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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062780
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240501BHJP
【FI】
H01L21/60 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170856
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高石 竜勢
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044AA14
5F044DD01
5F044DD02
(57)【要約】
【課題】半導体装置の特性変動を抑制する。
【解決手段】ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2と重ね合わせることで、ボンディング領域BRを特定する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)主面、前記主面上に形成されたパッド、および、前記主面上に形成された絶縁膜、を有する半導体チップを準備する工程;
(b)前記(a)工程の後、前記絶縁膜に形成された開口部内において露出する前記パッドの一部において、ボンディング領域を特定する工程;
(c)前記(b)工程の後、前記パッドの前記ボンディング領域にボンディングワイヤを接続する工程、
ここで、
前記パッドの平面形状は、第1辺と、前記第1辺と交差する第2辺と、を備える四角形から成り、
前記開口部の平面形状は、第1辺と、前記第1辺と交差する第2辺と、を備える四角形から成り、
前記パッドの前記第1辺または前記開口部の前記第1辺には、さらに、第1目印が設けられており、
前記パッドの前記第2辺または前記開口部の前記第2辺には、さらに、第2目印が設けられており、
前記第1目印は、前記第1辺の第1位置において前記第1辺と直交する第1線分を有し、
前記第2目印は、前記第2辺の第1位置において前記第2辺と直交する第1線分を有し、
前記(b)工程では、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線を前記第1目印の前記第1線分と重ね合わせ、且つ、前記十字線を構成する縦線を前記第2目印の前記第1線分と重ね合わせることで、前記ボンディング領域を特定する。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程では、前記ワイヤボンディング装置が、前記横線を前記第1目印の前記第1線分と重ね合わせ、且つ、前記縦線を前記第2目印の前記第1線分と重ね合わせることで、前記ボンディング領域を特定する。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1目印は、前記第1目印の前記第1線分と交差し、且つ、前記第1辺に沿って延びる第2線分を有し、
前記第2目印は、前記第2目印の前記第1線分と交差し、且つ、前記第2辺に沿って延びる第2線分を有する。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記絶縁膜は、
前記主面上に形成された無機絶縁膜と、
前記無機絶縁膜上に形成された有機絶縁膜と、
から成り、
前記開口部は、
前記無機絶縁膜に形成された第1開口部と、
前記有機絶縁膜に形成された第2開口部と、
から成り、
前記第1目印は、前記第1開口部の前記第1辺に設けられており、
前記第2目印は、前記第1開口部の前記第2辺に設けられている。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1辺の前記第1位置は、前記第1辺の中心であり、
前記第2辺の前記第1位置は、前記第2辺の中心である。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記パッドは、さらに、前記パッドの前記第1辺と交差し、且つ、前記パッドの前記第2辺と対向する第3辺を有し、
前記開口部は、さらに、前記開口部の前記第1辺と交差し、且つ、前記開口部の前記第2辺と対向する第3辺を有し、
前記パッドまたは前記開口部の前記第3辺には、さらに、第3目印が設けられており、
前記第3目印は、前記第3辺の第1位置において前記第3辺と直交する第1線分を有し、
前記(b)工程では、前記横線を前記第1目印の前記第1線分と重ね合わせ、且つ、前記縦線を前記第2目印の前記第1線分および前記第3目印の前記第1線分と重ね合わせることで、前記ボンディング領域を特定する。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記パッドまたは前記開口部には、前記第1目印および前記第2目印の他に段差パターンが形成されており、
前記パッドまたは前記開口部は、前記(b)工程に先立って前記パッドおよび前記開口部が形成された半導体チップを認識する工程において、前記半導体チップを認識するための認識パターンとなる。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体チップは、
パワーMOSFETまたはIGBTからなるパワートランジスタと、
前記パワートランジスタを流れる電流を検出するためのセンストランジスタと、
を有し、
前記パッドは、前記パワーMOSFETのソースパッドあるいは前記IGBTのエミッタパッドである。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1目印および前記第2目印のそれぞれは、凸部または凹部から構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、例えば、ボンディングワイヤを有する半導体装置の製造方法に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平2-90634号公報(特許文献1)には、ワイヤボンダの位置決めクロスマークに対応して、スリットまたは突起からなる位置合わせマークを有するボンディングパッドを備える半導体装置に関する技術が記載されている。
【0003】
特開2000-12603号公報(特許文献2)には、ボンディングパッドに対して、ボンディングパッドの中心を視覚的に認識させる形状を付与する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2-90634号公報
【特許文献2】特開2000-12603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、半導体チップの表面に形成されたパッドにボンディングワイヤを接続する構成を有する半導体装置がある。この半導体装置では、ボンディングワイヤを接続するボンディング位置の位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制するため、ボンディングワイヤを接続するパッドのボンディング領域を正確に特定することが要求される。すなわち、ボンディングワイヤを有する半導体装置では、ボンディングワイヤを接続するパッドのボンディング領域を正確に特定することができる工夫が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態における半導体装置の製造方法は、(a)主面、主面上に形成されたパッド、および、主面上に形成された絶縁膜、を有する半導体チップを準備する工程、(b)(a)工程の後、絶縁膜に形成された開口部内において露出するパッドの一部において、ボンディング領域を特定する工程、(c)(b)工程の後、パッドのボンディング領域にボンディングワイヤを接続する工程、を備える。
