(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062690
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】表示方法、情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/00 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
G10K15/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170705
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大木 大夢
(72)【発明者】
【氏名】森川 直
(57)【要約】
【課題】音響空間における、目標の音圧分布を実現するための最適な音響機器の配置を容易に知ることができる表示方法を提供する。
【解決手段】表示方法は、音響空間と該音響空間における目標の音圧分布を受け付けて、受け付けた前記音響空間において、受け付けた前記目標の音圧分布に対応するスピーカまたはマイクの配置分布を所定のモデルに基づいて算出し、算出した前記配置分布を表示器に表示する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響空間と該音響空間における目標の音圧分布を受け付けて、
受け付けた前記音響空間において、受け付けた前記目標の音圧分布に対応するスピーカまたはマイクの配置分布を所定のモデルに基づいて算出し、
算出した前記配置分布を表示器に表示する、
表示方法。
【請求項2】
前記配置分布は、前記音響空間における前記スピーカまたは前記マイクの数および位置を示す、
請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記配置分布は、前記スピーカの出力特性、または前記マイクの入力特性を含む、
請求項1または請求項2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記音響空間は、前記目標の音圧分布を指定するための第1空間と、前記スピーカまたは前記マイクを設置するための第2空間と、を含む、
請求項1または請求項2に記載の表示方法。
【請求項5】
前記スピーカまたは前記マイクの指向性に関する情報を受け付けて、
さらに、前記指向性に関する情報に基づいて、前記スピーカまたは前記マイクの配置分布を算出する、
請求項1または請求項2に記載の表示方法。
【請求項6】
前記算出したスピーカまたはマイクの配置分布に対応する音圧分布を算出し、
前記算出した音圧分布を表示する、
請求項1または請求項2に記載の表示方法。
【請求項7】
前記音響空間において、固定された固定スピーカまたは固定マイクの数および位置を受け付けて、
さらに、前記固定スピーカまたは前記固定マイクの数および位置に基づいて前記スピーカまたは前記マイクの配置分布を算出する、
請求項1または請求項2に記載の表示方法。
【請求項8】
音響空間と該音響空間における目標の音圧分布を受け付けて、
受け付けた前記音響空間において、受け付けた前記目標の音圧分布に対応するスピーカまたはマイクの配置分布を所定のモデルに基づいて算出し、
算出した前記配置分布を表示器に表示する、
プロセッサを備えた情報処理装置。
【請求項9】
前記配置分布は、前記音響空間における前記スピーカまたは前記マイクの数および位置を示す、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記配置分布は、前記スピーカの出力特性、または前記マイクの入力特性を含む、
請求項8または請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記音響空間は、前記目標の音圧分布を指定するための第1空間と、前記スピーカまたは前記マイクを設置するための第2空間と、を含む、
請求項8または請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記スピーカまたは前記マイクの指向性に関する情報を受け付けて、
さらに、前記指向性に関する情報に基づいて、前記スピーカまたは前記マイクの配置分布を算出する、
請求項8または請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記算出したスピーカまたはマイクの配置分布に対応する音圧分布を算出し、
前記算出した音圧分布を表示する、
請求項8または請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記音響空間において、固定された固定スピーカまたは固定マイクの数および位置を受け付けて、
さらに、前記固定スピーカまたは前記固定マイクの数および位置に基づいて前記スピーカまたは前記マイクの配置分布を算出する、
請求項8または請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項15】
音響空間と該音響空間における目標の音圧分布を受け付けて、
受け付けた前記音響空間において、受け付けた前記目標の音圧分布に対応するスピーカまたはマイクの配置分布を所定のモデルに基づいて算出し、
算出した前記配置分布を表示器に表示する、
処理を情報処理装置のプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、表示方法、情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、音場内の所定音源からの音が所定受音点でどのように聞こえるかを、音場の設計データを基にしてシミュレートし可聴室内に模擬音場を形成する音場シミュレータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、目標の音圧分布に対応する音響機器の配置を算出するものではない。専門知識を有しない者にとって、目標の音圧分布を実現するための最適な音響機器の配置を決定することは非常に難しい。
