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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062812
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】プログラム、および仮想空間制御装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/87 20140101AFI20240501BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20240501BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20240501BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20240501BHJP
   A63F 13/215 20140101ALI20240501BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240501BHJP
【FI】
A63F13/87
A63F13/55
A63F13/30
A63F13/54
A63F13/215
A63F13/79 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170909
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(57)【要約】
【課題】ゲーム中におけるチャットの有効、無効の切替えの煩雑さを低減する。
【解決手段】コンピュータを、複数のユーザによるそれぞれの操作を受けて、複数のキャラクタを仮想空間で動作させるキャラクタ制御部562と、音声チャットの有効無効の設定をユーザから受け付けるチャット切替部563として機能させる。複数のユーザに第1ユーザと第2ユーザが含まれる場合に、チャット切替部563は、第1ユーザが音声チャットを有効に設定していない場合、第2ユーザの音声チャットの有効無効の設定に応じて、第1ユーザの音声チャットを有効にする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
複数のユーザによるそれぞれの操作を受けて、複数のキャラクタを仮想空間で動作させるキャラクタ制御部と、
音声チャットの有効無効の設定を前記ユーザから受け付けるチャット切替部として機能させ、
前記複数のユーザには、第1ユーザと第2ユーザが含まれ、
前記チャット切替部は、前記第1ユーザが前記音声チャットを有効に設定していない場合、前記第2ユーザの前記音声チャットの有効無効の設定に応じて、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にする
プログラム。
【請求項2】
請求項1のプログラムにおいて、
前記複数のユーザは、グループ分けされており、
前記チャット切替部は、前記音声チャットを有効に設定していない前記第1ユーザと、前記音声チャットを有効に設定している前記第2ユーザが同じグループに属する場合に、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にする
プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2のプログラムにおいて、
前記チャット切替部は、前記音声チャットを有効に設定していない前記第1ユーザが操作するキャラクタと、前記音声チャットを有効に設定している前記第2ユーザが操作するキャラクタとの前記仮想空間における距離が所定範囲内である場合に、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にする
プログラム。
【請求項4】
請求項1または請求項2のプログラムにおいて、
前記ユーザの操作に基づいて前記仮想空間内で対戦型のゲームを進行させるゲーム進行部として前記コンピュータを機能させ、
前記チャット切替部は、前記音声チャットを有効に設定していない前記第1ユーザと、前記音声チャットを有効に設定している前記第2ユーザが、前記ゲームにおいて敵対関係にある場合に、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にする
プログラム。
【請求項5】
請求項1または請求項2のプログラムにおいて、
前記音声チャットの機能が前記プログラムの外部のプログラムにおいて実装されている場合において、
前記チャット切替部は、前記外部のプログラムにおける前記音声チャットの有効無効の設定を制御する
プログラム。
【請求項6】
請求項1または請求項2のプログラムを記憶した記憶部と、
前記プログラムを実行する制御部と、
を備えた仮想空間制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、および仮想空間制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを利用したゲームの中には、複数のプレイヤ間でチャットが可能なものがある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、同じゲーム状況のプレイヤ同士にチャットを行わせるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-40055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チャットは、有効、無効を切替えできると利便性がよい。しかし、例えばアクションゲームにおける対戦中などにチャットの有効、無効を手動で切り替えるのは煩雑である。
