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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062793
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/13 20060101AFI20240501BHJP
   B60C 11/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B60C11/13 B
B60C11/00 B
B60C11/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170877
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】中野 和宏
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BA01
3D131BB01
3D131BB03
3D131BC12
3D131BC13
3D131BC19
3D131BC42
3D131BC44
3D131EA02V
3D131EA02W
3D131EA02X
3D131EA03X
3D131EA08U
3D131EA10X
3D131EB19V
3D131EB19X
3D131EB20X
3D131EB23V
3D131EB23X
3D131EB24V
3D131EB24X
(57)【要約】
【課題】トレッド部の摩耗が進行しても、ノイズ性能及びウェット性能を維持することが出来るタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部2を有するタイヤ1である。トレッド部2は、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2と、その間の接地面3と、接地面3で開口してタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝4と、複数の周方向溝4に区分された複数の陸部5とを含む。複数の陸部5は、第1トレッド端T1を含む第1ショルダー陸部11を含む。第1ショルダー陸部11は、接地面3を構成する第1ゴム層21と、第1ゴム層21のタイヤ半径方向内側に接続された第2ゴム層22とを含む。第2ゴム層22のゴム硬度は、第1ゴム層21のゴム硬度よりも小さい。複数の周方向溝4の少なくとも1本は、拡幅周方向溝であり、接地面3での第1溝幅と、接地面よりもタイヤ半径方向内側に、第1溝幅よりも大きい第2溝幅とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間の接地面と、前記接地面で開口してタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝に区分された複数の陸部とを含み、
前記複数の陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部を含み、
前記第1ショルダー陸部は、前記接地面を構成する第1ゴム層と、前記第1ゴム層のタイヤ半径方向内側に接続された第2ゴム層とを含み、
前記第2ゴム層のゴム硬度は、前記第1ゴム層のゴム硬度よりも小さく、
前記複数の周方向溝の少なくとも1本は、拡幅周方向溝であり、
前記拡幅周方向溝は、前記接地面での第1溝幅と、前記接地面よりもタイヤ半径方向内側に、前記第1溝幅よりも大きい第2溝幅とを含む、
タイヤ。
【請求項2】
前記拡幅周方向溝は、第1拡幅周方向溝を含み、
前記第1拡幅周方向溝は、前記接地面上の第1溝縁及び第2溝縁と、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層との境界よりもタイヤ半径方向内側に位置する溝底面と、前記第1溝縁と前記溝底面との間の第1溝壁とを含み、
前記第1溝壁は、前記第1溝縁よりも溝幅方向の外側に位置する第1頂部を含む、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記第1頂部は、前記境界よりもタイヤ半径方向内側に位置している、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記第1拡幅周方向溝は、前記第2溝縁と前記溝底面との間の第2溝壁とを含み、
前記第1拡幅周方向溝の前記第2溝壁は、前記第2溝縁から前記溝底面まで、溝深さ方向に対して溝幅方向内側に傾斜している、請求項2又は3に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記周方向溝は、前記第1ショルダー陸部に隣接する第1ショルダー周方向溝を含み、
