(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062830
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】入力システム、送受信システム、及び送信装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20240501BHJP
G06F 3/0487 20130101ALI20240501BHJP
【FI】
G06F3/0354 431
G06F3/0354 450
G06F3/0487
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170930
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100163463
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 光彦
(72)【発明者】
【氏名】坂本 航士
(72)【発明者】
【氏名】竹田 利奈
(72)【発明者】
【氏名】岸 敦史
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087BB01
5B087BB15
5B087BC06
5E555AA16
5E555BA08
5E555BB08
5E555BC01
5E555CA21
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザーの多様な動作に対応でき、かつ、ユーザーの動作と出力との連動性を高める観点から有利な、入力システムを提供する。
【解決手段】入力システム100は、圧力センサ1a、入力部2、処理部3、及び表示部4を備える。圧力センサ1aは、多孔体11a及び11bを含んでいる。入力部2には、圧力センサ1aの測定結果を示すデータD1aが入力される。処理部3は、入力部2に入力されるデータD1a及びD1bを処理して表示用データを生成する。表示部4は、処理部3で生成された表示用データを表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データが入力される入力部と、
前記入力部に入力される前記第一データを処理して表示用データを生成する処理部と、
前記表示用データを表示する表示部と、を備えた、
入力システム。
【請求項2】
前記圧力センサは、前記圧力センサ上における球体の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
請求項1に記載の入力システム。
【請求項3】
前記圧力センサは、前記圧力センサ上におけるユーザーの指の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
請求項1に記載の入力システム。
【請求項4】
加速度センサをさらに備え、
前記入力部には、前記加速度センサの検出結果を示す第二データが入力され、
前記処理部は、前記第一データ及び前記第二データを処理して前記表示用データを生成する、
請求項1に記載の入力システム。
【請求項5】
前記加速度センサは、球体の動きに応じて前記第二データを出力可能である、
請求項4に記載の入力システム。
【請求項6】
前記処理部は、前記第一データ及び前記第二データに応じて異なるコマンドを実行して前記表示用データを生成する、
請求項4に記載の入力システム。
【請求項7】
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データを処理して制御信号を生成する処理部と、
前記制御信号を送信する送信部と、
前記制御信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信された制御信号に応じた動作をする作動部と、を備えた、
送受信システム。
【請求項8】
前記圧力センサは、前記圧力センサ上における球体の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
請求項7に記載の送受信システム。
【請求項9】
前記圧力センサは、前記圧力センサ上におけるユーザーの指の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
請求項7に記載の送受信システム。
【請求項10】
前記作動部は、可動部を有し、
前記可動部は、前記制御信号に応じて動く、
請求項7に記載の送受信システム。
【請求項11】
前記作動部は、移動体に含まれており、
前記移動体は、前記制御信号に応じて、移動、停止、及び回転からなる群より選ばれる少なくとも1つの動作をする、
請求項7に記載の送受信システム。
【請求項12】
前記作動部は、ロボットアームであり、
前記ロボットアームは、前記制御信号に応じて、移動、停止、回転、物体をつかむこと、及び物体を離すことからなる群より選ばれる少なくとも1つの動作をする、
