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特開2024-62731センサ装置及びこれを備えた自動販売機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062731
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】センサ装置及びこれを備えた自動販売機
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20240501BHJP
   G01S 13/56 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
G01V3/12 A
G01S13/56
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170775
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000153236
【氏名又は名称】株式会社光波
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】佐野 広明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 清太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 將貴
(72)【発明者】
【氏名】梶原 健司
【テーマコード(参考)】
2G105
5J070
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB11
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE01
2G105HH01
2G105JJ00
5J070AC02
5J070AC06
5J070AD13
5J070AE09
5J070AF01
5J070AH25
5J070AK22
5J070BA01
5J070BB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】設置物の環境や検知対象の特性の変化にもかかわらず、高精度で在、不在判定を実施することが可能なセンサ装置及びこれを備えた自動販売機を提供する。
【解決手段】照度データ格納部は、予め設定された所定時間ごとに照度センサから出力された照度データを1フレームとして順次記憶する。データ更新部は、照度データ格納部に設定されているマッチング用データを最新のフレームの照度データに更新する。演算部は、過去の照度データと、マッチング用データの差分の総和値を算出する。在状態判定部は、総和値と予め設定された基準値とを比較して、検知対象の在又は不在判定を判断する。不在状態判定部は、在状態の判定前の状態のフレームの照度データ値と同等の値が出力されたことを検出して、在状態から不在状態への遷移完了を判断する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置物に設けられた照度センサと、
予め設定された所定時間ごとに前記照度センサから出力された照度データを1フレームとして順次記憶する照度データ格納部と、
前記照度データ格納部に順次記憶されている複数のフレームの照度データの内、最新のフレームの照度データをマッチング用データに設定するマッチング用データ設定部と、
照度データ格納部に対して、新たなフレームの照度データが前記照度センサから入力された場合に、前記照度データ格納部に設定されている前記マッチング用データを最新のフレームの照度データに更新するデータ更新部と、
前記マッチング用データと、前記マッチング用データよりも前に前記照度データ格納部に保存されている過去の複数のフレームの照度データを比較し、両者の誤差が最小となるフレームの過去の照度データと、前記マッチング用データの差分の総和値を算出する演算部と、
前記演算部で算出された前記総和値と、予め設定された基準値とを比較して、前記総和値が前記基準値を超えた場合に、前記検知対象の在又は不在判定を判断する在状態判定部と、
前記在状態判定部による在状態の判定前の状態のフレームの照度データ値と同等の値が出力されたことを検出して、在状態から不在状態への遷移完了を判断する不在状態判定部と、
を備えていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記照度センサが、照度センサに対する検知対象の影による照度を検出するもので、前記在状態判定部は、前記演算部による差分の総和値が負の場合に在状態と判定し、前記差分の総和値が正の場合に不在状態への移行時と判定する請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記照度センサが、前記自動販売機の照明機器からの照射光が当たった検知対象からの反射光の照度を検出するもので、前記在状態判定部は、前記演算部による前記差分の総和値が正の場合に在状態と判定し、前記差分の総和値が負の場合に不在状態への移行時と判定する請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記照度センサが発光部を備え、前記発光部からの照射光が当たった検知対象からの反射光の照度を検出するもので、前記在状態判定部は、前記演算部による前記差分の総和値が正の場合に在状態と判定し、前記差分の総和値が負の場合に不在状態への移行時と判定する請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4に記載のいずれかのセンサ装置を備えた自動販売機。
