操作ハンドルと比較して、360度任意の方向へ回転操作することができるため、右の手首が一定の角度のまま長時間固定されることはなく、遊技者にとって楽な姿勢で遊技できるため、遊技者の手や腕を置く肘置きを設置する必要がない。
【0077】
さらに、遊技者が常に一定の姿勢で回転操作することを楽にするために、硬貨等をハンドル部分へ挟んで遊技することを回避することができるため、遊技機用操作ハンドルの破損や故障の発生を防止することができる。
さらにまた、従来の発射ハンドルのように、ハンドルの回転角度に応じた可変抵抗器の抵抗変化を得るための煩雑な機構・構造が不要となるため、構成を簡素化することができる。
【0078】
<主な特徴2>
本実施形態の受電ユニット28は、任意の方向へ回転可能な発射ハンドル10に搭載され、外部の無線情報受信ユニット30から非接触で給電されるとともに、複数の受電コイル28bと、筐体部28cとを備えている。複数の受電コイル28bは、無線情報受信ユニット30に含まれる給電コイル35に対する角度が異なる。筐体部28cは、複数の受電コイル28bが取り付けられている。
これにより、任意の方向へ回転可能な発射ハンドル10に搭載された発射ハンドル内蔵ユニット20が発射ハンドル10とともに回転する場合でも、無線情報受信ユニット30(給電コイル35)に対して異なる角度で設置された複数の受電コイル28bのいずれかによって受電することができる。
【0079】
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)20およびこれを搭載した発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)110について、
図16および
図17を用いて説明すれば以下の通りである。
【0080】
本実施形態の発射ハンドル110は、
図16に示すように、略球状の筐体部10aの上部に、十字スイッチ111が取り付けられている点において、上述した実施形態1とは異なっている。
なお、上記実施形態1で説明した発射ハンドル10の構成と形状・機能等が共通の部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0081】
本実施形態の発射ハンドル110は、
図16に示す十字スイッチ111を備えており、
図17に示すように、発射ハンドル内蔵ユニット120の人体検知部21が、十字スイッチ111およびタッチセンサ用電極11のいずれかを遊技者が触ったことを検知する。
また、本実施形態の発射ハンドル内蔵ユニット120では、十字スイッチ111を用いた遊技者による操作入力に応じて、演出情報処理部129が、遊技部2における演出内容に関する情報を処理する。
これにより、発射ハンドル内蔵ユニット120の無線情報送信部25は、発射情報処理部24から受信する遊技球の発射可否に関する情報に加えて、遊技機1の遊技部2における演出情報を、遊技機1側の無線情報受信ユニット30に対して送信することができる。
【0082】
(実施形態3)
本発明のさらに他の実施形態に係る発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)220を搭載した発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)210について、
図18~
図22を用いて説明すれば以下の通りである。
【0083】
本実施形態の発射ハンドル210は、
図18に示すように、遊技機1の本体部1aの右下部に設けられたハンドル受け部206の上方に所定の隙間を介して配置されている。また、発射ハンドル210は、遊技機1の本体部1aに設けられた支持部230によって本体部1aに固定支持されている。
ハンドル受け部206の内部には、
図18に示すように、上述した給電コイル35が内蔵されており、発射ハンドル210内の受電コイル28b(
図19参照)に対して非接触で給電する。
【0084】
発射ハンドル210は、
図19に示すように、発射ハンドル内蔵ユニット220を備えている。
発射ハンドル内蔵ユニット220は、
図19に示すように、人体検知部21、発射禁止部22、回転角度検出部23、発射情報処理部24、無線情報送信部25、送信アンテナ26、電力供給部27、受電ユニット28、移動検知部221、演出情報処理部129を備えている。
【0085】
移動検知部221は、発射ハンドル210に対して付与される外力(押圧力、衝撃等)を検知する。
ここで、発射ハンドル210に対して付与される外力には、例えば、遊技機1の遊技部2における演出に遊技者が参加するために、発射ハンドル210を上方あるいは側方から連打する外力や、悪意ある遊技者が不正に発射ハンドル210に衝撃を与える外力等が含まれる。
【0086】
これにより、遊技機1の演出に参加するための道具の1つとして発射ハンドル210を用いることができる。
一方、悪意ある遊技者による不正な衝撃の付与に対しては、発射ハンドル210に対する衝撃付与を検知することで、不正な行為があったことを遊技機1の管理者側において認識し、当該遊技者を退場させる等の対応を採ることができる。
【0087】
演出情報処理部129は、遊技者が遊技機1の演出に参加する際に発射ハンドル210を用いる場合において、移動検知部221が発射ハンドル210に対して付与された打撃(衝撃)、押圧力等を検知すると、その外力に応じた信号を生成し、演出情報として無線情報送信部25へ送信する。
ここで、本実施形態の発射ハンドル210は、以上のような構成を備えており、遊技者によって操作されると、
図20に示すフローチャートに沿って、発射装置5の発射制御を行う。
【0088】
なお、
図20に示すフローチャートについて、ステップS11~ステップS20までの処理は、上述した