請求項7に記載の送受信システム。
【請求項13】
作動部を制御するための送信装置であって、
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データを処理して前記作動部を制御するための制御信号を生成する処理部と、
前記制御信号を送信する送信部と、を備えた、
送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力システム、送受信システム、及び送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な入力装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、球体型入力装置が記載されている。この球体型入力装置は、柔軟体と、圧力センサと、出力手段とを備えている。柔軟体は、内側中心部に空洞を備え、弾性を有する。圧力センサは、柔軟体の内部空洞内に柔軟体と接する位置に配置され、柔軟体に加えられた圧力を検出する。出力手段は、圧力センサにより検出された圧力に応じた信号をコンピュータに出力する。この球体球体型入力装置は、球体における各方向からの把握時に加えられた圧力を測定可能である。
【0004】
特許文献2には、感圧入力装置が記載されている。この感圧入力装置は、カバーと、感圧センサと、アクチュエータとを含む。カバーは、ユーザーがタッチ操作を行う操作面を有する。感圧センサは、カバーの操作面と反対側に配置される。アクチュエータは、感圧センサが検出する押圧力に応じて、カバーに対し衝撃を与える。カバーと感圧センサとの間に、少なくとも一つの球体が回動自在に配置されており、少なくとも一つの球体を挟んで、カバーと感圧センサが離れている。ユーザーがタッチ操作するとき、カバーに対する押圧力が少なくとも一つの球体を介して感圧センサに伝達される。この感圧入力装置によれば、触覚フィードバックを付与しつつ、カバーと感圧センサとの間の摩擦を低減することが可能である。
【0005】
特許文献3に記載の入力装置は、透明な球体を格子状に配置した接触部を備えている。ユーザーが球体を動かしたときに、動かされた球体の位置の情報と球体の動きの情報をスクリーン端末に出力する。これにより、入力装置は、凹凸の物体に触れて操作可能である。透明な球体を用いることで、接触部をスクリーン端末の表示画面に重ねることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-339088号公報
【特許文献2】特開2022-51431号公報
【特許文献3】特開2016-81282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3に記載の技術は、ユーザーの多様な動作に対応でき、かつ、ユーザーの動作と出力との連動性を高める観点から再検討の余地を有する。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザーの多様な動作に対応でき、かつ、ユーザーの動作と出力との連動性を高める観点から有利な、入力システム、送受信システム、及び送信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データが入力される入力部と、
前記入力部に入力される前記第一データを処理して表示用データを生成する処理部と、
前記表示用データを表示する表示部と、を備えた、
入力システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データを処理して制御信号を生成する処理部と、
前記制御信号を送信する送信部と、
前記制御信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信された制御信号に応じた動作をする作動部と、を備えた、
送受信システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、
作動部を制御するための送信装置であって、
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データを処理して前記作動部を制御するための制御信号を生成する処理部と、
前記制御信号を送信する送信部と、を備えた、
送信装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
上記の入力システム、送受信システム、及び送信装置は、ユーザーの多様な動作に対応でき、かつ、ユーザーの動作と出力との連動性を高める観点から有利である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明に係る入力システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、圧力センサを模式的に示す図である。
【
図3A】
図3Aは、