【0007】
ここで、パッドの平面形状は、第1辺と、第1辺と交差する第2辺と、を備える四角形から成り、開口部の平面形状は、第1辺と、第1辺と交差する第2辺と、を備える四角形から成る。そして、パッドの第1辺または開口部の第1辺には、さらに、第1目印が設けられており、パッドの第2辺または開口部の第2辺には、さらに、第2目印が設けられている。このとき、第1目印は、第1辺の第1位置において第1辺と直交する第1線分を有し、第2目印は、第2辺の第1位置において第2辺と直交する第1線分を有する。
【0008】
ここで、(b)工程では、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線を第1目印の第1線分と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線を第2目印の第1線分と重ね合わせることで、ボンディング領域を特定する。
【発明の効果】
【0009】
一実施の形態によれば、ボンディングワイヤを接続するボンディング位置の位置ずれを抑制できる結果、位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】パワートランジスタおよびパワートランジスタを制御する制御回路を含む半導体装置の回路構成を示す図である。
図2】封止体を透視したパッケージ構造体の側面図である。
図3】封止体を透視したパッケージ構造体の上面図である。
図4】パッケージ構造体の下面図である。
図5】パッケージ構造体の組立工程を説明するフローチャートである。
図6】ワイヤボンディング工程の詳細を説明するフローチャートである。
図7】関連技術における「ティーチング」を説明する図である。
図8】基本思想を説明する図である。
図9】回転ずれを考慮した場合の基本思想を説明する図である。
図10】パッド構造を示す断面図である。
図11】具現化態様において、(a)は、パッドの平面形状を示す図であり、(b)は、カバー膜に形成された第1開口部の平面形状を示す図であり、(c)は、有機絶縁膜に形成された第2開口部の平面形状を示す図である。
図12】変形例1におけるパッド構造を示す平面図である。
図13】変形例2におけるパッド構造を示す図であり、(a)は、パッドの平面形状を示す図であり、(b)は、カバー膜に形成された第1開口部の平面形状を示す図であり、(c)は、有機絶縁膜に形成された第2開口部の平面形状を示す図である。
図14】変形例3におけるパッド構造を示す図であり、(a)は、パッドの平面形状を示す図であり、(b)は、カバー膜に形成された第1開口部の平面形状を示す図であり、(c)は、有機絶縁膜に形成された第2開口部の平面形状を示す図である。
図15】変形例4におけるパッド構造を示す図であり、(a)は、パッドの平面形状を示す図であり、(b)は、カバー膜に形成された第1開口部の平面形状を示す図であり、(c)は、有機絶縁膜に形成された第2開口部の平面形状を示す図である。
図16】ワイヤボンディング装置の概略構成を示すブロック図である。
図17】ティーチング部の構成を示すブロック図である。
図18】ワイヤボンディング装置の動作を説明するフローチャートである。
図19】(a)は、関連技術におけるボンディング位置の位置ずれ量と頻度との関係を示すグラフであり、(b)は、実施の形態におけるボンディング位置の位置ずれ量と頻度との関係を示すグラフである。
図20】変形例5におけるパッド構造を示す平面図である。
図21】変形例6におけるパッド構造を説明する平面図である。
図22】変形例7におけるパッド構造を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0012】
<パワートランジスタおよび制御回路の構成>
図1は、パワートランジスタおよびパワートランジスタを制御する制御回路を含む半導体装置SA1の回路構成を示す図である。ここで、パワートランジスタは、例えば、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。
【0013】
図1において、半導体装置SA1は、スイッチング回路100と制御回路200とを有しており、スイッチング回路100は、パワートランジスタからなるメイントランジスタ10と、センストランジスタ20と、温度センサ30とを有している。
【0014】
このように構成されているスイッチング回路100において、メイントランジスタ10は、電源電位を供給する電源端子であるリードLD4と出力端子であるリードLD1(リードLD7)との間に設けられており、電源端子と出力端子との間を流れる電流のオン/オフを行うためのスイッチング素子として機能する。一方、センストランジスタ20は、メイントランジスタ10を流れる電流の電流値を検出する機能を有し、温度センサ30は、スイッチング回路100の温度を検出する機能を有している。
【0015】
続いて、制御回路200は、スイッチング回路100を制御する機能を有し、例えば、メイントランジスタ10のゲート電極やセンストランジスタ20のゲート電極にゲート電圧を印加するプリドライバを含んでいる。そして、図1において、制御回路200は、半導体装置SA1の入力端子であるリードLD3およびリードLD6、グランド端子であるリードLD2、制御回路200からの出力を半導体装置SA1の外部に出力するための出力端子であるリードLD5と電気的に接続されている。
【0016】
制御回路200は、リードLD3から入力される制御信号に基づいて、スイッチング回路100に含まれるメイントランジスタ10のオン/オフを制御するように構成されている。すなわち、制御回路200は、メイントランジスタ10のゲート電極に印加されるゲート電圧を切り替えることにより、メイントランジスタ10のオン/オフを制御する。
【0017】
このようにして、メイントランジスタ10のオン/オフ制御によって、メイントランジスタ10のソースと電気的に接続された出力端子であるリードLD1から半導体装置SA1の外部に接続される負荷に供給される電流を制御することができる。
【0018】
このようにして、半導体装置SA1が回路構成されている。
【0019】
<半導体装置の構成>
次に、半導体装置SA1の実装構成の一例について説明する。
【0020】
図2は封止体MRを透視したパッケージ構造体PKGの側面図である。
【0021】
図2に示すように、パッケージ構造体PKGは、チップ搭載部であるダイパッドDPを有し、このダイパッドDP上に半田や銀ペーストを原料とする導電性接着材40を介して半導体チップCHP1が搭載されている。この半導体チップCHP1には、パワートランジスタが形成されている。そして、半導体チップCHP1上には、絶縁性接着材50を介して半導体チップCHP2が搭載されている。この半導体チップCHP2には、パワートランジスタを制御する制御回路が形成されている。また、半導体チップCHP1の表面に形成されているソースパッド(図示せず)とリードLD7とがボンディングワイヤW2で接続されている。そして、少なくとも、ダイパッドDP上に搭載されている半導体チップCHP1、半導体チップCHP1上に搭載されている半導体チップCHP2およびボンディングワイヤW2は、封止体MRで覆われている。
【0022】
次に、図3は封止体MRを透視したパッケージ構造体PKGの上面図である。
【0023】
図3に示すように、半導体チップCHP1の表面は、ソースパッドSP1が形成されている第1領域と、ソースパッドSP2が形成されている第2領域と、平面視において第1領域と第2領域で挟まれた第3領域を有しており、第3領域には、絶縁性接着材(図示せず)を介して半導体チップCHP2が搭載されている。
【0024】
