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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062895
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】マット体
(51)【国際特許分類】
   E01C 9/08 20060101AFI20240501BHJP
   E01C 5/20 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
E01C9/08 Z
E01C5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022171036
(22)【出願日】2022-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】福西 健介
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA08
2D051AB03
2D051AG03
2D051DB03
2D051DC01
(57)【要約】
【課題】 土砂や砂、泥、雪などが存在する状態の通路や庭における歩行等対象部で、円滑安全に、履物や衣類等が汚れることが防がれる状態で歩行等を行なうためのマット体の提供。
【解決手段】 正方形状の上面部S1を有する形状をなす多数の直方体形状の支持体部Sと、支持体部S同士を水平方向に並ぶように連結する支持体連結部Cを有するマット体。支持体連結部Cは、各支持体部S同士を、水平方向に互いに間隔をおくように、上面部S1よりも下方において連結する。支持体部Sの各上面部S1は、歩行その他の通行に利用される踏面部S1であり、支持体部Sは下方開口の受容部S3を有し、受容部S3は、泥などが存在し得る歩行その他の通行対象部にマット体が載置された場合に、泥などを前記下方開口箇所から受容し得る。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に立ち上がって上面部を有する形状をなす多数の支持体部と、前記各支持体部同士を、それらが水平方向に並ぶように連結する支持体連結部を有するマット体であって、
前記支持体連結部は、前記各支持体部同士を、水平方向に互いに間隔をおくように、前記上面部よりも下方において連結するものであり、
前記支持体部の各上面部は、歩行その他の通行に利用される踏面部であり、
前記支持体部は下方開口の受容部を有し、当該受容部は、流動性を有する物質が存在し得る歩行その他の通行対象部に前記マット体が載置された場合に、前記流動性を有する物質を前記下方開口箇所から受容し得るものであり、
前記流動性を有する物質は、スラリー状物、泥、土砂、粒状物、若しくは雪、又は、これら2種以上の混合物、又は、これらと水若しくは水性液体若しくはその他の液体との混合物であることを特徴とするマット体。
【請求項2】
上記支持体部は、下方開口の空間が、外周壁部と下端位置が同等である仕切り壁部により区画された2以上の下方開口の受容部を有する請求項1記載のマット体。
【請求項3】
上記支持体部における上記受容部の下方開口部の外周部の下端位置がマット体の下端位置である請求項1又は2記載のマット体。
【請求項4】
上記マット体は、上記支持体部以外の部分における1又は2以上の箇所に、前記流動性を有する物質を底側から上側に導き得る透孔部を有し、
平面視において、全ての前記透孔部の面積の合計が、支持体部以外の部分の面積の50%以下である請求項1又は2記載のマット体。
【請求項5】
上記各支持体部は、互いに同等の外周形状を有し、上記支持体連結部は、前記同等の外周形状の支持体部同士を、外周部同士の間隔が何れも等間隔となるように、又は、各支持体部の平面視における中心位置が等間隔となるように連結するものである請求項1又は2記載のマット体。
【請求項6】
上記マット体が水平面上に載置された場合の当該水平面からの高さにおいて、支持体連結部の上部の高さは、前記支持体部の上面部の高さの2分の1以下である請求項1又は2記載のマット体。
【請求項7】
上記マット体を水平面上に載置した場合に、上記多数の支持体部の上面部同士が同等の高さとなるものである請求項1又は2記載のマット体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行その他の通行対象部に載置して歩行その他の通行に利用するマット体に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平8-41810号公報には、軟弱な地盤上やでこぼこの多い路面または斜面であっても水はけよく確実に敷設され、歩行者や車両などが滑ることなく安全に通行することができ、しかも曲がり角やコーナーなど種々の道路形状にも的確に対応することができる路面用マットとして、表裏面のほぼ全面にわたって複数貫通形成された土壌挿通穴12と、前記各土壌挿通穴の周囲表面に形成された滑り止め用突起13と、表裏面の縁に貫通形成された固定用穴14と、側面に形成された連結用の穴とを有する樹脂板状の路面用マット10が開示されている。
