(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062778
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】搬送設備
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240501BHJP
【FI】
G05D1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170854
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】立見 文明
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅哉
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301AA09
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301EE02
5H301FF07
5H301FF11
5H301GG07
(57)【要約】
【課題】他の搬送車の走行に与える影響を小さく抑えつつ、搬送車を待機させることが可能な搬送設備を実現する。
【解決手段】基準地点群PGを構成する複数の基準地点Pは、走行経路として、第1経路R1、第2経路R2、第3経路R3、第4経路R4、第5経路R5、及び第6経路R6を設定可能に配置される。第1経路R1及び第2経路R2は、第1方向第1側X1へ向かう経路であり、第3経路R3及び第4経路R4は、第1方向第2側X2へ向かう経路であり、第5経路R5は、第2方向第1側Y1へ向かう経路であり、第6経路R6は、第2方向第2側Y2へ向かう経路である。走行面11における第2経路R2、第3経路R3、第5経路R5、及び第6経路R6の4つの経路に囲まれた領域Tに、搬送車1を待機させるための待機領域Wが形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基準地点の群である基準地点群が設定された走行領域と、前記基準地点群に含まれる複数の前記基準地点を繋ぐように設定される走行経路を走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた搬送設備であって、
前記走行領域における前記搬送車の走行面に沿う方向のうち特定の方向を第1方向とし、前記走行面に沿う方向のうち前記第1方向に交差する方向を第2方向とし、前記第1方向の一方側を第1方向第1側とし、前記第1方向の他方側を第1方向第2側とし、前記第2方向の一方側を第2方向第1側とし、前記第2方向の他方側を第2方向第2側として、
前記基準地点群を構成する複数の前記基準地点は、前記走行経路として、第1経路、第2経路、第3経路、第4経路、第5経路、及び第6経路を設定可能に配置され、
前記第1経路は、前記第1方向第1側へ向かう経路であり、
前記第2経路は、前記第1経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第1側へ向かう経路であり、
前記第3経路は、前記第2経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第2側へ向かう経路であり、
前記第4経路は、前記第3経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第2側へ向かう経路であり、
前記第5経路は、前記第2経路及び前記第3経路と交差して前記第1経路と前記第4経路とを接続するように、前記第2方向第1側へ向かう経路であり、
前記第6経路は、前記第5経路とは前記第1方向の異なる位置において、前記第2経路及び前記第3経路と交差して前記第1経路と前記第4経路とを接続するように、前記第2方向第2側へ向かう経路であり、
前記走行面における前記第2経路、前記第3経路、前記第5経路、及び前記第6経路の4つの経路に囲まれた領域に、前記搬送車を待機させるための待機領域が形成される、搬送設備。
【請求項2】
前記基準地点群を構成する複数の前記基準地点は、前記走行経路として、第7経路と第8経路との少なくとも一方を設定可能に配置され、
前記第7経路は、前記待機領域を通って前記第2経路と前記第3経路とを接続するように、前記第2方向第1側又は前記第2方向第2側へ向かう経路であり、
前記第8経路は、前記待機領域を通って前記第5経路と前記第6経路とを接続するように、前記第1方向第1側又は前記第1方向第2側へ向かう経路である、請求項1に記載の搬送設備。
【請求項3】
前記搬送車を移載元又は移載先とする前記物品の移載が行われる移載対象箇所を備え、
前記移載対象箇所は、前記第1方向における複数の位置にそれぞれ配置され、