【0005】
本開示の目的は、ゲーム中におけるチャットの有効、無効の切替えの煩雑さを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、コンピュータを、
複数のユーザによるそれぞれの操作を受けて、複数のキャラクタを仮想空間で動作させるキャラクタ制御部と、
音声チャットの有効無効の設定を前記ユーザから受け付けるチャット切替部として機能させ、
前記複数のユーザには、第1ユーザと第2ユーザが含まれ、
前記チャット切替部は、前記第1ユーザが前記音声チャットを有効に設定していない場合、前記第2ユーザの前記音声チャットの有効無効の設定に応じて、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にするプログラムである。
【0007】
第1の態様において、前記複数のユーザは、グループ分けされており、
前記チャット切替部は、前記音声チャットを有効に設定していない前記第1ユーザと、前記音声チャットを有効に設定している前記第2ユーザが同じグループに属する場合に、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にするとよい。
【0008】
前記態様においては、
前記チャット切替部は、前記音声チャットを有効に設定していない前記第1ユーザが操作するキャラクタと、前記音声チャットを有効に設定している前記第2ユーザが操作するキャラクタとの前記仮想空間における距離が所定範囲内である場合に、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にするとよい。
【0009】
前記態様においては、前記ユーザの操作に基づいて前記仮想空間内で対戦型のゲームを進行させるゲーム進行部として前記コンピュータを機能させ、
前記チャット切替部は、前記音声チャットを有効に設定していない前記第1ユーザと、前記音声チャットを有効に設定している前記第2ユーザが、前記ゲームにおいて敵対関係にある場合に、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にするとよい。
【0010】
前記態様においては、
前記音声チャットの機能が前記プログラムの外部のプログラムにおいて実装されている場合において、
前記チャット切替部は、前記外部のプログラムにおける前記音声チャットの有効無効の設定を制御するとよい。
【0011】
また、第2の態様は、前記態様のプログラムを記憶した記憶部と、
前記プログラムを実行する制御部と、
を備えた仮想空間制御装置である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ゲーム中におけるチャットの有効、無効の切替えの煩雑さを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】サーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図3】ゲーム装置の構成例を示すブロック図である。
図4】ユーザインターフェースの一例である。
図5】ゲームシステムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
仮想空間制御装置の実施形態としてゲーム装置5を説明する。ゲーム装置5は、ゲームシステム1に接続される。図1は、ゲームシステム1の構成例を示すブロック図である。ゲームシステム1では、プログラムの実施形態であるゲームプログラムが実行される。
【0015】
ゲームシステム1におけるゲームは、仮想空間(例えば三次元)で実施される。ゲームの種別等には限定はない。例えば、ゲームは、プレイヤキャラクタが敵キャラクタ(例えばモンスター)を攻撃して倒していく対戦型のアクションゲームとすることができる。本実施形態では、ゲームの例として以下を仮定する。
【0016】
このゲームでは、プレイヤキャラクタ同士でグループが編成される場合がある。このゲームでは、グループ単位でクエスト(ゲームにおいて達成すべき課題)に挑戦することができる。勿論、このゲームでは、単独でプレイヤキャラクタを仮想空間で活動させることもできる。
【0017】
このゲームでは、ユーザ間で音声を用いたチャット(以下、音声チャット)が可能である。個々のユーザは、音声チャット機能の有効と無効を切り替えることができる。
【0018】
《ハードウェアの構成》
〈概要〉
ゲームシステム1は、サーバ装置2を備えている。サーバ装置2には、複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6(例えばインターネット)を介して、通信可能に構成される。図1には2台のゲーム装置5が記載されているが、更に多数のゲーム装置5がゲームシステム1に接続される場合がある。ゲームシステム1では、これらのゲーム装置5とサーバ装置2が通信を行いながら、ゲームが実施される。
【0019】
〈サーバ装置2の構成〉
サーバ装置2は、ユーザ(プレイヤ)同士のマッチングや、ゲーム進行の管理等を行う。例えば、サーバ装置2は、ゲーム装置5のゲームデータの管理を行う。サーバ装置2は、ゲーム進行の管理などを行うための各種プログラムおよびデータを記憶している。
