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特開2024-62811予測装置、栽培システム、予測方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062811
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】予測装置、栽培システム、予測方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240501BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20240501BHJP
【FI】
G06Q50/02
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170907
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 一成
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L049AA04
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】必要な量の野菜や果物を生育させるために、青果物の需要を予測する技術を提供する。
【解決手段】予測装置(1)は、保管庫内の青果物の種類および量を取得する取得部(11)と、青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する予測部(12)とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管庫内の青果物の種類および量を取得する取得手段と、
前記青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する予測手段と
を備えている
ことを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記入力データには、さらに、前記保管庫の使用者に関する情報である、家族構成、嗜好、青果物の使用履歴、年齢、および、体重からなる群より選択される少なくとも一つの内部情報が含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記入力データには、さらに、前記保管庫を設置する地域に関する情報である、天候、物価変動、季節、湿度、気温、および、地域イベント情報からなる群より選択される少なくとも一つの外部情報が含まれる、
ことを特徴とする請求項2に記載の予測装置。
【請求項4】
前記入力データには、さらに、前記保管庫内の青果物の種類および量の所定期間内の変化を表す情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記保管庫内を撮影した画像と、前記保管庫内の青果物の重量とを参照して、前記保管庫内の青果物の種類および量を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項6】
前記予測手段において予測した青果物についての前記保管庫の使用者の需要に基づき、青果物を栽培する栽培装置における栽培条件を設定する設定手段をさらに備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項7】
前記予測手段は、保管庫内の青果物の種類および量を含む入力データから、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する需要予測モデルを用いて、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項8】
前記需要予測モデルは、保管庫内の青果物の種類および量を含む入力データと、青果物についての前記保管庫の使用者の需要との相関関係を機械学習させた学習済みモデルである
ことを特徴とする請求項7に記載の予測装置。
【請求項9】
前記予測手段は、青果物についての前記保管庫の使用者の需要と、青果物を扱う電子商取引サイトにおける販売量とを含む必要生産量を予測する
ことを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項10】
青果物を栽培する栽培装置内を撮影した画像に基づき、当該栽培装置内における所定期間内の青果物の生産量を予測する生産量予測手段をさらに備え、
前記予測手段は、前記生産量予測手段が予測した前記生産量に基づき、前記販売量を予測する
ことを特徴とする請求項9に記載の予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測装置、栽培システム、予測方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、監視プラットフォームに配置されたスマート・センサから伝達されるイベントを監視する技術が記載されている。スマート・センサを用いて監視するイベントの例として、植物の鉢植えの含水量や、冷蔵庫などの家庭器具の整備の必要性などが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013-503590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般の家庭内で野菜や果物のような青果物を栽培するための家庭用スマート野菜栽培機が普及している。このような家庭用スマート栽培機は、一例として、水耕栽培であり、培養液の配合、水の供給、植物育成のためのLEDライト照射などの栽培条件を、ユーザの設定に応じて全自動で実行させることが可能である。しかしながら、家庭用スマート栽培機を購入する世代は農業経験が乏しいこともあり、適切に栽培条件を設定することができず、十分な量の野菜を収穫できない場合がある。例えば、収量が多すぎるまたは少なすぎる場合があり、必要な時に必要な野菜を適量生産することは容易ではない。