前記第1拡幅周方向溝は、前記第1ショルダー周方向溝であり、かつ、前記第2溝縁が、前記第1トレッド端側に位置する、請求項4に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記拡幅周方向溝は、第2拡幅周方向溝を含み、
前記第2拡幅周方向溝は、前記接地面上の第1溝縁及び第2溝縁と、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層との境界よりもタイヤ半径方向内側に位置する溝底面と、前記第1溝縁と前記溝底面との間の第1溝壁と、前記第2溝縁と前記溝底面との間の第2溝壁とを含み、
前記第1溝壁は、前記第1溝縁よりも溝幅方向の外側に位置する第1頂部を含み、
前記第2溝壁は、前記第2溝縁よりも溝幅方向の外側に位置する第2頂部を含む、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記周方向溝は、前記第1ショルダー陸部に隣接する第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ軸方向に隣接する第1クラウン周方向溝とを含み、
前記第2拡幅周方向溝が、前記第1クラウン周方向溝である、請求項6に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記ゴム硬度は、JIS K6253のタイプAデュロメータに準拠したゴム硬度であり、
前記第2ゴム層の前記ゴム硬度と前記第1ゴム層の前記ゴム硬度との差は3~5ポイントである、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記第1ゴム層の前記ゴム硬度は、60~80度である、請求項8に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記接地面から前記第1ゴム層と前記第2ゴム層の境界までの深さは、前記複数の周方向溝の最大の深さの30%~45%である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項11】
前記周方向溝の前記第2溝幅は、前記周方向溝の前記第1溝幅の105%~120%である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項12】
前記接地面から前記第2溝幅までの最短深さは、前記周方向溝の最大の深さの50%~65%である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
【請求項13】
前記第1溝壁は、前記第1溝縁からタイヤ半径方向内側に向かって溝幅方向の内部側に傾斜する外側部と、前記第1頂部からタイヤ半径方向内側に向かって溝幅方向の内側に傾斜する内側部と、前記外側部と前記内側部との間に配された中間部とを含み、
前記中間部は、タイヤ半径方向に対して、前記外側部とは逆向きに傾斜している、請求項2に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、トレッド部を有するタイヤが提案されている。前記トレッド部には、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の主溝が設けられている。前記主溝の一方の溝壁である第1溝壁には、前記トレッド部の踏面に表れる溝縁よりも溝幅方向の外側に凹む第1凹部が少なくとも1つ設けられている。前記第1凹部は、最も溝幅方向の外側に凹んだ最深部からタイヤ周方向の両側に向かって、前記溝縁からの凹み量が漸減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-026241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記タイヤは、トレッド部の摩耗の進行によって、ノイズ性能が低下する傾向にあった。また、前記タイヤは、ウェット性能を維持する必要もある。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、トレッド部の摩耗が進行しても、ノイズ性能及びウェット性能を維持することが出来るタイヤの提供を主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間の接地面と、前記接地面で開口してタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝に区分された複数の陸部とを含み、前記複数の陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部を含み、前記第1ショルダー陸部