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特開2024-6290健康行動管理装置、健康行動管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006290
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】健康行動管理装置、健康行動管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240110BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107037
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】坪田 東
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】健康を増進するためのメッセージを提示される利用者の利便性を高める。
【解決手段】利用者の状況に合わせて、前記利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを生成するメッセージ生成部と、前記利用者の位置に応じた表示装置への、前記健康増進メッセージの出力を制御する表示装置制御部と、前記健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信するメッセージ送信部と、を備える、健康行動管理装置。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の状況に合わせて、前記利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記利用者の位置に応じた表示装置への、前記健康増進メッセージの出力を制御する表示装置制御部と、
前記健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信するメッセージ送信部と、
を備える、健康行動管理装置。
【請求項2】
前記メッセージ送信部は、前記表示装置制御部により特定された前記表示装置に、前記利用者と異なる利用者に対する健康増進メッセージが出力されている場合、当該健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信する、請求項1に記載の健康行動管理装置。
【請求項3】
前記健康行動管理装置は、
前記メッセージ送信部によって送信された前記健康増進メッセージおよび前記健康増進メッセージが送信された日時を記憶する記憶部をさらに備える、
請求項1または2に記載の健康行動管理装置。
【請求項4】
前記表示装置制御部は、前記メッセージ生成部によって前記健康増進メッセージが生成されない場合、前記記憶部に記憶されている前記健康増進メッセージのうち、所定の期間内に前記情報処理端末に送信された前記健康増進メッセージを、前記表示装置へ出力するよう制御する、請求項3に記載の健康行動管理装置。
【請求項5】
前記メッセージ送信部は、前記メッセージ生成部によって前記健康増進メッセージが生成されない場合、前記記憶部に記憶されている前記健康増進メッセージのうち、所定の期間内に前記情報処理端末に送信された前記健康増進メッセージを、前記情報処理端末に送信する、請求項4に記載の健康行動管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記情報処理端末にビーコン信号を発信するビーコン発信機から発信されるビーコン信号に含まれる識別情報と、前記表示装置との対応付けを記憶する、請求項3に記載の健康行動管理装置。
【請求項7】
前記表示装置制御部は、前記情報処理端末により受信されたビーコン信号に含まれる識別情報に対応付けられている表示装置を前記表示装置として特定する、
請求項6に記載の健康行動管理装置。
【請求項8】
前記メッセージ生成部は、前記利用者に対する、前記利用者の健康を増進するための行動を推奨するメッセージを含む健康増進メッセージを生成する、請求項1または2に記載の健康行動管理装置。
【請求項9】
前記健康行動管理装置は、前記情報処理端末から、前記利用者の健康情報を受信する、利用者情報取得部をさらに備え、
前記メッセージ生成部は、前記利用者情報取得部によって取得された前記健康情報、前記利用者の位置、または現在時刻に基づいて、前記健康増進メッセージを生成する、
請求項8に記載の健康行動管理装置。
【請求項10】
前記健康情報は、前記利用者の身体情報、歩数、昇降階数、または食事に関する情報を含む、請求項9に記載の健康行動管理装置。
【請求項11】
前記健康行動管理装置は、
前記利用者の、前記健康増進メッセージにおいて推奨された行動の達成状況を管理する行動管理部をさらに備える、
請求項8に記載の健康行動管理装置。
【請求項12】
前記行動管理部は、前記達成状況に応じて前記利用者が受領可能な報酬に関する報酬情報を管理する、
請求項11に記載の健康行動管理装置。
【請求項13】
利用者の状況に合わせて、前記利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを生成することと、
前記利用者の位置に応じた表示装置への、前記健康増進メッセージの出力を制御することと、
前記健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信することと、
を含む、コンピュータにより実行される健康行動管理方法。
【請求項14】
コンピュータを、
利用者の状況に合わせて、前記利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを生成するメッセージ生成部と、
前記利用者の位置に応じた表示装置への、前記健康増進メッセージの出力を制御する表示装置制御部と、
前記健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信するメッセージ送信部と、