図14のフローチャートと同じであるから、同じ処理のステップについては同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
すなわち、
図20に示すように、ステップS11~ステップS20では、上述した
図14に示すフローチャートと同様の処理が行われ、発射ハンドル210の回転角度に応じて遊技球の発射の可否が判定される。
【0089】
次に、ステップS41では、発射ハンドル210の移動検知部221が、発射ハンドル210に対する衝撃検知処理を実施する。
なお、移動検知部221による衝撃検知処理の詳細については、別フローチャートを用いて後段にて詳述する。
次に、ステップS42では、移動検知部221が、ステップS41において衝撃検知処理を行った回数が10回以上であるか否かを判定し、10回に達するまで繰り返し判定を行う。
【0090】
次に、ステップS43では、移動検知部221が、ステップS42において衝撃検知処理の回数が10回以上になったと判定されたため、10回分の衝撃検知処理の最大値を取得した後、衝撃検知処理の回数をリセットする。
なお、移動検知部221が、10回分の衝撃検知処理の最大値の代わりに、10回分の衝撃検知処理の平均値を取得して、衝撃検知処理の回数をリセットしてもよい。
【0091】
次に、ステップS44では、移動検知部221が、10回以上の衝撃検知処理後、発射ハンドル210に対する押圧力(操作入力)の有無を検知する移動検知処理を行う。
なお、移動検知部221による移動検知処理の詳細については、別フローチャートを用いて後段にて詳述する。
次に、ステップS45では、移動検知部221が、ステップS44において同じ方向への移動を検知した回数が所定時間内に6回以上であるか否かを判定する。
【0092】
ここで、所定時間内に同じ方向への移動を検知した回数が6回以上になると、ステップS46へ移行し、所定時間内に6回に満たなかった場合には、ステップS48へ移行して移動無しと出力した後、ステップS46へ移行する。
次に、ステップS46では、移動検知部221が、ステップS45において移動検知処理の回数が6回以上になったと判定されたため、6回以上同じ方向への移動が確認されたと判断し、移動検知処理の回数をリセットする。また、ステップS46では、ステップS45において同じ方向への移動が6回以上確認されていないと判定され、ステップS48において移動無しと出力した後についても、移動検知処理の回数をリセットする。
【0093】
次に、ステップS47では、上記ステップS42およびステップS45において衝撃検知処理が10回以上、移動検知処理が6回以上あったと判定されたため、人体検知部21が、遊技者が発射ハンドル210に触れているか否かを判定する。
ここで、人体検知部21が遊技者が発射ハンドル210に触れていることを検知した場合には、遊技者が通常の遊技中であると判断して、ステップS16へ進み、人体検知したときの変位角Δθを算出し、以降の処理へ進む。
【0094】
一方、人体検知部21が遊技者が発射ハンドル210に触れていることを検知しない場合には、ステップS12へ戻り、再び、遊技者が発射ハンドル210に触れるまで待機する。
続いて、ステップS41における衝撃検知処理の詳細について、
図21に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
【0095】
すなわち、
図21に示すように、上述したステップS19またはステップS20において、発射ハンドル210の操作量(回転角度)に応じて遊技球を発射可否の処理が実施されると、ステップS51において、移動検知部221が、1msecサンプリングを10回実施して、x軸、y軸、z軸の各軸における加速度データaxn、ayn、aznを取得する。
【0096】
次に、ステップS52では、移動検知部221が、サンプリングされた10回分のデータについて各軸における加速度の最大値ax_max、ay_max、az_maxを取得する。
次に、ステップS53では、移動検知部221が、ステップS52において取得した各軸における加速度最大値を用いて、以下の関係式(1)によって加速度を演算する。
|a|=√(ax_max2+ay_max2+az_max2)・・・・(1)
【0097】
次に、ステップS54では、移動検知部221が、ステップS53において演算された加速度の絶対値|a|と所定の閾値athとを比較する。
ここで、加速度の絶対値が所定の閾値よりも大きい(|a|>ath)の場合には、ステップS55へ進み、所定の閾値以下である(|a|≦ath)である場合には、ステップS56へ進む。
【0098】
次に、ステップS55では、ステップS54において、加速度の絶対値が所定の閾値よりも大きい(|a|>ath)と判定されたため、移動検知部221が、発射ハンドル210に対する衝撃付与を検知したと判断し、演出情報処理部129へ衝撃検知信号を出力する。
一方、ステップS56では、ステップS54において、加速度の絶対値が所定の閾値以下である(|a|≦ath)と判定されたため、移動検知部221が、発射ハンドル210に対する衝撃付与を検知していないと判断し、演出情報処理部129へ衝撃非検知信号を出力する。
【0099】
次に、ステップS57では、衝撃検知処理回数をインクリメントして処理を終了する。
本実施形態の発射ハンドル210では、以上の処理によって、発射ハンドル210に対して付与された衝撃を検知して、遊技機1の演出へ参加することができる。
続いて、ステップS44における移動検知処理の詳細について、
図22に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
【0100】
すなわち、
図22に示すように、ステップS61では、ステップS51と同様に、移動検知部221が、x軸、y軸、z軸の各軸における加速度データaxn、ayn、aznを取得する。
