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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062930
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】電子霧化装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240501BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240501BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240501BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/46
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116051
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】202211309580.3
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】羅 永傑
(72)【発明者】
【氏名】鄭 維
(72)【発明者】
【氏名】李 丹丹
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC01
4B162AC10
4B162AC27
4B162AC50
(57)【要約】      (修正有)
【課題】断熱効果を高めつつ小型化に有利な電子霧化装置を提供する。
【解決手段】霧化アセンブリはハウジング本体の取付キャビティ内に配置され、取付キャビティの内壁には、取付キャビティの内壁に沿った環状凹溝である凹溝が設けられることにより、取付キャビティ内に位置する霧化アセンブリの外面と凹溝の内壁との間には隙間がある。この隙間によって断熱可能な空気層が形成され、この空気層によって霧化アセンブリの熱がハウジング本体の外面に直接伝達されるのを効果的に低減することができる。また、空気層は、取付キャビティの内壁に直接凹溝を設けることにより形成されるため、即ち、ハウジング本体の肉厚を薄くして空気層を形成するため、ハウジング本体の大型化を招くことなく、電子霧化装置の小型化の設計に有利である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部には取付キャビティが形成されたハウジング本体と、
前記取付キャビティ内に配置された霧化アセンブリと、を含み、
前記取付キャビティの内壁には、前記取付キャビティの内壁に沿った環状凹溝である凹溝が設けられており、前記霧化アセンブリの外面と前記凹溝の内壁との間には径方向において隙間がある、ことを特徴とする電子霧化装置。
【請求項2】
前記霧化アセンブリは径方向に弾性変形可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の電子霧化装置。
【請求項3】
前記霧化アセンブリの径方向の寸法と前記取付キャビティの径方向の寸法との差が0~0.6mmであり、前記凹溝の径方向の深さが0.2mm~0.4mmである、ことを特徴とする請求項2に記載の電子霧化装置。
【請求項4】
前記霧化アセンブリは、発熱体と、前記発熱体の外側を被覆する断熱ユニットとを含み、前記断熱ユニットの外面と前記凹溝の内壁との間には隙間があり、前記断熱ユニットは径方向に弾性変形可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の電子霧化装置。
【請求項5】
前記断熱ユニットは、前記発熱体に隣接して配置された断熱層と、前記断熱層の外側に配置された均熱層とを含み、前記断熱層は径方向に弾性変形可能である、ことを特徴とする請求項4に記載の電子霧化装置。
【請求項6】
前記断熱層はエアロゲル層であり、及び/又は、前記均熱層はグラファイト層である、ことを特徴とする請求項5に記載の電子霧化装置。
【請求項7】
前記凹溝の軸方向の長さは、前記霧化アセンブリの軸方向の長さよりも長い、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電子霧化装置。
【請求項8】
前記凹溝の軸方向の長さと前記霧化アセンブリの軸方向の長さとの差が1mm~20mmである、ことを特徴とする請求項7に記載の電子霧化装置。
【請求項9】
前記凹溝の内壁と前記取付キャビティの内壁との接続部位がテーパ面を介して遷移して接続されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電子霧化装置。
【請求項10】