として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康行動管理装置、健康行動管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康に対する関心が高まりつつある。利用者の健康を増進するために、利用者の状況に合わせたメッセージを利用者に対して提示する技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、利用者の生体情報、生活習慣情報または環境情報等の、利用者の状況に合わせた、生活習慣の改善を提案するメッセージを利用者が使用する装置に送信する、生活習慣改善提案システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-160569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された生活習慣改善システムにおいては、利用者の状況に合わせたメッセージが、利用者の歩行中に送信される場合がある。そのような場合には、利用者が足を止めてメッセージを確認しなければ、利用者はメッセージに記載された行動を行う機会を逃してしまう。
【0006】
一方、利用者が歩行中でもメッセージを確認できるように、メッセージを設置型の表示装置に表示させる方法が考えられる。しかし、利用者が表示装置から離れると、表示装置に表示されたメッセージが分からなくなってしまうという問題があった。また、メッセージに記載された行動の実行に応じて利用者に報酬が与えられる場合、表示装置に表示された他の利用者に向けたメッセージを実行しても、報酬が与えられないという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、健康を増進するためのメッセージを提示される利用者の利便性を高めることが可能な、新規かつ改良された、健康行動管理装置、健康行動管理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、利用者の状況に合わせて、前記利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを生成するメッセージ生成部と、前記利用者の位置に応じた表示装置への、前記健康増進メッセージの出力を制御する表示装置制御部と、前記健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信するメッセージ送信部と、を備える、健康行動管理装置が提供される。
【0009】
前記メッセージ送信部は、前記表示装置制御部により特定された前記表示装置に、前記利用者と異なる利用者に対する健康増進メッセージが出力されている場合、当該健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信してもよい。
【0010】
前記健康行動管理装置は、前記メッセージ送信部によって送信された前記健康増進メッセージおよび前記健康増進メッセージが送信された日時を記憶する記憶部をさらに備えてもよい。
【0011】
前記表示装置制御部は、前記メッセージ生成部によって前記健康増進メッセージが生成されない場合、前記記憶部に記憶されている前記健康増進メッセージのうち、所定の期間内に前記情報処理端末に送信された前記健康増進メッセージを、前記表示装置へ出力するよう制御してもよい。
【0012】
前記メッセージ送信部は、前記メッセージ生成部によって前記健康増進メッセージが生成されない場合、前記記憶部に記憶されている前記健康増進メッセージのうち、所定の期間内に前記情報処理端末に送信された前記健康増進メッセージを、前記情報処理端末に送信するよう制御してもよい。
【0013】
前記記憶部は、前記情報処理端末にビーコン信号を発信するビーコン発信機から発信されるビーコン信号に含まれる識別情報と、前記表示装置との対応付けを記憶してもよい。
【0014】
前記表示装置制御部は、前記情報処理端末により受信されたビーコン信号に含まれる識別情報に対応付けられている表示装置を前記表示装置として特定してもよい。
【0015】
前記メッセージ生成部は、前記利用者に対する、前記利用者の健康を増進するための行動を推奨するメッセージを含む健康増進メッセージを生成してもよい。
【0016】
前記健康行動管理装置は、前記情報処理端末から、前記利用者の健康情報を受信する、利用者情報取得部をさらに備え、前記メッセージ生成部は、前記利用者情報取得部によって取得された前記健康情報、前記利用者の位置、または現在時刻に基づいて、前記健康増進メッセージを生成してもよい。
【0017】
前記健康情報は、前記利用者の身体情報、歩数、昇降階数、または食事に関する情報を含んでもよい。
【0018】
前記健康行動管理装置は、前記利用者の、前記健康増進メッセージにおいて推奨された行動の達成状況を管理する行動管理部をさらに備えてもよい。
【0019】
前記行動管理部は、前記達成状況に応じて前記利用者が受領可能な報酬に関する報酬情報を管理してもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、利用者の状況に合わせて、前記利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを生成することと、前記利用者の位置に応じた表示装置への、前記健康増進メッセージの出力を制御することと、前記健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信することと、を含む、コンピュータにより実行される健康行動管理方法が提供される。
【0021】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、利用者の状況に合わせて、前記利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを生成するメッセージ生成部と、前記利用者の位置に応じた表示装置への、前記健康増進メッセージの出力を制御する表示装置制御部と、前記健康増進メッセージを、前記利用者が利用する情報処理端末に送信するメッセージ送信部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、健康を増進するためのメッセージを提示される利用者の利便性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態による健康行動管理システムの構成を示す説明図である。
図2】本発明の一実施形態による情報処理端末10の構成を示す説明図である。
図3】本発明の一実施形態による表示装置30の構成を示す説明図である。
図4】本発明の一実施形態による健康行動管理装置40の構成を示す説明図である。
図5】記憶部420に記憶される、健康増進メッセージデータベースの一例である。
図6】記憶部420に記憶される、メッセージ送信履歴の例である。