【請求項6】
ドップラーセンサを有するセンサ装置を更に備えた請求項4の自動販売機。
【請求項7】
前記ドップラーセンサを有するセンサ装置は、
電波信号を設置物の外部へ送信する送信部と、前記電波信号の検知対象からの反射信号を受信する受信部を備えたドップラーセンサと、
前記受信部が受信した反射信号を所定の間隔で抽出する反射信号抽出部と、
前記反射信号抽出部によって所定の間隔で抽出された複数の前記反射信号を格納する反射信号格納部と、
前記反射信号格納部に格納された前記複数の反射信号に基づいて、各反射信号の抽出時における前記設置物と前記検知対象の距離を演算する距離演算部と、
前記距離演算部によって変換された前記複数の距離データを、前記反射信号の受信順に配列して格納する配列格納部と、
前記配列格納部に格納された前記複数の距離データ値を比較して、前記複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きに基づいて、前記設置物に対する前記検知対象の接近、停止及び離反を分析する分析部と、
前記分析部の分析結果に基づき、設置物に対する検知対象の存在又は不在を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、人体を含む検知対象物を検知するセンサ装置及びこれを備えた自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人体の有無を非接触で検知するセンサ装置が知られている。例えば、特許文献1又は特許文献2に示すように、自動販売機の前に人が立っているか否かをセンサ装置で検知し、自動販売機の前に人がいるときは、自動販売機のLED照明、金額表示器、スイッチボタン等を明るく表示し、人が自動販売機から離れたら、それらを暗く表示するなど、照明等の明るさを制御することにより自動販売機の省エネを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-80316号公報
【特許文献2】特開2018-84775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような従来技術に採用されている照度センサは、あくまで外光をチェックするものであり、人感センサは別途設けられている。すなわち、照度センサとは別に設置物に赤外線センサ、超音波センサ、ドップラーセンサなどを設置して設置物近傍の人の在、不在を判定する。
【0005】
しかし、このような従来技術では、照度センサとは別に人感センサを設置する必要があり、設置場所の省スペース化を図ることができず、また、コストアップにもつながってしまう。
【0006】
本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、設置場所の省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、高精度で在、不在判定を実施することが可能なセンサ装置及びこれを備えた自動販売機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明のセンサ装置は、次のような構成を有することを特徴とする。
(1)設置物に設けられた照度センサ。
(2)予め設定された所定時間ごとに前記照度センサから出力された照度データを1フレームとして順次記憶する照度データ格納部。
(3)前記照度データ格納部に順次記憶されている複数のフレームの照度データの内、最新のフレームの照度データをマッチング用データに設定するマッチング用データ設定部。
(4)照度データ格納部に対して、新たなフレームの照度データが前記照度センサから入力された場合に、前記照度データ格納部に設定されている前記マッチング用データを最新のフレームの照度データに更新するデータ更新部。
(5)前記マッチング用データと、前記マッチング用データよりも前に前記照度データ格納部に保存されている過去の複数のフレームの照度データを比較し、両者の誤差が最小となるフレームの過去の照度データと、前記マッチング用データの差分の総和値を算出する演算部。
(6)前記演算部で算出された前記総和値と、予め設定された基準値とを比較して、前記総和値が前記基準値を超えた場合に、前記検知対象の在又は不在判定を判断する在状態判定部。
(7)前記在状態判定部による在状態の判定前の状態のフレームの照度データ値と同等の値が出力されたことを検出して、在状態から不在状態への遷移完了を判断する不在状態判定部。
【0008】
本件発明において、下記の構成を採用することができる。
(1)前記照度センサが、照度センサに対する検知対象の影による照度を検出するもので、前記在状態判定部は、前記演算部による差分の総和値が負の場合に在状態と判定し、前記差分の総和値が正の場合に不在状態への移行時と判定する。