【0020】
図2は、サーバ装置2の構成例を示すブロック図である。サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22、および制御部23を備えている。ネットワークインターフェース21、および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0021】
ネットワークインターフェース21は、インターネット、LANなどの通信ネットワーク6(通信網)を介して、ゲーム装置5と通信可能に接続されている。
【0022】
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成されている。記憶部22には、ゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラムが記憶されている。
【0023】
制御部23は、サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0024】
〈ゲーム装置5の構成〉
ゲーム装置5は、プレイヤの操作に基づいてゲームを実行する。ゲーム装置5には、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)、Nintendo Switch(登録商標)などの、市販の装置を利用できる。
【0025】
ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(ダウンロード)する場合がある。ゲーム装置5は、ゲームプログラム等を受信したら、受信したゲームプログラム等をインストールする。
【0026】
ゲーム装置5は、各プレイヤの操作に基づいてゲームを開始する。ゲーム装置5は、各ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声を、ディスプレイ61およびスピーカ62(それぞれ後述)に出力しながら、ゲームを進行させる。既述の通り、ユーザは、ゲーム装置5を用いて音声チャットが可能である。
【0027】
図3は、ゲーム装置5の構成例を示すブロック図である。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。
【0028】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0029】
ネットワークインターフェース51は、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。ネットワークインターフェース51は、通信ネットワーク6を介して、ゲーム装置5とサーバ装置2との間における、各種データの送受信を実現する。
【0030】
グラフィック処理部52は、ディスプレイ61と接続されている。ディスプレイ61は、例えば液晶型のディスプレイである。グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、仮想空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0031】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されている。オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成し、これをスピーカ62から出力させる。
【0032】
オーディオ処理部53は、ゲーム装置5に接続されたマイクロフォン(図示を省略)を介して、ユーザから音声入力を受け付ける。オーディオ処理部53は、制御部56の制御に応じて、音声データをサーバ装置2に出力する。
【0033】
操作部54は、コントローラ63と接続されている。操作部54は、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。ユーザは、コントローラ63のボタン等の各種操作子を操作することで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0034】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成されている。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードされたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラムなどが格納されている。
【0035】
制御部56は、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0036】
《ゲーム装置5における制御部56の機能的構成》
制御部56は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、マッチング要求部561、キャラクタ制御部562、チャット切替部563、音声送受信部564として機能する(図3参照)。
【0037】
-マッチング要求部561-
マッチング要求部561は、ユーザの操作に応じて、マッチング(このゲームではグループへの参加)を要求する信号(マッチングリクエスト)をサーバ装置2に送信する。その際、マッチングリクエストは、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2に送信される。マッチングリクエストには、グループへの参加意思を示す情報、ユーザID、ユーザのレベルなどの情報が含まれる。
