(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062770
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】設置部材
(51)【国際特許分類】
B60H 1/32 20060101AFI20240501BHJP
F24F 13/22 20060101ALI20240501BHJP
B60H 1/00 20060101ALI20240501BHJP
B62D 25/06 20060101ALI20240501BHJP
B62D 49/00 20060101ALN20240501BHJP
B62D 33/06 20060101ALN20240501BHJP
【FI】
B60H1/32 613L
F24F13/22 222
B60H1/00 102P
B60H1/00 102S
B62D25/06 C
B62D49/00 D
B62D33/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170835
(22)【出願日】2022-10-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-09
(71)【出願人】
【識別番号】516171573
【氏名又は名称】吉村 正年
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉村 正年
【テーマコード(参考)】
3D203
3L211
【Fターム(参考)】
3D203AA23
3D203AA26
3D203AA28
3D203BB59
3D203CB26
3D203DA18
3L211AA09
(57)【要約】
【課題】送風装置をルーフの上方に設置し、開口を通して風をルーフの下方に送りながら、ルーフより下方の空間内の人又は物を送風装置で発生する水から保護する。
【解決手段】設置部材1は、車両100において、開口M1を有するルーフ120の上方に、熱交換機能を有するエアコン20を設置する。設置部材1は、支持部11と、収容部12と、取付部13とを備える。支持部11は、エアコン20を支持する。収容部12は、支持部11よりエアコン20から送出される風Aの下流側に位置し、エアコン20から排出されるドレン水Wを受けて収容する。取付部13は、収容部12の底部12cを、ルーフ120に取り付ける。収容部12は、案内部14を有する。案内部14は、収容したドレン水Wを収容部12の外部に案内する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口を有するルーフの上方に、熱交換機能を有する送風装置を設置する設置部材であって、
前記送風装置を支持する支持部と、
前記支持部より前記送風装置から送出される風の下流側に位置し、前記送風装置から排出される水を受けて収容する収容部と、
前記収容部の底を、前記ルーフに取り付ける取付部と
を備え、
前記収容部は、収容した前記水を前記収容部の外部に案内する案内部を有する、設置部材。
【請求項2】
前記収容部は、前記送風装置において排水口が配置された面に沿って設けられる、請求項1に記載の設置部材。
【請求項3】
前記第1開口に繋がり、前記収容部によって囲まれた第2開口を備える、請求項1に記載の設置部材。
【請求項4】
前記取付部は、
前記収容部の底から前記風の送出方向に交差する方向に延びる平板部と、
前記平板部に対して着脱可能な固定部材と
を有し、
前記平板部及び前記固定部材は、前記ルーフの一部を挟んで固定する、請求項1に記載の設置部材。
【請求項5】
前記案内部は、前記ルーフの下方のスペースの外部へ前記水を案内する管部材を有する、請求項1に記載の設置部材。
【請求項6】
前記ルーフは、車両に設けられる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の設置部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の作業機は、機体と、機体に搭載されたキャビンと、キャビンの室内の空調用のエアコン本体と、機体に搭載された原動機を収容する原動機室と、を備え、エアコン本体は、原動機室の上方に配置されている。キャビンには、エアコン本体が設置されるプレート部材の一部が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、キャビンにエアコン本体を搭載する以外に、例えば、開口を有するキャビンのルーフの上方にエアコン本体を設置し、キャビンの外部から内部に向けて送風を行う方法が考えれれる。