(2)前記照度センサが発光部を備え、前記発光部からの照射光が当たった検知対象からの反射光の照度を検出するもので、前記在状態判定部は、前記演算部による前記差分の総和値が正の場合に在状態と判定し、前記差分の総和値が負の場合に不在状態への移行時と判定する。
【0009】
前記の構成を有するセンサ装置を備えた自動販売機、及び前記の構成を有するセンサ装置に加えてドップラーセンサを備えた自動販売機も本発明の一態様である。例えば、以下の構成を有する。
(1)前記照度センサが、前記自動販売機の照明機器からの照射光が当たった検知対象からの反射光の照度を検出するもので、前記在状態判定部は、前記演算部による前記差分の総和値が正の場合に在状態と判定し、前記差分の総和値が負の場合に不在状態への移行時と判定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、設置場所の省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、高精度で在、不在判定を実施することが可能であるという効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態の使用態様を示す図であり、(a)は接近動作、(b)は静止動作、(c)は離反動作を示すイメージ図である。
図2】第1実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態の照度データの変動量の算出方法を説明する図である。
図5】第1実施形態の在又は不在判定処理を示すグラフである。
図6】第1実施形態の変形例の在又は不在判定処理を示すグラフである。
図7】第1実施形態の接近検出処理を示すフローチャートである。
図8】第1実施形態の離反検出処理を示すフローチャートである。
図9】第3実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図10】第3実施形態のデータ処理部の構成を示すブロック図である。
図11】第3実施形態の5段階閾値分けを示すフローチャートである。
図12】第3実施形態の在又は不在判定処理を示すグラフである。
図13】第3実施形態の接近離反検出処理を示すフローチャートである。
図14】第3実施形態の接近離反制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.第1実施形態]
[1-1.第1実施形態の構成]
図1に示すように、本発明は、例えば、自動販売機である設置物Vに接近、停止及び離反の動作を行う検知対象Xの在又は不在を検知する。図1(a)のように、検知対象Xが設置物Vの前に接近する動作を検知したら、センサを「不在」から「在」へと切り替える。図1(b)のように、検知対象Xが設置物Vの前で静止する動作を検知したら、センサの「在」状態を保持する。図1(c)のように、検知対象Xが設置物Vの前から離反する動作を検知したら、センサを「在」から「不在」へと切り替える。
【0013】
以下、本発明の第1実施形態を図2に従って具体的に説明する。本実施形態において、設置物Vは、自然光、街頭、周囲にある他の建物の照明など、周囲の環境によってある一定程度の光量を有する環境に設置されている。そのため、設置物Vに人などの検知対象Xが接近すると、設置物Vに達する光が検知対象に遮られ設置物Vに設けられた照度センサに対する光量が減少する。本実施形態の照度センサは、この周囲環境の光量変化を検出することで、検知対象Xの在、不在判定を行う。
【0014】
図2に示すとおり、本実施形態のセンサ装置は、前記のような環境にある設置物Vに設置され、照度センサ200、及びデータ処理部205を有する。図3に示すように、データ処理部205は、照度データ格納部210と、マッチング用データ設定部220と、データ更新部230と、演算部240と、在状態判定部250と、不在状態判定部260を備える。
【0015】
照度センサ200は、設置物V周囲の環境から入力される光量を電気信号に変換し、照度データとして検出する。照度センサ200は、入力された照度データを照度データ格納部210に送信する。
【0016】
照度データ格納部210は、予め設定された所定時間ごとに照度センサ200から出力された照度データを順次記憶する。「予め設定された所定時間」は任意に設定可能であるが、例えば、10msecごととした場合、照度データ格納部210は、照度センサ200から受信した照度データを10msecごとにA/D変換し、ログデータとして取得した照度データを順次記憶する。図4(b)のグラフ中、上段の微小間隔の波形が10msecごとに得られた照度データである。
【0017】
マッチング用データ設定部220は、照度データ格納部210に順次記憶されている図4(b)上段の照度データを、0.5sec分まとめて1フレームとして、0.5secごとに記憶されている複数のフレームの照度データの内、最新のフレームの照度データをマッチング用データに設定する。図4(a)のグラフは、マッチング用データ設定部220により設定された0.5sec分のマッチング用データである。
【0018】
