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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062654
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】携帯端末機器用スタンド
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/12 20060101AFI20240501BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240501BHJP
   H04M 1/04 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H04M1/12 A
H04N5/64 581A
H04M1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170639
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】522418060
【氏名又は名称】安福 憲治郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】安福 憲治郎
(72)【発明者】
【氏名】倉垣 雅英
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023AA07
5K023BB02
5K023DD06
5K023KK04
5K023KK10
5K023MM25
5K023PP02
5K023PP05
5K023PP12
5K023PP13
5K023QQ04
5K023RR09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】携帯端末機器を縦置きまたは横置きすることができ、折り畳みでき、スタンド全体として薄い構造で携帯性に優れており、携帯端末機器を支える安定性の高い携帯端末機器用スタンドを提供すること。
【解決手段】携帯端末機器用スタンド100は、携帯端末機器の表示面と裏側の背面に接合する保持板21と、保持板21と略同一形状の第1支持板22と、保持板21と第1支持板22とが開閉自在となるように接続し、第1支持板22と略同一形状の第2支持板23と、第1支持板22と第2支持板23とが開閉自在となるように接続し、開方向への付勢力を有する第2接続部材32と、第1支持板22と第2支持板23とを折り畳めるように固定し、第2接続部材32の付勢力よりも大きい固定力のある第2固定部材と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末機器を縦置きまたは横置きすることができ、折り畳み可能なスタンドであって、
前記携帯端末機器の表示面と裏側の背面に接合する保持板と、
前記保持板と略同一形状の第1支持板と、
前記保持板と前記第1支持板とが開閉自在となるように前記保持板の一端短辺と前記第1支持板の一端短辺とを接続し、開方向への付勢力を有する第1接続部材と、
前記保持板と前記第1支持板とを折り畳めるように固定し、前記第1接続部材の付勢力よりも大きい固定力のある第1固定部材と、
前記第1支持板と略同一形状の第2支持板と、
前記第1支持板と前記第2支持板とが開閉自在となるように前記第1支持板の一端長辺と前記第2支持板の一端長辺とを接続し、開方向への付勢力を有する第2接続部材と、
前記第1支持板と前記第2支持板とを折り畳めるように固定し、前記第2接続部材の付勢力よりも大きい固定力のある第2固定部材と、を有することを特徴とする携帯端末機器用スタンド。
【請求項2】
前記第1接続部材および前記第2接続部材は、バネ蝶番であることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機器用スタンド。
【請求項3】
前記保持板の一端短辺と、前記第1支持板の一端短辺および一端長辺と、前記第2支持板の一端長辺と、には、前記保持板および前記第1支持板、または、前記第1支持板および前記第2支持板が開いた際に、前記第1接続部材または前記第2接続部材に干渉して一定角度以上開かないように、前記第1接続部材方向または前記第2接続部材方向に突出したストッパー部が設けられていることを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯端末機器用スタンド。
【請求項4】
前記保持板の面と前記第1支持板の面とを接続する第1可撓性部材と、前記第1支持板の面と前記第2支持板の面とを接続する第2可撓性部材と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯端末機器用スタンド。
【請求項5】
前記第1可撓性部材及び前記第2可撓性部材は糸状であることを特徴とする請求項4に記載の携帯端末機器用スタンド。
【請求項6】
