(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062858
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】取付け構造
(51)【国際特許分類】
F21S 41/657 20180101AFI20240501BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20240501BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20240501BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20240501BHJP
【FI】
F21S41/657
F21V19/02 300
F21V14/02 200
F21W102:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170982
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100122183
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】野澤 恒
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA02
3K013BA01
3K013FA05
(57)【要約】
【課題】部品同士の新たな取付け構造を提供する。
【解決手段】取付け構造は、ランプユニットの光軸を上下方向に変化させるレベリング装置をランプボディに取り付ける取付け構造であって、レベリング装置の出力軸が挿入される開口部43aと、開口部43aの縁部43bに設けられ、出力軸が開口部43aから突き出た状態で所定方向にレベリング装置を回転した際にレベリング装置の回転を規制する規制部43cと、開口部43aの縁部43bに設けられ、規制部43cで回転が規制されたレベリング装置が所定方向と反対方向に回転することを妨げる反転防止部43dと、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプユニットの光軸を上下方向に変化させるレベリング装置をランプボディに取り付ける取付け構造であって、
レベリング装置の出力軸が挿入される開口部と、
前記開口部の縁部に設けられ、前記出力軸が前記開口部から突き出た状態で所定方向にレベリング装置を回転した際にレベリング装置の回転を規制する規制部と、
前記開口部の縁部に設けられ、前記規制部で回転が規制されたレベリング装置が前記所定方向と反対方向に回転することを妨げる反転防止部と、
を有することを特徴とする取付け構造。
【請求項2】
前記反転防止部は、前記縁部からレベリング装置の出力軸の方向に盛り上がった乗り上げ部であり、
前記レベリング装置は、前記開口部から突き出た部分に、出力軸の進退方向に対して交差する径方向に向かって突起が設けられており、
前記乗り上げ部と前記規制部との間に凹部が形成されており、
前記突起は、前記凹部に嵌まることを特徴とする請求項1に記載の取付け構造。
【請求項3】
前記乗り上げ部は、前記所定方向に向かって徐々に高くなる斜面を有することを特徴とする請求項2に記載の取付け構造。
【請求項4】
前記規制部及び前記反転防止部が複数組設けられており、
複数組の前記規制部及び前記反転防止部の間に形成されている複数の凹部は、第1の凹部と、前記第1の凹部と形状が異なる第2の凹部と、を有することを特徴とする請求項2に記載の取付け構造。
【請求項5】
ランプボディに固定する固定部を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の取付け構造。
【請求項6】
前記固定部は、ランプボディに固定する第1の固定部及び第2の固定部を有し、
前記第1の固定部は、前記第2の固定部に対して段違いとなるように設けられていることを特徴とする請求項5に記載の取付け構造。
【請求項7】