しかしながら、この場合、エアコンの空調動作に伴って発生する水が、開口を通してルーフより下方のキャビン内に落下し、乗員の快適性を損ねたり、キャビン内の機器等に影響を与える可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、送風装置を開口を有するルーフの上方に設置し、開口を通して風をルーフの下方に送りながら、ルーフより下方の空間内の人又は物を送風装置で発生する水から保護することが可能な設置部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る設置部材は、第1開口を有するルーフの上方に、熱交換機能を有する送風装置を設置する。本発明に係る設置部材は、支持部と、収容部と、取付部とを備える。前記支持部は、前記送風装置を支持する。前記収容部は、前記支持部より前記送風装置から送出される風の下流側に位置し、前記送風装置から排出される水を受けて収容する。前記取付部は、前記収容部の底を、前記ルーフに取り付ける。前記収容部は、案内部を有する。前記案内部は、収容した前記水を前記収容部の外部に案内する。
【0007】
本発明の設置部材において、前記収容部は、前記送風装置において排水口が配置された面に沿って設けられることが好ましい。
【0008】
本発明の設置部材において、前記第1開口に繋がり、前記収容部によって囲まれた第2開口を備えることが好ましい。
【0009】
本発明の設置部材において、前記取付部は、前記収容部の底から前記風の送出方向に交差する方向に延びる平板部と、前記平板部に対して着脱可能な固定部材とを有することが好ましい。前記平板部及び前記固定部材は、前記ルーフの一部を挟んで固定することが好ましい。
【0010】
本発明の設置部材において、前記案内部は、前記ルーフの下方に位置するキャビンの外へ前記水を案内することが好ましい。
【0011】
本発明の設置部材において、前記ルーフは、車両に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、送風装置を開口を有するルーフの上方に設置し、開口を通して風をルーフの下方に送りながら、ルーフより下方の空間内の人又は物を送風装置で発生する水から保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係る設置部材が搭載された車両の概要を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る設置部材を示す図である。
【
図3】エアコンが設置された設置部材を上方から見た図である。
【
図5】置部材及びエアコンのルーフへ取り付けを示す図である。
【
図6】変形例1のルーフへの置部材及びエアコンの取り付けを示す図である。
【
図7】変形例2のルーフへ取り付けられた設置部材及びエアコンを示す図である。
【
図8】第2の実施形態に係る設置部材が搭載された建築物の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0015】
図1~4を参照して、本実施形態に係る設置部材1について説明する。
図1は、本実施形態に係る設置部材1が搭載された車両100の概要を示す図である。
図2は、本実施形態に係る設置部材1を示す図である。
図3は、エアコン20が設置された設置部材1を上方から見た図である。
図4は、設置部材1の断面図である。
図4は、設置部材1の中心を通り、前後方向に平行な平面での断面図を示す。
【0016】
図1に示すように、設置部材1は、空気調和機(エアコン)20を設置するために車両100に搭載される。車両100は、乗員が乗車するスペースを示すキャビン110を含む。なお、本明細書では、理解を容易にするために、前後方向及び上下方向を記載することがある。ここで、前後方向及び上下方向は、キャビン110に配置された運転座席に着座した運転者(乗員)から見た方向である。但し、説明の便宜のために前後方向及び上下方向を定義したに過ぎず、これらの方向の定義により、本発明の作業車両の使用時及び組立時の向きを限定する意図はない。
【0017】
図1の例では、車両100は、フォークリフトであるが、車両100は、ルーフ120を備える車両であれば、例えば、ゴルフカート及び三輪自動車等でもよい。なお、本明細書では、理解を容易にするために、前後方向及び上下方向を記載することがある。
【0018】
