(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062669
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】姿勢維持具
(51)【国際特許分類】
A47G 1/06 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
A47G1/06 K
A47G1/06 H
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170664
(22)【出願日】2022-10-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】392009179
【氏名又は名称】株式会社アルナ
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】雪山 大
(72)【発明者】
【氏名】久保 晶
【テーマコード(参考)】
3B111
【Fターム(参考)】
3B111BD01
(57)【要約】
【課題】額縁を所定の姿勢に適切に維持できる姿勢維持具を提供する。
【解決手段】姿勢維持具21は、額縁1を鉛直状の壁面に対して平行な姿勢に維持するためのフラットパーツである。そして、この姿勢維持具21は、額縁1の溝部11に着脱可能に取り付ける取付部23を備える。この取付部23には、鉛直状の壁面に当接して額縁1をその壁面に対して平行な姿勢に維持する姿勢維持部24を設ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝部を有する額縁を被取付部に対して所定の姿勢に維持するための姿勢維持具であって、
前記溝部に取り付けられる取付部と、
前記取付部に設けられ、前記被取付部に当接する姿勢維持部と
を備えることを特徴とする姿勢維持具。
【請求項2】
前記取付部は、前記溝部に対して着脱可能である
ことを特徴とする請求項1記載の姿勢維持具。
【請求項3】
前記取付部は、
前記溝部に挿入される挿入部と、
前記挿入部とともに前記溝部を挟持する非挿入部とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具。
【請求項4】
前記挿入部は、逆T字状である
ことを特徴とする請求項3記載の姿勢維持具。
【請求項5】
前記挿入部は、
前記非挿入部から突出した第1挿入部分と、
前記第1挿入部分の突出方向に対して直交する方向に長手状の第2挿入部分とを有し、
前記第2挿入部分は、前記非挿入部側に向かって凸の円弧面を有する
ことを特徴とする請求項4記載の姿勢維持具。
【請求項6】
前記姿勢維持部は、前記被取付部に当接する平面状の当接面を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具。
【請求項7】
前記姿勢維持部は、この姿勢維持部を指で摘んで持つ際に指の腹面が接触する部分に凹部分を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、額縁を所定の姿勢に維持できる姿勢維持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば絵、写真、書画或いは賞状等を飾る際には、非特許文献1に例示されるデッサン額等の額縁(額)が広く使用されている。そして、額縁を壁掛けする場合には、例えば鉛直状の壁面(被取付部)に固定したフックに対して、額縁に取り付けた紐を引っ掛ける。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】[online]、株式会社アルナ、[令和4年10月20日検索]、インターネット<URL:https://aluna.co.jp/products/type/dessan/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の如く、鉛直状の壁面に対して額縁を壁掛けすると、額縁はその鉛直状の壁面に対して若干傾いた下向きの傾斜姿勢(軽くお辞儀した状態)となってしまう。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、額縁を所定の姿勢に適切に維持できる姿勢維持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る姿勢維持具は、溝部を有する額縁を被取付部に対して所定の姿勢に維持するための姿勢維持具であって、前記溝部に取り付けられる取付部と、前記取付部に設けられ、前記被取付部に当接する姿勢維持部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、額縁を所定の姿勢に適切に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る姿勢維持具及び額縁の溝部を示す斜視図である。