前記ハウジング本体上に配置され、前記霧化アセンブリに電気的に接続可能な電池アセンブリをさらに含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化技術分野に関し、特に電子霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子霧化装置では、ハウジング内に発熱体が配置されており、発熱体は霧化媒体を加熱することによりエアロゾルを発生させ、これにより発熱体の熱がハウジング外に伝達される。従来の電子霧化装置では、一般にハウジング内に断熱構造が設けられるため、断熱構造の設置に合わせるためにハウジングのサイズを大きくする必要があり、電子霧化装置の小型化に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、上記問題に対して、断熱効果を高めつつ小型化に有利な電子霧化装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
電子霧化装置であって、内部には取付キャビティが形成されたハウジング本体と、前記取付キャビティ内に配置された霧化アセンブリと、を含み、前記取付キャビティの内壁には、前記取付キャビティの内壁に沿った環状凹溝である凹溝が設けられており、前記霧化アセンブリの外面と前記凹溝の内壁との間には径方向において隙間がある。
【0005】
一実施例では、前記霧化アセンブリは径方向に弾性変形可能である。
【0006】
一実施例では、前記霧化アセンブリの径方向の寸法と前記取付キャビティの径方向の寸法との差が0~0.6mmであり、前記凹溝の径方向の深さが0.2mm~0.4mmである。
【0007】
一実施例では、前記霧化アセンブリは、発熱体と、前記発熱体の外側を被覆する断熱ユニットとを含み、前記断熱ユニットの外面と前記凹溝の内壁との間には隙間があり、前記断熱ユニットは径方向に弾性変形可能である。
【0008】
一実施例では、前記断熱ユニットは、前記発熱体に隣接して配置された断熱層と、前記断熱層の外側に配置された均熱層とを含み、前記断熱層は径方向に弾性変形可能である。
【0009】
一実施例では、前記断熱層はエアロゲル層であり、及び/又は、前記均熱層はグラファイト層である。
【0010】
一実施例では、前記凹溝の軸方向の長さは、前記霧化アセンブリの軸方向の長さよりも長い。
【0011】
一実施例では、前記凹溝の軸方向の長さと前記霧化アセンブリの軸方向の長さとの差が1mm~20mmである。
【0012】
一実施例では、前記凹溝の内壁と前記取付キャビティの内壁との接続部位がテーパ面を介して遷移して接続されている。
【0013】
一実施例では、前記電子霧化装置は、前記ハウジング本体上に配置され、前記霧化アセンブリに電気的に接続可能な電池アセンブリをさらに含む。
【発明の効果】
【0014】
上記電子霧化装置によれば、霧化アセンブリは、ハウジング本体の取付キャビティ内に配置されており、取付キャビティの内壁には、取付キャビティの内壁に沿った環状凹溝である凹溝が設けられているため、取付キャビティ内に位置する霧化アセンブリの外面と凹溝の内壁との間に隙間がある。この隙間によって空気層が形成され、この空気層によって霧化アセンブリの熱がハウジング本体の外面に直接伝達されるのを効果的に低減することができる。また、空気層は、取付キャビティの内壁に直接凹溝を設けることにより形成されるため、この実現方法は、ハウジング本体の肉厚を薄くして空気層を形成するものであり、ハウジング本体の大型化を招くことなく、電子霧化装置の小型化の設計に有利である。
【0015】
本発明の一部を構成する図面は、本発明をさらに理解するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を説明するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。
【0016】
以下、本発明の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、これらの図面に基づいて創造的な努力なしに他の図面を得ることができることが明らかであろう。
【0017】
なお、図面は1:1の縮尺で描かれたものではなく、個々の要素の相対的な寸法は、必ずしも実際の縮尺ではなく、図面において例示的に描かれているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施例における電子霧化装置の断面図である。
図2図1に示す電子霧化装置の部分拡大図である。
図3図2のA箇所の拡大図である。
図4図1の霧化アセンブリの概略構成図である。
図5図4に示す霧化アセンブリの断面図である。
図6図1のハウジング本体の概略構成図である。
図7図6に示すハウジング本体の断面図である。
図8図7に示すハウジング本体の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0020】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例に係る電子霧化装置10は、霧化媒体の霧化を実現するためのものであり、少なくとも断熱効果が高く、使用体験が確保される。本実施例では、電子霧化装置10は固体の霧化媒体を霧化させるために用いられる。別の実施例では、電子霧化装置10は、さらに、液体の霧化媒体を霧化させるために用いられてもよい。
【0021】