図7】建物内にビーコン発信機20および表示装置30が設置される例を示したイメージ図である。
図8図7に示したようにビーコン発信機20および表示装置30が設置された場合の、記憶部420が記憶する表示装置特定データベースの例である。
図9】本実施形態に係る健康行動管理装置40の動作処理の一例を説明するための説明図である。
図10】本実施形態に係る健康行動管理装置40の動作処理の一例を説明するための説明図である。
図11】本実施形態に係る健康行動管理装置40のハードウェア構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットまたは数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0026】
<1.健康行動管理システムの概要>
本発明の実施形態は、利用者の健康を増進するためのメッセージである健康増進メッセージを利用者に提示するための健康行動管理装置に関する。以下、図1を参照し、このような本発明の一実施形態による健康行動管理装置を備える健康行動管理システムの概要を説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による健康行動管理システムの構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の一実施形態による健康行動管理システムは、情報処理端末10、ビーコン発信機20、表示装置30、健康行動管理装置40、およびネットワーク網50を有する。図1に示したように、情報処理端末10と、表示装置30と、健康行動管理装置40とは、ネットワーク網50を介して通信可能に構成されている。
【0028】
(情報処理端末10)
情報処理端末10は、利用者により利用される、携帯可能な情報処理端末である。図1においては、情報処理端末10の一例としてスマートフォンを示しているが、情報処理端末10は、例えば、タブレット端末、携帯電話、ウェアラブル端末、または携帯ゲーム端末など、利用者により利用される他の端末であってもよい。
【0029】
情報処理端末10は、利用者の歩数または昇降した階数等の、利用者の動作を検出する。また、情報処理端末10は、ビーコン発信機20から発信されるビーコン信号を受信する。ビーコン信号には、ビーコン発信機20の各々を識別するための識別情報であるビーコンIDが含まれており、情報処理端末10は受信したビーコン信号から当該ビーコンIDを抽出する。
【0030】
また、情報処理端末10は、健康行動管理装置40とネットワーク網50を介して多様な情報を通信する。例えば、情報処理端末10は、利用者の動作に関する情報を含む利用者の健康情報、およびビーコン信号から抽出したビーコンIDを、健康行動管理装置40に送信する。また、情報処理端末10は、健康行動管理装置40によって生成された健康増進メッセージを受信する。
【0031】
(ビーコン発信機20)
ビーコン発信機20は、無線信号であるビーコン信号を定期的に発信する、屋内または屋外等の様々な場所に設置される発信機である。ビーコン発信機20は、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)のような近距離無線通信方式により、ビーコン信号を発信してもよい。ビーコン発信機20は、情報処理端末10にビーコン信号をブロードキャストする。
【0032】
ビーコン信号には、上述の通りビーコン発信機20の各々を識別するビーコンIDが含まれる。ビーコン発信機20が複数の場所に設置されることで、ビーコンIDを、当該ビーコンIDを受信した情報処理端末10を利用する利用者の位置を特定するために用いることが可能である。例えば、情報処理端末10がビーコン発信機20Aに関するビーコンIDを受信すると、当該情報処理端末10を利用する利用者の位置が、ビーコン発信機20Aの近辺であると特定できる。
【0033】
(表示装置30)
表示装置30は、利用者に対して映像、画像または文字等の情報を出力する装置である。表示装置30は、例えば、商業施設またはオフィスビル等の屋内、または歩行者用道路、地下道、駅またはビルの壁面等の屋外に設置される、不特定多数の通行人によって視聴されるデジタルサイネージである。
【0034】
表示装置30は、健康行動管理装置40とネットワーク網50を介して通信する。例えば、表示装置30は、健康行動管理装置40から送信される信号を受信し、当該信号に従って健康増進メッセージを出力する。
【0035】
表示装置30の近傍には、ビーコン発信機20が設置されてもよい。表示装置30とビーコン発信機20が近傍に設置されることで、情報処理端末10を利用する利用者の位置が、表示装置30を基準として特定される。
【0036】
(健康行動管理装置40)
健康行動管理装置40は、利用者の状況に合わせて健康増進メッセージを生成し、健康増進メッセージの、利用者の位置に応じた表示装置30への出力の制御および情報処理端末10への送信を行うサーバである。
【0037】
健康行動管理装置40は、ビーコン発信機20が発信したビーコン信号から抽出されるビーコンIDを、情報処理端末10から受信する。上述したように、ビーコンIDは、利用者の位置を特定するために使用され得る。
【0038】
また、健康行動管理装置40は、利用者の位置に応じて表示装置30を特定する。健康行動管理装置40は、情報処理端末10から受信したビーコンIDに応じて表示装置30を特定してもよい。例えば、表示装置30の近傍にビーコン発信機20が設置された場合、ビーコン発信機20から発信された信号を受信した情報処理端末10を利用する利用者の位置は、当該ビーコン発信機20の近傍の表示装置30付近であるといえる。そのため、健康行動管理装置40は、当該ビーコン発信機20が発信するビーコンIDに応じて、当該表示装置30を特定してもよい。このように、表示装置30の近傍にビーコン発信機20が設置される場合にビーコンIDを利用者の位置を特定するために用いることで、健康行動管理装置40は容易に表示装置30を特定することが可能になる。
【0039】
また、健康行動管理装置40は、情報処理端末10から、利用者の健康情報を受信する。そして、健康行動管理装置40は、健康情報、利用者の位置、または現在時刻に基づいて、健康増進メッセージを生成する。健康行動管理装置40は、特定した表示装置30への当該健康増進メッセージの出力を制御する。
【0040】
