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特開2024-62670投射画像の調整方法、プロジェクションシステム、処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062670
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】投射画像の調整方法、プロジェクションシステム、処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20240501BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240501BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240501BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H04N5/74 D
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
G09G5/00 510V
G09G5/00 X
G09G5/36 520P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170666
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀川 郁也
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
5C058BA05
5C058BA23
5C058BA35
5C058BB25
5C058EA03
5C182AA03
5C182AA04
5C182BA14
5C182BB04
5C182BB05
5C182BB12
5C182CA01
5C182CA12
5C182CB44
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】非重畳領域と重畳領域との明るさの差を目立たせる補正を抑制する。
【解決手段】投射画像の調整方法は、第1領域へ第1プロジェクターが均一輝度の第1画像を投射し第1領域の一部と重畳する第2領域へ第2プロジェクターが均一な輝度の第2画像を投射する状況で第1領域と第2領域を含む範囲を撮像して得られる撮像画像を取得することと、撮像画像に基づいて第1領域と第2領域が重畳する第3領域の明るさと第1領域のうち第2領域と重畳しない第4領域の明るさを特定することと、第4領域が第3領域よりも暗い場合、第1画像を調整することと、第4領域が第3領域よりも明るい場合、第1画像を調整することによって第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しないことと、を含む。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しないことと、を含む、
投射画像の調整方法。
【請求項2】
前記第3領域が有する輪郭は、前記第1領域が有する輪郭と重ならない第1線を含み、
前記第4領域は、前記第1線上の第1点に隣接する第2点と、前記第4領域における明るさの最大値を有する第3点と、を有し、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、
前記第1画像を調整することによって、前記第4領域において前記第3点から前記第2点までの間に位置する点群の明るさと、前記第2点の明るさとを、第1範囲内の明るさに補正すること、をさらに含み、
前記第1範囲は、前記撮像画像に基づいて特定される前記第2点の明るさよりも明るく前記撮像画像に基づいて特定される前記第3点の明るさ以下の範囲である、
請求項1に記載の投射画像の調整方法。
【請求項3】
前記第1画像を調整することによって、前記点群の明るさと、前記第2点の明るさとを、前記第1範囲内の明るさに補正することは、
前記第1点の明るさが、前記第2点の明るさよりも明るい場合、
前記第2点の明るさが前記第1点の明るさに近づくように、前記点群の明るさと前記第2点の明るさとを、前記第1画像を調整することによって、前記第1範囲内から外れずに前記第3点から前記第2点に向けて段階的に増加させる補正を実行すること、を含む、
請求項2に記載の投射画像の調整方法。
【請求項4】
前記補正を実行しないことは、
前記第1画像を調整する補正を実行しないこと、を含む、
請求項1に記載の投射画像の調整方法。
【請求項5】
前記第3領域の明るさは、前記第3領域における輝度の平均値であり、
前記第4領域の明るさは、前記第4領域における輝度の平均値であり、
前記第4領域における明るさの最大値は、前記第4領域における輝度の最大値である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【請求項6】
前記第3領域の明るさは、前記第3領域における輝度の最大値であり、
前記第4領域の明るさは、前記第4領域における輝度の最大値であり、
前記第4領域における明るさの最大値は、前記第4領域における輝度の最大値である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【請求項7】
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することは、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行すること、を含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【請求項8】
前記第1画像および前記第2画像は、単色の黒画像である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【請求項9】
投射面の第1領域に向けて、均一な輝度を有する第1画像を投射する第1プロジェクターと、
前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて、均一な輝度を有する第2画像を投射する第2プロジェクターと、
前記第1画像が前記第1領域に向けて投射され、かつ、前記第2画像が前記第2領域に向けて投射される状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって撮像画像を生成するカメラと、
前記撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
を実行し、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない、処理装置と、を含む、
プロジェクションシステム。
【請求項10】
投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
を実行し、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない、
処理装置。
【請求項11】
コンピューターに、
投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
を実行させ、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行させない、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射画像の調整方法、プロジェクションシステム、処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、投射面において2つの投射画像を部分的に重畳させる画像投射システムを開示している。この画像投射システムでは、2つの投射画像が重畳する重畳領域と、2つの投射画像が重畳しない非重畳領域とが、投射面に生じる。この画像投射システムは、少なくとも、非重畳領域の輝度の最大値を増加させる補正を行う。この画像投射システムは、当該補正を行うことによって、非重畳領域の明るさと重畳領域の明るさとの差を低減し、重畳領域の明るさと非重畳領域の明るさを均一にする。特許文献1に開示の技術は、補正前の非重畳領域の明るさが、重畳領域の明るさよりも暗い場合に有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-137386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
投射面の形状によっては、補正前の非重畳領域の明るさが、重畳領域の明るさよりも明るくなる場合がある。補正前の非重畳領域の明るさが、重畳領域の明るさよりも明るい状況において、特許文献1に開示の補正が実行されると、少なくとも非重畳領域の輝度の最大値が増大され、非重畳領域の明るさと重畳領域の明るさとの差を目立たせてしまうおそれがある。このため、非重畳領域の明るさが、重畳領域の明るさよりも明るい場合に、非重畳領域の明るさと重畳領域の明るさとの差を目立たせる補正を抑制可能な技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る投射画像の調整方法の一態様は、投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しないことと、を含む。
【0006】
本発明に係るプロジェクションシステムの一態様は、投射面の第1領域に向けて、均一な輝度を有する第1画像を投射する第1プロジェクターと、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて、均一な輝度を有する第2画像を投射する第2プロジェクターと、前記第1画像が前記第1領域に向けて投射され、かつ、前記第2画像が前記第2領域に向けて投射される状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって撮像画像を生成するカメラと、前記撮像画像を取得することと、前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、を実行し、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない、処理装置と、を含む。
