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特開2024-62797建設機械の作業管理システム及び作業管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062797
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】建設機械の作業管理システム及び作業管理方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20240501BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240501BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240501BHJP
   G05D 1/00 20240101ALI20240501BHJP
【FI】
E02F9/20 N
E02F9/20 Q
H04Q9/00 301B
H04Q9/00 351
G05D1/02 P
G05D1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170884
(22)【出願日】2022-10-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り プレスリリース配布日:令和3年10月26日、配布場所:国土交通記者会(千代田区霞が関2-1-3国土交通省5F)、 ウェブサイト掲載日:令和3年10月26日、ウェブサイトのアドレス:https://www.kajima.co.jp/news/press/202110/26c1-j.htm、 記者会見日:令和3年10月26日、会見場所:鹿島建設株式会社本社会議室(東京都港区元赤坂一丁目3番1号)、 プレスリリース配布日:令和4年9月8日、配布場所:国土交通記者会(千代田区霞が関2-1-3国土交通省5F)、 ウェブサイト掲載日:令和4年9月8日、ウェブサイトのアドレス:https://www.kajima.co.jp/news/press/202209/8c1-j.htm、 記者会見日:令和4年9月8日、会見場所:鹿島建設株式会社本社会議室(東京都港区元赤坂一丁目3番1号)
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 悟
(72)【発明者】
【氏名】浜本 研一
(72)【発明者】
【氏名】高見 聡
(72)【発明者】
【氏名】出石 陽一
(72)【発明者】
【氏名】黒沼 出
(72)【発明者】
【氏名】青木 恒
(72)【発明者】
【氏名】小熊 正
(72)【発明者】
【氏名】服部 良彦
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 孝治
(72)【発明者】
【氏名】仲村 滋夫
【テーマコード(参考)】
2D003
5H301
5K048
【Fターム(参考)】
2D003BA02
2D003BA04
2D003BA07
2D003BB04
2D003DB05
2D003FA02
5H301AA03
5H301AA10
5H301BB02
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG17
5K048AA09
5K048BA21
5K048DA02
5K048EB02
5K048EB13
5K048FB05
5K048HA01
5K048HA02
(57)【要約】
【課題】自動運転及び手動運転可能な建設機械の作業効率を向上させる。
【解決手段】建設機械の作業管理システム100は、自動運転により建設機械2が作業を行う自動運転作業エリアA1と手動運転により建設機械2が作業を行う手動運転作業エリアA2とを作業現場1A内に設定する作業エリア設定部11Aと、自動運転作業エリアA1内で行われる作業に基づいて建設機械2が自動運転を開始する自動運転開始位置P1を設定する作業計画部11Bと、手動運転により建設機械2が自動運転開始位置P1に到達したか否かを判定する判定部11Eと、判定部11Eにより、建設機械2が自動運転開始位置P1に到達したと判定されると、建設機械2を手動運転から自動運転に切り替える運転切替部11Fと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により前記建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを前記作業領域内に設定する作業エリア設定部と、
前記自動運転作業エリア内で行われる作業に基づいて前記建設機械が自動運転を開始する自動運転開始位置を設定する作業計画部と、
手動運転により前記建設機械が前記自動運転開始位置に到達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部により、前記建設機械が前記自動運転開始位置に到達したと判定されると、前記建設機械を手動運転から自動運転に切り替える運転切替部と、
を備える建設機械の作業管理システム。
【請求項2】
前記判定部により前記建設機械が前記自動運転開始位置に到達したと判定されたとき、または、前記運転切替部により前記建設機械が手動運転から自動運転に切り替えられたときに、自動運転作業の開始を告知する告知部をさらに備える、
請求項1に記載の建設機械の作業管理システム。
【請求項3】
作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により前記建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを前記作業領域内に設定する作業エリア設定部と、
前記自動運転作業エリア内で行われる自動運転作業内容を設定する作業計画部と、
前記作業計画部により設定された前記自動運転作業内容が完了したか否かを判定する判定部と、
を備える建設機械の作業管理システム。
【請求項4】
前記判定部が、前記自動運転作業内容が完了したと判定した場合、自動運転作業の終了を告知する告知部をさらに備える、
請求項3に記載の建設機械の作業管理システム。
【請求項5】
前記判定部が、前記自動運転作業内容が完了したと判定した場合、前記建設機械を自動運転から手動運転に切り替える運転切替部をさらに備える、
請求項3または4に記載の建設機械の作業管理システム。
【請求項6】
前記作業領域の前記手動運転作業エリアにおいて前記建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部をさらに備える
請求項1から4の何れか1つに記載の建設機械の作業管理システム。
【請求項7】
複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する建設機械の作業管理システムであって、
前記建設機械の運転状態を自動運転と手動運転との何れかに切り替える運転切替部と、
異なる前記作業領域に配備された前記建設機械であって、前記運転切替部により運転状態が手動運転に切り替えられた前記建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部と、を備える建設機械の作業管理システム。
【請求項8】
前記建設機械が自動運転により作業を行う自動運転時間と前記建設機械が手動運転により作業を行う手動運転時間とを含む予め設定された作業スケジュールを表示する表示部をさらに備え、
前記表示部には、前記作業スケジュールが表示されるとともに、前記建設機械が、現時点において自動運転状態及び手動運転状態の何れの状態であるかが表示される、