【0038】
マッチング要求部561は、マッチング通知がサーバ装置2から送信されるのを待つ。マッチング通知は、マッチングの成否等を示す情報(信号)である。マッチング通知は、グループの構成メンバーの情報(例えばユーザのレベル、ユーザID等の情報)を含む場合がある。
【0039】
マッチング要求部561は、マッチングが成功した場合には、制御部56の半導体メモリ等に所定の情報(以下、マッチング情報)を書き込む。マッチング情報は、例えば、所属するグループを特定する情報を含んでいる。マッチング情報は、音声チャットの制御、ゲーム結果の記録などに用いられる。マッチング要求部561は、マッチングに失敗していた場合には、その旨をユーザに通知する。
【0040】
-キャラクタ制御部562-
キャラクタ制御部562は、ユーザの操作に応じて、仮想空間内でプレイヤキャラクタを動作させる。キャラクタ制御部562は、ノンプレイヤキャラクタや所定のオブジェクトも仮想空間内で動作させる。キャラクタ制御部562は、例えばAI(artificial intelligence)によってノンプレイヤキャラクタや所定のオブジェクトの動作を制御する。
【0041】
-チャット切替部563-
チャット切替部563は、ユーザの操作に応じて、そのユーザの音声チャットのモード(以下、チャットモードという)を「オン」、「オフ」、および「連動」の何れかに切り替える。本実施形態では、ユーザは、ディスプレイ61に表示されているボタンなどのユーザインターフェースを、コントローラ63によって操作することによって、チャットモードを切り替えることができる。
【0042】
図4は、ユーザインターフェースの一例である。図4の例では、チャットモードとして「連動」が選択されている。
【0043】
ここで、チャットモードの「オン」は、ユーザの音声の送受信が有効化されるモードである。チャットモードの「オフ」は、ユーザの音声送信が無効化されるモードである。チャットモードの「連動」は、他のゲーム装置5におけるチャットモードを考慮して、音声チャットの有効と無効が切り替わるモードである。
【0044】
チャット切替部563は、グループ内の他のゲーム装置5(ユーザ)が、チャットモードを何れに設定しているかを問い合わせる信号(以下、モード確認信号という)をサーバ装置2に送信する場合がある。この例では、チャット切替部563は、チャットモードが連動に設定された場合にモード確認信号をサーバ装置2に送信する。
【0045】
チャット切替部563には、サーバ装置2からモード確認信号が送信される場合がある。チャット切替部563は、サーバ装置2からモード確認信号を受信した場合には、現在のチャットモードが何れであるかを示す情報(以下、モード情報)をサーバ装置2に送信する。
【0046】
ここで、グループを構成する複数のユーザの中に第1ユーザU1と第2ユーザU2が含まれているとする。第1ユーザU1のゲーム装置5におけるチャット切替部563は、第1ユーザU1が音声チャットを有効に設定していない場合、第2ユーザU2のチャットモードの設定に応じて、第1ユーザU1の音声チャットを有効化する。
【0047】
より具体的には、第1ユーザU1のゲーム装置5におけるチャット切替部563が第1ユーザU1の音声チャットを有効化する条件としては、以下を例示できる。例示するこれらの条件は、全てを採用してもよいし、いくつかを組み合わせてもよいし、何れか一つのみでもよい。
【0048】
(条件1)第1ユーザU1が音声チャットをオンに設定しておらず、且つ第2ユーザU2がチャットモードをオフ以外(オンまたは連動)に設定している場合。
【0049】
(条件2)第1ユーザU1が音声チャットをオンに設定しておらず、音声チャットを有効に設定している第2ユーザU2が同じグループに属する場合。
【0050】
(条件3)音声チャットを有効に設定していない第1ユーザU1が操作するキャラクタと、音声チャットを有効に設定している第2ユーザU2が操作するキャラクタとの仮想空間における距離が所定範囲内である場合(距離が閾値以下である場合)。
【0051】
(条件4)
音声チャットを有効に設定していない第1ユーザU1が操作するキャラクタと、音声チャットを有効に設定している第2ユーザU2が操作するキャラクタとが、仮想空間における同じ区画に存在する場合。同じ区画とは、同じ部屋や同じマップ(エリア)等を例示できる。
【0052】
(条件5)
音声チャットを有効に設定していない第1ユーザU1と音声チャットを有効に設定している第2ユーザU2とが所定の関係を有する場合。所定の関係とは、フレンド関係やフォロー、フォロワー関係、師弟関係等を例示できる。
【0053】
各条件における「第1ユーザU1が音声チャットをオンに設定していない」とは、本実施形態ではチャットモードが連動の場合が相当する。すなわち、本実施形態では、「第1ユーザU1が音声チャットをオンに設定していない」とは、チャットモードがオフの場合を除く。ただし、実装によっては、「第1ユーザU1が音声チャットをオンに設定していない」場合の意義に、チャットモードがオフの場合を含めてもよい。なお、本実施形態では、チャット切替部563は、条件1が成立したら音声チャットを有効化するものとする。
【0054】
-音声送受信部564-
音声送受信部564は、音声チャットにおける音声の送受信を行なう。例えば、音声送受信部564は、音声チャットが有効化されている場合には、オーディオ処理部53に入力されたユーザの音声をデジタルデータ(以下、チャット信号という)としてサーバ装置2に送信する。音声送受信部564は、音声チャットが無効化されている場合には、チャット信号の送信は行なわない。