前記搬送車は、目的地となる前記移載対象箇所に進入することができずに待機する場合に、当該移載対象箇所により近い前記待機領域を優先的に待機場所として選択する、請求項1又は2に記載の搬送設備。
【請求項4】
前記移載対象箇所は、前記第1経路に対して前記第2方向第2側の領域と、前記第4経路に対して前記第2方向第1側の領域とのそれぞれにおいて、前記第1方向に並ぶように複数配置されている、請求項3に記載の搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基準地点の群である基準地点群が設定された走行領域と、基準地点群に含まれる複数の基準地点を繋ぐように設定される走行経路を走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を搬送する搬送設備の一例として、特開2020-11790号公報(特許文献1)には物品仕分け設備が開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。特許文献1の物品仕分け設備では、物品(W)を搬送する物品搬送車(4)が、予め設定されたレーンに沿って走行するように構成されている。特許文献1の
図1に示される態様では、物品搬送車(4)がそれぞれ同じ方向(以下、「下流側」という)に走行する走行レーン(L1)、分岐レーン(L2)、及び完了レーン(L3)と、物品搬送車(4)がこれら3つのレーンとは反対方向(以下、「上流側」という)に走行する戻りレーン(L4)とが設けられている。
【0003】
特許文献1の
図1及び
図2に示される態様では、物品(W)のピッキング作業が行われる作業エリア(E1)が、走行レーン(L1)に沿って並ぶように複数配置されており、走行レーン(L1)は、複数の作業エリア(E1)のそれぞれに対応してレーンエリア(LE)を備えている。物品搬送車(4)は、当該物品搬送車(4)を対象としたピッキング作業が行われる1つ又は複数のレーンエリア(LE)を順次走行する。この際、物品搬送車(4)は、走行レーン(L1)、分岐レーン(L2)、及び完了レーン(L3)の間でレーンチェンジを行いながら、下流側に向かって走行する。そして、ピッキング作業が完了した物品搬送車(4)は、下流側の端部まで走行した後、戻りレーン(L4)を走行して上流側の端部に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されているような搬送設備において、搬送車の走行の目的地となる箇所(特許文献1では、作業エリアに対応するレーンエリア)に搬送車が進入することができない状況が想定される。例えば、当該箇所に別の搬送車が停止している場合に、このような状況となり得る。このような状況において、当該箇所に進入可能となるまで搬送車をレーン上で待機させると、他の搬送車はレーン上で待機している当該搬送車を避けて走行する必要があり、他の搬送車の円滑な走行が妨げられやすい。
【0006】
そこで、他の搬送車の走行に与える影響を小さく抑えつつ、搬送車を待機させることが可能な搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る搬送設備は、複数の基準地点の群である基準地点群が設定された走行領域と、前記基準地点群に含まれる複数の前記基準地点を繋ぐように設定される走行経路を走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた搬送設備であって、前記走行領域における前記搬送車の走行面に沿う方向のうち特定の方向を第1方向とし、前記走行面に沿う方向のうち前記第1方向に交差する方向を第2方向とし、前記第1方向の一方側を第1方向第1側とし、前記第1方向の他方側を第1方向第2側とし、前記第2方向の一方側を第2方向第1側とし、前記第2方向の他方側を第2方向第2側として、前記基準地点群を構成する複数の前記基準地点は、前記走行経路として、第1経路、第2経路、第3経路、第4経路、第5経路、及び第6経路を設定可能に配置され、前記第1経路は、前記第1方向第1側へ向かう経路であり、前記第2経路は、前記第1経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第1側へ向かう経路であり、前記第3経路は、前記第2経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第2側へ向かう経路であり、前記第4経路は、前記第3経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第2側へ向かう経路であり、前記第5経路は、前記第2経路及び前記第3経路と交差して前記第1経路と前記第4経路とを接続するように、前記第2方向第1側へ向かう経路であり、前記第6経路は、前記第5経路とは前記第1方向の異なる位置において、前記第2経路及び前記第3経路と交差して前記第1経路と前記第4経路とを接続するように、前記第2方向第2側へ向かう経路であり、前記走行面における前記第2経路、前記第3経路、前記第5経路、及び前記第6経路の4つの経路に囲まれた領域に、前記搬送車を待機させるための待機領域が形成される。