は、前記接地面を構成する第1ゴム層と、前記第1ゴム層のタイヤ半径方向内側に接続された第2ゴム層とを含み、前記第2ゴム層のゴム硬度は、前記第1ゴム層のゴム硬度よりも小さく、前記複数の周方向溝の少なくとも1本は、拡幅周方向溝であり、前記拡幅周方向溝は、前記接地面での第1溝幅と、前記接地面よりもタイヤ半径方向内側に、前記第1溝幅よりも大きい第2溝幅とを含む、タイヤである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のタイヤは、上記の構成を採用したことによって、トレッド部の摩耗が進行しても、ノイズ性能及びウェット性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のタイヤのトレッド部の横断面図である。
図2図1の周方向溝及び陸部の平面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4図2のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。図1は、本実施形態のタイヤ1のトレッド部2の横断面図である。なお、図1は、タイヤ1の正規状態におけるタイヤ回転軸を含む子午線断面図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、SUVや乗用車に装着される空気入りタイヤとして好適に用いられる。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、重荷重用の空気入りタイヤ等の様々なタイヤに用いることができる。
【0010】
「正規状態」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされ、かつ、正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって車両に未装着かつ無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
【0011】
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば"Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
【0012】
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表"TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
【0013】
図1に示されるように、トレッド部2は、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2と、第1トレッド端T1と第2トレッド端T2との間の接地面3を含む。
【0014】
第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、前記正規状態のタイヤ1に、正規荷重の70%が負荷されキャンバー角0°で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。
【0015】
「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。各種の規格が定められていないタイヤの場合、「正規荷重」は、上述の規格に準じ、タイヤを使用する上で適用可能な最大の荷重を指す。
【0016】
本実施形態のタイヤ1は、車両への装着の向きが指定されていない。したがって、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、車両に対する装着位置が限定されるものではない。但し、本発明のタイヤ1は、車両への装着の向きが指定されるものでも良い。
【0017】
本実施形態のタイヤ1は、カーカス16を含んでいる。カーカス16は、一方のビード部から他方のビード部(図示省略)まで延びている。本実施形態のカーカス16は、例えば、2枚のカーカスプライ17で構成されている。カーカス16は、例えば、1枚のカーカスプライ17で構成されても良い。
【0018】
図1に示されるように、トレッド部2は、さらに、トレッド補強層18を含む。本実施形態のトレッド補強層18は、複数のベルトコードがタイヤ周方向に傾斜して配列されたベルト層19で構成される。他の態様では、トレッド補強層18は、バンドコードがタイヤ周方向に巻回されたバンド層(図示省略)を含んでいても良い。
【0019】
ベルト層19は、トレッド部2において2枚のカーカスプライ17のタイヤ半径方向外側に配されている。また、ベルト層19は、トレッド部2を構成するトレッドゴム6のタイヤ半径方向の内側に配されている。本実施形態のベルト層19は、複数本のコードがトッピングゴムで被覆された2枚のベルトプライ20で構成されている。
