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特開2024-62699農作業受委託装置、農作業受委託方法および農作業受委託プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062699
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】農作業受委託装置、農作業受委託方法および農作業受委託プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240501BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240501BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q30/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170723
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 達也
(72)【発明者】
【氏名】田中 晋司
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB53
5L049BB53
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】農作業の受委託に係る料金を適切に算出することのできる農作業受委託装置、農作業受委託方法および農作業受委託プログラムを提案すること。
【解決手段】本開示に係る農作業受委託装置は、委託者が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報と、受託者が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報とを取得する取得部と、前記形状に関する情報に基づいて、前記委託情報に関する委託費用を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記委託費用と、前記受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者を抽出する抽出部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
委託者が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報と、受託者が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報とを取得する取得部と、
前記形状に関する情報に基づいて、前記委託情報に関する委託費用を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記委託費用と、前記受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者を抽出する抽出部と、
を備えることを特徴とする農作業受委託装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記形状に関する情報として、前記農地の平面形状、当該農地における高低差、当該農地における植え付け状況の少なくともいずれかを取得し、
前記算出部は、
前記農地の平面形状、当該農地における高低差、当該農地における植え付け状況の少なくともいずれかに基づいて、前記委託費用を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の農作業受委託装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記形状に関する情報として、前記農作業で利用される農機具の取り回しに関する情報を取得し、
前記算出部は、
前記農作業で利用される農機具の取り回しに関する情報に基づいて、前記委託費用を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の農作業受委託装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記委託情報として、前記農地における周辺設備、または、当該農地の周辺地および道路状況に関する情報の少なくともいずれかを取得し、
前記算出部は、
前記農地における周辺設備、または、当該農地の周辺地および道路状況に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、前記委託費用を算出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の農作業受委託装置。
【請求項5】
コンピュータが、
委託者が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報と、受託者が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報とを取得し、
前記形状に関する情報に基づいて、前記委託情報に関する委託費用を算出し、
前記算出された前記委託費用と、前記受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者を抽出する、
ことを含むことを特徴とする農作業受委託方法。
【請求項6】
コンピュータを、
委託者が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報と、受託者が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報とを取得する取得部と、