前記第1可撓性部材及び前記第2可撓性部材は、板状であって、
折り畳んだ際に、前記保持板、前記第1支持板及び前記第2支持板に設けられた凹部に収納できることを特徴とする請求項4に記載の携帯端末機器用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末機器を縦置きまたは横置きすることができ、折り畳み可能なスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット等の携帯端末機器は、全体として板形状で形成されていることがほとんどであり、携帯端末機器を置いて立て掛けて使用する際は、立て掛けるためのスタンドが別途必要である。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の考案には、携帯端末機器と一緒に持ち運べると共に、簡単な構造でも縦置きしたり横置きしたりすることが可能な携帯端末機用スタンドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3237520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の携帯端末機用スタンドは、主に、携帯端末機器の表示面とは反対側となる背面に装着され、固定される第1板状部材と、携帯端末機器を立て掛けるときに、携帯端末機器を傾斜させた状態で支持する第2板状部材と、第1板状部材と第2板状部材とを接続する2つ折りのシート状部材と、から構成されており、2つ折りのシート状部材を用いると、スタンドが分厚い構造となるため、携帯するのに煩わしかった。
【0006】
また、特許文献1に記載の携帯端末機器用スタンドは、携帯端末機器の側辺を台面に付付ける必要があるため、台面がコンクリート等の粗くて固い台面である場合、携帯端末機器の側辺が汚れたり傷ついたりする恐れがあった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の携帯端末機器用スタンドは、台面に対して、第2板状部材の辺及び携帯端末機器の側辺の線で支えているので、携帯端末機器を支えるための安定性にも欠けていた。
【0008】
そこで、本発明は上述した課題を鑑みてなされたものであって、携帯端末機器を縦置きまたは横置きすることができ、折り畳み可能なスタンドであって、スタンド全体として薄い構造で携帯性に優れており、携帯端末機器が汚れたり傷ついたり恐れがなく、さらに携帯端末機器を支える安定性の高い携帯端末機器用スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、携帯端末機器を縦置きまたは横置きすることができ、折り畳み可能なスタンドであって、携帯端末機器の表示面と裏側の背面に接合する保持板と、保持板と略同一形状の第1支持板と、保持板と第1支持板とが開閉自在となるように保持板の一端短辺と第1支持板の一端短辺とを接続し、開方向への付勢力を有する第1接続部材と、保持板と第1支持板とを折り畳めるように固定し、第1接続部材の付勢力よりも大きい固定力のある第1固定部材と、第1支持板と略同一形状の第2支持板と、第1支持板と第2支持板とが開閉自在となるように第1支持板の一端長辺と第2支持板の一端長辺とを接続し、開方向への付勢力を有する第2接続部材と、第1支持板と第2支持板とを折り畳めるように固定し、第2接続部材の付勢力よりも大きい固定力のある第2固定部材と、を有することを特徴としたことにある。
【0010】
また、第1接続部材及び第2接続部材は、バネ蝶番であることを特徴としたことにある。
【0011】
また、保持板の一端短辺と、第1支持板の一端短辺および一端長辺と、第2支持板の一端長辺と、には、保持板および第1支持板、または、第1支持板および第2支持板が開いた際に、第1接続部材または第2接続部材に干渉して一定角度以上開かないように、第1接続部材方向または第2接続部材方向に突出したストッパー部が設けられていることを有することを特徴としたことにある。
【0012】
また、保持板の面と第1支持板の面とを接続する第1可撓性部材と、第1支持板の面と第2支持板の面とを接続する第2可撓性部材と、を有することを特徴としたことにある。
【0013】
また、第1可撓性部材及び第2可撓性部材は糸状であることを特徴としたことにある。
【0014】
また、第1可撓性部材及び第2可撓性部材は、板状であって、折り畳んだ際に、保持板、第1支持板及び第2支持板に設けられた凹部に収納できることを特徴としたことにある。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成された本発明に係る携帯端末機器用スタンドによれば、第1接続部材を有するので、保持板と第1支持板とが傾斜された状態になり、携帯端末機器を縦置きすることができる。また第2接続部材を有するので、第1支持板と第2支持板とが傾斜された状態になり、携帯端末機器を横置きすることができる。また、台面に対して第2支持板の全面で支持することになるため、携帯端末機器が汚れたり傷ついたりすることがなくなる。また、辺でなく面で支持されるため、支持する安定性を高くすることができる。