【0020】
トレッド部2は、接地面3で開口してタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝4と、複数の周方向溝4に区分された複数の陸部5とを含む。
【0021】
本実施形態のトレッド部2には、4本の周方向溝4が設けられている。本実施形態の周方向溝4は、例えば、第1ショルダー周方向溝7と、第2ショルダー周方向溝8と、第1クラウン周方向溝9と、第2クラウン周方向溝10とで構成されている。第1ショルダー周方向溝7は、第1トレッド端T1のタイヤ軸方向内側に隣接する周方向溝4である。第2ショルダー周方向溝8は、第2トレッド端T2のタイヤ軸方向内側に隣接する周方向溝4である。
【0022】
第1クラウン周方向溝9は、第1ショルダー周方向溝7のタイヤ軸方向内側に隣接しており、本実施形態では第1ショルダー周方向溝7とタイヤ赤道Cとの間に配置されている。第2クラウン周方向溝10は、第2ショルダー周方向溝8のタイヤ軸方向内側に隣接しており、第2ショルダー周方向溝8とタイヤ赤道Cとの間に配置されている。但し、本発明はこのような配置に限定されるものではなく、トレッド部2には、例えば、上述の第1ショルダー周方向溝7と、第2ショルダー周方向溝8との間に、1本のクラウン周方向溝が配置されていても良い。この場合、前記1本のクラウン周方向溝は、例えば、タイヤ赤道Cに配置されるのが好ましい(図示省略)。
【0023】
図2は、図1の周方向溝4及び陸部5の平面図である。図2に示されるように、本実施形態の各周方向溝4はタイヤ周方向に直線状に延びている。但し、本発明の周方向溝4は、このような態様に限定されるものではなく、ジグザグ状又は曲線状に延びていても良い。なお、トレッド部2は、横溝等の周方向溝4以外の溝が含まれていても良い。本実施形態のトレッド部2は、これらの溝が省略されて示されている。
【0024】
図1及び図2に示されるように、複数の陸部5は、第1トレッド端T1を含む第1ショルダー陸部11を含む。第1ショルダー陸部11は、第1ショルダー周方向溝7のタイヤ軸方向外側に区分されている。また、本実施形態の複数の陸部5は、第1ショルダー陸部11以外に、例えば、第2ショルダー陸部12と、第1ミドル陸部13と、第2ミドル陸部14と、クラウン陸部15とで構成されている。
【0025】
第2ショルダー陸部12は、第2トレッド端T2を含んでおり、第2ショルダー周方向溝8のタイヤ軸方向外側に区分されている。第1ミドル陸部13は、第1ショルダー周方向溝7を介して第1ショルダー陸部11と隣接する。第1ミドル陸部13は、第1ショルダー周方向溝7と第1クラウン周方向溝9との間に区分されている。第2ミドル陸部14は、第2ショルダー周方向溝8を介して第2ショルダー陸部12と隣接する。第2ミドル陸部14は、第2ショルダー周方向溝8と第2クラウン周方向溝10との間に区分されている。クラウン陸部15は、第1クラウン周方向溝9と第2クラウン周方向溝10との間に区分されている。
【0026】
本実施形態のトレッド部2のトレッドパターンは、タイヤ赤道Cを中心に対称である。但し、本発明のトレッド部2のトレッドパターンは、このような態様に限定されるものではなく、タイヤ赤道Cを中心に非対称であっても良い。
【0027】
図1に示されるように、第1ショルダー陸部11は、接地面3を構成する第1ゴム層21と、第1ゴム層21のタイヤ半径方向内側に接続された第2ゴム層22とを含む。第2ゴム層22のゴム硬度は、第1ゴム層21のゴム硬度よりも小さい。
【0028】
「ゴム硬度」は、JIS-K6253に準拠し、23℃の環境下におけるデュロメータータイプAによるゴムの硬さである。
【0029】
図1及び図2に示されるように、複数の周方向溝4の少なくとも1本は、拡幅周方向溝24である。図3には、拡幅周方向溝24の拡大断面図が示されている。図3の拡幅周方向溝24は、後述する第1拡幅周方向溝27に相当し、本実施形態では、第1ショルダー周方向溝7及び第2ショルダー周方向溝8(図1に示す)としてトレッド部2に配置されている。なお、図3は、図2のA-A線断面図に相当する。
【0030】
図3に示されるように、拡幅周方向溝24は、接地面3での第1溝幅W1と、接地面3よりもタイヤ半径方向内側に、第1溝幅W1よりも大きい第2溝幅W2とを含む。第1溝幅W1は、拡幅周方向溝24の長手方向と直交する横断面における、2つの溝縁間の距離に相当する。第2溝幅W2は、前記横断面の前記2つの溝縁間を結ぶ直線に平行な方向において、拡幅周方向溝24の2つの溝壁間の距離が最大となる位置の溝幅を意味する。本発明は、上述の構成により、トレッド部2の摩耗が進行しても、ノイズ性能及びウェット性能を維持することができる。その理由は、以下の通りである。