【0005】
本開示のひとつの態様は、音響空間における、目標の音圧分布を実現するための最適な音響機器の配置を容易に知ることができる表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る表示方法は、音響空間と該音響空間における目標の音圧分布を受け付けて、受け付けた前記音響空間において、受け付けた前記目標の音圧分布に対応するスピーカまたはマイクの配置分布を所定のモデルに基づいて算出し、算出した前記配置分布を表示器に表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、利用者は、音響空間における、目標の音圧分布を実現するための最適な音響機器の配置を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図2】プロセッサ12により実行される表示方法の動作を示すフローチャートである。
【
図3】音響機器の一例としてスピーカの配置分布を表示するためのアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。
【
図4】音響機器の一例としてスピーカの配置分布を表示するためのアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。
【
図5】目標の音圧分布を受け付けるための他の例に係るアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。
【
図6】スピーカの配置分布の表示例を示す図である。
【
図8】変形例2に係るアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。
【
図9】変形例4に係るアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。
【
図10】変形例4に係るアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、セットトップボックス、あるいはオーディオレシーバ等の情報処理装置により実現される。
【0010】
情報処理装置1は、通信部11、プロセッサ12、RAM13、フラッシュメモリ14、表示器15、およびユーザI/F16を備えている。
【0011】
通信部11は、例えばBluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)等の無線通信機能、あるいはUSBまたはLAN等の有線通信機能を有する。
【0012】
表示器15は、LCDやOLED等からなる。表示器15は、プロセッサ12の出力した映像を表示する。
【0013】
ユーザI/F16は、操作部の一例である。ユーザI/F16は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネル等からなる。ユーザI/F16は、利用者の操作を受け付ける。なお、タッチパネルは、表示器15に積層されていてもよい。
【0014】
プロセッサ12は、CPU、DSP、またはSoC(System on a Chip)等からなる。プロセッサ12は、記憶媒体であるフラッシュメモリ14からプログラムを読み出し、RAM13に一時記憶することで、種々の動作を行う。なお、プログラムは、フラッシュメモリ14に記憶している必要はない。プロセッサ12は、例えば、サーバ等の他装置から必要な場合にダウンロードしてRAM13に一時記憶してもよい。
【0015】
図2は、プロセッサ12により実行される表示方法の動作を示すフローチャートである。プロセッサ12は、フラッシュメモリ14から読み出したアプリケーションプログラムにより、
図2に示す表示方法を実行する。
【0016】
まず、プロセッサ12は、音響空間と該音響空間における目標の音圧分布を受け付ける(S11)。
図3および
図4は、音響機器の一例としてスピーカの配置分布を表示するためのアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。プロセッサ12は、
図3に示す様な目標設定画面を表示器15に表示し、ユーザI/F16を介して利用者から音響空間と該音響空間における目標の音圧分布を受け付ける。
【0017】
図3および
図4に示すGUIは、音響空間インタフェース101および目標設定インタフェース102を含む。利用者は、音響空間インタフェース101を介して、音響空間を設定する。例えば、利用者は、GUI上のマウスカーソルを起点位置に移動させてクリックし、ドラッグ操作を行うことで、長方形を描画する。これにより、
図3および
図4の例では、利用者は、平面視して長方形状の音響空間を設定する。
【0018】
なお、本実施形態では、平面視した2次元の音響空間を設定する例を示しているが、ある方向に沿った1次元の音響空間を設定してもよいし、高さ方向を含む3次元の音響空間を設定してもよい。利用者は、1次元の音響空間として、直線または曲線を設定する。利用者は、2次元の音響空間として、直線で形成された2次元平面、曲線で形成された2次元平面、または直線および曲線で形成された複合的な2次元平面を設定する。利用者は、3次元の音響空間として、多角形で形成された多面体、曲面を含む柱形状や錐形状、あるいは球体形状を設定する。
【0019】
なお、