図1に示す入力システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3B】
図3Bは、
図1に示す入力システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、
図1に示す入力システムの表示部の表示の変移の一例を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、表示部の表示の変移の別の一例を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、表示部の表示の変移のさらに別の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明に係る入力システムの別の一例を示すブロック図である。
【
図6A】
図6Aは、
図5に示す入力システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6B】
図6Bは、
図5に示す入力システムによる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図5に示す入力システムの表示部の表示の遷移の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明に係る入力システムのさらに別の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す入力システムにおけるモード選択の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明に係る送受信システムの一例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、本発明に係る送受信システムにおける処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、送受信システムの変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、下記の説明は、本発明を例示的に説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるわけではない。
【0015】
図1に示す通り、入力システム100は、圧力センサ1a、圧力センサ1b、入力部2、処理部3、及び表示部4を備えている。
図2に示す通り、圧力センサ1a及び1bは、それぞれ、多孔体11a及び11bを含んでいる。入力部2には、圧力センサ1aの測定結果を示すデータD1a及び圧力センサ1bの測定結果を示すデータD1bが入力される。処理部3は、入力部2に入力されるデータD1a及びD1bを処理して表示用データを生成する。表示部4は、処理部3で生成された表示用データを表示する。
【0016】
上記の通り、圧力センサ1a及び1bは、それぞれ、多孔体11a及び11bを備えている。ユーザーの動作に伴う圧力センサ1a及び1bと他の物体との接触のみならず、他の物体で多孔体11a及び11bが押圧されて多孔体11a及び11bを変形させることもできる。このため、入力システム100は、ユーザーの多様な動作に対応でき、かつ、ユーザーの動作と表示部4の表示内容との連動性を高めやすい。多孔体11a及び11bのそれぞれは、例えば、ユーザーの動作に伴って他の物体で押圧されることによって圧縮変形可能である。多孔体11a及び11bは、例えば、導電性を有する。圧力センサ1a及び1bにおいて、多孔体11a及び11bは、他の物体と接触可能に配置されていてもよいし、他の物体とは直接接触しないように配置されていてもよい。
【0017】
多孔体11a及び11bのそれぞれの形状は特に限定されない。多孔体11a及び11bのそれぞれは、例えば、シート状である。多孔体11a及び11bのそれぞれの形状は、多面体であってもよいし、柱体であってもよいし、錐体であってもよいし、錐台であってもよいし、曲面を含む形状であってもよいし、球体であってもよい。
【0018】
図2に示す通り、圧力センサ1aは、球体15aの動きに応じてデータD1aを入力部2に対して出力できる。圧力センサ1bは、球体15aの動きに応じてデータD1aを入力部2に対して出力できる。これにより、ユーザーは、球体である操作道具によって圧力センサ1a及び1bに対して所定の動作をなすことにより、表示部4の表示内容を調整することができる。球体は、多面体とは異なり稜を有しないので、球体の動きに伴って生じるデータD1a及びD1bは時間的に不連続なデータになりにくい。このため、データD1a及びD1bがユーザーの意図する内容になりやすく、ユーザーの動作と表示部4の表示内容との連動性がより高まりやすい。加えて、球体は、ユーザーの使用感を良好なものとしやすい。
【0019】
圧力センサ1aは、ユーザーの指の動きに応じてデータD1aを入力部2に対して出力できてもよい。圧力センサ1bは、ユーザーの指の動きに応じてデータD1aを入力部2に対して出力できてもよい。この場合、データD1a及びD1bにユーザーの意図が反映されやすく、ユーザーの動作と表示部4の表示内容との連動性がより高まりやすい。