キャビン110には、乗員の上方にルーフ120が設けられる。本実施形態において、ルーフ120は、例えば、フレームのみで構成され、雨等の通過を防ぐことは出来ない。ルーフ120については、
図5を参照しながら後述する。
【0019】
エアコン20は、空気の熱交換機能を有する。エアコン20は、例えば、車両100に搭載されたバッテリー等から電源供給を受けて駆動する。
【0020】
図1、
図3及び
図4に示すように、エアコン20は、一例として、略直方体状であり、上面20U、上面20Uと交差する4つの側面20F、20R、20L、20B及び上面20Uと対向する下面20Dを有する。上面20Uは、ファン24を有する。4つの側面20F、20R、20L、20Bのうち前後方向に互いに対抗する2つの側面20F、20Bは、それぞれ、吸気口22を有する。4つの側面20F、20R、20L、20Bのうち前後方向に交差する方向に互いに対抗する2つの側面20R、20Lは、それぞれ、排水口23を有する。下面20Dは、吹出口21を有する。
【0021】
エアコン20の駆動により、吸気口22は、周囲の空気をエアコン20の内部に吸気する。吸気口22によって吸気された空気は、エアコン20の内部において熱交換され、温度調節された風Aとして吹出口21から所定の方向D1(
図1参照)に向けて送出される。
図1の例では、方向D1は下方である。一方、エアコン20の内部において熱交換された熱は、ファン24からエアコン20の外部に排出される。また、排水口23は、空気の熱交換により生じたドレン水Wをエアコン20の外部へ排出する。
【0022】
[設置部材1]
図2~
図4を参照して、設置部材1は、支持部11と、収容部12と、取付部13とを備える。まず、収容部12及び支持部11の構造について説明する。支持部11は、エアコン20を支持する。具体的には、支持部11は、エアコン20の下面20Dを支持する。エアコン20は、例えば、ネジ等によって支持部11又は収容部12にネジ止めされて固定される。
【0023】
図4に示すように、収容部12は、支持部11より風Aの下流側に位置する。つまり、収容部12は、支持部11より方向D1側に位置する。エアコン20において、空気の熱交換の結果、ドレン水Wがエアコン20の外部へ排出される。収容部12は、エアコン20から排出されるドレン水Wを受けて収容する。
【0024】
収容部12は、上方が開放された溝である。具体的には、収容部12は、第1壁部12aと、第2壁部12bと、底部12cとによって形成される。底部12cは、方向D1に交差する方向であってエアコン20の周囲に沿って延びる略平板形状である。つまり、底部12cは、エアコン20の周囲を囲う環形状である。
【0025】
第1壁部12aは、底部12cのエアコン20の外周側の端部から上方に延びる略平板形状である。第2壁部12bは、底部12cにおいて第1壁部12aと反対側の端部から上方に延びる略平板形状である。つまり、第1壁部12aと第2壁部12bは、底部12cを介して互いに間隔を空けつつ対向している。したがって、第1壁部12a及び第2壁部12bは、エアコン20の周囲を囲う環形状である。よって、設置部材1は、第2壁部12bによって形成された開口MAを有する。本実施形態において、第1壁部12aの底部12cからの高さが、第2壁部12bの底部12cからの高さより高いが、第1壁部12aの底部12cからの高さが、第2壁部12bの底部12cからの高さ以下であってもよい。
【0026】
収容部12は、少なくともエアコン20の排水口23が配置された側面20R、20Lに沿って設けられる。その結果、排水口23から排出されたドレン水Wは、収容部12の底部12cに溜まる。つまり、排水口23から排出されたドレン水Wは、収容部12に収容される。本実施形態において、収容部12は、エアコン20の4つの側面20F、20R、20L、20Bに沿って設けられる。
【0027】
本実施形態において、収容部12及び支持部11は、一体形成される。具体的には、収容部12及び支持部11が連結された形状にカットされた一枚板として形成される。カットされた一枚板を折り曲げることで、
図7に示す第1壁部12a、第2壁部12b、底部12c及び支持部11が形成される。
【0028】
図2及び
図4に示すように、例えば、支持部11は、方向D1に交差する方向に延びる平板形状である。具体的には、支持部11は、第2壁部12bの底部12cと反対側の端部から第1壁部12a側に向かって延びる。言い換えると、支持部11は、開口MAと反対側つまりエアコン20の外周側に向かって延びる。なお、支持部11は、第1壁部12a側と反対側に向かって延びてもよい。
【0029】
図2及び