【0055】
音声送受信部564は、サーバ装置2からチャット信号を受信した場合には、そのチャット信号をオーディオ処理部53に出力する。オーディオ処理部53は、音声送受信部564から受け取ったチャット信号をアナログ信号に変換してスピーカ62に出力する。
【0056】
《サーバ装置2における制御部23の機能的構成》
制御部23は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、マッチング部231、チャット制御部233として機能する(図2参照)。
【0057】
-マッチング部231-
マッチング部231は、ゲーム装置5から受信したマッチングリクエストを受け付けて、それを処理する。具体的にマッチング部231は、マッチングリクエストを送信してきた複数のユーザの中から、グループを構成するメンバーを、マッチングリクエストに含まれる情報を用いて決定(マッチング)する。マッチングの基準は、ゲームの開発者が任意に定めてよい。
【0058】
マッチング部231は、マッチングの基準を満たした各ユーザ(メンバー)にマッチング通知を送信する。これにより、ゲームに参加する複数のユーザがグループ分けされる。
【0059】
-チャット制御部233-
チャット制御部233は、チャット信号の中継を行なう機能を有する。具体的に、チャット制御部233は、サーバ装置2がユーザ(ゲーム装置5)から受信したチャット信号を、そのユーザと同クループのユーザに送信する。チャット制御部233は、ユーザから受信したチャット信号をそのユーザのグループに属していないユーザに送信する場合もある。
【0060】
チャット制御部233は、ゲーム装置5(チャット切替部563)から受信したモード確認信号に応じて、他のゲーム装置5に対してチャットモードの問い合わせを行なう。チャット制御部233は、モード確認信号を送信したゲーム装置5のユーザと同グループに属するユーザのゲーム装置5に対して、モード確認信号を送信(転送)することによって、この問い合わせを行なう。
【0061】
チャット制御部233は、他のゲーム装置5からモード情報を受信したら、チャットモードの問い合わせを行なったゲーム装置5にそのモード情報を送信(転送)する。
【0062】
《動作例》
図5は、ゲームシステム1の動作を説明するフローチャートである。この例では、二人のプレイヤ(第1ユーザU1、第2ユーザU2)がゲームに参加するものとする。第1ユーザU1、第2ユーザU2は、複数人でのクエスト参加(グループによる活動)を希望している。
【0063】
第1ユーザU1および第2ユーザU2は、ゲーム装置5を操作して、マッチングリクエストをサーバ装置2に送信する(ステップS01,S02)。サーバ装置2では、マッチング部231が、マッチングリクエストを受け付ける(ステップS03)。
【0064】
マッチング部231は、マッチングリクエストに含まれる情報を用いて、グループを構成するメンバーをマッチングする。ここでは、第1ユーザU1と第2ユーザU2がマッチングされて、一つのグループが形成されたものとする。マッチング部231は、第1ユーザU1のゲーム装置5と第2ユーザU2のゲーム装置5にマッチング通知を送信する(ステップS04)。
【0065】
第1ユーザU1のゲーム装置5と第2ユーザU2のゲーム装置5では、マッチング要求部561がマッチング通知をそれぞれ受信する。それぞれのマッチング要求部561は、必要な情報を半導体メモリなどに書き込む(ステップS05,S06)。
【0066】
第2ユーザU2は、チャットモードを設定することができる(ステップS07)。チャット切替部563は、その設定に応じて、音声チャット機能を制御する(ステップS08)。ここでは、第2ユーザU2は、チャットモードをオンに設定する操作を行なったと仮定する(ステップS07)。その操作に応じて、第2ユーザU2のゲーム装置5では、チャット切替部563が音声チャットを有効化する(ステップS08)。
【0067】
第1ユーザU1も、チャットモードを設定することができる(ステップS09)。ここでは、第1ユーザU1は、チャットモードを連動に設定する操作を行なったとする(ステップS09)。チャットモードが連動の場合、チャット切替部563は、サーバ装置2にモード確認信号を送信する(ステップS10)。
【0068】
サーバ装置2は、モード確認信号を受信したら、その信号の送信元と同グループのユーザのゲーム装置5に対して、モード確認信号を送信(中継)する(ステップS11)。図5の例では、サーバ装置2は、第2ユーザU2のゲーム装置5にモード確認信号を送信する。
【0069】
第2ユーザU2のゲーム装置5は、サーバ装置2からモード確認信号を受信したら(ステップS12)、モード情報をサーバ装置2に送信する(ステップS13)。サーバ装置2は、第2ユーザU2のゲーム装置5から送信されたモード情報を受信する(ステップS14)。サーバ装置2では、チャット制御部233が、そのモード情報を第1ユーザU1のゲーム装置5(モード確認信号の送信元)に送信する(ステップS14)。
【0070】
第1ユーザU1のゲーム装置5では、モード情報に応じて音声チャットを制御する(ステップS15)。図5の例では、第1ユーザU1と同グループの第2ユーザU2がチャットモードをオンに設定している。そのため、上述の条件1が成立する。チャット切替部563は、音声チャットを有効化する条件が成立しているので、第1ユーザU1の音声チャットを有効化する(ステップS15)。
