(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062828
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】クライアント装置、クライアント装置の制御方法、及び、サーバ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 16/587 20190101AFI20240501BHJP
G06F 16/538 20190101ALI20240501BHJP
【FI】
G06F16/587
G06F16/538
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170927
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】230128026
【弁護士】
【氏名又は名称】駒木 寛隆
(72)【発明者】
【氏名】山澤 開
(72)【発明者】
【氏名】澤田 圭介
(72)【発明者】
【氏名】下山 英世
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA02
5B175DA03
5B175GB01
5B175JC06
(57)【要約】
【課題】一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像をより効率的に検索可能とする。
【解決手段】サーバ装置と通信可能なクライアント装置であって、移動体が撮影しながら移動した地域を含む地図を表示部に表示させ、前記移動体の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、前記地図に対する操作によりユーザから受け付け、前記指定された前記区間において前記移動体により撮影された撮影画像を前記サーバ装置に対して要求し、前記指定された前記区間において撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置から受信する、制御部を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と通信可能なクライアント装置であって、
移動体が撮影しながら移動した地域を含む地図を表示部に表示させ、
前記移動体の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、前記地図に対する操作によりユーザから受け付け、
前記指定された前記区間において前記移動体により撮影された撮影画像を前記サーバ装置に対して要求し、
前記指定された前記区間において撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置から受信する、
制御部を備える、クライアント装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記移動体の移動の最新の前記軌跡を前記地図上に表示させる、請求項1に記載のクライアント装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記地図における領域の選択操作を前記地図に対する前記操作として前記ユーザから受け付け、
前記移動体の移動の前記軌跡のうち、前記選択操作がなされた前記領域に含まれる部分を、前記ユーザにより指定された前記区間として取得する、
請求項1に記載のクライアント装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記領域の前記選択操作がなされたことに応じて、当該領域を通過した前記移動体の移動の前記軌跡を前記地図上に表示させる、請求項3に記載のクライアント装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記指定された前記区間に対応する時間的範囲を前記サーバ装置から取得し、
前記サーバ装置から取得した前記時間的範囲に含まれるユーザにより指定された時間的範囲を前記サーバ装置へ送信して、前記指定された前記時間的範囲において前記移動体により撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置に対して要求する、
請求項1に記載のクライアント装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記軌跡を前記移動体が移動した時刻の範囲に対応する棒状画像を前記表示部に表示させ、
前記ユーザにより前記区間が指定された場合、当該指定された前記区間に対応する時間的範囲を示す画像を前記棒状画像上に表示させる、
請求項5に記載のクライアント装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記棒状画像における前記区間に対応する前記時間的範囲を示す画像に対して、前記ユーザにより予め定められた操作がなされたことに応じて、前記区間において前記移動体により撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置に対して要求する、請求項6に記載のクライアント装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記移動体が撮影した前記撮影画像のサムネイル画像を、前記棒状画像に対応付けて、前記表示部に表示させる、請求項6に記載のクライアント装置。
【請求項9】
サーバ装置と通信可能な、制御部を備えるクライアント装置の制御方法であって、
前記制御部が、
移動体が撮影しながら移動した地域を含む地図を表示部に表示させることと、
前記移動体の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、前記地図に対する操作によりユーザから受け付けることと、
前記指定された前記区間において前記移動体により撮影された撮影画像を前記サーバ装置に対して要求することと、
前記指定された前記区間において撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置から受信することと、
を含む、クライアント装置の制御方法。
【請求項10】
クライアント装置と通信可能なサーバ装置であって、
前記クライアント装置から、移動体の移動の軌跡に含まれる区間を示す位置情報を通信部により受信し、
前記移動体の位置と時刻とを対応付けて記憶する第1データベースを参照して、前記クライアント装置から受信した前記位置情報により示される前記区間を前記移動体が通過した時間的範囲を取得し、
前記時間的範囲に前記移動体により撮影された撮影画像を、前記移動体により撮影された撮影画像と時刻とを対応付けて記憶する第2データベースから取得し、
取得した前記時間的範囲に前記移動体により撮影された前記撮影画像を前記通信部により前記クライアント装置へ送信する、
制御部を備える、サーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クライアント装置、クライアント装置の制御方法、及び、サーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像の検索に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成は、移動体等により一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像を効率的に検索するという点において改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示は、一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像をより効率的に検索可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係るクライアント装置は、
(1)サーバ装置と通信可能なクライアント装置であって、
移動体が撮影しながら移動した地域を含む地図を表示部に表示させ、
前記移動体の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、前記地図に対する操作によりユーザから受け付け、
前記指定された前記区間において前記移動体により撮影された撮影画像を前記サーバ装置に対して要求し、
前記指定された前記区間において撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置から受信する、
制御部を備える。
【0007】
したがって、ユーザは、地図に対する操作により移動体の移動の軌跡に含まれる区間を指定するだけで、その区間において移動体により撮影された撮影画像をクライアント装置にダウンロードさせることができる。したがって、ユーザは、一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像をより効率的に検索することができる。