図3に示すように、収容部12は、案内部14を有する。案内部14は、収容部12によって収容されたドレン水Wを収容部12の外部に案内する。案内部14は、底部12cに設けられた貫通孔、及び貫通孔に接続されたノズルである。例えば、案内部14には、ホース等の管部材の一端が接続される。
【0030】
なお、案内部14に着脱可能なキャップ等が被されてもよい。案内部14にキャップ等が取り付けられている間、キャップ等が案内部14の貫通孔を塞ぐ。その結果、収容部12からドレン水Wが収容部12の外部に漏れることを防ぐ。一方、案内部14からキャップ等が取り外されると、案内部14がドレン水Wの排出口となる。なお、案内部14は、底部12cに限らず、第1壁部12a又は第2壁部12bに設けられてもよい。
【0031】
次に
図2、
図4及び
図5を参照して、取付部13と、設置部材1のルーフ120への取り付けについて説明する。
図5は、設置部材1及びエアコン20のルーフ120へ取り付けを示す図である。
図5は、ルーフ120へ取り付けられた設置部材1及びエアコン20をキャビン110側から見た図である。
【0032】
設置部材1は、取付部13によって、ルーフ120へ取り付けられる。具体的には、取付部13は、収容部12の底部12cを、キャビン110の上方に取り付ける。取付部13は、平板部13Aと、固定部材13Bとを有する。
図2及び
図4に示すように、平板部13Aは、平板形状であり、底部12cの第2壁部12b側から方向D1に交差する方向に延びる。例えば、平板部13Aは、底部12cのうちエアコン20の側面20F、20B(
図3参照)に対向する位置に設けられる。なお、平板部13Aは、底部12cのうち側面20R、20Lに対向する位置に設けられてもよい。また、
図2に示すように、第2壁部12bに取り付けられた略L字形状の部材の一部が平板部13Aを構成してもよい。
【0033】
図5に示すように、設置部材1をルーフ120へ取り付ける場合、底部12c及び平板部13Aは、ルーフ120に接する。具体的には、ルーフ120は、環形状の外枠F1と、梁F2とを含む。梁F2は、例えば、前後方向に交差する方向に延び、両端がそれぞれ外枠F1に連結する。言い換えると、ルーフ120には、外枠F1及び梁F2で3つの開口M1が形成される。なお、外枠F1及び梁F2の太さ、及び設けられる梁F2の数は、
図4に示す例に限らない。
【0034】
エアコン20が設置された設置部材1がルーフ120に搭載されると、設置部材1の開口MAとルーフ120の開口M1とが繋がる。よって、エアコン20の下面20Dが開口MA及び開口M1を介してキャビン110の内部と対向する。例えば、案内部14、吹出口21及びエアコン20の操作部25は、開口MAの内側であって開口M1の内側に位置する。したがって、吹出口21からの風Aがキャビン110の内部に到達するとともに、キャビン110の内部からの運転者によるエアコン20の操作が可能になる。なお、設置部材1は、案内部14が外枠F1の外部に位置するように、ルーフ120に搭載されてもよい。
【0035】
本実施形態において、吹出口21及び操作部25が開口M1の内側に位置する状態で、設置部材1は、2つの固定部材13Bによってルーフ120に固定される。
【0036】
具体的には、固定部材13Bは、平板部13Aに対して着脱可能である。一例として、固定部材13Bと平板部13Aとは、ネジ及びボルト等の鋲螺30によって連結される。例えば、平板部13Aには、1つ以上のネジ孔Hが設けられる。一方、固定部材13Bは、設置部材1と同じ材質の棒状の部材であり、鋲螺30が通る2つの孔(不図示)が設けられる。なお、固定部材13Bに設けられる孔の数は、2つに限らない。2つの固定部材13Bは、前後方向に交差する方向に互いに間隔を空けて並べて配置される。
【0037】
ルーフ120において平板部13Aと接する側と反対側、つまりキャビン110の内部側から、固定部材13Bをルーフ120に接触させ、固定部材13Bの孔とネジ孔Hとの位置を合わせて鋲螺30を締めると、固定部材13Bと平板部13Aとが固定される。具体的には、各々の固定部材13Bの一方の端部が前側に位置する平板部13Aに固定され、各々の固定部材13Bの他方の端部が後側に位置する平板部13Aに固定される。
【0038】
固定部材13Bと平板部13Aとがルーフ120に固定された状態において、梁F2の一部は、固定部材13Bと平板部13Aとの間に位置する。なお、梁F2以外に外枠F1の一部が、固定部材13Bと平板部13Aとの間に位置してもよい。なお、本実施形態において、設置部材1は、固定部材13Bを用いることなくルーフ120に取り付けられてもよい。例えば、設置部材1は、ルーフ120に直接ネジ止めされて取り付けられてもよい。