【0031】
従来のショルダー陸部は、トレッド部の摩耗が進むと、ゴム層の厚さが小さくなる。そうすると、トレッド部が路面からの衝撃を吸収する能力が低下し、トレッド部が接地するときの打音(ロードノイズ)が大きくなり、ひいてはノイズ性能が悪化する傾向があった。
【0032】
図1ないし図3に示されるように、本発明の第1ショルダー陸部11は、接地面を構成する第1ゴム層21と、前記第1ゴム層21のタイヤ半径方向内側に接続された第2ゴム層22とを含む。そして、第2ゴム層22のゴム硬度は、前記第1ゴム層21のゴム硬度よりも小さい。これにより、第1ショルダー陸部11の摩耗が進むと、ゴム硬度の小さい第2ゴム層22が接地面に表出する。これにより、第2ゴム層22が路面からの衝撃を吸収してノイズ性能の悪化を防ぐことができる。
【0033】
また、従来の周方向溝は、トレッド部の摩耗が進むと、溝容積が減少し、排水性能が低下する傾向にあった。
【0034】
本発明では、トレッド部2が拡幅周方向溝24を含んでいる。拡幅周方向溝24は、接地面3での溝幅である第1溝幅W1よりも、溝幅の大きい第2溝幅W2をタイヤ半径方向内側に有している。したがって、トレッド部2の摩耗の進行により、拡幅周方向溝24は、新品時の溝幅よりも大きな第2溝幅W2を接地面に出現させる。これにより、拡幅周方向溝24の開口面積が大きくなって排水性能が保たれ、ウェット性能が維持できる。
【0035】
上記の効果により、本発明のタイヤ1では、トレッド部2の摩耗が進行しても、ノイズ性能及びウェット性能を維持することができる。
【0036】
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤ1に、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
【0037】
[ゴム層の構成]
図1及び図3に示されるように、本実施形態の第1ゴム層21は、少なくとも第1トレッド端T1よりタイヤ軸方向内側において、一定の厚さを有している。これにより、第1ゴム層21と第2ゴム層22との境界25aは、接地面と平行に延びている。図3に示されるように、拡幅周方向溝24の溝縁における、接地面3から第1ゴム層21と第2ゴム層22との境界25aまでの深さd1は、複数の周方向溝4(図1に示す)の最大の深さの30%~45%であるのが好ましい。これにより、適切な時期に、第2ゴム層22を接地面に露出させることができる。
【0038】
第1ゴム層21のゴム硬度は、60~80度であるのが好ましい。これにより、耐摩耗性能が維持されるとともに、タイヤの剛性が保たれて操縦安定性が効果的に維持される。
【0039】
本実施形態の第2ゴム層22は、第1ゴム層21のタイヤ半径方向内側に接続して構成されている。また、第2ゴム層22は、少なくとも第1トレッド端T1よりタイヤ軸方向内側において、一定の厚さを有している。
【0040】
第2ゴム層22のゴム硬度は、55~75度であるのが好ましい。これにより、上述の効果が確実に発揮される。また、第2ゴム層22のゴム硬度と第1ゴム層21のゴム硬度との差は3~5ポイントであるのが好ましい。このようなゴム硬度の差により、上述の効果を得つつ、操縦安定性を維持することができる。
【0041】
本実施形態では、上述の第2ゴム層22のタイヤ半径方向内側に、第3ゴム層23が配されている。第3ゴム層23は、第2ゴム層22とトレッド補強層18(図1に示す)との間に配されている。これにより、第2ゴム層22は、トレッド補強層18と接していない。第2ゴム層22と第3ゴム層23との境界25bは、少なくとも第1トレッド端T1よりもタイヤ軸方向内側において、接地面と平行に延びる部分を含んでいる。
【0042】
拡幅周方向溝24の溝縁における、接地面3から第2ゴム層22と第3ゴム層23との境界25bまでの深さd2は、複数の周方向溝4の最大の深さの45%~65%であるのが好ましい。これにより、周方向溝4が半分程度消失するまでトレッド部2が摩耗しても、
第2ゴム層22による上述の効果が期待できる。
【0043】
第3ゴム層23のゴム硬度は、50~70度であるのが好ましい。これにより、操縦安定性と乗り心地がバランスよく向上する。
【0044】
本実施形態では、第3ゴム層23のゴム硬度は、第1ゴム層21のゴム硬度よりも小さい。また、第3ゴム層23のゴム硬度は、第2ゴム層22のゴム硬度よりも小さい。第3ゴム層23のゴム硬度と第2ゴム層22のゴム硬度との差は3~5ポイントであるのが好ましい。これにより、操縦安定性と乗り心地がバランスよく向上する。
【0045】