また、生成された健康増進メッセージが利用者に対する健康を増進するための行動を推奨するメッセージを含む場合、健康行動管理装置40は、当該健康増進メッセージにおいて推奨された行動の達成状況を管理してもよい。また、健康行動管理装置40は、行動の達成状況に応じて利用者が受領可能な報酬に関する報酬情報を管理してもよい。健康行動管理装置40は、行動の達成状況の情報および報酬情報を、情報処理端末10に送信してもよい。
【0041】
(ネットワーク網50)
ネットワーク網50は、ネットワーク網50に接続されている装置から送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク網50は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワーク網50は、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。
【0042】
<2.情報処理端末10の構成>
以上、本発明の一実施形態による健康行動管理システムの概要を説明した。続いて、情報処理端末10の構成例を説明する。
【0043】
図2は、本発明の一実施形態による情報処理端末10の構成を示す説明図である。図2に示したように、本発明の一実施形態による情報処理端末10は、検出部110、ビーコン受信部120、操作表示部130、通信部140および制御部150を有する。
【0044】
(検出部110)
検出部110は、加速度センサまたは気圧センサ等により、利用者の動作を検出する。利用者の動作とは、例えば、歩数、走行距離または昇降階数等である。また、検出部110は、利用者の消費カロリーまたは心拍数等を検出してもよい。検出部110によって検出される情報は、利用者の健康情報の一例である。
【0045】
(ビーコン受信部120)
ビーコン受信部120は、ビーコン発信機20から発信されるビーコン信号を受信する。ビーコン受信部120は、例えばBLE通信によりビーコン発信機20から発信されたビーコン信号を受信してもよい。
【0046】
(操作表示部130)
操作表示部130は、情報処理端末10の利用者による操作を検出する操作部としての機能、および多様な画面を表示する表示部としての機能を有する。例えば、操作表示部130は、通信部140によって受信された健康増進メッセージを表示する。また、操作表示部130は、利用者の健康増進メッセージに含まれる健康増進メッセージにおいて推奨された行動の達成状況および報酬情報を表示してもよい。
【0047】
また、利用者は、操作表示部130を操作することにより、利用者の食事に関する情報、体重および身長等の身体情報、または起床時間および就寝時間等の活動情報等の利用者の健康情報を入力してもよい。このような操作表示部130は、例えば、タッチパネルとディスプレイの積層構造であってもよい。なお、操作部としての機能と表示部としての機能は分離して実現されてもよい。
【0048】
(通信部140)
通信部140は、ネットワーク網50を介して健康行動管理装置40と通信する。例えば、通信部140は、健康行動管理装置40から健康増進メッセージを受信する。また、通信部140は、行動の達成状況の情報および報酬情報を、健康行動管理装置40から受信する。
【0049】
また、通信部140は、検出部110によって検出された、または操作表示部130に入力された、利用者の健康情報、およびビーコン受信部120が受信したビーコン信号から抽出されたビーコンIDを、健康行動管理装置40に送信する。また、通信部140は、ビーコン受信部120からビーコン信号が受信できない場合には、ビーコン信号が受信できないことを健康行動管理装置40に通知してもよい。
【0050】
(制御部150)
制御部150は、情報処理端末10の動作全般を制御する。例えば、制御部150は、通信部140によって受信された健康増進メッセージを、操作表示部130に表示させる。また、制御部150は、ビーコン受信部120が受信したビーコン信号から、ビーコンIDを抽出する。
【0051】
<3.表示装置30の構成>
以上、本発明の一実施形態による情報処理端末10の構成例を説明した。続いて、表示装置30の構成例を説明する。
【0052】
図3は、本発明の一実施形態による表示装置30の構成を示す説明図である。図3に示したように、本発明の一実施形態による表示装置30は、表示部310、通信部320、および制御部330を有する。
【0053】
(表示部310)
表示部310は、利用者に対して映像、画像または文字等の情報を出力する。表示部310は、通信部320が健康行動管理装置40から受信した健康増進メッセージを表示することで、利用者に対して当該健康増進メッセージを提示する。表示部310は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。なお、表示部310は、利用者に対して情報を出力するための構成であり、表示部310に代えて、スピーカが音で健康増進メッセージを出力することで利用者に対して当該健康増進メッセージを提示してもよい。
【0054】
(通信部320)
通信部320は、ネットワーク網50を介して健康行動管理装置40と通信する。例えば、通信部320は、健康行動管理装置40から送信される、健康増進メッセージを出力の制御に関する信号を受信する。通信部320は、例えば、健康行動管理装置40から、作成された健康増進メッセージを表示するよう指示する信号または健康増進メッセージの表示を停止するよう指示する信号を受信する。
【0055】
(制御部330)
制御部330は、表示装置30の動作全般を制御する。例えば、制御部330は、通信部320によって受信された、健康増進メッセージを出力の制御に関する信号に従って、表示部310の出力を制御する。
【0056】
<4.健康行動管理装置40の構成>
以上、本発明の一実施形態による表示装置30の構成例を説明した。続いて、健康行動管理装置40の構成例を説明する。
【0057】
図4は、本発明の一実施形態による健康行動管理装置40の構成を示す説明図である。図4に示したように、本発明の一実施形態による健康行動管理装置40は、通信部410、記憶部420、および制御部430を有する。
【0058】
(通信部410)
通信部410は、ネットワーク網50を介して情報処理端末10および表示装置30と通信する。例えば、通信部410は、情報処理端末10から、ビーコンIDを受信する。また、通信部410は、情報処理端末10から、利用者の健康情報を取得する、利用者情報取得部としても機能する。
【0059】