【0008】
(2)(1)のクライアント装置において、前記制御部は、前記移動体の移動の最新の前記軌跡を前記地図上に表示させてもよい。
【0009】
したがって、ユーザは、移動体の移動の最新の軌跡を地図上で確認することが可能である。
【0010】
(3)(1)又は(2)のクライアント装置において、
前記制御部は、
前記地図における領域の選択操作を前記地図に対する前記操作として前記ユーザから受け付け、
前記移動体の移動の前記軌跡のうち、前記選択操作がなされた前記領域に含まれる部分を、前記ユーザにより指定された前記区間として取得してもよい。
【0011】
したがって、ユーザは、地図における領域の選択という直感的な操作により、その領域内で撮影された撮影画像をクライアント装置にダウンロードさせることができる。
【0012】
(4)(3)のクライアント装置において、
前記制御部は、前記領域の前記選択操作がなされたことに応じて、当該領域を通過した前記移動体の移動の前記軌跡を前記地図上に表示させてもよい。
【0013】
したがって、ユーザは、地図における領域の選択という直感的な操作により、その領域内を通過した移動体の軌跡を確認することが可能である。
【0014】
(5)(1)から(4)のいずれかのクライアント装置において、
前記制御部は、
前記指定された前記区間に対応する時間的範囲を前記サーバ装置から取得し、
前記サーバ装置から取得した前記時間的範囲に含まれるユーザにより指定された時間的範囲を前記サーバ装置へ送信して、前記指定された前記時間的範囲において前記移動体により撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置に対して要求してもよい。
【0015】
したがって、クライアント装置は、指定された区間に対応する撮影画像をサーバ装置から受信することが可能である。
【0016】
(6)(5)のクライアント装置において、
前記制御部は、
前記軌跡を前記移動体が移動した時刻の範囲に対応する棒状画像を前記表示部に表示させ、
前記ユーザにより前記区間が指定された場合、当該指定された前記区間に対応する時間的範囲を示す画像を前記棒状画像上に表示させてもよい。
【0017】
したがって、ユーザは、地図上で指定された移動体の移動の軌跡の区間に対応する撮影時刻を容易に認識することができる。
【0018】
(7)(6)のクライアント装置において、
前記制御部は、前記棒状画像における前記区間に対応する前記時間的範囲を示す画像に対して、前記ユーザにより予め定められた操作がなされたことに応じて、前記区間において前記移動体により撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置に対して要求してもよい。
【0019】
したがって、撮影時刻と地図上の位置関係とを確認しながら、所望の撮影画像をクライアント装置にダウンロードさせることができる。
【0020】
(8)(6)又は(7)のクライアント装置において、
前記制御部は、前記移動体が撮影した前記撮影画像のサムネイル画像を、前記棒状画像に対応付けて、前記表示部に表示させてもよい。
【0021】
したがって、ユーザは、撮影画像のサムネイル画像を確認しながら、移動体の移動の軌跡に含まれる区間を地図上で指定することができる。
【0022】
幾つかの実施形態に係るクライアント装置の制御方法は、
(9)サーバ装置と通信可能な、制御部を備えるクライアント装置の制御方法であって、
前記制御部が、
移動体が撮影しながら移動した地域を含む地図を表示部に表示させることと、
前記移動体の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、前記地図に対する操作によりユーザから受け付けることと、
前記指定された前記区間において前記移動体により撮影された撮影画像を前記サーバ装置に対して要求することと、
前記指定された前記区間において撮影された前記撮影画像を前記サーバ装置から受信することと、
を含む。
【0023】
したがって、ユーザは、地図に対する操作により移動体の移動の軌跡に含まれる区間を指定するだけで、その区間において移動体により撮影された撮影画像をクライアント装置にダウンロードさせることができる。したがって、ユーザは、一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像をより効率的に検索することができる。
【0024】
幾つかの実施形態に係るサーバ装置は、
(10)クライアント装置と通信可能なサーバ装置であって、
前記クライアント装置から、移動体の移動の軌跡に含まれる区間を示す位置情報を通信部により受信し、
前記移動体の位置と時刻とを対応付けて記憶する第1データベースを参照して、前記クライアント装置から受信した前記位置情報により示される前記区間を前記移動体が通過した時間的範囲を取得し、
前記時間的範囲に前記移動体により撮影された撮影画像を、前記移動体により撮影された撮影画像と時刻とを対応付けて記憶する第2データベースから取得し、
取得した前記時間的範囲に前記移動体により撮影された前記撮影画像を前記通信部により前記クライアント装置へ送信する、
制御部を備える。
【0025】
したがって、サーバ装置は、時刻に基づき移動体の位置情報と撮影画像とを対応付けて、移動体の移動の軌跡に含まれる区間を示す位置情報に対応する撮影画像をクライアント装置10へ送信する。したがって、クライアント装置は、区間を示す位置情報に基づき、その区間において撮影された撮影画像をサーバ装置から受信することができる。よって、クライアント装置は、ユーザにより選択された地理的範囲に対応する撮影画像をサーバ装置からダウンロードすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示の一実施形態によれば、一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像をより効率的に検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】比較例に係る画像検索の手順を示すシーケンスチャートである。
【
図2】
図1のクライアント装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図3のクライアント装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図3の移動体の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図3のサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図3の情報処理システムにおける画像検索の手順の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図8】
図3のクライアント装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】
図3のクライアント装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図3のサーバ装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図3のクライアント装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図3のクライアント装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図13】
図3のクライアント装置に表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】
図3のクライアント装置に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
<比較例>
図1は、比較例に係る画像検索の手順を示すシーケンスチャートである。比較例において、カメラ901は、ドローン、鉄道車両、自動車、航空機、又は船舶等の移動体に搭載された撮影装置であり、移動体の移動に伴い移動しながら、動画像等の画像を撮影する(ステップS91)。カメラ901は、撮影した撮影画像をサーバ装置902へ送信する(ステップS92)。サーバ装置902は、カメラ901から撮影画像を受信すると、自装置が備える記憶装置等に保存する(ステップS93)。
【0029】
このような構成において、ユーザは、クライアント装置903を操作して所望の撮影画像を検索する。具体的には、クライアント装置903は、撮影画像の撮影時刻の時間的範囲の選択をユーザから受け付ける(ステップS94)。クライアント装置903は、撮影画像の撮影時刻の時間的範囲が選択されると、その時間的範囲に対応する撮影画像をサーバ装置30に要求する(ステップS95)。サーバ装置902は、クライアント装置903からの要求に応じて、時間的範囲に対応する撮影画像を取得し、クライアント装置903へ送信する。撮影画像には、撮影時刻の情報が対応付けられている。