図1に示されるように、本実施形態では、第1ミドル陸部13、第2ミドル陸部14及びクラウン陸部15のゴム層は、2層のゴム層26で構成されている。第1ミドル陸部13、第2ミドル陸部14及びクラウン陸部15の2層のゴム層26は、接地面を構成する第1ゴム層26Aと、前記第1ゴム層26Aのタイヤ半径方向内側に接続された第2ゴム層26Bとを含む。前記第1ゴム層26Aのゴム硬度は、60~80度であるのが好ましい。また、前記第2ゴム層26Bのゴム硬度は、50~70度であるのが好ましい。これにより、耐摩耗性能が維持されるとともに、タイヤの剛性が保たれて操縦安定性が効果的に維持される。
【0046】
また、前記第1ゴム層26Aのゴム硬度は、第1ショルダー陸部11の第1ゴム層21のゴム硬度と等しいことが好ましい。これにより、新品時から前記第2ゴム層26Bが接地面3に表出するまで、接地面3のトレッド部2のゴム層のゴム硬度が一様に保たれる。これにより、トレッド部2の剛性が一様に保たれやすく、操縦安定性が維持される。
【0047】
本実施形態では、第1ミドル陸部13、第2ミドル陸部14及びクラウン陸部15のゴム層が、2層のゴム層26で構成されているものが示されたが、これに限定されない。第1ミドル陸部13、第2ミドル陸部14及びクラウン陸部15のそれぞれのゴム層が、単一のゴム層又は3層のゴム層から構成されていても良い。
【0048】
[第1拡幅周方向溝の説明]
図1に示されるように、本実施形態の各周方向溝4の接地面3における溝幅Wは、例えば、トレッド幅TWの3%~8%であるのが好ましい。各周方向溝4の深さDは、例えば、5mm~10mmである。これにより、ウェット性能がより向上する。なお、トレッド幅TWは、前記正規状態における第1トレッド端T1から第2トレッド端T2までのタイヤ軸方向の距離に相当する。
【0049】
図1ないし図3に示されるように、本実施形態の拡幅周方向溝24は、断面形状の相違する第1拡幅周方向溝27及び第2拡幅周方向溝28を含んでいる。なお、上述の通り、図3で示される拡幅周方向溝24は、第1拡幅周方向溝27である。また、本実施形態の第1拡幅周方向溝27は、第1ショルダー周方向溝7及び第2ショルダー周方向溝8に相当する。第2ショルダー周方向溝8の横断面形状は、第1ショルダー周方向溝7の横断面形状を第1ショルダー周方向溝7の溝中心線C1に対して反転させた形状である。
【0050】
図3に示されるように、第1拡幅周方向溝27は、第1ゴム層21と第2ゴム層22との境界25aよりもタイヤ半径方向内側に位置する溝底面29を含む。本実施形態の前記溝底面29は、第2ゴム層22と第3ゴム層23との境界25bよりもタイヤ半径方向内側に位置する。
【0051】
本実施形態の溝底面29の形状は、接地面3での第1拡幅周方向溝27の開口部に仮想的に構成される平面に沿った平面である。但し、このような態様に限定されるものではなく、例えば、溝底面29の形状は、円弧状であっても良い。
【0052】
第1拡幅周方向溝27は、接地面3上の第1溝縁30及び第2溝縁31を含む。また、第1拡幅周方向溝27は、第1溝縁30と溝底面29との間の第1溝壁32と、第2溝縁 31と溝底面29との間の第2溝壁33とを含む。
【0053】
本実施形態では、第1溝壁32は、外側部34と、内側部35と、中間部36とを含む。外側部34は、第1溝縁30からタイヤ半径方向内側に向かって溝幅方向の内側に傾斜して延びている。内側部35は、タイヤ半径方向内側に向かって溝幅方向の内側に傾斜している。中間部36は、タイヤ半径方向に対して、外側部34とは逆向きに傾斜している。
【0054】
外側部34の第1拡幅周方向溝27の深さ方向に対する角度θ1は、例えば、5~10°である。内側部35の前記深さ方向に対する角度θ2は、例えば、10~20°である。中間部36の前記深さ方向に対する角度θ3は、例えば、45~80°である。望ましい態様では、前記角度θ1は、前記角度θ2よりも小さく、前記角度θ2は、前記角度θ3よりも小さい。これにより、トレッド部2の摩耗が進行しても、ノイズ性能とウェット性能の維持がより効果的に図られる。
【0055】
上述の外側部34、中間部36及び内側部35の構成により、第1拡幅周方向溝27の第1溝壁32は、第1溝縁30よりも溝幅方向の外側に位置する第1頂部37を含むのが好ましい。第1頂部37とは、中間部36と内側部35との間で構成される第1溝壁32の溝幅方向の頂点である。図2において、第1拡幅周方向溝27の第1頂部37は破線で示されており、第1拡幅周方向溝27の中間部36は、着色されている。本実施形態では、第1頂部37から第2溝壁33までの距離が、第2溝幅W2となる。これにより、タイヤの摩耗が進行し、第1頂部37が接地面3に露出するような状態において、第1拡幅周方向溝27は、十分な大きさの溝幅で開口することになるため、ウェット性能が維持される。
【0056】