そして、ソースパッドSP1は、ボンディングワイヤW1を介してリードLD1と接続されている。一方、ソースパッドSP2は、ボンディングワイヤW2を介してリードLD2と接続されている。さらに、半導体チップCHP1には、複数のパッドPD3が形成されている一方、半導体チップCHP2には、複数のパッドPD4および複数のパッドPD5が形成されている。このとき、複数のパッドPD3のそれぞれは、ボンディングワイヤW3を介して複数のパッドPD4のそれぞれと接続されており、複数のパッドPD5のそれぞれは、ボンディングワイヤW4を介してリードLD2、リードLD3、リードLD5またはリードLD6と接続されている。また、ダイパッドDPは、リードLD4と接続されている。ここで、ボンディングワイヤW1およびボンディングワイヤW2の幅(および径)は、ボンディングワイヤW3およびボンディングワイヤW4の幅(および径)よりも太くなっている。
【0025】
続いて、図4はパッケージ構造体PKGの下面図である。
【0026】
図4に示すように、封止体MRの裏面からは、ダイパッドDPの下面の一部分が露出しているとともに、封止体MRからは、リードLD1~リードLD7のそれぞれのアウタリード部が突出している。以上のようにして、パッケージ構造体PKGが構成されている。
【0027】
<半導体装置の製造方法>
次に、パッケージ構造体PKG1(半導体装置)の組立工程について説明する。
【0028】
図5は、パッケージ構造体PKG1の組立工程を説明するフローチャートである。
【0029】
まず、ダイパッドDPと、リードLDとを有するリードフレームを用意する(S101)。また、主面、主面上に形成されたパッド、および、主面上に形成された絶縁膜、を有する半導体チップCHP1を準備する。同様に、主面、主面上に形成されたパッド、および、主面上に形成された絶縁膜、を有する半導体チップCHP2を準備する(S102)。
【0030】
そして、パワートランジスタが形成された半導体チップCHP1をダイパッドDP上に搭載する。具体的には、ダイパッドDP上に半田や銀ペーストなどからなる導電性接着材40を塗布した後、この導電性接着材40を介して、ダイパッドDP上に半導体チップCHP1を搭載する(S103)。
【0031】
次に、制御回路が形成された半導体チップCHP2を半導体チップCHP1上に搭載する。具体的には、半導体チップCHP1のソースパッドSP1が形成されている第1領域と、半導体チップCHP1のソースパッドSP2が形成されている第2領域とに挟まれた第3領域に絶縁性接着材を配置した後、この絶縁性接着材を介して、第1半導体チップ上に第2半導体チップを搭載する(S104)。
【0032】
その後、半導体チップCHP1に形成されているソースパッドSP1と、リードLD1とをボンディングワイヤW1で接続するとともに、半導体チップCHP1に形成されているソースパッドSP2と、リードLD7とをボンディングワイヤW2で接続する。さらに、半導体チップCHP1に形成されているパッドPD3と、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD4をボンディングワイヤW3で接続するとともに、半導体チップCHP2に形成されているパッドPD5と、リードLD(リードLD2、リードLD3、リードLD5、リードLD6)とをボンディングワイヤW4で接続する(S105)。
【0033】
続いて、樹脂封止(モールド)を行うことにより封止体MRを形成する(S106)。そして、封止体MRから露出しているリードLDのアウタリード部に必要に応じてめっき層を形成する。次に、封止体MRの外部において、リードLDを所定の位置で切断することにより、封止体MRをリードフレームのフレーム枠から分離する。続いて、封止体MRから突出するリードLDのアウタリード部を折り曲げ加工する。以上のようにして、パッケージ構造体PKG1を製造することができる。
【0034】
<ワイヤボンディング工程>
ここで、ワイヤボンディング工程に着目する。
【0035】
図6は、ワイヤボンディング工程の詳細を説明するフローチャートである。
【0036】
図6において、ワイヤボンディング工程では、まず、ワイヤボンディング装置に備わるカメラ(撮像部)によって、半導体チップに存在するユニークパターンを認識することにより、半導体チップを認識する(S201)。次に、ユニークパターンを原点として、予め取得しているパッドの座標データに基づいて、半導体チップに形成されているパッドの位置を特定する(S202)。その後、絶縁膜に形成された開口部内において露出するパッドの一部において、ボンディングワイヤを接続するためのボンディング領域を特定する工程が実施される(S203)。このボンディング領域を特定する工程は、「ティーチング」と呼ばれる。この「ティーチング」は、ボンディングワイヤを接続するボンディング位置の位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制する観点から、ボンディングワイヤを接続するパッドのボンディング領域を正確に特定するために行われる。続いて、「ティーチング」によって特定した情報に基づいて、パッドのボンディング領域に、ワイヤボンディング装置のボンディングツールを用いてボンディングワイヤを接続する工程が実施される(S202)。このようにして、ワイヤボンディング工程が実施されることになる。
【0037】
このとき、ボンディング位置の位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制するためには、「ティーチング」によって、パッドのボンディング領域を正確に特定することが重要である。この点に関し、本発明者の検討によると、現状の「ティーチング」では、パッドのボンディング領域を正確に特定する観点から改善の余地が存在することが明らかとなった。そこで、以下では、「ティーチング」に関する関連技術について説明した後、関連技術に存在する改善の余地について説明する。
【0038】
<関連技術の説明>
本明細書でいう「関連技術」とは、公知技術ではないが、本発明者が見出した課題を有する技術であって、本願発明の前提となる技術である。
【0039】
図7は、関連技術における「ティーチング」を説明する図である。
【0040】
図7において、まず、パッドPDがカメラの直下に配置されるように、パッドPDを有する半導体装置をワイヤボンディング装置のボンドステージ上に搬送する。これにより、ワイヤボンディング装置に備わるモニタにカメラで撮像したパッドPDの画像が表示される。図7では、モニタに表示されたパッドPDの画像が示されている。例えば、パッドPDの平面形状は長辺と短辺を有する長方形形状であり、長辺の長さは1000μm程度である一方、短辺の長さは600μm程度である。
【0041】
次に、作業者は、モニタに表示される画像を見ながら、画像の中心にボンディング領域BRが来るようにカメラを動かして、目視による位置調整を行った後、ボンディング領域BRを特定する。具体的には、図7に示すように、モニタには、横線500Aと縦線500Bからなる十字線が表示されており、この十字線に基づいて、ボンディング領域BRを特定している。詳細には、横線500Aおよび縦線500Bのそれぞれには、所定間隔で目盛が振ってあり、十字線の中心をパッドPDの中心付近に移動させて、十字線の中心から上下左右のパッドPDのそれぞれの辺までの目盛数が同じになるように十字線の中心位置を調整している。例えば、十字線を構成する横線500Aおよび縦線500Bのそれぞれに振ってある目盛の間隔は、約100μm程度である。
【0042】
このようにして、関連技術における「ティーチング」が実施される。
【0043】
<改善の余地>