請求項1,3及び7の何れか1つに記載の建設機械の作業管理システム。
【請求項9】
作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により前記建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを前記作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、
前記自動運転作業エリア内で行われる作業に基づいて前記建設機械が自動運転を開始する自動運転開始位置を設定する作業計画工程と、
手動運転により前記建設機械が前記自動運転開始位置に到達したか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において、前記建設機械が前記自動運転開始位置に到達したと判定されると、前記建設機械を手動運転から自動運転に切り替える運転切替工程と、
を含む建設機械の作業管理方法。
【請求項10】
前記判定工程において前記建設機械が前記自動運転開始位置に到達したと判定されたとき、または、前記運転切替工程において前記建設機械が手動運転から自動運転に切り替えられたときに、自動運転作業の開始を告知する告知工程をさらに含む、
請求項9に記載の建設機械の作業管理方法。
【請求項11】
作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、
自動運転により前記建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により前記建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを前記作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、
前記自動運転作業エリア内で行われる自動運転作業内容を設定する作業計画工程と、
前記作業計画工程において設定された前記自動運転作業内容が完了したか否かを判定する判定工程と、
を含む建設機械の作業管理方法。
【請求項12】
前記判定工程において、前記自動運転作業内容が完了したと判定された場合に、自動運転作業の終了を告知する告知工程をさらに含む、
請求項11に記載の建設機械の作業管理方法。
【請求項13】
前記判定工程において、前記自動運転作業内容が完了したと判定された場合に、前記建設機械を自動運転から手動運転に切り替える運転切替工程をさらに含む、
請求項11または12に記載の建設機械の作業管理方法。
【請求項14】
前記作業領域の前記手動運転作業エリアにおける前記建設機械の操縦は、前記作業領域に配備された前記建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部を介して遠隔で行われる
請求項9から12の何れか1つに記載の建設機械の作業管理方法。
【請求項15】
複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、
前記建設機械の運転状態を自動運転と手動運転との何れかに切り替える運転切替工程を含み、
前記運転切替工程において運転状態が手動運転に切り替えられた前記建設機械の操縦は、異なる前記作業領域に配備された前記建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部を介して遠隔で行われる
建設機械の作業管理方法。
【請求項16】
前記建設機械が自動運転により作業を行う自動運転時間と前記建設機械が手動運転により作業を行う手動運転時間とを含む予め設定された作業スケジュールを表示部に表示する表示工程をさらに含み、
前記表示部には、前記作業スケジュールが表示されるとともに、前記建設機械が、現時点において自動運転状態及び手動運転状態の何れの状態であるかが表示される、
請求項9,11及び15の何れか1つに記載の建設機械の作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の作業管理システム及び作業管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オペレータによる操作を必要としない自動運転が可能な建設機械が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-8183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、施工効率を向上させるために、特許文献1に記載されるような自動(自律)運転可能な建設機械の導入が進められている。自動運転される建設機械による作業によってすべての施工を完了させることが望ましいが、例えば、精緻な作業や仕上げ工程では、オペレータが手動操作する建設機械による作業が必要となる場合がある。つまり、作業領域内には自動運転状態の建設機械と手動運転状態の建設機械とが混在することとなる。
【0005】
自動運転状態の建設機械と手動運転状態の建設機械との間では意思の疎通を図ることが難しいことから、これらを混在させた場合、互いの作業や通行を阻害してしまう可能性が高くなり、結果として施工効率の低下や安全性の低下を招くおそれがある。
【0006】
本発明は、自動運転及び手動運転可能な建設機械の作業効率を向上させるとともに安全性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを作業領域内に設定する作業エリア設定部と、自動運転作業エリア内で行われる作業に基づいて建設機械が自動運転を開始する自動運転開始位置を設定する作業計画部と、手動運転により建設機械が自動運転開始位置に到達したか否かを判定する判定部と、判定部により、建設機械が自動運転開始位置に到達したと判定されると、建設機械を手動運転から自動運転に切り替える運転切替部と、を備える。
【0008】
また、本発明は、作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する建設機械の作業管理システムであって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを作業領域内に設定する作業エリア設定部と、自動運転作業エリア内で行われる自動運転作業内容を設定する作業計画部と、作業計画部により設定された自動運転作業内容が完了したか否かを判定する判定部と、を備える。
【0009】
また、本発明は、複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する建設機械の作業管理システムであって、建設機械の運転状態を自動運転と手動運転との何れかに切り替える運転切替部と、異なる作業領域に配備された建設機械であって、運転切替部により運転状態が手動運転に切り替えられた建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部と、を備える。
【0010】
また、本発明は、作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、自動運転作業エリア内で行われる作業に基づいて建設機械が自動運転を開始する自動運転開始位置を設定する作業計画工程と、手動運転により建設機械が自動運転開始位置に到達したか否かを判定する判定工程と、判定工程において、建設機械が自動運転開始位置に到達したと判定されると、建設機械を手動運転から自動運転に切り替える運転切替工程と、を含む。
【0011】