【
図2】同上姿勢維持具を示す図で、(a)は上方側斜視図、(b)は下方側斜視図である。
【
図3】同上姿勢維持具を示す図で、(a)は正面図(背面図はこれと対称に表れる)、(b)はA-A断面図である。
【
図4】同上姿勢維持具を示す図で、(a)は左側面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【
図5】同上姿勢維持具の取付手順を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【
図6】
図5に続く取付手順を示す図で、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【
図7】同上姿勢維持具を溝部に装着した姿勢維持具付き額縁の背面図(裏面図)である。
【
図8】同上姿勢維持具で額縁が壁面に対して平行な姿勢に維持された状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施の形態について
図1ないし
図8を参照して説明する。
【0010】
図7において、1は額縁で、この額縁(額)1は、例えば絵、写真、書画或いは賞状等の飾り対象物(図示せず)を例えば室内の壁等に飾る際に使用されるものである。
【0011】
額縁1は、
図7に示すように、例えばアルミニウム等の金属製の矩形環状の額縁本体2と、この額縁本体2の内側に嵌脱可能に嵌合され、飾り対象物を保持する矩形板状の保持体3と、この保持体3の裏面を押えて支持する複数の裏面支持体4と、可撓性のある細長い線状部材である紐7が取り付けられた複数の紐取付体5とを備えている。なお、保持体3は、例えば飾り対象物を表裏面から挟んで保持する透明板及び木板等で構成されている。
【0012】
額縁本体2は、それぞれ長手状をなす上下左右の4辺のフレーム10を備え、この各フレーム10には、裏面側(裏面方向)に向かって開口する断面略C字状で長手状の溝部11が形成されている。
【0013】
なお、額縁本体2の4つの角部における溝部11内には、互いに隣り合うフレーム10同士を連結する連結部材である金具8が配設されてねじ9で固定されている。
【0014】
ここで、額縁1の溝部11は、
図1に示すように、額縁1の表面側に位置する溝底板12を有している。この溝底板12の短手方向両端部には溝側板13が裏面側に向かって立設され、この各溝側板13の先端部には溝天板14が突設されている。
【0015】
そして、互いに離間対向する両溝天板14間には、スリット状の溝開口15が溝部11の長手方向に沿って形成されており、この溝開口15を介して溝部11内の溝内空間16が裏面側に向かって開口している。なお、これら溝底板12、溝側板13、溝天板14、溝開口15及び溝内空間16によって溝部11が構成されている。
【0016】
そして、この溝部11には、当該溝部11を有する額縁1を鉛直状の被取付部である壁面(鉛直方向に沿った被取付面)20に対して所定の姿勢、すなわち例えば鉛直状の壁面20に対して平行な姿勢である平行姿勢に維持するための姿勢維持具(フラットパーツ)21が着脱可能に取り付けられる。
【0017】
つまり、
図7及び
図8に図示した例では、複数個、すなわち例えば4個(上辺に2個、下辺に2個)の姿勢維持具21が額縁1の上下の溝部11の左右両側の位置に着脱可能に取り付けられている。
【0018】
その結果、飾り対象物を収納保持した額縁1は、当該姿勢維持具21によって、鉛直状の壁面20に対する平行姿勢、換言すると鉛直方向に沿った鉛直姿勢(鉛直状態)に維持されている(
図8参照)。
【0019】
そして、当該
図8に示されるように、姿勢維持具21で平行姿勢に維持された額縁1の裏面1aと壁面20との間には、指が入らない程度の一定寸法の隙間19が存在している。また、額縁1の紐7は、壁面20に固定された引掛受け部であるフック18に引っ掛けられている。なお、額縁1及び姿勢維持具21によって、姿勢維持具付き額縁17が構成されている。