前記形状に関する情報に基づいて、前記委託情報に関する委託費用を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記委託費用と、前記受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者を抽出する抽出部と、
として機能させることを特徴とする農作業受委託プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、農作業受委託装置、農作業受委託方法および農作業受委託プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農作業に従事する労働者数の減少や労働者の高齢化に伴い、農作業に関する労働力不足が問題となっている。この問題を解決するため、農作業を委託する農家と、農作業を代わりに請け負う受託者とをマッチングさせる技術が提案されている。また、農作業を効率よく行うための種々の技術も提案されている。
【0003】
例えば、複数の農業マップデータを活用することで農業支援を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。また、圃場の特性に基づいて適切な作付けを行うための技術が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-128661号公報
【特許文献2】特許第5760432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した農作業の受委託に関して、農作業を請け負う受託者の中には、専門に特化した農機具を導入したり、高い技術で効率のよい作業を提供したりする、いわゆる高技術農業法人等が存在する。農家は、このような高い技術を有する受託者に農作業を委託することにより、双方にメリットのある契約を結ぶことも可能となる。
【0006】
しかしながら、農作業の受委託においては、農作物の品種や農作業の種類、および、作業地の単位面積当たりの料金等に基づいて一律に受委託料金が算出されることが一般的である。このため、たとえ面積が同じであっても、生産性の高い農地と低い農地とでは、作業量や作業負担が異なるにもかかわらず、同程度に受委託料金が算出される場合がある。このように適切な見積もりが行われないと、受託者および委託者双方にとって不都合が生じるため、農作業の受委託が思うように進まないおそれがある。
【0007】
そこで、本開示では、農作業の受委託に係る料金を適切に算出することのできる農作業受委託装置、農作業受委託方法および農作業受委託プログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示に係る農作業受委託装置は、委託者が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報と、受託者が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報とを取得する取得部と、前記形状に関する情報に基づいて、前記委託情報に関する委託費用を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記委託費用と、前記受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者を抽出する抽出部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、農作業の受委託に係る料金を適切に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る農作業受委託処理の流れを模式的に示す図である。
図2】実施形態に係る算出処理の概要を示す図である。
図3】実施形態に係る管理装置の構成例を示す図である。
図4】実施形態に係る委託情報記憶部の一例を示す図である。
図5】実施形態に係る受託情報記憶部の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る算出処理を説明するための図(1)である。
図7】実施形態に係る算出処理を説明するための図(2)である。
図8】実施形態に係る算出処理を説明するための図(3)である。
図9】実施形態に係る算出処理を説明するための図(4)である。
図10】実施形態に係る受付インターフェイスの一例を示す図である。
図11】実施形態に係る農作業受委託処理の手順を示すフローチャートである。
図12】管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
(1.実施形態)
(1-1.実施形態に係る農作業受委託処理の一例)
図1は、実施形態に係る農作業受委託処理の流れを模式的に示す図である。実施形態に係る農作業受委託処理は、図1に示す農作業受委託システム1により実行される。農作業受委託システム1は、本開示に係る農作業受委託装置の一例である管理装置100と、受託者端末200と、委託者端末300と、データベース50とを含む。なお、農作業受委託システム1に含まれる各装置は、無線通信等により相互にデータの送受信が可能である。
【0013】
管理装置100は、実施形態に係る農作業受委託処理を実行する情報処理装置であり、例えばサーバ等である。具体的には、管理装置100は、農作業を受託する受託者と、所有する農地における農作業を委託する委託者とのマッチング処理を行う。管理装置100は、各種情報をデータベース50として記憶する。データベース50は、管理装置100内に記憶されてもよいし、クラウドサーバ等の外部装置に記憶されてもよい。
【0014】
受託者端末200は、受託者20によって利用される端末装置である。例えば、受託者端末200は、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等である。
【0015】