また、本発明は、作業領域に配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、自動運転により建設機械が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により建設機械が作業を行う手動運転作業エリアとを作業領域内に設定する作業エリア設定工程と、自動運転作業エリア内で行われる自動運転作業内容を設定する作業計画工程と、作業計画工程において設定された自動運転作業内容が完了したか否かを判定する判定工程と、を含む。
【0012】
また、本発明は、複数の作業領域にそれぞれ配備された自動運転及び手動運転可能な建設機械による作業を一括して管理する作業管理システムによる建設機械の作業管理方法であって、建設機械の運転状態を自動運転と手動運転との何れかに切り替える運転切替工程を含み、運転切替工程において運転状態が手動運転に切り替えられた建設機械の操縦は、異なる作業領域に配備された建設機械の操縦を遠隔で行うことが可能な遠隔操縦部を介して遠隔で行われる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動運転及び手動運転可能な建設機械の作業効率を向上させるとともに安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る作業管理システムの全体構成を示す概念図である。
図2】本発明の実施形態に係る作業管理システムにおける現場管理部及び建設機械の概略構成を示す構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る作業管理システムの作業管理部の機能を説明するためのブロック図である。
図4A】作業エリアで行われる作業の一例を説明するための図である。
図4B】作業エリアで行われる作業の一例を説明するための図である。
図4C】作業エリアで行われる作業の一例を説明するための図である。
図5図4A図4B及び図4Cに示される作業の作業エリアについて説明するための図である。
図6】作業スケジュールの設定について説明するための図である。
図7】本発明の実施形態に係る作業管理システムの処理の流れを示す図である。
図8】作業エリアで行われる作業の他の例を説明するための図である。
図9図8に示される作業の作業エリアについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る作業管理システム及び作業管理方法について説明する。
【0016】
まず、図1~3を参照して、本発明の実施形態に係る作業管理システム100について説明する。
【0017】
作業管理システム100は、図1に示すように、複数の作業現場1A,1B,1Cに配備された自動運転及び手動運転可能な複数の建設機械2による作業を一括して管理するために構築されたシステムである。作業管理システム100により管理される複数の作業現場1A,1B,1Cは、例えば、互いに数百km以上離れた場所に設定された土木作業領域である。なお、複数の作業現場1A,1B,1Cは、1つの土木工事現場内に設定された複数の作業領域であってもよい。
【0018】
また、作業現場1A,1B,1Cは、国内の土木作業現場に限らず、海外の土木作業現場であってもよいし、月面といった地球外の土木作業現場であってもよい。また、管理される作業現場1A,1B,1Cの数は、2か所以上であれば、何か所であってもよい。
【0019】
作業管理システム100は、各作業現場1A,1B,1C(作業領域)にそれぞれ設置される現場管理部30と、各作業現場1A,1B,1Cに配備された複数の建設機械2の作業状況を、現場管理部30を介して管理する作業管理部10と、を備える。作業管理部10と各現場管理部30とは、公衆回線等の通信ネットワーク50を介して互いに接続される。なお、以下では、作業管理システム100が、CSG(Cemented Sand and Gravel)等の盛土材を盛って台形ダム等の堤体を構築する土木作業に携わる建設機械2の作業を管理する場合について説明する。
【0020】
作業管理部10は、制御部11としてのCPU(Central Processing Unit)や、記憶部15としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータと、通信ネットワーク50を介して各現場管理部30とデータのやり取りを行う通信部12と、制御部11で演算された結果や各作業現場1A,1B,1Cの作業状況をリアルタイムで表示可能な表示部13と、作業を管理するオペレータの入力操作を受け付ける入力部14と、で主に構成される。記憶部15には、制御部11で実行されるプログラムやプログラムの実行に必要なデータが予め記憶されるとともに、制御部11において演算された結果が順次記憶される。なお、制御部11により行われる具体的な制御については、後述する。
【0021】
作業管理部10は、各作業現場1A,1B,1Cに配備された複数の建設機械2の作業を一括して管理するために、各作業現場1A,1B,1Cからは離れた場所に設置される。なお、作業管理部10は、何れかの作業現場1A,1B,1Cに設置されてもよい。
【0022】
次に、図2を参酌し、各作業現場1A,1B,1Cに設置される現場管理部30及び各作業現場1A,1B,1Cに配備される建設機械2について説明する。なお、図2には、複数の作業現場1A,1B,1Cのうちの1つの作業現場1Aにおける概略構成が示されている。
【0023】
現場管理部30は、作業管理部10と同様に、制御部31としてのCPU(Central Processing Unit)や、記憶部35としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータと、通信ネットワーク50を介して作業管理部10とデータのやり取りを行う通信部32と、作業管理部10の制御部11で演算された結果や作業現場1A内の状況、各建設機械2の状態をリアルタイムで表示可能な表示部33と、作業を管理するオペレータの入力操作を受け付ける入力部34と、で主に構成される。
【0024】
また、現場管理部30は、各建設機械2とデータのやり取りを行う送受信部36と、作業現場1A内を撮像する撮像部37と、をさらに備える。送受信部36は、LTE(Long Term Evolution)や5G、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信手段であり、撮像部37は、作業現場1A内の複数個所に設置されたカメラである。なお、他の作業現場1B,1Cに設置された現場管理部30も同様の構成となっている。
【0025】
作業現場1Aに配備された建設機械2は、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を構成するGPS衛星等からの信号を受信可能な位置取得部42と、加速度、角速度及び地磁気を検知可能な状態検知部43と、周囲の障害物等を検知可能な周囲検知部44と、現場管理部30とデータのやり取りを行う送受信部45と、これら各部で取得された情報に基づいて建設機械2の作動を制御する制御部41と、を汎用の建設機械に搭載することによって、自動(自律)運転することが可能な構成となっている。
【0026】
