(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062931
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】充電端子、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/95 20200101AFI20240501BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240501BHJP
【FI】
A24F40/95
A24F40/40
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116053
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】202222812421.7
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】羅 永傑
(72)【発明者】
【氏名】鄭 維
(72)【発明者】
【氏名】謝 崢俊
(72)【発明者】
【氏名】陳 涛
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC33
4B162AC44
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明では、導電領域と充電台上の電気接点との接触面積がより大きくなり、充電時の接触故障を低減し、かつ充電端子と充電台との接続安定性を向上させることができる充電端子、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システムを提供する。
【解決手段】充電端子は導電領域及び絶縁領域が間隔をおいて配置された導電平面を有し、導電領域の有効面積は絶縁領域の有効面積より大きい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電領域及び絶縁領域が間隔をおいて配置された導電平面を有し、
前記導電領域の有効面積は、前記絶縁領域の有効面積よりも大きい、ことを特徴とする充電端子。
【請求項2】
前記導電領域は、少なくとも2つの導電部を含み、前記絶縁領域は、隣接する前記導電部同士の間に間隔をおいて配置された絶縁部を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の充電端子。
【請求項3】
各前記導電部は閉じた環状に構成され、前記絶縁部は前記導電部と同心に配置された閉じた環状に構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の充電端子。
【請求項4】
各前記導電部の径方向の幅は、それに隣接する前記絶縁部の径方向の幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の充電端子。
【請求項5】
各前記導電部とそれに隣接する前記絶縁部との径方向の幅の比は、1:1~1:0.3の範囲である、ことを特徴とする請求項4に記載の充電端子。
【請求項6】
前記導電領域は、前記導電平面上に間隔をおいて交互に配置された正極導電部及び負極導電部を含み、前記絶縁部は、隣接する前記正極導電部と前記負極導電部との間に設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の充電端子。
【請求項7】
前記充電端子は、前記導電平面とは反対側の接続面をさらに備えており、前記接続面には第1の電気接点及び第2の電気接点が突設されており、
前記第1の電気接点は前記正極導電部に電気的に接続され、前記第2の電気接点は前記負極導電部に電気的に接続されている、ことを特徴とする請求項6に記載の充電端子。
【請求項8】
前記第1の電気接点は、前記充電端子の周方向に間隔をおいて配置された少なくとも2つの第1のサブ接点を含み、及び/又は前記第2の電気接点は、前記充電端子の周方向に間隔をおいて配置された少なくとも2つの第2のサブ接点を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の充電端子。
【請求項9】
前記導電領域は、信号導電部をさらに含み、前記信号導電部とそれに隣接する前記負極導電部とは、前記絶縁部を介して間隔をおいて配置される、ことを特徴とする請求項6に記載の充電端子。
【請求項10】
前記充電端子は、前記導電平面とは反対側の接続面をさらに備えており、前記接続面には、前記信号導電部と電気的に接続される第3の電気接点が突設されている、ことを特徴とする請求項9に記載の充電端子。
【請求項11】
本体と、
前記本体に設けられた請求項1~10のいずれか1項に記載の充電端子とを含み、
前記導電平面は前記充電端子の前記本体とは反対側の面に形成され、前記導電領域は少なくとも2つの導電部を含み、各前記導電部は前記本体と電気的に接続されている、ことを特徴とするエアロゾル発生装置。
【請求項12】
充電台と、
請求項11に記載のエアロゾル発生装置とを含み、
前記エアロゾル発生装置は、前記充電台に着脱可能に設けられ、前記充電端子を介して前記充電台に電気的に接続されている、ことを特徴とするエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置は角柱状であり、前記充電台の一側には前記エアロゾル発生装置を収容するための収容キャビティが設けられ、前記エアロゾル発生装置は前記収容キャビティに倣って密着する、ことを特徴とする請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置には、第1の磁気吸引部材が設けられ、前記収容キャビティ内には、前記エアロゾル発生装置を前記収容キャビティ内に磁気的に吸引して固定するように、前記第1の磁気吸引部材に適合する第2の磁気吸引部材が設けられている、ことを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生システムは、前記収容キャビティ内に配置されたストッパをさらに含み、前記ストッパは、前記収容キャビティ内に前記エアロゾル発生装置を周方向に制限するように、前記エアロゾル発生装置の周方向に沿って前記収容キャビティの底壁に周設される、ことを特徴とする請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル装置の技術分野に関し、特に、充電端子、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエアロゾル発生装置は、通常、非燃焼加熱により使用者が吸入するための化合物の活性物質を放出するものであり、エアロゾル発生装置を充電して電気エネルギーを熱エネルギーに変換する必要がある。