【0008】
本構成によれば、基準地点群を構成する複数の基準地点によって、第1方向第1側へ向かう2つの経路(具体的には、第1経路及び第2経路)を設定できると共に、これとは反対側の第1方向第2側へ向かう2つの経路(具体的には、第3経路及び第4経路)を設定することができ、更に、これら4つの経路を接続するように第2方向の互いに反対側へ向かう2つの経路(具体的には、第5経路及び第6経路)を、第1方向の互いに異なる位置に設定することができる。このように、第1方向の両側及び第2方向の両側へ向かう経路を、互いに直接的又は間接的に接続されるように形成することができるため、搬送車の目的地となる箇所まで延びる走行経路を適切に形成しやすい。
【0009】
そして、本構成によれば、走行面における第2経路、第3経路、第5経路、及び第6経路の4つの経路に囲まれた領域に、搬送車を待機させるための待機領域が形成される。このように形成される待機領域に搬送車を待機させることで、これら4つの経路を走行する搬送車と干渉しないように、搬送車を待機させることができる。これにより、他の搬送車の走行に与える影響を小さく抑えつつ、搬送車を待機させることが可能となっている。
【0010】
搬送設備の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】待機領域周辺の搬送設備のレイアウトの一例を示す平面図
【
図3】待機領域周辺の搬送設備のレイアウトの別例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
搬送設備の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、搬送設備100は、走行領域10と搬送車1とを備えている。
図1では搬送車1を省略しているが、
図2に示すように、搬送設備100は、複数の搬送車1を備えている。搬送車1は、走行経路Rを走行して物品2を搬送する。
図1に例示する走行経路Rは、搬入部5から後述する移載対象箇所3(ここでは、複数の移載対象箇所3)を経由して搬出部6に至る経路である。搬入部5及び搬出部6には、例えば、物品2を搬送するコンベヤが設けられる。
【0013】
搬送設備100は、更に、搬送車1を移載元又は移載先とする物品2の移載が行われる移載対象箇所3を備えている。移載対象箇所3での物品2の移載は、例えば、作業者4、ロボット、搬送車1に設けられた装置、或いはこれらのいずれか2つ又は3つの協働によって行われる。
図1及び
図2では、移載対象箇所3での物品2の移載が作業者4により行われる場合を例示している。
【0014】
搬送車1は、例えば、電動モータ等の駆動力源の駆動力により走行輪を回転させて走行する。本実施形態では、搬送車1は、その場で、走行面11に直交する軸心回り(本実施形態では、上下方向Zに沿う軸心回り)に旋回することが可能に構成されている。搬送車1は、無人搬送車であり、自律的に又は遠隔操作によって走行経路Rに沿って走行する。本実施形態では、搬送車1は、自律的に走行経路Rに沿って走行するように構成されている。また、搬送車1は、物品2を支持した状態で走行可能に構成される。本実施形態では、搬送車1は、物品2を下側から支持した状態で走行可能に構成されている。
【0015】
図2では物品2を簡略化して示しているが、物品2は、例えば、パレットと当該パレットに載置される荷(単数又は複数の荷)とされ、或いは、容器(上面が開口した容器等)と当該容器に収容される荷(単数又は複数の荷)とされる。このように物品2が、パレットや容器等の支持体と当該支持体に支持される荷とされる場合、本実施形態では、移載対象箇所3において、搬送車1(具体的には、搬送車1に支持された支持体)を移載元又は移載先とする荷の移載が行われる。
図2に示す例では、物品2(具体的には、支持体)を支持する支持部Sが移載対象箇所3に設けられており、荷の移載は、支持体が支持部Sに支持された状態で行われる。そのため、搬送車1は、荷の移載作業が終了するのを移載対象箇所3で待たずに、移載対象箇所3から離れることもできる。
【0016】
移載対象箇所3において荷を搬送車1から収集するアソート作業が行われる場合、搬送車1を移載元とする荷の移載として、搬送車1に支持された支持体からの荷の取り出しが行われる。この場合、例えば、アソート作業の対象となる荷を支持した支持体が、コンベヤ等により搬入部5に搬入され、搬送車1は、当該支持体を搬入部5から移載対象箇所3に搬送する。搬送車1は、当該支持体からの荷の取り出しが行われる1つ又は複数の移載対象箇所3に順次走行した後、当該支持体を搬出部6まで搬送する。