位置取得部42は、複数の測位衛星からの信号に基づいて建設機械2の位置(緯度,経度,高度)を検出可能な測位センサであり、状態検知部43は、建設機械2の状態を検知可能な加速度センサ、ジャイロセンサ、気圧センサ及び地磁気センサがユニット化された、いわゆる、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)であり、また、状態検知部43は、建設機械2の状態である稼働状況を検知するエンジン稼動検知センサ、建設機械2のバッテリや電装品の電圧・電流を検知する電圧計・電流計等である。周囲検知部44は、光を照射し物体で反射された反射光を計測することで周囲の空間を認識可能なレーザスキャナ等の三次元測域センサ、いわゆる、3D-LiDAR(light detection and ranging)センサや電波を使って計測対象物までの距離を計測可能なレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)であり、送受信部45は、現場管理部30の送受信部36と同様の無線通信手段である。
【0027】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)を主体として構成され、建設機械2に予め設置されている既存制御部48に接続されることにより、周囲検知部44により検知された結果から盛土材等の被作業物の状態や形状を検出するとともに周囲の安全性を確認する一方、位置取得部42や状態検知部43により検知された結果から自己位置や姿勢を確認することによって、指示された作業を自律して行うように建設機械2の操舵等を制御する。なお、建設機械2の自動(自律)運転は、予め定められた順番や判断に基づいて制御するシーケンス制御によって行われてもよいし、周囲検知部44によって計測された盛土材等の被作業物の形状や量に基づいて制御するフィードバック制御によって行われてもよいし、これらの制御を組み合わせることで行われてもよい。
【0028】
ここで、既存制御部48は、操舵等を手動で行うために建設機械2に予め設置されたハンドルやレバー等の既存操作部49がオペレータによって操作されることに応じて建設機械2の操舵やエンジン出力等を制御するものである。つまり、既存操作部49を操作した際に生じる信号と同等の信号を制御部41において生成し、生成された擬似信号を既存制御部48へと送信することにより、あたかもオペレータが操作しているかのうように建設機械2を動かすことが可能である。
【0029】
なお、建設機械2には、既存操作部49が設置されたままとなっているため、オペレータが搭乗することにより建設機械2を手動で操作することが可能である。
【0030】
また、建設機械2には、離れた場所からオペレータが建設機械2を操縦できるようにするために、運転室から見える作業現場1Aの状況を撮像可能な撮像部46や建設機械2の作業音等を拾う図示しない集音装置がさらに設けられる。撮像部46は、例えば、建設機械2の全周囲の状況を撮像可能なステレオカメラであり、後述の遠隔操縦部20で操作を行うオペレータの頭の向きや動きに応じて撮像方向が変化するものであることが好ましい。
【0031】
このように建設機械2は、自動(自律)運転可能であるとともに、オペレータが搭乗した状態での手動運転や、遠隔地でオペレータが操作することによる手動運転が可能な構成となっている。つまり、以下で説明される建設機械2の手動運転には、オペレータが建設機械2に搭乗して建設機械2の操縦を行う場合と、建設機械2には搭乗せず後述の遠隔操縦部20から遠隔操作によってオペレータが建設機械2の操縦を行う場合とが含まれる。
【0032】
自動運転及び手動運転可能に構成された建設機械2としては、例えば、ブルドーザやダンプトラック、振動ローラ、バックホウであり、作業現場1Aに配備されたこれら異なる種類の建設機械2による作業は、現場管理部30によって管理されるとともに、現場管理部30を介して作業管理部10により管理される。なお、建設機械2の種類によって既存操作部49の構成は異なるが、自動運転や遠隔操作を可能とするために必要な構成はほぼ同じである。
【0033】
作業管理システム100は、各作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2を各作業現場1A,1B,1Cから離れた場所から遠隔で操縦するための遠隔操縦部20をさらに備える。
【0034】
遠隔操縦部20は、図1に示されるように、遠隔制御部21としてのCPU(Central Processing Unit)を備えたマイクロコンピュータと、遠隔制御部21に接続される複数の遠隔操縦装置24と、遠隔操縦が行われるスケジュールや遠隔操縦される建設機械2の作業状況をリアルタイムで表示可能な表示部22と、で主に構成される。遠隔操縦部20は、作業管理部10の制御部11に直接接続されていてもよいし、通信ネットワーク50を介して作業管理部10と接続されていてもよい。また、遠隔操縦部20は、作業管理部10と同じ場所に設置されてもよいし、作業管理部10から離れた場所や何れかの作業現場1A,1B,1Cに設置されてもよい。
【0035】
遠隔操縦装置24は、建設機械2の操縦を行うためのハンドルやレバー等の操作部27や、建設機械2に設けられた撮像部46が撮像した映像や作業内容が表示される表示部26、建設機械2の周囲の音を出すための図示しないスピーカ等が設けられ、これらの作動はCPU(Central Processing Unit)を主体として構成された制御部25によって制御される。表示部26は、例えば、オペレータが装着するヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0036】
続いて、このように構成された作業管理システム100において、作業管理部10の制御部11が実行する制御について、図3を参酌して説明する。
【0037】
制御部11は、図3に示すように、各作業現場1A,1B,1CのCIM(Construction Information Modeling)データ等の3次元データに基づいて、自動運転により建設機械2が作業を行う自動運転作業エリアと手動運転により建設機械2が作業を行う手動運転作業エリアとを各作業現場1A,1B,1C内に設定する作業エリア設定部11Aと、作業エリア設定部11Aにより設定された各作業エリアにおいて各建設機械2が行う作業の内容を各建設機械2の諸元等に基づいて計画する作業計画部11Bと、作業計画部11Bにより計画された作業を行う順序や時刻をガントチャート等の工程表として生成するスケジュール生成部11Cと、スケジュール生成部11Cで生成された工程表を表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示する告知部11Dと、各建設機械2の位置情報や各建設機械2から送信される信号に基づいて、作業計画部11Bにより計画された作業の完了状況を判定する判定部11Eと、例えば、判定部11Eでの判定に応じて、各建設機械2の運転状態を自動運転状態と手動運転状態との何れかに切り替える運転切替部11Fと、を有する。
【0038】
作業エリア設定部11Aにおいて用いられるCIMデータ等の3次元データは、予め記憶部15や各現場管理部30の記憶部35に保存されている。なお、作業エリア設定部11Aにおいて用いられるデータは、入力部14を介してオペレータにより入力されてもよい。
【0039】
作業計画部11Bにおいて用いられる各建設機械2の諸元は、予め現場管理部30の入力部34を介してオペレータにより入力される。例えば、建設機械2がブルドーザである場合にはブレード幅等が、ダンプトラックである場合には最大積載量や走行速度が、振動ローラである場合にはローラ幅等が諸元として入力される。
【0040】
また、作業計画部11Bにおいて作業内容を計画する際、各作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2のうち、点検中や修理中の建設機械2については計画の対象から除外され、作業を行うことが可能な状態にある建設機械2のみが計画の対象とされる。建設機械2が作業可能な状態にあるか否かについては、現場管理部30の入力部34を介してオペレータにより随時入力される。また、各建設機械2は、元々、図示しない作動油圧力センサや作動油温度センサに基づいて作業機械を作動させるアクチュエータ等の異常を検知する異常検知機能を有していることから、各建設機械2から送信される異常の有無に基づいて建設機械2が作業可能な状態にあるか否かを随時判定するようにしてもよい。