具体的には、電子霧化装置10は、ハウジング本体110と、霧化アセンブリ120とを備えており、ハウジング本体110の内部には取付キャビティ111が形成され、霧化アセンブリ120は取付キャビティ111内に配置されている。ここで、取付キャビティ111の内壁には、取付キャビティ111の内壁に沿った環状凹溝である凹溝112が設けられており、霧化アセンブリ120の外面と凹溝112の内壁との間には、径方向aにおいて隙間がある。
【0022】
霧化アセンブリ120は、ハウジング本体110の取付キャビティ111内に配置されており、取付キャビティ111の内壁には、取付キャビティ111の内壁の周方向に沿った環状凹溝である凹溝112が設けられているため、取付キャビティ111内に位置する霧化アセンブリ120の外面と凹溝112の内壁との間に隙間がある。この隙間によって空気層が形成され、この空気層によって霧化アセンブリ120の熱がハウジング本体110の外面に直接伝達されるのを効果的に低減することができる。また、空気層は、取付キャビティ111の内壁に直接凹溝112を設けることにより形成されるため、この実現方法は、ハウジング本体110の肉厚を薄くして空気層を形成するものであり、ハウジング本体110の大型化を招くことなく、電子霧化装置10の小型化の設計に有利である。
【0023】
一実施例では、凹溝112は、取付キャビティ111の内壁の周方向に沿った環状凹溝であり、環状凹溝の周方向は、取付キャビティ111の内壁の周方向と一致すると理解される。別の実施例では、凹溝112の深さが取付キャビティ111の内壁の周方向において一致していない場合、霧化アセンブリ120の外面と凹溝112の内壁との間には径方向aにおいて隙間があることを満たすことができれば、環状凹溝の周方向は、取付キャビティ111の内壁の周方向からある程度ずれていてもよい。
【0024】
図3図5を参照すると、一実施例では、霧化アセンブリ120は、発熱体121と、発熱体121の外側を被覆する断熱ユニット122とを含み、断熱ユニット122の外面と凹溝112の内壁との間には隙間がある。断熱ユニット122を設けることにより、発熱体121のハウジング本体110への熱伝導をさらに低減することができ、発熱体121の熱損失を効果的に低減する一方、ハウジング本体110の温度を低下させ、使用体験を向上させることができる。
【0025】
具体的には、発熱体121内には霧化キャビティ123が形成されており、霧化媒体は、発熱体121により加熱して霧化されるように霧化キャビティ123内に配置することができる。断熱ユニット122は、発熱体121の外側を被覆している。さらに、発熱体121は筒状構造であり、筒状構造の発熱体121内には円柱状の霧化キャビティ123が形成されている。
【0026】
別の実施例では、発熱体121の外形は、霧化キャビティ123を形成して固体の霧化媒体の霧化を容易にすることができれば、プリズム構造であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0027】
一実施例では、断熱ユニット122は、発熱体121に隣接して配置された断熱層124と、断熱層124の外側に配置された均熱層125とを含む。断熱層124を発熱体121に近接して設けることにより、断熱層124によって発熱体121の熱の放散を効果的に遮断することができ、発熱体121による霧化媒体への加熱霧化効率を確保することができる。均熱層125を発熱体121から離れて設けることにより、発熱体121が断熱層124を介して放出する熱を均熱層125に均一に伝導させることができ、さらに均熱層125が凹溝112の内壁との間の空気層を介してハウジング本体110に伝導する熱を均一にさせ、これによりハウジング本体110が局部的に熱くなり、使用体験に影響を与えることを回避する。
【0028】
従来の方式では、均熱処理や断熱処理を行わないと、発熱体121の熱エネルギー消費が高くなるだけでなく、ハウジング本体110に高温集中点が出現し、ハウジング本体110の局所的な温度が上昇して使用体験に影響を与えてしまう。均熱層125を設けることだけによりハウジング本体110が局部的に熱くなることを回避すると、発熱体121の熱の放散が大きくなり、発熱体121の霧化エネルギー消費が高くなってしまう。
【0029】
本実施例では、断熱層124の層数は少なくとも2層であり、各断熱層124は径方向aに沿って積層されている。断熱層124を少なくとも2層に設けることにより、発熱体121の径方向aの放熱経路を効果的に延長することができ、発熱体121に対する断熱効果を向上させる。
【0030】
一実施例では、均熱層125の軸方向bの長さは、断熱層124の軸方向bの長さよりも長い。均熱層125の軸方向bの長さを長くすることにより、均熱効果をより良好に実現することができ、さらにハウジング本体110の局部温度を低下させることが容易になるだけでなく、ハウジング本体110に伝達される熱に対する均熱効果を高めることができる。それと同時に、均熱層125の軸方向bの長さを長くすることにより、霧化キャビティ123の温度をある程度均熱することもでき、さらに霧化キャビティ123によって発生したエアロゾルの均熱効果を高めることができる。
【0031】