次に、ステップS62では、移動検知部221が、各軸における加速度を積分して、移動距離ax_int、ay_int、az_intを試算する。
【0101】
次に、ステップS63では、移動検知部221が、ステップS62において試算された各軸における積分結果を比較する。
次に、ステップS64では、移動検知部221が、3軸において最も移動距離が小さい、例えば、az_intを使用せず、x軸およびy軸の2軸における移動距離ax_int、ay_intを用いて、所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0102】
ここで、移動距離ax_int、ay_intが所定の閾値以上であると判定されると、ステップS65へ進み、所定の閾値未満であると判定されると、ステップS66へ進む。
次に、ステップS65では、ステップS64において、移動距離ax_int、ay_intが所定の閾値以上であると判定されたため、移動検知部221が、これらの移動距離の絶対値|ax_int|、|ay_int|を比較する。
【0103】
ここで、絶対値|ax_int|が|ay_int|より大きい場合には、ステップS67へ進み、絶対値|ax_int|が|ay_int|以下である場合には、ステップS68へ進む。
一方、ステップS66では、ステップS64において、移動距離ax_int、ay_intが所定の閾値未満であると判定されたため、移動検知部221が、移動検知出力はないと判断し、処理を終了する。
【0104】
次に、ステップS67では、ステップS65において、絶対値|ax_int|が|ay_int|より大きいと判定されたため、移動検知部221が、ax_int>0の条件を満たすか否かを判定する。
ここで、ax_int>0の条件を満たす場合には、ステップS69へ進み、満たさない場合には、ステップS70へ進む。
【0105】
一方、ステップS68では、ステップS65において、絶対値|ax_int|が|ay_int|以下であると判定されたため、移動検知部221が、絶対値が大きい方のay_int>0の条件を満たすか否かを判定する。
ここで、ay_int>0の条件を満たす場合には、ステップS71へ進み、満たさない場合には、ステップS72へ進む。
【0106】
次に、ステップS69では、ステップS67において、ax_int>0の条件を満たすと判定されたため、移動検知部221が、右方向への移動(右方向への操作)を移動検知出力として、演出情報処理部129へ出力する。
一方、ステップS70では、ステップS67において、ax_int>0の条件を満たさないと判定されたため、移動検知部221が、左方向への移動(左方向への操作)を移動検知出力として、演出情報処理部129へ出力する。
【0107】
次に、ステップS71では、ステップS68において、ay_int>0の条件を満たすと判定されたため、移動検知部221が、上方向への移動(上方向への操作)を移動検知出力として、演出情報処理部129へ出力する。
一方、ステップS72では、ステップS68において、ay_int>0の条件を満たさないと判定されたため、移動検知部221が、下方向への移動(下方向への操作)を移動検知出力として、演出情報処理部129へ出力する。
本実施形態の発射ハンドル210では、以上の処理によって、発射ハンドル210を上下左右への操作入力を行うコントローラとして機能させることができる。
【0108】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0109】
(A)
上記実施形態では、略立方体の6つの面にそれぞれ受電コイル28bが配置された受電ユニット28の構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、
図23に示すように、略立方体の6つの面にまたがるように、単一の受電コイル328bが設けられた受電ユニット328であってもよい。
【0110】
この場合には、単一の受電コイル328bに接続された制御回路328dを介して、出力部28eから基板20cへ電力を出力することで、遊技機1側の給電コイル35によって生じた磁束が通過することによって発生した電力を、受電ユニット328において受電することができる。
また、単一の受電コイル328bのみとすることで、制御回路328dも1つ設ければよいため、受電ユニット328の構成を簡素化することができる。
なお、
図23に示す構成では、互いに対向する2つの面を通過する磁束は、互いに打ち消し合う方向に電力を生じさせて得られる電力が小さくなるおそれがあるものの、互いに対向する2つの面の距離がある程度確保できていれば、対向している2つの面のうち給電コイルから遠い側で生じる電力は弱いため、結果的に給電は可能である。
【0111】
(B)
上記実施形態では、遊技機1としてのパチンコ機に取り付けられた発射ハンドル10に、本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、遊技機がスロットマシーン、スロット機、ゲーム機等である場合には、遊技球を発射する発射ハンドルの代わりに、遊技機に各種操作入力を行う遊技機用操作ハンドルに対して、本発明が適用されてもよい。
【0112】
(C)
上記実施形態では、任意の方向へ回転可能な発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)10の回転角度を検出する回転角度検出部23として、少なくとも2軸を有するジャイロセンサを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、回転角度検出部として、ジャイロセンサの代わりに、少なくとも2軸を有する加速度センサを用いた構成であってもよい。