【0007】
本発明に係る処理装置の一態様は、投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、を実行し、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない。
【0008】
本発明に係るプログラムの一態様は、コンピューターに、投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、を実行させ、前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行させない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るプロジェクションシステム1の模式図である。
図2】第1画像A1の一例を示す図である。
図3】第2画像A2の一例を示す図である。
図4】投射面Sの平面図である。
図5】投射面Sの照度の一例を示す図である。
図6】投射面Sの照度の他の例を示す図である。
図7】投射面Sの照度のさらに他の例を示す図である。
図8】第1補正の一例を説明するための図である。
図9】第1プロジェクター10の一例を示す図である。
図10】第2プロジェクター20の一例を示す図である。
図11】カメラ30の一例を示す図である。
図12】情報処理装置40の一例を示す図である。
図13】プロジェクションシステム1の動作を説明するための図である。
図14】第1領域S1、第2領域S2、重畳領域S3、第1非重畳領域S4および第2非重畳領域S5を示す図である。
図15】第3補正の一例を説明するための図である。
図16】第3補正における調整後の第1画像A1の一例を示す図である。
図17】調整後の第2画像A2の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A:第1実施形態
A1:プロジェクションシステム1の概要
図1は、第1実施形態に係るプロジェクションシステム1の模式図である。プロジェクションシステム1は、投射面Sに向けて、画像を投射する。
【0011】
投射面Sは、凸曲面である。投射面Sは、凸曲面に限らない。例えば、投射面Sは、平面または凹曲面でもよい。投射面Sは、第1領域S1と、第2領域S2と、を有する。第2領域S2は、第1領域S1の一部と重畳する部分を有する。
【0012】
プロジェクションシステム1は、第1プロジェクター10と、第2プロジェクター20と、カメラ30と、情報処理装置40と、を含む。カメラ30は、情報処理装置40と第1プロジェクター10と第2プロジェクター20とのいずれかに含まれてもよい。
【0013】
第1プロジェクター10と、第2プロジェクター20と、カメラ30は、情報処理装置40と有線によって接続される。第1プロジェクター10と、第2プロジェクター20と、カメラ30は、情報処理装置40と無線によって接続されてもよい。
【0014】
第1プロジェクター10は、第1領域S1に向けて、第1画像A1を投射する。第1画像A1は、均一な輝度を有する画像である。
【0015】
第2プロジェクター20は、第2領域S2に向けて、第2画像A2を投射する。第2画像A2は、均一な輝度を有する画像である。
【0016】
カメラ30は、第1画像A1が第1領域S1に向けて投射され、かつ、第2画像A2が第2領域S2に向けて投射される状況において、第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって、撮像画像を生成する。
【0017】
情報処理装置40は、撮像画像に基づいて、第1プロジェクター10を制御する。情報処理装置40は、撮像画像に基づいて、第1プロジェクター10と第2プロジェクター20とを制御してもよい。
【0018】
図2は、第1プロジェクター10から第1領域S1に向けて投射される第1画像A1の一例を示す図である。第1画像A1は、単色の黒画像である。第1画像A1は、単色の黒画像に限らない。第1画像A1は、例えば、単色の黒灰色画像または単色のグレー画像でもよい。
【0019】
第1画像A1は、第1の重畳用画像A1aと、第1の非重畳用画像A1bと、を含む。第1の重畳用画像A1aは、第2プロジェクター20から投射される第2画像A2の一部と重畳される画像である。第1の非重畳用画像A1bは、第2プロジェクター20から投射される第2画像A2と重畳されない画像である。
【0020】
図3は、第2プロジェクター20から第2領域S2に向けて投射される第2画像A2の一例を示す図である。第2画像A2は、第1画像A1と同様に単色の黒画像である。第2画像A2は、単色の黒画像に限らない。例えば、第1画像A1が単色の黒灰色画像である場合、第2画像A2は、第1画像A1と同様に単色の黒灰色画像でもよい。第1画像A1が単色のグレー画像である場合には、第2画像A2は、第1画像A1と同様に単色のグレー画像でもよい。
【0021】
第2画像A2は、第2の重畳用画像A2aと、第2の非重畳用画像A2bと、を含む。第2の重畳用画像A2aは、第1プロジェクター10から投射される第1の重畳用画像A1aと重畳される画像である。第2の非重畳用画像A2bは、第1画像A1と重畳されない画像である。
【0022】
図4は、第1領域S1と第2領域S2とを有する投射面Sの平面図である。第1領域S1は、実線によって示される。第2領域S2は、破線によって示される。図4に示される投射面Sの平面図では、説明の便宜上、第1領域S1と第2領域S2は矩形として示される。投射面Sの平面図において、第1領域S1と第2領域S2は矩形とは異なる形状を有する場合がある。
【0023】
以下の説明においては、相互に直交するX軸とY軸が用いられる。X軸は、例えば、水平方向と平行である。Y軸は、例えば、鉛直方向と平行である。
【0024】
第2領域S2は、第1領域S1からX軸方向にずれている場所に位置する。第2領域S2は、第1領域S1からX軸方向とは反対の方向にずれている場所に位置してもよい。この場合、第1画像A1において第1の重畳用画像A1aと第1の非重畳用画像A1bとの位置関係は逆になり、第2画像A2において第2の重畳用画像A2aと第2の非重畳用画像A2bとの位置関係は逆になる。第2領域S2のY軸方向における位置は、第1領域S1のY軸方向における位置と同じである。
【0025】
第1領域S1は、重畳領域S3と、第1非重畳領域S4と、を含む。
【0026】
重畳領域S3は、第1領域S1と第2領域S2とが重畳する領域である。重畳領域S3は、第1領域S1の一部の一例である。重畳領域S3は、第3領域の一例でもある。重畳領域S3には、第1画像A1における第1の重畳用画像A1aと、第2画像A2における第2の重畳用画像A2aが、投射される。
【0027】
第1非重畳領域S4は、第1領域S1のうち第2領域S2と重畳しない領域である。第1非重畳領域S4は、第4領域の一例である。第1非重畳領域S4には、第1画像A1における第1の非重畳用画像A1bが投射される。
【0028】
第2領域S2は、重畳領域S3と、第2非重畳領域S5と、を含む。第2非重畳領域S5は、第2領域S2のうち第1領域S1と重畳しない領域である。第2非重畳領域S5には、第2画像A2における第2の非重畳用画像A2bが投射される。
【0029】
図4は、さらに、第1領域S1の端部S1aおよびS1bと、第1領域S1の中央部S1cと、第2領域S2の端部S2aおよびS2bと、第2領域S2の中央部S2cと、を示す。
【0030】
第1領域S1の端部S1aは、第1領域S1のX軸方向における端部である。第1領域S1の端部S1bは、第1領域S1のX軸方向とは反対の方向における端部である。第1領域S1の中央部S1cは、第1領域S1のX軸方向における中央部である。第2領域S2の端部S2aは、第2領域S2のX軸方向とは反対の方向における端部である。第2領域S2の端部S2bは、第2領域S2のX軸方向における端部である。第2領域S2の中央部S2cは、第2領域S2のX軸方向における中央部である。
【0031】
第1プロジェクター10および第2プロジェクター20等のプロジェクターは、単色の黒画像として、わずかな光を含む単色の黒画像を投射する傾向を有する。さらに言えば、第1プロジェクター10および第2プロジェクター20等のプロジェクターは、単色の黒画像、単色の黒灰色および単色のグレー画像のような画像として、わずかな光を含む画像を投射する傾向を有する。
【0032】
第1プロジェクター10は、単色の黒画像である第1画像A1を、第1領域S1に向けて投射する。第2プロジェクター20は、単色の黒画像である第2画像A2を、第2領域S2に向けて投射する。このため、重畳領域S3は、第1画像A1に含まれる光と、第2画像A2に含まれる光と、の両方によって、照射される。第1非重畳領域S4は、第2画像A2に含まれる光によっては照射されずに、第1画像A1に含まれる光によって照射される。第2非重畳領域S5は、第1画像A1に含まれる光によっては照射されずに、第2画像A2に含まれる光によって照射される。
【0033】
図5は、投射面Sの照度Eの一例を示す図である。図5では、投射面Sは平面である。投射面Sが平面である場合、重畳領域S3の照度は、第1非重畳領域S4の照度よりも高い。このため、第1非重畳領域S4は、重畳領域S3よりも暗くなってしまう。
【0034】
図6は、投射面Sの照度Eの他の例を示す図である。図6では、投射面Sは、図1に示される凸曲面である。
【0035】
第2画像A2が投射されずに、凸曲面である第1領域S1に向けて第1画像A1が投射される場合、第1領域S1の端部S1aおよびS1bは、第1領域S1の中央部S1cよりも、暗くなる。また、第1領域S1の曲率が大きいほど、第1領域S1の端部S1aおよびS1bは、第1領域S1の中央部S1cよりも、より暗くなる。
【0036】
第1画像A1が投射されずに、凸曲面である第2領域S2に向けて第2画像A2が投射される場合、第2領域S2の端部S2aおよびS2bは、第2領域S2の中央部S2cよりも、暗くなる。また、第2領域S2の曲率が大きいほど、第2領域S2の端部S2aおよびS2bは、第2領域S2の中央部S2cよりも、より暗くなる。