【0020】
図2に示す通り、圧力センサ1a及び1bにおける圧力センシングの原理は、特定の原理に限定されない。圧力センサ1aは、例えば、パッド12a及びコントローラ13aを備えている。圧力センサ1bは、例えば、パッド12b及びコントローラ13bを備えている。圧力センサ1aには、例えば、多孔体11aとパッド12aとの境界面に沿って複数の電極(図示省略)が配置されており、圧力センサ1aが受ける圧力に応じて複数の電極の電位が変化する。この複数の電極の電位を示す信号がコントローラ13aで処理されて、データD1aが生成される。圧力センサ1bには、例えば、多孔体11bとパッド12bとの境界面に沿って複数の電極(図示省略)が配置されており、圧力センサ1bが受ける圧力に応じて複数の電極の電位が変化する。この複数の電極の電位を示す信号がコントローラ13bで処理されて、データD1bが生成される。
【0021】
圧力センサ1a及び1bは、それぞれ、データD1a及びデータD1bを入力部2に入力できるように入力部2に接続されている。入力部2は、Universal Serial Bus(USB)等の有線通信の規格に対応したモジュールであってもよいし、Bluetooth及びWi-Fi等の無線通信の規格に対応したモジュールであってもよい。Bluetooth及びWi-Fiは、登録商標である。
【0022】
処理部3は、データD1a及びデータD1bを処理して表示用データを生成できる限り、特定の構成に限定されない。
図1に示す通り、処理部3は、例えば、主記憶装置3aと、中央処理装置(CPU)3bとを備えている。入力部2から主記憶装置3aにデータD1a及びデータD1bが転送される。その後、主記憶装置3aとCPU3bとの協働により、表示用データを生成するためのプログラムが実行されてデータD1a及びデータD1bが処理され、表示用データが生成される。
【0023】
表示用データは、主記憶装置3aから表示部4に転送され、表示部4で表示される。表示部4は、表示用データを表示できる限り、特定の構成に限定されない。表示部4は、液晶ディスプレイ(LCD)及び有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイであってもよいし、プロジェクターであってもよいし、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)であってもよい。
【0024】
表示用データは、特定の内容に限定されない。表示用データは、例えば、地図を示すデータであってもよいし、特定の場所をカメラで撮影した画像データであってもよいし、デジタルツインデータであってもよい。
【0025】
入力システム100における処理の一例を説明する。圧力センサ1aの測定結果を示すデータD1aに基づく処理の一例を説明する。
図3Aに示す通り、所定の条件が成立すると、ステップS101において、データD1aが入力部2に入力される。次に、ステップS102において、処理部3は、データD1aに基づいて圧力P1を計算する。圧力P1は、例えば、圧力センサ1aが受ける圧力の最大値に対応している。次に、ステップS103において、処理部3は、圧力P1が値A以上であるか否かを判断する。この判断が肯定的な場合、ステップS104に進み、処理部3は、圧力P1に応じて拡大した地図データを作成する。例えば、P1≧Aが満たされる所定の圧力範囲において圧力P1が大きいほど地図データの拡大率が大きくなる。次に、ステップS105において、拡大した地図データが表示部4に表示される。次に、ステップS106において、処理部3は、新たに入力されたデータD1aに基づいて圧力P1を計算する。次に、ステップS107において、処理部3は、ステップS106で計算された圧力P1が値A未満であるか否かを判断する。この判断が否定的な場合ステップS104に戻り、この判断が肯定的な場合ステップS108に進む。ステップS108において、拡大率が維持された地図データが表示部4に表示される。次に、ステップS109において、処理部3は、所定期間が経過したか否かを判断し、この判断が肯定的な場合に一連の処理を終了し、この判断が否定的な場合にステップS101に戻る。
【0026】
ステップS103における判断が否定的な場合、ステップS110に進み、処理部3は、圧力P1が値B以上であるか否かを判断する。値Bは、値Aよりも小さい。この判断が肯定的な場合ステップS111に進み、この判断が否定的な場合ステップS109に進む。処理部3は、ステップS111において、圧力P1に応じて縮小した地図データを作成する。例えば、B≦P1が満たされる所定の圧力範囲において圧力P1が大きいほど地図データの縮小率が大きくなる。次に、ステップS112において、縮小した地図データが表示部4に表示される。次に、ステップS113において、処理部3は、新たに入力されたデータD1aに基づいて圧力P1を計算する。次に、ステップS114において、処理部3は、ステップS113で計算された圧力P1が値B未満であるか否かを判断する。この判断が否定的な場合ステップS111に戻り、この判断が肯定的な場合ステップS115に進む。ステップS115において、縮小率が維持された地図データが表示部4に表示され、ステップS109に進む。