図3で示すマウスカーソルを用いた描画による音響空間の設定は一例であり、アプリケーションプログラムは、どの様なインタフェースを介して音響空間を受け付けてもよい。例えば、利用者はある実在のコンサートホール等の名称を入力し、アプリケーションプログラムは、入力されたコンサートホールに対応する3DCADデータに基づいて音響空間の形状を受け付けてもよい。
【0020】
また、利用者は、目標設定インタフェース102を介して、設定された音響空間における目標の音圧分布を入力する。
図3および
図4の例では、利用者は目標音圧として2.2dBの数値を入力している。
図3および
図4の例では、アプリケーションプログラムは、一例として、音響空間インタフェース101で設定された音響空間の平均音圧を目標の音圧分布として受け付ける。
【0021】
しかし、アプリケーションプログラムは、音響空間インタフェース101のうちさらに位置毎に異なる音圧を受け付けてもよい。例えば、
図5は、目標の音圧分布を受け付けるための他の例に係るアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。
図5の例では、アプリケーションプログラムは、音響空間インタフェース101で設定された音響空間を複数(
図5の例では9個)の音圧設定領域102Aに分割している。利用者は、複数の音圧設定領域102Aのそれぞれに目標の音圧を入力する。
【0022】
次に、プロセッサ12は、受け付けた音響空間において、受け付けた目標の音圧分布に対応するスピーカの配置分布を所定のモデルに基づいて算出する(S12)。プロセッサ12は、数理モデルまたは訓練済モデルを用いてスピーカの配置分布を求める。訓練済モデルは、音圧分布と、スピーカの配置分布と、の関係をDNN(Deep Neural Network)で訓練したモデルである。
【0023】
訓練済モデルを生成するコンピュータ(例えばスピーカの製造業者のサーバ)は、訓練段階として、ある出力特性を有するあるスピーカをある音響空間に設置した時の音圧分布のデータセットを多数取得する。サーバは、取得した多数のデータセットを用いて、所定のモデルに、所定のアルゴリズムを用いてスピーカの配置分布と音圧分布との関係を訓練させる。
【0024】
モデルを訓練させるためのアルゴリズムはどの様なものであってもよい。アルゴリズムは、例えばCNN(Convolutional Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)等の任意の機械訓練アルゴリズムを用いることができる。
【0025】
ある出力特性を有するあるスピーカをある所定の音響空間に設置した場合、当該スピーカの配置分布と、当該音響空間における音圧分布は一意に決まる。つまり、ある音響空間におけるスピーカの配置分布と、当該音響空間における音圧分布は、相関関係を有する。したがって、サーバは、所定のモデルに、ある音響空間におけるスピーカの配置分布と、当該音響空間における音圧分布と、の関係を訓練させ、訓練済モデルを生成することができる。
【0026】
プロセッサ12は、以上の様にして訓練された訓練済モデルを、通信部11を介してサーバから取得する。プロセッサ12は、実行段階として、当該訓練済モデルにより、受け付けた音響空間および該音響空間における目標の音圧分布を入力し、対応するスピーカの配置分布を求める。
【0027】
そして、プロセッサ12は、算出したスピーカの配置分布を表示器15に表示する(S13)。
図6は、スピーカの配置分布の表示例を示す図である。プロセッサ12は、音響空間インタフェース101で設定された音響空間内に、S12の処理で算出したスピーカの配置分布を表示する。スピーカの配置分布は、少なくとも、音響空間におけるスピーカの数および位置を示す。
図6の例では、プロセッサ12は、長方形状の音響空間内に4つのスピーカ301A,301B,301C,301Dを表示している。スピーカ301Aは、左上の角に近い位置に表示され、スピーカ301Bは、右上の角に近い位置に表示され、スピーカ301Cは、左下の角に近い位置に表示され、スピーカ301Dは、右下の角に近い位置に表示されている。
【0028】
また、プロセッサ12は、スピーカの配置分布として、スピーカの出力特性(W)を表示してもよい。例えば、
図6の例では、スピーカの出力特性をインジケータで示している。例えば、
図6では、4つのスピーカ301A,301B,301C,301Dは全て40~50Wの出力特性を持つスピーカとして表示されている。
【0029】
これにより、利用者は、新たな顧客体験として、設定した音響空間において、目標の音圧分布を得るために、どの位置にどの程度の数のスピーカを設置すればよいのか、容易に知ることができる。また、利用者は、新たな顧客体験として、どの様な出力特性を持つスピーカを設置すればよいのか、容易に知ることができる。
【0030】
(変形例1)
変形例1に係るプロセッサ12は、算出したスピーカの配置分布に対応する音圧分布を算出する。具体的には、プロセッサ12は、算出したスピーカのそれぞれの出力特性と、距離の二乗に反比例して減衰する音圧特性を用いて、音響空間の各位置における音圧を計算する。そして、プロセッサ12は、算出した音圧分布を表示器15に表示する。
図7は、音圧分布の表示例を示す図である。
【0031】
プロセッサ12は、音圧分布として、音響空間内の各位置の音圧をインジケータで示している。
図7の例では、音響空間内の中央の位置は、4つのスピーカ301A,301B,301C,301Dで囲まれる位置であるため、音圧は高くなる。音響空間の4つの角は、相対的に低い音圧になる。
【0032】
これにより、利用者は、新たな顧客体験として、算出されたスピーカの配置分布においてどの様な音圧分布になるか、容易に知ることができる。
【0033】
(変形例2)