また、通信部410は、健康増進メッセージを情報処理端末10に送信する、メッセージ送信部としても機能する。また、通信部410は、行動管理部433によって管理される行動の達成状況の情報および報酬情報を、情報処理端末10に送信してもよい。
【0060】
また、通信部410は、表示装置30に、健康増進メッセージを出力の制御に関する信号を送信する。
【0061】
(記憶部420)
記憶部420は、制御部430の処理に関するデータ、制御部430の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する。例えば、記憶部420は、情報処理端末10から受信した利用者の健康情報を記憶してもよい。
【0062】
また、記憶部420は、利用者に提示し得る健康増進メッセージを記憶する。具体的には、記憶部420は、利用者の健康情報、利用者の位置、または現在時刻に関する条件と、当該条件を満たした際に後述のメッセージ生成部432が生成する健康増進メッセージとの組み合わせを含む、健康増進メッセージデータベースを記憶する。
【0063】
健康増進メッセージデータベースに含まれる条件となり得る利用者の位置は、利用者が利用する情報処理端末10が受信したビーコン信号から抽出されたビーコンIDによって示されてもよい。利用者の位置がビーコンIDによって示される場合、健康増進メッセージデータベースには、当該ビーコンIDにより識別されるビーコン発信機20の近辺の環境に応じた健康増進メッセージが記憶されてもよい。例えば、ビーコン発信機20の近辺に階段がある場合に、当該ビーコンIDの条件を満たした場合の健康増進メッセージとして、階段の昇降を推奨するメッセージが記憶されてもよい。
【0064】
図5は、記憶部420に記憶される、健康増進メッセージデータベースの一例である。図5が示す健康増進メッセージデータベースは、利用者が利用する情報処理端末10がビーコン発信機20Aを識別するビーコンID「BeaconA」を受信し、かつ現在時刻が12時から13時の間であるという条件と、「階段を降りましょう」という健康増進メッセージとの組み合わせを含む。
【0065】
また、図5が示す健康増進メッセージデータベースは、利用者の健康情報に、歩数が400歩以下であることが含まれ、かつ現在時刻が14時から24時の間という条件と、「もう少し歩きましょう」という健康増進メッセージとの組み合わせを含む。
【0066】
また、図5が示す健康増進メッセージデータベースは、現在時刻が17時から24時の間であるという条件と、「2フロア分の階段を利用しましょう」という健康増進メッセージとの組み合わせを含む。
【0067】
利用者の健康情報、利用者の位置、または現在時刻に関する条件を含む健康増進メッセージデータベースを用いることにより、メッセージ生成部432は、利用者が実行しやすい、または利用者にとって効果的な、利用者の状況に合った健康増進メッセージを生成可能である。つまり本実施形態によれば、利用者の健康を効果的に増進することが可能である。
【0068】
また、記憶部420は、ビーコンIDと表示装置30との対応付けである、表示装置特定データベースを記憶する。表示装置特定データベースは、ビーコンIDと、当該ビーコンIDを発信するビーコン発信機20の近辺にある表示装置30との対応付けを含むデータベースである。また、表示装置特定データベースにおいては、ビーコンIDを発信するビーコン発信機20の近辺に表示装置30がない場合には、当該ビーコンIDには対応する表示装置30がないことを示す情報が対応付けられてもよい。
【0069】
また、記憶部420は、通信部410によって情報処理端末10に送信された健康増進メッセージおよび当該健康増進メッセージが送信された日時を含む、メッセージ送信履歴を記憶する。図6は、記憶部420に記憶される、メッセージ送信履歴の例である。図6に示すように、メッセージ送信履歴は、情報処理端末10の利用者を一意に識別するための識別情報である利用者ID、情報処理端末10への健康増進メッセージの送信時刻、および情報処理端末10に送信した健康増進メッセージを含む。例えば、図6に示すメッセージ送信履歴は、通信部410により、利用者IDが101である利用者が利用する情報処理端末10へ、2022年1月30日の12時01分29秒に、「階段を降りましょう」というメッセージが送信されたことを示している。
【0070】
(制御部430)
制御部430は、健康行動管理装置40の動作全般を制御する。例えば、制御部430は、通信部410により情報処理端末10へ健康増進メッセージが送信されると、当該健康増進メッセージ、当該健康増進メッセージの送信先および送信時刻を記憶するよう、記憶部420を制御する。また、制御部430は、メッセージ生成部432、表示装置制御部431、および行動管理部433としても機能する。
【0071】
(表示装置制御部431)
表示装置制御部431は、利用者の位置に応じた表示装置30への、健康増進メッセージの出力を制御する。表示装置制御部431は、通信部410によって情報処理端末10から受信された、利用者の位置を特定するための情報に基づいて、利用者の位置の近隣にある表示装置30を特定してもよい。
【0072】
例えば、表示装置制御部431は、通信部410によって情報処理端末10から受信されたビーコンIDと対応付けられている表示装置30を、当該情報処理端末10を利用する利用者の位置に応じた表示装置30として特定する。表示装置制御部431は、通信部410により情報処理端末10からビーコンIDが受信されると、記憶部420によって記憶される表示装置特定データベースを参照して、表示装置30を特定する。
【0073】
表示装置制御部431による表示装置30の特定について、図7および図8を用いて説明する。図7は、建物内にビーコン発信機20および表示装置30が設置される例を示したイメージ図である。図7で示した建物内において、利用者Uは、フロアF1~F3の3つのフロアFを、情報処理端末10を携帯して移動する。また、フロアF1には表示装置30Aが設置され、その近傍にビーコン発信機20Aが設置される。フロアF2には表示装置30Bが設置され、その近傍にビーコン発信機20Bが設置される。また、フロアF3にはビーコン発信機20Cが設置される。
【0074】