【0016】
さらに、第1接続部材及び第2接続部材は、バネ蝶番であるので、スタンド全体として簡易な構造とすることができる。
【0017】
さらに、保持板の一端短辺と、第1支持板の一端短辺および一端長辺と、第2支持板の一端長辺と、には、ストッパー部が設けられているので、一定の傾斜角度以上、保持板または第1支持板が開かないようにすることができる。
【0018】
さらに、第1可撓性部材および第2可撓性部材を有するので、一定の傾斜角度以上、開かないようにすることができる。
【0019】
さらに、第1可撓性部材及び第2可撓性部材は糸状であるので、折り畳んでもスタンド全体として薄い構造にすることができる。
【0020】
さらに、第1可撓性部材及び第2可撓性部材は、板状であって、折り畳んだ際に、保持板、第1支持板及び第2支持板に設けられた凹部に収納できるので、折り畳んでもスタンド全体として薄い構造にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】(a)本発明の第1実施形態に係る携帯端末機器用スタンドが折り畳まれた状態の様子を示す概略斜視図である。(b)携帯端末機器に携帯端末機器用スタンドを取り付ける様子を示す概略斜視図である。
図2】携帯端末機器用スタンドが広がった様子を示す概略斜視図である。
図3】携帯端末機器用スタンドの展開図である。
図4】携帯端末機器用スタンドを折り畳んだ状態の折り畳み箇所を示す部分拡大図である。
図5】携帯端末機器用スタンドを開いた状態の折り畳み箇所を示す部分拡大図である。
図6】(a)携帯端末機器を縦置きする様子を示す概略斜視図である。(b)携帯端末機器を横置きする様子を示す概略斜視図である。
図7】第1固定部材の様子を示す概略図である。
図8】本発明に係る第2実施形態に係る携帯端末機器用スタンドであって、(a)糸状の第1可撓性部材を用いた様子を示す概略斜視図である。(b)糸状の第2可撓性部材を用いた様子を示す概略斜視図である。
図9】(a)板状の第1可撓性部材を用いた様子を示す概略斜視図である。(b)板状の第1可撓性部材を用いた様子を示す概略斜視図である。
図10】保持板に爪部が設けられた携帯端末機器用スタンドの様子を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る携帯端末機器用スタンド100について詳細に説明する。
【0023】
本明細書において一端長辺または一端短辺とは、部材同士が接続する長辺または短辺のことをいう。
【0024】
携帯端末機器用スタンド100は、図1(a)に示すように、全体として3枚の板を折り畳み可能に接続した簡易かつコンパクトな構造であり、図1(b)に示すように、携帯端末機器Sの表示面Dとは裏側の背面Bに接合して使用される。
【0025】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る携帯端末機器用スタンド100は、図1図2に示すように、主に、保持板21と、第1支持板22と、第2支持板23と、からなる3枚の板材20と、第1接続部材31と、第1固定部材41と、第2接続部材32と、第2固定部材42と、を有している。
【0026】
図3の展開図に示すように、保持板21の表(おもて)面21aにおいて一端短辺21cと、第1支持板22の表面22aの一端短辺22cと、が第1接続部材31によって接続されている。また、第1支持板22の表面22aと反対である裏面22bの一端長辺22dと、第2支持板23の表面23aと反対である裏面23bの一端長辺23dと、が第2接続部材32によって接続されている。
【0027】
また、保持板21の表面21aの四隅および第1支持板22の表面22aの四隅には、保持板21と第1支持板22とを折り畳んだ際に、重なるように第1固定部材41がそれぞれ設けられおり、同様に、第1支持板22の裏面22bの四隅および第2支持板23の裏面23bの四隅には、保持板21と第1支持板22とを折り畳んだ際に、重なるように第2固定部材42がそれぞれ設けられている。
【0028】
また、保持板21、第1支持板、および第2支持板23は、それぞれ1mm~3mmの薄さであり、図1(a)のように3枚が折り畳まれた状態であっても、全体で3mm~9mm程度の薄さとすることができる。
【0029】
(保持板21について)
保持板21は、全体として薄型の四角形板であり、携帯端末機器Sの表示面Dと裏側の背面Bと保持板21の表面21aとが接合されている。保持板21と携帯端末機器Sとの接合手段は、携帯端末機器S内部に磁石が設けられている場合、保持板21の表面21aまたは内部に磁石を設けて、磁力で接合されていてもよいし、接合剤を用いて接合していてもよいし、図10に示すように、保持板21の表面21aにホルダーとなる爪部50を設けて、爪部50に携帯端末機器Sを挿入するように引掛けて固定してもよい。両者がずれ落ちることなく接合していれば、接合方法は限定されない。
【0030】