【0030】
図2は、
図1のクライアント装置903に表示される画面911の一例を示す図である。画面911は、ユーザが所望の撮影画像を探すためのユーザインタフェースを提供している。具体的には、画面911は、撮影時刻の時間的範囲を選択可能な時刻の目盛りを含む画像912を有する。クライアント装置903は、画像912において、カーソル913等により時間的範囲が選択されると(画像914は選択された時間的範囲を示す。)、その時間的範囲に対応する撮影画像をサーバ装置902に要求する。要求に応じてサーバ装置902から撮影画像を受信すると、クライアント装置903は、受信した撮影画像を表示域915に表示する。
【0031】
このように、比較例に係る構成において、ユーザは、撮影時刻を頼りに、サーバ装置902に保存された全ての撮影画像から所望の撮影画像を探索し、撮影画像を確認して、ダウンロードを行うため、作業負担が一般に大きい。特に、移動体等により一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の地域を撮影した撮影画像を検索する場合、どの時刻にどの地域が撮影されたのかが不明なことがある。このような場合、ユーザは、しらみつぶしに全ての撮影画像から所望の撮影画像を探索及び確認する必要がある。したがって、比較例においては、移動体等により一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像を効率的に検索するという点において改善の余地がある。
【0032】
そこで、本開示においては、移動体等により一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像を効率的に検索可能とすることを目的とする。
【0033】
<実施形態>
【0034】
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照して説明する。各図面中、同一の構成又は機能を有する部分には、同一の符号を付している。本実施形態の説明において、同一の部分については、重複する説明を適宜省略又は簡略化する場合がある。
【0035】
(情報処理システム)
図3は、一実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。情報処理システム1は、クライアント装置10、移動体20、サーバ装置30、及びネットワーク40を備える。本実施形態では、移動体20により撮影された撮影画像を提供するサーバ装置30が移動体20に取り付けられている。クライアント装置10及びサーバ装置30は、例えばインターネット、イントラネット、及び移動体通信網等を含むネットワーク40と通信可能に接続される。
【0036】
クライアント装置10は、ユーザからの操作を受け付け、移動体20に搭載されたサーバ装置30から撮影画像を受信するコンピュータである。クライアント装置10は、例えば、PC(Personal Computer)であるが、タブレット端末、又はスマートフォン等の他の汎用的なコンピュータ、並びに、専用の電子機器により実現されてもよい。クライアント装置10は、ネットワーク40を介して、移動体20に搭載されたサーバ装置30と通信可能である。
【0037】
移動体20は、撮影画像を撮影しながら移動することが可能な装置である。移動体20は、例えば、ドローンであるが、鉄道車両、自動車、航空機、又は船舶等の他の装置でもよい。移動体20は、撮影画像を撮影可能な撮影部24、及び、移動体20の位置を測定する測位部25を備える(
図5参照)。
【0038】
サーバ装置30は、移動体20により撮影された撮影画像を保存し、クライアント装置10からの要求に応じて、撮影画像をクライアント装置10へ送信するコンピュータである。サーバ装置30は、例えば、PCであるが、WS(Workstation)、タブレット端末、又はスマートフォン等の他の汎用的なコンピュータ、並びに、専用の電子機器により実現されてもよい。本実施形態においては、サーバ装置30は、移動体20に搭載される。もっとも、サーバ装置30は、例えば、データセンタ等の施設に設置された、ネットワーク40と通信可能に接続されたWS等のコンピュータでもよい。
【0039】
上記のような構成において、移動体20は、移動しながら撮影画像を撮影し、撮影した撮影画像をサーバ装置30に保存させる。また、移動体20は、撮影画像の撮影と並行して、移動体20の位置を測定し、移動体20の位置の経時的変化をサーバ装置30に保存させる。その後、クライアント装置10は、移動体20が撮影しながら移動した地域を含む地図を後述する出力部15の表示部に表示させ、移動体20の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、地図に対する操作によりユーザから受け付ける。クライアント装置10は、ユーザにより指定された区間において移動体20により撮影された撮影画像をサーバ装置30に要求し、その区間において移動体により撮影された撮影画像をサーバ装置30から受信する。したがって、本実施形態によれば、ユーザは、クライアント装置10に表示された地図において移動体20の移動の軌跡に含まれる区間を指定するだけで、その区間に対応する撮影画像をクライアント装置10にダウンロードさせることができる。よって、本開示によれば、移動体20等により一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像を効率的に検索することが可能となる。
【0040】
(クライアント装置)
図4は、
図3のクライアント装置10の構成例を示すブロック図である。クライアント装置10は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、及び出力部15を備える。
【0041】
制御部11は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部11は、クライアント装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、クライアント装置10全体の動作を制御する。
【0042】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の任意の記憶モジュールを含む。記憶部12は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、クライアント装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部13によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部12は、クライアント装置10に内蔵されているものに限定されず、外付けのデータベース又は外付け型の記憶モジュールであってもよい。記憶部12は、例えば、移動体20が撮影しながら移動した地域を含む地図のデータを記憶してもよい。
【0043】
通信部13は、任意の通信技術によってサーバ装置30等の他の装置と通信接続可能な、任意の通信モジュールを含む。通信部13は、さらに、他の装置との通信を制御するための通信制御モジュール、及び他の装置との通信に必要となる識別情報等の通信用データを記憶する記憶モジュールを含んでもよい。例えば、通信部13は、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、又は移動体通信網に接続可能なSIM(Subscriber Identity Module)に基づく通信モジュールを含んでもよい。
【0044】
入力部14は、操作者の入力操作を受け付けて、操作者の操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インターフェースを含む。例えば、入力部14は、物理キー、静電容量キー、ポインティングディバイス、出力部15のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等であるが、これらに限定されない。
【0045】
出力部15は、操作者に対して情報を出力し、操作者に通知する1つ以上の出力インターフェースを含む。例えば、出力部15は、情報を画像として出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限定されない。このようなディスプレイは、例えば、液晶パネルディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等としてもよい。なお、上述の入力部14及び出力部15の少なくとも一方は、クライアント装置10と一体に構成されてもよいし、別体として設けられてもよい。