【0020】
ここで、
図1ないし
図4等を参照しつつ、姿勢維持具21の具体的な構成に説明する。なお、便宜上、
図2(a)に示す矢印の方向を前後、左右及び上下の方向として説明する。
【0021】
姿勢維持具21は、例えば合成樹脂(金属等でもよい)で一体に形成されたもので、額縁1の溝部11に着脱可能に取り付けられて使用されるフラットパーツである。
【0022】
そして、姿勢維持具21は、額縁1の溝部11に着脱可能に取り付けられる取付部23と、この取付部23の上部側に一体に設けられ、壁面20に当接して当該壁面20に対して額縁1を所定姿勢である平行姿勢に維持する姿勢維持部24とを備えている。
【0023】
すなわち例えば、この姿勢維持具21は、下側に位置する取付部23と、上側に位置する姿勢維持部24とで構成されており、その取付部23は、額縁1の溝部11に対する所定の回動角度(例えば90度)の回動(所定の回動操作)によって、当該溝部11に対して着脱可能となっている。
【0024】
そして、この取付部23は、回動操作に基づいて額縁1の溝部11に取り付けられた取付状態時において、溝部11に対する当該溝部11の長手方向に沿ったスライド移動により、当該溝部11に対して取付位置調整可能(例えば取付状態の姿勢維持具を軽く押すことで溝部に沿ってスライド操作が可能)となっている。
【0025】
なお、その取付状態時において、溝部11に沿ってスライド移動(スライド操作)できないように、取付部23が溝部11に強固に取り付けられるようにしてもよい。つまり、姿勢維持具21の取付部23を溝部11に対して解除可能に固定するようにしてもよい。また、例えばねじ等の取付手段を用いて取り付けてもよい。
【0026】
取付部23は、溝部11に挿脱可能に挿入される下側の挿入部31と、この挿入部31とともに溝部11の溝天板(被挟持部)14を挟持する上側の非挿入部32とを有している。なお、溝部11への取付部23の取付状態時において、挿入部31は溝部11内への挿入により溝部11内に位置するが、非挿入部32は溝部11には挿入されず溝部11外に位置する。
【0027】
挿入部31は、正面視で逆T字状(略逆T字状を含む)をなすもので、非挿入部32の下面中央側から下方に向かって突出した短柱状の第1挿入部分36と、この第1挿入部分36の下端部に直交状に設けられ、当該第1挿入部分36の突出方向に対して直交する方向(左右方向)に長手状で略丸棒状の第2挿入部分37とを有している。
【0028】
そして、第2挿入部分37は、非挿入部32側である上方に向かって凸の円弧面38を上側に有し、この左右方向に長手状の円弧面38の長手方向両端部における頂点には、前後方向にやや長手状の突起39が上方に向かって突設されている。また、円弧面38のうち非挿入部32と隣接する部分には、円弧状の窪み部40が形成されている。なお、第2挿入部分37の上面側は、円弧面38を有して円弧面状に形成されているが、第2挿入部分37の下面側は、平面35を有して平面状に形成されている。
【0029】
また、第2挿入部分37は、溝部11の溝開口15を通って溝部11内の溝内空間16に挿入配置されるが、第1挿入部分36は、溝部11の溝開口15に挿入配置される。なお、この第1挿入部分36の下部前後面には、凸状の円弧面34が形成されており、この円弧面34の頂点は第2挿入部分37よりも外側に位置している。
【0030】
非挿入部32は、挿入部31における短柱状の第1挿入部分36よりも径大な短柱状に形成されている。そして、非挿入部32は、外側方に向かって凸の円弧面41,42を左右両側に有し、かつ、内側方に向かって凹んだ正面視で四角形状をなす凹部分43,44を前後両側に有している。
【0031】
左側の円弧面41は、例えば上側の第1円弧面41aと、この第1円弧面41aよりも曲率半径が小さい下側の第2円弧面41bとで構成されている。そして、底面視において、左上側の第1円弧面41a及び右側の円弧面42は、中心点Pを中心とする仮想円K1上の位置するが、左下側の第2円弧面41bは、同じ中心点Pを中心としかつ仮想円K1よりも半径が小さい仮想円K2上に位置する(
図4(d)参照)。
【0032】
また、非挿入部32は、溝部11の溝天板14の上面に接触する平面状の接触面45を下面に有し、この接触面45は挿入部31の円弧面38及び突起39と離間対向している。そして、溝部11の溝天板14の下面には、挿入部31のうち少なくとも両突起39が接触し、これにより、挿入部31と非挿入部32とで溝部11の溝天板14が挟持される。なお、突起39のみではなく、突起39及び円弧面38の上側の一部が、溝部11の溝天板14の下面に接触(当接)するようにしてもよい。