【0041】
作業計画部11Bにおいて計画される作業内容には、例えば、自動運転作業エリア内において建設機械2が自動運転により作業を行う自動運転作業内容、具体的には、自動運転作業を開始する開始位置や自動運転作業を終了する終了位置、開始位置から終了位置に至るまでの経路等が含まれており、これらはデータ化されて、現場管理部30を介して作業を担当する建設機械2へと送信される。自動運転作業内容は、例えば、盛土材等の被作業物に対する作業の内容であって、作業が行われる作業範囲と作業範囲内における目標値(目標形状、目標仕様)であり、後述のように各建設機械2が行う作業に応じてそれぞれ設定される。作業範囲と作業範囲内における目標値が設定されることにより、建設機械2は目標値を達成するように作業範囲内において自動運転により作業を行う。
【0042】
また、作業計画部11Bにおいて計画される作業内容には、例えば、手動運転作業エリア内において建設機械2が手動運転により作業を行う手動運転作業内容も含まれる。作業計画部11Bにおいて計画された作業内容は、オペレータが建設機械2に搭乗する場合、現場管理部30を介して建設機械2に装備された端末やオペレータが所持するタブレット端末等に送信され、オペレータが遠隔操縦部20において建設機械2を遠隔操作する場合、遠隔操縦装置24に送信される。
【0043】
スケジュール生成部11Cは、後述のように、建設機械2が手動運転状態となる時間(時刻)が各作業現場1A,1B,1C間において出来るだけ重なり合わないように工程表を生成する。これにより、遠隔操縦部20において建設機械2を遠隔操作するオペレータは、複数の作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2を順次操作することが可能となり、結果として、必要なオペレータの人数を減らすことができる。
【0044】
判定部11Eにおいて判定された結果は、告知部11Dを介して、スケジュール生成部11Cで生成された工程表と同様に、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示される。これにより、作業の進捗状況を容易に把握することができる。
【0045】
また、各建設機械2の運転状態が自動運転状態と手動運転状態との何れの状態にあるかについても告知部11Dを介して、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示される。これにより、例えば、遠隔操縦部20の表示部22を見ることによって、オペレータは、何れの建設機械2が手動運転可能状態、すなわち、遠隔操作可能な状態にあるのかを把握することができる。
【0046】
なお、これら作業エリア設定部11A等は、制御部11の各機能を、仮想的なユニットとして示したものであり、物理的に存在することを意味するものではない。また、上記機能は、制御部11が実行する制御の一部であり、制御部11では、これら以外の機能に関連する制御も随時実行される。
【0047】
次に、図4~7を参酌し、上記構成の作業管理システム100により行われる建設機械2の作業管理方法について、具体的に説明する。以下では、図4Aに示すように、ダンプトラック2B(建設機械)によって運搬された盛土材をブルドーザ2A(建設機械)によって敷き均した後、図4Bに示すように、バックホウ2C(建設機械)によって法面の端部整形を行った後、図4Cに示すように、振動ローラ2D(建設機械)によって表面を転圧して締め固め、これらの工程を繰り返すことで複数の層を形成し、堤体を構築する土木工事を例にして説明する。
【0048】
本実施形態において、被作業物は土砂やセメント混合物といったいわゆる盛土材である。ダンプトラック2Bによって運搬され荷卸しされた盛土材はブルドーザ2Aによって、予め設定された目標厚さ(目標形状)、例えば、25cmとなるように、すなわち、高さが25cm高くなるように敷き均しされる。その後、バックホウ2Cによって、目標形状である所定の形状に端部整形される。その後、振動ローラ2Dによって、目標仕様である所定の回数(例えば6回)にわたって転圧される。
【0049】
したがって、作業計画部11Bにおいて計画される作業内容としては、ブルドーザ2Aの場合は、所定の範囲内において盛土材を目標形状(敷き均し厚さ25cm)に敷き均すことであり、バックホウ2Cの場合は、盛土材が敷き均しされた所定の範囲の端部を目標形状(所定の角度(例えば45度))で整形することであり、振動ローラ2Dの場合は、所定の範囲に敷き均しされて端部が整形された盛土材の表面を往復移動することによって目標仕様(所定の回数(例えば6回))転圧することである。
【0050】
図5には、ブルドーザ2A(建設機械)によって敷き均しが順次行われる3つの作業エリアA,B,Cが示されている。具体的には、第1作業エリアAにおける敷き均し作業が完了すると、ブルドーザ2Aは、第2作業エリアBへと移動し、第2作業エリアBにおいて敷き均し作業を開始する。ブルドーザ2Aによる敷き均し作業が完了した第1作業エリアAには、バックホウ2Cが進入し、法面の端部整形を開始する。
【0051】
第2作業エリアBにおける敷き均し作業が完了すると、ブルドーザ2Aは、第3作業エリアCへと移動し、第3作業エリアCにおいて敷き均し作業を開始する。ブルドーザ2Aによる敷き均し作業が完了した第2作業エリアBには、第1作業エリアAでの作業が完了したバックホウ2Cが進入し、法面の端部整形を開始する。また、バックホウ2Cによる端部整形が完了した第1作業エリアAには、振動ローラ2Dが進入し、転圧を開始する。
【0052】
このようにして3つの作業エリアA,B,Cは、第1作業エリアA,第2作業エリアB,第3作業エリアCの順で堤体の高さが高くなっていく。
【0053】
ここで、各作業エリアA,B,Cにおける作業の全てを自動運転によって建設機械2により行わせることが効率性及び安全性の観点からは好ましいが、例えば、ブルドーザ2Aによる敷き均しは、端部(法面)付近や作業エリアA,B,C間の境界付近において作業精度が低下しやすいことから、これらの部分は、オペレータによる手動運転によって作業精度を確保する必要がある。
【0054】
このため、上述の制御部11の作業エリア設定部11Aは、例えば、図5に示されるように、各作業エリアA,B,Cの端部を含む一定の幅の領域を手動運転の建設機械2により作業が行われる手動運転作業エリアA2,B2,C2として設定する。また、手動運転作業エリアA2によって3方が囲まれた領域を自動運転の建設機械2により作業が行われる自動運転作業エリアA1として設定し、手動運転作業エリアB2,C2によってそれぞれ挟まれた領域を自動運転の建設機械2により作業が行われる自動運転作業エリアB1,C1として設定する。つまり、各作業エリアA,B,Cは、自動運転作業エリアA1,B1,C1と手動運転作業エリアA2,B2,C2との2つのエリアにそれぞれ区分される。このように、自動運転作業エリアA1,B1,C1の外側に、手動運転作業エリアA2,B2,C2が設定されている。言い換えると、手動運転作業エリアA2,B2,C2の内側に自動運転作業エリアA1,B1,C1が設定される。なお、自動運転作業エリアA1と手動運転作業エリアA2とに重複する領域があってもよい。
【0055】