本実施例では、断熱層124はエアロゲル層である。エアロゲルとは、ゾルゲル法により、ゲル中の液相を一定の乾燥方式により気体に置換したナノスケールの多孔質固形材料をいう。エアロゲルは良好な保温断熱効果を有する。それと同時に、エアロゲル層は一定の弾性変形能力も有する。別の実施例において、断熱層124は、有効な断熱作用を発揮することができれば、発泡層、発泡セラミック層、グラスウール層又はフェノール樹脂層などであってもよい。あるいは、断熱層124は、少なくとも2層であり、異なる層は、異なる材料で形成されてもよい。
【0032】
一実施例では、均熱層125は、グラファイト層である。グラファイトは高温に耐え、高熱伝導性を有し、常温で良好な化学的安定性を有し、酸、アルカリ及び有機溶剤の腐食に耐性があり、グラファイトは常温で使用する時に温度の急激な変化に耐えて破壊しない。グラファイト層による均熱は、均熱効果を効果的に向上させることができ、霧化アセンブリ120の構造安定性を確保することができる。別の実施例では、均熱層125は、鋼層、アルミニウム層などであってもよい。
【0033】
図2及び図3を併せて参照すると、一実施例において、霧化アセンブリ120は、径方向aに弾性変形可能である。霧化アセンブリ120の取付キャビティ111への取付中に、霧化アセンブリ120を径方向aに圧縮する必要がある。凹溝112が設けられていない場合には、霧化アセンブリ120が取付キャビティ111内に取付けられた後に、取付キャビティ111の内壁と霧化アセンブリ120とが締まりばめとなり、霧化アセンブリ120が常に圧縮された状態になり、霧化アセンブリ120の性能に影響を与える。本発明では、霧化アセンブリ120は、径方向aに圧縮されて取付キャビティ111内に取付けられ、凹溝112の位置に位置決められると、伸張することができる。
【0034】
本実施例では、霧化アセンブリ120の圧縮されていない状態の径方向の寸法は、取付キャビティ111の径方向の寸法以上である。具体的には、霧化アセンブリ120の圧縮されていない状態の径方向の寸法と取付キャビティ111の径方向の寸法との差は、凹溝112の径方向aにおける径方向の深さよりも小さい。さらに、霧化アセンブリ120が凹溝112に対応する位置に取り付けられると、霧化アセンブリ120は伸張し、霧化アセンブリ120の性能を確保するのに役立つ。それと同時に、伸張された霧化アセンブリ120の外面と凹溝112の内壁との間には依然として隙間があり、この隙間は依然として空気層を効果的に形成することができ、断熱効果を確保する。
【0035】
本実施例では、取付キャビティ111の径方向の寸法よりも霧化アセンブリ120の圧縮されていない状態の径方向の寸法を大きくすることにより、取付キャビティ111内での霧化アセンブリ120の取付安定性を確保することができ、取付キャビティ111から霧化アセンブリ120が外れることを防止することができる。
【0036】
本実施例では、霧化アセンブリ120の径方向の寸法と取付キャビティ111の径方向の寸法との差は0~0.6mmであり、凹溝112の径方向aの深さは0.2mm~0.4mmである。ここで、霧化アセンブリ120の圧縮変形がない状態の径方向の寸法と取付キャビティ111の径方向の寸法との差は0~0.6mmである。具体的には、凹溝112の径方向aの深さは0.3mmである。
【0037】
霧化アセンブリ120の圧縮されていない状態の径方向の寸法は、取付キャビティ111の内径以上であり、霧化アセンブリ120の外径と取付キャビティ111の内径との差は0~0.6mmであるので、霧化アセンブリ120が圧縮されていない状態で取付キャビティ111の片側との差は0~0.3mmであると理解され得る。このように、霧化アセンブリ120を取付キャビティ111内に取り付ける際には、霧化アセンブリ120の外面を0~0.30mm内向きに収縮させ、即ち、霧化アセンブリ120の半径を径方向aに0~0.30mmを圧縮する必要がある。例えば、霧化アセンブリ120が圧縮されていない状態の外径と取付キャビティ111の内径との差が0.2mmであり、凹溝112の径方向aの深さが0.3mmである場合、取付キャビティ111への取り付けのために、霧化アセンブリ120の外壁を0.1mm内向きに収縮させる必要がある。そして、霧化アセンブリ120は凹溝112に対応する位置に取り付けられた後、伸張して回復して凹溝112の内壁との間に0.2mmの隙間を形成することができ、0.2mmの厚さの空気層を形成することができる。
【0038】
本実施例では、凹溝112が取付キャビティ111の内壁の周方向に沿った環状凹溝であるため、霧化アセンブリ120の周方向の外面全体は伸張して回復することができ、霧化アセンブリ120の使用性能をさらに確保することができる。
【0039】
一実施例では、断熱ユニット122は、径方向aに弾性変形可能である。凹溝112が設けられていないと、断熱ユニット122が取付キャビティ111内に取り付けられた後、断熱ユニット122が常に圧縮された状態となり、断熱ユニット122の断熱性能に影響を与える。凹溝112によって断熱ユニット122が伸張して回復することができ、伸張後も断熱ユニット122と凹溝112の内壁との間には依然として隙間が存在し、この隙間によって効果的に空気層が形成され、断熱効果が確保される。
【0040】