受託者20とは、例えば、農地を所有する委託者から委託される農作業を受注し、農家に代わって農作業を実行する者である。例えば、受託者20は、農作業に従事する者を取りまとめる企業等である。より具体的には、受託者20は、同じ品目、同じ作業内容であっても、高機能な農機具等を利用することによって委託農家よりも高い効率で作業を進めることができる高技術農業法人等である。
【0016】
委託者端末300は、委託者30によって利用される端末装置である。例えば、委託者端末300は、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等である。
【0017】
委託者30とは、例えば、農地を所有する農家である。委託者30は、例えば、自身ではすべてを実行することが困難な農作業について、受託者20に農作業を委託する。
【0018】
近年、一家族等が管理する比較的小規模な農地においては、家族を形成する人数の減少や後継者不足等を理由として、農作業に関する労働力が不足している。このため、農作業を代わりに請け負う受託者20と委託者30とのマッチングが模索されている。しかしながら、農作業の委託に不慣れな委託者30は、委託により過度な費用が発生することを危惧し、積極的に農作業を委託することを躊躇する場合がある。また、受託者20としては、ある程度の規模の作業をまとめて受託することで、農場間の移動や作業準備をまとめて行うことができ、より一層効率的に作業を行うことができる。しかし、委託者30からの委託件数が一定規模とならなければ、受託者20は、効率よく受託することができない。
【0019】
また、農作業の受委託においては、一律に作業地の単位面積当たりの料金から受託料金が算出されることが一般的である。しかし、農作業では、作業地の形状や周辺道路の幅などの環境条件に伴う費用や、作業時間や人の確保などの人件費など、一律に判断できない費用が発生することがある。この場合、受託者20は適正な価格で農作業を受託することができず、モチベーションの低下や、受託価格とサービス提供結果との乖離など、様々な問題が発生するおそれがある。
【0020】
そこで、実施形態に係る管理装置100は、以下に説明する情報処理を実行することにより、上記課題を解決する。すなわち、管理装置100は、委託者30が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報と、受託者20が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報とを取得する。そして、管理装置100は、取得した形状に関する情報に基づいて、委託情報に関する委託費用を算出する。その後、管理装置100は、算出した委託費用と、受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者20を抽出する。なお、形状に関する情報とは、例えば、農地そのものの平面情報のみならず、作付けの方向や、農地における高低差等、農作業の効率に影響を与えると想定される各種要素を含む。管理装置100は、これらの情報に基づいて委託される作業の料金を算出するので、圃場条件が考慮された委託価格を適切に設定することができる。
【0021】
すなわち、管理装置100によれば、委託者30は農地の状態に即した適切な委託料金を提示してマッチングサービスを利用できる。また、受託者20も、農地の状態に即して適切に算出された委託料金を検討し、作業を受託するか否かを判断できるので、採算が合わないような案件を誤って受託することを避けることができる。結果として、管理装置100は、農作業の受委託を促進し、双方にとってメリットのあるマッチングプラットフォームを提供することができる。以下、図1を用いて、農作業受委託システム1による農作業受委託処理の概要を説明する。
【0022】
図1に示すように、管理装置100は、受託者端末200を介して、受託者20から受託情報を取得する(ステップS1)。具体的には、管理装置100は、受託者20から、受託を希望する農作物の品目や農作業の類型、受託可能面積、受託者20の住所等の基本情報、受託希望費用(コスト)、受託可能な日程等の各種情報を含む受託情報を取得する。管理装置100は、取得した情報をデータベース50に格納し、受託情報に関するデータテーブルを生成する。管理装置100は、受託者20からの受託情報を継続的に取得する。
【0023】
また、管理装置100は、委託者端末300を介して、委託者30から委託情報を取得する(ステップS2)。具体的には、管理装置100は、委託者30から、委託を希望する農作物や農作業の類型、委託面積、委託先となる農地の住所等の情報、委託に関する回答期限や作業実施希望日等の各種情報を含む委託情報を取得する。
【0024】
委託情報は、農地の形状に関する情報を含む。例えば、農地の形状に関する情報は、農地の平面形状、当該農地における高低差、当該農地における植え付け状況等を含む。これらの情報は、受託者20が農作業を受託した場合に、その農作業のコストに影響を与えるからである。例えば、委託者30は、管理装置100が提供する委託情報入力画面等を介して、農地の形状に関する情報を入力する。あるいは、委託者30は、衛星写真やドローンを用いて撮影した俯瞰画像等を管理装置100に送信することにより、農地の形状に関する情報を提供してもよい。
【0025】
管理装置100は、取得した委託情報をデータベース50に格納し、委託情報に関するデータテーブルを生成する。管理装置100は、委託者30からの委託情報を継続的に取得する。
【0026】
そして、管理装置100は、委託者30から取得した形状に関する情報に基づいて、委託情報に関する委託費用を算出する(ステップS3)。この点について、図2を用いて説明する。図2は、実施形態に係る算出処理の概要を示す図である。
【0027】