【0037】
このため、投射面Sの形状によっては、図5に示される例とは逆に、図6に示されるように、第1非重畳領域S4が、重畳領域S3よりも明るくなってしまう。
【0038】
図6に示される例では、第1領域S1の端部S1aおよびS1bと、第2領域S2の端部S2aおよびS2bにおいて、照度がゼロである。
【0039】
図7は、投射面Sの照度の他の例を示す図である。図7では、投射面Sは、図1に示される凸曲面の曲率とは異なる曲率を有する凸曲面である。図7に示される例では、第1領域S1の端部S1aおよびS1bと、第2領域S2の端部S2aおよびS2bにおいて、照度がゼロよりも大きい。
【0040】
図7に示される例においても、第1非重畳領域S4が、重畳領域S3よりも明るくなってしまう。
【0041】
また、図7に示される例では、第1領域S1の端部S1aおよびS1bと、第2領域S2の端部S2aおよびS2bにおいて、照度がゼロよりも大きいため、第1非重畳領域S4と重畳領域S3との境界と、重畳領域S3と第2非重畳領域S5との境界において、照度の段差が生じる。
【0042】
図1に示されるカメラ30によって生成される撮像画像は、重畳領域S3の明るさと、第1非重畳領域S4の明るさと、を示す。情報処理装置40は、撮像画像を取得する。情報処理装置40は、撮像画像に基づいて、重畳領域S3の明るさと、第1非重畳領域S4の明るさと、を特定する。
【0043】
図5に示されるように第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、情報処理装置40は、第1プロジェクター10を制御することによって、第1画像A1を調整する。
【0044】
一例を挙げると、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、情報処理装置40は、第1補正を実行する。第1補正は、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正である。第1補正は、例えば、第1画像A1に含まれる第1の重畳用画像A1aの輝度を維持し、かつ、第1画像A1に含まれる第1の非重畳用画像A1bの輝度を増加させる補正である。
【0045】
図8は、第1補正の一例を説明するための図である。図8では、第1非重畳領域S4の明るさに加えて、第2非重畳領域S5の明るさも、第1非重畳領域S4の明るさと同様に補正されている。
【0046】
図8において、第1補正後の第1非重畳領域S4の照度e2は、第1補正前の第1非重畳領域S4の照度e1よりも高い。同様に、第1補正後の第2非重畳領域S5の照度e4は、第1補正前の第2非重畳領域S5の照度e3よりも高い。
【0047】
一方、図6および図7に示されるように第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、情報処理装置40は、第1補正を実行しない。
【0048】
例えば、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、情報処理装置40は、第1画像A1を調整する補正を実行せずに第1画像A1を維持する。
【0049】
A2:第1プロジェクター10
図9は、第1プロジェクター10の一例を示す図である。第1プロジェクター10は、第1画像処理装置110と、第1光源120と、第1光変調装置130と、第1投射光学系140と、を含む。
【0050】
第1画像処理装置110は、例えば、画像処理回路等の回路によって構成される。第1画像処理装置110は、情報処理装置40から画像データb1を受け取る。第1画像処理装置110は、画像データb1に対してガンマ補正等の画像処理を施すことによって、画像信号c1を生成する。画像信号c1は、画像データb1に基づく信号である。例えば、画像データb1が単色の黒画像を示す場合、画像信号c1も単色の黒画像を示す。
【0051】
第1光源120は、LED(Light Emitting Diode)である。第1光源120は、LEDに限らず、例えば、キセノンランプまたはレーザー光源でもよい。第1光源120は、第1光変調装置130に向けて光L1を出射する。
【0052】
第1光変調装置130は、画像信号c1に基づいて光L1を変調することによって、画像を生成する。第1光変調装置130は、例えば、液晶ライトバルブを含む。第1光変調装置130は、画像信号c1に基づいて、液晶ライトバルブの光透過率を変更する。第1光変調装置130は、光透過率が変更される液晶ライトバルブを用いて光L1を変調することによって、画像を生成する。第1プロジェクター10は、第1光変調装置130に代えて、DMD(Digital Micromirror Device)を備える構成としてもよい。
【0053】
画像信号c1が単色の黒画像を示す場合、光L1の一部は、第1光変調装置130を透過してしまう。このため、画像信号c1が単色の黒画像を示す場合、第1光変調装置130は、わずかな光を含む単色の黒画像を生成する。すなわち、画像信号c1が単色の黒画像を示す場合、第1光変調装置130は、わずかな光を含む単色の黒画像である第1画像A1を生成する。
【0054】
第1光変調装置130において光L1を変調する光変調要素は、液晶ライトバルブに限らず適宜変更可能である。なお、光変調要素が、液晶ライトバルブのように、画像信号c1が単色の黒画像を示すときに光L1の一部を透過してしまう構成である場合、第1補正が実行されないことは特に効果的である。
【0055】
第1投射光学系140は、1または複数のレンズを含む。画像信号c1が単色の黒画像を示す場合、第1投射光学系140は、第1画像A1を第1領域S1に向けて投射する。
【0056】
A3:第2プロジェクター20
図10は、第2プロジェクター20の一例を示す図である。第2プロジェクター20は、第2画像処理装置210と、第2光源220と、第2光変調装置230と、第2投射光学系240と、を含む。
【0057】
第2画像処理装置210は、例えば、画像処理回路等の回路によって構成される。第2画像処理装置210は、情報処理装置40から画像データb2を受け取る。第2画像処理装置210は、画像データb2に対してガンマ補正等の画像処理を施すことによって、画像信号c2を生成する。画像信号c2は、画像データb2に基づく信号である。例えば、画像データb2が単色の黒画像を示す場合、画像信号c2も単色の黒画像を示す。
【0058】
第2光源220は、LEDである。第2光源220は、LEDに限らず、例えば、キセノンランプまたはレーザー光源でもよい。第2光源220は、第2光変調装置230に向けて光L2を出射する。
【0059】
第2光変調装置230は、画像信号c2に基づいて光L2を変調することによって、画像を生成する。第2光変調装置230は、例えば、液晶ライトバルブを含む。第2光変調装置230は、画像信号c2に基づいて、液晶ライトバルブの光透過率を変更する。第2光変調装置230は、光透過率が変更される液晶ライトバルブを用いて光L2を変調することによって、画像を生成する。第2プロジェクター20は、第2光変調装置230に代えて、DMDを備える構成としてもよい。
【0060】
画像信号c2が単色の黒画像を示す場合、光L2の一部は、第2光変調装置230を透過してしまう。このため、画像信号c2が単色の黒画像を示す場合、第2光変調装置230は、わずかな光を含む単色の黒画像を生成する。すなわち、画像信号c2が単色の黒画像を示す場合、第2光変調装置230は、わずかな光を含む単色の黒画像である第2画像A2を生成する。
【0061】
第2光変調装置230において光L2を変調する光変調要素は、液晶ライトバルブに限らず適宜変更可能である。なお、光変調要素が、液晶ライトバルブのように、画像信号c2が単色の黒画像を示すときに光L2の一部を透過してしまう構成である場合、後述の第2補正が実行されないことは特に効果的である。
【0062】
第2投射光学系240は、1以上のレンズを含む。画像信号c2が単色の黒画像を示す場合、第2投射光学系240は、第2画像A2を第2領域S2に向けて投射する。
【0063】
A4:カメラ30
図11は、カメラ30の一例を示す図である。カメラ30は、撮像光学系310と、イメージセンサー320と、撮像実行部330と、を含む。
【0064】
撮像光学系310は、1または複数のレンズを含む。撮像光学系310は、第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲の光学像をイメージセンサー320に結像する。
【0065】
イメージセンサー320は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーである。イメージセンサー320は、CCDイメージセンサーに限らない。イメージセンサー320は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーでもよい。イメージセンサー320は、第1画像A1が第1領域S1に向けて投射され、かつ、第2画像A2が第2領域S2に向けて投射される状況において、撮像光学系310によって結像される光学像に基づいて、撮像データd1を生成する。撮像データd1は、撮像画像を示す。撮像画像は、第1領域S1と第2領域S2とを示す。カメラ30が撮像データd1を生成することは、カメラ30が撮像画像を生成することを意味する。
【0066】
撮像実行部330は、イメージセンサー320を制御することによって撮像を制御する。撮像実行部330は、イメージセンサー320によって生成される撮像データd1を、情報処理装置40に提供する。撮像実行部330は、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。
【0067】
A5:情報処理装置40
図12は、情報処理装置40の一例を示す図である。情報処理装置40は、PC(Personal Computer)である。情報処理装置40は、PCに限らない。情報処理装置40は、例えば、タブレット、スマートフォンまたは専用の処理装置でもよい。PC、タブレットおよびスマートフォンの各々は、汎用の処理装置の一例である。情報処理装置40は、処理装置の一例である。