また、上述の制御部11の作業計画部11Bは、自動運転作業エリアA1内で行われる敷き均し作業に基づいて、図5に示されるように、自動運転作業開始位置P1と自動運転作業終了位置P2を設定する。例えば、自動運転作業開始位置P1は、盛土材を運搬するダンプトラック2Bが最初に荷卸しする位置に応じて設定される。なお、ダンプトラック2Bが荷卸しする位置は、第1作業エリアAの広さや盛土厚さ、ダンプトラック2Bの積載量などに応じて別途設定される。
【0056】
自動運転作業終了位置P2は、第1作業エリアA内において別途設定されたダンプトラック2Bの荷卸し位置や荷卸し順序に応じて自動運転作業エリアA1内において適宜設定されるものであってもよし、予め設定されず、自動運転作業エリアA1内での作業の進行に合わせて、例えば、ダンプトラック2Bの荷卸し位置や荷卸し順序の変更に応じて、その位置が変更されるものであってもよい。また、上述の制御部11の作業計画部11Bは、自動運転作業開始位置P1と盛土材(被作業物)の目標形状(敷均し厚さ(例えば、25cm))とを設定するものであってもよい。
【0057】
このように、作業計画部11Bにより各運転作業エリアA1,A2内で行われる作業内容が設定されると、スケジュール生成部11Cは、図6に示されるように、各作業現場1A,1B,1Cにおいて行われる作業の工程表を生成する。なお、図6に示される工程表は、2つの作業現場1A,1Bにおいて行われる作業予定のうち、ブルドーザ2A(敷均し機械)が自動運転状態で行う作業の予定と手動運転状態で行う作業の予定とを抜粋して示したものである。
【0058】
例えば、図6に示されるように、ブルドーザ2A(敷均し機械)が手動運転状態となる時間を、2つの作業現場1A,1Bにおいて重なり合わないように設定することによって、異なる作業現場1A,1Bに配備されたブルドーザ2Aを、一人のオペレータが遠隔操縦部20において、遠隔操縦することが可能となる。
【0059】
続いて、図5に示されるように作業現場1A内に設定された自動運転作業エリアA1及び手動運転作業エリアA2をブルドーザ2Aによって敷き均し作業を行う際の流れについて、図7に示されるフロー図を参酌して説明する。
【0060】
まず、ステップS10において、作業管理部10は、上述のように制御部11の作業エリア設定部11Aにより、作業現場1A内に自動運転作業エリアA1と手動運転作業エリアA2とを設定する(作業エリア設定工程)。
【0061】
続いて、ステップS11において、作業管理部10は、上述のように制御部11の作業計画部11Bにより、自動運転作業開始位置P1や自動運転作業終了位置P2、盛土材(被作業物)の目標値を含む作業の内容を設定する(作業計画工程)。なお、上述のように自動運転作業終了位置P2は、この時点で設定されることなく、自動運転による作業が開始されてから作業の進行に合わせて設定されてもよい。
【0062】
このように作業エリア及び作業内容が設定されると、作業管理部10は、続くステップS12において、自動運転作業開始位置P1を手動運転状態のブルドーザ2Aに送信する。ブルドーザ2Aの手動運転が、遠隔操縦部20を介してオペレータにより遠隔で行われる場合、自動運転作業開始位置P1は、遠隔操縦部20に送信される。また、ブルドーザ2Aの手動運転が、オペレータがブルドーザ2Aに搭乗することによって行われる場合、自動運転作業開始位置P1は、建設機械2に装備された端末やオペレータが所持するタブレット端末に送信される。
【0063】
なお、ステップS11で設定された作業内容は、上述のスケジュール生成部11Cにおいて工程表(作業スケジュール)として生成され、告知部11Dを介して、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示される(表示工程)。
【0064】
各表示部13,22,33に表示される工程表には、ブルドーザ2Aが自動運転により作業を行う自動運転時間と手動運転により作業を行う手動運転時間とが含まれており、また、各表示部13,22,33には、ブルドーザ2Aの運転状態が自動運転状態と手動運転状態との何れの状態にあるかも表示されることから、例えば、遠隔操縦部20の表示部22を見ることによって、オペレータは、何れの作業現場1A,1B,1Cに配備されたブルドーザ2Aが手動運転可能状態、すなわち、遠隔操作可能な状態にあるのかを容易に把握することができる。
【0065】
自動運転作業開始位置P1に関する情報を受け取ったオペレータは、遠隔操縦装置24の操作部27またはブルドーザ2Aの既存操作部49を操作し、ブルドーザ2Aを駐機位置(現在位置)から自動運転作業開始位置P1へと移動させる(ステップS13)。
【0066】
図5に示されるように、ブルドーザ2Aが自動運転作業開始位置P1へと到達すると、オペレータは、移動が完了したことを作業管理部10に知らせるために、移動完了信号を送信する操作を行う(ステップS14)。
【0067】
移動完了信号を受信した作業管理部10は、ブルドーザ2Aの現在位置情報を取得し、ブルドーザ2Aが所定の位置、すなわち、自動運転作業開始位置P1に到達したか否かを判定部11Eにおいて判定する(ステップS15:判定工程)。
【0068】
ステップS15において、ブルドーザ2Aが所定の位置に到達したと判定されると、作業管理部10は、運転切替部11Fによりブルドーザ2Aの運転状態を手動運転状態から自動運転状態に切り替える(運転切替工程)。なお、ブルドーザ2Aの手動運転が、オペレータがブルドーザ2Aに搭乗することによって行われている場合には、ブルドーザ2Aからオペレータが降車し所定距離以上離れたことが、例えば、オペレータが所持するタブレット端末とブルドーザ2Aとの位置関係から確認された後に、ブルドーザ2Aの運転状態の切り替えが行われる。
【0069】
一方、ステップS15において、ブルドーザ2Aが所定の位置にまだ到達していないと判定されると、作業管理部10は、ブルドーザ2Aを操縦するオペレータに対してブルドーザ2Aの位置の修正を指示する。停止位置の修正指示を受け取ったオペレータは、修正指示に応じてブルドーザ2Aを移動させた後、再度、移動完了信号を送信する操作を行う(ステップS14)。
【0070】
ステップS15において、ブルドーザ2Aの運転状態が手動運転状態から自動運転状態に切り替えられると、作業管理部10は、ブルドーザ2Aに対して、自動運転作業エリアA1内での自動(自律)運転の開始を指令する開始指令を送信するとともに、自動運転作業エリアA1内で行う作業内容、例えば、ダンプトラック2Bの荷卸し位置や荷卸し位置に対して敷き均しを行う方向及び範囲を送信する(ステップS16)。
【0071】
また、ステップS15において、ブルドーザ2Aが所定の位置、すなわち、自動運転作業開始位置P1に到達したと判定されたとき、または、運転切替部11Fによってブルドーザ2Aの運転状態が手動運転状態から自動運転状態に切り替えられたとき、ブルドーザ2Aの自動運転作業が開始されたことが告知部11Dを介して、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22、ブルドーザ2A(建設機械2)の図示しない表示部に告知される(告知工程)。このため、例えば、遠隔操縦部20の表示部22を見ることによって、オペレータは、何れの作業現場1A,1B,1Cに配備されたブルドーザ2Aが自動運転可能状態となったかを容易に把握することができる。
【0072】
開始指令を受信したブルドーザ2Aは自動運転による作業を開始し、受信した作業内容に従って作業を実行する。具体的には、ダンプトラック2Bの位置やダンプトラック2Bから荷卸しされた盛土材(被作業物)の形状等を周囲検知部44により検知して、盛土材の形状等に応じて自動(自律)運転による敷き均し作業を開始する(ステップS17)。