【0039】
以上のように、本実施形態における設置部材1では、支持部11に支持されたエアコン20から排出されるドレン水Wを、支持部11より下方に設けられた収容部12に収容して案内部14を介して外部に排出することができる。したがって、ドレン水Wがルーフ120を通過してキャビン110に侵入することを防ぐことができ、キャビン内の乗員又は機器を送風装置でドレン水Wから保護できる。
【0040】
また、収容部12がエアコン20の側面20F、20R、20L、20Bを囲って収容部12の内側に開口MAを形成し、開口MAがルーフ120の開口M1と繋がることで、エアコン20からキャビン110の内部まで到達する風Aの風路APが形成される。したがって、エアコン20の吹出口21から送出された風Aが効率よく設置部材1を通過してキャビン110の内部まで到達する。
【0041】
また、固定部材13Bと平板部13Aとでルーフ120を挟み、固定部材13Bと平板部13Aとを鋲螺30で連結して固定することで、吹出口21及び操作部25のルーフ120の開口M1からの位置ずれを抑制できる。
【0042】
また、収容部12及び支持部11を曲げ加工形成が可能な一体形成部材とすることで、設置部材の生産性を向上させるとともに、部品点数を削減することができる。なお、収容部12及び支持部11は、一体形成されず、それぞれが別部品であってもよい。この場合、例えば、各部品は、溶接等によって連結される。
【0043】
本実施形態において、収容部12は、エアコン20の周囲を囲って設けられているが、収容部12は、少なくともエアコン20のうち排水口23が配置された面に沿って設けられてもよい。つまり、設置部材1において、収容部12は、排水口23から排出されたドレン水Wを受け止め、ドレン水Wのルーフ120の通過を防ぐことができるように配置されていればよい。
【0044】
また、エアコン20は、略直方体状であるとしたが、エアコン20の形状は、略直方体状に限らない。例えば、エアコン20は、略円筒形状であってもよい。
【0045】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0046】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0047】
[変形例1]
次に、
図6を参照して、
図5と異なる形状のルーフ121へ設置部材1の取り付けについて説明する。
図6は、変形例1におけるルーフ121への設置部材1及びエアコン20の取り付けを示す図である。
図6は、ルーフ121の形状がルーフ120の形状と異なる以外、
図5と同じであるため、
図5と重複する部分についての説明は省略する。
【0048】
ルーフ121は、
図5に示す梁F2の代わりに梁F3を含む。梁F3は、例えば、前後方向に延びる。梁F3は、延びる方向が異なる以外、梁F2と同じである。したがって、外枠F1及び梁F3によって形成される開口M2の形状は、
図4の開口M1の形状と異なり、固定部材13Bの取付方向が
図5と異なる。具体的には、2つの固定部材13Bは、前後方向に互いに間隔を空けて並べて配置される。各々の固定部材13Bの両端部が前側に位置する平板部13A(
図5)に固定され、各々の固定部材13Bの両端部が後側に位置する平板部13A(
図5)に固定される。
【0049】
なお、平板部13Aに対する固定部材13Bの取り付け方は、
図5及び
図6に示す取り付け方に限定されない。例えば、固定部材13Bは、梁F2又は梁F3に対して平行に取り付けられてもよいし、梁F2又は梁F3に対して斜めに取り付けられてもよい。また、ルーフ120の形状は、
図5及び
図6に示す形状に限定されない。
【0050】
[変形例2]
次に、
図7を参照して、設置部材1の車両100への取り付けの変形例について説明する。
図7は、ルーフ122へ取り付けられた設置部材1及びエアコン20を示す図である。
【0051】
図7に示すように、ルーフ122は、前後方向に対して前側が後側より低くなるように傾斜している。フォークリフトのような車両100は、ルーフ122が設けられていることが多い。
【0052】
設置部材1は、案内部14が風Aの風路APより前側に位置するように、ルーフ122に搭載される。その結果、収容部12の底部12cが前側に向かって低くなるように傾斜するため、収容部12に収容されたドレン水Wは、底部12cを前側に向かって流れ、収容部12の前側に集まる。したがって、案内部14が収容部12の前側に設けられていると、ドレン水Wが案内部14から排出されやすくなる。