【0017】
移載対象箇所3において荷を搬送車1に収集するピッキング作業が行われる場合、搬送車1を移載先とする荷の移載として、搬送車1に支持された支持体への荷の積み込みが行われる。この場合、例えば、荷が支持されていない空の支持体が、コンベヤ等により搬入部5に搬入され、搬送車1は、当該支持体を搬入部5から移載対象箇所3に搬送する。搬送車1は、当該支持体への荷の積み込みが行われる1つ又は複数の移載対象箇所3に順次走行した後、当該支持体を搬出部6まで搬送する。
【0018】
ここで、
図1及び
図2に示すように、走行領域10における搬送車1の走行面11に沿う方向のうち特定の方向を第1方向Xとし、走行面11に沿う方向のうち第1方向Xに交差する方向を第2方向Yとする。本実施形態では、走行面11に沿う方向のうち第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとしている。また、第1方向Xの一方側を第1方向第1側X1とし、第1方向Xの他方側を第1方向第2側X2とし、第2方向Yの一方側を第2方向第1側Y1とし、第2方向Yの他方側を第2方向第2側Y2とする。
図1に示す例では、第1方向Xにおける搬入部5及び搬出部6に対して移載対象箇所3が配置された側を第1方向第1側X1とし、第2方向Yにおける搬入部5に対して搬出部6が配置された側を、第2方向第1側Y1としている。本実施形態では、走行面11は、水平面に沿う面であり、第1方向X及び第2方向Yはいずれも水平方向である。走行面11は、例えば、床面により構成される。
【0019】
走行領域10には、複数の基準地点Pの群である基準地点群PGが設定される。基準地点Pは、搬送車1の走行の基準となる地点に配置される。基準地点Pは、例えば、搬送車1の停止位置や旋回位置の基準として用いられる。
図1に示す例では、基準地点Pは、第1方向Xに沿って並ぶように複数配置されていると共に、第2方向Yに沿って並ぶように複数配置されている。ここでは、複数の基準地点Pが、第1方向X及び第2方向Yを配列方向とする格子状(例えば、正方格子状)に配置されている。なお、
図1では、煩雑になることを避けるために、一部の基準地点Pのみを示している。
【0020】
搬送車1は、基準地点P間を直進する直進動作と、基準地点Pにおける旋回動作(方向変換動作の一例)とを行いながら、目的地まで走行する。例えば、搬送車1は、基準地点P間を第1方向Xに沿って直進する直進動作と、基準地点P間を第2方向Yに沿って直進する直進動作と、基準地点Pにおいて90度単位で旋回する(例えば、90度旋回する)旋回動作とを行いながら、目的地まで走行する。
図1に搬送車1が走行する走行経路Rの一例を示すように、走行経路Rは、基準地点群PGに含まれる複数の基準地点Pを繋ぐように設定される。
図1に示す走行経路Rは、搬入部5から移載対象箇所3(ここでは、複数の移載対象箇所3)を経由して搬出部6に至るように設定されている。
図1では、走行経路R上に配置された基準地点Pを他の基準地点Pと区別するために、走行経路R上に配置された基準地点Pを黒塗りで表し、それ以外の基準地点Pを白抜きで表している。
【0021】
図1に示すように、基準地点Pは、移載対象箇所3、搬入部5、搬出部6、及び後述する待機領域W等の、搬送車1の走行の目的地となり得る地点に少なくとも配置されている。搬送車1は、基準地点Pを検出する不図示の検出部を備えており、目的地に配置された基準地点Pを検出すると停止する。また、搬送車1は、旋回すべき地点に配置された基準地点Pを検出すると旋回動作を行う。
【0022】
本実施形態では、基準地点Pは、床面に設けられた被検出部により構成されている。基準地点Pを構成する被検出部は、例えば、1次元コード、2次元コード、RF(Radio Frequency)タグ等とされる。基準地点Pを構成する被検出部は、固有の識別情報を保持しており、搬送車1が備える上述した検出部は、基準地点Pを構成する被検出部が保持する識別情報を読み取ることで、当該搬送車1の現在位置を把握する。識別情報は、例えば、基準地点Pが配置された位置を示すアドレス情報とされる。なお、基準地点Pが被検出部により構成されず、搬送車1が、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機の検出信号等に基づき当該搬送車1の現在位置を認識し、当該現在位置が基準地点Pに到達した場合に停止或いは旋回動作を行う構成とすることもできる。
【0023】