ところが、ボンディングワイヤを接続するパッドPDの寸法(幅や長さ)は、半導体装置の種類によって様々である。この結果、パッドPDの寸法が、使用するワイヤボンディング装置の十字線を構成する横線500Aおよび縦線500Bのそれぞれに振られている目盛間隔の整数倍にならない場合がある。このような場合には、作業者が「1目盛×整数+α目盛(αは小数)」分を目視で確認して、十字線の交点とパッドPDの中心との位置合わせを行うことになる。このとき、作業者の目視では、「1目盛×整数+α目盛」分を十字線の中心から上下左右のパッドPDのそれぞれの辺まで同じになるように十字線の中心位置を正確に調整することは困難である。このため、関連技術では、例えば、1目盛の約10%程度(数十μm程度)のずれがボンディング領域BRを特定する際に生じる。
【0044】
したがって、関連技術における「ティーチング」では、ボンディング位置の位置ずれに起因する半導体装置の特性変動が顕在化するおそれがある。特に、例えば、センストランジスを備える半導体装置のソースパッドにボンディングワイヤを接続することを想定している場合、ボンディング位置の位置ずれによって、センストランジスタによる電流検出精度が大きく変動する。このため、センストランジスタを備える半導体装置では、センストランジスタによる電流検出精度を確保する観点から、ボンディング位置の位置ずれを関連技術よりも小さくする改善が必要である。
【0045】
そこで、本実施の形態では、関連技術に存在する改善の余地を克服するための工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想を説明する。
【0046】
<実施の形態における基本思想>
基本思想は、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線および縦線のそれぞれに振られた目盛に頼ることなく、十字線を構成する横線を第1目印に重ね合わせる一方、十字線を構成する縦線を第2目印に重ね合わせることにより必然的に自動調整された十字線の交点に基づいて、ボンディング領域を特定する思想である。
【0047】
より具体的に基本思想を説明すると、本実施の形態における基本思想は、パッドまたはパッドの一部を露出する絶縁膜に形成された開口部のいずれかを構成し、且つ、互いに交差する2つの辺のそれぞれに目印を設ける。この前提のもと、2つの辺のうちの一方の辺に設けられた第1目印の一部を構成する線分にワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線を重ね合わせる一方、2つの辺のうちの他方の辺に設けられた第2目印の一部を構成する線分に、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する縦線を重ね合わせることにより、ボンディング領域を特定する思想である。
【0048】
さらに詳細に基本思想を説明すると、本実施の形態における基本思想は、絶縁膜に形成された開口部内において露出するパッドにおいて、平面形状が四角形からなるパッドまたは平面形状が四角形からなる開口部の第1辺に第1目印が設けられており、かつ、パッドまたは開口部の第1辺と交差する第2辺に第2目印が設けられていることを前提とする。また、基本思想は、第1目印が第1辺の第1位置において第1辺と直交する第1線分を有し、かつ、第2目印が第2辺の第1位置において第2辺と直交する第1線分を有することを前提とする。これらの前提のもと、本実施の形態における基本思想は、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線を第1目印の第1線分と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線を第2目印の第1線分と重ね合わせることで、ボンディング領域を特定する思想である。
【0049】
以下では、この基本思想を図面に基づいて説明する。
【0050】
図8は、基本思想を説明する図である。
【0051】
図8では、ワイヤボンディング装置のモニタに表示された基本思想におけるパッドまたは絶縁膜に形成された開口部の画像が示されている。具体的に、図8には、平面形状が四角形からなるパッドまたは平面形状が四角形からなる開口部が示されている。そして、パッドまたは開口部は、パッドまたは開口部の第1辺S1と、第1辺S1と交差するパッドまたは開口部の第2辺S2が示されている。ここで、第1辺S1には、凸部を構成する第1目印MK1が設けられている一方、第2辺S2には、凸部を構成する第2目印MK2が設けられている。このとき、第1目印MK1は、第1辺S1の第1位置(中点)において第1辺S1と直交する第1線分LS1(辺)を有している。また、第2目印MK2は、第2辺S2の第1位置(中点)において第2辺S2と直交する第1線分LS2(辺)を有している。
【0052】
さらに、図8には、横線500Aと縦線500Bを有する十字線も表示されている。
【0053】
ここで、図8に示すように、基本思想では、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2と重ね合わせることで、ボンディング領域BRを特定する。
【0054】
これにより、基本思想によれば、十字線を構成する横線500Aおよび縦線500Bのそれぞれに振られた目盛に頼ることなく、十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1に重ね合わせる一方、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2に重ね合わせるだけで、必然的に十字線の交点がパッドまたは絶縁膜に形成された開口部の中央領域に位置することになる。
【0055】
この結果、基本思想によれば、ボンディングワイヤを接続するパッドのボンディング領域を正確に特定することができる。したがって、基本思想によれば、ボンディング位置の位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制することができる。
【0056】
特に、例えば、センストランジスを備える半導体装置のソースパッドにボンディングワイヤを接続する場合、ボンディング位置の位置ずれが生じると、センストランジスタによる電流検出精度が大きく変動する。この点に関し、基本思想によれば、ボンディング領域を正確に特定できる結果、ボンディング位置の位置ずれを小さくできるため、センストランジスタによる電流検出精度を確保できる。
【0057】
なお、基本思想を実現するにあたっては、パッドまたは開口部を構成する4つの辺のうちの少なくとも互いに交差する2つの辺に目印が設けられていればよい。ただし、パッドまたは開口部の回転ずれ(シータずれ)の補正も考慮する場合には、例えば、図9に示すように、パッドまたは開口部を構成する4つの辺のうちの少なくとも3つの辺に目印が設けられている必要がある。具体的に、図9に示すように、パッドまたは開口部は、さらに、パッドまたは開口部の第1辺S1と交差し、且つ、パッドまたは開口部の第2辺S2と対向する第3辺S3を有し、パッドまたは開口部の第3辺S3には、さらに、第3目印MK3が設けられている。ここで、第3目印MK3は、第3辺S3の第1位置(中心)において第3辺S3と直交する第1線分LS3(辺)を有する。この場合の基本思想では、十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2および第3目印MK3の第1線分LS3と重ね合わせることで、ボンディング領域BRを特定する。これにより、パッドまたは開口部の回転ずれ(シータずれ)を補正することもできる。
【0058】
続いて、上述した基本思想を具現化した具現化態様について説明する。
【0059】
<具現化態様>
<<パッド断面構造>>
図10は、パッド構造を示す断面図である。
【0060】