管理装置100は、算出に際して、作業性に影響する要因をパラメータとして抽出する。例えば、管理装置100は、作業性に影響する要因として、作業内容や作物品種、農地の面積、収穫量、圃場形状、周辺道路幅、道路と圃場との高低差、農機旋回スペースの有無等を抽出する。例えば、管理装置100は、圃場形状が整形である農地12については、通常よりも生産性が高く作業効率がよいと判定して、委託料金を通常よりも安く算出する。一方、管理装置100は、圃場形状が不整形である農地14については、作付けに時間がかかったり、農機の旋回回数が通常より増加したりすることから、作業効率が悪いと判定して、委託料金を通常よりも高く算出する。なお、詳細は後述するが、委託料の算出手法は任意であり、例えば、過去の統計に基づいた規定の算出式が用いられてもよいし、機械学習により生成された算出モデル等が用いられてもよい。
【0028】
図1に戻って説明を続ける。管理装置100は、算出結果を委託者30に通知する(ステップS4)。これにより、委託者30は、農作業を委託する際の委託費を確認することができる。委託者30は、かかる算出結果を参照したうえで、自身の要望に適合した委託費を最終的に決定し、決定した委託費を含む委託情報を管理装置100に送信する。なお、委託者30は、算出結果を参照し、委託するデメリットが大きいと判断した場合には、条件を変更して再試算を管理装置100に要求したり、委託を取りやめたりすることも可能である。
【0029】
続けて、管理装置100は、委託者30から受け付けた委託情報と、受託者20が提示した受託情報とのマッチングを行う。一例として、管理装置100は、委託情報に係る農作業を受託可能な受託者20のうち、提示された委託費で受託可能な受託者20であって、最も受託費用の低廉な受託者20を抽出する。そして、管理装置100は、抽出された受託者20と委託者30とのマッチングが成立した場合に、その旨を当該受託者20に通知する(ステップS5)。
【0030】
以上のように、農作業受委託システム1において、管理装置100は、農地の形状に関する情報に基づいて、委託情報に関する委託費用を算出する。そして、管理装置100は、算出した委託費用と受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者20を抽出する。
【0031】
このように、農作業受委託システム1によれば、単に農地の面積だけでなく、農地の形状等の作業効率を左右する要素を考慮した算出を行って、マッチングサービスにおける委託費を決定する。これにより、委託者30は、自身が委託しようとする農作業について、適切な委託費用を受託者20に提示した上で農作業を委託することができる。また、受託者20は、作業効率も含めた適切な条件で農作業を受託することができる。このため、農作業受委託システム1は、受託者20および委託者30の双方にとってメリットのある、農作業に関して持続可能な受託および委託の体制を作ることができる。
【0032】
(1-2.実施形態に係る管理装置の構成)
次に、実施形態に係る農作業受委託処理を実行する管理装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る管理装置100の構成例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、管理装置100は、管理装置100を管理する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0034】
通信部110は、例えば、ネットワークインターフェイスコントローラ(Network Interface Controller)等によって実現される。通信部110は、ネットワークN(例えばインターネットや携帯電話通信網)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、受託者端末200や委託者端末300等との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、Wi-Fi(登録商標)、SIM(Subscriber Identity Module)、LPWA(Low Power Wide Area)等の通信規格もしくは通信技術を用いて、情報の送受信を行ってもよい。
【0035】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、委託情報記憶部121と、受託情報記憶部122とを有する。
【0036】
委託情報記憶部121は、受託者20から取得した受託情報を記憶する。例えば、委託情報記憶部121は、図1に示したデータベース50に含まれるデータテーブルの一例である。
【0037】
図4は、実施形態に係る委託情報記憶部121の一例を示す図である。図4に示すように、委託情報記憶部121は、「委託データID」、「委託者情報」、「農作物情報」、「期間・作業情報」、「形状情報」、「周辺情報」といった項目を含む。なお、図4および図5で説明するデータテーブルでは、格納される情報を「A01」や「B01」のように概念的に示す場合があるが、実際には具体的な情報や数値が格納される。
【0038】
「委託データID」は、委託情報を識別するための識別情報を示す。「委託者情報」は、農作業を委託しようとする農家(委託者30)の氏名や住所等を示す。「農作物情報」は、委託に係る農作物の品種や収穫量等を示す。「期間・作業情報」は、農作業を委託しようとする期間や作業内容(例えば、作業に必要な具体的日数や、その作業に従事する延べ人数等)を示す。
【0039】
「形状情報」は、農地の形状を示す情報であり、平面形状のみならず、高低差等の立体情報や作付け状況等の情報も含む。「周辺情報」は、農地の周辺道路の広さやアクセスのしやすさ、水場等のインフラの整備状況等の各種情報を示す。
【0040】
次に、受託情報記憶部122について説明する。図5は、実施形態に係る受託情報記憶部122の一例を示す図である。図5に示すように、受託情報記憶部122は、「受託者ID」、「所在地」、「保有農機具」、「対応可能作業」、「評価」といった項目を含む。
【0041】