上述したように、走行経路Rは、基準地点群PGに含まれる複数の基準地点Pを繋ぐように設定される。具体的には、走行経路Rは、第1方向Xに並ぶ2つ以上の基準地点Pを繋ぐ経路、第2方向Yに並ぶ2つ以上の基準地点Pを繋ぐ経路、或いはこれらの組み合わせによって形成される。本実施形態では、移載対象箇所3に配置された基準地点Pと、当該基準地点Pに対して隣り合う基準地点P(
図1に示す例では、第2方向Yに隣り合う基準地点P)とを繋ぐ経路を除き、各経路における搬送車1の走行方向を一方向に設定している。
図1における各経路の横に示す矢印は、搬送車1の走行方向の一例を表している。
【0024】
詳細は後述するが、基準地点群PGを構成する複数の基準地点Pが設定可能な走行経路Rには、第1経路R1、第2経路R2、第3経路R3、第4経路R4、第5経路R5、及び第6経路R6が含まれ(
図1、
図2参照)、本実施形態では、更に第7経路R7及び第8経路R8が含まれる(
図2参照)。当然ながら、基準地点群PGを構成する複数の基準地点Pが設定可能な走行経路Rには、これら8個の経路(R1~R8)に含まれる複数の経路を組み合わせた経路(具体的には、当該複数の経路のそれぞれにおける少なくとも一部の区間同士を組み合わせた経路)も含まれる。
図1に例示する走行経路Rは、上記8個の経路の全てを組み合わせた経路とされている。
【0025】
図1に示すように、基準地点群PGを構成する複数の基準地点Pは、走行経路Rとして、第1経路R1、第2経路R2、第3経路R3、第4経路R4、第5経路R5、及び第6経路R6を設定可能に配置されている。
図2に示すように、本実施形態では、更に、基準地点群PGを構成する複数の基準地点Pは、走行経路Rとして、第7経路R7と第8経路R8との少なくとも一方(ここでは、双方)を設定可能に配置されている。
【0026】
図1及び
図2に示すように、第1経路R1は、第1方向第1側X1へ向かう経路であり、第2経路R2は、第1経路R1に対して第2方向第1側Y1において、第1方向第1側X1へ向かう経路であり、第3経路R3は、第2経路R2に対して第2方向第1側Y1において、第1方向第2側X2へ向かう経路であり、第4経路R4は、第3経路R3に対して第2方向第1側Y1において、第1方向第2側X2へ向かう経路である。
【0027】
本実施形態では、第1経路R1を形成する基準地点Pと第2経路R2を形成する基準地点Pとは、第2方向Yに隣り合っている。また、第3経路R3を形成する基準地点Pと第4経路R4を形成する基準地点Pとは、第2方向Yに隣り合っている。一方、第2経路R2を形成する基準地点Pと第3経路R3を形成する基準地点Pとの第2方向Yの間には、第1方向Xに並ぶ複数の基準地点Pの群が少なくとも一列(ここでは、一列)配置されている。この第1方向Xに並ぶ複数の基準地点Pの群は、後述する第8経路R8を形成する。
【0028】
第5経路R5は、第2経路R2及び第3経路R3と交差して第1経路R1と第4経路R4とを接続するように、第2方向第1側Y1へ向かう経路であり、第6経路R6は、第5経路R5とは第1方向Xの異なる位置において、第2経路R2及び第3経路R3と交差して第1経路R1と第4経路R4とを接続するように、第2方向第2側Y2へ向かう経路である。
図1に示す例では、第5経路R5と第6経路R6との組(具体的には、後述する待機領域Wを第1方向Xの両側から挟む第5経路R5と第6経路R6との組、言い換えれば、後述する対象領域Tを形成する第5経路R5と第6経路R6との組)が、第1方向Xに沿って3つ並ぶように配置されている。以下では、特に明記している場合を除き、第5経路R5及び第6経路R6は、同じ組を構成する第5経路R5及び第6経路R6を意味する。
【0029】
図2に示すように、本実施形態では、第6経路R6は、第5経路R5に対して第1方向第1側X1に配置される。また、第5経路R5を形成する基準地点Pと第6経路R6を形成する基準地点Pとの第1方向Xの間には、第2方向Yに並ぶ複数の基準地点Pの群が少なくとも一列(ここでは、二列)配置されている。この第2方向Yに並ぶ複数の基準地点Pの群は、後述する第7経路R7を形成する。
【0030】
本実施形態では、移載対象箇所3が、第1経路R1に対して第2方向第2側Y2に配置されている。ここでは、移載対象箇所3は、第1経路R1に対して第2方向第2側Y2の領域において、第1方向Xに並ぶように複数配置されている。
図2に示す例では、第1経路R1に対して第2方向第2側Y2の領域における、第5経路R5、第6経路R6、及び第7経路R7(ここでは、2つの第7経路R7)に対応する第1方向Xの位置のそれぞれに、移載対象箇所3が配置されている。第1経路R1に対して第2方向第2側Y2の移載対象箇所3に配置された基準地点Pは、第1経路R1に配置された基準地点Pに対して、第2方向第2側Y2に隣り合うように配置されている。そして、搬送車1は、第2方向Yに隣り合うこれら2つの基準地点Pを繋ぐ経路を通って、移載対象箇所3に進入し、移載対象箇所3から退出する。