半導体チップの主面MS上には、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるパッドPDと、パッドPDを覆うように形成された絶縁膜IFとが形成されている。そして、絶縁膜IFは、例えば、窒化シリコン膜に代表される無機絶縁膜からなるカバー膜CFと、例えば、ポリイミド樹脂膜に代表される有機絶縁膜OFの積層膜から構成されている。ここで、絶縁膜IFには、パッドPDの表面の一部を露出する開口部が形成されている。具体的に、絶縁膜IFを構成するカバー膜CFには、第1開口部OP1が形成されている一方、絶縁膜IFを構成する有機絶縁膜OFには、第2開口部OP2が形成されている。このとき、第2開口部OP2の開口サイズは、第1開口部OP1の開口サイズよりも大きくなっている。このようにしてパッド構造が構成されている。
【0061】
<<パッド平面構造>>
図11は、パッド構造を示す平面図である。特に、図11(a)は、パッドPDの平面形状を示す平面図であり、図11(b)は、カバー膜CFに形成された開口部OP1の平面形状を示す平面図であり、図11(c)は、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2の平面形状を示す平面図である。
【0062】
図11(a)に示すように、パッドPDの平面形状は、四角形形状をしている。次に、図11(b)に示すように、カバー膜CFに形成された開口部OP1の平面形状は、第1辺S1と、第1辺S1と交差する第2辺と、第1辺S1と交差し、かつ、第2辺と対向する第3辺S3と、第1辺S1と対向する第4辺S4と、を備える四角形形状をしている。そして、具現化態様では、開口部OP1の第1辺S1に第1目印MK1が設けられている一方、開口部OP1の第2辺S2に第2目印MK2が設けられている。また、具現化態様では、開口部OP1の第3辺S3に第3目印MK3が設けられている一方、開口部OP1の第4辺S4に第4目印MK4が設けられている。
【0063】
ここで、第1目印MK1は、第1辺S1の第1位置(中点)において第1辺S1と直交する第1線分LS1Aと、第1線分LS1Aと交差し、かつ、第1辺S1に沿って延びる第2線分LS1Bを有している。また、第2目印MK2は、第2辺S2の第1位置(中点)において第2辺S2と直交する第1線分LS2Aと、第1線分LS2Aと交差し、かつ、第2辺S2に沿って延びる第2線分LS2Bを有している。さらに、第3目印MK3は、第3辺S3の第1位置(中点)において第3辺S3と直交する第1線分LS3Aと、第1線分LS3Aと交差し、かつ、第3辺S3に沿って延びる第2線分LS3Bを有している。また、第4目印MK4は、第4辺S4の第1位置(中点)において第4辺S4と直交する第1線分LS4Aと、第1線分LS4Aと交差し、かつ、第4辺S4に沿って延びる第2線分LS4Bを有している。
【0064】
続いて、図11(c)に示すように、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2の平面形状は、四角形形状をしている。以上のようにして、パッド構造が構成されている。
【0065】
具現化態様では、図11(a)~図11(c)に示されるパッド構造に基づいて、基本思想で説明した「ティーチング」が実施される。
【0066】
すなわち、具現化態様では、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線を開口部OP1の第1辺S1に設けられた第1目印MK1の第1線分LS1Aと重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線を開口部OP1の第2辺S2に設けられた第2目印MK2の第1線分LS2Aと重ね合わせるとともに、横線を開口部OP1の第3辺S4に設けられた第4目印MK4の第1線分LS4Aと重ね合わせ、且つ、縦線を開口部OP1の第3辺S3に設けられた第3目印MK3の第1線分LS3Aと重ね合わせることで、ボンディング領域BRを特定する。
【0067】
ここで、具現化態様では、カバー膜CFに形成された開口部OP1に目印を設けているが、以下では、この理由について説明する。例えば、目印は、パッドPDに設けてもよい。しかしながら、パッドPDがアルミニウム膜やアルミニウム合金膜から構成されている場合、直角パターンを形成する精度が良くなく、直角形状がラウンド形状となってしまう。このことから、パッドPDに目印を設ける場合、目印を構成する線分の精度は高くない。また、目印は、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2に設けてもよい。しかしながら、有機絶縁膜(ポリイミド樹脂膜)OFに開口部OP2を形成する際のエッチングによる除去量(後退量)は、無機絶縁膜に開口部を形成する際のエッチングによる除去量(後退量)よりも大きくなり易い。このことから、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2に目印を設ける場合、目印の加工精度は高くない。したがって、目印の高い加工精度(すなわち、目印を構成する線分の高い精度)を考慮した場合は、具現化態様のように、カバー膜CFに形成された開口部OP1に目印を設けることが好ましい。
【0068】
<<変形例1>>
図12は、本変形例1におけるパッド構造を示す平面図である。
【0069】
図11(b)に示す具現化態様では、開口部OP1の中心を通る縦中心線に対して、第1目印MKL1と第4目印MK4を線対称に配置し、かつ、開口部OP1の中心を通る横中心線に対して、第2目印MK2と第3目印MK3を線対称に配置していたが、図12に示すように、開口部OP1の中心に対して、第1目印MK1と第4目印MK4を点対称に配置し、かつ、開口部OP1の中心に対して、第2目印MK2と第3目印MK3を点対称に配置してもよい。
【0070】
<<変形例2>>
図13は、本変形例2におけるパッド構造を示す平面図である。特に、図13(a)は、パッドPDの平面形状を示す平面図であり、図13(b)は、カバー膜CFに形成された開口部OP1の平面形状を示す平面図であり、図13(c)は、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2の平面形状を示す平面図である。
【0071】
図13(a)に示すように、本変形例2では、パッドPDに目印が設けられている。具体的に、パッドPDの平面形状は、第1辺S1Aと、第1辺S1Aと交差する第2辺S2Aと、第1辺S1Aと交差し、かつ、第2辺S2Aと対向する第3辺S3Aと、第1辺S1Aと対向する第4辺S4Aと、を備える四角形形状をしている。そして、本変形例2では、パッドPDの第1辺S1Aに第1目印MK1が設けられている一方、パッドPDの第2辺S2Aに第2目印MK2が設けられている。また、本変形例2では、パッドPDの第3辺S3Aに第3目印MK3が設けられている一方、パッドPDの第4辺S4Aに第4目印MK4が設けられている。このように、パッドPDに目印を設けてもよい。
【0072】
<<変形例3>>
図14は、本変形例3におけるパッド構造を示す平面図である。特に、図14(a)は、パッドPDの平面形状を示す平面図であり、図14(b)は、カバー膜CFに形成された開口部OP1の平面形状を示す平面図であり、図14(c)は、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2の平面形状を示す平面図である。
【0073】
図14(c)に示すように、本変形例3では、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2に目印が設けられている。具体的に、開口部OP2の平面形状は、第1辺S1Bと、第1辺S1Bと交差する第2辺S2Bと、第1辺S1Bと交差し、かつ、第2辺S2Bと対向する第3辺S3Bと、第1辺S1Bと対向する第4辺S4Bと、を備える四角形形状をしている。そして、本変形例3では、開口部OP2の第1辺S1Bに第1目印MK1が設けられている一方、開口部OP2の第2辺S2Bに第2目印MK2が設けられている。また、本変形例2では、開口部OP2の第3辺S3Bに第3目印MK3が設けられている一方、開口部OP2の第4辺S4Bに第4目印MK4が設けられている。