【0003】
また特開平4-16602号公報には、柔軟シートの片面に、歩幅と略同幅の間隔毎に足載せ用凸部を設け、足載せ用凸部を上面として柔軟性シートを敷設し、歩幅間隔に設けられた足載せ用凸部の上を歩くことにより、降雨時にも足載せ用凸部か水たまりから突出し、靴1足が濡れるのを防ぐことができる歩行用マットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-41810号公報
【特許文献2】特開平4-16602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、土砂や砂、泥、雪などの流動性を有する物質が存在する状態の通路や庭などにおける歩行や自転車等の走行を行う歩行その他の通行対象部において、できるだけ円滑且つ安全に、また、歩行者等の履物や衣類等が前記流動性を有する物質により汚れることができるだけ防がれる状態で歩行等を行なうためのマット体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば次のように表すことができる。
【0007】
上方に立ち上がって上面部を有する形状をなす多数の支持体部と、前記各支持体部同士を、それらが水平方向に並ぶように連結する支持体連結部を有するマット体であって、
前記支持体連結部は、前記各支持体部同士を、水平方向に互いに間隔をおくように、前記上面部よりも下方において連結するものであり、
前記支持体部の各上面部は、歩行その他の通行に利用される踏面部であり、
前記支持体部は下方開口の受容部を有し、当該受容部は、流動性を有する物質が存在し得る歩行その他の通行対象部に前記マット体が載置された場合に、前記流動性を有する物質を前記下方開口箇所から受容し得るものであり、
前記流動性を有する物質は、スラリー状物、泥、土砂、粒状物、若しくは雪、又は、これら2種以上の混合物、又は、これらと水若しくは水性液体若しくはその他の液体との混合物であることを特徴とするマット体。
【発明の効果】
【0008】
歩行その他の通行対象部に流動性を有する物質が存在する場合において、本発明のマット体を、その通行対象部上に載置すると、支持体連結部により連結されて水平方向に並んだ多数の支持体部における受容部の下方開口箇所から、前記流動性を有する物質が前記各受容部に受容されるため、踏面部である各支持体部の上面部には前記流動性を有する物質は及びにくく、各支持体部の踏面部における歩行等をできるだけに円滑且つ安全に、また、歩行者等の履物や衣類等が前記流動性を有する物質により汚れることができるだけ防がれる状態で行ない得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】マット体の要部上方斜視図である。
図2】マット体の平面図である。
図3】マット体の正面図である。
図4】マット体の一部切断した状態の要部上方斜視図である。
図5】マット体の底面図である。
図6】マット体の一部切断した状態の要部下方斜視図である。
図7】マット体の一部切断した状態の要部下方斜視図である。
図8】マット体の一部切断した状態の要部下方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図面は何れも本発明の実施の形態の一例としてのマット体に関するものである。
【0012】
(1) このマット体は、実質上同一形状の支持体部S同士が、それらの平面視正方形状の上面部S1の四辺が縦横直交方向に平行となるように、水平方向に等間隔おき(支持体部Sの1辺の4分の1程度の間隔)に5つずつ並ぶように支持体連結部Cにより連結されてなる。
【0013】
支持体部Sは、上面部S1が平面視において正方形状である略直方体形状(上方に立ち上がって上面部S1を有する形状)をなす。
【0014】
このマット体は、平面視において正方形状をなし、各支持体部Sの平面視における中心位置は縦横何れにおいても等間隔であり、マット体を水平面上に載置した場合に、上面部S1同士は同等の高さとなるものであり、再生ゴムを配合した合成ゴムを一体成形されている。
【0015】