【0027】
ステップS104及びS105における処理に伴い、例えば、表示部4において、
図4Aに示す通り、地図が拡大する表示がなされる。一方、ステップS111及びS112における処理に伴い、例えば、表示部4において、
図4Bに示す通り地図が縮小する表示がなされる。
【0028】
圧力センサ1bの測定結果を示すデータD1bに基づく処理の一例を説明する。
図3Bに示す通り、所定の条件が成立すると、ステップS301において、データD1bが入力部2に入力される。次に、ステップS302において、処理部3は、データD1bに基づいて圧力センサ1bにおける圧力分布を計算し、圧力センサ1b上における球体15bの重心位置Lbを決定する。次に、ステップS303に進み、処理部3は、重心位置Lbに基づいて中心が移動した地図データを作成する。次に、ステップS304において、ステップS303で生成された地図データが表示部4に表示される。次に、ステップS305に進み、所定期間が経過したか否かが判断され、この判断が否定的な場合ステップS301に戻り、この判断が肯定的な場合、一連の処理を終了する。
【0029】
ステップS301~S304における処理に伴い、例えば、表示部4において、
図4Cに示す通り、地図の中心が移動する表示がなされる。
図4Cでは、地図の中心が左方向(東)に移動している。
【0030】
入力システム100は様々な観点から変更されうる。例えば、入力システム100は、
図5に示す入力システム300のように変更されてもよい。入力システム300は、特に説明する部分を除き、入力システム100と同様に構成されている。入力システム100における構成要素と同一又は対応する入力システム300の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。入力システム100に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、入力システム300にも当てはまる。
【0031】
図5に示す通り、入力システム300は、加速度センサ6aをさらに備えている。入力部2には、加速度センサ6aの検出結果を示すデータD2が入力される。処理部3は、データD1a及びデータD2を処理して表示用データを生成する。入力システム500によれば、ユーザーの動作に伴う加速度センサ6aの検出結果に応じて表示部4の表示内容を調整できる。このため、入力システム500は、ユーザーの多様な動作に対応でき、かつ、ユーザーの動作と表示部4の表示内容との連動性を高めやすい。
【0032】
図5に示す通り、入力システム300は、例えば、圧力センサ1a、入力部2、処理部3、及び表示部4を備えた本体5と、球体6とを備えている。加速度センサ6aは、例えば、球体6の動きに応じてデータD2を出力可能である。この場合、ユーザーは、球体6を動かすことによって表示部4の表示内容を調整でき、ユーザーの動作と表示部4の表示内容との連動性がより高まりやすい。
【0033】
図5に示す通り、加速度センサ6aは、例えば、球体6の内部に配置されている。球体6は、例えば、コントローラ6b及びアンテナ7aを備えている。コントローラ6bは、加速度センサ6aからの信号に基づきデータD2を生成する。本体5は、アンテナ7aと通信可能なアンテナ7bを備えている。データD2は、アンテナ7aによって本体5に向かって送信され、アンテナ7bによって受信されたデータD2は入力部2に入力される。
【0034】
処理部3は、例えば、データD1a及びデータD2に応じて異なるコマンドを実行して表示用データを生成する。このような構成によれば、圧力センサ1aに対するユーザーの動作に基づく表示部4の表示内容の調整項目と、加速度センサ6aに対するユーザーの動作に基づく表示部4の表示内容の調整項目とを別々に設定でき、ユーザーの多様な動作に合わせて表示部4の表示内容の調整項目を増やしやすい。
【0035】
加速度センサ6aは、特定の加速度センサに限定されない。加速度センサ6aは、周波数変化式の加速度センサであってもよいし、圧電式の加速度センサであってもよいし、ピエゾ抵抗式の加速度センサであってもよいし、静電容量式の加速度センサであってもよい。加速度センサ6aは、例えば、球体6の縦回転及び横回転を検出可能なセンサである。球体6の縦回転は、球体6の回転軸線が水平方向に延びている回転である。球体6の横回転は、球体6の回転軸線が重力方向に延びている回転である。
【0036】
入力システム300における、圧力センサ1aの測定結果を示すデータD1aに基づく処理の一例を説明する。