【0074】
このように、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2に目印を設けてもよい。
【0075】
<<変形例4>>
図15は、本変形例4におけるパッド構造を示す平面図である。特に、図15(a)は、パッドPDの平面形状を示す平面図であり、図15(b)は、カバー膜CFに形成された開口部OP1の平面形状を示す平面図であり、図15(c)は、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2の平面形状を示す平面図である。
【0076】
図15(a)~図15(c)に示すように、本変形例4では、パッドPD、カバー膜CFに形成された開口部OP1および有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2に目印が設けられている。具体的に、パッドPDの平面形状は、第1辺S1Aと、第1辺S1Aと交差する第2辺S2Aと、第1辺S1Aと交差し、かつ、第2辺S2Aと対向する第3辺S3Aと、第1辺S1Aと対向する第4辺S4Aと、を備える四角形形状をしている。そして、本変形例4では、パッドPDの第1辺S1Aに第1目印MK1が設けられている一方、パッドPDの第4辺S4Aに第4目印MK4が設けられている。
【0077】
また、カバー膜CFに形成された開口部OP1の平面形状は、第1辺S1と、第1辺S1と交差する第2辺S2と、第1辺S1と交差し、かつ、第2辺S2と対向する第3辺S3と、第1辺S1と対向する第4辺S4と、を備える四角形形状をしている。そして、本変形例4では、開口部OP1の第2辺S2に第2目印MK2が設けられている。
【0078】
さらに、有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2の平面形状は、第1辺S1Bと、第1辺S1Bと交差する第2辺S2Bと、第1辺S1Bと交差し、かつ、第2辺S2Bと対向する第3辺S3Bと、第1辺S1Bと対向する第4辺S4Bと、を備える四角形形状をしている。そして、本変形例4では、開口部OP2の第3辺S3Bに第3目印MK3が設けられている。
【0079】
このように複数の目印(第1目印MK1~第4目印MK4)がパッドPD、カバー膜CFに形成された開口部OP1および有機絶縁膜OFに形成された開口部OP2に分かれて設けられていてもよい。
【0080】
<<「ティーチング」の主体>>
(1)主体:ワイヤボンディング装置
基本思想を実現した「ティーチング」では、例えば、図8に示すように、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2と重ね合わせることで、ボンディング領域BRを特定する。
【0081】
この「ティーチング」の主体は、ワイヤボンディング装置である。すなわち、ワイヤボンディング装置が、横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2と重ね合わせることで、ボンディング領域BRを特定する。これにより、ワイヤボンディング装置が、自動で基本思想を実現した「ティーチング」を実施することから、作業者が介在することなく、ボンディング領域BRを正確に特定することができる。この結果、ワイヤボンディング装置によって、ボンディングワイヤを接続するボンディング位置の位置ずれを自動的に抑制できる結果、位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制することができる。
【0082】
以下では、ワイヤボンディング装置で基本思想を実現した「ティーチング」を実現するための構成について説明する。
【0083】
図16は、ワイヤボンディング装置の概略構成を示すブロック図である。
【0084】
図16において、ワイヤボンディング装置は、カメラ601と、カメラ移動部602と、モニタ603と、半導体チップ認識部604と、ティーチング部605と、ボンディング部606と、を有している。
【0085】
カメラ601は、ステージ上に搬送されてきた半導体装置を撮像するように構成されており、カメラ移動部602によって位置が移動可能に構成されている。また、カメラ601で撮像された画像は、モニタ603に表示される。このモニタ603には、カメラ601で撮像された画像だけでなく、例えば、図8に示す十字線も表示される。
【0086】
半導体チップ認識部604は、カメラ601で撮像されてモニタ603に表示された画像に基づいて、半導体チップを認識するように構成されている。例えば、半導体チップ認識部604は、モニタ603に表示されている画像からユニークパターンを特定することにより、半導体チップを認識するように構成されている。ここで、ユニークパターンとしては、例えば、半導体チップの表面に形成されているゲートパッドなどが使用される。そして、半導体チップ認識部604は、ユニークパターンの位置を原点として、予め取得している座標データに基づき、パッド(ソースパッド)を特定するように構成されている。
【0087】
ティーチング部605は、パッドまたはパッドを開口する開口部に設けられている目印を十字線に重ね合わせることにより、ボンディングワイヤをパッドに接続する位置を示すボンディング領域を特定するように構成されている。
【0088】
ボンディング部606は、ティーチング部605で特定されたボンディング領域に関する情報に基づいて、例えば、ボンディングツールを動作させることにより、パッドのボンディング領域にボンディングワイヤを接続するように構成されている。
【0089】
次に、ティーチング部605の詳細構成について説明する。
【0090】
図17は、ティーチング部605の構成を示すブロック図である。
【0091】
ティーチング部605は、目印認識部701と、十字線重ね合わせ部702と、ボンディング領域特定部703と、を有している。
【0092】
目印認識部701は、例えば、画像認識技術を使用することにより、カメラ601で撮像されてモニタ603に表示されている画像から、パッドまたはパッドを開口する開口部に設けられた目印を認識するように構成されている。
【0093】
例えば、目印認識部701は、図8に示される画像において、パッドまたは開口部の第1辺S1に設けられている第1目印MK1およびパッドまたは開口部の第2辺S2に設けられている第2目印MK2を認識するように構成されている。詳細に述べると、目印認識部701は、少なくとも、第1辺S1の第1位置(中点)において第1辺S1と直交する第1線分LS1と、第2辺S2の第1位置(中点)において第2辺S2と直交する第1線分LS2を認識するように構成されている。
【0094】
十字線重ね合わせ部702は、目印認識部701で認識した目印とモニタ603に表示されている十字線を重ね合わせるように構成されている。つまり、十字線重ね合わせ部702は、カメラ移動部602を制御してカメラ601を移動させることにより、目印認識部701で認識した目印とモニタ603に表示されている十字線を重ね合わせるように構成されている。例えば、図8において、十字線重ね合わせ部702は、カメラ601を移動させることにより、十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2と重ね合わせるように構成されている。
【0095】
ボンディング領域特定部703は、例えば、図8において、十字線重ね合わせ部702によって、横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、縦線500Bを第2目印MK2の第1線分LS2と重ね合わせた状態における十字線の交点に基づいて、ボンディング領域BRを特定するように構成されている。
【0096】
以上のようにして、ワイヤボンディング装置が構成されている。
【0097】
続いて、ワイヤボンディング装置の動作について説明する。
【0098】