「受託者ID」は、受託者20を識別する識別情報を示す。「所在地」は、受託者20の所在地を示す。「保有農機具」は、受託者20が保有する農機具の種類や台数等の情報を示す。なお、農機具の情報には、例えば、対応可能な高低差や傾斜、時間あたりどれくらいの面積を作業可能かといった作業能力など、農機具メーカー等が提供する各種の仕様情報等が含まれてもよい。「対応可能作業」は、受託者20が受託可能な作業工程や作業内容、最小受託可能面積もしくは最大受託可能面積、1日の作業時間、工程に従事可能な人数等の情報を示す。「評価」は、受託者20が過去に受託した業務に対する評価値を示す。なお、図5での図示は省略しているが、受託情報には、作業ごとの受託費用(例えば、1アール等の基準面積あたりの費用)等の情報が含まれてもよい。
【0042】
図3に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって、管理装置100内部に記憶されたプログラムがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0043】
図3に示すように、制御部130は、取得部131、算出部132、抽出部133および送受信部134を含む。
【0044】
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、委託者30が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報を取得する。また、取得部131は、受託者20が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報を取得する。取得部131は、取得した情報を、適宜、記憶部120に記憶する。
【0045】
取得部131は、形状に関する情報として、農地の平面形状、農地における高低差、農地における植え付け状況の少なくともいずれかを取得する。また、取得部131は、形状に関する情報として、農作業で利用される農機具の取り回しに関する情報を取得してもよい。農機具の取り回しに関する情報とは、例えば、農地において農機が旋回可能なスペースが充分であるか、農機が旋回する頻度がどれくらいの回数となるかといった、農機の作業性および効率性に関する情報を含む。
【0046】
また、取得部131は、委託情報として、農地における周辺設備、または、当該農地の周辺地および道路状況に関する情報の少なくともいずれかを取得してもよい。これらの情報は、形状に関する情報とともに、算出部132による委託費の算出処理のパラメータとして利用される。
【0047】
算出部132は、取得部131によって取得された情報に基づいて、委託情報に関する委託費用を算出する。具体的には、算出部132は、委託に係る農地の形状に関する情報に基づいて委託費用を算出する。
【0048】
例えば、算出部132は、農地の平面形状、当該農地における高低差、当該農地における植え付け状況の少なくともいずれかに基づいて、委託費用を算出する。また、算出部132は、農作業で利用される農機具の取り回しに関する情報に基づいて委託費用を算出してもよい。また、算出部132は、農地における周辺設備、または、当該農地の周辺地および道路状況に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、委託費用を算出してもよい。
【0049】
算出処理について、図6以下を用いて具体的に説明する。図6は、実施形態に係る算出処理を説明するための図(1)である。
【0050】
図6に示す農地60は、整形、かつ、充分な農機の旋回スペースが確保できている農地である。また、農地60は、作付け方向が一定である。このような場合、算出部132は、作業効率に優れている農地であるとして、農地60における委託費を基準よりも低い額で算出する。
【0051】
一方、農地62は、農地60と比較して不整形である。そのため、農機による作業において、端部で少しバックして旋回をするなど一回ごとの旋回に時間がかかってしまう。また、農地62の一部である範囲64においては、充分な農機の旋回スペースが確保できず、作業者は、ある一列を作業した後、同じ距離をバック走行により元の位置まで戻り、細かい切り返しをして次の一列に移動して作業することを要する。このため、整形地と比較すると、農地62での作業には時間がかかってしまう。このような場合、算出部132は、作業効率の悪い農地であるとして、農地62における委託費を基準よりも高い額で算出する。
【0052】
なお、このような委託費の算出処理には、任意の手法をとりうる。例えば、算出部132は、形状に関する情報のうち、整形度合いや旋回スペースの確保といった各項目ごとに基準値に対して乗算する値を予め設定しておき、かかる設定値に基づいて委託費を算出してもよい。例えば、算出部132は、過去の統計や経験知に基づいて設定された値を用いることができる。例えば、整形度合いの設定値は、形状を確認したプラットフォーム側の管理者によって人為的に判定されてもよいし、形状を学習した機械学習モデル等を用いて判定されてもよい。このような設定値は、例えば、過去に同程度の面積で作業した場合に費やされた作業時間や期間、延べ人数、費用等、様々な要素から判定される。例えば、整形度合いとして、完全な整形地である農地60を「1」としたとき、不定形で作業効率の悪い農地62には完全な整形地よりも高い委託費が算出されるような係数(例えば「1.5」など)が設定されてもよい。
【0053】
算出処理について、図7を用いて他の一例を示す。図7は、実施形態に係る算出処理を説明するための図(2)である。
【0054】
図7に示す農地66は、整形であり、収穫を工夫することで受託者20が作業効率を高めようとする農地である。農地66において、受託者20は、農地66の中央部をまず手作業にて収穫し、その後、地点68から農機を用いて作業を進めることになる。その後、受託者20は、図7に示すように、中央部から外側に向けて順に作付を行うことで、効率の良い作業を行うことができる。この場合、算出部132は、農地66において地点68まで農機を問題なく移動することのできる道が確保できているかといった形状情報や、手作業により発生する作業時間、人数等に基づいて委託費を算出してもよい。すなわち、算出部132は、農地66において地点68まで農機を移動するための道が確保できていない場合、かかる道を手作業で整備する作業が発生するため、かかる作業の費用を上乗せして委託費を算出する。