データ更新部230は、照度センサ200から0.5secごとに新たなフレームの照度データが照度データ格納部210に対して入力された場合に、照度データ格納部210に設定されているマッチング用データを最新のフレームの照度データに更新する。
【0019】
演算部240は、マッチング用データと、マッチング用データよりも前に照度データ格納部210に保存されている過去の複数のフレームの照度データを比較し、両者の誤差が最小となるフレームの過去の照度データと、マッチング用データの差分の総和値を算出する。すなわち、演算部240は、図4(a)に示す最新の0.5sec分のマッチング用データと、マッチング用データよりも前に照度データ格納部210に保存されている図4(b)に示す過去の複数のフレームの照度データ(「過去データ」ともいう)を比較して、両者のマッチングを行う。過去データに属する複数のフレームの中で、マッチング用データと最も波形のパターンが近似しているフレーム、言い換えれば、マッチング用データと過去のフレームの照度データを比較して最小誤差となる過去のフレームを抽出する。例えば、図4(b)に示す複数のフレーム中、中央部分に示す太線部分がマッチングが取れたフレームである。図4(c)は、マッチング用データとマッチングが取れたフレームを図4(b)から抽出し、拡大して示す。
【0020】
次に、演算部240は、マッチング用データとマッチングが取れたフレームの各照度データを比較し、両者の照度データの差分の総和値を算出する。図4(c)のグラフの丸枠内のグラフは、マッチング用データの照度データとマッチングが取れたフレームの照度データのとの差分を示すもので、この差分を1フレーム分合計することで、差分の総和値が得られる。なお、図4(c)の丸枠内のグラフは、全体としてフラットな出力波形を有することからマッチング用データの照度データとマッチングが取れたフレームの照度データの差分が少ないことを示している。
【0021】
在状態判定部250は、演算部240で算出された総和値と、予め設定された基準値とを比較して、総和値が基準値を超えた場合に、検知対象Xの在又は不在判定を判断する。図5は、照度センサの出力値(微小な波形)と、差分を示すグラフである。すなわち、検知対象Xが照度センサ200に近づくにつれて、検知対象Xの影が大きくなり、照度センサ200に達する光量が減少することから、図5の照度センサ200の出力値に示すような照度データの以下の傾向に基づき、検知対象Xの接近、静止、離反について予め設定された基準を設定する。
(1)接近:出力値が減少。
(2)静止:出力値が低いまま保持される。
(3)離反:出力値が増加。
【0022】
本実施形態では、図5の差分の大きさに対するものではなく、1フレーム分の差分の総和値と基準値を比較する。その理由は、照度データは10msecという短時間で取得されたデータであることから、外乱などの影響で瞬間的に大きな差分が発生することがあり、そのような誤動作を排除するために、照度データの1フレーム分の総和値と基準値を比較する。
【0023】
在状態判定部250は、算出された差分の総和値が基準値よりも大きいとき、変動があったとみなし、在状態と判断する。なお、検知対象Xがいない場合には同じ傾向が出力され続けるため、常に変動が少ない状態となる。
【0024】
不在状態判定部260は、在状態判定部250による在状態の判定前の状態のフレームの照度データ値と同等の値が出力されたことを検出して、在状態から不在状態への遷移完了を判断する。すなわち、検知対象Xが設置物Vから離れる場合にも、差分の総和値が大きくなり、基準値を超えることになるが、それでは、接近時における在判定の状態から更に検知対象が接近した場合との区別がつかなくなる。そこで、不在判定の場合には、照度データが在判定以前、即ち過去の不在判定の状態に達したことを検出して、不在判定とする。
【0025】
[1-2.第1実施形態の作用]
照度センサ200が設置された設置物Vに検知対象Xが接近すると、照度センサ200は検知対象Xの影による照度を検出する。照度データは、所定時間ごとに照度データ格納部210に格納される。図7及び図8により、検知対象Xの接近、停止及び離反を検知し、設置物Vに対する検知対象Xの在又は不在を判定する処理を説明する。
【0026】
図7は、接近検出処理を示すフローチャートである。演算部240は、マッチング用データと、過去データを比較し、両者の差分を抽出する(ステップS01)。演算部240により、最小誤差となるフレームとの差分の総和値を算出する(ステップS02)。差分が一定値より大きいか否かを判定する(ステップS03)。
【0027】
差分が一定値より大きい場合(ステップS03のYES)、在状態判定部250により在判定と判定する。その後、離反検出フローへと遷移する。差分が一定値より小さい場合(ステップS03のNO)、再びステップS01~ステップS03の処理を行う。
【0028】
図8は、離反検出処理を示すフローチャートである。演算部240は、在判定前の照度データと差分を算出する(ステップS11)。差分が一定値より小さいか否かを判定する(ステップS12)。
【0029】
差分が一定値より小さい場合(ステップS12のYES)、不在状態判定部260により不在判定と判定する。その後、接近検出フローへと遷移する。差分が一定値より大きい場合(ステップS12のNO)、再びステップS11~ステップS12の処理を行う。
【0030】