【0073】
自動運転作業エリアA1内において、ブルドーザ2Aは、盛土材(被作業物)の敷き均し厚さが設定された目標値(例えば、25cm)となるように、周囲検知部44によって検知された盛土材を予め指示された方向及び範囲へと敷き均す。盛土材の敷き均し厚さは、敷均し前のブルドーザ2Aの高さ(高度)と敷均し後のブルドーザ2Aの高さ(高度)との差分にほぼ等しく、位置取得部42や状態検知部43の検出値に基づいて公知の手法で算出される。
【0074】
自動運転作業エリアA1内での作業が完了する位置(自動運転作業終了位置P2)は、ダンプトラック2Bの荷卸し位置や荷卸し順序に応じて自動運転作業エリアA1内で決定される位置であり、自動運転作業エリアA1内での敷き均し作業が完了し、ブルドーザ2Aが停止した位置、すなわち、自動運転作業エリアA1内での敷き均し作業を達成したと同時にブルドーザ2Aが停止する位置である。このため、ダンプトラック2Bの荷卸し位置や荷卸し順序に変更等があった場合には、これらの変更に応じて自動運転作業終了位置P2も変更されることになる。なお、自動運転作業終了位置P2を予め設定しておき、ダンプトラック2Bの荷卸し位置や荷卸し順序に関わらず、自動運転作業エリアA1内での敷き均し作業が完了した後、ブルドーザ2Aを自動運転により、自動運転作業終了位置P2に向かって移動させるようにしてもよい。
【0075】
自動運転作業終了位置P2への移動が完了すると、ブルドーザ2Aは、移動完了信号を作業管理部10へと送信する(ステップS18)。
【0076】
移動完了信号を受信した作業管理部10は、ブルドーザ2Aの現在位置情報を取得し、ブルドーザ2Aが所定の位置、すなわち、自動運転作業終了位置P2に到達したか否かを判定部11Eにおいて判定する(ステップS19:判定工程)。また、判定部11Eでは、盛土材(被作業物)に対する作業が目標値に達したか否か、例えば、ブルドーザ2Aの高さ(高度)が目標とされる敷き均し厚さ分だけ高くなったか否かが判定される。
【0077】
ステップS19において、ブルドーザ2Aが所定の位置に到達し、盛土材に対する作業が目標値に達したと判定されると、作業管理部10は、運転切替部11Fによりブルドーザ2Aの運転状態を自動運転状態から手動運転状態に切り替える(運転切替工程)。
【0078】
また、ステップS19において、ブルドーザ2Aが所定の位置、すなわち、自動運転作業終了位置P2に到達し、盛土材に対する作業が目標値に達したと判定部11Eにより判定されたとき、または、運転切替部11Fによりブルドーザ2Aの運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替えられたとき、ブルドーザ2Aの自動運転作業が終了したことが告知部11Dを介して、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22、ブルドーザ2A(建設機械2)の図示しない表示部に告知される(告知工程)。このため、例えば、遠隔操縦部20の表示部22を見ることによって、オペレータは、何れの作業現場1A,1B,1Cに配備されたブルドーザ2Aが手動運転可能状態、すなわち、遠隔操作可能な状態となったかを容易に把握することができる。
【0079】
一方、ステップS19において、ブルドーザ2Aが所定の位置にまだ到達していないか、あるいは、盛土材に対する作業が目標値に達していないと判定されると、作業管理部10は、自動運転状態のブルドーザ2Aに対して位置の修正や再度作業を行うことを指示する。停止位置の修正指示を受け取ったブルドーザ2Aは、修正指示に応じてブルドーザ2Aを移動させた後、再度、移動完了信号を送信し、盛土材に対して再び作業を行う再作業指示を受け取ったブルドーザ2Aは、ブルドーザ2Aの自動運転を再開して必要な作業を行った後、再度、作業完了信号を送信する(ステップS18)。
【0080】
ステップS19において、ブルドーザ2Aの運転状態が自動運転状態から手動運転状態に切り替えられると、作業管理部10は、ブルドーザ2Aを操縦するオペレータに対して、手動運転作業エリアA2での作業の開始を指令する開始指令とともに手動運転作業エリアA2内で行う作業内容を送信する(ステップS20)。具体的には、手動運転作業エリアA2の形状やその範囲、次の作業エリアである第2作業エリアBの自動運転作業エリアB1における自動運転作業開始位置P1等が作業内容として送信される。
【0081】
作業内容を受信したオペレータは、ブルドーザ2Aを操縦し、手動運転作業エリアA2内で敷き均し作業を開始する(ステップS21)。手動運転作業エリアA2内での作業が完了すると、オペレータは、ブルドーザ2Aを次の作業エリアである第2作業エリアBの自動運転作業エリアB1の自動運転作業開始位置P1へと移動させる。
【0082】
自動運転作業エリアB1の自動運転作業開始位置P1へとブルドーザ2Aが到達すると、オペレータは、移動が完了したことを作業管理部10に知らせるために、移動完了信号を送信する操作を行う(ステップS22)。
【0083】
移動完了信号を受信した作業管理部10は、ブルドーザ2Aの現在位置情報を取得し、ブルドーザ2Aが所定の位置、すなわち、自動運転作業エリアB1の自動運転作業開始位置P1に到達したか否かを判定部11Eにおいて判定する(ステップS23:判定工程)。
【0084】
ステップS23において、ブルドーザ2Aが所定の位置に到達したと判定されると、作業管理部10は、運転切替部11Fによりブルドーザ2Aの運転状態を手動運転状態から自動運転状態に切り替える(運転切替工程)。
【0085】
一方、ステップS23において、ブルドーザ2Aが所定の位置にまだ到達していないと判定されると、作業管理部10は、上述のステップS15と同様に、ブルドーザ2Aを操縦するオペレータに対してブルドーザ2Aの位置の修正を指示する。
【0086】
ステップS23において、ブルドーザ2Aの運転状態が手動運転状態から自動運転状態に切り替えられると、上述のステップS16と同様に、作業管理部10は、ブルドーザ2Aに対して、自動運転作業エリアB1内で行う作業内容を送信する。
【0087】
以降、予め計画された作業エリア内での敷き均し作業が完了するまで、例えば、図5に示される第3作業エリアCでの作業が完了するまで、ステップS16からステップS23の工程、すなわち、自動運転での作業と手動運転での作業とが繰り返し行われる。
【0088】
また、ブルドーザ2Aによる敷き均し作業に引き続いて行われるバックホウ2Cによる法面の端部整形作業や振動ローラ2Dによる転圧作業についても、ブルドーザ2Aによる敷き均し作業と同様にして、作業エリア及び作業内容が設定され、自動運転での作業と手動運転での作業とが繰り返し実行される。盛土材(被作業物)に対する作業が目標値に達したか否かについては、バックホウ2Cの場合には、例えば、締固めアタッチメントの角度が目標角度(例えば45度)となっているか否かで判定され、振動ローラ2Dの場合は、例えば、位置取得部42の検出値に基づいて求められる盛土材の表面を振動ローラ2Dが移動した軌跡が目標軌跡(例えば転圧6回)となっているか否かで判定される。なお、バックホウ2Cによる端部整形作業は、手動運転のみで行われてもよいし、振動ローラ2Dによる転圧作業は、自動運転のみで行われてもよい。
【0089】
このように、各建設機械2A,2B,2C,2Dが計画された作業を順次実行することにより、複数層からなる堤体が構築される。
【0090】
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0091】