【0005】
特許文献1に記載の技術においては、スマート・センサを用いて植物の鉢植え用の含水量や冷蔵庫などの家庭器具を監視し、植物に水をやるべきか否かや整備の必要性を判定するものであり、野菜の生産量を調整する技術ではない。また、野菜を適量生産するためには、野菜の需要を考慮する必要があるが、特許文献1にはこのような野菜の需要に関して記載されていない。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、必要な量の野菜や果物を生育させるために、青果物の需要を予測する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る予測装置は、保管庫内の青果物の種類および量を取得する取得手段と、前記青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する予測手段を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、青果物の需要を予測ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の例示的実施形態1に係る予測装置の構成を示すブロック図である。
図2】例示的実施形態1に係る予測方法の流れを示すフロー図である。
図3】例示的実施形態2に係る予測装置を含む栽培システムの構成を示すブロック図である。
図4】例示的実施形態2に係る予測装置の構成を示すブロック図である。
図5】例示的実施形態2に係る予測方法の流れを示すフロー図である。
図6】例示的実施形態3に係る予測装置を含む販売システムの構成を示すブロック図である。
図7】例示的実施形態3に係る予測装置の構成を示すブロック図である。
図8】例示的実施形態3に係る予測方法の流れを示すフロー図である。
図9】ソフトウェアによって情報処理装置を実現するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、「保管庫」とは、青果物を保管する空間を意味し、一例として、貯蔵庫、保冷庫、冷蔵庫、または、冷凍庫である。また、「保管庫」は、一般家庭用保管庫であっても、業務用保管庫であってもよい。「青果物」とは、野菜および果物を意味し、一例として、一般家庭において栽培される野菜および果物である。また、「青果物」は、一般家庭に設置された栽培システムにおいて栽培される野菜および果物であってもよい。
【0011】
このような「栽培システム」は、温度および湿度管理、培養液の配合、水の供給、LEDライト照射などの栽培条件を自動制御可能であり、スマート栽培機とも称される。また、「栽培システム」は、閉鎖空間内において青果物を栽培するものであってもよい。さらに、「栽培システム」は、青果物を水耕栽培するものであってもよい。
【0012】
また、以下の説明において、「青果物についての保管庫の使用者の需要」は、保管庫内において将来必要とされる青果物の種類および量を意味しており、一例として、保管庫を使用する使用者が将来必要とする青果物の種類および量である。また、「青果物についての保管庫の使用者の需要」は、保管庫が設置された家庭において将来消費される青果物の種類および量であってもよい。さらに、「青果物についての保管庫の使用者の需要」は、一例として、青果物の種類毎の需要である。「青果物の量」は、一例として、青果物の重量である。また、「青果物の量」は、一例として、青果物の種類毎の量である。なお、以下では、「青果物についての保管庫の使用者の需要」を単に、「青果物の需要」と称する場合もある。
【0013】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0014】
(予測装置1の構成)
本例示的実施形態に係る予測装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、予測装置1の構成を示すブロック図である。予測装置1は、保管庫内の青果物の種類および量に基づいて、青果物についての保管庫の使用者の需要を予測する装置である。
【0015】
図1に示すように、予測装置1は、取得部11および予測部12を備えている。取得部11は、保管庫内の青果物の種類および量を取得する。予測部12は、取得部11が取得した青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての保管庫の使用者の需要を予測する。
【0016】
(プログラムによる実現)
上述の予測装置1の機能は、プログラムによって実現することもできる。本例示的実施形態に係る予測プログラムは、コンピュータを、保管庫内の青果物の種類および量を取得する取得部11と、青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての保管庫の使用者の需要を予測する予測部12として機能させる。
【0017】
(予測方法S1の流れ)
本例示的実施形態に係る予測方法S1の流れについて、図2を参照して説明する。図2は、予測方法S1の流れを示すフロー図である。図2に示すように、予測方法S1は、ステップS11~S12を含む。ステップS11において、コンピュータは、保管庫内の青果物の種類および量を取得する。ステップS12において、コンピュータは、青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての保管庫の使用者の需要を予測する。
【0018】
(本例示的実施形態の効果)