【0071】
ユーザのマッチングが終わったら、サーバ装置2は、ゲーム開始を待つ。ゲームが開始されたら、各ゲーム装置5では、キャラクタ制御部562は、ユーザの操作に応じて、プレイヤキャラクタを仮想空間内で動作させる。キャラクタ制御部562は、ノンプレイヤキャラクタや所定のオブジェクトも仮想空間内で動作させる。
【0072】
ここで、ゲーム中(例えば対戦中)に第1ユーザU1が第2ユーザU2に何かを音声で伝える必要が生じた状況を想定する。この場合、第1ユーザU1は、音声をマイクロフォンによってゲーム装置5に入力すればよい。換言すると、第1ユーザU1は、チャットモードの設定などをこの時点で行なう必要がない。
【0073】
第1ユーザU1のゲーム装置5では、音声送受信部564が、第1ユーザU1から入力された音声をチャット信号としてサーバ装置2に送信する(ステップS16)。サーバ装置2では、チャット制御部233がチャット信号の中継を行なう(ステップS17)。この例では、チャット制御部233は、第1ユーザU1からのチャット信号を第2ユーザU2のゲーム装置5に送信する。
【0074】
第2ユーザU2のゲーム装置5では、音声送受信部564がチャット信号を受信する(ステップS18)。第2ユーザU2のゲーム装置5では、第1ユーザU1が送信した音声が再生される。
【0075】
以上の動作により、ゲームシステム1では、ゲーム中に一々チャットモードの設定を行なわなくても、第1ユーザU1と第2ユーザU2との間で音声チャットが成立する。
【0076】
以上をまとめると、本件態様は、コンピュータ(制御部23,56)を、複数のユーザによるそれぞれの操作を受けて、複数のキャラクタを仮想空間で動作させるキャラクタ制御部562と、音声チャットの有効無効の設定を前記ユーザから受け付けるチャット切替部563として機能させ、前記複数のユーザには、第1ユーザと第2ユーザが含まれ、前記チャット切替部563は、前記第1ユーザが前記音声チャットを有効に設定していない場合、前記第2ユーザの前記音声チャットの有効無効の設定に応じて、前記第1ユーザの前記音声チャットを有効にするプログラムである。
【0077】
《本実施形態の効果》
以上のように、ゲームシステム1では、所定の条件が成立した場合に、音声チャットが自動的に有効化される。そのため、ゲームシステム1では、ゲーム中におけるチャットの有効、無効の切替えの煩雑さを低減することが可能になる。
【0078】
また、ゲームシステム1では、音声チャットの有効化に所定の条件の成立が課される。そのため、音声チャットの有効化が不要な場合(例えば同グループメンバーのチャットモードがオフの場合)等に有効化される可能性を低減できる。
【0079】
[その他の実施形態]
仮想空間の用途は、ゲームには限定されない。仮想空間の管理者(プログラムのユーザと言ってよい)は、例えば、仮想空間を介して種々のサービス(例えばいわゆるメタバースとしての利用など)を提供できる。
【0080】
音声チャットが自動的に有効化された場合には、その旨をディスプレイ61に表示したり、音声メッセージでユーザに通知したりするとよい。
【0081】
チャットモードがオンのユーザと、チャットモードが連動のユーザとを識別できるように、ディスプレイ61に表示してもよい。
【0082】
音声チャットを実施する機能は、ゲームシステム1の外部のプログラムにおいて実装されているものを利用してもよい。音声チャットの機能を外部のプログラムで実装されている場合は、ゲームプログラムによって、外部のプログラムにおける音声チャットの有効無効の設定を制御するとよい。より具体的には、ゲームプログラムが外部のプログラムに対して、音声チャットを有効化する信号や無効化する信号を送信するとよい。
【0083】
音声チャットが自動で有効化された後は、そのまま有効状態を維持したままでもよいし、ゲーム終了後または所定のゲーム状況が終了した後に無効化してもよい。
【0084】
音声チャットを自動で有効化する条件としてゲーム状況を用いてもよい。例えば、プレイヤキャラクタの体力が少なくなったときに、回復魔法が使用可能なキャラクタ(ユーザ)との音声チャットを有効化することが考えられる。また、音声チャットを有効に設定していない第1ユーザと、音声チャットを有効に設定している第2ユーザが、ゲームにおいて敵対関係にある場合に、第1ユーザの音声チャットを有効にすることも考えられる。これらの条件は、単独で用いてもよいし、互いに組み合わせてもよい。これらの条件は、前述の条件1~3の一つまたは複数と組み合わせてもよい。
【0085】
ゲーム装置5で行っていた処理をそれに代わってサーバ側で行ってもよいし、サーバ装置2とゲーム装置5とで分担してもよい。
【0086】
仮想空間制御装置(ゲーム装置5)間におけるモード確認信号、モード情報のやり取りは、必ずしもサーバ装置を介して行なう必要はない。例えば、モード確認信号、モード情報のやり取りは、Peer to Peer(P2P)方式で行われてもよい。
【0087】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本態様の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0088】
5 ゲーム装置(仮想空間制御装置)
22 記憶部
55 記憶部
56 制御部
562 キャラクタ制御部
563 チャット切替部
U1 第1ユーザ
U2 第2ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5