前記レベリング装置が前記ランプボディから離間するように該ランプボディに固定されることを特徴とする請求項6に記載の取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品同士の取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の傾斜角度に応じて車両用前照灯の光軸を調節して照射方向を変化させるレベリング装置が知られている。レベリング装置は、ランプハウジングに固定されたアクチュエータが備えるロッドの進退によって、ロッド先端が連結されたランプユニットが傾動することで、ランプユニットの傾斜角度を調整できる。このようなレベリング装置は、様々な方法でランプハウジングに固定される。例えば、特許文献1には、ランプハウジングの内壁に設けられている係合片によって固定されたアクチュエータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の係合片はランプハウジングに一体的に設けられているため、アクチュエータの固定位置を簡単に変更することはできない。また、アクチュエータの後端面は、ランプハウジングに形成された凹部に挿入され、ランプハウジングに直接密着する。そのため、アクチュエータの振動がランプハウジングに伝わり、ランプハウジング自体が振動することになる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的の一つは、部品同士の新たな取付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の取付け構造は、ランプユニットの光軸を上下方向に変化させるレベリング装置をランプボディに取り付ける取付け構造であって、レベリング装置の出力軸が挿入される開口部と、開口部の縁部に設けられ、出力軸が開口部から突き出た状態で所定方向にレベリング装置を回転した際にレベリング装置の回転を規制する規制部と、開口部の縁部に設けられ、規制部で回転が規制されたレベリング装置が所定方向と反対方向に回転することを妨げる反転防止部と、を有する。
【0007】
この態様によると、出力軸が開口部から突き出た状態でレベリング装置が回転することを防止できる。
【0008】
反転防止部は、縁部からレベリング装置の出力軸の方向に盛り上がった乗り上げ部であってもよい。レベリング装置は、開口部から突き出た部分に、出力軸の進退方向に対して交差する径方向に向かって突起が設けられていてもよい。乗り上げ部と規制部との間に凹部が形成されていてもよい。突起は、凹部に嵌まっていてもよい。これにより、レベリング装置に出力軸を中心とする回転力がかかっても、開口部から突き出た部分に設けられている突起が規制部又は乗り上げ部に当接することで、レベリング装置が回転して抜けることを防止できる。
【0009】
乗り上げ部は、所定方向に向かって徐々に高くなる斜面を有してもよい。これにより、開口部から突き出た突起が出力軸を中心に回転しながら斜面に沿って徐々にランプボディ内側に引き込まれ、最終的に所定の位置にある凹部に落とし込まれる。
【0010】
規制部及び反転防止部が複数組設けられていてもよい。複数組の規制部及び反転防止部の間に形成されている複数の凹部は、第1の凹部と、第1の凹部と形状が異なる第2の凹部と、を有してもよい。また、突起は、第1の凹部に嵌まる第1の突起と、第2の凹部に嵌まり、第1の突起と形状が異なる第2の突起と、を有してもよい。これにより、レベリング装置の取付け構造への誤装着を抑制できる。
【0011】
ランプボディに固定する固定部を更に有してもよい。これにより、ランプボディの任意の位置に取付け構造を設けることが可能となる。
【0012】
固定部は、ランプボディに固定する第1の固定部及び第2の固定部を有してもよい。第1の固定部は、第2の固定部に対して段違いとなるように設けられていてもよい。これにより、固定部が固定されるランプボディが段差のある複雑な形状であっても、取付け構造を介してレベリング装置をランプボディに固定できる。
【0013】
レベリング装置がランプボディから離間するように該ランプボディに固定されていてもよい。これにより、レベリング装置の振動がランプボディに直接伝わりにくくなる。
【0014】
以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を製造方法、灯具や照明などの装置、発光モジュール、光源などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、部品同士の新たな取付け構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施の形態に係るアクチュエータを備える車両用灯具の一例を示す断面図である。
【
図2】
図1に示す車両用灯具を正面方向から見た断面図である。
【
図3】本実施の形態に係るアクチュエータの全体斜視図である。
【
図4】本実施の形態に係るブラケットの正面図である。
【
図5】本実施の形態に係るブラケットの側面図である。
【
図6】本実施の形態に係るブラケットの斜視図である。
【