以上のように、本例示的実施形態に係る予測装置1、プログラム、および予測方法S1においては、保管庫内の青果物の種類および量を取得し、取得した青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての保管庫の使用者の需要を予測する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態によれば、青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、予測した青果物の需要に基づいて、必要な量の青果物を生育させることができる。
【0019】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0020】
(栽培システム100の構成)
図3は、本例示的実施形態に係る予測装置1Aを含む栽培システム100の構成を示すブロック図である。図3に示すように、栽培システム100は、予測装置1Aと、保管庫20と、栽培装置30とを含む。予測装置1A、保管庫20、および栽培装置30は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続される。
【0021】
予測装置1Aは、保管庫20内の青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての保管庫20の使用者の需要を予測する。予測装置1Aは、保管庫20から青果物の種類および量に関する情報を取得する。なお、予測装置1Aは、保管庫20の使用者による、保管庫20内の青果物の種類および量に関する情報の入力を受け付けることにより、保管庫20内の青果物の種類および量に関する情報を取得してもよい。
【0022】
予測装置1Aは、予測した青果物の需要に基づき設定された栽培条件を表す情報を栽培装置30へ送信する。このような栽培条件は、予測した青果物の需要を満たす栽培を実現する条件であり得る。栽培条件は、一例として、青果物の需要を満たす種類および量の青果物を生産するための栽培条件である。また、栽培条件は、一例として、栽培装置30内の温度および湿度、培養液の配合、水の供給、LEDライト照射などの条件である。
【0023】
予測装置1Aは、栽培装置30において栽培中の青果物を撮影した画像を取得する。予測装置1Aは、取得した青果物の画像を、青果物の栽培量、栽培時期などの栽培状況を特定するために用いることができる。
【0024】
保管庫20は、青果物を保管する。保管庫20は、保管する青果物を撮影するためのカメラ21と、保管する青果物の重量を測定するセンサ22とを備えている。保管庫20は、カメラ21により保管庫20内を撮影した画像と、センサ22により保管庫内の青果物を測定して得られた青果物の重量を表す情報とを、予測装置1Aに送信する。
【0025】
保管庫20における画像の取得処理および重量の測定処理は、予測装置1Aからの指示に基づいて実行されてもよいし、所定のタイミングで実行されてもよい。また、保管庫20における画像の取得処理および重量の測定処理は、所定期間継続して実行されてもよい。保管庫20は、画像の取得処理および重量の測定処理を実行する毎に、画像および重量を表す情報を予測装置1Aに送信してもよいし、所定期間蓄積した画像および重量を表す情報をまとめて予測装置1Aに送信してもよい。
【0026】
栽培装置30は、青果物を栽培する。栽培装置30において栽培された青果物の少なくとも一部は、保管庫20に保管される。栽培装置30は、栽培装置30において栽培する青果物を撮影するためのカメラ31と、設定された栽培条件において青果物を栽培するように栽培環境を制御する制御部32とを備えている。栽培装置30は、カメラ31により撮影した画像を予測装置1Aに送信する。栽培装置30は、予測装置1Aから送信される青果物の栽培条件を表す情報を受け付ける。栽培装置30は、青果物の栽培環境を、受け付けた栽培条件を満たすように制御し、青果物を栽培する。
【0027】
栽培装置30は、青果物を収容する空間(図示せず)と、当該空間内に配置され、青果物を栽培するプランター(図示せず)とを含み得る。プランターには、栽培条件を検出するための温度センサ、湿度センサなどのセンサ(図示せず)が設けられていてもよい。
【0028】
(予測装置1Aの構成)
図4は、本例示的実施形態に係る予測装置1Aの構成を示すブロック図である。図4に示すように、予測装置1Aは、取得部11A、予測部12A、記憶部13、設定部14、および制御部15を備えている。
【0029】
取得部11Aの機能は、例示的実施形態1において説明した取得部11の機能と同様であるが、本例示的実施形態では、取得部11Aは、保管庫20内を撮影した画像と、保管庫20内の青果物の重量とを参照して、保管庫20内の青果物の種類および量を取得する。取得部11Aは、一例として、保管庫20内を撮影した画像データを画像解析し、画像中に含まれる青果物の種類を特定する。なお、取得部11Aは、保管庫20内を撮影した画像データを画像解析することにより、画像中に含まれる青果物の種類と共に、青果物の種類毎の量を特定してもよい。
【0030】
取得部11Aにおける画像解析は、保管庫20内を撮影した画像データを機械学習させた学習済みモデルを用いて行ってもよい。また、取得部11Aは、一例として、保管庫20内の青果物の重量の測定結果に基づき、青果物の種類毎の量を特定する。取得部11Aは、取得した青果物の種類および量を表す情報を予測部12Aへ送信する。
【0031】
予測部12Aの機能は、例示的実施形態1において説明した予測部12の機能と同様であるが、本例示的実施形態では、予測部12Aが青果物についての保管庫20の使用者の需要の予測に用いる入力データには、さらに、保管庫20の使用者に関する情報である、家族構成、嗜好、青果物の使用履歴、年齢、および体重等からなる群より選択される少なくとも一つの内部情報が含まれる。予測部12Aは、保管庫20の使用者に関する情報を考慮して、青果物の需要を予測することができる。予測部12Aは、予測した青果物の需要を表す情報を設定部14へ送信する。