【0033】
姿勢維持部24は、取付部23の非挿入部32の上面から左斜め上方(額縁の内方側)に向かって傾斜状に突出した突出部51と、この突出部51の上端部に水平状に設けられ、壁面20に面状に当接(接触)する略板状の当接部52とを有している。
【0034】
突出部51は、上下方向に対して所定の傾斜角度αをもって額縁1の内方側に向かって傾斜した傾斜面53,54を左右両側に有し、かつ、内側方に向かって凹んだ正面視で四角形状をなす凹部分56,57を前後両側に有している。なお、傾斜角度αは、例えば30度が好ましいが、これには限定されず、例えば30度を超えてもよく、30度未満でもよい。
【0035】
当接部52は、突出部51の傾斜面54に連続した同じ傾斜角度αを持つ傾斜面60を右側に有し、かつ、内側方に向かって凹んだ正面視で四角形状をなす凹部分61,62を前後両側に有している。そして、この当接部52の前後方向の長さ寸法L1は、突出部51の前後方向の長さ寸法L2よりも大きく、それゆえ、当接部52の傾斜面60と突出部51の傾斜面54とからなる傾斜面部65は、T字状(略T字状を含む)となっている。また、当接部52の幅寸法である長さ寸法L1は、姿勢維持具21を回動操作する操作者等の使用者が2本の指(例えば右手や左手の親指と人差し指)で摘んで持ちやすい寸法値に設定されている。
【0036】
また、当接部52は、壁面20に面状に当接する平面状の当接面66を上側(上面)に有し、この当接面66が傾斜面60の上端部に連続している。さらに、この当接部52は、突出部51よりも左側に突出して位置する突出部分67を有し、この突出部分67は、溝部11への取付部23の取付状態では溝部11よりも額縁1の内方側に位置して保持体3と離間対向する(
図6参照)。
【0037】
次に、上述した姿勢維持具21の作用等を説明する。
【0038】
まず、
図5及び
図6等を参照しつつ、額縁1に対する姿勢維持具21の取付手順を説明する。
【0039】
使用者は、姿勢維持具21の姿勢維持部24の当接部52を指先で摘んで持った状態で、当該姿勢維持具21の全体を額縁1の溝部11に向けて接近移動させることにより、
図5の如く取付部23の挿入部31を溝部11内に挿入する。このとき、取付部23の非挿入部32の接触面45は、溝部11の溝天板14の上面上に載置され、当該取付部23は溝部11に対して載置状態となる。
【0040】
次いで、使用者は、姿勢維持具21の姿勢維持部24の当接部52を指先で摘んで持った状態のまま、当該姿勢維持具21の全体を額縁1の溝部11に対して額縁1の内方側に向けて90度回動させることにより、
図6の如く取付部23の挿入部31を溝部11に対して取り付ける。
【0041】
つまり、使用者が姿勢維持具21を姿勢維持部24の当接部52の先端側が額縁1の内方側を向くように90度回動操作すると、額縁1の溝部11の溝天板14が挿入部31と非挿入部32との間で挟持され、この挟持によって姿勢維持具21の取付部23が溝部11の溝天板14に取り付けられる。
【0042】
そして、この姿勢維持具21の取付状態において、取付部23は、逆T字状の挿入部31が溝部11内から抜け出ることなく、その溝部11の溝天板14に対してその長手方向に沿ってスライド可能であって位置調整可能であるため、使用者は、例えば挿入部31の第1挿入部分36における円弧面34が金具8の端部に当接して停止する停止位置まで取付部23を溝天板14に沿ってスライドさせて位置調整する。
【0043】
このような取付手順で、複数個、すなわち例えば4個の姿勢維持具21を額縁1の上下辺の溝部11の左右両側の所定位置に取り付けた状態が
図7の状態であり、当該
図7に示すような姿勢維持具付き額縁17を鉛直状の壁面20に取り付けて壁掛けすることにより、額縁1の保持体3で保持した飾り対象物を壁面20に適切に飾ることが可能である。
【0044】
すなわち、
図8に示すように、鉛直状の壁面20にはフック18を固定してそのフック18に額縁1の紐7を引っ掛け、かつ、額縁1の裏面1aの4箇所から突出した姿勢維持具21の姿勢維持部4における当接面66を壁面20に面状に当接させる。
【0045】
すると、飾り対象物を収納保持した額縁1は、それら姿勢維持具21によって鉛直状の壁面20に対して平行な姿勢(鉛直姿勢)に維持される。なお、姿勢維持具21を額縁1の溝部11から取り外す場合は、上記した取付手順の逆を行えばよい。