また、保持板21の大きさは、携帯端末機器Sを保持するのに最低限必要な大きさであって、かつ携帯端末機器Sの背面Bに設けられたカメラCを覆い隠さない大きさで構成されている。これにより、保持板21がカメラCに干渉しないで携帯端末機器Sを保持することができる。
【0031】
図4に示すように、保持板21の一端短辺21cには、第1接続部材31方向に突出するようにストッパー部21eが設けられている。そして、図5に示すように、保持板21および第1支持板22が開いた際に、ストッパー部21eが第1接続部材31に干渉し、一定角度以上開かないようにしている。
【0032】
本実施形態において、ストッパー部21eは、第1接続部材31の外形の円筒状に沿うように湾曲した形状となっている。
【0033】
(第1支持板22について)
第1支持板22は、保持板21と略同一形状であり、前述したように、裏面22bの一端短辺22cにおいて保持板21の表面21aの一端短辺21cと第1接続部材31によって接続され、一端長辺22dにおいて第2支持板23の表面23aの一端長辺23dと第2接続部材32によって接続されている。
【0034】
図4に示すように、第1支持板22の一端短辺22cには、第1接続部材31方向に突出するようにストッパー部22eが設けられている。そして、図5に示すように、保持板21および第1支持板22が開いた際に、ストッパー部22eが第1接続部材31に干渉し、一定角度以上開かないようにしている。
【0035】
本実施形態において、ストッパー部22eは、第1接続部材31の外形の円筒状に沿うように湾曲した形状となっている。
【0036】
また、図6に示すように、第1支持板22の一端長辺22dに、第2接続部材32方向に突出するようにストッパー部22Eが設けられている。ストッパー部22Eを設けることで、第1支持板22が開いた際に、ストッパー部22Eが第2接続部材32に干渉し、一定角度以上開かないようにしている。
【0037】
本実施形態において、ストッパー部22Eは、第2接続部材32の外形の円筒状に沿うように湾曲した形状となっている。
【0038】
(第2支持板23について)
第2支持板23は、第1支持板22と略同一形状であり、第1支持板22と接続している。第2支持板23の裏面23bは、携帯端末機器Sを置く台面Hと接することになるため、携帯端末機器S自体は、台面Hと接することがなくなり、汚れたり傷ついたりする恐れがない。第2支持板23の裏面23bのみ耐久性が高く、傷等が目立ちにくい素材で形成されていてもよい。
【0039】
また、図6に示すように、第2支持板23の一端長辺23dに、第2接続部材32方向に突出するようにストッパー部23Eが設けられている。ストッパー部23Eを設けることで、第2支持板23が開いた際に、ストッパー部23Eが第2接続部材32に干渉し、一定角度以上開かないようにしている。
【0040】
本実施形態において、ストッパー部23Eは、第2接続部材32の外形の円筒状に沿うように湾曲した形状となっている。
【0041】
(第1接続部材31および第2接続部材32について)
本実施形態において、第1接続部材31および第2接続部材32は、バネ蝶番33である。バネ蝶番33は、固定孔33aが設けられた2枚の羽根部33bと、2枚の羽根部33bを回動自在に開閉するための軸となる軸部33cと、軸部33cと同軸となるように設けられ、2枚の羽根部33bに対して一定角度を保持するように弾性力を有するバネ部33dと、を具備している。
【0042】
図5に示すように、バネ部33dの先端部33eが羽根部33bにそれぞれに固定されることで、2枚の羽根部33bが一定角度θを保つように付勢されている。2枚の羽根部33bのなす角度θは、使用者が携帯端末機器Sを縦置きまたは横置きする際の立て掛けるときの角度となる。
【0043】
図4図5に示すように、第1接続部材31であるバネ蝶番33は、一方の羽根部33bの固定孔33aを通じて保持板21に固定され、図示していないネジなどの固定部材が他方の羽根部33bの固定孔33aを通じて第1支持板22に埋め込むように固定されることで、保持板21および第1支持板22を接続している。
【0044】
本実施形態においては、保持板21と第1支持板22とのなす角度θが60°となるように付勢されて保持されている。なす角度θが60°となるようなバネ蝶番33でなくとも、なす角度θは30°~80°となるバネ蝶番33が好適に用いられ、なす角度θで携帯端末機器Sを立て掛ける角度が決定されるため、使用者の希望する角度に指定してもよく、角度は特に限定されない。
【0045】
また、バネ蝶番33が保持板21または第1支持板22に与える付勢力は、携帯端末機器Sを保持板21に接合させた後、携帯端末機器Sを縦置きまたは横置きしたときの携帯端末機器Sが保持板21または第1保持板21に与える重力よりも大きい力である。したがって、携帯端末機器Sを保持板21に接合させても、保持板21と第1支持板22とのなす角θは変わらずに携帯端末機器Sを保持することができる。
【0046】