【0032】
また、予測部12Aが青果物についての保管庫20の使用者の需要の予測に用いる入力データには、さらに、保管庫20を設置する地域に関する情報である、天候、物価変動、季節、湿度、気温、および地域イベント情報等からなる群より選択される少なくとも一つの外部情報が含まれていてもよい。予測部12Aは、保管庫20を設置する地域に関する情報を考慮して、青果物の需要を予測することができる。
また、予測部12Aが青果物についての保管庫20の使用者の需要の予測に用いる入力データには、さらに、保管庫20内の青果物の種類および量の所定期間内の変化を表す情報が含まれていてもよい。保管庫20内の青果物の種類および量の所定期間内の変化は、所定期間内の青果物の使用状況に対応しており、当該期間内に使用される青果物の種類および量の傾向を表している。予測部12Aは、このような保管庫20内の青果物の使用傾向に基づき、青果物の需要を予測することができる。
【0033】
さらに、予測部12Aは、保管庫20内の青果物の種類および量を含む入力データから、保管庫20における青果物の需要を予測する需要予測モデルを用いて、保管庫20における青果物の需要を予測してもよい。需要予測モデルは、過去の保管庫20における青果物の種類別の使用量に基づき構築されたモデルであり得る。需要予測モデルは、一例として、保管庫20内の青果物の種類および量を含む入力データを説明変数とし、青果物についての保管庫20の使用者の需要が目的変数とするモデルである。需要予測モデルは、青果物の種類および量を含む入力データと、青果物の需要との関係を表す統計モデルであってもよい。このような統計モデルは、一例として、回帰モデルであり得る。
【0034】
また、需要予測モデルは、保管庫20内の青果物の種類および量を含む入力データと、青果物についての保管庫20の使用者の需要との相関関係を機械学習させた学習済みモデルであってもよい。需要予測モデルは、保管庫20内の青果物の種類および量を含む入力データと、青果物についての保管庫20の使用者の需要とを含む教師データを用いて機械学習することにより構築された学習済みモデルであり得る。需要予測モデルは、一例として、CNN(Convolution Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、またはそれらの組み合わせを用いることができる。また、ランダムフォレストやサポートベクターマシンのような非ニューラルネットワーク型のモデルを用いてもよい。
【0035】
記憶部13は、内部情報および外部情報を記憶する。記憶部13は、一例として、使用者による内部情報および外部情報の入力を受け付けて、格納する。また、記憶部13は、外部情報を提供するサーバ(図示せず)から外部情報を取得して、格納してもよい。
【0036】
設定部14は、予測部12Aにおいて予測した、青果物についての保管庫20の使用者の需要に基づき、青果物を栽培する栽培装置30における栽培条件を設定する。設定部14は、一例として、青果物の需要から、当該需要を満たす青果物を生産するための栽培条件を予測する栽培条件予測モデルを用いて、青果物の栽培条件を設定してもよい。栽培条件予測モデルは、青果物の需要と栽培条件との関係を表す統計モデルであってもよいし、青果物の需要と栽培条件との相関関係を機械学習させた学習済みモデルであってもよい。設定部14は、設定した栽培条件を表す情報を栽培装置30へ送信する。
【0037】
予測部12Aにおいて予測した青果物の需要、および、設定部14において設定した栽培条件を表す情報を外部に出力し、図示しない表示装置等に表示して使用者に提供してもよい。
【0038】
制御部15は、予測装置1Aの全体を統括制御する。制御部15は、少なくとも1つのプロセッサ151と、メモリ152とを備える。プロセッサ151は、例えば、少なくとも1つのMPU(Micro Processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)等の汎用プロセッサを用いて構成することができる。メモリ152は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の複数種類のメモリを備えていてもよい。一例として、プロセッサ151は、メモリ152のROMに記録された各種の制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、取得部11A、予測部12A、および設定部14としての機能を実現する。また、プロセッサ151は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはPLD(Programmable Logic Device)等で構成されるプロセッサを含んでいてもよい。
【0039】
(予測方法S2の流れ)
本例示的実施形態に係る予測方法S2の流れについて、図5を参照して説明する。図5は、予測方法S2の流れを示すフロー図である。図5に示すように、予測方法S2は、ステップS21~S24を含む。ステップS21において、予測装置1Aの取得部11Aは、保管庫20内の青果物の画像および測定した重量から、保管庫20内の青果物の種類および量を取得する。
【0040】
ステップS22において、予測部12Aは、記憶部13に格納された保管庫20に関する内部情報および外部情報を取得する。ステップS23において、予測部12Aは、保管庫20内の青果物の種類および量、内部情報、および外部情報に基づき、青果物についての保管庫20の使用者の需要を予測する。ステップS24において、設定部14は、青果物についての保管庫20の使用者の需要に基づき、栽培装置30における青果物の栽培条件を設定する。
【0041】
(本例示的実施形態の効果)