【0113】
(D)
上記実施形態では、遊技機1において遊技球の発射を一時停止するストップスイッチ用電極12が発射ハンドル10の外周面に一体的に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、遊技機用操作ハンドルとは別体として、ストップスイッチが設けられた構成であってもよい。
【0114】
(E)
上記実施形態では、遊技機1において発射ハンドル10に遊技者が触れたことを検知するタッチセンサ用電極11が発射ハンドル10の外周面に一体的に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、遊技機用操作ハンドルとは別体として、タッチセンサが設けられた構成であってもよい。
【0115】
(F)
上記実施形態では、回転角度検出部23が、本発明の回転角度検出部、基準角度取得部、観測軸設定部としての機能を果たす例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、回転角度検出部、基準角度取得部、観測軸設定部がそれぞれ別々の制御ブロックとして構成されていてもよい。
【0116】
(G)
上記実施形態では、発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)10に内蔵された発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)20が、非接触給電によって給電される例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、操作入力ユニットに対する給電を、遊技機用操作ハンドルに搭載された繰り返し充電可能な二次電池を用いて行う構成であってもよい。
【0117】
(H)
上記実施形態では、遊技機1の給電ユニット(無線情報受信ユニット30)側から発射ハンドル内蔵ユニット20側の受電ユニット28に対して、電磁誘導方式を用いて非接触給電を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、給電ユニットから受電ユニットに対する非接触給電としては、電磁誘導方式に限らず、電波受電方式、共鳴方式等、他の方式を採用してもよい。
【0118】
(I)
上記実施形態では、遊技機1に取り付けられた発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)10の外形が、略球状である例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、遊技機用操作ハンドルの形状が、球状ではなく、略立方体、略長楕円体(長球)、略三角錐等、他の様々な形状であってもよい。
【0119】
(J)
上記実施形態では、本発明の発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)20が搭載された発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)10が取り付けられた遊技機1として、パチンコ機を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0120】
例えば、本操作入力ユニットが搭載される遊技機用操作ハンドルが取り付けられる遊技機としては、例えば、パチスロ機、スロットマシーン、ゲーム機等、他の遊技機であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の操作入力ユニットは、遊技機の遊技を行う遊技者の疲労を従来よりも軽減することができるという効果を奏することから、各種遊技機に搭載される操作装置に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 遊技機
1a 本体部
2 遊技部
3 上球皿
4 下球皿
5 発射装置
6 ハンドル支持台
10 発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)
10a 筐体部
10b 支持軸
11 タッチセンサ用電極
12 ストップスイッチ用電極
20 発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)
20a,20b カバー
20c 基板
20d コネクタ
20e 貫通孔
21 人体検知部
22 発射禁止部
23 回転角度検出部(回転角度検出部、基準角度取得部、観測軸設定部)
24 発射情報処理部(操作強度制御部)
25 無線情報送信部(第1通信部)
26 送信アンテナ
27 電力供給部
28 受電ユニット
28a 無線電力受電部
28b 受電コイル
28c 筐体部
28ca 折り目
28d 制御回路
28e 出力部
30 無線情報受信ユニット(給電ユニット)
30a,30b カバー
30c 基板
30d コネクタ
31 受信アンテナ
32 無線情報受信部(第2通信部)
33 無線情報処理部
34 無線電力送電部
35 給電コイル
36 電力変換部
41 発射制御部
42 送信電力供給部
110 発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)
111 十字スイッチ
120 発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)
129 演出情報処理部
206 ハンドル受け部
210 発射ハンドル(遊技機用操作ハンドル)
220 発射ハンドル内蔵ユニット(操作入力ユニット)
221 移動検知部
230 支持部
328 受電ユニット
328b 受電コイル
328d 制御回路
L1~L6 受電コイル