図7】本実施の形態に係るブラケットにアクチュエータを装着した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示すブラケットの開口部近傍の拡大図である。
【
図9】本実施の形態に係るブラケットを介してアクチュエータをランプボディに取り付けた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
(車両用灯具)
図1は、本実施の形態に係るアクチュエータを備える車両用灯具の一例を示す断面図である。
図2は、
図1に示す車両用灯具10を正面方向から見た断面図である。
図1に示す車両用灯具10は、左右前照灯の一方を示す。前照灯は、車両前部における車幅方向両側にそれぞれ取り付けられており、一対の前照灯により車両前方が照射される。
【0019】
車両用灯具10は、前方に開口を有するランプボディ12と、ランプボディ12の開口を閉塞するカバー14と、を備えている。ランプボディ12とカバー14によってランプハウジング16が構成され、ランプハウジング16の内部が灯室16aとして形成されている。
【0020】
灯室16aにはフレーム18が配置されている。フレーム18は、上端部に設けられた上側支持部18aと、下端部に設けられた一対の下側支持部18b,18bと、中間部に設けられたユニット取付部18cと、を有している。一対の下側支持部18bは車両の左右方向に離れて配置されている。
【0021】
フレーム18における下側支持部18bの後側には、スクリュー支持部材20が設けられている。スクリュー支持部材20の上前端部は球状部20aとして設けられている。スクリュー支持部材20,20は、車体の前後方向へ移動自在にランプボディ12に支持されている。
【0022】
フレーム18の上側支持部18aと下側支持部18b,18bには、それぞれベアリング部材22,24,24が貫通された状態で取り付けられている。
【0023】
ベアリング部材24にはそれぞれスクリュー支持部材20の球状部20aが連結されている。ベアリング部材24は、スクリュー支持部材20に対して任意の方向へ回動可能とされている。
【0024】
ランプボディ12には、一対のエイミングスクリュー26,26が回転自在かつ前後方向(軸方向)へ移動不能な状態で支持されている。エイミングスクリュー26,26は、車両の左右方向に離れて配置され、それぞれの後端部がランプボディ12から後方に突出している。エイミングスクリュー26はネジ部26aを有し、ネジ部26aがスクリュー支持部材20に結合されている。
【0025】
フレーム18のユニット取付部18cにはランプユニット28,28が取り付けられている。なお、ユニット取付部18cに取り付けられるランプユニット28は一つでもよく、三つ以上であってもよい。
【0026】
ランプユニット28は、熱を放出するヒートシンク30と、ヒートシンク30上に配置された基板32と、基板32上に搭載された光源34と、光源34から出射される光を前方へ向けて反射するリフレクタ36と、光源34から出射された光が透過する投影レンズ38と、投影レンズ38を保持するホルダ40と、を有している。
【0027】
灯室16aにはレベリング装置としてのアクチュエータ42が配置されている。アクチュエータ42は、例えば、灯室16aの上部においてランプユニット28の後側に配置され、ランプボディ12の一部にブラケット43を介して固定されている。
【0028】
(車両用灯具における光軸調整)
次に、車両用灯具10における光軸調整について説明する。車両用灯具10は、照射方向の初期調整であるエイミング調整と、車載物の重量によって変化する光軸のズレを調整するレベリング調整と、が可能な構成である。エイミング調整には左右エイミング調整と上下エイミング調整がある。
【0029】
左右エイミング調整は、一方のエイミングスクリュー26が回転操作されることにより行われる。エイミングスクリュー26が回転操作されると、ネジ部26aがネジ止めされているスクリュー支持部材20がエイミングスクリュー26の回転方向に応じて前方又は後方へ送られ、フレーム18とランプユニット28,28が一体になって、他方のスクリュー支持部材20の球状部20aとロッド44の先端にある球状部46とを結ぶ線を支点軸として回動される。フレーム18とランプユニット28,28が一体になって回動されることにより、ランプユニット28,28における光軸の向きが左右に変位され左右エイミング調整が行われる。
【0030】