以上のように、本例示的実施形態によれば、保管庫20内の青果物の種類および量と共に、内部情報に基づいて、青果物についての保管庫20の使用者の需要を予測する構成が採用されている。内部情報は、保管庫20の使用者に関する情報であり、使用者のライフスタイルのように、青果物の需要に影響する内的要因であり得る。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、内的要因を考慮して青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、このように予測した青果物の需要に基づけば、使用者のライフスタイルに合った種類および量の青果物を生育させることができる。したがって、例えば、家族が好む青果物を多く生育させたり、家族構成に応じた量の青果物を生育させたりすることが可能であり、使用者にとって適切な種類および量の青果物を生育させることができる。
【0042】
また、本例示的実施形態によれば、保管庫20内の青果物の種類および量、ならびに、内部情報と共に、外部情報に基づいて、青果物についての保管庫20の使用者の需要を予測する構成が採用されている。外部情報は、保管庫20を設置する地域に関する情報であり、青果物の需要に影響する外的要因であり得る。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、外的要因を考慮して青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、このように予測した青果物の需要に基づけば、使用者の周囲環境に応じた種類および量の青果物を生育させることができる。したがって、例えば、天候不良による青果物の不足や、物価変動による青果物の高騰のような外的要因を考慮して、適切な種類および量の青果物を生育させることができる。
【0043】
さらに、本例示的実施形態によれば、保管庫20内の青果物の種類および量の所定期間内の変化に基づいて、青果物についての保管庫20の使用者の需要を予測する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、所定期間内の青果物の使用状況をモニタリングして得られる傾向を考慮して青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、このように予測した青果物の需要に基づけば、保管庫20内の青果物の使用傾向に応じた種類および量の青果物を生育させることができる。
【0044】
また、本例示的実施形態によれば、保管庫20内を撮影した画像と、保管庫20内の青果物の重量とを参照して、保管庫20内の青果物の種類および量を取得する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、保管庫20内の青果物の種類および量の取得に使用者による入力を必要とせず、自動化することができる、という効果が得られる。
【0045】
さらに、本例示的実施形態によれば、予測した青果物の需要に基づき、青果物を栽培する栽培装置30における栽培条件を設定する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、予測した需要を満たす青果物を生産するための栽培条件を設定することができる、という効果が得られる。そして、このように設定した栽培条件にしたがって青果物を栽培することにより、需要を満たす青果物を生産することができ、青果物の生産に過不足が生じない適量生産を実現できる。
【0046】
また、本例示的実施形態によれば、保管庫20内の青果物の種類および量から、青果物についての保管庫20の使用者の需要を予測する需要予測モデルを用いて、青果物の需要を予測する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、効率的に青果物の需要を予測することができるという効果を奏する。
【0047】
さらに、本例示的実施形態によれば、需要予測モデルとして、保管庫20内の青果物の種類および量と、青果物についての保管庫20の使用者の需要との相関関係を機械学習させた学習済みモデルを用いる構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Aによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、効率的に青果物の需要を予測することができるという効果を奏する。
【0048】
また、本例示的実施形態によれば、予測装置1Aと、青果物を保管する保管庫20と、青果物を栽培する栽培装置30とを含む栽培システム100が採用されている。このため、青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、予測した青果物の需要に基づいて栽培条件を設定することで、必要な量の青果物を生育させることができる。
【0049】
〔例示的実施形態3〕
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0050】
(販売システム300の構成)
図6は、例示的実施形態3に係る予測装置1Bを含む販売システム300の構成を示すブロック図である。図6に示すように、販売システム300は、予測装置1Bを含む栽培システム100Aと、マーケットサーバ40と、運送会社サーバ50と、購入者端末60とを含む。栽培システム100A、マーケットサーバ40、運送会社サーバ50、および購入者端末60は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続される。
【0051】
栽培システム100Aは、予測装置1Bと、保管庫20と、栽培装置30とを含む。予測装置1B、保管庫20、および栽培装置30は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続される。栽培システム100Aは、マーケットサーバ40にアクセスし、栽培した青果物をマーケットサーバ40上の青果物を扱う電子商取引サイトに出品する出品要求を送信する。