図6Aに示す通り、所定の条件が成立すると、ステップS501において、データD1aが入力部2に入力される。次に、ステップS502において、処理部3は、データD1aに基づいて圧力センサ1aが押圧されているか否かを判断する。この判断結果が肯定的な場合、ステップS503に進み、処理部3は、表示部4に表示すべき画像データを切替える。処理部3は、例えば、所定の場所を連続的にカメラで撮影した複数の画像データの中から空間的に隣り合っている画像データに表示部4に表示すべき画像データを切替える。次に、ステップS504において、切替えた画像デーが表示部4に表示される。次に、ステップS505に進み所定期間が経過したか否かが判断される。この判断が肯定的な場合一連の処理が終了し、この判断が否定的な場合ステップS501に戻る。ステップS502における判断結果が否定的な場合ステップS505に進む。
【0037】
入力システム300における、加速度センサ6aの測定結果を示すデータD2に基づく処理の一例を説明する。
図6Bに示す通り、所定の条件が成立すると、ステップS701において、データD2が入力部2に入力される。処理部3は、ステップS702において、データD2に基づいて球体6の横回転があるか否かを判断する。この判断が肯定的な場合、ステップS703に進み、処理部3は、現在の画像データから横方向(水平方向)に視点を移動させた画像データを生成する。ステップS704において、ステップS703で生成された画像データが表示部4に表示される。次に、ステップS705に進み、所定期間が経過したか否かが判断される。この判断が否定的な場合ステップS701に戻り、この判断が肯定的な場合一連の処理が終了する。
【0038】
ステップS702における判断が否定的な場合、ステップS706に進み、処理部3は、球体6の縦回転があるか否かを判断する。この判断が肯定的な場合ステップS707に進み、この判断が否定的な場合ステップS705に進む。ステップS707において、処理部3は、現在の画像データから横方向(水平方向)に視点を移動させた画像データを生成する。次に、ステップS708において、ステップS707で生成された画像データが表示部4に表示される。次に、ステップS705に進む。
【0039】
ステップS501~S504における処理に伴い、例えば、表示部4において、
図7の1番目の画像データから2番目の画像データへの変移がなされる。これらの画像は、互いに隣り合った空間を仮想的に示す画像データである。ステップS703及びS704における処理に伴い、例えば、表示部4において、
図7の2番目の画像データから
図7の3番目の画像データへの変移がなされる。3番目の画像データは、2番目の画像データから視点を横方向(右方向)に移動させたものである。
【0040】
このように、入力システム300において、処理部3は、データD1a及びデータD2に応じて異なるコマンドを実行して表示用データを生成する。
【0041】
入力システム300は、様々な観点から変更可能である。例えば、入力システム300は、
図8に示す入力システム500のように変更されてもよい。入力システム500は、特に説明する部分を除き、入力システム300と同様に構成されている。入力システム300における構成要素と同一又は対応する入力システム500の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。入力システム100及び300に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、入力システム500にも当てはまる。
【0042】
入力システム500は、圧力センサ1bをさらに備えている。このため、入力システム500は、ユーザーの動作に伴う、圧力センサ1a、圧力センサ1b、及び加速度センサ6aの測定結果を示すデータに基づいて表示部4に表示される内容を調整できる。このため、入力システム500は、ユーザーの多様な動作に対応でき、ユーザーの動作と表示部4の表示内容との連動性を高めやすい。
【0043】
入力システム500の処理の一例を説明する。
図9に示す通り、入力システム500が起動すると、ステップS901において、2Dモードが選択されているか否かが判断される。入力システム500において、例えば、デフォルトの設定では2Dモードが選択されており、入力システム500が起動後に所定の入力が受け付けられると、3Dモードが選択される。例えば、圧力センサ1aの所定の箇所が押圧されることにより、3Dモードが選択される。ステップS901における判断が肯定的な場合、ステップS902に進み、圧力センサ1aによって何らかの検知がなされたか否かの判断がなされる。この判断が肯定的である場合、ステップS101に進み、この判断が否定的である場合、ステップS903に進む。ステップS903において、圧力センサ1bによって何らかの検知がなされたか否かの判断がなされる。この判断が肯定的な場合、ステップS301に進み、この判断が否定的な場合、ステップS902に戻る。
【0044】