【0055】
なお、算出部132は、農地66において、上記の算出処理ののち、中央から順に効率良く作付けを行った場合の費用と、土地に平行して作付けを行った場合(例えば図6に示した農地60の場合)の費用との比較結果を提示してもよい。
【0056】
算出処理について、図8を用いて他の一例を示す。図8は、実施形態に係る算出処理を説明するための図(3)である。
【0057】
図8に示す農地70は、整形であるが、現状の作付けとして、範囲72では横方向の作付けが行われており、範囲74では縦方向の作付けが行われている。この場合、受託者20は、範囲72の作業を先に行い、範囲74の作業を範囲72の作業のあとに行うといった、作業順序の制限が課される可能性がある。このような場合、算出部132は、農地70のすべての範囲で農機による作業が可能であったとしても、農地70内での移動時間や作業負荷が、一方向の作付け状況と比較して多く発生するとして、委託費を高く算出してもよい。
【0058】
算出処理について、図9を用いて他の一例を示す。図9は、実施形態に係る算出処理を説明するための図(4)である。
【0059】
図9に示す農地78は、作付け方向は一定であり、範囲80と範囲82で同じ種類の農作物を栽培している状況であるものとする。このとき、範囲80において、農機での作業が可能か否かが、委託費に影響を与える場合がある。そこで、算出部132は、範囲80における作業スペース情報と、農機が必要とする旋回スペースとをデータベースから検索したのち、両者を比較して、範囲80で農機が旋回することができるか否かを判定する。算出部132は、範囲80で農機での作業ができないと判定すると、範囲80では手作業での収穫作業が発生し、農機による作業時間と比較して時間がかかるとして、かかる作業量に基づく委託費を算出する。一方、算出部132は、範囲82では農機で作業が可能であるとして、農機で作業を行った場合の委託費を算出する。
【0060】
図8図9の例で示したように、算出部132は、形状に関する情報として作付け方向等の情報に基づき作業量や作業内容を判定し、判定した結果に基づいて委託費を算出する。すなわち、算出部132は、農地の平面形状のみならず、農地の形状に関する情報として作付け状況も用いて、適切な見積もり(委託費)を算出することができる。
【0061】
次に、図10を用いて、委託者30が農作業を委託する場合のプラットフォームにおける受付インターフェイスの一例を示す。図10は、実施形態に係る受付インターフェイスの一例を示す図である。
【0062】
図10に示すインターフェイス84は、委託者30が委託情報を入力する際に利用される。例えば、委託者30は、委託者IDや、委託情報(委託する作業内容や農作物の名称等)を入力する。
【0063】
また、委託者30は、形状情報として、農地を俯瞰して撮影した写真等をアップロードしてもよい。例えば、委託者30は、ドローンを利用して農地を撮影した写真や、農地が写り込んだ衛星写真をアップロードする。なお、撮影に用いられるカメラによっては、カメラが備えるデプスセンサ等を利用して地面までの距離(すなわち土地の高低情報)が取得可能な場合がある。この場合、撮影された写真には、農地の平面形状や作付け情報のみならず、農地内の高低差情報や、農地と周辺道路との高低差情報等が含まれる。この場合、委託者30は、後述するような、高低差情報を手動で入力する手間を省くことができる。
【0064】
さらに、委託者30は、インターフェイス84において、「道路と圃場の高低差」や「周辺の道路幅」といった数値を手動で入力することができる。また、委託者30は、農地周辺のインフラ情報として水場スペースの有無や、トラックによる農地への進入の可否等の情報を入力できる。
【0065】
算出部132は、インターフェイス84を介して入力された情報に基づいて、委託費を算出することができる。例えば、算出部132は、入力された道路と圃場の高低差が、使用される農機が農地に進入可能となる高さ以内であるか否かを判定する。そして、算出部132は、高低差によって農機が農地に進入不可能であると判定すると、農機を移動させるための費用を見積もりに追加したり、農機ではなく人手で作業が行われる場合の見積もりに変更したりすることができる。あるいは、算出部132は、周辺に水場がある際には、全体として作業費用がどれくらい低減されたかを過去のデータから算出し、かかる過去の統計データを反映させ、新たな見積もりを算出してもよい。あるいは、算出部132は、農地にトラックが進入可能な場合、農作物の収穫作業や農機具の搬入において作業時間がどれくらい低減されたかを過去のデータから算出し、かかる過去の統計データを反映させ、新たな見積もりを算出してもよい。
【0066】
上記のように、算出部132は、委託者30から取得する様々な要素(パラメータ)を反映させることにより、より現実に即した、適切な委託費を算出することができる。
【0067】
抽出部133は、算出部132によって算出された委託費用と、受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者20を抽出する。
【0068】
例えば、抽出部133は、委託情報に記載された委託費用で、当該委託情報に示された作業面積を受託可能な受託者20を、委託情報に適合する受託者20として抽出する。このとき、抽出部133は、受託者20が希望する品目や農作業と完全に一致する受託者20のみを抽出してもよいし、類似する品目を希望する受託者20を含めて抽出してもよい。
【0069】
また、抽出部133は、委託条件が適合する受託者20として抽出された複数の受託者20(候補となる受託者20)のうち、複数の受託者20の各々が委託情報を受託した際の受託費用に基づいて、さらに条件が適合する一の受託者20を抽出してもよい。例えば、抽出部133は、委託情報を受注可能な受託者20が複数いる場合、最もコストの低い受託者20を抽出してもよい。