【0052】
マーケットサーバ40は、ネットワーク上で商品売買契約を行うための電子商取引サービスを提供する電子商取引サイトのサーバコンピュータである。マーケットサーバ40は、栽培システム100Aから電子商取引サイトに出品された青果物の購入を行おうとする購入者の購入者端末60からのアクセスを受け付ける。これにより、電子商取引サイトにおける青果物の売買契約を締結することができる。
【0053】
運送会社サーバ50は、電子商取引サイトにおいて売買契約が締結された青果物を購入者に配送する外部の配送手段である運送会社のサーバコンピュータである。運送会社サーバ50は、栽培システム100Aからの青果物の配送要求を受け付け、購入者への青果物の配送を手配する。
【0054】
購入者端末60は、マーケットサーバ40にアクセスして、電子商取引サイトに出品されている青果物の購入要求を送信する。
【0055】
(予測装置1B)
図7は、例示的実施形態3に係る予測装置の構成を示すブロック図である。図7に示すように、予測装置1Bは、取得部11A、予測部12B、記憶部13、設定部14、制御部15、生産量予測部16、出品部17、および、配送要求部18を備えている。
【0056】
予測部12Bの機能は、例示的実施形態2において説明した予測部12Bの機能と同様であるが、本例示的実施形態では、予測部12Bは、青果物についての保管庫20の使用者の需要と、青果物を扱う電子商取引サイトにおける販売量とを含む必要生産量を予測する。
【0057】
予測部12Bは、生産量予測部16が予測した青果物の生産量に基づき、青果物の販売量を予測する。予測部12Bは、一例として、予測した青果物の生産量から、青果物についての保管庫20の使用者の需要を考慮して、青果物の販売量を予測する。予測部12Bは、取得部11Aが取得した保管庫20内の青果物の種類および量から予測した青果物の需要と、青果物の販売量とを含む必要生産量を予測する。予測部12Bは、予測した必要生産量を出品部17へ送信する。
【0058】
生産量予測部16は、青果物を栽培する栽培装置30内を撮影した画像に基づき、栽培装置30内における所定期間内の青果物の生産量を予測する。生産量予測部16は、栽培装置30内を撮影した画像に基づき、栽培装置30内において栽培されている青果物の種類、生産時期、および生産量を予測し得る。生産量予測部16は、予測した青果物の生産量を予測部12Bへ送信する。
【0059】
生産量予測部16は、一例として、栽培装置30内を撮影した画像データを画像解析し、画像中に含まれる青果物の種類、生産時期、および生産量を予測する。生産量予測部16における画像解析は、栽培装置30内を撮影した画像データを機械学習させた学習済みモデルを用いて行ってもよい。
【0060】
出品部17は、販売量の青果物を、電子商取引サイトに出品する。出品部17は、予測部12Bが予測した販売量の青果物を電子商取引サイトに出品する。
【0061】
配送要求部18は、電子商取引サイトにおいて販売された販売量の青果物が栽培装置30内で生産された場合に、青果物の購入者に青果物を配送する外部の配送手段に対して、生産された青果物の配送を要求する。配送要求部18は、一例として、生産量予測部16が予測した生産量に基づき、販売量の青果物が生産されたか否かを判定する。販売量の青果物が生産されたと判定した場合、配送要求部18は、外部の配送手段に対して青果物の配送要求を送信する。
【0062】
(予測方法S3の流れ)
本例示的実施形態に係る予測方法S3の流れについて、図8を参照して説明する。図8は、例示的実施形態3に係る予測方法の流れを示すフロー図である。図8に示すように、予測方法S3は、ステップS31~S36を含む。ステップS31において、予測装置1Bの取得部11Aは、保管庫20内の青果物の画像および測定した重量から、保管庫20内の青果物の種類および量を取得する。
【0063】
ステップS32において、予測部12Bは、記憶部13に格納された保管庫20に関する内部情報および外部情報を取得する。ステップS33において、予測部12Bは、保管庫20内の青果物の種類および量、内部情報、および外部情報に基づき、青果物についての保管庫20の使用者の需要を予測する。
【0064】
ステップS34において、予測部12Bは、生産量予測部16が予測した青果物の生産量に基づき、青果物の販売量を予測する。ステップS35において、予測部12Bは、青果物についての保管庫20の使用者の需要と、青果物の販売量とを含む必要生産量を予測する。ステップS36において、出品部17は、予測部12Bが予測した販売量の青果物を電子商取引サイトに出品する。
【0065】
(本例示的実施形態の効果)
以上のように、本例示的実施形態に係る予測装置1Bにおいては、青果物についての保管庫20の使用者の需要と、青果物を扱う電子商取引サイトにおける販売量とを含む必要生産量を予測する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Bによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、栽培した青果物を電子商取引サイトにおいて販売することができるという効果が得られる。必要な時に必要な青果物を適量生産することは容易ではなく、作りすぎた場合は自宅で消費しきれずに、廃棄することなりフードロスが発生する場合がある。一方、同時期に他の家庭では青果物が不足している場合もある。本例示的実施形態に係る予測装置1Bによれば、販売量を考慮して適切な種類および量の青果物を生育させることができる。
【0066】