第1支持板22および第2支持板23も同様に、第2接続部材32であるバネ蝶番33を用いて接続されており、第1支持板22と第2支持板23とのなす角度が60度となるように付勢されて保持されている。
【0047】
また、図5に示すように、羽根部33bは、第1支持板22に対して、埋め込むようにして固定されているため、携帯端末機器用スタンド100を折り畳んでも全体として厚くならないようにしている。第2接続部材32であるバネ蝶番33の羽根部33bも、同様に、第1支持板22に対して埋め込むようにして固定されている。
【0048】
本実施形態において、バネ蝶番33は、1つの辺に対して1つしか設けていないが、携帯端末機器Sがタブレット等であって重量が重い場合は、構造上可能であれば2つ以上設けてもよい。
【0049】
(第1固定部材41および第2固定部材42について)
第1固定部材41は、保持板21の表面21aの四隅および第1支持板22の表面22aの四隅であって、保持板21と第1支持板22とを折り畳んだ際に一致する位置に設けられている。第2固定部材42も同様に、第1支持板22の裏面22bの四隅および第2支持板23の裏面23bの四隅であって、第1支持板22と第2支持板23とを折り畳んだ際に一致する位置に設けられている。
【0050】
第1固定部材41および第2固定部材42は、それぞれ第1接続部材31であるバネ蝶番33と第2接続部材32であるバネ蝶番33とが、保持板21および第1支持板22に付勢する弾性力よりも大きい固定力を有してる。したがって、第1固定部材41および第2固定部材42がない場合、図2に示すように、板材20同士が開きっぱなしになるが、第1固定部材41および第2固定部材42を設けることで、図1に示すように、折り畳んで保持することができる。
【0051】
本実施形態において、第1固定部材41または第2固定部材42は、面ファスナーまたは磁石である。第1固定部材41のみを面ファスナーにして、第2固定部材42を磁石にしてもよいし、その逆でもよい。
【0052】
また、本実施形態において、第1固定部材41および第2固定部材42は、板材20の四隅としているが、四隅でなくとも、二隅でもよいし、辺上に線状として設けてもよく、板材20同士が畳んで保持できれば設置場所は特に限定されない。
【0053】
(第3固定部材43について)
第3固定部材43は、図7に示すように、第1固定部材41と同様に、保持板21および第1支持板22とを折り畳んだ状態を保持するために用いられる。第1固定部材41および第2固定部材42を用いている場合、第3固定部材43は用いられない。
【0054】
第3固定部材43は、図7(a)に示すように、保持板21の側面において、孔部43b内に設けられた引掛け棒43aと、第1支持板22の長辺の側面において固定され、引掛け棒43aが斜面部43dを滑って嵌まる引掛け孔43eを有した引掛け部43cと、を有している。
【0055】
図7(b)に示すように、折り畳むと引掛け棒43aが引掛け部43cの斜面部43dに当たるように設置されている。引掛け棒43aは、孔部43b内において、図面右方向に力が加わるように付勢されている。したがって、さらに折り畳むと、引掛け棒43aが斜面部43dを滑り、図面左方向に動くが、折り畳み終わると、引掛け棒43aは、斜面部43dを滑り切り、図面右方向に付勢力が働くことで、図7(c)に示すように、引掛け孔43e内に保持される。
【0056】
引掛け棒43aが引掛け孔43e内に保持されることで、引掛け棒43aは図面右方向に付勢されているため、引掛け棒43aが引掛け孔43e外に出ることがなくなり、保持板21と第1支持板22とを折り畳んだ状態で保持することができる。
【0057】
保持板21と第1支持板22と開きたいときは、指で引掛け棒43aを図面左方向に移動させることで、引掛け棒43aが引掛け孔43bから外れて、保持板21と第1支持板22との固定が解けて、第1接続部材31であるバネ蝶番33が作動して自動的に開けることができる。
【0058】
第3固定部材43は、保持板21および第1支持板22に用いる場合のみでなくとも、第1支持板22および第2支持板23にも用いてもよい。
【0059】
(実施例)
実際に使用する場合は、図1(b)に示すように、携帯端末機器Sの背面にカメラCと被らないように携帯端末機器用スタンド100を接合させた後、携帯端末機器Sを縦置きしたい場合は、第1固定部材41の固定を手で外すだけで、第1接続部材31であるバネ蝶番33の保持板21および第1支持板22に対して付勢する弾性力が作用し、図6(a)に示すように、自動的に両板が開き、一定角度θまで開くと、ストッパー部21e、ストッパー部22eが作用し保持板21および第1支持板22のなす角度が60°まで開く。第2支持板23の全面が台面Hに接して安定的に支え、保持板21の裏面21bに接合された携帯端末機器Sが縦置きされた状態にすることができる。
【0060】