上下エイミング調整は、両方のエイミングスクリュー26,26が同じ方向へ回転操作されることにより行われる。エイミングスクリュー26,26が回転操作されると、ネジ部26a,26aがネジ止めされているスクリュー支持部材20,20がエイミングスクリュー26,26の回転方向に応じて前方又は後方へ送られ、フレーム18とランプユニット28,28が一体になって、ロッド44の球状部46を支点として回動される。フレーム18とランプユニット28,28が一体になって回動されることにより、ランプユニット28,28における光軸の向きが上下に変位され上下エイミング調整が行われる。
【0031】
レベリング調整は、アクチュエータ42の駆動機構が動作されることにより行われる。ロッド44は、駆動機構が動作されるとランプボディ12に対して車両前後方向に移動する。
【0032】
ロッド44が、例えば、前方へ移動されると、ベアリング部材22,24,24がそれぞれ球状部46と球状部20a,20aに対して回動され、ベアリング部材22,24,24の回動に伴って、フレーム18とランプユニット28,28が一体になって球状部20a,20aを結ぶ線を支点軸として下向きに回動される。フレーム18とランプユニット28,28が一体になって回動されることにより、ランプユニット28,28における光軸の向きが下方に変位されレベリング調整が行われる。
【0033】
一方、ロッド44が、例えば、後方へ移動されると、ベアリング部材22,24,24がそれぞれ球状部46と球状部20a,20aに対して回動され、ベアリング部材22,24,24の回動に伴って、フレーム18とランプユニット28,28が一体になって球状部20a,20aを結ぶ線を支点軸として上向きに回動される。フレーム18とランプユニット28,28が一体になって回動されることにより、ランプユニット28,28における光軸の向きが上方に変位されレベリング調整が行われる。
【0034】
(アクチュエータ)
次に、本実施の形態に係るアクチュエータ42の構成について概略を説明する。
図3は、本実施の形態に係るアクチュエータの全体斜視図である。
【0035】
アクチュエータ42は、前述のレベリング調整によって車両用灯具の照射方向を変化させるために用いられる。アクチュエータ42は、モータ48と、ハウジング56と、ハウジング56の一方の開口部を覆うカバー58と、ハウジング56の他方の開口部56cに装着される保持部材60と、を備える。保持部材60は、ロッド44が開口部56cから突き出したり、ロッド44が開口部56cに引き込まれたりするように、ロッド44をガイドする。ロッド44は、減速機構を介してモータ48の回転力が伝達され、保持部材60にガイドされながらスライドする。本実施の形態では保持部材60及びロッド44で出力軸を構成する。
【0036】
(ブラケット)
次に、ブラケット43について詳述する。
図4は、本実施の形態に係るブラケットの正面図である。
図5は、本実施の形態に係るブラケットの側面図である。
図6は、本実施の形態に係るブラケットの斜視図である。
図7は、本実施の形態に係るブラケットにアクチュエータ42を装着した状態を示す斜視図である。
図8は、
図7に示すブラケットの開口部近傍の拡大図である。
図9は、本実施の形態に係るブラケットを介してアクチュエータ42をランプボディ12に取り付けた状態を示す正面図である。
【0037】
ブラケット43は、ランプユニット28の光軸を上下方向に変化させるアクチュエータ42をランプボディ12に取り付ける取付け構造の一部又は全部を構成する。具体的には、ブラケット43は、アクチュエータ42のロッド44及び保持部材60が挿入される開口部43aと、開口部43aの縁部43bに設けられ、保持部材60や保持部材60が収容されるハウジング56の円筒部56aが開口部43aから突き出た状態で所定方向(
図8の矢印R1方向)にアクチュエータ42を回転した際にアクチュエータ42の回転を規制する円弧状の規制部43cと、開口部43aの縁部43bに設けられ、規制部43cで回転が規制されたアクチュエータ42が所定方向と反対方向(
図8の矢印R2方向)に回転することを妨げる反転防止部43dと、を有する。これにより、ロッド44や保持部材60が開口部43aから突き出た状態でアクチュエータ42が矢印R1方向や矢印R2方向に回転することを防止できる。
【0038】
反転防止部43dは、縁部43bからアクチュエータ42のロッド44の軸方向に盛り上がった乗り上げ部である。アクチュエータ42は、開口部43aから突き出た円筒部56aの外周に、ロッド44の進退方向に対して交差する径方向に向かって3つの突起56b1,56b2,56b3(突起56bと称する場合がある)が設けられている。また、反転防止部43dと規制部43cとの間のそれぞれに凹部43e1,43e2,43e3(凹部43eと称する場合がある)が形成されている。
【0039】