また、本例示的実施形態に係る予測装置1Bにおいては、青果物を栽培する栽培装置30内を撮影した画像に基づき、栽培装置30内における所定期間内の青果物の生産量を予測するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Bによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、青果物の生産量を予測することができるという効果が得られる。
【0067】
また、本例示的実施形態に係る予測装置1Bにおいては、販売量の青果物を、電子商取引サイトに出品するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Bによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、生産した青果物を電子商取引サイトに出品して販売することができるという効果が得られる。
【0068】
また、本例示的実施形態に係る予測装置1Bにおいては、電子商取引サイトにおいて販売された販売量の青果物が栽培装置30内で生産された場合に、青果物の購入者に青果物を配送する外部の配送手段に対して、生産された青果物の配送を要求するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る予測装置1Bによれば、例示的実施形態1に係る予測装置1の奏する効果に加えて、販売された青果物が生産された場合に配送手配することができるという効果が得られる。
【0069】
〔ソフトウェアによる実現例〕
予測装置1,1A,1Bの一部または全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0070】
後者の場合、予測装置1,1A,1Bは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図9に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを予測装置1,1A,1Bとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、予測装置1,1A,1Bの各機能が実現される。
【0071】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、または、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0072】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0073】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、またはプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、または放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0074】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0075】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部または全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0076】
(付記1)
保管庫内の青果物の種類および量を取得する取得手段と、前記青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する予測手段とを備えている、ことを特徴とする予測装置。
【0077】
上記の構成によれば、青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、予測した青果物の需要に基づいて、必要な量の青果物を生育させることができる。
【0078】
(付記2)
前記入力データには、さらに、前記保管庫の使用者に関する情報である、家族構成、嗜好、青果物の使用履歴、年齢、および、体重からなる群より選択される少なくとも一つの内部情報が含まれる、ことを特徴とする付記1に記載の予測装置。
【0079】
上記の構成によれば、内的要因を考慮して青果物の需要を予測することができる。そして、このように予測した青果物の需要に基づけば、使用者のライフスタイルに合った種類および量の青果物を生育させることができる。したがって、例えば、家族が好む青果物を多く生育させたり、家族構成に応じた量の青果物を生育させたりすることが可能であり、使用者にとって適切な種類および量の青果物を生育させることができる。
【0080】
(付記3)
前記入力データには、さらに、前記保管庫を設置する地域に関する情報である、天候、物価変動、季節、湿度、気温、および、地域イベント情報からなる群より選択される少なくとも一つの外部情報が含まれる、ことを特徴とする付記1または2に記載の予測装置。
【0081】
上記の構成によれば、外的要因を考慮して青果物の需要を予測することができる。そして、このように予測した青果物の需要に基づけば、使用者の周囲環境に応じた種類および量の青果物を生育させることができる。したがって、例えば、天候不良による青果物の不足や、物価変動による青果物の高騰のような外的要因を考慮して、適切な種類および量の青果物を生育させることができる。
【0082】
(付記4)
前記入力データには、さらに、前記保管庫内の青果物の種類および量の所定期間内の変化を表す情報が含まれる、ことを特徴とする付記1から3の何れか一に記載の予測装置。
【0083】
上記の構成によれば、所定期間内の青果物の使用状況をモニタリングして得られる傾向を考慮して青果物の需要を予測することができる。そして、このように予測した青果物の需要に基づけば、保管庫20内の青果物の使用傾向に応じた種類および量の青果物を生育させることができる。