【0046】
クライアント装置10の機能は、本実施形態に係るコンピュータプログラム(プログラム)を、制御部11に含まれるプロセッサで実行することにより実現されうる。すなわち、クライアント装置10の機能は、ソフトウェアにより実現されうる。コンピュータプログラムは、クライアント装置10の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、各ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させる。すなわち、コンピュータプログラムは、コンピュータを本実施形態に係るクライアント装置10として機能させるためのプログラムである。コンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0047】
コンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。プログラムをクラウドのストレージに格納しておき、ネットワークを介して、クラウドから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムは流通されてもよい。プログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0048】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はクラウドから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納してもよい。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行してもよい。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにクラウドからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。このような処理は、クラウドからコンピュータへのプログラムの転送を行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって実行されてもよい。「ASP」は、Application Service Providerの略称である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0049】
クライアント装置10の一部又は全ての機能が、制御部11に含まれる専用回路により実現されてもよい。すなわち、クライアント装置10の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。また、クライアント装置10は単一のコンピュータにより実現されてもよいし、複数のコンピュータの協働により実現されてもよい。
【0050】
(移動体)
図5は、
図3の移動体20の構成例を示すブロック図である。移動体20は、制御部21、記憶部22、通信部23、撮影部24、及び測位部25を備える。
【0051】
制御部21は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部21は、移動体20を構成する各構成部と通信可能に接続され、移動体20全体の動作を制御する。制御部21の構成はクライアント装置10の制御部11と同様であり、詳細な説明を省略する。なお、制御部21は、時刻(日時)を計測する計時部を備える。計時部は、例えば、水晶振動子を用いたクロック発振回路により実現されてもよい。
【0052】
記憶部22は、例えば、HDD、SSD、ROM、及びRAM等の任意の記憶モジュールを含む。記憶部22の構成はクライアント装置10の記憶部12と同様であり、詳細な説明を省略する。本実施形態において、記憶部22は、撮影部24が撮影した撮影画像を一時的に保持したり、測位部25が測定した位置情報を一時的に保持したりしてもよい。後述のように、移動体20の記憶部22が保持した撮影画像はサーバ装置30の録画データベース321に記録されてもよい。位置情報は、後述のサーバ装置30の位置情報データベース322に記録されてもよい。また、移動体20は、記憶部22を備えず、撮影部24及び測位部25が直接サーバ装置30に接続されてもよい。
【0053】
通信部23は、任意の通信技術によってサーバ装置30等の他の装置と通信接続可能な、任意の通信モジュールを含む。例えば、通信部23は、移動体20に搭載されたサーバ装置30と通信するための無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はUSB(Universal Serial Bus)インターフェースを含む通信モジュールを含んでもよい。サーバ装置30が移動体20に搭載されない場合、通信部23は、例えば、移動体通信網に接続可能なSIMに基づく通信モジュールを含んでもよい。通信部23の構成はクライアント装置10の通信部13と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0054】
撮影部24は、被写体を撮影し、撮影画像を生成するカメラを含む。撮影部24は、光を電気信号に変換する光電変換素子、及び、レンズを含む光学系等を備えてもよい。本実施形態において、撮影部24は、一定のフレームレートで複数の画像を撮影して動画像を撮影するが、撮影部24は、静止画を撮影してもよい。撮影部24により撮影された撮影画像は、撮影時刻と共に記憶部22に記憶され、後に、サーバ装置30の録画データベース321に記録される。
【0055】
測位部25は、移動体20の位置を測定する測位モジュールを含む。測位モジュールは、例えば、GPS(Global Positioning System)又はGNSS(Global Navigation Satellite System)等に基づき、移動体20の位置を測定してもよい。測位部25により測定された移動体20の位置情報は、測定時刻と共に記憶部22に記憶され、後に、サーバ装置30の位置情報データベース322に記録される。
【0056】
(サーバ装置)
図6は、
図3のサーバ装置30の構成例を示すブロック図である。サーバ装置30は、制御部31、記憶部32、及び通信部23を備える。
【0057】
制御部31は、1つ以上のプロセッサを含む。制御部31は、サーバ装置30を構成する各構成部と通信可能に接続され、サーバ装置30全体の動作を制御する。制御部31の構成はクライアント装置10の制御部11と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0058】
記憶部32は、例えば、HDD、SSD、ROM、及びRAM等の任意の記憶モジュールを含む。記憶部22の構成はクライアント装置10の記憶部12と同様であり、詳細な説明を省略する。記憶部32は、第2データベースとしての録画データベース(DB)321、及び、第1データベースとしての位置情報データベース(DB)322を含む。録画データベース321は、移動体20の撮影部24が撮影した撮影画像を撮影時刻と対応付けて記録する。位置情報データベース322は、測位部25により測定された位置情報を測定時刻と対応付けて記録する。なお、本実施形態において、録画データベース321、及び、位置情報データベース322は、サーバ装置30の記憶部32に構成されるが、例えば、ネットワーク40に接続されたネットワークストレージ等の、サーバ装置30の外部装置に構成されてもよい。また、録画データベース321は、撮影画像そのものではなく、撮影画像が記憶された場所を示す記憶部32内のファイルパス情報と、撮影時刻とを対応付けて記録してもよい。位置情報データベース322は、位置情報そのものではなく、位置情報が記憶された場所を示す記憶部32内のファイルパス情報と、測定時刻とを対応付けて記憶してもよい。
【0059】
通信部33は、任意の通信技術によってクライアント装置10及び移動体20等の他の装置と通信接続可能な、任意の通信モジュールを含む。例えば、通信部13は、ネットワーク40と通信するために移動体通信網に接続可能なSIMに基づく通信モジュールを備えてもよい。また、例えば、通信部13は、移動体20と通信するための無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はUSBインターフェースを含む通信モジュールを含んでもよい。通信部33の構成はクライアント装置10の通信部13と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0060】
(動作例1)
図7は、
図3の情報処理システム1における画像検索の手順の一例を示すシーケンスチャートである。
図7の各ステップにおいて、クライアント装置10の動作は、制御部11による制御に基づき実行されてもよい。移動体20の動作は、制御部21による制御に基づき実行されてもよい。サーバ装置30の動作は、制御部31による制御に基づき実行されてもよい。以下、移動体20が移動しながら撮影画像を撮影し、クライアント装置10が、撮影画像を要求する場合の動作を説明する。