マット体の4辺のうち隣り合う2辺それぞれにおける支持体部Sが位置する箇所に、外方突出部J1の外端部に上方突起部J2を有するマット連結部Jaが設けられ、他の2辺それぞれにおける支持体部Sの箇所に、マット連結部Jaの上方突起部J2が嵌合し得る下方開口の嵌合凹部Jbが設けられており、隣り合うマット体同士をマット連結部Jaと嵌合凹部Jbの嵌合により連結し得るものとすることができる。
【0016】
このマット体は、例えば、スラリー状物、泥、土砂、粒状物、若しくは雪、又は、これら2種以上の混合物、又は、これらと水若しくは水性液体若しくはその他の液体との混合物などの、「ぬかるみ」を構成し得るような流動性を有する物質が存在し得る歩行その他の通行対象部に載置し得る。
【0017】
(2) 各支持体部Sの上面部S1は、歩行その他(例えば自転車の走行等)の通行に利用される踏面部S1であり、内方に向かって約3度で上向きに傾斜した二等辺三角形状の側周面S1aからなる正四角錐状をなし、各側周面S1aには、その二等辺三角形の底辺に平行な滑止用の突条S1bが2本平行状に設けられている。また各支持体部Sの外周面S2は、上方に向かって内方に約3度傾斜している。
【0018】
(3) 各支持体部Sは、下方開口の受容部S3を有する。受容部S3は、前記流動性を有する物質が存在し得る歩行その他の通行対象部にマット体が載置された場合に、その流動性を有する物質を前記下方開口箇所から受容し得る。
【0019】
支持体部Sのうちマット連結部Jaを有する2辺に沿うもの以外は、下方に正方形状に開口するほぼ直方体形状の空間が、十字状の仕切り壁部S4により均等状に区画され、各区画が下方に正方形状に開口する4つの受容部S3を有する。
【0020】
各支持体部Sにおける受容部S3の下方開口部の外周部の下端位置は、マット体の下端位置である。
【0021】
受容部S3のうち嵌合凹部Jbと重なる位置のものは、嵌合凹部Jb以外の部分が受容部を構成する。
【0022】
(4) 支持体連結部Cは、各支持体部S同士の間に縦横の格子状をなして支持体部S同士を連結するものである。
【0023】
図3に示されるように、マット体が水平面上に載置された場合の、当該水平面からの高さにおいて、支持体連結部Cの上部の高さは、支持体部Sの上面部S1の高さの3分の1以下であり、支持体連結部Cの下面は、マット体の下端位置よりも上方である。
【0024】
縦横格子状をなす支持体連結部Cの交差位置には、それぞれ、前記流動性を有する物質を底側から上側に導き得る平面視において円形状(平面視において直径が支持体部Sの1辺の3分の1程度)の透孔部C1を有する。また、支持体連結部Cのうちマット体の四辺に臨む部分には、平面視において、透孔部C1の半分に相当する半円状の切欠部C2が設けられ、マット体同士がマット連結部Jaと嵌合凹部Jbの嵌合により連結された状態においてそれぞれの切欠部C2が合わさって透孔部C1に相当するものが形成される。
【0025】
支持体連結部Cの上面は、隣り合う透孔部C1同士(又は透孔部C1と切欠部C2)の中間位置から各透孔部C1(又は切欠部C2)に向かって下降傾斜し、前記流動性を有する物質や雨水などが各透孔部C1に向かって流れ易くなっている。マット体の外周に沿う部分の上面も、隣り合う切欠部C2の中間位置から各切欠部C2に向かって下降傾斜し、マット体同士が連結された状態において形成される切欠部C2が合わさった透孔部C1に相当するものに向かって前記流動性を有する物質や雨水などが流れ易くなっている。
【0026】
またこのマット体は、各支持体部S同士の間で縦横格子状をなす支持体連結部Cの支持体部S同士の中間線において(従って各透孔部C1を通る線において)、必要な寸法及び形状に応じて容易に切断することができる。
【0027】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0028】
(1) 本発明のマット体は、上方に立ち上がって上面部を有する形状をなす多数の支持体部と、各支持体部同士を、それらが水平方向に並ぶように連結する支持体連結部を有する。
【0029】
各支持体部は、例えば、水平方向において縦横直交方向に並ぶものとすることができる。
【0030】
本発明のマット体は、支持体部と支持体連結部を含めて、好ましくは合成ゴム(例えば再生ゴムを配合したもの)からなる一体成形物、又は合成樹脂からなる一体成形物とすることができるが、必ずしもこれらに限るものではなく、例えば材料や製法がこれらと異なるものとすることもできる。
【0031】
(2) 本発明のマット体を載置して用い得る歩行その他の通行対象部の例としては、スラリー状物、泥、土砂、粒状物、若しくは雪、又は、これら2種以上の混合物、又は、これらと水若しくは水性液体若しくはその他の液体との混合物などの、「ぬかるみ」を構成し得るような流動性を有する物質が存在(例えば上部を全面的に又は部分的に覆うように存在)し得る、様々な通路、道路、庭などを挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0032】