【0084】
(付記5)
前記取得手段は、前記保管庫内を撮影した画像と、前記保管庫内の青果物の重量とを参照して、前記保管庫内の青果物の種類および量を取得する、ことを特徴とする付記1から4の何れか一に記載の予測装置。
【0085】
上記の構成によれば、保管庫20内の青果物の種類および量の取得に使用者による入力を必要とせず、自動化することができる。
【0086】
(付記6)
前記予測手段において予測した青果物についての前記保管庫の使用者の需要に基づき、青果物を栽培する栽培装置における栽培条件を設定する設定手段をさらに備えている、ことを特徴とする付記1から5の何れか一に記載の予測装置。
【0087】
上記の構成によれば、予測した需要を満たす青果物を生産するための栽培条件を設定することができる。そして、このように設定した栽培条件にしたがって青果物を栽培することにより、需要を満たす青果物を生産することができ、青果物の生産に過不足が生じない適量生産を実現できる。
【0088】
(付記7)
前記予測手段は、保管庫内の青果物の種類および量を含む入力データから、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する需要予測モデルを用いて、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する、ことを特徴とする付記1から6の何れか一に記載の予測装置。
【0089】
上記の構成によれば、効率的に青果物の需要を予測することができる。
【0090】
(付記8)
前記需要予測モデルは、保管庫内の青果物の種類および量を含む入力データと、青果物についての前記保管庫の使用者の需要との相関関係を機械学習させた学習済みモデルである、ことを特徴とする付記7に記載の予測装置。
【0091】
上記の構成によれば、効率的に青果物の需要を予測することができる。
【0092】
(付記9)
前記予測手段は、青果物についての前記保管庫の使用者の需要と、青果物を扱う電子商取引サイトにおける販売量とを含む必要生産量を予測する、ことを特徴とする請求項1から8の何れか一に記載の予測装置。
【0093】
上記の構成によれば、栽培した青果物を電子商取引サイトにおいて販売することができる。
【0094】
(付記10)
青果物を栽培する栽培装置内を撮影した画像に基づき、当該栽培装置内における所定期間内の青果物の生産量を予測する生産量予測手段をさらに備え、前記予測手段は、前記生産量予測手段が予測した前記生産量に基づき、前記販売量を予測する、ことを特徴とする付記9に記載の予測装置。
【0095】
上記の構成によれば、青果物の生産量を予測することができる。
【0096】
(付記11)
前記販売量の青果物を、前記電子商取引サイトに出品する出品手段をさらに備えている、ことを特徴とする付記9または10に記載の予測装置。
【0097】
上記の構成によれば、生産した青果物を電子商取引サイトに出品して販売することができる。
【0098】
(付記12)
前記電子商取引サイトにおいて販売された販売量の青果物が栽培装置内で生産された場合に、青果物の購入者に青果物を配送する外部の配送手段に対して、生産された青果物の配送を要求する配送要求手段をさらに備えている、ことを特徴とする付記9から11の何れか一に記載の予測装置。
【0099】
上記の構成によれば、販売された青果物が生産された場合に配送手配することができる。
【0100】
(付記13)
付記1から12の何れか一に記載の予測装置と、青果物を保管する保管庫と、青果物を栽培する栽培装置とを含む、ことを特徴とする栽培システム。
【0101】
上記の構成によれば、青果物の需要を予測することができる。そして、予測した青果物の需要に基づいて、必要な量の青果物を生育させることができる。
【0102】
(付記14)
少なくとも1つのプロセッサが、保管庫内の青果物の種類および量を取得することと、前記青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する予測することとを含む、ことを特徴とする予測方法。
【0103】
上記の方法によれば、青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、予測した青果物の需要に基づいて、必要な量の青果物を生育させることができる。
【0104】
(付記15)
コンピュータを付記1~12の何れか一に記載の予測装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記各手段として機能させる、ことを特徴とする予測プログラム。
【0105】
上記の方法によれば、青果物の需要を予測することができる、という効果が得られる。そして、予測した青果物の需要に基づいて、必要な量の青果物を生育させることができる。
【0106】
(付記16)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、保管庫内の青果物の種類および量を取得する取得処理と、前記青果物の種類および量を含む入力データに基づき、青果物についての前記保管庫の使用者の需要を予測する予測処理とを実行する予測装置。
【0107】
なお、この予測装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得処理と、前記予測処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1,1A,1B ・・・予測装置
11,11A ・・・取得部
12,12A ・・・予測部
14 ・・・設定部
16 ・・・生産量予測部
17 ・・・出品部
18 ・・・配送要求部
20 ・・・保管庫
30 ・・・栽培装置
100,100A ・・・栽培システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9