【0061】
図7のステップS1において、移動体20の制御部21は、撮影部24により撮影画像を撮影する。
【0062】
ステップS2において、移動体20の制御部21は、ステップS1で撮影した撮影画像を撮影時刻と共にサーバ装置30へ送信する。例えば、制御部21は、撮影部24により撮影された撮影画像を順次サーバ装置30へ送信してもよい。あるいは、制御部21は、撮影画像を、一定周期(例えば、1分ごと)で、サーバ装置30へ送信してもよい
【0063】
ステップS3において、サーバ装置30の制御部31は、ステップS2で移動体20から受信した撮影画像を撮影時刻と共に録画データベース321に保存させる。例えば、制御部31は、移動体20から撮影画像を受信した時刻を撮影時刻として、録画データベース321に保存させてもよい。あるいは、例えば、制御部31は、撮影画像と共に、対応する撮影時刻を、移動体20から受信し、その撮影画像及び撮影時刻を録画データベース321に保存させてもよい。制御部31は、撮影画像及び撮影時刻を、その撮影画像を撮影したカメラごとに録画データベース321に保存させてもよい。制御部31は、一定周期で移動体20から撮影画像等を受信した場合、受信に応じて同じ周期で撮影画像等を動画ファイルとして録画データベース321に保存させてもよい。この場合、録画データベース321は、一定周期(例えば、1分)で区切られた、複数の動画像ファイルを含んでもよい。また、制御部31は、一定周期(例えば、1分)ごとに撮影画像のスナップショット画像(静止画像)及びサムネイル画像を録画データベース321に保存させてもよい。サムネイル画像は、スナップショット画像の解像度を低減させた画像である。
【0064】
ステップS4において、移動体20の制御部21は、測位部25により移動体20の位置を測定する。例えば、制御部21は、測位部25により一定時間(例えば、1秒)ごとに、移動体20の位置を測定してもよい。
【0065】
ステップS5において、移動体20の制御部21は、ステップS4で測定した移動体20の位置情報をサーバ装置30へ送信する。例えば、制御部21は、測位部25により測定された位置情報を順次サーバ装置30へ送信してもよい。あるいは、制御部21は、例えば、一定周期(例えば、1分ごと)に測位部25により測定された位置情報をサーバ装置30へ送信してもよい。
【0066】
ステップS6において、サーバ装置30の制御部31は、ステップS2で移動体20から受信した移動体20の位置情報を測定時刻と共に位置情報データベース322に保存させる。例えば、制御部31は、移動体20から位置情報を受信した時刻を測定時刻として、位置情報データベース322に保存させてもよい。あるいは、例えば、制御部31は、位置情報と共に、対応する測定時刻を、移動体20から受信し、その位置情報及び測定時刻を位置情報データベース322に保存させてもよい。制御部31は、位置情報及び測定時刻を、その位置情報を測定したカメラごとに位置情報データベース322に保存させてもよい。制御部31は、一定周期で移動体20から位置情報等を受信した場合、受信に応じて同じ周期で位置情報等を位置情報データベース322に保存させてもよい。なお、サーバ装置30は、移動体20の位置を測定する測定装置が移動体20の外部に存在する場合は、そのような測定装置から移動体20の位置の情報を取得し、位置情報データベース322に保存させてもよい。あるいは、サーバ装置30は、サーバ装置30自体に位置を取得する測位部が設けられている場合は、その測位部が測定した位置情報を取得し、位置情報データベース322に保存させてもよい。
【0067】
ステップS7において、クライアント装置10の制御部11は、移動体20の位置の経時的変化を示す移動体20の軌跡をサーバ装置30に要求する。
【0068】
ステップS8において、サーバ装置30の制御部31は、移動体20の位置の経時的変化を示す移動体20の軌跡をクライアント装置10へ送信する。ここでは、制御部31は、一定時間おきに測定された移動体20の位置情報のみをクライアント装置10へ送信する場合について説明する。
【0069】
ステップS9において、クライアント装置10の制御部11は、サーバ装置30から受信した移動体20の軌跡に基づき、移動体20が撮影しながら移動した地域を含む地図を出力部15の表示部に表示させる。制御部11は、移動体20の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、地図に対する操作によりユーザから受け付ける。
【0070】
図8は、
図3のクライアント装置10に表示される画面50の一例を示す図である。画面50は、地図の表示域51を含む。制御部11は、移動体20の移動の最新の軌跡52を地図上に表示させている。これにより、ユーザは、移動体20の最新の移動経路を認識することができる。制御部11は、移動体の種類(例えば、ドローン)を示す図柄53、及び、撮影部24の識別情報54(「カメラA」)を軌跡52の近傍に表示させる。これにより、ユーザは、移動体20の種類、及び、撮影画像を撮影した撮影部24を容易に認識することができる。
【0071】
例えば、制御部11は、カーソル55等により地図における領域56の選択操作をユーザから受け付け、移動体20の移動の軌跡52のうち、選択操作がなされた領域56に含まれる部分を、ユーザにより指定された区間として取得してもよい。具体的には、例えば、制御部11は、地図に対するカーソル55のドラッグ操作により矩形の領域56の選択をユーザから受け付け、その領域56に含まれる軌跡52の部分を、ユーザにより指定された区間として取得してもよい。あるいは、制御部11は、地図上における、軌跡52に含まれる区間の両端の選択操作により、移動体20の移動の軌跡52に含まれる区間の指定を受け付けてもよい。なお、後述するように、鉄道車両のように移動の軌跡があらかじめ判明している移動体20に搭載された撮影部24により撮影した撮影画像を取得する場合、制御部11は、ユーザにより定義された地点の選択により区間の指定を受け付けてもよい。このように、クライアント装置10は地図上の操作により軌跡の区間の指定を受け付けるため、ユーザは、直感的な操作により、撮影画像を取得する区間を指定することができる。
【0072】
ステップS10~S13において、制御部11は、ユーザにより指定された区間に対応する位置情報をサーバ装置30へ送信し、その区間において移動体20により撮影された撮影画像を要求する。制御部11は、送信した位置情報に対応する時間的範囲に撮影された撮影画像をサーバ装置30から受信する。
【0073】
具体的には、ステップS10において、クライアント装置10の制御部11は、ユーザにより指定された区間に対応する位置情報をサーバ装置30へ送信し、その区間に対応する時間的範囲を要求する。例えば、制御部11は、ユーザにより指定された区間の両端の位置情報をサーバ装置30へ送信してもよい。
【0074】
ステップS11において、サーバ装置30の制御部31は、位置情報データベース322を参照して、ステップS10でクライアント装置10から要求された区間に対応する時間的範囲を取得し、クライアント装置10へ送信する。例えば、制御部31は、位置情報データベース322を参照して、ユーザにより指定された区間の両端の位置情報に対応する2つの測定時刻を取得してもよい。この2つの測定時刻は、移動体20が、ユーザにより指定された区間に入った時刻、及び、区間から出た時刻に対応する。制御部31は、このような2つの測定時刻を、区間に対応する時間的範囲として、クライアント装置10へ送信してもよい。ここで、制御部31は、撮影画像と撮影時刻との対応関係において生じ得る誤差の範囲に応じて2つの測定時刻を調整した上で、クライアント装置10へ送信してもよい。また、ステップS10でクライアント装置10から要求された区間が、実際に移動体20が移動した軌跡の範囲よりも大きい場合、制御部31は、要求された区間に含まれる実際に移動した範囲に対応する時刻を取得してクライアント装置10へ送信してもよい。
【0075】
なお、ステップS8で、サーバ装置30が、移動体20の位置情報と測定時刻との複数の組を移動体20の軌跡としてクライアント装置10へ送信した場合、クライアント装置10は、受信した情報に基づき、移動体20の位置情報に対応する測定時刻を特定できる。そこで、そのような場合、クライアント装置10は、受信した情報に基づき、ユーザにより指定された区間に対応する時間的範囲を取得することができ、ステップS10及びS11の処理は省略可能である。
【0076】
ステップS12において、クライアント装置10の制御部11は、ユーザにより指定された区間に対応する時間的範囲をサーバ装置30へ送信して、ユーザにより指定された区間において移動体20により撮影された撮影画像をサーバ装置30に要求する。例えば、制御部11は、ステップS11でサーバ装置30から受信した時間的範囲に含まれる時間的範囲の指定をユーザから受け付け、指定された時間的範囲に撮影された撮影画像をサーバ装置30に要求してもよい。