【0046】
そして、このような姿勢維持具21によれば、額縁1の溝部11に着脱可能に取り付けられる取付部23と、この取付部23に設けられ、鉛直状の壁面20に当接する姿勢維持部24とを備えるため、鉛直方向に沿った鉛直状の壁面20に対して額縁1を所定の姿勢である平行姿勢に適切に維持でき、よって、額縁1がお辞儀した状態(下向きの傾斜姿勢)になるのを防止でき、絵や写真等の飾り対象物を適切に飾ることができる。
【0047】
すなわち例えば、額縁1を壁掛けする際に、姿勢維持具21を使用することで平行姿勢に維持された額縁1の裏面1aと壁面20との間に一定寸法の隙間19を作ることができ、額装を引き立たせることができ、加えて、壁面20の保護を図ることができるとともに、額縁1の位置ズレ(左右への傾きによるズレ等)も防止できる。
【0048】
また、取付部23は、額縁1の溝部11に対する回動のみで当該溝部11に対して着脱可能であるため、額縁1の溝部11に対して取付部23を容易に着脱できる。
【0049】
さらに、取付部23は、額縁1の溝部11に挿脱可能に挿入される挿入部31を有し、かつ、この挿入部31は、第1挿入部分36及び第2挿入部分37からなる逆T字状であるため、挿入部31を溝部11内に容易に挿入できるばかりでなく、溝部11に対する回動(例えば90度の回動操作)のみによって挿入部31と非挿入部32とで溝部11の両溝天板14を適切に挟持できる。
【0050】
また、挿入部31の第2挿入部分37は、非挿入部32側に向かって凸の円弧面38を有するため、溝部11に対する回動の際に第2挿入部分37が溝天板14の角部に引っ掛かることがなくその第2挿入部分37をスムーズに回動させることができ、よって、姿勢維持具21の回動操作が容易である。
【0051】
さらに、取付部23及び姿勢維持部24は、いずれも内側方に向かって凹んだ凹部分43,44,56,57,61,62を両側に有するため、例えば凹部分を有しない構成に比べて材料費の軽減を図れるばかりでなく、製造時に膨張や歪等の不具合が発生するのを防止できる。
【0052】
しかも、姿勢維持部24は、この姿勢維持部24の当接部52を両側から使用者が2本の指で摘んで持つ際に当該指の腹面が接触する当接部52の両側部分、つまり当接部52の短手方向両端側の部分(指接触部)に、内側方へ凹んだ凹部分61,62を有するため、当接部52を指で摘んだ際に指の腹面の一部が凹部分61,62に入り込むことから、例えば凹部分を有しない平坦な側面形状とした構成に比べて滑りにくく、よって、比較的小さなパーツであっても、使用者は姿勢維持部24を指で摘んで持ちやすく、姿勢維持具21の回動操作も容易かつ適切に行うことができる。
【0053】
また、姿勢維持部24には、当接部52の傾斜面60と突出部51の傾斜面54とからなるT字状の傾斜面部65が形成されているため、意匠性が良好であるばかりでなく、溝部11に取り付けた状態で額縁1の外方側から姿勢維持具21が見えにくく、よって飾り対象物をより一層適切に飾ることができる。
【0054】
さらに、取付部23の非挿入部32には、外側方に向かって凸の円弧面41,42が形成されているため、姿勢維持具21の回動操作の際に非挿入部32が他の部材等に引っ掛かることがなく、姿勢維持具21の回動操作をより一層容易かつ適切に行うことができる。
【0055】
また、姿勢維持部24の当接部52は、壁面20に面状に当接する平面状の当接面66を有するため、壁面20の保護を適切に図ることができ、かつ、額縁1の位置ズレも効果的に防止できる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、4個(上辺に2個、下辺に2個)の姿勢維持具(例えば付属品)を1枚の額縁に取り付ける場合について説明したが、4個には限定されず、例えば比較的小さなサイズの額では3個でもよく、個数は額サイズに応じて適宜選択すればよい。
【0057】
また、姿勢維持具を額縁の上下辺の両溝部に取り付ける場合について説明したが、例えば額縁の下辺の溝部のみに取り付けるようにしてもよい。
【0058】
さらに、姿勢維持具を用いて額縁を所定の姿勢として鉛直状の壁面(額縁が取り付けられる被取付部)に対して平行な平行姿勢に維持する場合について説明したが、平行姿勢には限定されず、それ以外の他の姿勢(例えば上向きの傾斜姿勢等)でもよく、また、被取付部も鉛直状の壁面には限定されない。