[1-3.第1実施形態の効果]
(1)本実施形態におけるセンサ装置によれば、設置場所の省スペース化及び低コスト化を実現しつつ、高精度で在、不在判定を実施することが可能という効果を発揮することができる。すなわち、照度センサの判定閾値に関して、一般技術では絶対値(固定の基準値)を閾値設定しているが、本実施形態におけるセンサ装置では、変動量の閾値設定をしている。そのため、本実施形態におけるセンサ装置では、在、不在の判定が、マッチング用データと過去データとの比較によって行われることで、固定された基準値と照度データとを直接比較する一般技術と比べて、設置物Vの環境や検知対象Xの特性に起因する検出誤差が解消され、より高精度で在、不在判定を実施することが可能となる。
【0031】
(2)本実施形態におけるセンサ装置によれば、照度データが在判定以前、即ち過去の不在判定の状態に達したことを検出して不在判定としたので、在判定中の検知対象の移動と不在判定を明確に区別することができる。
【0032】
(3)照度センサ200に専用の発光部を設ける必要がなく、設置物Vの周囲環境の光量変化を検出するので、照度センサ200の構成が単純化できる。
【0033】
(4)本実施形態におけるセンサ装置によれば、照度センサ200が人感センサの機能を有するため、別途、赤外線センサや超音波センサを用いる必要がなく、照度センサ200単体の照度変化を見ることで検知対象Xの接近、静止、離反を検知することができる。その結果、コスト削減、設置場所の省スペース化を図ることが可能となる。
【0034】
[2.第2実施形態]
[2-1.第2実施形態の構成]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、例えば、設置物Vが自動販売機である場合、既存の自動販売機に設けられている商品表示用のLED照明などの照明機器の光を利用して、検知対象Xの判定を行うものである。第1実施形態は、検知対象Xの影による照度変化を検出していたのに対して、第2実施形態は、自動販売機に設けられている照明機器などが検知対象Xに光を照射して反射光を検出する。そのため、第1実施形態では、検知対象Xが設置物Vに近づくほど周囲の光を遮る影が大きくなり、照度センサ200がとらえる光量が少なくなるのに対して、第2実施形態では、設置物Vに近づくほど検知対象Xが反射する光量が大きくなる。
【0035】
そのため、第2実施形態においては、図7が示すように、在状態判定部250は、演算部240による差分の総和値が正の場合に在状態と判定し、差分の総和値が負の場合に不在状態への移行時と判定する点で、第1実施形態と異なっている。他の構成並びに作用については第1実施形態と共通するので説明は省略する。
【0036】
[2-2.第2実施形態の作用効果]
このような構成を有する第2実施形態では、既存の自動販売機に設けられている商品表示用のLED照明などの照明機器の光を利用して、検知対象Xの判定を行うことから、昼間と異なり自然光などによる影を検出することができない夜間においても、検知対象Xに対して一定の光量を照射して、反射光を検出することが可能となり、より高精度の在、不在判定が可能となる。
【0037】
[3.第3実施形態]
[3-1.第3実施形態の構成]
以下、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の構成は、図9に示すように、第1実施形態の照度センサ200に、ドップラーセンサ100を更に備えたものである。第3実施形態のドップラーセンサ100は以下の構成を有する。なお、第1実施形態と共通する部分の説明は省略する。
(1)電波信号を設置物の外部へ送信する送信部と、前記電波信号の検知対象からの反射信号を受信する受信部を備えたドップラーセンサ。
(2)前記受信部が受信した反射信号を所定の間隔で抽出する反射信号抽出部。
(3)前記反射信号抽出部によって所定の間隔で抽出された複数の前記反射信号を格納する反射信号格納部。
(4)前記反射信号格納部に格納された前記複数の反射信号に基づいて、各反射信号の抽出時における前記設置物と前記検知対象の距離を演算する距離演算部。
(5)前記距離演算部によって変換された前記複数の距離データを、前記反射信号の受信順に配列して格納する配列格納部。
(6)前記配列格納部に格納された前記複数の距離データ値を比較して、前記複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きに基づいて、前記設置物に対する前記検知対象の接近、停止及び離反を分析する分析部。
(7)前記分析部の分析結果に基づき、設置物に対する検知対象の在又は不在を判定する判定部。
【0038】
以下、本発明の第3実施形態を図9に従って具体的に説明する。図9に示すとおり、本実施形態のセンサ装置は、自動販売機である設置物Vに設置され、ドップラーセンサ100、及び、データ処理部105を有する。図10に示すように、データ処理部105は、反射信号抽出部110と、反射信号格納部120と、距離演算部130と、配列格納部140と、分析部150と、判定部160と、を備える。
【0039】