本実施形態では、接地面3から第2溝幅W2までの最短深さd3は、周方向溝4(図1に示す)の最大の深さの50%~65%であるのが好ましい。これにより、トレッド部2の摩耗が進行し、タイヤ1の通常使用の最終段階であっても、ノイズ性能及びウェット性能を維持することができる。
【0057】
本実施形態の第1拡幅周方向溝27の第1頂部37は、第1ゴム層21と第2ゴム層22との境界25aよりもタイヤ半径方向内側に位置しているのが好ましい。これにより、第2ゴム層22まで摩耗状態が進行した場合でも、ウェット性能及びノイズ性能が維持される。本実施形態の第1拡幅周方向溝27の第1頂部37は、第2ゴム層22と第3ゴム層23との境界25bよりもタイヤ半径方向外側に位置しているのが好ましい。これにより、第3ゴム層23が接地面3に現れる前に第1頂部37が接地面に現れることができ、ウェット性能を確実に維持することができる。
【0058】
第1拡幅周方向溝27の第2溝壁33は、第2溝縁31から溝底面29まで、溝深さ方向に対して溝幅方向内側に傾斜しているのが好ましい。換言すれば、第2溝壁33は、第1溝壁32に構成された第1頂部37が構成されていない。これにより、第2溝壁33が配された陸部5の剛性を保つことができる。
【0059】
操縦安定性を維持するためには、本実施形態では、第1トレッド端T1を含む第1ショルダー陸部11の剛性を保つのが望ましい。この観点から、第1拡幅周方向溝27が第1ショルダー周方向溝7として配置されており、かつ、第2溝縁31は、第1トレッド端T1側に位置しているのが望ましい。
【0060】
本実施形態では、周方向溝4の第2溝幅W2は、周方向溝4の第1溝幅W1の105%~120%であるのが好ましい。これにより、上述の効果を発揮しつつ、トレッド部2の摩耗が進行しても、操縦安定性を維持することができる。
【0061】
[第2拡幅周方向溝の説明]
図4には、第2拡幅周方向溝28を示す図として、図2のB-B線断面図が示されている。第2拡幅周方向溝28は、接地面3上の第1溝縁38及び第2溝縁39を含む。また、第2拡幅周方向溝28は、第1溝縁38と溝底面40との間の第1溝壁41と、第2溝縁39と溝底面40との間の第2溝壁42とを含む。図3及び図4に示されるように、溝底面40は、第1ゴム層21と第2ゴム層22との境界25aよりもタイヤ半径方向内側に位置する。
【0062】
図4に示されるように、第1溝壁41は、第1溝縁38よりも溝幅方向の外側に位置する第1頂部43を含む。第2溝壁42は、第2溝縁39よりも溝幅方向の外側に位置する第2頂部44を含む。このような第2拡幅周方向溝28は、第1拡幅周方向溝27と比較して高い排水性を期待できる。また、このような第2拡幅周方向溝28は、その両側に隣接する陸部の剛性バランスを取ることができ、その偏摩耗を抑制することができる。
【0063】
図3及び図4に示されるように、第2拡幅周方向溝28の第1溝壁41は、第1拡幅周方向溝27の第1溝壁32の構成と同様である。また、第2拡幅周方向溝28の第2溝壁42は、第1拡幅周方向溝27の第1溝壁32の構成と同様である。したがって、第2拡幅周方向溝28の第1溝壁41及び第2溝壁42には、上述された第1拡幅周方向溝27の第1溝壁32の構成を適用することができる。より望ましい態様では、第2拡幅周方向溝28の第1溝壁41と第2溝壁42の形状は、第2拡幅周方向溝28の中心線C2に対して対称である。
【0064】
図2において、第2拡幅周方向溝28の第1頂部43及び第2頂部44は破線で示されており、第2拡幅周方向溝28の中間部は着色されている。
【0065】
図3に示されるように、本実施形態の第2拡幅周方向溝28は、第1頂部43と第2頂部44との深さ方向の位置が同じとされている。これにより、第1頂部43から第2頂部44までの溝幅が、第2溝幅W2となる。第1頂部43と第2頂部44とが深さ方向に位置ずれしている場合、第1溝壁41から第2溝壁42までの距離が最も大きい位置での溝幅が、第2溝幅W2となる。
【0066】
図1図2及び図4に示されるように、本実施形態の第2拡幅周方向溝28は、第1クラウン周方向溝9及び第2クラウン周方向溝10としてトレッド部2に配置されているのが好ましい。これにより、タイヤ赤道C付近においてこれらの周方向溝4が十分な排水性を発揮し、優れたウェット性能が得られる。
【0067】
以上、本発明の一実施形態が詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【0068】
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
【0069】
[本発明1]