【0077】
ステップS13において、サーバ装置30の制御部31は、クライアント装置10から受信した時間的範囲に対応する撮影画像を録画データベース321から取得し、クライアント装置10へ送信する。具体的には、例えば、録画データベース321に一定周期(例えば、1分)ごとに区切られた動画ファイルが格納されている場合、制御部31は、受信した時間的範囲に対応する動画ファイルを取得し、連結して、クライアント装置10へ送信してもよい。あるいは、制御部31は、一定周期ごとに区切られた動画ファイルをクライアント装置10へ送信し、クライアント装置10側で、一定周期ごとに区切られた動画ファイルを連結させてもよい。
【0078】
以上のように、サーバ装置30と通信可能なクライアント装置10は、移動体20が撮影しながら移動した地域を含む地図を出力部15の表示部に表示させ、移動体20の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、地図に対する操作によりユーザから受け付ける。クライアント装置10は、ユーザにより指定された区間において移動体20により撮影された撮影画像を要求し、指定された区間において撮影された撮影画像をサーバ装置30から受信する。したがって、ユーザは、クライアント装置10に表示された地図において移動体20の移動の軌跡に含まれる区間を指定するだけで、その区間に対応する撮影画像をクライアント装置10にダウンロードさせることができる。ユーザは、撮影時刻ではなく、地図上で場所を選択することによって、その場所で撮影された撮影画像を容易に確認することができる。よって、ユーザは、移動体20等により一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像を効率的に検索することが可能となる。
【0079】
なお、上記の例では、クライアント装置10は、指定された区間の位置情報をサーバ装置30へ送信して、その区間に対応する時間的範囲をサーバ装置30から取得している(ステップS10,S11)。さらに、クライアント装置10は、その時間的範囲をサーバ装置30へ送信して、指定された区間に撮影された撮影画像を取得している(ステップS12,S13)。もっとも、ステップS8において、制御部11が位置情報のみを移動体20の軌跡として取得した場合、サーバ装置30が、クライアント装置10から受信した区間の位置情報から時間的範囲を自動的に判定して、その時間的範囲に撮影された撮影画像を特定してもよい。具体的には、サーバ装置30は、クライアント装置10から、軌跡の区間を特定する情報として位置情報を受信した場合、位置情報データベース322を参照して、軌跡の区間を移動体20が移動した時間的範囲を特定してもよい。サーバ装置30は、特定した時間的範囲に撮影された撮影画像を録画データベース321から取得し、クライアント装置10へ送信してもよい。サーバ装置30は、移動体20が撮影した撮影画像を撮影時刻と対応付けて記録する録画データベース321、及び、移動体20の位置情報を測定時刻と対応付けて記録する位置情報データベース322にアクセスすることができる。したがって、サーバ装置30は、移動体20の軌跡の区間が位置情報と時間的範囲とのいずれの形式で特定された場合であっても、その区間に対応する撮影画像を識別して取得することが可能である。
【0080】
図9は、
図3のクライアント装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図9を参照して説明するクライアント装置10の動作はクライアント装置10の制御方法の一つに相当してもよい。
図9の各ステップの動作は、クライアント装置10の制御部11による制御に基づき実行されてもよい。以下の処理は、
図7のステップS7及びステップS8の処理により、クライアント装置10が移動体20の軌跡をサーバ装置30から受信した後に実行される。
【0081】
図9のステップS21において、制御部11は、サーバ装置30から受信した移動体20の軌跡に基づき、移動体20が撮影しながら移動した地域を含む地図を出力部15の表示部に表示させる。
【0082】
ステップS22において、制御部11は、サーバ装置30から受信した移動体20の最新の軌跡を出力部15の表示部に表示させる。
【0083】
ステップS23において、制御部11は、ステップS22で表示させた移動体20の軌跡に含まれる区間の指定をユーザから受け付ける。
【0084】
ステップS24において、制御部11は、ステップS23でユーザにより指定された区間に対応する時間的範囲をサーバ装置に要求する。
【0085】
ステップS25において、制御部11は、ユーザにより指定された区間に対応する時間的範囲をサーバ装置30から受信したか否かを判定する。制御部11は、受信した場合(ステップS25でYES)はステップS26へ進み、そうでない場合(ステップS25でNO)は受信するまで待機する。
【0086】
ステップS26において、制御部11は、サーバ装置30から受信した時間的範囲に移動体20により撮影された撮影画像をサーバ装置30に要求する。
【0087】
ステップS27において、制御部11は、ユーザにより指定された区間に対応する撮影画像をサーバ装置30から受信する。そして、制御部11は、
図9のフローチャートの処理を終了する。
【0088】
図10は、
図3のサーバ装置30の動作の一例を示すフローチャートである。
図10を参照して説明するサーバ装置30の動作はサーバ装置30の制御方法の一つに相当してもよい。
図10の各ステップの動作は、サーバ装置30の制御部31による制御に基づき実行されてもよい。以下の処理は、
図7のステップS7及びステップS8の処理により、サーバ装置30がクライアント装置10へ移動体20の軌跡を送信した後に実行される。
【0089】
図10のステップS31において、制御部31は、ユーザにより指定された区間をクライアント装置10から受信したか否かを判定する。例えば、制御部31は、ユーザにより指定された区間を示す位置情報を受信した場合に、ユーザにより指定された区間をクライアント装置10から受信したと判定してもよい。制御部31は、ユーザにより指定された区間を受信した場合(ステップS31でYES)はステップS32へ進み、そうでない場合(ステップS31でNO)は受信するまで待機する。
【0090】
ステップS32において、制御部31は、ステップS31で受信した区間に対応する時間的範囲を取得する。具体的には、制御部31は、位置情報データベース322を参照して、区間を示す位置情報に対応する時間的範囲を取得してもよい。
【0091】
ステップS33において、制御部31は、ステップS32で取得した、区間に対応する時間的範囲をクライアント装置10へ送信する。
【0092】
ステップS34において、制御部31は、時間的範囲に撮影された撮影画像の要求をクライアント装置10から受信したか否かを判定する。制御部31は、受信した場合(ステップS34でYES)はステップS35へ進み、そうでない場合(ステップS34でNO)は受信するまで待機する。
【0093】
ステップS35において、制御部31は、時間的範囲に撮影された撮影画像を、録画データベース321を参照して取得する。
【0094】
ステップS36において、制御部31は、ステップS35で取得した撮影画像をクライアント装置10へ送信する。そして、制御部31は、
図10のフローチャートの処理を終了する。
【0095】
以上のように、情報処理システム1において、録画データベース321は移動体20が撮影した撮影画像を撮影時刻と対応付けて記録する。位置情報データベース322は、移動体20の位置情報を測定時刻と対応付けて記録する。クライアント装置10又はサーバ装置30は、これらのデータベースを利用して、移動体20の位置情報に対応する撮影時刻を特定し、その撮影時刻を用いて撮影画像を取得する。したがって、撮影画像の画像ファイルがもともと位置情報に関連付けられていない場合であっても、情報処理システム1は、位置情報に基づき撮影画像を取得することが可能である。
【0096】
(動作例2)
動作例1において、クライアント装置10は、移動体20の最新の軌跡を含む地図を出力部15の表示部に表示させて、所望の区間の選択をユーザから受け付けた。しかし、クライアント装置10は、地図上の領域の選択操作に応じて、その領域を通過した移動体の移動の過去の軌跡を地図上に表示させ、その軌跡に含まれる所望の区間の選択を受け付けてもよい。また、クライアント装置10は、軌跡に含まれる区間を録画バー(棒状画像)として表示させたり、録画バーの近傍に撮影画像のサムネイル画像を表示したりするなどして、視認性を高め、画像検索の効率を更に高めてもよい。このような処理について、
図11及び
図12を参照して説明する。