【0070】
なお、抽出部133は、条件が適合する受託者20として抽出された複数の受託者20のうち、複数の受託者20の各々に付与された評価値に基づいて、さらに適合する一の受託者20を抽出してもよい。すなわち、抽出部133は、最も評価値の高い受託者20を優先的に抽出してもよい。
【0071】
送受信部134は、各種情報を受信もしくは送信する。例えば、送受信部134は、抽出部133によって、委託者30が委託する農作業を受注可能な受託者20が抽出された場合に、抽出された受託者20に関する情報を当該委託者30および当該受託者20に送信する。例えば、送受信部134は、マッチングされた際の受託費用や、受託者20の過去の評価値や、受託者20が農作業を実施可能な日付や、受託者20が1日で進める作業量(作業面積等)等を委託者30に送信する。なお、送受信部134は、委託者30に情報を送信する前に、抽出された受託者20に対し、受注する際の費用を送信してもよい。この場合、送受信部134は、受託者20が費用を確認したのちに、委託者30に対して抽出された受託者20に関する情報を送信する。
【0072】
(1-3.実施形態に係る農作業受委託処理の手順)
次に、図11を用いて、実施形態に係る処理の手順について説明する。図11は、実施形態に係る農作業受委託処理の手順を示すフローチャートである。
【0073】
図11に示すように、管理装置100は、委託者30から、委託を希望する農作業の種類や農作物の種類、農地の形状情報等の委託情報を取得する(ステップS101)。
【0074】
そして、管理装置100は、形状情報を解析する(ステップS102)。例えば、管理装置100は、アップロードされた写真に基づいて、農地の形状が整形地であるか否か、作付け方向が一定であるか否か、整備されていない面積がどれくらいかといった、様々な農地の形状に関する情報を取得する。
【0075】
ここで、管理装置100は、委託費の算出に必要なデータがそろったか否かを判定する(ステップS103)。ほかに必要なデータがある場合(ステップS103;Yes)、管理装置100は、委託者30に追加のデータ入力を要求する(ステップS104)。例えば、管理装置100は、農地の高低差がアップロードされた写真だけでは判定できない場合、高低差の手動入力を委託者30に要求する。
【0076】
必要なデータがない場合(ステップS103;No)、あるいは、委託者30から必要なデータを取得した場合、管理装置100は、委託費の最終見積もりを算出する(ステップS105)。そして、管理装置100は、算出した委託費を受託者20に提示して、委託者30と受託者20のマッチングを開始する(ステップS106)。
【0077】
(2.実施形態の変形例)
実施形態で示した算出処理はあくまで一例であり、管理装置100は、様々な態様で算出処理を行ってもよい。
【0078】
例えば、管理装置100は、委託者30が申告した収穫量に基づいて、委託費を算出するようにしてもよい。例えば、収穫量が受託者20の想定した以上の多さとなると、農作物の種類によっては、収穫機の速度を遅くする必要が生じる。この場合、受託者20は、予定よりも長い時間の作業に従事することになり、生産性が低下する。このため、管理装置100は、委託者30による申込時に想定収穫量の申告を受け付け、受け付けた想定収穫量を委託費の算出に反映させる。例えば、管理装置100は、過去の統計に基づき、農作物と想定収穫量の関係から、作業に必要となる時間を割り出し、割り出した時間に基づいて委託費を算出することができる。
【0079】
また、管理装置100は、委託者30から取得した周辺道路幅に関する情報に基づいて、農機の移動にかかる費用を算出し、かかる費用を委託費に含めてもよい。すなわち、農地と周辺道路との間に所定より大きな高低差が生じていたり、農機だけでは農地に進入できない傾斜がある場合には、受託者20は、農機を運搬する車両を用意する必要がある。この場合、管理装置100は、衛星写真や地図情報、委託者30から提供されら情報等に基づいて、農機の運搬が必要となるか否かを判定し、農機の運搬が必要と判定すると、運搬にかかる費用を含めて委託費を算出することができる。
【0080】
また、管理装置100は、農地周辺のインフラ情報として、周辺の作業場や関連施設との距離に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて委託費を算出してもよい。例えば、農薬散布作業には大量の水を使用するため、水場が遠くにある場合、作業に無駄な移動時間が発生し、作業時間が長くなる。この場合、管理装置100は、水場までの距離が離れるほど委託費を高く算出するような処理を行ってもよい。また、堆肥散布作業においては堆肥置き場であったり、定植作業であれば苗を引き取りに行く種苗業者所在地であったりといった、各作業において作業者が往復を要求される拠点が存在する場合がある。この場合も、水場と同様、管理装置100は、拠点までの距離が離れるほど委託費を高く算出するような処理を行ってもよい。
【0081】
なお、管理装置100は、単に委託費用を算出するのみならず、例えば委託者30が不足労働力を補うために自社労働力を調整(パート社員を増やす等)して委託しない選択をとった場合と、委託した場合とを比較した算出結果を示してもよい。
【0082】
(3.その他の実施形態)
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0083】
例えば、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0084】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図1に示した農作業受委託システム1は、様々な異なる態様で実現されてもよい。一例として、管理装置100は、クラウド上で運営されるクラウドサーバであってもよい。