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間の接地面と、前記接地面で開口してタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝と、前記複数の周方向溝に区分された複数の陸部とを含み、
前記複数の陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部を含み、
前記第1ショルダー陸部は、前記接地面を構成する第1ゴム層と、前記第1ゴム層のタイヤ半径方向内側に接続された第2ゴム層とを含み、
前記第2ゴム層のゴム硬度は、前記第1ゴム層のゴム硬度よりも小さく、
前記複数の周方向溝の少なくとも1本は、拡幅周方向溝であり、
前記拡幅周方向溝は、前記接地面での第1溝幅と、前記接地面よりもタイヤ半径方向内側に、前記第1溝幅よりも大きい第2溝幅とを含む、
タイヤ。
[本発明2]
前記拡幅周方向溝は、第1拡幅周方向溝を含み、
前記第1拡幅周方向溝は、前記接地面上の第1溝縁及び第2溝縁と、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層との境界よりもタイヤ半径方向内側に位置する溝底面と、前記第1溝縁と前記溝底面との間の第1溝壁とを含み、
前記第1溝壁は、前記第1溝縁よりも溝幅方向の外側に位置する第1頂部を含む、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記第1頂部は、前記境界よりもタイヤ半径方向内側に位置している、本発明2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記第1拡幅周方向溝は、前記第2溝縁と前記溝底面との間の第2溝壁とを含み、
前記第1拡幅周方向溝の前記第2溝壁は、前記第2溝縁から前記溝底面まで、溝深さ方向に対して溝幅方向内側に傾斜している、本発明2又は3に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記周方向溝は、前記第1ショルダー陸部に隣接する第1ショルダー周方向溝を含み、
前記第1拡幅周方向溝は、前記第1ショルダー周方向溝であり、かつ、前記第2溝縁が、前記第1トレッド端側に位置する、本発明2ないし4のいずれかに記載のタイヤ。
[本発明6]
前記拡幅周方向溝は、第2拡幅周方向溝を含み、
前記第2拡幅周方向溝は、前記接地面上の第1溝縁及び第2溝縁と、前記第1ゴム層と前記第2ゴム層との境界よりもタイヤ半径方向内側に位置する溝底面と、前記第1溝縁と前記溝底面との間の第1溝壁と、前記第2溝縁と前記溝底面との間の第2溝壁とを含み、
前記第1溝壁は、前記第1溝縁よりも溝幅方向の外側に位置する第1頂部を含み、
前記第2溝壁は、前記第2溝縁よりも溝幅方向の外側に位置する第2頂部を含む、本発明1ないし5のいずれかに記載のタイヤ。
[本発明7]
前記周方向溝は、前記第1ショルダー陸部に隣接する第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ軸方向に隣接する第1クラウン周方向溝とを含み、
前記第2拡幅周方向溝が、前記第1クラウン周方向溝である、本発明6に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記ゴム硬度は、JIS K6253のタイプAデュロメータに準拠したゴム硬度であり、
前記第2ゴム層の前記ゴム硬度と前記第1ゴム層の前記ゴム硬度との差は3~5ポイントである、本発明1ないし7のいずれかに記載のタイヤ。
[本発明9]
前記第1ゴム層の前記ゴム硬度は、60~80度である、本発明1ないし8のいずれかに記載のタイヤ。
[本発明10]
前記接地面から前記第1ゴム層と前記第2ゴム層の境界までの深さは、前記複数の周方向溝の最大の深さの30%~45%である、本発明1ないし9のいずれかに記載のタイヤ。
[本発明11]
前記周方向溝の前記第2溝幅は、前記周方向溝の前記第1溝幅の105%~120%である、本発明1ないし10のいずれかに記載のタイヤ。
[本発明12]
前記接地面から前記第2溝幅までの最短深さは、前記周方向溝の最大の深さの50%~65%である、本発明1ないし11のいずれかに記載のタイヤ。
[本発明13]
前記第1溝壁は、前記第1溝縁からタイヤ半径方向内側に向かって溝幅方向の内部側に傾斜する外側部と、前記第1頂部からタイヤ半径方向内側に向かって溝幅方向の内側に傾斜する内側部と、前記外側部と前記内側部との間に配された中間部とを含み、
前記中間部は、タイヤ半径方向に対して、前記外側部とは逆向きに傾斜している、本発明2ないし12のいずれかに記載のタイヤ。
【符号の説明】
【0070】
1 タイヤ
2 トレッド部
T1 第1トレッド端
T2 第2トレッド端
3 接地面
4 周方向溝
5 陸部
11 第1ショルダー陸部
21 第1ゴム層
22 第2ゴム層
図1
図2
図3
図4