ステップS901における判断が否定的な場合、ステップS904に進み、圧力センサ1aによって何らかの検知がなされたか否かの判断がなされる。この判断が肯定的である場合、ステップS501に進み、この判断が否定的な場合、ステップS905に進む。ステップS905において加速度センサ6aによって何らかの検知がなされたか否かの判断がなされる。この判断が肯定的な場合、ステップS701に進み、この判断が否定的な場合、ステップS904に戻る。
【0045】
図10に示す送受信システム700を提供できる。入力システム100における構成要素と同一又は対応する送受信システム700の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。入力システム100、300、及び500における記載は、技術的に矛盾しない限り、送受信システム700にも当てはまる。
【0046】
図10に示す通り、送受信システム700は、圧力センサ1aと、処理部73と、送信部74と、受信部77と、作動部78とを備えている。処理部73は、圧力センサ1aの測定結果を示すデータD1aを処理して制御信号Scを生成する。送信部74は、制御信号Scを受信部77に向かって送信する。受信部77は、制御信号Scを受信する。作動部78は、制御信号Scに応じた動作をする。
【0047】
圧力センサ1aは多孔体11aを備えているので、ユーザーの動作に伴う圧力センサ1aと他の物体との接触のみならず、他の物体で多孔体11aが押圧されて多孔体11aを変形させることもできる。このため、送受信システム700は、ユーザーの多様な動作に対応でき、かつ、ユーザーの動作と作動部78の動作の連動性とを高めやすい。
【0048】
圧力センサ1aは、圧力センサ1a上における球体の動きに応じてデータD1aを出力可能であってもよいし、圧力センサ1a上におけるユーザーの指の動きに応じてデータD1aを出力可能であってもよい。
【0049】
処理部73は、データD1aを処理して制御信号Scを生成できる限り、特定の構成に限定されない。
図10に示す通り、処理部73は、例えば、主記憶装置73aと、CPU73bとを備えている。入力部2から主記憶装置73aにデータD1aが転送される。その後、主記憶装置73aとCPU73bとの協働により、制御信号Scを生成するためのプログラムが実行されてデータD1aが処理され、制御信号Scが生成される。
【0050】
送受信システム700において、送信部74と受信部77との間における制御信号Scの通信は、有線によってなされてもよいし、無線によってなされてもよい。
【0051】
図10に示す通り、送受信システム700は、送信装置75と、受信装置76とを備えている。送信装置75は、圧力センサ1aと、処理部73と、送信部74とを備えている。受信装置76は、受信部77と、作動部78とを備えている。
【0052】
作動部78は、所定の動作をする限り、特定の構成に限定されない。作動部78は、例えば、可動部78aを有する。可動部78aは、制御信号Scに応じて動く。可動部78aは、例えば、回転運動、往復運動、及び揺動運動等の運動をなすように動くことができる。
【0053】
作動部78は、例えば、移動体に含まれていてもよい。この場合、受信装置76は、例えば、移動体である。移動体は、制御信号Scに応じて、移動、停止、及び回転からなる群より選ばれる少なくとも1つの動作をする。移動体の例は、無線操縦玩具、自動車、船舶、潜水艦、ドローン、航空機、及び垂直離着陸機(VTOL)である。
【0054】
作動部78は、ロボットアームであってもよい。この場合、ロボットアームは、制御信号Scに応じて、移動、停止、回転、物体をつかむこと、及び物体を離すことからなる群より選ばれる少なくとも1つの動作をする。
【0055】
作動部78は、発熱可能な部位を含んでいてもよいし、発光可能な部位を含んでいてもよい。このような部位の発熱又は発光も作動部78の動作に含まれうる。
【0056】
送受信システム700における処理の一例を説明する。
図11に示す通り、送受信システム700において所定の条件が成立すると、ステップS201において、圧力センサ1aの測定結果を示すデータD1aが入力部2に入力される。次に、ステップS202において、処理部73は、データD1aに基づいて制御信号Scを生成する。例えば、処理部73は、表1に示す対応関係に従って移動体である受信装置76が動作するように制御信号を生成する。
【0057】
【0058】
次に、ステップS203において、送信部74が制御信号Scを送信する。次に、ステップS204において受信部77が制御信号Scを受信する。次に、ステップS205において、制御信号Scは、作動部78を停止させるための信号であるか否かが判断され、この判断が否定的な場合、ステップS207において制御信号Scに基づいて作動部78が動作する。その後、ステップS201に戻る。ステップS205における判断が肯定的な場合、ステップS207に進み、ステップS207において作動部78が停止し、一連の処理が終了する。
【0059】
送受信システム700は、