【0053】
例えば、案内部14は、ホースR1を有する。具体的には、案内部14には、ホースR1の一方端が接続される。ホースR1の他方端は、例えば、ルーフ122の下方に位置するキャビン110の外部に設置されたタンクT1に接続される。その結果、案内部14を通過したドレン水Wは、ホースR1を介してタンクT1に移動するため、ドレン水Wを効率よくキャビン110の外部に排出できる。なお、タンクT1は、キャビン110の内部に設置されてもよい。また、案内部14は、ホースR1を介することなくタンクT1に直接接続されてもよい。
【0054】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態に係る設置部材について説明する。第2の実施形態は、車両100以外に搭載される点が第1の実施形態と異なる。以下、第2の実施形態について第1の実施形態と異なる事項を説明し、第1の実施形態と重複する事項の説明は割愛する。
【0055】
図8を参照して、本発明の第2の実施形態に係る設置部材1Aについて説明する。
図8は、第2の実施形態に係る設置部材が搭載された建築物の概要を示す図である。
【0056】
設置部材1Aは、エアコン20を設置するために建築物101に搭載される。建築物101は、人が待機したり、物が収容されるスペース111を含む。建築物101には、開口M3を有するルーフ130がスペース111の上方に設けられる。建築物101は、一例として、個人ブース、ロッカー、電話ボックス及び仮設トイレ等である。
【0057】
設置部材1Aは、支持部11と、収容部12と、取付部131とを備える。収容部12は、案内部14(不図示)を有する。支持部11、収容部12及び案内部14は、それぞれ、第1の実施形態に係る設置部材1の支持部11、収容部12及び案内部14と同じである。設置部材1Aは、取付部131によって、ルーフ130へ取り付けられる。言い換えると、取付部131は、収容部12の底部12cを、ルーフ130に取り付ける。取付部131は、設置部材1Aの取り付け先がルーフ130である以外、第1の実施形態に係る設置部材1の取付部13と同じである。このように、本実施形態における設置部材1Aは、支持部11に支持されたエアコン20から排出されるドレン水Wを、収容部12に収容して案内部14を介して外部に排出することができる。したがって、ドレン水Wがルーフ130を通過してスペース111に侵入することを防ぐことができ、スペース111の内部の人又は物をドレン水Wから保護できる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、ルーフの上方への送風装置の設置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1、1A :設置部材
11 :支持部
12 :収容部
13 :取付部
13A :平板部
13B :固定部材
14 :案内部
20 :エアコン
100 :車両
110 :キャビン
111 :スペース
120、121、122、130 :ルーフ
A :風
AP :風路
D1 :方向
M1、M2、M3、MA :開口
W :ドレン水
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1開口を有するルーフの上方に、熱交換機能を有する送風装置を設置する設置部材であって、
前記送風装置を支持する支持部と、
前記支持部より前記送風装置から送出される風の下流側に位置し、前記送風装置から排出される水を受けて収容する収容部と、
前記収容部の底を、前記ルーフに取り付ける取付部と
を備え、
前記収容部は、収容した前記水を前記収容部の外部に案内する案内部を有し、
前記取付部は、
前記収容部の底から前記風の送出方向に交差する方向に延びる平板部と、
前記平板部に対して着脱可能な固定部材と
を有し、
前記平板部及び前記固定部材は、前記ルーフの一部を挟んで固定する、設置部材。
【請求項2】
前記収容部は、前記送風装置において排水口が配置された面に沿って設けられる、請求項1に記載の設置部材。
【請求項3】
前記第1開口に繋がり、前記収容部によって囲まれた第2開口を備える、請求項1に記載の設置部材。
【請求項4】
前記案内部は、前記ルーフの下方のスペースの外部へ前記水を案内する管部材を有する、請求項1に記載の設置部材。
【請求項5】
前記ルーフは、車両に設けられる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の設置部材。