【0097】
図11は、
図3のクライアント装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図11を参照して説明するクライアント装置10の動作はクライアント装置10の制御方法の一つに相当してもよい。
図11の各ステップの動作は、クライアント装置10の制御部11による制御に基づき実行されてもよい。
【0098】
図11のステップS41において、制御部11は、移動体20の軌跡、及び、その軌跡において撮影された撮影画像のサムネイル画像をサーバ装置30から受信する。ここで、クライアント装置10が受信する移動体20の軌跡には、最新の軌跡だけでなく、それ以前の軌跡も含まれる。例えば、制御部11は、ある移動体20(例えば、撮影部24としてカメラAを備える移動体A)について位置情報データベース322に記録されている、全ての軌跡、又は、直近一定期間(例えば、過去1年)の軌跡をサーバ装置30から受信してもよい。また、例えば、制御部11は、移動体20の各軌跡について、その軌跡に含まれる複数個(例えば、3個~10個等)の地点で撮影された撮影画像のサムネイル画像をサーバ装置30から受信してもよい。
【0099】
例えば、サーバ装置30は、クライアント装置10からの要求に基づき、移動体Aの軌跡、及び、撮影画像のサムネイル画像をクライアント装置10へ送信してもよい。具体的には、例えば、サーバ装置30の制御部31は、クライアント装置10から移動体Aの軌跡及びサムネイル画像の要求を受信すると、位置情報データベース322を参照して、移動体Aの軌跡を取得する。さらに、サーバ装置30の制御部31は、移動体Aの軌跡を特定する位置情報に対応する複数個の測定時刻を取得する。サーバ装置30の制御部31は、その複数個の測定時刻に撮影された複数個のサムネイル画像を、録画データベース321から取得する。録画データベース321にサムネイル画像のパスの情報のみが登録されている場合、制御部31は、そのパスで示される記憶領域(例えば、記憶部32)から複数個のサムネイル画像を取得する。サーバ装置30は、このようにして取得された、軌跡及びサムネイル画像をクライアント装置10へ送信してもよい。なお、以下、移動体Aの軌跡は、移動体Aの位置情報とその位置情報を測定した測定時刻との複数の組を含む。また、サムネイル画像は、そのサムネイル画像の撮影時刻と対応付けて、クライアント装置10へ送信される。
【0100】
ステップS42において、制御部11は、サーバ装置30から受信した移動体20の軌跡に基づき、移動体20が撮影しながら移動した地域を含む地図を出力部15の表示部に表示させる。
【0101】
ステップS43において、制御部11は、サーバ装置30から受信した移動体20の最新の軌跡を出力部15の表示部に表示させる。
【0102】
図12は、
図3のクライアント装置10に表示される画面の一例を示す図である。画面50は、地図の表示域51を含む。制御部11は、移動体20の移動の最新の軌跡52を地図上に表示させている。制御部11は、移動体の種類(例えば、ドローン)を示す図柄53、及び、撮影部24の識別情報54(「カメラA」)を軌跡52の近傍に表示させる。
【0103】
ステップS44において、制御部11は、サーバ装置30から受信した移動体Aの軌跡及びサムネイル画像に基づき、サムネイル画像73及び録画バー71を出力部15の表示部に表示させる。
図12の例において、制御部11は、画面50内の表示域62に、サムネイル画像73及び録画バー71を表示させている。録画バー71は、移動体Aが撮影を行った時刻の範囲を示す棒状画像である。制御部11は、サムネイル画像73及び録画バー71は、時刻を示す画像74と対応付けて表示される。そのため、ユーザは、サムネイル画像73及び録画バー71と時刻との対応関係を容易に認識することができる。
【0104】
ステップS45において、制御部31は、表示域51に表示された地図においてユーザにより領域が選択されたか否かを判定する。例えば、制御部11は、カーソル55のドラッグ操作により矩形の領域が選択された場合、領域が選択されたと判定してもよい。制御部31は、領域が選択された場合(ステップS45でYES)はステップS46へ進み、そうでない場合(ステップS45でNO)は選択されるまで待機する。
【0105】
ステップS46において、制御部11は、ステップS45で選択された領域を通過した移動体20の軌跡をユーザから選択可能に地図上に表示させる。
図12の例では、カーソル55により領域63が選択されている。これに応じて、制御部11は、領域63を通過する軌跡64a,64b,64c,64dを表示域51に表示している。制御部11は、軌跡64a,64b,64c,64dの近傍に、移動体の種類(例えば、ドローン)を示す図柄65、及び、撮影部24の識別情報66(「カメラA」)が表示している。そのため、ユーザは、軌跡52、及び、軌跡64a,64b,64c,64dが同一の移動体20(移動体A)の軌跡であることを容易に認識することができる。このように、クライアント装置10は、地図上における領域選択に応じて、過去にその領域を通過した移動体20の軌跡を表示する。そのため、ユーザは、対象機器の移動経路を容易に確認することが可能である。なお、領域63を通過する軌跡64a,64b,64c,64dの領域63に含まれる部分は、指定区間に相当する。
【0106】
ステップS47において、制御部11は、録画バー71の指定区間に対応する部分をハイライトして表示する。すなわち、制御部11は、例えば、ユーザにより軌跡の区間が指定された場合、その指定された軌跡の区間に対応する時間的範囲を示す画像72(72a,72b)を録画バー71上に表示させてもよい。画像72は、録画バー71の一部を異なる色等でハイライトした画像でもよい。このように、制御部11は、ユーザにより指定された軌跡の区間に対応する部分を録画バー71でハイライトして表示するため、ユーザは、領域63により指定された区間の時刻の範囲を容易に認識することができる。また、録画バー71又は画像72の上にカーソル55が位置づけられた場合、地図において対応する軌跡(例えば、軌跡64a)を強調表示してもよい。具体的には、制御部11は、選択された軌跡64aを他の軌跡64b~64d、52と区別できるような色、太さ、及び線種等の態様で表示してもよい。同様に、制御部11は、地図上の軌跡(例えば、軌跡64a)の選択に応じて、対応する録画バー71の部分を強調表示してもよい。これにより、ユーザは、地図上で選択された軌跡(例えば、軌跡64a)及びその軌跡64aにおいて指定された区間と、録画バー71及び画像72との対応関係を確認して、軌跡64a、軌跡64aにおける指定区間、及び時刻の対応を容易に認識することが可能である。
【0107】
ステップS48において、制御部11は、フィルタリング条件がユーザにより指定されたか否かを判定する。例えば、制御部11は、フィルタリング条件として、表示対象の軌跡の撮影時刻の範囲の指定をユーザから受け付け、領域63を通過する移動体20の軌跡のうち、撮影時刻の範囲に含まれるものを表示域51に表示してもよい。
図12の例において、制御部11は、何時間前のデータまで遡って軌跡を表示するかを指定するための入力域61を表示して、ユーザから撮影時刻の範囲の指定を受け付けている。
図12の例において、入力域61には、1時間前(「1」「h」)のデータまで遡って軌跡を表示することが指定されている。なお、フィルタリング条件は、撮影時刻の範囲に限られず、例えば、移動体20の種類(例えば、ドローン、鉄道車両、自動車等)、又は、定点撮影を含むか否か等により特定されてもよい。制御部11は、撮影時刻の範囲が指定された場合(ステップS48でYES)はステップS49へ進み、そうでない場合(ステップS48でNO)はステップS50へ進む。
【0108】
ステップS49において、制御部11は、ステップS45で選択された領域63を通過した移動体20の軌跡のうち、フィルタリング条件に適合するもののみを地図上に表示するように、地図上の軌跡の表示を更新する。これと併せて、制御部11は、地図上に表示された軌跡の領域63に含まれる区間をハイライトするように、録画バー71及び画像72の表示を更新する。
【0109】
ステップS50において、制御部11は、移動体20のある軌跡において指定されている区間のダウンロードがユーザから要求されたか否かを判定する。具体的には、制御部11は、録画バー71における指定区間を示す画像72(例えば、画像72b)の上にカーソル55が位置づけられ、右クリック等の特定の操作がなされると「ダウンロード」の画像75、及び、「ブックマーク」の画像76をポップアップ表示してもよい。そして、「ダウンロード」の画像75が選択された場合、制御部11は、指定区間に対応する撮影画像のダウンロードが要求されたと判定してもよい。制御部11は、ダウンロードが要求された場合(ステップS50でYES)はステップS51へ進み、そうでない場合(ステップS50でNO)は要求されるまで待機する。
【0110】