【0068】
情報処理装置40は、操作装置410と、表示装置420と、記憶装置430と、処理装置440と、を含む。
【0069】
操作装置410は、例えば、キーボード、マウス、操作ボタン、操作キーまたはタッチパネルを含む。操作装置410は、ユーザーの入力操作を受ける。
【0070】
表示装置420は、ディスプレイを含む。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のFPD(Flat Panel Display)である。表示装置420は、種々の情報を表示する。表示装置420は、省略されてもよい。
【0071】
記憶装置430は、コンピューターによって読み取り可能な記録媒体である。記憶装置430は、例えば、不揮発性メモリーと、揮発性メモリーと、を含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)およびEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0072】
記憶装置430は、プログラムP1を記憶する。プログラムP1は、処理装置440の動作を定める。記憶装置430は、不図示のサーバーにおける記憶装置から読み取られるプログラムP1を記憶してもよい。この場合、サーバーにおける記憶装置は、コンピューターによって読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0073】
処理装置440は、1または複数のCPUを含む。1または複数のCPUは、1または複数のプロセッサーの一例である。処理装置440、プロセッサー、CPUおよび情報処理装置40の各々は、コンピューターの一例である。処理装置440は、処理装置の他の例である。
【0074】
処理装置440は、記憶装置430からプログラムP1を読み取る。処理装置440は、プログラムP1を実行することによって、取得部441、特定部442および補正部443として機能する。
【0075】
取得部441、特定部442および補正部443の少なくとも1つは、DSP(Digital Signal Processor)およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の回路によって構成されてもよい。取得部441、特定部442および補正部443の少なくとも1つは、「取得部441」、「特定部442」、「補正部443」、「取得部441および特定部442」、「取得部441および補正部443」、「特定部442および補正部443」または「取得部441、特定部442および補正部443」を意味する。
【0076】
取得部441は、撮像画像を取得する。例えば、取得部441は、撮像データd1を取得することによって、撮像画像を取得する。取得部441は、撮像データd1をカメラ30から直接的に取得する。取得部441は、撮像データd1をカメラ30から間接的に取得してもよい。例えば、カメラ30が第1プロジェクター10に含まれる場合、取得部441は、第1プロジェクター10を介して、撮像データd1をカメラ30から取得してもよい。
【0077】
特定部442は、撮像データd1によって示される撮像画像に基づいて、重畳領域S3の明るさと、第1非重畳領域S4の明るさと、を特定する。
【0078】
重畳領域S3の明るさは、重畳領域S3における輝度の平均値である。重畳領域S3の明るさは、重畳領域S3における輝度の平均値に限らない。重畳領域S3の明るさは、例えば、重畳領域S3における輝度の最大値でもよい。
【0079】
第1非重畳領域S4の明るさは、第1非重畳領域S4における輝度の平均値である。第1非重畳領域S4の明るさは、第1非重畳領域S4における輝度の平均値に限らない。例えば、重畳領域S3の明るさが重畳領域S3における輝度の最大値である場合、第1非重畳領域S4の明るさは、第1非重畳領域S4における輝度の最大値でもよい。
【0080】
特定部442は、撮像データd1によって示される撮像画像に基づいて、さらに、第2非重畳領域S5の明るさを特定してもよい。
【0081】
第2非重畳領域S5の明るさは、第2非重畳領域S5における輝度の平均値である。第2非重畳領域S5の明るさは、第2非重畳領域S5における輝度の平均値に限らない。例えば、重畳領域S3の明るさが重畳領域S3における輝度の最大値である場合、第2非重畳領域S5の明るさは、第2非重畳領域S5における輝度の最大値でもよい。
【0082】
補正部443は、撮像画像に基づいて、第1プロジェクター10を制御する。補正部443は、撮像画像に基づいて、第1プロジェクター10と第2プロジェクター20とを制御してもよい。
【0083】
補正部443は、図5に示されるように、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整する補正を実行する。
【0084】
例えば、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、補正部443は、第1補正を実行する。第1補正は、上述のように、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正である。
【0085】
第1非重畳領域S4における明るさの最大値は、例えば、第1非重畳領域S4における輝度の最大値である。
【0086】
補正部443は、画像データb1を調整することによって、第1画像A1を調整する。このため、補正部443は、画像データb1を調整することによって、第1補正を実行する。
【0087】
以下、第1画像A1を調整することは、画像データb1を調整することによって第1画像A1を調整することを意味する。
【0088】
一方、図6または図7に示されるように、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、補正部443は、第1補正を実行しない。すなわち、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、補正部443は、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない。
【0089】
例えば、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、補正部443は、画像データb1を調整する補正を実行せずに第1画像A1を維持する。
【0090】
また、図5に示されるように、第2非重畳領域S5の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、補正部443は、第2画像A2を調整する補正を実行してもよい。
【0091】
例えば、第2非重畳領域S5の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、補正部443は、第2補正を実行する。第2補正は、第2画像A2を調整することによって第2非重畳領域S5における明るさの最大値を増加させる補正である。
【0092】
補正部443は、画像データb2を調整することによって、第2画像A2を調整する。このため、補正部443は、画像データb2を調整することによって、第2補正を実行する。
【0093】
以下、第2画像A2を調整することは、画像データb2を調整することによって第2画像A2を調整することを意味する。
【0094】
一方、図6または図7に示されるように、第2非重畳領域S5の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、補正部443は、第2補正を実行しない。すなわち、第2非重畳領域S5の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、補正部443は、第2画像A2を調整することによって第2非重畳領域S5における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない。
【0095】
例えば、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、補正部443は、画像データb2を調整せずに、第2画像A2を維持する。
【0096】
A6:動作の説明
図13は、プロジェクションシステム1の動作を説明するための図である。
【0097】
ステップS101において、第1プロジェクター10は、第1領域S1に向けて第1画像A1を投射し、かつ、第2プロジェクター20は、第2領域S2に向けて第2画像A2を投射する。
【0098】
ステップS101では、まず、情報処理装置40の操作装置410は、ユーザーから動作指示を受け付けると、動作指示を、処理装置440に提供する。処理装置440の補正部443は、動作指示に応じて、単色の黒画像を示す画像データb1を第1プロジェクター10に提供し、かつ、単色の黒画像を示す画像データb2を第2プロジェクター20に提供する。第1プロジェクター10は、単色の黒画像を示す画像データb1に基づいて、第1画像A1を第1領域S1に向けて投射する。第2プロジェクター20は、単色の黒画像を示す画像データb2に基づいて、第2画像A2を第2領域S2に向けて投射する。
【0099】
続いて、ステップS102において、カメラ30は、第1画像A1が第1領域S1に向けて投射され、かつ、第2画像A2が第2領域S2に向けて投射される状況において、第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像する。
【0100】
ステップS102では、補正部443は、画像データb1の提供に応じて第1画像A1が第1領域S1に向けて投射され、かつ、画像データb2の提供において第2画像A2が第2領域S2に向けて投射される状況において、カメラ30に撮像指示を提供する。カメラ30は、撮像指示に応じて第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって、撮像データd1を生成する。カメラ30は、撮像データd1を情報処理装置40に提供する。撮像データd1は、上述の通り、撮像画像を示す。