(3) 支持体部
【0033】
(3-1) 支持体部は、上方に立ち上がって上面部を有する形状をなし、外形において、例えば、概ね、直方体若しくは立方体状、その他の多角柱体状、円柱若しくは楕円柱体状、その他の閉曲線柱体状とすることができる。支持体部の外周面は、例えば、上方に向かって内方に僅かに傾斜(例えば1度乃至5度程度の傾斜角)するものとすることができるが、これらに限るものではない。
【0034】
本発明のマット体における多数の支持体部は、例えば全て実質上同一形状であるものとすることができるが、これに限るものではない。
【0035】
また、前記多数の支持体部は、本発明のマット体を水平面上に載置した場合に、それらの支持体部の上面部同士が同等の高さとなるものとすることが好ましいが、これに限るものではない。
【0036】
(3-2) 支持体部は、下方開口の空間として受容部を有し、受容部は、前記流動性を有する物質が存在し得る歩行その他の通行対象部に前記マット体が載置された場合に、前記流動性を有する物質を前記下方開口箇所から受容し得るものである。
【0037】
支持体部は、例えば、外周壁部と天板部を備えてなり、前記外周壁部と天板部が、下方に開口する受容部を構成するものとすることができる。
【0038】
また支持体部は、下方開口の空間が、外周壁部と下端位置が同等である仕切り壁部(例えば垂直状をなすもの)により区画された2以上(例えば十字状に区画された4つの)の下方開口の受容部を有するものとすることができる。このような仕切り壁部は、支持体部の外周部及び踏面部に対し、歩行等により踏面部に載荷される概ね下向きの荷重を支持するための補強ともなり得る。なお、支持体部の下方開口の空間を区画する仕切り壁部の下端位置は、支持体部の外周壁部と同等であることを必ずしも要しない。
【0039】
また、支持体部は、受容部を構成する下方開口の空間に、前記のような仕切り壁部以外の補強構造やその他の構造を有するものとすることもできる。
【0040】
(3-3) 本発明のマット体は、上記支持体部における受容部の下方開口部の外周部の下端位置がマット体の下端位置であるものとすることができる。
【0041】
支持体部における受容部の下方開口部の外周部の下端位置がマット体の下端位置であることにより、流動性を有する物質が存在する歩行その他の通行対象部に本発明のマット体を載置した場合に、その流動性を有する物質が、より確実に各支持体部の受容部に受容されるため、踏面部である各支持体部の上面部には前記流動性を有する物質は及びにくく、各支持体部の踏面部における歩行等をできるだけに円滑且つ安全に、また、歩行者等の履物や衣類等が前記流動性を有する物質により汚れることができるだけ防がれる状態で行ない得る。
【0042】
(3-4) 支持体部の上面部は、歩行その他(例えば自転車の走行等)の通行に利用される踏面部である。
【0043】
踏面部は、平面視において、例えば、方形状、すなわち正方形若しくは長方形状(角丸若しくは角取を含む)、その他の多角形状、円形若しくは楕円形状、その他の閉曲線状とすることができるが、これらに限るものではない。
【0044】
踏面部は、例えば、内方に向かって緩やかに上向きに傾斜(例えば1度乃至5度程度の傾斜角)した側周面からなる形状(例えば角錐状、円錐状若しくは楕円錐状)に形成して、流動性を有する物質が踏面上に存在した場合においても、当該物質が流れ落ち易いようにすることができる。
【0045】
また、踏面部には、歩行者その他の利用対象に対する突条若しくは突起等の滑止部を設けることもできる。
【0046】
なお、受容部に受容された流動性を有する物質を踏面部に導出するような受容部と踏面部に通じる透孔又はその他の連通部などは有しない。
【0047】
(4) 支持体連結部
【0048】
(4-1) 支持体連結部は、前記各支持体部同士を、水平方向に互いに間隔をおくように、前記支持体部の上面部よりも下方において連結する。
【0049】
歩行その他の通行対象部に流動性を有する物質が存在する場合において、このマット体を、その通行対象部上に載置したときに、各支持体部同士を水平方向に互いに間隔をおくように連結する支持体連結部上に前記流動性を有する物質が広がったとしても、支持体連結部は各支持体部同士を、その支持体部の上面部よりも下方部において互いに間隔をおくように連結するものであるため、踏面部である各支持体部の上面部には前記流動性を有する物質は及びにくく 各支持体部の踏面部における歩行等をできるだけに円滑且つ安全に、また、歩行者等の履物や衣類等が前記流動性を有する物質により汚れることができるだけ防がれる状態で行ない得る。