【0003】
しかしながら、従来のエアロゾル発生装置は、充電中に接触故障が発生しやすく、充電効果が不良、あるいは充電に失敗するといった問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、従来のエアロゾル発生装置は、充電時に接触故障が発生しやすく、充電効果が不良、あるいは充電に失敗するという問題に対して、充電端子、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様は、導電領域及び絶縁領域が間隔をおいて配置された導電平面を有し、前記導電領域の有効面積は前記絶縁領域の有効面積よりも大きい充電端子を提供する。
【0006】
いくつかの実施例では、前記導電領域は、少なくとも2つの導電部を含み、前記絶縁領域は、隣接する前記導電部同士の間に間隔をおいて配置された絶縁部を含む。
【0007】
いくつかの実施例では、各前記導電部は閉じた環状に構成され、前記絶縁部は前記導電部と同心に配置された閉じた環状に構成される。
【0008】
いくつかの実施例では、各前記導電部の径方向の幅は、それに隣接する前記絶縁部の径方向の幅よりも大きい。
【0009】
いくつかの実施例では、各前記導電部とそれに隣接する前記絶縁部との径方向の幅の比は、1:1~1:0.3の範囲である。
【0010】
いくつかの実施例では、前記導電領域は、前記導電平面上に間隔をおいて交互に配置された正極導電部及び負極導電部を含み、前記絶縁部は、隣接する前記正極導電部と前記負極導電部との間に設けられている。
【0011】
いくつかの実施例では、前記充電端子は、前記導電平面とは反対側の接続面をさらに備えており、前記接続面には第1の電気接点及び第2の電気接点が突設されており、前記第1の電気接点は前記正極導電部に電気的に接続され、前記第2の電気接点は前記負極導電部に電気的に接続されている。
【0012】
いくつかの実施例では、前記第1の電気接点は、前記充電端子の周方向に間隔をおいて配置された少なくとも2つの第1のサブ接点を含み、及び/又は前記第2の電気接点は、前記充電端子の周方向に間隔をおいて配置された少なくとも2つの第2のサブ接点を含む。
【0013】
いくつかの実施例では、前記導電領域は、信号導電部をさらに含み、前記信号導電部とそれに隣接する前記負極導電部とは、前記絶縁部を介して間隔をおいて配置される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記充電端子は、前記導電平面とは反対側の接続面をさらに備えており、前記接続面には、前記信号導電部と電気的に接続される第3の電気接点が突設されている。
【0015】
本発明の第2態様は、本体と、前記本体に設けられた上記の充電端子とを含み、前記導電平面は前記充電端子の前記本体とは反対側の面に形成され、前記導電領域は少なくとも2つの導電部を含み、各前記導電部は前記本体と電気的に接続されているエアロゾル発生装置を提供する。
【0016】
本発明の第3態様は、充電台と、上記のエアロゾル発生装置とを含み、前記エアロゾル発生装置は、前記充電台に着脱可能に設けられ、前記充電端子を介して前記充電台に電気的に接続されているエアロゾル発生システムを提供する。
【0017】
いくつかの実施例では、前記エアロゾル発生装置は角柱状であり、前記充電台の一側には前記エアロゾル発生装置を収容するための収容キャビティが設けられ、前記エアロゾル発生装置は前記収容キャビティに倣って密着する。
【0018】
いくつかの実施例では、前記エアロゾル発生装置には、第1の磁気吸引部材が設けられ、前記収容キャビティ内には、前記エアロゾル発生装置を前記収容キャビティ内に磁気的に吸引して固定するように、前記第1の磁気吸引部材に適合する第2の磁気吸引部材が設けられている。
【0019】
いくつかの実施例では、前記エアロゾル発生システムは、前記収容キャビティ内に配置されたストッパをさらに含み、前記ストッパは、前記収容キャビティ内に前記エアロゾル発生装置を周方向に制限するように、前記エアロゾル発生装置の周方向に沿って前記収容キャビティの底壁に周設される。
【発明の効果】
【0020】
上記の充電端子、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システムによれば、充電端子の導電平面が充電台に接続され、導電平面の導電領域の有効面積が絶縁領域の有効面積よりも大きいことにより、導電領域と充電台上の電気接点との接触面積がより大きくなり、充電時の接触故障を低減し、かつ充電端子と充電台との接続安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明のいくつかの実施例に係るエアロゾル発生装置の全体概略構成図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施例に係る充電端子の概略斜視図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施例に係る充電端子の概略正面図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施例に係る充電端子の概略斜視図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施例に係る充電端子の概略背面図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施例に係るエアロゾル発生システムの概略構成図である。
【
図7】
図6に示すエアロゾル発生システムの部分分解図である。
【
図8】