図8は、図7に示したようにビーコン発信機20および表示装置30が設置された場合の、記憶部420が記憶する表示装置特定データベースの例である。図8に示す表示装置特定データベースは、ビーコン発信機20Aを識別するビーコンIDである「BeaconA」と表示装置30Aとの対応付けを含む。また、図8に示す表示装置特定データベースは、ビーコン発信機20Bを識別するビーコンIDである「BeaconB」と表示装置30Bとの対応付けを含む。また、図8に示す表示装置特定データベースは、ビーコン発信機20Cを識別するビーコンIDである「BeaconC」と、当該ビーコンIDには対応する表示装置30がないことを示す情報との対応付けを含む。
【0075】
図8に示した表示装置特定データベースが記憶部420に記憶されている場合に、図7に示す利用者U1がフロアF1に移動すると、利用者U1が利用する情報処理端末10Aは、ビーコン発信機20AからビーコンID「BeaconA」を含むビーコン信号を受信する。情報処理端末10Aは、健康行動管理装置40にビーコンID「BeaconA」を送信する。表示装置制御部431は、表示装置特定データベースを参照して、利用者U1の位置に応じた表示装置30として、表示装置30Aを特定する。表示装置制御部431は、利用者U1の状況に応じて後述のメッセージ生成部432によって生成された健康増進メッセージを、表示装置30Aに出力するよう制御する。
【0076】
一方、図7に示すように利用者U2がフロアF3に移動すると、利用者U2が利用する情報処理端末10Bは、ビーコン発信機20CからビーコンID「BeaconC」を含むビーコン信号を受信する。情報処理端末10Bは、健康行動管理装置40にビーコンID「BeaconC」を送信する。表示装置制御部431は、表示装置特定データベースを参照して、利用者U2の位置に応じた表示装置30がないと判定する。この場合、表示装置制御部431は、利用者U2の状況に応じて生成された健康増進メッセージを、どの表示装置30にも出力しない。
【0077】
表示装置制御部431は、上述したように、利用者の位置に応じた表示装置30を特定し、当該表示装置30への、健康増進メッセージの出力を制御する。具体的には、表示装置制御部431は、利用者の状況に応じた健康増進メッセージを表示装置30に出力するよう指示する信号を、通信部410に送信させる。
【0078】
また、表示装置制御部431は、健康増進メッセージの表示装置30への表示を停止することを制御してもよい。例えば、通信部410が、情報処理端末10から送信された、ビーコン信号が受信できないことの通知を受信したとする。この場合には、表示装置制御部431は、健康増進メッセージの表示を停止することを指示する信号を、当該情報処理端末10の利用者の状況に合わせたメッセージを表示している表示装置30へ送信するよう通信部410を制御してもよい。また、表示装置制御部431は、利用者の状況に応じた健康増進メッセージの出力を開始してから所定の時間が経過した後に、健康増進メッセージの表示を停止することを指示する信号を、表示装置30へ送信するよう通信部410を制御してもよい。
【0079】
また、表示装置制御部431は、後述のメッセージ生成部432によって利用者の状況に合わせた健康増進メッセージが生成されない場合、記憶部420が保持するメッセージ送信履歴を参照し、所定の期間内(例えば、10分以内)に当該利用者が利用する情報処理端末10に送信された健康増進メッセージを、表示装置30へ出力するよう制御してもよい。
【0080】
(メッセージ生成部432)
メッセージ生成部432は、利用者の状況に合わせて、健康増進メッセージを生成する。メッセージ生成部432によって生成されるメッセージは、例えば、利用者の健康を増進するための行動を推奨するメッセージを含む。また、メッセージ生成部432は、利用者の健康情報、利用者の位置、または現在時刻に基づいて、健康増進メッセージを生成する。メッセージ生成部432は、記憶部420に記憶される健康増進メッセージデータベースを参照して、メッセージを生成してもよい。例えば、メッセージ生成部432は、情報処理端末10からビーコン発信機20Aを識別するビーコンID「BeaconA」を受信し、かつ現在時刻が12時から13時の間である場合に、図5に示した健康増進メッセージデータベースを参照して、「階段を降りましょう」という健康増進メッセージを生成する。
【0081】
メッセージ生成部432は、通信部410により情報処理端末10から位置を特定するための情報が受信されたタイミングで健康増進メッセージを生成してもよいし、所定の時刻または所定の時間間隔で、健康増進メッセージを生成してもよい。また、メッセージ生成部432は、健康情報に関する条件が達成されたタイミングで、健康増進メッセージを生成してもよい。
【0082】
また、メッセージ生成部432は、表示装置制御部431により利用者の位置に応じた表示装置30として特定された表示装置30に、健康増進メッセージが表示されているか否かを判定してもよい。当該利用者と異なる他の利用者に対する健康増進メッセージが既に出力されている場合には、健康増進メッセージを生成しなくてもよい。
【0083】
なお、メッセージ生成部432によって利用者の状況に合わせて生成された健康増進メッセージは、当該利用者以外の利用者に送信されてもよい。例えば、表示装置制御部431により利用者の位置に応じた表示装置30として特定された表示装置30に、当該利用者と異なる他の利用者に対する健康増進メッセージが既に出力されている場合がある。この場合、通信部410は、他の利用者に対する健康増進メッセージを、利用者が利用する情報処理端末10に送信してもよい。また、この場合、記憶部420は、送信された健康増進メッセージが利用者本人の状況に合わせて生成されたか、利用者本人と異なる利用者の状況に合わせて生成されたかを区別するための情報を含むメッセージ送信履歴を保持してもよい。かかる構成によれば、利用者が他の利用者に向けた健康増進メッセージに含まれる行動を実行した際にも、利用者へ報酬を付与することが可能になり、利用者の利便性が向上する。
【0084】
また、メッセージ生成部432が健康増進メッセージを生成できない場合、表示装置制御部431は、メッセージ送信履歴に含まれる、所定の期間内に当該利用者が利用する情報処理端末10に送信された健康増進メッセージを、表示装置30へ出力するよう制御してもよい。例えば、表示装置制御部431は、利用者の状況が健康増進メッセージデータベースに含まれる条件を満たさない場合に、上記のように表示装置30への出力を制御してもよい。また、メッセージ生成部432が健康増進メッセージを生成できない場合、通信部410は、メッセージ送信履歴に含まれる、所定の期間内に当該利用者が利用する情報処理端末10に送信された健康増進メッセージを、当該情報処理端末10に送信してもよい。例えば、通信部410は、利用者の状況が健康増進メッセージデータベースに含まれる条件を満たさない場合に、上記のように健康増進メッセージを情報処理端末10に送信してもよい。