ドップラーセンサ100は、所定の検出範囲内にある検知対象Xを検知する。ドップラーセンサ100は、電波信号を設置物Vの外部へ送信する送信部101と、電波信号の検知対象Xからの反射信号を受信する受信部102を備える。送信部101は、電波信号を発生させるため誘電体共振器を含んで構成される。送信部101は、誘電体共振器により発生させた電波信号を、設置物Vの外部に送信する。受信部102は、送信部101が外部に送信し、検知対象Xの全部又は一部に反射し戻ってきた反射信号を受信するとともに、受信信号を反射信号抽出部110に送信する。
【0040】
反射信号抽出部110は、ダイオードやトランジスタのような非線形素子を含んで構成される。反射信号抽出部110は、受信部102が受信した反射信号を所定の間隔で抽出する。
【0041】
反射信号抽出部110は、反射信号を予め設定された閾値と比較し、予め設定された条件に該当する反射信号を外れ値信号と判定して、抽出対象の前記反射信号から除去する外れ値除去部111を備える。具体的には、以下の(1)~(3)に相当する場合を外れ値と定義する。
(1)表1の閾値情報のうち、接近閾値E、離反閾値E、不在閾値Nが取得された場合、一定時間(300msecなど)未満の反射信号を外れ値とする。
(2)接近閾値E、離反閾値E、不在閾値Nが取得された場合、それ以前に、一度も接近閾値E、離反閾値E、不在閾値Nが外れ値として除去されていない反射信号を外れ値とする。
(3)接近閾値A又は離反閾値Aが取得され、その後、接近閾値A又は離反閾値A以外が反応した場合、再度離反閾値Aに相当する反射信号を検知したときは外れ値とする。
【0042】
なお、この外れ値の除去は、前記のように反射信号抽出部110で実行してもよいし、分析部150において、配列中の距離データからその距離データの元となる反射信号が前記(1)から(3)の条件に該当した場合に、その距離データを外れ値として排除することもできる。
【0043】
反射信号格納部120は、反射信号抽出部110によって所定の間隔で抽出された複数の反射信号を格納する。
【0044】
距離演算部130は、反射信号格納部120に格納された複数の反射信号に基づいて、各反射信号の抽出時における設置物Vと検知対象Xの距離を演算する。本実施形態では、例えば、以下の表1に示すように、距離演算部130は、5段階の閾値に応じて、各反射信号の抽出時における設置物Vと検知対象Xの距離を演算する。具体的には、閾値情報を接近閾値、離反閾値、不在情報の3つに分け、接近閾値及び離反閾値を各A、B、C、D、Eの5段階とする。このように分類された各閾値情報に応じて、距離演算部130は、500mm、1000mm、1500mm、2000mm、5000mm、6000mmと距離変換を行う。
【0045】
即ち、表1における閾値情報は、受信部102によって受信され、反射信号抽出部110によって抽出されたドップラーセンサ100の出力値であって、その出力値は、ドップラーセンサの構成や種類によって電圧、周波数、位相差などの電気信号として与えられる。本実施形態では、設置物Vと検知対象Xの距離に応じて得られる電気信号の出力値(表1中の@が付された信号値)をそのまま「在」「不在」の判定に使用することなく、距離演算部130において、出力値を距離に変換する。
【0046】
【表1】
【0047】
配列格納部140は、距離演算部130によって変換された5段階の距離データを、反射信号の受信順に配列して格納する。即ち、本実施形態では、所定の時間隔で得られた反射信号を5段階の距離データに変換して、ドップラーセンサが検出した設置物Vと検知対象Xの距離の経時的変化を分析部150により分析する。
【0048】
分析部150は、配列格納部140に格納された複数の距離データ値を比較して、複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きに基づいて、設置物Vに対する検知対象Xの接近、停止及び離反を分析する。分析部150は、複数の距離データ値を比較するにあたり、複数の距離データ値同士の相関関係を判定し、この相関関係と、複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きに基づいて、設置物Vに対する検知対象Xの接近、停止及び離反を分析する。
【0049】
判定部160は、分析部150の分析結果に基づき、設置物Vに対する検知対象Xの在又は不在を判定する。判定部160は、在判定時から不在判定時までの間は、検知対象Xの接近又は静止動作として在判定の保持を続ける。
【0050】
[3-2.第3実施形態の作用]
ドップラーセンサ100の送信部101から送信された電波信号は、検知対象Xに反射し、受信部102は反射信号を受信する。反射信号は、反射信号抽出部110により、所定の間隔で抽出され、反射信号格納部120に格納される。反射信号格納部120に格納された反射信号は、距離演算部130により、5段階の閾値に分類される。
【0051】