本実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によれば、建設機械2の運転状態は、予め設定された自動運転作業開始位置P1または自動運転作業終了位置P2に建設機械2が到達したと判定された場合にのみ切り替えられる。つまり、自動運転状態の建設機械2と手動運転状態の建設機械2とが同じ作業エリア内に混在することがない。このため、自動運転作業エリアA1,B1,C1での作業や手動運転作業エリアA2,B2,C2での作業を効率よく行うことが可能になるとともに、建設機械2同士が衝突することが避けられるため安全性を確保することができる。
【0092】
また、本実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によれば、各作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2は、手動運転状態に切り替えられると、各作業現場1A,1B,1Cから離れた遠隔操縦部20から遠隔で操縦可能になる。換言すれば、遠隔操縦部20において建設機械2を遠隔操作するオペレータは、複数の作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2を操作することが可能である。このため、各作業現場1A,1B,1Cに配置されるオペレータの人数を減らすことができる。また、オペレータが建設機械2に搭乗しなくなることで、作業の安全性を向上させることができる。
【0093】
また、本実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によれば、建設機械2が手動運転状態となる時間(時刻)が各作業現場1A,1B,1C間において出来るだけ重なり合わないように設定される。これにより、遠隔操縦部20において建設機械2を遠隔操作するオペレータは、複数の作業現場1A,1B,1Cに配備された建設機械2を順次操作することが可能となり、結果として、必要なオペレータの人数を減らすことができる。
【0094】
また、本実施形態に係る作業管理システム100及び作業管理方法によれば、判定部11Eにおいて作業が完了したと判定された結果や各建設機械2の運転状態が自動運転状態と手動運転状態との何れの状態にあるかが、表示部13や各現場管理部30の表示部33、遠隔操縦部20の表示部22に表示される。これにより、作業の進捗状況を容易に把握することができるとともに、例えば、遠隔操縦部20の表示部22を見ることによって、オペレータは、何れの建設機械2が手動運転可能状態、すなわち、遠隔操作可能な状態となったかを容易に把握することができる。
【0095】
なお、次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
【0096】
上記実施形態では、作業管理システム100は、堤体を構築する土木作業に携わる建設機械2の作業を管理している。これに代えて、作業管理システム100は、図8に示されるような、掘削工事に携わる建設機械102Aの作業を管理するものであってもよく、作業管理システム100で管理される各作業現場1A,1B,1Cで行われる土木工事は、盛土工事と掘削工事とのように異なる形態の工事であってもよい。
【0097】
図8に示される例は、ブルドーザ102A(建設機械)によって地山を掘削し掘削床を形成した後、図示しないバックホウによって法面を締固め、これらの工程を繰り返すことによって所定の幅の施工基面を形成するものである。図8に示される例において、被作業物は地山であり、地山は、掘削床の高さが所定の高さ(目標形状)となるように、ブルドーザ102A(建設機械)によって徐々に掘削され、その後、法面がバックホウによって目標形状である所定の形状に締め固められる。なお、掘削によって生じた掘削土砂は図示しないダンプトラックにより随時搬出される。
【0098】
この例において、作業計画部11Bにおいて計画される作業内容としては、ブルドーザ102Aの場合は、所定の範囲内において掘削床の高さが所定の高さだけを低くなるように掘削することであり、バックホウの場合は、所定の範囲内において法面を目標形状(所定の角度(例えば45度))で締め固めることである。
【0099】
図9には、ブルドーザ102A(建設機械)によって掘削が順次行われる3つの作業エリアA,B,Cが示されている。具体的には、第1作業エリアAにおける掘削作業が完了すると、ブルドーザ102Aは、第2作業エリアBへと移動し、第2作業エリアBにおいて掘削作業を開始する。ブルドーザ102Aによる掘削作業が完了した第1作業エリアAには、バックホウが進入し、法面の締固めを開始する。
【0100】
第2作業エリアBにおける掘削作業が完了すると、ブルドーザ102Aは、第3作業エリアCへと移動し、第3作業エリアCにおいて掘削作業を開始する。ブルドーザ102Aによる掘削作業が完了した第2作業エリアBには、第1作業エリアAでの作業が完了したバックホウが進入し、法面の締固めを開始する。
【0101】
このように、3つの作業エリアA,B,Cは、第1作業エリアA,第2作業エリアB,第3作業エリアCの順で掘削床の高さが低くなっていき、これらの作業は、掘削床の高さが施工基面に達するまで繰り返される。
【0102】
ここで、各作業エリアA,B,Cにおける作業の全てを自動運転によって建設機械102Aにより行わせることが効率性及び安全性の観点からは好ましいが、ブルドーザ102Aによる掘削は、法尻付近において作業精度が低下しやすいことから、この部分は、オペレータによる手動運転によって作業精度を確保する必要がある。
【0103】
このため、このような掘削工事において、上述の制御部11の作業エリア設定部11Aは、例えば、図9に示されるように、法尻付近の領域を手動運転の建設機械102Aにより作業が行われる手動運転作業エリアA2として設定し、それ以外の領域を自動運転の建設機械102Aにより作業が行われる自動運転作業エリアA1として設定する。つまり、各作業エリアA,B,Cは、自動運転作業エリアA1,B1,C1と手動運転作業エリアA2,B2,C2との2つのエリアにそれぞれ区分される。なお、自動運転作業エリアA1と手動運転作業エリアA2とに重複する領域があってもよい。
【0104】
そして、この場合も上記実施形態と同様に、自動運転での作業と手動運転での作業とが繰り返し実行されることによって、建設機械102Aにより所定の土木工事が完了する。
【0105】
したがって、上記実施形態と同様に、自動運転作業エリアA1,B1,C1での作業や手動運転作業エリアA2,B2,C2での作業を効率よく行うことが可能になるとともに、建設機械2同士が衝突することが避けられるため安全性を確保することができる。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0107】
100・・・作業管理システム
1A,1B,1C・・・作業現場(作業領域)
2・・・建設機械
2A・・・ブルドーザ(建設機械)
2B・・・ダンプトラック(建設機械)
2C・・・バックホウ(建設機械)
2D・・・振動ローラ(建設機械)
10・・・作業管理部
11・・・制御部
11A・・・作業エリア設定部
11B・・・作業計画部
11C・・・スケジュール生成部
11D・・・告知部
11E・・・判定部
11F・・・運転切替部
13・・・表示部
20・・・遠隔操縦部
26・・・表示部
30・・・現場管理部
33・・・表示部
102A・・・ブルドーザ(建設機械)
A1,B1,C1,・・・自動運転作業エリア
A2,B2,C2・・・手動運転作業エリア
P1・・・自動運転作業開始位置
P2・・・自動運転作業終了位置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9