【0085】
(行動管理部433)
行動管理部433は、利用者の、健康増進メッセージにおいて推奨された行動の達成状況を管理する。行動管理部433は、利用者が利用する情報処理端末10に送信された、健康増進メッセージにおいて推奨された行動を、当該利用者が達成したか否かを判定する。
【0086】
例えば、行動管理部433は、健康増進メッセージが送信されてからの、利用者の動作に関する情報の変化に基づいて、健康増進メッセージにおいて推奨された行動が達成されたか否かを判定する。例えば、通信部410が、「2フロア分の階段を利用しましょう」という健康増進メッセージを情報処理端末10に送信したとする。行動管理部433は、当該健康増進メッセージが送信されてからの、通信部410が受信した利用者の昇降階数の変化量を、通信部410が情報処理端末10から昇降階数を受信する度に算出する。行動管理部433は、当該変化量を2フロアと算出すると、行動が達成されたと判定する。また、行動管理部433は、行動の達成度合いを管理してもよい。例えば、上記の例において、通信部410が受信した利用者の昇降階数の変化量を1フロアと算出した場合に、行動管理部433は、行動の達成度合いを50%と判定してもよい。
【0087】
また、行動管理部433は、上述した、行動の達成状況に応じて利用者が受領可能な報酬に関する報酬情報を管理する。報酬は金銭であってもよいし、サービスまたは金銭的価値のあるポイント等であってもよい。なお、健康増進メッセージが利用者本人の状況に合わせて生成されたか、利用者本人と異なる利用者の状況に合わせて生成されたかによって、異なる報酬が利用者に付与されてもよい。
【0088】
<5.本実施形態による動作処理例>
以上、本発明の一実施形態による健康行動管理システムの構成を説明した。続いて、本発明の一実施形態による健康行動管理装置40の動作を整理する。図9および図10は、本実施形態に係る健康行動管理装置40の動作処理の一例を説明するための説明図である。
【0089】
まず、図9を用いて、S104からS124までの動作処理を説明する。通信部410は、情報処理端末10がビーコン発信機20から受信したビーコン信号から抽出したビーコンIDを、情報処理端末10から受信する(S104)。表示装置制御部431によって、当該ビーコンIDに基づいて表示装置30が特定されない場合(S108/No)、制御部430は、利用者に合わせた健康増進メッセージがメッセージ生成部432によって生成されたか判定する(S112)。
【0090】
メッセージ生成部432によって利用者に合わせた健康増進メッセージが生成された場合(S112/Yes)、通信部410は、生成された健康増進メッセージを情報処理端末10に送信し、健康行動管理装置40は処理を終了する(S116)。メッセージ生成部432によって利用者に合わせた健康増進メッセージが生成されなかった場合(S112/No)、健康行動管理装置40は処理を終了する。
【0091】
一方、表示装置制御部431によりビーコンIDに基づき表示装置30が特定された場合(S108/Yes)、メッセージ生成部432は、表示装置30に健康増進メッセージが表示されているか否かを判定する(S120)。表示装置30に健康増進メッセージが表示されている場合(S120/Yes)、通信部410は、表示装置30に表示されている健康増進メッセージを、情報処理端末10に送信し、健康行動管理装置40は処理を終了する。表示装置30に健康増進メッセージが表示されていない場合(S120/No)、動作はS128に進められる。
【0092】
続いて、図10を用いて、S128からS148までの動作処理を説明する。表示装置30に健康増進メッセージが表示されていない場合(S120/No)、制御部430は、利用者に合わせた健康増進メッセージがメッセージ生成部432によって生成されたか否かを判定する(S128)。メッセージ生成部432によって利用者に合わせた健康増進メッセージが生成された場合(S128/Yes)、通信部410は、生成された健康増進メッセージを情報処理端末10に送信する(S132)。続いて、表示装置制御部431は、生成された健康増進メッセージを表示装置30に出力するよう制御し、健康行動管理装置40は処理を終了する(S136)。
【0093】
一方、メッセージ生成部432によって利用者に合わせた健康増進メッセージが生成されなかった場合(S128/No)、制御部430は、所定期間内に情報処理端末10に送信した健康増進メッセージが記憶部420に記憶されているか否かを判定する(S140)。情報処理端末10に送信した健康増進メッセージが存在する場合(S140/Yes)、通信部410は、記憶部420に記憶された、過去に送信した健康増進メッセージを、情報処理端末10に送信する(S144)。続いて、表示装置制御部431は、記憶部420に記憶された、過去に送信した健康増進メッセージを表示装置30に出力するよう制御し、健康行動管理装置40は処理を終了する(S148)。
【0094】
情報処理端末10に送信した健康増進メッセージが存在しない場合(S140/No)、健康行動管理装置40は処理を終了する。
【0095】
<6.本実施形態に係る健康行動管理装置40のハードウェア構成>
以上説明した情報処理は、ソフトウェアと以下に説明する健康行動管理装置40のハードウェアとの協働により実現される。
【0096】
図11は、本実施形態に係る健康行動管理装置40のハードウェア構成を示したブロック図である。健康行動管理装置40は、CPU(Central Processing Unit)4002と、ROM(Read Only Memory)4004と、RAM(Randome Access Memory)4006と、内部バス4008と、入出力インターフェース4010と、表示部4012と、入力部4013と、音声出力部4014と、記憶部420と、ドライブ4016と、ネットワークインターフェース4017と、外部インターフェース4018と、を備えることができる。
【0097】
CPU4002は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って健康行動管理装置40内の動作全般を制御する。CPU4002が後述するROM4004、RAM4006及びソフトウェアと協働することにより、例えば、制御部430などの機能が実現され得る。
【0098】