【0085】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0086】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0087】
(4.本開示に係る農作業受委託装置の効果)
上述してきたように、本開示に係る農作業受委託装置(実施形態では管理装置100)は、取得部(実施形態では取得部131)と、算出部(実施形態では算出部132)と、抽出部(実施形態では抽出部133)とを有する。取得部は、委託者が委託を依頼する農作業に関する情報であって、当該農作業が実行される農地の形状に関する情報を含む委託情報と、受託者が受託を希望する農作業に関する情報である受託情報とを取得する。算出部は、形状に関する情報に基づいて、委託情報に関する委託費用を算出する。抽出部は、算出部によって算出された委託費用と、受託情報とを参照し、委託および受託の条件が適合する受託者を抽出する。
【0088】
このように、本開示に係る農作業受委託装置は、農作業の受委託において、農作業の種類や農作物の品種、農地の面積等の一般的条件のみならず、俯瞰して撮影された写真等から導出される形状情報に基づいて委託費を算出する。これにより、農作業受委託装置は、圃場条件が考慮された委託価格を適切に設定することができる。
【0089】
また、取得部は、形状に関する情報として、農地の平面形状、当該農地における高低差、当該農地における植え付け状況の少なくともいずれかを取得する。算出部は、農地の平面形状、当該農地における高低差、当該農地における植え付け状況の少なくともいずれかに基づいて、委託費用を算出する。
【0090】
このように、農作業受委託装置は、平面形状や高低差、植え付け状況等、作業効率を左右する要素に基づいて委託費を算出することで、予想外に費用がかかってしまうような無理のある受委託を発生させないので、受委託を円滑に進めることができる。
【0091】
また、取得部は、形状に関する情報として、農作業で利用される農機具の取り回しに関する情報を取得する。算出部は、農作業で利用される農機具の取り回しに関する情報に基づいて、委託費用を算出する。
【0092】
このように、農作業受委託装置は、作業効率に影響を与える農機具の利用に関する情報に基づいて委託費を算出することで、農機の稼働を前提とした、いわゆる高技術農業法人等を充分に活用した受委託を積極的に支援することができる。
【0093】
また、取得部は、委託情報として、農地における周辺設備、または、当該農地の周辺地および道路状況に関する情報の少なくともいずれかを取得する。算出部は、農地における周辺設備、または、当該農地の周辺地および道路状況に関する情報の少なくともいずれかに基づいて、委託費用を算出する。
【0094】
このように、農作業受委託装置は、農地に関係するインフラ情報も含めて作業にかかる費用を算出することにより、現実に即した費用を適切に算出することができる。
【0095】
(5.ハードウェア構成)
上述してきた実施形態に係る管理装置100や受託者端末200等の情報機器は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、実施形態に係る管理装置100を例に挙げて説明する。図12は、管理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス1500、及び入出力インターフェイス1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
【0096】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
【0097】
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0098】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る農作業受委託処理を実行するプログラムを記録する記録媒体である。
【0099】
通信インターフェイス1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、通信インターフェイス1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
【0100】
入出力インターフェイス1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやスピーカーやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェイス1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0101】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた農作業受委託処理プログラムを実行することにより、制御部130等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係る農作業受委託処理を実行するプログラムや、記憶部120内のデータが格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
【0102】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 農作業受委託システム
100 管理装置
110 通信部
120 記憶部
121 委託情報記憶部
122 受託情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 抽出部
134 送受信部
200 受託者端末
300 委託者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12