図11は、前記のような構成を有する第1実施形態の反射信号について、5段階の閾値分けを説明するフローチャートである。図11に示すように、閾値Aが反応するか否かを確認する(ステップS01)。閾値Aが反応する場合(ステップS21のYES)、閾値Aと判定される。閾値Aが反応しない場合(ステップS21のNO)、閾値Bが反応するか否かを確認する(ステップS22)。閾値Bが反応する場合(ステップS22のYES)、閾値Bと判定される。閾値Bが反応しない場合(ステップS22のNO)、閾値Cが反応するか否かを確認する(ステップS23)。閾値Cが反応する場合(ステップS23のYES)、閾値Cと判定される。閾値Cが反応しない場合(ステップS23のNO)、閾値Dが反応するか否かを確認する(ステップS24)。閾値Dが反応する場合(ステップS24のYES)、閾値Dと判定される。閾値Dが反応しない場合(ステップS24のNO)、閾値Eが反応するか否かを確認する(ステップS25)。閾値Eが反応する場合(ステップS25のYES)、閾値Eと判定される。
【0052】
閾値Eが反応しない場合(ステップS25のNO)、不在閾値Nを送信し、スタートに戻り、再びステップS21~ステップS25の処理を行う。
【0053】
距離演算部130により分類された各閾値情報に応じて、反射信号は、500mm、1000mm、1500mm、2000mm、5000mm、6000mmと距離データに変換される。
【0054】
図12図14により、検知対象Xの接近、停止及び離反を検知し、設置物Vに対する検知対象Xの在又は不在を判定する処理を説明する。
【0055】
図12の上段は、距離演算部130により変換された複数の距離データを、配列格納部140により反射信号の受信順に配列して格納し、格納した距離データに対して検知対象Xの在又は不在判定処理を行った結果を示すグラフである。図12の上のグラフの縦軸は、ドップラーセンサ100の出力距離(mm)を示し、閾値(A~E)は縦軸の出力距離の値として示されている。横軸は、経過時間(sec)を示すもので、反射信号抽出部110によって所定の間隔で抽出された距離データは、抽出時間ごとの棒グラフとして表示されている。図12においては、距離データ値の増減の傾向及び経過時間に応じて、接近、静止及び離反の3つに分けられている。図12の下段のグラフは、上段の距離データ値の増減傾向に基づいて得られた検知対象X「在」「不在」判定の状態を示すもので、縦軸は、判定状態(0は不在、1は在)を示し、横軸は、経過時間(sec)を示す。
【0056】
図13は、分析部150によって接近離反検出処理を示すフローチャートである。図13に示すように、閾値A~Dが反応するか否かを確認する(ステップS31)。閾値A~Dが反応する場合(ステップS31のYES)、閾値Aが反応するか否かを確認する(ステップS32)。閾値Aが反応した場合(ステップS32のYES)、即座に在を判定し、スタートに戻り、再び閾値A~Dが反応するか否かを確認する(ステップS31)。
【0057】
閾値B~Dが反応する場合(ステップS32のNO)、複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きが一定以上であるか否かを確認する(ステップS21)。複数の距離データ値の傾きは、隣接する2つの距離データ値の差分を比較し、その差分量の大小によってデータ値の傾きが一定以上か否かを判定する。その場合、3つ以上のデータ値について、各データ値の差分の平均値を算出し、一定以上か否かを判定してもよい。また、傾きの増減は、差分量の正負によって判定する。上記のようにして判定した複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きが一定以上でない場合(ステップS41のNO)、スタートに戻り、再び閾値A~Dが反応するか否かを確認する(ステップS31)。
【0058】
複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きが一定以上である場合(ステップS41のYES)、複数の距離データ値同士の相関関係が一定以上であるか否かを確認する(ステップS42)。この相関関係の確認は、例えば、次のような条件によって判断する。
(1) 比較対象となる複数の距離データ値の抽出時刻が一定の範囲内にあるか。
(2) 複数の距離データ値が、逓減、逓増傾向を示し、複数の距離データ値の間に逓減、逓増傾向から逸脱した距離データ値が存在しない。
【0059】
複数の距離データ値同士の相関関係が一定以上である場合(ステップS42のYES)、負の傾きであるか否かを確認する(ステップS43)。負の傾きである場合(ステップS42のYES)、接近状態と判断する。複数の距離データ値同士の相関関係が一定以上でない場合(ステップS42のNO)、スタートに戻り、再び閾値A~Dが反応するか否かを確認する(ステップS31)。負の傾きでない場合(ステップS43のNO)、離反状態と判断する。
【0060】
図14は、判定部160により接近離反制御処理を示すフローチャートである。図14に示すように、分析部150の分析結果により検知対象Xが接近しているか否かを確認する(ステップS51)。検知対象Xが接近している場合(ステップS51のYES)、在判定とする(ステップS52)。検知対象Xが接近していない場合(ステップS51のNO)、スタートに戻り、検知対象Xが接近しているか否かを確認する(ステップS51)。
【0061】
在判定の後、分析部150の分析結果により検知対象Xが離反したか否かを確認する(ステップS53)。検知対象Xが離反している場合(ステップS53のYES)、不在判定とし、終了する。検知対象Xが離反していない場合(ステップS53のNO)、再び、分析部150の分析結果により検知対象Xが離反したか否かを確認する(ステップS54)。