【0101】
続いて、ステップS103において、取得部441は、撮像画像を取得する。ステップS103では、取得部441は、カメラ30から撮像データd1を取得することによって、撮像画像を取得する。
【0102】
続いて、ステップS104において、特定部442は、撮像画像に基づいて、重畳領域S3の明るさと、第1非重畳領域S4の明るさと、第2非重畳領域S5の明るさと、を特定する。
【0103】
ステップS104では、特定部442は、撮像画像に基づいて、重畳領域S3の明るさとして、重畳領域S3における輝度の平均値を特定する。特定部442は、撮像画像に基づいて、第1非重畳領域S4の明るさとして、第1非重畳領域S4における輝度の平均値を特定する。特定部442は、撮像画像に基づいて、第2非重畳領域S5の明るさとして、第2非重畳領域S5における輝度の平均値を特定する。
【0104】
なお、撮像画像における重畳領域S3の位置と、撮像画像における第1非重畳領域S4の位置と、撮像画像における第2非重畳領域S5の位置は、事前に特定される。
【0105】
例えば、まず、第2プロジェクター20が画像を投射せずに第1プロジェクター10が単色の白画像を第1領域S1に投射する状況において、カメラ30が第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって、第1撮像データを生成する。第1撮像データは、第1撮像画像を示す。
【0106】
続いて、第1プロジェクター10が画像を投射せずに第2プロジェクター20が単色の白画像を第2領域S2に投射する状況において、カメラ30が第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって、第2撮像データを生成する。第2撮像データは、第2撮像画像を示す。
【0107】
続いて、取得部441は、第1撮像データと第2撮像データとを取得することによって、第1撮像画像と第2撮像画像とを取得する。
【0108】
特定部442は、第1撮像画像と第2撮像画像とを相互に重ね、第1撮像画像において白画像が存在する領域のうち、第2撮像画像においても白画像が存在する領域の位置を、撮像画像における重畳領域S3の位置として特定する。特定部442は、第1撮像画像において白画像が存在する領域のうち、撮像画像における重畳領域S3とは異なる領域の位置を、撮像画像における第1非重畳領域S4の位置として特定する。特定部442は、第2撮像画像において白画像が存在する領域のうち、撮像画像における重畳領域S3とは異なる領域の位置を、撮像画像における第2非重畳領域S5の位置として特定する。
【0109】
なお、撮像画像における重畳領域S3の位置と、撮像画像における第1非重畳領域S4の位置と、撮像画像における第2非重畳領域S5の位置と、を特定する手法は、上述の手法に限らない。例えば、単色の白画像の代わりに、単色の黄色画像または単色の赤画像が用いられてもよい。
【0110】
また、特定部442は、第1射影変換行列と第2射影変換行列とを用いて、撮像画像における重畳領域S3の位置と、撮像画像における第1非重畳領域S4の位置と、撮像画像における第2非重畳領域S5の位置と、を特定してもよい。第1射影変換行列は、第1画像A1における点の位置と撮像画像における点の位置との対応関係を示す射影変換行列である。第2射影変換行列は、第2画像A2における点の位置と撮像画像における点の位置との対応関係を示す射影変換行列である。この場合、特定部442は、第1画像A1における第1の重畳用画像A1aの位置と第1射影変換行列とを用いて、撮像画像における重畳領域S3の位置を特定する。特定部442は、第2画像A2における第2の重畳用画像A2aの位置と第2射影変換行列とを用いて、撮像画像における重畳領域S3の位置を特定してもよい。特定部442は、第1画像A1における第1の非重畳用画像A1bの位置と第1射影変換行列とを用いて、撮像画像における第1非重畳領域S4の位置を特定する。特定部442は、第2画像A2における第2の非重畳用画像A2bの位置と第2射影変換行列とを用いて、撮像画像における第2非重畳領域S5の位置を特定する。
【0111】
続いて、ステップS105において、補正部443は、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗いか否かを判断する。
【0112】
補正部443は、ステップS105において第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗いと判断する場合(ステップS105/YES)、処理をステップS106に進める。
【0113】
ステップS106では、補正部443は、第1補正を実行する。第1補正は、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正である。第1補正によって、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさに近づくように、第1画像A1が調整される。
【0114】
補正部443は、例えば、図2に示される第1の非重畳用画像A1bの輝度が一様に第1調整値だけ増加するように画像データb1を調整することによって、図8に示されるように第1補正を実行する。
【0115】
第1調整値は、例えば、予め設定された固定値である。第1調整値は、予め設定された固定値に限らない。第1調整値は、例えば、重畳領域S3の明るさと、第1非重畳領域S4の明るさと、の差分の値に基づく値でもよい。例えば、補正部443は、重畳領域S3の明るさと第1非重畳領域S4の明るさとの差分の値が大きいほど第1調整値を大きくする、また、補正部443は、重畳領域S3の明るさと第1非重畳領域S4の明るさとの差分の値が小さいほど第1調整値を小さくする。
【0116】
一方、補正部443は、ステップS105において第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗くないと判断する場合(ステップS105/NO)、処理をステップS107に進める。例えば、補正部443は、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るいと判断する場合、処理をステップS107に進める。また、補正部443は、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさと等しいと判断する場合、処理をステップS107に進める。
【0117】
ステップS107では、補正部443は、第1補正を実行しない。例えば、補正部443は、画像データb1を調整する補正を実行せずに、第1画像A1を維持する。
【0118】
ステップS106またはステップS107に続いて、ステップS108において、補正部443は、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗いか否かを判断する。
【0119】
補正部443は、ステップS108において第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗いと判断する場合(ステップS108/YES)、処理をステップS109に進める。
【0120】
ステップS109では、補正部443は、第2補正を実行する。第2補正は、第2画像A2を調整することによって第2非重畳領域S5における明るさの最大値を増加させる補正である。第2補正によって、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさに近づくように、第2画像A2が調整される。
【0121】
補正部443は、例えば、図3に示される第2の非重畳用画像A2bの輝度が一様に第2調整値だけ増加するように画像データb2を調整することによって、図8に示されるような第2補正を実行する。
【0122】
第2調整値は、例えば、予め設定された固定値である。第2調整値は、予め設定された固定値に限らない。第2調整値は、例えば、重畳領域S3の明るさと、第2非重畳領域S5の明るさと、の差分の値に基づく値でもよい。例えば、補正部443は、重畳領域S3の明るさと第2非重畳領域S5の明るさとの差分の値が大きいほど第2調整値を大きくする、また、補正部443は、重畳領域S3の明るさと第2非重畳領域S5の明るさとの差分の値が小さいほど第2調整値を小さくする。
【0123】
一方、補正部443は、ステップS108において第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗くないと判断する場合(ステップS108/NO)、処理をステップS110に進める。例えば、補正部443は、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るいと判断する場合、処理をステップS110に進める。また、補正部443は、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさと等しいと判断する場合、処理をステップS110に進める。
【0124】
ステップS110では、補正部443は、第2補正を実行しない。例えば、補正部443は、画像データb2を調整せずに、第2画像A2を維持する。
【0125】
なお、ステップS108からステップS110は、ステップS105の前に実行されてもよい。また、ステップS108からステップS110は、省略されてもよい。
【0126】
A7:第1実施形態についてのまとめ
第1実施形態は、以下の態様を含む。
【0127】
第1実施形態に係る投射画像の調整方法は、投射面Sの第1領域S1に向けて第1プロジェクター10が均一な輝度を有する第1画像A1を投射し、かつ、投射面Sのうち第1領域S1の一部と重畳する部分を有する第2領域S2に向けて第2プロジェクター20が均一な輝度を有する第2画像A2を投射する状況において、第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、撮像画像に基づいて、第1領域S1と第2領域S2とが重畳する重畳領域S3の明るさと、第1領域S1のうち第2領域S2と重畳しない第1非重畳領域S4の明るさと、を特定することと、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整する補正を、実行することと、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しないことと、を含む。