図12に示す、送受信システム900のように変更されてもよい。送受信システム900は、特に説明する部分を除き、送受信システム700と同様に構成されている。送受信システム700の構成要素と同一又は対応する送受信システム900の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。送受信システム700に関する説明は技術的に矛盾しない限り、送受信システム900にも当てはまる。
【0060】
図12に示す通り、送受信システム900において、送信装置75は、圧力センサ1a及び送信部74を備えている。一方、受信装置76は、受信部77、処理部73、及び作動部78を備えている。送信部74は、圧力センサ1aの測定結果を示すデータD1aを受信装置76に向かって送信する。受信部77は、データD1aを受信して、処理部73に転送する。処理部73は、データD1aに基づいて制御信号Scを生成する。作動部78は、制御信号Scに応じた動作をする。
【0061】
本発明の第1側面は、
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データが入力される入力部と、
前記入力部に入力される前記第一データを処理して表示用データを生成する処理部と、
前記表示用データを表示する表示部と、を備えた、
入力システムを提供する。
【0062】
本発明の第2側面は、
前記圧力センサは、前記圧力センサ上における球体の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
第1側面に係る入力システムを提供する。
【0063】
本発明の第3側面は、
前記圧力センサは、前記圧力センサ上におけるユーザーの指の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
第1側面又は第2側面に係る入力システムを提供する。
【0064】
本発明の第4側面は、
加速度センサをさらに備え、
前記入力部には、前記加速度センサの検出結果を示す第二データが入力され、
前記処理部は、前記第一データ及び前記第二データを処理して前記表示用データを生成する、
第1側面~第3側面のいずれか1つに係る記載の入力システムを提供する。
【0065】
本発明の第5側面は、
前記加速度センサは、球体の動きに応じて前記第二データを出力可能である、
第4側面に係る入力システムを提供する。
【0066】
本発明の第6側面は、
前記処理部は、前記第一データ及び前記第二データに応じて異なるコマンドを実行して前記表示用データを生成する、
第4側面又は第5側面に係る入力システムを提供する。
【0067】
本発明の第7側面は、
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データを処理して制御信号を生成する処理部と、
前記制御信号を送信する送信部と、
前記制御信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信された制御信号に応じた動作をする作動部と、を備えた、
送受信システムを提供する。
【0068】
本発明の第8側面は、
前記圧力センサは、前記圧力センサ上における球体の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
第7側面に係る送受信システムを提供する。
【0069】
本発明の第9側面は、
前記圧力センサは、前記圧力センサ上におけるユーザーの指の動きに応じて前記第一データを出力可能である、
第7側面又は第8側面に係る送受信システムを提供する。
【0070】
本発明の第10側面は、
前記作動部は、可動部を有し、
前記可動部は、前記制御信号に応じて動く、
第7側面~第9側面のいずれか1つに係る送受信システムを提供する。
【0071】
本発明の第11側面は、
前記作動部は、移動体に含まれており、
前記移動体は、前記制御信号に応じて、移動、停止、及び回転からなる群より選ばれる少なくとも1つの動作をする、
第7側面~第10側面のいずれか1つに係る送受信システムを提供する。
【0072】
本発明の第12側面は、
前記作動部は、ロボットアームであり、
前記ロボットアームは、前記制御信号に応じて、移動、停止、回転、物体をつかむこと、及び物体を離すことからなる群より選ばれる少なくとも1つの動作をする、
第7側面~第10側面のいずれか1つに係る送受信システムを提供する。
【0073】
本発明の第13側面は、
作動部を制御するための送信装置であって、
多孔体を含む圧力センサと、
前記圧力センサの測定結果を示す第一データを処理して前記作動部を制御するための制御信号を生成する処理部と、
前記制御信号を送信する送信部と、を備えた、
送信装置を提供する。
【符号の説明】
【0074】
1a、1b 圧力センサ
2 入力部
3 処理部
4 表示部
6 球体
6a 加速度センサ
73 処理部
74 送信部
75 送信装置
76 受信装置
77 受信部
78 作動部
78a 可動部
100、300、500 入力システム
700、900 送受信システム