【0031】
本実施形態では、移載対象箇所3が、第4経路R4に対して第2方向第1側Y1に配置されている。ここでは、移載対象箇所3は、第4経路R4に対して第2方向第1側Y1の領域において、第1方向Xに並ぶように複数配置されている。
図2に示す例では、第4経路R4に対して第2方向第1側Y1の領域における、第5経路R5、第6経路R6、及び第7経路R7(ここでは、2つの第7経路R7)に対応する第1方向Xの位置のそれぞれに、移載対象箇所3が配置されている。第4経路R4に対して第2方向第1側Y1の移載対象箇所3に配置された基準地点Pは、第4経路R4に配置された基準地点Pに対して、第2方向第1側Y1に隣り合うように配置されている。そして、搬送車1は、第2方向Yに隣り合うこれら2つの基準地点Pを繋ぐ経路を通って、移載対象箇所3に進入し、移載対象箇所3から退出する。
【0032】
図2に示すように、走行面11における第2経路R2、第3経路R3、第5経路R5、及び第6経路R6の4つの経路に囲まれた領域である対象領域Tに、搬送車1を待機させるための待機領域Wが形成されている。待機領域Wは、当該待機領域Wに待機する搬送車1及びそれに支持された物品2が、上記4つの経路を走行する搬送車1及びそれに支持された物品2と干渉しないように形成されている。
図2に示す例では、待機領域Wには、2台の搬送車1を第1方向Xに並べて待機させることができる。本例では、搬送車1は、物品2を支持した状態で、待機領域Wで待機する。
【0033】
第7経路R7は、待機領域Wを通って第2経路R2と第3経路R3とを接続するように、第2方向第1側Y1又は第2方向第2側Y2へ向かう経路であり、第8経路R8は、待機領域Wを通って第5経路R5と第6経路R6とを接続するように、第1方向第1側X1又は第1方向第2側X2へ向かう経路である。そして、第7経路R7と第8経路R8とが交差する地点(
図2に示す例では、2つの地点)が、待機領域Wにおける搬送車1の待機場所となっている。
【0034】
図2に示す例では、第2方向第1側Y1へ向かう第7経路R7と、第2方向第2側Y2へ向かう第7経路R7と、第1方向第1側X1へ向かう第8経路R8とが形成可能とされている。また、
図2に示す例では、第7経路R7は、第2経路R2との接続部から更に第1経路R1まで延びていると共に、第3経路R3との接続部から更に第4経路R4まで延びている。図示は省略するが、第8経路R8は、第5経路R5や第6経路R6との接続部から更に第1方向Xに延びていてもよい。
【0035】
移載対象箇所3は、第1方向Xにおける複数の位置にそれぞれ配置されている。本実施形態では、移載対象箇所3は、第1経路R1に対して第2方向第2側Y2の領域と、第4経路R4に対して第2方向第1側Y1の領域とのそれぞれにおいて、第1方向Xに並ぶように複数配置されている。そして、搬送車1は、目的地となる移載対象箇所3に進入することができずに待機する場合(例えば、当該移載対象箇所3に別の搬送車1が存在する場合)に、当該移載対象箇所3により近い待機領域Wを優先的に待機場所として選択する。具体的には、搬送車1は、他の搬送車1が待機していない待機領域Wの中で、目的地となる移載対象箇所3に最も近い待機領域Wを待機場所として選択する。ここで、移載対象箇所3に近いとは、待機領域Wから当該移載対象箇所3までの走行経路Rの長さが短いことを意味する。また、待機領域Wに複数の待機場所が含まれる場合には、搬送車1は、移載対象箇所3により近い待機場所を優先的に選択する。
【0036】
図1に示す例では、3つの待機領域Wである第1待機領域W1、第2待機領域W2、及び第3待機領域W3が形成されている。そして、互いに異なる3つの移載対象箇所3を第1移載対象箇所31、第2移載対象箇所32、及び第3移載対象箇所33として、
図1に例示する走行経路Rは、第1移載対象箇所31に進入することが可能になるまで、第1移載対象箇所31に最も近い待機領域Wである第1待機領域W1で待機し、第2移載対象箇所32に進入することが可能になるまで、第2移載対象箇所32に最も近い待機領域Wである第2待機領域W2で待機し、更に、第3移載対象箇所33に進入することが可能になるまで、第3移載対象箇所33に最も近い待機領域Wである第3待機領域W3で待機する場合の走行経路である。
【0037】
ここで、第1経路R1、第4経路R4、第5経路R5、及び第6経路R6の4つの経路に囲まれた領域を「単位領域」とする。単位領域は、
図2に示す領域と概ね一致する領域であり、対象領域Tを第1経路R1の配置位置まで第2方向第2側Y2に拡大すると共に第4経路R4の配置位置まで第2方向第1側Y1に拡大した領域である。
図1に示す例では、複数の単位領域(ここでは、3つの単位領域)が、平面視(走行面11に直交する方向視)で同一直線上に並ぶように配置されている。この直線は、