【0128】
プロジェクションシステム1は、投射面Sの第1領域S1に向けて、均一な輝度を有する第1画像A1を投射する第1プロジェクター10と、投射面Sのうち第1領域S1の一部と重畳する部分を有する第2領域S2に向けて、均一な輝度を有する第2画像A2を投射する第2プロジェクター20と、第1画像A1が第1領域S1に向けて投射され、かつ、第2画像A2が第2領域S2に向けて投射される状況において、第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって撮像画像を生成するカメラ30と、情報処理装置40と、を含み、情報処理装置40は、撮像画像を取得することと、撮像画像に基づいて、第1領域S1と第2領域S2とが重畳する重畳領域S3の明るさと、第1領域S1のうち第2領域S2と重畳しない第1非重畳領域S4の明るさと、を特定することと、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整することと、を実行し、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない。
【0129】
情報処理装置40は、投射面Sの第1領域S1に向けて第1プロジェクター10が均一な輝度を有する第1画像A1を投射し、かつ、投射面Sのうち第1領域S1の一部と重畳する部分を有する第2領域S2に向けて第2プロジェクター20が均一な輝度を有する第2画像A2を投射する状況において、第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、撮像画像に基づいて、第1領域S1と第2領域S2とが重畳する重畳領域S3の明るさと、第1領域S1のうち第2領域S2と重畳しない第1非重畳領域S4の明るさと、を特定することと、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整することと、を実行し、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない。
【0130】
プログラムP1は、処理装置440に、投射面Sの第1領域S1に向けて第1プロジェクター10が均一な輝度を有する第1画像A1を投射し、かつ、投射面Sのうち第1領域S1の一部と重畳する部分を有する第2領域S2に向けて第2プロジェクター20が均一な輝度を有する第2画像A2を投射する状況において、第1領域S1と第2領域S2とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、撮像画像に基づいて、第1領域S1と第2領域S2とが重畳する重畳領域S3の明るさと、第1領域S1のうち第2領域S2と重畳しない第1非重畳領域S4の明るさと、を特定することと、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整することと、を実行させ、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正を、実行させない。
【0131】
例えば、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合に、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正が実行されると、第1非重畳領域S4の明るさと、重畳領域S3の明るさと、の差が増大しまう。当該差が増大すると、当該差を目立たせてしまう。
【0132】
これに対して、上述の態様によれば、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正は、実行されない。このため、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合に、第1非重畳領域S4の明るさと、重畳領域S3の明るさと、の差を目立たせる補正を抑制できる。
【0133】
第1実施形態に係る投射画像の調整方法において、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正を実行しないことは、第1画像A1を調整する補正を実行しないことを含む。
【0134】
第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合に特許文献1に開示の手法が適用されると、第1非重畳領域S4の明るさと重畳領域S3の明るさとの差がより大きくなってしまう。
【0135】
この態様によれば、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合には、第1画像A1を調整する補正を実行しない。このため、第1非重畳領域S4の明るさと重畳領域S3の明るさとの差がより大きくなることを防ぐことができる。
【0136】
また、この態様によれば、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合に第1画像A1を調整する補正を実行する構成に比べて、第1画像A1の調整に要する負荷を減少できる。
【0137】
第1実施形態に係る投射画像の調整方法において、重畳領域S3の明るさは、重畳領域S3における輝度の平均値であり、第1非重畳領域S4の明るさは、第1非重畳領域S4における輝度の平均値であり、第1非重畳領域S4における明るさの最大値は、第1非重畳領域S4における輝度の最大値である。
【0138】
この態様によれば、重畳領域S3における輝度の平均値と、第1非重畳領域S4における輝度の平均値と、の大小関係に基づいて、第1画像A1の調整を制御できる。このため、例えば、重畳領域S3の一部分の輝度が、突発的なノイズに起因する誤った値になっても、重畳領域S3における輝度の平均値を用いることによって、第1画像A1の調整に対する当該誤った値の影響を小さくできる。
【0139】
第1実施形態に係る投射画像の調整方法において、重畳領域S3の明るさは、重畳領域S3における輝度の最大値であり、第1非重畳領域S4の明るさは、第1非重畳領域S4における輝度の最大値であり、第1非重畳領域S4における明るさの最大値は、第1非重畳領域S4における輝度の最大値である。
【0140】
この態様によれば、重畳領域S3における輝度の最大値と、第1非重畳領域S4における輝度の最大値と、の大小関係に基づいて、第1画像A1の調整を制御できる。このため、例えば、重畳領域S3における輝度の平均値と、第1非重畳領域S4における輝度の平均値と、を特定する処理を不要にできる。
【0141】
第1実施形態に係る投射画像の調整方法において、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整することは、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4における明るさの最大値を増加させる補正を、実行することを含む。
【0142】
この態様によれば、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1非重畳領域S4の明るさを重畳領域S3の明るさに近づける補正を実行することができる。
【0143】
第1実施形態に係る投射画像の調整方法において、第1画像A1および第2画像A2は、単色の黒画像である。
【0144】
この態様によれば、第1プロジェクター10と第2プロジェクター20が単色の黒画像を投射する状況において、第1非重畳領域S4の明るさと、重畳領域S3の明るさと、の差を目立たせる補正を抑制できる。
【0145】
B:変形例
以上に例示した実施形態の変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2個以上の態様を、相互に矛盾しない範囲において適宜に併合してもよい。
【0146】
B1:第1変形例
第1実施形態において、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、補正部443は、第3補正を実行してもよい。第3補正は、第1画像A1を調整する補正であって、第1補正には該当しない補正である。
【0147】
図14は、第1領域S1と、第2領域S2と、重畳領域S3と、第1非重畳領域S4と、第2非重畳領域S5と、を示す図である。
【0148】
第1領域S1は、第1輪郭G1を有する。第1輪郭G1は、第1領域が有する輪郭の一例である。第2領域S2は、第2輪郭G2を有する。重畳領域S3は、第3輪郭G3を有する。第3輪郭G3は、第3領域が有する輪郭の一例である。第3輪郭G3は、第1領域S1の第1輪郭G1と重ならない第1線J1を含む。第1線J1上には、第1点K1が位置する。第1線J1上における第1点K1の位置は、第1線J1上の任意の位置である。このため、第1線J1上における第1点K1の位置は、図14に示される位置に限らない。第1線J1上における第1点K1の位置は、図14に示される位置とは異なる位置でもよい。また、第1線J1上に複数の第1点K1が位置してもよい。
【0149】
第1非重畳領域S4は、第2点K2と、第3点K3と、点群Kmと、を有する。第2点K2は、第1点K1に隣接する点である。第2点K2の位置は、図14に示される位置に限らない。第2点K2の位置は、第1線J1上における第1点K1の位置に応じて変わる。第3点K3は、第1非重畳領域S4における明るさの最大値を有する点である。第1非重畳領域S4における明るさの最大値は、例えば、第1非重畳領域S4における輝度の最大値である。第3点K3の位置は、図14に示される位置に限らない。第3点K3の位置は、第1非重畳領域S4における明るさの分布に応じて変わり得る。第1非重畳領域S4における明るさの分布は、例えば、第1非重畳領域S4における輝度の分布である。点群Kmは、第1非重畳領域S4において第3点K3から第2点K2までの間に位置する点の群である。点群Kmは、1以上の点を含む。