変形例2では、プロセッサ12は、目標の音圧分布を指定するための第1空間と、スピーカを設置するための第2空間と、を受け付ける。つまり、変形例2では、利用者の設定する音響空間は、目標の音圧分布を指定するための第1空間と、スピーカを設置するための第2空間と、を含む。
【0034】
図8は、変形例2に係るアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。プロセッサ12は、目標の音圧分布を受け付けるための音響空間インタフェース101内に、さらにスピーカを設置するための設置空間インタフェース105を表示する。利用者は、音響空間インタフェース101および音圧設定領域102Aを介して目標の音圧分布(第1空間)を設定し、さらに設置空間インタフェース105を介してスピーカを設置するための第2空間を設定する。例えば、実際のコンサートホールでは、音響空間において壁面、天井あるいは柱等、スピーカ等の音響機器を設置する場所が限られている。利用者は、実際のコンサートホールのうち音響機器を設置することが可能な場所を考慮して、スピーカを設置するための第2空間を設定する。
【0035】
あるいは、利用者はある実在のコンサートホール等の名称を入力し、アプリケーションプログラムは、入力されたコンサートホールの3DCADデータに基づく壁面、天井面、あるいは柱の形状を受け付けて、スピーカを設置する空間を受け付けてもよい。
【0036】
これにより、利用者は、新たな顧客体験として、音響空間内でスピーカを設置可能な場所が限られる状況において、最適なスピーカの配置を容易に知ることができる。
【0037】
(変形例3)
変形例3に係るプロセッサ12は、スピーカの指向性に関する情報を受け付けて、さらに、スピーカの指向性に関する情報に基づいて、スピーカの配置分布を算出する。
【0038】
この場合、サーバは、訓練段階として、ある出力特性を有し、ある指向性を有するスピーカを、ある音響空間に設置した時の音圧分布を多数取得する。サーバは、所定のモデルに、所定のアルゴリズムを用いてスピーカの配置分布、スピーカの指向性、および音圧分布との関係を訓練させる。
【0039】
プロセッサ12は、以上の様にして訓練された訓練済モデルを、通信部11を介してサーバから取得する。プロセッサ12は、実行段階として、当該訓練済モデルにより、受け付けた音響空間、該音響空間における目標の音圧分布、およびスピーカの指向性に係る情報を入力し、対応するスピーカの配置分布を求める。
【0040】
これにより、利用者は、新たな顧客体験として、指向性を考慮した、より最適なスピーカを容易に知ることができる。
【0041】
(変形例4)
変形例4に係るプロセッサ12は、音響空間において、コンサートホール等の会場に固定された固定スピーカの数および位置を受け付けて、さらに、固定スピーカの数および位置に基づいてスピーカの配置分布を算出する。
【0042】
図9および
図10は、変形例4に係るアプリケーションプログラムの画面(GUI)の一例を示す図である。利用者は、音響空間インタフェース101内に、さらに固定スピーカの数および値を設定する。
図9の例では、プロセッサ12は、音響空間インタフェース101を介して受け付けた正方形状の音響空間内のうち、左上に固定スピーカ501Aを受け付け、右上に固定スピーカ501Bを受け付ける。
【0043】
プロセッサ12は、受け付けた固定スピーカ501Aおよび固定スピーカ501Bの出力特性を拘束条件として、訓練済モデルにより、受け付けた音響空間および該音響空間における目標の音圧分布を入力し、対応するスピーカの配置分布を求める。
【0044】
これにより、プロセッサ12は、
図10に示す様に、固定スピーカ501Aおよび固定スピーカ501Bに加えて目標の音圧分布を得るために必要となるスピーカ701Aを表示する。
【0045】
これにより、利用者は、新たな顧客体験として、設定した音響空間において、コンサートホール等に設備として予め固定されているスピーカも考慮して、客席等における最適な補助スピーカの配置を容易に知ることができる。
【0046】
本実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の範囲を含む。
【0047】
例えば、上述の説明における音響機器は、スピーカで説明したが、上述の説明のうち「スピーカ」は、全て「マイク」に置き換えることができる。音響機器がマイクである場合、プロセッサ12は、音響空間と該音響空間における目標の音圧分布(ゲイン特性)を受け付けて、受け付けた音響空間において、受け付けた目標の音圧分布に対応するマイクの配置分布を所定のモデルに基づいて算出し、算出した配置分布を表示器15に表示する、また、上述の説明における「スピーカの出力特性」は、全て「マイクの入力特性」に置き換えることができる。また、上述の説明における「固定スピーカ」は「固定マイク」に置き換えることができる。マイクについても、利用者は、新たな顧客体験として、設定した音響空間において、目標の音圧分布(ゲイン特性)を得るために、どの位置にどの程度の数のマイクを設置すればよいのか、容易に知ることができる。また、利用者は、新たな顧客体験として、どの様な入力特性を持つマイクを設置すればよいのか、容易に知ることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 :情報処理装置
11 :通信部
12 :プロセッサ
13 :RAM
14 :フラッシュメモリ
15 :表示器
16 :ユーザI/F
101 :音響空間インタフェース
102 :目標設定インタフェース
102A :音圧設定領域
105 :設置空間インタフェース
301A :スピーカ
301B :スピーカ
301C :スピーカ
301D :スピーカ
501A :固定スピーカ
501B :固定スピーカ
701A :スピーカ