また、断熱層124は、径方向aに弾性変形可能である。本実施例では、エアロゲル層は、径方向aに弾性変形可能である。本実施例では、断熱層124はエアロゲル層であるため、エアロゲル層を利用することにより、効果的な断熱効果を奏するだけでなく、霧化アセンブリ120の径方向aの弾性変形を容易に実現することができ、霧化アセンブリ120を取付キャビティ111内に効果的に取り付けることができる。
【0041】
本実施例では、均熱層125はグラファイト層であり、比較的薄いため、均熱層125はある程度の柔軟性を有し、断熱層124の径方向aの弾性変形に適応することができる。
【0042】
一実施例では、均熱層125は、径方向aに弾性変形可能である。具体的には、均熱層125は、熱伝導効果が高いだけでなく、径方向aへの弾性変形という目的を実現できる、熱伝導性シリコン、熱可塑性樹脂等の材料で形成することができる。
【0043】
また、均熱層125は、一体となり、例えば円筒状構造であってもよく、断熱層124は均熱層125内に位置する。もちろん、別の実施例では、均熱層125は少なくとも2つの均熱部をさらに含み、各均熱部は断熱層124の周方向に沿って配置されてもよい。
【0044】
別の実施例では、均熱層125は少なくとも2つの均熱部をさらに含み、各均熱部は断熱層124の周方向に沿って配置され、少なくとも2つの隣接する均熱部の間に可動ギャップを有してもよい。本実施例では、断熱層124が径方向aに弾性変形可能であるので、断熱ユニット122全体として径方向aに弾性変形可能であることを容易にするために、断熱ユニット122が圧縮されていない状態で、少なくとも2つの隣接する均熱部の間に可動ギャップが形成されている。断熱ユニット122が径方向に圧縮されると、可動ギャップは次第に減少して、さらに消滅して、圧縮された状態で断熱ユニット122の径方向の寸法を減少させる目的を達成し、断熱ユニット122を取付キャビティ111内に容易に取り付けることができる。具体的には、均熱層125は硬質均熱構造であり、均熱部は硬質構造であってもよい。
【0045】
図2及び図3を参照すると、一実施例では、ハウジング本体110を貫通する取付キャビティ111の一端には取付口113が形成され、凹溝112と取付口113との間には隙間があり、霧化アセンブリ120は取付口113を介して取付キャビティ111内に取り付けられ、凹溝112の位置に位置決められる。本実施例では、霧化キャビティ123と取付口113とが連通しており、固体の霧化媒体は取付口113を介して霧化キャビティ123内に貫通して設けることができる。
【0046】
一実施例では、電子霧化装置10は、霧化アセンブリ120に接続され、取付口113に係合された接続ブラケット130をさらに含む。接続ブラケット130を設けることにより、取付キャビティ111内への霧化アセンブリ120の取付の安定性がさらに確保される。
【0047】
図3を参照すると、一実施例では、凹溝112の内壁と取付キャビティ111の内壁との接続部位は、テーパ面を介して遷移して接続されている。テーパ面によって凹溝112の内壁と取付キャビティ111の内壁との間の滑らかな遷移を実現し、霧化アセンブリ120が取付キャビティ111内で段差位置に当たることを回避することができ、霧化アセンブリ120への保護効果を向上させることができる。別の実施例では、凹溝112の内壁と取付キャビティ111の内壁とは、直接階段状に遷移することができる。或いは、凹溝112の内壁と取付キャビティ111の内壁との間は、凹状の円弧面を介して遷移して接続されてもよい。
【0048】
一実施例では、凹溝112の軸方向bの長さは、霧化アセンブリ120の軸方向bの長さよりも長い。霧化アセンブリ120は取付キャビティ111内に取り付けられ、凹溝112の位置に位置決められる際に、凹溝112の軸方向bの長さを霧化アセンブリ120の軸方向bの長さよりも長くすることによって、霧化アセンブリ120は完全に伸張して回復することができ、霧化アセンブリ120の使用効率がさらに確保される。
【0049】
本実施例では、凹溝112の軸方向bの長さと霧化アセンブリ120の軸方向bの長さとの差は、1mm~20mmである。一方では、凹溝112の軸方向bの長さと霧化アセンブリ120の軸方向bの長さとの差が大きすぎて、凹溝112のサイズが長すぎて、凹溝112が設けられるハウジング本体110の薄肉の厚い部分が長くなり、ハウジング本体110の構造的安定性に影響を与えることが回避される。他方では、特定の差の範囲を制御することによって、霧化アセンブリ120の伸張回復のための十分な空間が確保される。凹溝112の軸方向bの長さと霧化アセンブリ120の軸方向bの長さとの差は、霧化アセンブリ120の軸方向bの長さによって影響され、霧化アセンブリ120の軸方向bの長さが長くなるほど、必要とする伸張回復空間が大きくなり、凹溝112の軸方向bの長さは、1mm~20mmの範囲で長くなる。
【0050】
図6図8を参照すると、一実施例において、ハウジング本体110は筒状構造であり、ハウジング本体110内には取付キャビティ111が形成され、取付キャビティ111の形状はハウジング本体110の外形と一致し、かつ取付キャビティ111の軸方向はハウジング本体110の長手方向と一致する。
【0051】