【0059】
また、姿勢維持具の姿勢維持部は、取付部の上面から額縁の内方側に向かって斜め上方に突出した傾斜状の突出部と、この突出部の上端部に設けられた水平状の当接部とを有したものには限定されず、例えば取付部の上面から上方に突出した突出部と、この突出部の内端部(額縁の内方側の端部)に立設された立設部と、この立設部の上端部に設けられた水平状の当接部とを有したもの等でもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 額縁
11 溝部
20 被取付部である壁面
21 姿勢維持具
23 取付部
24 姿勢維持部
31 挿入部
32 非挿入部
36 第1挿入部分
37 第2挿入部分
38 円弧面
61,62 凹部分
66 当接面
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手状の溝部を有する環状の額縁本体を備えた額縁を被取付部に対して所定の姿勢に維持するための姿勢維持具であって、
前記溝部に取り付けられる取付部と、
前記取付部に設けられ、前記被取付部に当接する姿勢維持部と
を備えることを特徴とする姿勢維持具。
【請求項2】
前記取付部は、前記溝部に対する回動によって、前記溝部に対して着脱可能である
ことを特徴とする請求項1記載の姿勢維持具。
【請求項3】
前記取付部は、前記溝部に取り付けられた取付状態時において、前記溝部に対する当該溝部の長手方向に沿ったスライド移動によって、取付位置が調整可能となっている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具。
【請求項4】
前記取付部は、
前記溝部に挿入される挿入部と、
前記挿入部とともに前記溝部を挟持する非挿入部とを有し、
前記挿入部は、逆T字状である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具。
【請求項5】
前記挿入部は、
前記非挿入部から突出した第1挿入部分と、
前記第1挿入部分の突出方向に対して直交する方向に長手状の第2挿入部分とを有し、
前記第2挿入部分は、前記非挿入部側に向かって凸の円弧面を有する
ことを特徴とする請求項4記載の姿勢維持具。
【請求項6】
前記姿勢維持部は、前記被取付部に当接する平面状の当接面を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具。
【請求項7】
長手状の溝部を有する環状の額縁本体を備えた額縁を被取付部である壁面に対して平行な姿勢に維持するための姿勢維持具であって、
前記溝部に着脱可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部に設けられ、前記壁面に当接する姿勢維持部と
を備えることを特徴とする姿勢維持具。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手状の溝部を有する環状の額縁本体を備えた額縁と、
前記額縁を被取付部に対して所定の姿勢に維持するための姿勢維持具とを具備し、
前記姿勢維持具は、
前記溝部に当該溝部の長手方向に沿ってスライド移動可能に取り付けられる取付部と、
前記取付部に設けられ、前記被取付部に当接する姿勢維持部とを備える
ことを特徴とする姿勢維持具付き額縁。
【請求項2】
前記取付部は、前記溝部に対する回動によって、前記溝部に対して着脱可能である
ことを特徴とする請求項1記載の姿勢維持具付き額縁。
【請求項3】
前記取付部は、
前記溝部に挿入される挿入部と、
前記挿入部とともに前記溝部を挟持する非挿入部とを有し、
前記挿入部は、逆T字状である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具付き額縁。
【請求項4】
前記挿入部は、
前記非挿入部から突出した第1挿入部分と、
前記第1挿入部分の突出方向に対して直交する方向に長手状の第2挿入部分とを有し、
前記第2挿入部分は、前記非挿入部側に向かって凸の円弧面を有する
ことを特徴とする請求項3記載の姿勢維持具付き額縁。
【請求項5】
前記姿勢維持部は、前記被取付部に当接する平面状の当接面を有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の姿勢維持具付き額縁。
【請求項6】
請求項1又は2記載の姿勢維持具付き額縁に用いられる
ことを特徴とする姿勢維持具。