突起56b1は凹部43e1に嵌まり、突起56b2は凹部43e2に嵌まり、突起56b3は凹部43e3に嵌まる。これにより、アクチュエータ42にロッド44を中心とする回転力がかかっても、開口部43aから突き出た円筒部56aに設けられている各突起56bが規制部43c又は反転防止部43dに当接することで、アクチュエータ42が回転して抜けることを防止できる。
【0040】
反転防止部43dは、ロッド44が開口部43aから突き出る方向に向かって徐々に高くなる斜面を有している。これにより、開口部43aから突き出た突起56bがロッド44のスライド軸を中心に回転しながら斜面に沿って徐々にランプボディ内側に引き込まれ、最終的に所定の位置にある凹部43eに落とし込まれる。
【0041】
本実施の形態に係るブラケット43は、縁部43bの裏面側(ハウジング56のフランジ部56dと対向する側)に3つのリブ43fが形成されている。そして、ブラケット43にアクチュエータ42を装着する際には、突起56bが反転防止部43dの斜面をスライドしながらランプボディ内側に引き込まれるとともに、フランジ部56dがリブ43fを押圧することでリブ43fが弾性変形する。そのため、突起56bが反転防止部43dの斜面の端を通過すると、弾性変形していたリブ43fの復元力によって突起56bが凹部43eに落とし込まれ、突起56bが凹部43eにしっかり固定される。
【0042】
前述のように、複数組の規制部43c及び反転防止部43dの間に形成されている複数の凹部43eは、第1の凹部43e1,43e3と、第1の凹部と形状が異なる第2の凹部43e2と、を有している。また、突起56bは、第1の凹部43e1,43e3に嵌まる第1の突起56b1,56b3と、第2の凹部43e2に嵌まり、第1の突起56b1,56b3と形状が異なる第2の突起56b2と、を有している。
【0043】
第1の凹部43e1,43e3は、
図4に示す正面視において、略三角形状である。対応する第1の突起56b1,56b3は、
図9に示すように、ロッド44の軸方向に見て略三角形状である。また、第2の凹部43e2は、
図4に示す正面視において、略四角形状である。対応する第2の突起56b2は、
図9に示すように、ロッド44の軸方向に見て略四角形状である。また、ブラケット43の縁部43bには、第1の突起56b1,56b3が通過する形状のスリット43g1,43g3と、第2の突起56b2が通過する形状のスリット43g2とが形成されている。
【0044】
これにより、アクチュエータ42をブラケット43に装着するためには、各突起56b1,56b2,56b3を対応するスリット43g1,43g2,43g3に合わせて円筒部56aを開口部43aに挿入する必要があり、アクチュエータ42のブラケット43への誤装着を抑制できる。
【0045】
ブラケット43は、ランプボディ12に固定する固定部43hを円形の開口部43aの径方向外側に有している。固定部43hは、締結部材であるネジ62が貫通する孔43kが形成されている。これにより、ランプボディ12にネジ62の先端が締結される部分を設けることができれば、ランプボディ12の任意の位置にブラケット43を介してアクチュエータ42を取り付ける構造を設けることが可能となる。
【0046】
固定部43hは、ランプボディ12に固定される第1の固定部43h1及び第2の固定部43h2を有している。第1の固定部43h1は、第2の固定部43h2に対して段違いとなるように設けられている。これにより、固定部43hが固定されるランプボディ12の内壁が段差のある複雑な形状であっても、ブラケット43を介してアクチュエータ42をランプボディ12に固定できる。
【0047】
また、本実施の形態に係るブラケット43は、
図1に示すように、アクチュエータ42がランプボディ12から離間するようにランプボディ12に固定されている。つまり、アクチュエータ42は、ランプボディ12に直接固定されるブラケット43を介してランプボディ12の内部の所定位置に保持される。これにより、アクチュエータ42の振動がランプボディ12に直接伝わりにくくなる。
【0048】
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0049】
10 車両用灯具、 12 ランプボディ、 16 ランプハウジング、 16a 灯室、 28 ランプユニット、 42 アクチュエータ、 43 ブラケット、 43a 開口部、 43b 縁部、 43c 規制部、 43d 反転防止部、 43e 凹部、 43f リブ、 43h 固定部、 43h1 第1の固定部、 43h2 第2の固定部、 44 ロッド、 56 ハウジング、 56a 円筒部、 56b 突起、 56c 開口部、 56d フランジ部、 60 保持部材、 62 ネジ。