ステップS51において、制御部11は、画像72が示す指定区間に対応する撮影画像をサーバ装置30に要求する。例えば、制御部11は、指定区間に対応する位置情報又は測定時刻の時間的範囲をサーバ装置30へ送信して、撮影画像を要求してもよい。
【0111】
ステップS52において、制御部11は、撮影画像をサーバ装置30から受信する。制御部11は、指定区間の撮影画像のダウンロードが完了したことに応じて、ダウンロード完了を示す画像77を表示してもよい。そして、制御部11は、
図11のフローチャートの処理を終了する。
【0112】
以上のように、クライアント装置10は、移動体20の過去の軌跡及びサムネイル画像をサーバ装置30から受信し、地図上における領域の選択操作に応じて、その領域を通過した過去の軌跡を表示する。さらに、クライアント装置10は、軌跡においてユーザにより指定された区間を判別可能に示して、過去の軌跡、録画バー71、及びサムネイル画像を連動して表示する。したがって、ユーザは、所望の領域における移動体20の過去の軌跡を、撮影時刻の範囲及びサムネイル画像と共に容易に確認することが可能である。また、制御部11は、録画バー71においてハイライトされた部分の画像72の選択に応じて、対応する指定された区間の撮影画像をサーバ装置30からダウンロードする。したがって、ユーザは、直感的な操作により所望の撮影画像を検索することができる。
【0113】
具体的には、クライアント装置10は、移動体20の軌跡を移動体20が移動した時刻の範囲に対応する録画バー(棒状画像)71を出力部15の表示部に表示させる。クライアント装置10は、ユーザにより地図上で軌跡の区間が指定された場合、指定された区間に対応する時間的範囲を示す画像72を録画バー71上に表示させる。したがって、ユーザは、軌跡と時刻との対応関係を容易に認識することが可能である。
【0114】
また、クライアント装置10は、録画バー71における区間に対応する時間的範囲を示す部分の画像72に対して、ユーザにより予め定められた操作がなされたことに応じて、その区間において移動体20により撮影された撮影画像をサーバ装置に要求する。したがって、ユーザは、地図上で軌跡を選択するだけでなく、録画バー71において画像72を選択することで、所望の撮影画像をダウンロードさせることができる。
【0115】
また、クライアント装置10は、移動体20の移動の軌跡において、移動体20が撮影した撮影画像のサムネイル画像73を、録画バー71に対応付けて、出力部15の表示部に表示させる。したがって、ユーザは、撮影時刻のサンプルと時刻との関係を確認しながら、所望の撮影画像を選択することが可能である。
【0116】
(動作例3)
動作例2において、制御部11は、地図における領域選択に応じて、同一のカメラAにより撮影された撮影画像を検索した。しかし、制御部11は、地図における領域選択に応じて、異なる複数のカメラにより撮影された撮影画像を検索してもよい。また、制御部11は、移動体の移動の軌跡に含まれる区間の指定を、ユーザ定義による位置情報を基に受け付けてもよい。
【0117】
図13及び
図14は、
図3のクライアント装置10に表示される画面50の一例を示す図である。画面50の表示域51は、複数種類のカメラA~E、G、Hを表示している。カメラA~Eは固定カメラである。カメラGは、鉄道車両に搭載されたカメラである。カメラHは、ドローンに搭載されたカメラである。画面50の表示域51は、鉄道路線の画像81が含まれる。表示域51は、鉄道路線に含まれるA駅の場所を示す画像82を表示している。
【0118】
図13の例において、鉄道車両に搭載されたカメラGは鉄道路線上を移動するため、制御部11は、鉄道路線の画像81上の任意の点の登録をユーザから受け付けてもよい。
図13の例では、鉄道路線の画像81上の点83aがカーソル55により選択されている。制御部11は、点83aの選択に応じて、点83aを登録するための画像84をポップアップ表示する。
図13の例において、画像84は、登録名「キロ程A」、経度「xxxx.xx」、及び、経度「yyyy.yy」を含む。点83aの登録後、ユーザは、登録名「キロ程A」を指定して鉄道路線上の点83aを選択することができる。
【0119】
図14の例において、鉄道路線の画像81上の複数の点93a~93eが「キロ程A」~「キロ程E」として登録されている。制御部11は、画面50において登録された点の登録名を入力するための入力域101a,101bを表示している。ユーザは、入力域101a,101bに登録名を入力することで、鉄道路線上の区間を指定することができる。制御部11は、入力域101a,101bに登録名が入力された後、「検索」の画像102が選択されたことに応じて、ユーザにより指定された区間において、鉄道車両(移動体20)により撮影された撮影画像を検索してもよい。このような構成によれば、ユーザは、地図上の任意の地点をあらかじめ登録しておくことで、鉄道路線、道路等の移動経路の所望の区間において撮影された撮影画像を容易に検索することが可能である。
【0120】
また、制御部11は、ユーザにより地図上で領域が選択された場合、その領域を通過した移動体20、及び、その領域内に存在する固定カメラ等の画像を検索してもよい。そして、制御部11は、それらの移動体20及び固定カメラ等により撮影された撮影画像のサムネイル画像を、録画バーと共に出力部15の表示部に表示させてもよい。例えば、
図14では、領域95が選択されている。
図14の例では、領域95には、カメラHを備えたドローンの軌跡94、及び、カメラGを備えた鉄道車両の軌跡が含まれる。固定カメラであるカメラA~Eの地点91a~91eは領域95の外にある。この場合、制御部11は、カメラG,Hの撮影画像のサムネイル画像と、測定時刻に対応付けられた位置情報を含む軌跡をサーバ装置30に要求する。これらのサムネイル画像及び軌跡をサーバ装置30から受信すると、制御部11は、撮影画像のサムネイル画像と、領域95内を通過した箇所を示すハイライトの画像72を含む録画バー71とを、カメラG及びカメラHごとに、同一の時系列において表示する。したがって、ユーザは、軌跡が表示された地図も併せて参照して、カメラG、Hのサムネイル画像、撮影時刻、指定された区間、及び、カメラG,Hの位置関係等を互いに関連付けて認識することが可能である。換言すると、ユーザは、どの移動体20がどの時間帯にどこを通過したのか把握することができ、各移動体20の移動履歴を容易に把握することができる。
【0121】
また、制御部11は、録画バー71における指定区間を示す画像72(例えば、画像72c)上にカーソル55が位置づけられ、右クリック等の特定の操作がなされると「ダウンロード」の画像75、及び、「ブックマーク」の画像76をポップアップ表示してもよい。そして、「ダウンロード」の画像75が選択された場合、制御部11は、指定区間に対応する撮影画像をサーバ装置30に要求して、ダウンロードを開始してもよい。このように、クライアント装置10は、固定カメラ、移動体カメラ、及びウェアラブルカメラ等の複数種類のカメラを統合的に取り扱うため、ユーザは、直感的なユーザインタフェースにより撮影画像を効率的に検索することが可能である。よって、ユーザは、一定の地理的範囲にわたって撮影された撮影画像から所望の撮影画像をより効率的に検索することができる
【0122】
なお、クライアント装置10及びサーバ装置30の構成及び動作は、いずれも、互いに通信可能な複数のコンピュータ及びネットワークストレージ等に分散させてもよい。また、例えば、サーバ装置30の一部又は全部の構成要素をクライアント装置10等に設けてもよい。例えば、クライアント装置10及びサーバ装置30の両方の機能を同一のコンピュータにより実現してもよい。また、例えば、サーバ装置30は、録画データベース321を管理する装置と、位置情報データベース322を管理する装置とに分散した構成としてもよい。
【0123】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックは統合されてもよいし、又は1つのブロックは分割されてもよい。フローチャートに記載の複数のステップは、記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行されてもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 情報処理システム
10 クライアント装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 出力部
20 移動体
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 撮影部
25 測位部
30 サーバ装置
31 制御部
32 記憶部
321 録画データベース
322 位置情報データベース
33 通信部
50 画面
51 表示域
55 カーソル
61 入力域
62 表示域
71 録画バー
72 画像
101 入力域
102 画像