【0150】
第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、特定部442は、撮像画像に基づいて、第2点K2の明るさと、第1非重畳領域S4における明るさの最大値と、第3点K3と、を特定する。
【0151】
例えば、特定部442は、撮像画像に基づいて、第2点K2の明るさとして、第2点K2の輝度を特定する。特定部442は、撮像画像に基づいて、第1非重畳領域S4における明るさの最大値として、第1非重畳領域S4における輝度の最大値を特定する。
【0152】
続いて、補正部443は、第3補正を実行する。第3補正は、第1画像A1を調整することによって、点群Kmの明るさと、第2点K2の明るさとを、第1範囲内の明るさに変更する補正である。第1範囲は、撮像画像に基づいて特定される第2点K2の明るさよりも明るく撮像画像に基づいて特定される第3点K3の明るさ以下の範囲である。第3点K3の明るさは、第1非重畳領域S4における明るさの最大値である。
【0153】
図15は、第3補正の一例を説明するための図である。特定部442は、図15に示される第3補正の一例を実行する前に、撮像画像に基づいて、第1点K1の明るさを特定する。例えば、特定部442は、撮像画像に基づいて、第1点K1の明るさとして、第1点K1の輝度を特定する。
【0154】
続いて、補正部443は、図15に示される第3補正の一例を実行する。例えば、補正部443は、第1点K1の明るさが第2点K2の明るさよりも明るい場合、第2点K2の明るさが第1点K1の明るさに近づくように、点群Kmの明るさと第2点K2の明るさとを、第1画像A1を調整することによって、第1範囲内から外れずに第3点K3から第2点K2に向けて段階的に増加させる補正を実行する。
【0155】
一例を挙げると、補正部443は、第1画像A1における第1の重畳用画像A1aの輝度を維持し、かつ、第1画像A1における第1の非重畳用画像A1bの輝度を部分的に調整することによって、第2点K2の明るさを第1点K1の明るさに変更し、かつ、点群Kmの明るさを第1範囲内から外れることなく第3点K3から第2点K2に向けて段階的に増加させる。
【0156】
なお、第3補正の間、補正部443は、カメラ30に継続的に撮像を実行させてもよい。この場合、補正部443は、カメラ30が継続的に生成する撮像画像をモニターしながら、第1の重畳用画像A1aの輝度を維持し、かつ、第1画像A1における第1の非重畳用画像A1bの輝度を部分的に調整する。補正部443は、撮像画像をモニターしながら、第1の非重畳用画像A1bの輝度を部分的に調整することによって、第2点K2の明るさを第1点K1の明るさに変更し、かつ、点群Kmの明るさを第1範囲内から外れることなく第3点K3から第2点K2に向けて段階的に増加させる。
【0157】
図16は、第3補正における調整後の第1画像A1の一例を示す図である。図16に示されるように、第3補正における調整は、第1の非重畳用画像A1bにおいて実行される。
【0158】
なお、第1線J1上に複数の第1点K1が位置する場合、第3補正は、第1点K1ごとに、当該第1点K1に対応する第2点K2および点群Kmに対して実行される。
【0159】
第3補正は、上述の例に限らない。例えば、補正部443は、まず、点群Kmの中から、第1点K1の明るさよりも暗い点群Km1を特定する。続いて、補正部443は、第1の非重畳用画像A1bを変更することによって、点群Km1の明るさと、第2点K2の明るさとを、第1点K1の明るさに変更してもよい。
【0160】
なお、第1点K1の明るさが第2点K2の明るさよりも明るくない場合、補正部443は、例えば、第1画像A1を調整する補正を実行しない。
【0161】
第1変形例に係る投射画像の調整方法では、重畳領域S3が有する第3輪郭G3は、第1領域S1が有する第1輪郭G1と重ならない第1線J1を含み、第1非重畳領域S4は、第1線J1上の第1点K1に隣接する第2点K2と、第1非重畳領域S4における明るさの最大値を有する第3点K3と、を有し、第1非重畳領域S4の明るさが、重畳領域S3の明るさよりも明るい場合、第1画像A1を調整することによって、第1非重畳領域S4において第3点K3から第2点K2までの間に位置する点群Kmの明るさと、第2点K2の明るさとを、第1範囲内の明るさに補正すること、をさらに含み、第1範囲は、撮像画像に基づいて特定される第2点K2の明るさよりも明るく撮像画像に基づいて特定される第3点K3の明るさ以下の範囲である。
【0162】
この態様によれば、第1非重畳領域S4における明るさの最大値を超える明るさが生じるような補正は、第1非重畳領域S4の点に対して行われない。このため、特許文献1に開示の手法と比較して、第1非重畳領域S4の明るさと重畳領域S3の明るさとの差を目立たせることを防ぐことができる。よって、投射面Sの形状によらず、重畳領域S3の明るさと第1非重畳領域S4の明るさとの大小関係に応じた投射画像の調整を行うことができる。
【0163】
また、第1変形例に係る投射画像の調整方法において、第1画像A1を調整することによって、点群Kmの明るさと、第2点K2の明るさとを、第1範囲内の明るさに補正することは、第1点K1の明るさが、第2点K2の明るさよりも明るい場合、第2点K2の明るさが第1点K1の明るさに近づくように、点群Kmの明るさと第2点K2の明るさとを、第1画像A1を調整することによって、第1範囲内から外れずに第3点K3から第2点K2に向けて段階的に増加させる補正を実行すること、を含む。
【0164】
この態様によれば、点群Kmの明るさと第2点K2の明るさとを、第1画像A1を調整することによって、第1範囲内から外れずに第3点K3から第2点K2に向けて段階的に増加させる。このため、第1非重畳領域S4から重畳領域S3への明るさの変化が滑らかになる。よって、重畳領域S3の明るさと第1非重畳領域S4の明るさとの差を、より目立たせなくする補正を実現できる。
【0165】
B2:第2変形例
第1変形例において、補正部443は、第1変形例において第1画像A1に施される調整と同様な調整を、第2画像A2に施してもよい。
【0166】
この場合、補正部443は、第2画像A2に施す調整を、第1非重畳領域S4と重畳領域S3の明るさとの関係ではなく、第2非重畳領域S5と重畳領域S3の明るさとの関係に基づいて実行する。
【0167】
図17は、調整後の第2画像A2の一例を示す図である。図17に示されるように、第2画像A2に対する調整は、第2の非重畳用画像A2bにおいて実行される。
【0168】
この態様によれば、第1非重畳領域S4の明るさと重畳領域S3の明るさとの差と、第2非重畳領域S5の明るさと重畳領域S3の明るさとの差とを、より目立たせなくする補正を実現できる。
【0169】
B3:第3変形例
第1実施形態および第1変形例から第2変形例において、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合に実行される補正は、第1補正に限らない。
【0170】
例えば、補正部443は、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第1非重畳領域S4において明るさのばらつきがある際には、第1画像A1を調整することによって第1非重畳領域S4の全面における明るさを第1非重畳領域S4における明るさの最大値に揃える補正を実行してもよい。この補正によっても、第1非重畳領域S4の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合に、第1非重畳領域S4の明るさと重畳領域S3の明るさとの差を減少することができる。
【0171】
B4:第4変形例
第1実施形態および第1変形例から第3変形例において、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合に実行される補正は、第2補正に限らない。
【0172】
例えば、補正部443は、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合、第2非重畳領域S5において明るさのばらつきがある際には、第2画像A2を調整することによって第2非重畳領域S5の全面における明るさを第2非重畳領域S5における明るさの最大値に揃える補正を実行してもよい。この補正によっても、第2非重畳領域S5の明るさが重畳領域S3の明るさよりも暗い場合に、第2非重畳領域S5の明るさと重畳領域S3の明るさとの差を減少することができる。
【0173】
B5:第5変形例
第1実施形態および第1変形例から第4変形例において、情報処理装置40は、第1プロジェクター10、第2プロジェクター20またはカメラ30に含まれてもよい。さらに言えば、第1実施形態および第1変形例から第5変形例において、情報処理装置40の構成要素のうち少なくとも処理装置440が、第1プロジェクター10、第2プロジェクター20またはカメラ30に含まれてもよい。
【0174】
B6:第6変形例
第1実施形態および第1変形例から第5変形例において、プロジェクションシステム1は、第1プロジェクター10および第2プロジェクター20に加えて、1または複数のプロジェクターを含んでもよい。この場合、プロジェクションシステム1は、各プロジェクターから投射される画像によって、投射面Sにタイリング画像を表示する。タイリング画像において隣り合う画像は、部分的に重畳する。
【0175】
C:本開示のまとめ
以下、本開示のまとめを付記する。
【0176】
C1:付記1
投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しないことと、を含む、
投射画像の調整方法。
【0177】
付記1に記載の投射画像の調整方法によれば、非重畳領域である第4領域の明るさが重畳領域である第3領域の明るさよりも明るい場合、第1画像を調整することによって第4領域における明るさの最大値を増加させる補正は、実行されない。このため、第4領域の明るさが第3領域の明るさよりも明るい場合に、第4領域の明るさと第3領域の明るさとの差を目立たせる補正を抑制できる。