【0050】
(4-2) 上記マット体が水平面上に載置された場合の当該水平面からの高さにおいて、支持体連結部の上部の高さは、前記支持体部の上面部の高さの2分の1以下(好ましくは3分の1以下)であるものとすることができる。
【0051】
この場合、前記のように支持体連結部上に前記流動性を有する物質が広がったとしても、踏面部である各支持体部の上面部には前記流動性を有する物質は更に及びにくく 各支持体部の踏面部における歩行等をできるだけに円滑且つ安全に、また、歩行者等の履物や衣類等が前記流動性を有する物質により汚れることができるだけ防がれる状態で行ない得る。
【0052】
(4-3) 支持体連結部は、例えば、同等の外周形状の支持体部同士を、外周部同士の間隔が何れも等間隔となるように、又は、各支持体部の平面視における中心位置が等間隔となるように連結するものとすることができる。
【0053】
(5) 透孔部
【0054】
(5-1) 上記マット体は、上記支持体部以外の部分(例えば支持体連結部、又は、支持体部同士の間のうち支持体連結部が設けられていない部分)における1又は2以上の箇所に、前記流動性を有する物質を底側から上側に導き得る透孔部を有し(例えば、支持体部以外の部分に、前記透孔部を間隔おきに有するものとすることができる)、
平面視において、全ての透孔部の面積の合計が、支持体部以外の部分の面積の50%以下(好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは10乃至25%)であるものとすることができる。
【0055】
流動性を有する物質が存在する歩行その他の通行対象部にこのマット体を載置した場合に、当該前記流動性を有する物質が前記各受容部に受容され、且つ、支持体部以外の部分における1又は2以上の箇所における、流動性を有する物質を底側から上側に導き得る透孔部の面積の合計が、平面視において、支持体部以外の部分の面積の50%以下(好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更に好ましくは10乃至25%)であるため、踏面部である各支持体部の上面部には前記流動性を有する物質は及びにくく、各支持体部の踏面部における歩行等をできるだけに円滑且つ安全に、また、歩行者等の履物や衣類等が前記流動性を有する物質により汚れることができるだけ防がれる状態で行ない得る。
【0056】
(5-2) この場合において、支持体部における受容部の下方開口部の外周部の下端位置が上記マット体の下端位置であり、支持体部以外の部分の下端位置が、マット体の下端位置よりも上方位置であるものとすることができる。
【0057】
流動性を有する物質が存在する歩行その他の通行対象部に、このマット体を載置すると、下端位置がマット体の下端位置である各支持体部における受容部の下方開口部が臨む流動性を有する物質は、より確実に各受容部に受容される。そのため、下端位置がマット体の下端位置よりも上方位置である支持体部以外の部分に臨む残りの流動性を有する物質は、平面視における透孔部の面積が支持体部以外の部分の面積の50%以下であっても、その透孔部を通じて、比較的円滑に支持体連結部又はその他の支持体部以外の部分の上側に流出し得るので、踏面部である各支持体部の上面部には前記流動性を有する物質は及びにくく、各支持体部の踏面部における歩行等をできるだけに円滑且つ安全に、また、歩行者等の履物や衣類等が前記流動性を有する物質により汚れることができるだけ防がれる状態で行ない得る。
【0058】
(5-3) 支持体連結部の上側部は、各透孔部に向かって下降傾斜するものとすることが好ましい。透孔部が両方にある場合は、例えば、両透孔部の中間位置にからそれぞれの透孔部に向かって下降傾斜するものとすることができる。
【0059】
(6) 本発明のマット体は、複数個を連結して用いることができるものとすることができる。例えば、平面視において正方形状をなすものとし、4辺のうち隣り合う2辺それぞれにおける複数箇所に、外方突出部の外端部に上方突起部を有するマット連結部を設け、他の2辺それぞれに、マット連結部の上方突起部が嵌合し得る下方開口の嵌合凹部を設けることにより、隣り合うマット体同士をマット連結部と嵌合凹部の嵌合により連結し得るものとすることができる。
【符号の説明】
【0060】
C 支持体連結部
C1 透孔部
C2 切欠部
J1 外方突出部
J2 上方突起部
Ja マット連結部
Jb 嵌合凹部
S 支持体部
S1 上面部
S1 踏面部
S1a 側周面
S1b 突条
S2 外周面
S3 受容部
S4 仕切り壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8