図1を符号が読める向きで見た場合の図中左右に延びる直線である。そして、単位領域毎に第1方向X及び第2方向Yを定義することができ、
図1に示す例では、複数の単位領域の間で第1方向Xの向きが一致し、複数の単位領域の間で第2方向Yの向きが一致している。
【0038】
このように、
図1に示す例では、複数の単位領域が、平面視で同一直線上に並ぶように配置されているが、複数の単位領域が、平面視で曲線上又は折れ線上に並ぶように配置される構成とすることもできる。この場合、第1経路R1、第2経路R2、第3経路R3、及び第4経路R4は、平面視で当該曲線又は当該折れ線に沿うように形成され、複数の単位領域の間で第1方向Xの向きが異なり得る(第2方向Yについても同様)。例えば、複数の単位領域が、平面視で90度に折れ曲がるL字の折れ線上に並ぶように配置される構成とすることができる。この場合、L字の一辺に配置される単位領域を第1単位領域とし、L字の他辺に配置される単位領域を第2単位領域として、第1単位領域の第1方向Xは第2単位領域の第2方向Yと一致し、第1単位領域の第2方向Yは第2単位領域の第1方向Xと一致する。
【0039】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1方向Xに並ぶ2つの第7経路R7と、1つの第8経路R8とが形成可能であり、第7経路R7と第8経路R8とが交差する地点の数(言い換えれば、待機領域Wにおける搬送車1の待機場所の数)が「2」である構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば
図3に示す例のように、第7経路R7と第8経路R8とが交差する地点の数が「2」以外となる構成とすることもできる。
図3に示す例では、第1方向Xに並ぶ4つの第7経路R7と、第2方向Yに並ぶ2つの第8経路R8とが形成可能であり、第7経路R7と第8経路R8とが交差する地点の数が「8」となっている。
【0040】
(2)上記の実施形態では、第7経路R7が第2方向第1側Y1又は第2方向第2側Y2へ向かう経路であり、第8経路R8が第1方向第1側X1又は第1方向第2側X2へ向かう経路である構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第7経路R7は、第2方向Yに延びる経路であればよく、第7経路R7が、第2方向第1側Y1へ向かう区間と第2方向第2側Y2へ向かう区間とを備える構成とすることもできる。また、第8経路R8は、第1方向Xに延びる経路であればよく、第8経路R8が、第1方向第1側X1へ向かう区間と第1方向第2側X2へ向かう区間とを備える構成とすることもできる。
【0041】
(3)上記の実施形態では、移載対象箇所3が、第1経路R1、第2経路R2、第3経路R3、及び第4経路R4の4つの経路に対して、第2方向Yの両側に配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、移載対象箇所3が、これら4つの経路に対して第2方向Yの一方側にのみ配置される構成とすることもできる。
【0042】
(4)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0043】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した搬送設備の概要について説明する。
【0044】
複数の基準地点の群である基準地点群が設定された走行領域と、前記基準地点群に含まれる複数の前記基準地点を繋ぐように設定される走行経路を走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた搬送設備であって、前記走行領域における前記搬送車の走行面に沿う方向のうち特定の方向を第1方向とし、前記走行面に沿う方向のうち前記第1方向に交差する方向を第2方向とし、前記第1方向の一方側を第1方向第1側とし、前記第1方向の他方側を第1方向第2側とし、前記第2方向の一方側を第2方向第1側とし、前記第2方向の他方側を第2方向第2側として、前記基準地点群を構成する複数の前記基準地点は、前記走行経路として、第1経路、第2経路、第3経路、第4経路、第5経路、及び第6経路を設定可能に配置され、前記第1経路は、前記第1方向第1側へ向かう経路であり、前記第2経路は、前記第1経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第1側へ向かう経路であり、前記第3経路は、前記第2経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第2側へ向かう経路であり、前記第4経路は、前記第3経路に対して前記第2方向第1側において、前記第1方向第2側へ向かう経路であり、前記第5経路は、前記第2経路及び前記第3経路と交差して前記第1経路と前記第4経路とを接続するように、前記第2方向第1側へ向かう経路であり、前記第6経路は、前記第5経路とは前記第1方向の異なる位置において、前記第2経路及び前記第3経路と交差して前記第1経路と前記第4経路とを接続するように、前記第2方向第2側へ向かう経路であり、前記走行面における前記第2経路、前記第3経路、前記第5経路、及び前記第6経路の4つの経路に囲まれた領域に、前記搬送車を待機させるための待機領域が形成される。