【0178】
C2:付記2
前記第3領域が有する輪郭は、前記第1領域が有する輪郭と重ならない第1線を含み、
前記第4領域は、前記第1線上の第1点に隣接する第2点と、前記第4領域における明るさの最大値を有する第3点と、を有し、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、
前記第1画像を調整することによって、前記第4領域において前記第3点から前記第2点までの間に位置する点群の明るさと、前記第2点の明るさとを、第1範囲内の明るさに補正すること、をさらに含み、
前記第1範囲は、前記撮像画像に基づいて特定される前記第2点の明るさよりも明るく前記撮像画像に基づいて特定される前記第3点の明るさ以下の範囲である、
付記1に記載の投射画像の調整方法。
【0179】
付記2に記載の投射画像の調整方法によれば、第4領域における明るさの最大値を超える明るさが生じるような補正は、第4領域の点に対して行われない。このため、特許文献1に開示の手法と比較して、非重畳領域である第4領域の明るさと重畳領域である第3領域の明るさとの差を目立たせることを防ぐことができる。よって、投射面の形状によらず、第3領域の明るさと第4領域の明るさとの大小関係に応じた投射画像の調整を行うことができる。
【0180】
C3:付記3
前記第1画像を調整することによって、前記点群の明るさと、前記第2点の明るさとを、前記第1範囲内の明るさに補正することは、
前記第1点の明るさが、前記第2点の明るさよりも明るい場合、
前記第2点の明るさが前記第1点の明るさに近づくように、前記点群の明るさと前記第2点の明るさとを、前記第1画像を調整することによって、前記第1範囲内から外れずに前記第3点から前記第2点に向けて段階的に増加させる補正を実行すること、を含む、
付記2に記載の投射画像の調整方法。
【0181】
付記3に記載の投射画像の調整方法によれば、第1点の明るさが、第2点の明るさよりも明るい場合、第2点の明るさが第1点の明るさに近づくように、第3点から第2点までの間に位置する点群の明るさと第2点の明るさとを、第1画像を調整することによって、第1範囲内から外れずに第3点から第2点に向けて段階的に増加させる。このため、第4領域から第3領域への明るさの変化が滑らかになる。よって、第3領域の明るさと第4領域の明るさとの差をより目立たせなくする補正を実現できる。
【0182】
C4:付記4
前記補正を実行しないことは、
前記第1画像を調整する補正を実行しないこと、を含む
付記1に記載の投射画像の調整方法。
【0183】
非重畳領域である第4領域の明るさが重畳領域である第3領域の明るさよりも明るい場合に特許文献1に開示の手法が適用されると、第4領域の明るさと第3領域の明るさとの差がより大きくなってしまう。付記4に記載の投射画像の調整方法によれば、第4領域の明るさが第3領域の明るさよりも明るい場合には、第1画像を調整する補正を実行しない。このため、第4領域の明るさと第3領域の明るさとの差がより大きくなることを防ぐことができる。また、付記4に記載の投射画像の調整方法によれば、第4領域の明るさが第3領域の明るさよりも明るい場合に第1画像を調整する補正を実行する構成に比べて、第1画像の調整に要する負荷を減少できる。
【0184】
C5:付記5
前記第3領域の明るさは、前記第3領域における輝度の平均値であり、
前記第4領域の明るさは、前記第4領域における輝度の平均値であり、
前記第4領域における明るさの最大値は、前記第4領域における輝度の最大値である、
付記1から4のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【0185】
付記5に記載の投射画像の調整方法によれば、第3領域における輝度の平均値と、第4領域における輝度の平均値と、の大小関係に基づいて、第1画像の調整を制御できる。このため、例えば、第3領域の一部分の輝度が、突発的なノイズに起因する誤った値になっても、第3領域における輝度の平均値を用いることによって、第1画像の調整に対する当該誤った値の影響を小さくできる。
【0186】
C6:付記6
前記第3領域の明るさは、前記第3領域における輝度の最大値であり、
前記第4領域の明るさは、前記第4領域における輝度の最大値であり、
前記第4領域における明るさの最大値は、前記第4領域における輝度の最大値である、
付記1から4のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【0187】
付記6に記載の投射画像の調整方法によれば、第3領域における輝度の最大値と、第4領域における輝度の最大値と、の大小関係に基づいて、第1画像の調整を制御できる。このため、例えば、第3領域における輝度の平均値と、第4領域における輝度の平均値と、を特定する処理を不要にできる。
【0188】
C7:付記7
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することは、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行すること、を含む、
付記1から6のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【0189】
付記7に記載の投射画像の調整方法によれば、第4領域の明るさが、第3領域の明るさよりも暗い場合、第4領域の明るさを第3領域の明るさに近づける補正を実行できる。
【0190】
C8:付記8
前記第1画像および前記第2画像は、単色の黒画像である、
付記1から7のいずれか1項に記載の投射画像の調整方法。
【0191】
付記8に記載の投射画像の調整方法によれば、第1プロジェクターと第2プロジェクターが単色の黒画像を投射する状況において、第4領域の明るさと第3領域の明るさとの差を目立たせる補正を抑制できる。
【0192】
C9:付記9
投射面の第1領域に向けて、均一な輝度を有する第1画像を投射する第1プロジェクターと、
前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて、均一な輝度を有する第2画像を投射する第2プロジェクターと、
前記第1画像が前記第1領域に向けて投射され、かつ、前記第2画像が前記第2領域に向けて投射される状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって撮像画像を生成するカメラと、
前記撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
を実行し、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない、処理装置と、を含む、
プロジェクションシステム。
【0193】
付記9に記載のプロジェクションシステムによれば、非重畳領域である第4領域の明るさが重畳領域である第3領域の明るさよりも明るい場合、第1画像を調整することによって第4領域における明るさの最大値を増加させる補正は、実行されない。このため、第4領域の明るさが第3領域の明るさよりも明るい場合に、第4領域の明るさと第3領域の明るさとの差を目立たせる補正を抑制できる。
【0194】
C10:付記10
投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
を実行し、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行しない、
処理装置。
【0195】
付記10に記載の処理装置によれば、非重畳領域である第4領域の明るさが重畳領域である第3領域の明るさよりも明るい場合、第1画像を調整することによって第4領域における明るさの最大値を増加させる補正は、実行されない。このため、第4領域の明るさが第3領域の明るさよりも明るい場合に、第4領域の明るさと第3領域の明るさとの差を目立たせる補正を抑制できる。
【0196】
C11:付記11
コンピューターに、
投射面の第1領域に向けて第1プロジェクターが均一な輝度を有する第1画像を投射し、かつ、前記投射面のうち前記第1領域の一部と重畳する部分を有する第2領域に向けて第2プロジェクターが均一な輝度を有する第2画像を投射する状況において、前記第1領域と前記第2領域とを含む範囲を撮像することによって得られる撮像画像を取得することと、
前記撮像画像に基づいて、前記第1領域と前記第2領域とが重畳する第3領域の明るさと、前記第1領域のうち前記第2領域と重畳しない第4領域の明るさと、を特定することと、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも暗い場合、前記第1画像を調整することと、
を実行させ、
前記第4領域の明るさが、前記第3領域の明るさよりも明るい場合、前記第1画像を調整することによって前記第4領域における明るさの最大値を増加させる補正を、実行させない、
プログラム。
【0197】
付記11に記載のプログラムによれば、非重畳領域である第4領域の明るさが重畳領域である第3領域の明るさよりも明るい場合、第1画像を調整することによって第4領域における明るさの最大値を増加させる補正は、実行されない。このため、第4領域の明るさが第3領域の明るさよりも明るい場合に、第4領域の明るさと第3領域の明るさとの差を目立たせる補正を抑制できる。
【符号の説明】
【0198】
1…プロジェクションシステム、10…第1プロジェクター、20…第2プロジェクター、30…カメラ、40…情報処理装置、110…第1画像処理部、120…第1光源、130…第1光変調装置、140…第1投射光学系、151…取得部、210…第2画像処理部、220…第2光源、230…第2光変調装置、240…第2投射光学系、310…撮像レンズ、320…イメージセンサー、330…撮像実行部、410…操作装置、420…表示装置、430…記憶装置、440…処理装置、441…取得部、442…特定部、443…補正部。
図1
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