一実施例では、ハウジング本体110の外形は柱状構造であり、例えば、円筒構造であってもよく、対応するハウジング本体110の断面は円形である。別の実施例では、ハウジング本体110は、他の形状の柱状構造であってもよく、ハウジング本体110の断面は、対応して、楕円形、三角形、正方形、ひし形、台形、五角形、六角形、又は八角形などであってもよい。本実施例では、ハウジング本体110の断面形状は、略三角形状である。
【0052】
一実施例では、ハウジング本体110は、任意の適切な材料又は材料の組み合わせから形成され得る。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、又は1種以上のこれらの材料を含む複合材料、又はポリプロピレンもしくはポリエチレンなどの食品又は医薬用途に適した熱可塑性材料が挙げられる。特定の実施例では、ハウジング本体110を形成する材料は軽量で、壊れにくい。
【0053】
別の実施例では、ハウジング本体110は、断熱効果を有する材料で構成され、霧化アセンブリ120によるハウジング本体110への熱伝導をさらに低減することができる。
【0054】
再び図1及び図2を参照すると、一実施例では、電子霧化装置10は、ハウジング本体110上に配置され、霧化アセンブリ120に電気的に接続可能な電池アセンブリ140をさらに含む。電池アセンブリ140を設けることにより、霧化アセンブリ120に電力を効率的に供給することができ、霧化アセンブリ120の加熱霧化を容易にする。具体的には、電池アセンブリ140は、発熱体121に電気的に接続されている。
【0055】
一実施例では、ハウジング本体110内には、取付キャビティ111の軸方向に配置され、取付キャビティ111と連通する収容キャビティ114が形成され、電池アセンブリ140は、収容キャビティ114内に配置される。収容キャビティ114によって、電池アセンブリ140のための取付空間を効果的に提供することができる。具体的には、収容キャビティ114は、取付キャビティ111の取付口113から遠い側に位置している。本実施例では、収容キャビティ114の径方向の寸法は、取付キャビティ111の径方向の寸法と一致しており、収容キャビティ114は、取付キャビティ111と同軸である。さらに、ハウジング本体110の内部には、径方向の寸法が一致するキャビティ構造が形成されており、霧化アセンブリ120を取り付けるための部分が取付キャビティ111であり、電池アセンブリ140を取り付けるための部分が収容キャビティ114であり、ハウジング本体110の構造の複雑さがさらに低減される。
【0056】
一実施例では、電池アセンブリ140は、コントローラ141と、コントローラ141に電気的に接続されたセル142とを含み、発熱体121はコントローラ141に電気的に接続される。コントローラ141は、発熱体121へのセル142の電気的伝達を制御することができる。
【0057】
具体的には、コントローラ141は、霧化アセンブリ120とセル142との間に位置し、セル142のコントローラ141から遠い端部には、充電コネクタが形成される。充電コネクタを介してセル142への充電は容易となる。
【0058】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0059】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形及び改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【0060】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0061】
なお、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0062】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていてもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接的に接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて当業者には理解されるであろう。
【0063】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0064】
なお、一方の素子が他方の素子に「固定される」、「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよいし、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよいし、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【符号の説明】
【0065】
10 電子霧化装置
110 ハウジング本体
111 取付キャビティ
112 凹溝
113 取付口
114 収容キャビティ
120 霧化アセンブリ
121 発熱体
122 断熱ユニット
123 霧化キャビティ
124 断熱層
125 均熱層
130 接続ブラケット
140 電池アセンブリ
141 コントローラ
142 セル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8