【0045】
本構成によれば、基準地点群を構成する複数の基準地点によって、第1方向第1側へ向かう2つの経路(具体的には、第1経路及び第2経路)を設定できると共に、これとは反対側の第1方向第2側へ向かう2つの経路(具体的には、第3経路及び第4経路)を設定することができ、更に、これら4つの経路を接続するように第2方向の互いに反対側へ向かう2つの経路(具体的には、第5経路及び第6経路)を、第1方向の互いに異なる位置に設定することができる。このように、第1方向の両側及び第2方向の両側へ向かう経路を、互いに直接的又は間接的に接続されるように形成することができるため、搬送車の目的地となる箇所まで延びる走行経路を適切に形成しやすい。
【0046】
そして、本構成によれば、走行面における第2経路、第3経路、第5経路、及び第6経路の4つの経路に囲まれた領域に、搬送車を待機させるための待機領域が形成される。このように形成される待機領域に搬送車を待機させることで、これら4つの経路を走行する搬送車と干渉しないように、搬送車を待機させることができる。これにより、他の搬送車の走行に与える影響を小さく抑えつつ、搬送車を待機させることが可能となっている。
【0047】
ここで、前記基準地点群を構成する複数の前記基準地点は、前記走行経路として、第7経路と第8経路との少なくとも一方を設定可能に配置され、前記第7経路は、前記待機領域を通って前記第2経路と前記第3経路とを接続するように、前記第2方向第1側又は前記第2方向第2側へ向かう経路であり、前記第8経路は、前記待機領域を通って前記第5経路と前記第6経路とを接続するように、前記第1方向第1側又は前記第1方向第2側へ向かう経路であると好適である。
【0048】
本構成によれば、搬送車を待機領域に待機させる場合に、第7経路と第8経路との少なくとも一方を利用して、待機領域を通る走行経路を適切に形成することができる。なお、第7経路は、第5経路及び第6経路と同様に、第2方向のいずれか一方側へ向かう経路であり、第8経路は、第1経路、第2経路、第3経路、及び第4経路と同様に、第1方向のいずれか一方側へ向かう経路である。そのため、基準地点群を構成する複数の基準地点の配置態様や搬送車の走行制御の態様を大きく変えることなく、待機領域を通る走行経路を形成可能な搬送設備を実現できる。
【0049】
また、前記搬送車を移載元又は移載先とする前記物品の移載が行われる移載対象箇所を備え、前記移載対象箇所は、前記第1方向における複数の位置にそれぞれ配置され、前記搬送車は、目的地となる前記移載対象箇所に進入することができずに待機する場合に、当該移載対象箇所により近い前記待機領域を優先的に待機場所として選択すると好適である。
【0050】
本構成によれば、進入可能な状態となった移載対象箇所に搬送車が到達するまでの時間を短く抑えられるように、当該搬送車を待機させる待機領域を選択することができる。よって、物品の搬送効率の向上を図ることができる。
【0051】
上記の構成において、前記移載対象箇所は、前記第1経路に対して前記第2方向第2側の領域と、前記第4経路に対して前記第2方向第1側の領域とのそれぞれにおいて、前記第1方向に並ぶように複数配置されていると好適である。
【0052】
本構成によれば、第1経路及び第4経路を、移載対象箇所にアクセスするための経路として利用しつつ、第2経路及び第3経路を、移載対象箇所にアクセスする搬送車等を追い越すための経路として利用することができる。よって、複数の搬送車を円滑に走行させやすく、設備全体での物品の搬送効率を向上させやすい。
【0053】
本開示に係る搬送設備は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0054】
1:搬送車
2:物品
3:移載対象箇所
10:走行領域
11:走行面
100:搬送設備
P:基準地点
PG:基準地点群
R:走行経路
R1:第1経路
R2:第2経路
R3:第3経路
R4:第4経路
R5:第5経路
R6:第6経路
R7:第7経路
R8:第8経路
T:対象領域(走行面における第2経路、第3経路、第5経路、及び第6経路の4つの経路に囲まれた領域)
W:待機領域
X:第1方向
X1:第1方向第1側
X2:第1方向第2側
Y:第2方向
Y1:第2方向第1側
Y2:第2方向第2側