図18は、ワイヤボンディング装置の動作を説明するフローチャートである。
【0099】
まず、組立中の半導体装置をワイヤボンディング装置に備わるステージ上に搬送する(S301)。そして、ステージ上に搬送された半導体装置をカメラ601で撮像する(S302)。このとき、カメラ601で撮像された画像がモニタ603に表示される。
【0100】
ワイヤボンディング装置の半導体チップ認識部604は、モニタ603に表示されている半導体装置の画像に基づいて、半導体チップを認識する(S303)。具体的には、表示されている画像からユニークパターンを特定することにより、半導体チップを認識する。そして、半導体チップ認識部604は、ユニークパターンの位置(原点)と予め取得している座標データに基づいて、パッド(ソースパッド)の位置を特定する(S304)。
【0101】
次に、ワイヤボンディング装置の目印認識部701は、例えば、画像認識技術によって、パッドまたはパッドを開口する開口部に設けられた目印を認識する(S305)。このとき、目印は、少なくとも、互いに交差する2つの辺のそれぞれに設けられており、二つの目印のそれぞれは、目印が設けられている辺と直交する線分を有する。特に、目印認識部701は、2つの目印のそれぞれに含まれる上述した線分を認識する。
【0102】
続いて、ワイヤボンディング装置の十字線重ね合わせ部702は、目印認識部701で認識した目印の線分に十字線を重ね合わせるように、カメラ移動部602を使用してカメラ601を移動させる(S306)。具体的に、十字線重ね合わせ部702は、カメラ601を移動させることにより、2つの目印のうちの一方の目印の線分に十字線の横線を重ね合わせ、且つ、2つの目印のうちの他方の目印の線分に十字線の縦線を重ね合わせる。
【0103】
そして、ワイヤボンディング装置のボンディング領域特定部703は、十字線重ね合わせ部702によって2つの目印の線分に重ね合わされた十字線における交点に基づいて、ボンディング領域を特定する(S307)。
【0104】
その後、ワイヤボンディング装置のボンディング部606は、ボンディング領域特定部703で特定されたボンディング領域の情報に基づいて、ボンディングツールを動作させることにより、パッドのボンディング領域にボンディングワイヤを接続する(S308)。
【0105】
以上のようにして、ワイヤボンディング装置が動作する。
【0106】
(2)主体:作業者
基本思想を実現した「ティーチング」の主体は、ワイヤボンディング装置を想定している。例えば、基本思想を実現した「ティーチング」の主体をワイヤボンディング装置とすることにより、ボンディングワイヤを接続するパッドのボンディング領域を正確に特定することができるとともに、「ティーチング」を自動化することができる。したがって、「ティーチング」の主体をワイヤボンディング装置とすることにより、ボンディング位置の位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制することができるだけでなく、「ティーチング」の効率化を図ることができる点で有用である。
【0107】
ただし、基本思想を実現した「ティーチング」を既存のワイヤボンディング装置で行うためには、ワイヤボンディング装置を改造する必要があり、改造費用が掛かることになる。したがって、基本思想を実現した「ティーチング」の主体は、ワイヤボンディング装置であることが望ましいが、これに限らず、作業者であってもよい。
【0108】
すなわち、基本思想を実現する「ティーチング」は、作業者にも適用できるだけでなく、基本思想を実現する「ティーチング」を作業者が行った場合であっても、例えば、目盛による位置合わせを行う関連技術の「ティーチング」よりも、ボンディングワイヤを接続するパッドのボンディング領域を正確に特定することができる。
【0109】
このことから、基本思想を実現した「ティーチング」は、主体をワイヤボンディング装置とした場合だけでなく、作業者とした場合であっても、関連技術に比べてボンディング領域を正確に特定することができる点で大きな技術的意義を有している。
【0110】
<実施の形態における効果>
次に、本実施の形態における効果について説明する。
【0111】
図19は、ボンディング位置の位置ずれ量と頻度との関係を示すグラフである。特に、図19(a)は、関連技術におけるボンディング位置の位置ずれ量と頻度との関係を示すグラフであり、図19(b)は、本実施の形態におけるボンディング位置の位置ずれ量と頻度との関係を示すグラフである。
【0112】
まず、図19(a)および図19(b)において、グラフ(1)は、ワイヤボンディング装置の繰り返し位置精度を示すグラフであり、ワイヤボンディング装置のボンディング機構の繰り返し動作に依存する位置精度である。一方、グラフ(2)は、「ティーチング」時の位置精度を示すグラフであり、「ティーチング」に依存する位置精度である。そして、グラフ(3)は、ワイヤボンディング時の最終的なボンディング位置の位置精度を示すグラフであり、グラフ(1)とグラフ(2)の位置精度の組み合わせに対応する。
【0113】
ここで、図19(a)に示す関連技術では、「ティーチング」時の位置精度を示すグラフ(2)の位置ずれ量のばらつきが大きいことがわかる。これに対し、図19(b)に示す本実施の形態では、「ティーチング」時の位置精度を示すグラフ(2)の位置ずれ量のばらつきを小さくすることができていることがわかる。この結果、図19(b)に示す本実施の形態では、ワイヤボンディング時の最終的なボンディング位置の位置精度を示すグラフ(3)の位置ずれ量のばらつきを低減できていることがわかる。
【0114】
このように、本実施の形態によれば、基本思想を実現する「ティーチング」を実施することにより、ワイヤボンディング時の最終的なボンディング位置の位置精度を向上できることがわかる。この結果、本実施の形態によれば、ボンディング位置の位置ずれに起因する半導体装置の特性変動を抑制することができる。
【0115】
特に、例えば、センストランジスタを備える半導体装置のソースパッドにボンディングワイヤを接続する場合、ボンディング位置の位置ずれが生じると、センストランジスタによる電流検出精度が大きく変動する。この点に関し、本実施の形態によれば、ボンディング領域を正確に特定できる結果、ボンディング位置の位置ずれを小さくできるため、センストランジスタによる電流検出精度を確保できる利点が得られる。
【0116】
<変形例5>
図20は、本変形例5におけるパッド構造を示す平面図である。
【0117】
図20に示すように、本変形例5において、パッドまたは開口部には、目印の他に段差パターンが形成されている。具体的に、パッドまたは開口部は、第1辺S1と、第2辺S2と、第3辺S3と、第4辺S4を有している。そして、第1辺S1には、第1目印MK1が設けられている一方、第4辺S4には、第4目印MK4が設けられている。これに対し、第2辺S2には、第2目印MK2とともに段差パターンPAが設けられている。また、第3辺S3には、第3目印MK3とともに段差パターンPBが設けられている。
【0118】
このようにパッドまたは開口部に段差パターンPAおよび段差パターンPBが追加して設けられていることにより、段差パターンPAおよび段差パターンPBが設けられているパッドまたは開口部がユニークパターンとなる。すなわち、図20に示すパッドまたは開口部は、「ティーチング」に先立って実施される、パッドおよび開口部が形成された半導体チップの認識工程において、半導体チップを認識するための認識パターン(ユニークパターン)とすることができる。
【0119】
例えば、半導体チップの認識工程においては、ユニークパターンを特定することにより、半導体チップを認識し、ユニークパターンの位置(原点)と予め取得している座標データに基づいて、パッド(ソースパッド)の位置が特定される。
【0120】