携帯端末機器用スタンド100を用いて、携帯端末機器Sを横置きする場合も同様に、第2固定部材42の固定を手で外すだけで、第2接続部材32であるバネ蝶番33の第1支持板22および第2支持板23に対して付勢する弾性力が作用し、図6(b)に示すように、自動的に両板が開き、ストッパー部22E、ストッパー部23Eが作用し保持板21および第1支持板22のなす角度が60°まで開く。第2支持板23の全面で安定的に支え、保持板21の裏面21bに接合された携帯端末機器Sが横置きされた状態にすることができる。
【0061】
縦置きまたは横置きをやめたいときは、携帯端末機器Sと第2支持板23とを掴んで、保持板21および第1支持板22、または第1支持板22および第2支持板23とをくっつけることで、第1固定部材41または第2固定部材42が作用し、図1(a)に示すように折り畳んだ状態で保持することができる。
【0062】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る携帯端末機器用スタンド200は、図8(b)および図9(b)に示すように、保持板21の表面21aと、第1支持板22の表面22aとが、可撓性部材60で接続されており、また、図8(a)および図9(a)に示すように、第1支持板22の裏面22bと、第2支持板23の裏面23bとが、可撓性部材60で接続されている。可撓性部材60は、図8に示すように可撓性糸61や、図9に示すように可撓性板62である。その他の構成である保持板21、第1支持板22、第2支持板23、第1接続部材31、第2接続部材32、第1固定部材、および第2固定部材42の構成は第1実施形態のものと同様である。可撓性部材60を用いている場合、ストッパー部21e、22e、22E、23Eは設けられていない。
【0063】
第1実施形態のときと同様に、バネ蝶番33が保持板21または第1支持板22に与える付勢力は、携帯端末機器Sを保持板21に接合させた後、携帯端末機器Sを縦置きまたは横置きしたときの携帯端末機器Sが保持板21または第1保持板21に与える重力よりも大きい力である。したがって、携帯端末機器Sを保持板21に接合させても、保持板21と第1支持板22とのなす角θは変わらずに携帯端末機器Sを保持することができる。
【0064】
可撓性糸61は、釣り糸などで用いられるナイロン、フロロカーボン、ポリエチレンなど切れにくい素材で形成されている。また、可撓性糸61の断面は、主に円状のものが用いられるが、円状でなくとも横に平べったい楕円状のものであれば、円状のものと比較して折り畳んだ際に可撓性糸61による厚さの増加を最小限に抑えることができる。
【0065】
図8(a)(b)に示すように、可撓性糸61の設置場所は、板材20の中央付近に設置されているが、板材20の中央付近でなくとも四隅に設置されていてもよい。
【0066】
また、可撓性糸61で板材20同士を接続することで、縦置きまたは横置きするときの携帯端末機器Sを立て掛ける角度を自由に決定することができる。すなわち可撓性糸61の長さや、板上における接続場所を変更することで、角度を自由に調整することができる。
【0067】
可撓性糸61は、糸状であるので携帯端末機器用スタンド200を折り畳んでもほとんど第1実施形態に係る携帯端末機器用スタンド100と比較しても全体的な厚さにほとんど影響せずに用いることができる。また、板材20の中央付近に可撓性糸61を設置しているため、携帯端末機器用スタンド200を折り畳んでも可撓性糸61が板材20の隙間からはみ出ることはなくなる。
【0068】
可撓性板62は、ゴム系の素材で形成されており、折り曲げ可能となる薄さである。可撓性糸61を用いた場合と同様に、板材20の中央付近に可撓性板62の両端が固定されている。また、可撓性部材60に可撓性板62を用いる場合は、携帯端末機器用スタンド200を折り畳んだ際に可撓性板62が板材20に設けられた凹部70に収まるように構成されている。凹部70に可撓性板62を収納することで、携帯端末機器用スタンド200を折り畳んでも、携帯端末機器用スタンド200が厚くならないように構成される。
【0069】
また、凹部70は、板材20の中央付近に設けられるため、バネ蝶番33は、凹部70と干渉しないように凹部70の横に設けられている。
【符号の説明】
【0070】
100 携帯端末機器用スタンド
20 板材
21 保持板
21a 表面
21b 裏面
21c 一端短辺
21e ストッパー部
22 第1支持板
22a 表面
22b 裏面
22c 一端短辺
22d 一端長辺
22e ストッパー部
23 第2支持板
23a 表面
23b 裏面
23d 一端長辺
31 第1接続部材
32 第2接続部材
33 バネ蝶番
33a 固定孔
33b 羽根部
33c 軸部
33d バネ部
33e 先端部
41 第1固定部材
42 第2固定部材
43 第3固定部材
43a 引掛け棒
43b 孔部
43c 引掛け部
43d 斜面部
43e 引掛け孔
50 爪部
200 携帯端末機器用スタンド
34 バネ蝶番
60 可撓性部材
61 可撓性糸
62 可撓性板
70 凹部
S 携帯端末機器
D 表示面
B 背面
C カメラ
H 台面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10