【0062】
判定部160により、在判定時から不在判定時までの間は、検知対象Xの接近又は静止動作として在判定の保持を続ける。
【0063】
[3-3.第3実施形態の効果]
(1)本実施形態におけるセンサ装置によれば、ドップラーセンサからの反射信号を変換した距離データを使用して、その増減傾向を分析することにより、特定の時点の反射信号の状態に基づいて判定を行う従来技術に比較して、反射信号の有する外乱の影響や検知対象Xの複雑な動作や変則的な動作に起因する誤認識を排除することが可能となり、高い検知精度により検知対象Xの在又は不在を検知することが可能である。
【0064】
(2)本実施形態におけるセンサ装置によれば、所定の時間間隔で得られた反射信号の出力値を距離データに換算し、しかも、複数の閾値を基準に接近、静止及び離反の判断を行うので、使用するデータや処理が少なく、比較的簡易的な構成により、検知精度の高いセンサ装置を提供することができる。
【0065】
(3)本実施形態におけるセンサ装置によれば、外れ値除去部により、ドップラーセンサの性質上、検知対象Xの速度変化などによって反射信号が正確に抽出できないときでも、予め設定された条件に該当する反射信号を外れ値信号と判定して、抽出対象の前記反射信号から除去するので、より高い検知精度により検知対象Xの在又は不在を検知することが可能である。
【0066】
(4)本実施形態におけるセンサ装置によれば、在判定時から不在判定時までの間は、前記検知対象Xの接近又は静止動作として在判定の保持を続けるため、在判定から一定時間経過したら不在判定とするセンサと比較して、所定の検出範囲内に検知対象Xが存在する場合に、特定の時間に縛られることなく、より正確に検知対象Xの在又は不在を検知することが可能である。
【0067】
(5)本実施形態におけるセンサ装置によれば、複数の距離データ値を比較するにあたり、複数の距離データ値同士の相関関係を判定し、この相関関係と、複数の距離データ値の増減傾向を示すデータ値の傾きに基づいて、設置物Vに対する検知対象Xの接近、停止及び離反を分析するため、ドップラーセンサ特有の検知対象Xの速度変化などによって反射信号が正確に抽出できないときでも、抽出時刻や複数の距離データ値の逓減・逓増傾向などを加味することで、より高い検知精度により検知対象Xの在又は不在を検知することが可能である。
【0068】
(6)本実施形態は、既存のドップラーセンサ100の検知情報と照度センサ200の検知情報を組み合わせることで、設置物Vの設置環境や検知対象Xの複雑な動作や変則的な動作に起因する誤認識を排除することが可能となり、センサ前近傍の検知対象Xの在、不在の検知精度をより向上させることができる。また、検知対象Xの接近、離反動作に加え、静止している状態での安定した検知が可能となる。
【0069】
[4.他の実施形態]
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。以下は、その一例である。
【0070】
(1)マッチング用データと過去データの出力値(光量)を比較して、その増減傾向を検出することで、検知対象Xが設置物Vに接近している状態か、離反している状態かを検出と、接近又は離反と第1実施形態における在、不在判定を組み合わせることで、より精度を向上させることができる。
【0071】
(2)一定時間以上、在判定が継続することを別途設けたタイマーなどにより計測し、在判定から不在判定に切り替えることもできる。
【0072】
(3)過去データとして記憶するフレーム数、照度データの取得間隔、1フレームの長さなどは、適宜変更可能である。
【0073】
(4)本発明のセンサ装置は、自動販売機に設置するセンサに限らず、照明、トイレ、車など、設置物は問わない。また、検知対象は、人に限られることなく、生物、車や機械などのあらゆる物が検知対象に含まれる。
【0074】
(5)本発明のセンサ装置に組み合わせるドップラーセンサとしては、第3実施形態に示すものに限定されず、他の構成のものも使用可能である。
【0075】
(6)本発明の照度センサ200は、発光部を有しないものに限られず、照度センサ200が発光部を備えるものも含まれる。照度センサ200が発光部を備える場合、第2実施形態と同様に、その発光部からの照射光が当たった検知対象Xからの反射光の照度を検出するようにするとよい。照度センサ自体が発光部を備えることから、周囲の環境や天候や時間に左右されずに、常に検知対象Xに対して一定の光量を照射して、反射光を検出することが可能となり、より高精度の在、不在判定が可能となる。
【符号の説明】
【0076】
X…検知対象
V…設置物
200…照度センサ
205…データ処理部
210…照度データ格納部
220…マッチング用データ設定部
230…データ更新部
240…演算部
250…在状態判定部
260…不在状態判定部
100…ドップラーセンサ
101…送信部
102…受信部
105…データ処理部
110…反射信号抽出部
111…外れ値除去部
120…反射信号格納部
130…距離演算部
140…配列格納部
150…分析部
160…判定部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14