この点に関し、通常、ユニークパターンとしては、配線接続レイアウトに特徴があるゲートパッドが選択されるが、この場合、パッド(ソースパッド)の位置の特定は、ユニークパターンであるゲートパッドの位置(原点)と予め取得している座標データに基づいて実施される。この際、ユニークパターンとパッド(ソースパッド)が異なることから、パッド(ソースパッド)の位置を特定する際に誤差が生じて、パッド(ソースパッド)の位置を特定する精度が低下するおそれがある。
【0121】
これに対し、本変形例5では、パッド(ソースパッド)自体が、半導体チップの認識工程におけるユニークパターンとなる。この結果、半導体チップの認識工程におけるユニークパターンと位置の特定対象であるパッド(ソースパッド)が同じであることから、パッド(ソースパッド)の位置を特定する際に生じる誤差を小さくすることができる。このため、本変形例5によれば、パッド(ソースパッド)の位置を特定する精度を向上できる。
【0122】
<変形例6>
図21は、本変形例6におけるパッド構造を説明する平面図である。
【0123】
図21では、ワイヤボンディング装置のモニタに表示されたパッドまたは開口部の画像が示されている。具体的に、図21には、平面形状が四角形からなるパッドまたは平面形状が四角形からなる開口部が示されている。そして、パッドまたは開口部は、パッドまたは開口部の第1辺S1と、第1辺S1と交差するパッドまたは開口部の第2辺S2と、第1辺S1と交差するパッドまたは開口部の第3辺S3と、第1辺S1と対向するパッドまたは開口部の第4辺S4が示されている。
【0124】
ここで、第1辺S1には、凹部を構成する第1目印MK1が設けられている一方、第2辺S2には、凹部を構成する第2目印MK2が設けられている。また、第3辺S3には、凹部を構成する第3目印MK3が設けられている一方、第4辺S4には、凹部を構成する第4目印MK4が設けられている。
【0125】
このとき、第1目印MK1は、第1辺S1の第1位置(中点)において第1辺S1と直交する第1線分LS1(辺)を有している。また、第2目印MK2は、第2辺S2の第1位置(中点)において第2辺S2と直交する第1線分LS2(辺)を有している。第3目印MK3は、第3辺S3の第1位置(中点)において第3辺S3と直交する第1線分LS3(辺)を有している。また、第4目印MK4は、第4辺S4の第1位置(中点)において第4辺S4と直交する第1線分LS4(辺)を有している。
【0126】
このように、パッドまたは開口部に設けられる目印(第1目印MK1~第4目印MK4)は、凹部から構成されていてもよい。
【0127】
<変形例7>
図22は、本変形例7におけるパッド構造を説明する平面図である。
【0128】
図22では、ワイヤボンディング装置のモニタに表示されたパッドまたは開口部の画像が示されている。具体的に、図22には、平面形状が四角形からなるパッドまたは平面形状が四角形からなる開口部が示されている。そして、パッドまたは開口部は、パッドまたは開口部の第1辺S1と、第1辺S1と交差するパッドまたは開口部の第2辺S2と、第1辺S1と交差するパッドまたは開口部の第3辺S3と、第1辺S1と対向するパッドまたは開口部の第4辺S4が示されている。
【0129】
ここで、第1辺S1には、第1目印MK1が設けられている一方、第2辺S2には、第2目印MK2Aおよび第2目印MK2Bが設けられている。また、第3辺S3には、第3目印MK3Aおよび第3目印MK3Bが設けられている一方、第4辺S4には、第4目印MK4が設けられている。
【0130】
このとき、第1目印MK1は、第1辺S1の第1位置(中点)において第1辺S1と直交する第1線分LS1(辺)を有している。また、第2目印MK2Aは、第2辺S2の第1位置(中点よりも左側の位置)において第2辺S2と直交する第1線分LS2A(辺)を有している一方、第2目印MK2Bは、第2辺S2の第2位置(中点よりも右側の位置)において第2辺S2と直交する第1線分LS2C(辺)を有している。第3目印MK3Aは、第3辺S3の第1位置(中点よりも左側の位置)において第3辺S3と直交する第1線分LS3A(辺)を有している一方、第3目印MK3Bは、第3辺S3の第2位置(中点よりも右側の位置)において第3辺S3と直交する第1線分LS3C(辺)を有している。また、第4目印MK4は、第4辺S4の第1位置(中点)において第4辺S4と直交する第1線分LS4(辺)を有している。
【0131】
ここで、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2Aの第1線分LS2Aと重ね合わせることで、第1ボンディングワイヤを接続するためのボンディング領域BR1を特定できる。
【0132】
また、図22では図示されていないが、ワイヤボンディング装置のモニタに表示される十字線を構成する横線500Aを第1目印MK1の第1線分LS1と重ね合わせ、且つ、十字線を構成する縦線500Bを第2目印MK2Bの第1線分LS2Cと重ね合わせることで、第2ボンディングワイヤを接続するためのボンディング領域を特定できる。
【0133】
このように、本変形例7におけるパッド構造によれば、パッドに複数のボンディングワイヤ(例えば、第1ボンディングワイヤと第2ボンディングワイヤ)を接続する場合におけるそれぞれのボンディング領域を特定する際にも基本思想を適用することができる。
【0134】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0135】
前記実施の形態では、半導体チップに形成されるパワートランジスタとして、パワーMOSFETを想定して説明を行ったが、前記実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、パワートランジスタとして、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用する半導体装置にも幅広く適用することができる。この場合、「ソースパッド」は、「エミッタパッド」と読み替えることになる。
【符号の説明】
【0136】
10 メイントランジスタ
20 センストランジスタ
30 温度センサ
40 導電性接着材
50 絶縁性接着材
100 スイッチング回路
200 制御回路
500A 横線
500B 縦線
600 ワイヤボンディング装置
601 カメラ
602 カメラ移動部
603 モニタ
604 半導体チップ認識部
605 ティーチング部
606 ボンディング部
701 目印認識部
702 十字線重ね合わせ部
703 ボンディング領域特定部
BR ボンディング領域
CF カバー膜
CHP1 半導体チップ
CHP2 半導体チップ
DP ダイパッド
IF 絶縁膜
LD1 リード
LD2 リード
LD3 リード
LD4 リード
LD5 リード
LD6 リード
LD7 リード
LS1 第1線分
LS1A 第1線分
LS1B 第2線分
LS2 第1線分
LS2A 第1線分
LS2B 第2線分
LS2C 第1線分
LS3 第1線分
LS3A 第1線分
LS3B 第2線分
LS3C 第1線分
LS4A 第1線分
LS4B 第2線分
MK1 第1目印
MK2 第2目印
MK3 第3目印
MK4 第4目印
MS 主面
MR 封止体
OF 有機絶縁膜
OP1 第1開口部
OP2 第2開口部
PA 段差パターン
PB 段差パターン
PD パッド
PD3 パッド
PD4 パッド
PD5 パッド
PKG パッケージ構造体
SA1 半導体装置
SP1 ソースパッド
SP2 ソースパッド
S1 第1辺
S1A 第1辺
S1B 第1辺
S2 第2辺
S2A 第2辺
S2B 第2辺
S3 第3辺
S3A 第3辺
S3B 第3辺
S4 第4辺
S4A 第4辺
S4B 第4辺
W1 ボンディングワイヤ
W2 ボンディングワイヤ
W3 ボンディングワイヤ
W4 ボンディングワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22