ROM4004は、CPU4002が使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶する。RAM4006は、CPU4002の実行において使用するプログラム、およびその実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。
【0099】
CPU4002、ROM4004、RAM4006は、内部バス4008によって相互に接続され、さらに入出力インターフェース4010を介して後述する表示部4012、入力部4013、音声出力部4014、記憶部420、ドライブ4016、ネットワークインターフェース4017、外部インターフェース4018と接続される。
【0100】
表示部4012は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED装置などの表示装置であり、映像データを映像に変換して出力する。また、入力部4013は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサ、スイッチ及びレバーなどメンバーが情報を入力するための入力手段と、メンバーによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU4002に出力する入力制御回路などから構成され得る。また、音声出力部4014は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置であり、音声データなどを音声に変換して出力する。
【0101】
記憶部420は、データ記憶用の装置である。記憶部420は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。記憶部420は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。この記憶部420は、ストレージを駆動し、CPU4002が実行するプログラムや各種データを記憶する。
【0102】
ドライブ4016は、記憶媒体用リーダライタであり、健康行動管理装置40に内蔵、または外付けされる。ドライブ4016は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体に記憶されている情報を読み出して、RAM4006に出力する。また、ドライブ4016は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むことも可能である。
【0103】
ネットワークインターフェース4017は、例えば、インターネットなどの通信網に接続するためのデバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース4017は、有線LAN(Local Area Network)または無線LAN対応通信装置であってもよいし、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0104】
外部インターフェース4018は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート、RS-232Cポートまたは光オーディオ端子などのような外部接続機器を接続するための接続ポートで構成された接続インターフェースである。
【0105】
<7.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0106】
例えば、上記実施形態では、情報処理端末10が1のビーコン発信機20からビーコン信号を受信する例について説明したが、情報処理端末10は、複数のビーコン発信機20から同時にビーコン信号を受信してもよい。この場合には、情報処理端末10の通信部140は、ビーコン受信部120が受信したビーコン信号のうち、信号強度が最も高いビーコン信号から抽出したビーコンIDを健康行動管理装置40に送信してもよい。また、情報処理端末10の通信部140は、ビーコン受信部120が受信したビーコン信号から抽出した複数のビーコンIDと、ビーコン信号の強度の組み合わせを健康行動管理装置40に送信してもよい。その場合には、健康行動管理装置40の表示装置制御部431によって、複数のビーコン信号の強度とビーコンIDに基づいて表示装置30が特定される。
【0107】
また、上記実施形態では、ビーコン信号から抽出されたビーコンIDに基づいて情報処理端末10の位置を特定するとしたが、情報処理端末10の位置は他の手法によって特定されてもよい。例えば、情報処理端末10は、GNSS(Global Nagation Satellite System)等によって位置を検出し、位置情報を健康行動管理装置40に送信してもよい。ただし、本システムが屋内で利用される際には、ビーコンIDに基づいて位置が特定されることが望ましい。特にオフィスビル等の建物の各フロアのうち複数のフロアに表示装置30が設置される際には、ビーコンIDに基づいて位置が特定されることが望ましい。ビーコンIDに基づいて位置を特定することにより、室内でも正確に情報処理端末10の位置を特定することが可能である。そのため、健康行動管理装置40は、利用者が確認可能な表示装置30を正確に特定できる。
【0108】
また、情報処理端末10の位置は、複数の手法を組み合わせて特定されてもよい。例えば、屋外ではGNSSにより位置が特定され、屋内ではビーコンIDに基づいて位置が特定されてもよい。
【0109】
また、情報処理端末10、表示装置30および健康行動管理装置40などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述し情報処理端末10、表示装置30および健康行動管理装置40の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた非一時的な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0110】
10 情報処理端末
20 ビーコン発信機
30 表示装置
40 健康行動管理装置
110 検出部
120 ビーコン受信部
130 操作表示部
140 通信部
150 制御部
310 表示部
320 通信部
330 制御部
410 通信部
420 記憶部
430 制御部
431 表示装置制御部
432 メッセージ生成部
433 行動管理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11