図6に示すエアロゾル発生システムの全体分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0023】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0024】
なお、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけであり、相対的な重要性を意味又は示唆し、又は説明された技術的特徴の数を示唆すると理解されるものではない。従って、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明示的かつ具体的に制限されない限り、「複数」の意味は少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどである。
【0025】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていてもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接的に接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて当業者には理解されるであろう。
【0026】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0027】
なお、一方の素子が他方の素子に「固定される」、「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよいし、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよいし、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0028】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例は、導電領域12及び絶縁領域13が間隔をおいて配置された導電平面11を有する充電端子10を提供する。ここで、導電領域12の有効面積は、絶縁領域13の有効面積よりも大きい。
【0029】
なお、充電端子10とは、エアロゾル発生装置100に装着され、エアロゾル発生装置100の充電過程を実現するために充電台と電気的に接続するための部材をいう。有効面積とは、導電領域12において充電台と電気的に接続可能な面積である。
【0030】
従来技術では、電気的接合を容易にするために、充電台及び充電端子10における電気接点は、それぞれ、互いに嵌合する突起及び凹溝構造として構成される。充電が必要な場合には、凹溝構造内に突起を挿入して、充電台と充電端子10との嵌合接続を実現する。
【0031】
しかしながら、上記構成では、充電台と充電端子10との嵌合接続は凹凸位置決め方式で実現されるため、製品使用時の出し入れの位置決め精度に対する要求が高く、製品使用の体験感に影響し、製品の美観性や一体性を損なってしまう。
【0032】
これに対し、本発明に係る充電端子10は、導電領域12及び絶縁領域13が間隔をおいて配置された導電平面11を有する。充電時には、導電平面11が充電台と接触し、その導電領域12が充電台上の電気接点と電気的に接続されて充電が実現される。導電平面11における導電領域12と絶縁領域13との高さは一致しているので、導電平面11が充電台上の電気接点に当接するとき、両者の位置合わせは不要である。これにより、充電時の出し入れの位置決め精度を低下させ、体験感を向上させるだけでなく、製品の一体性を向上させることができる。
【0033】
また、導電領域12及び絶縁領域13は、両方とも導電平面11上に設けられているため、充電時には充電端子10と充電台との間が平面接触又は点面接触となり、凹凸位置決め構造がない。したがって、導電領域12の有効面積を絶縁領域13の有効面積よりも大きく設定することにより、充電時に導電領域12と充電台上の電気接点との接触面積をより大きくすることができ、導電領域12と充電台上の電気接点との接続をより円滑にし、充電接触故障を低減することができる。
【0034】
上記構成により、一方では、充電端子10と充電台との間の凹凸位置決め構造が解消され、充電端子10の導電平面11が充電台に接触することにより、充電端子10の出し入れ時の位置決め精度に対する要求が低く、使用時の体験感を向上させることができる。他方では、導電領域12の有効面積は絶縁領域13の有効面積よりも大きいので、導電平面11と充電台との円滑な接触に加えて、導電領域12と充電台上の電気接点との接触面積を拡大することができ、充電接触故障を低減することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、導電領域12は、少なくとも2つの導電部を含み、絶縁領域13は、隣接する導電部同士の間に間隔をおいて配置された絶縁部を含む。ここで、導電部は、導電領域12のうち、充電台上の電気接点と電気的に接続される特定の部位であり、隣接する導電部の間に絶縁部が設けられていることにより、隣接する導電部を絶縁して短絡を回避することができる。
【0036】
図3を参照すると、いくつかの実施例では、各導電部は、閉じた環状に構成され、絶縁部は、導電部と同心に配置された閉じた環状に構成される。
【0037】
具体的には、導電部と絶縁部とが充電端子10の径方向に沿って中心から周囲に向かって順に交互に配置されており、充電端子10が充電台に接続されたときに、充電台上の電気接点が閉じた環状をなす各導電部内に位置するようになっている。これにより、充電端子10が充電台に接触したときに、充電端子10が自身の周方向に回転可能となり、各導電部と充電台上の電気接点との電気的な接続に影響を与えることなく、充電端子10と充電台との接続安定性が向上する。
【0038】
いくつかの別の実施例では、各導電部は、他の形状に構成されてもよく、例えば、各導電部は、互いに間隔を置いたブロック状領域として構成されてもよく、すなわち、各導電部は、互いに不連続であってもよいことを理解されたい。このとき、隣接する2つの導電部の間の領域が絶縁部に構成される。なお、各導電部の具体的な形状は、実際の要求に応じて調整することができる。当然ながら、隣接する2つの導電部間の絶縁を図るように、絶縁部の形状は各導電部の形状の変化に応じて変化するが、ここでは繰り返し説明されない。
【0039】
いくつかの実施例では、各導電部の径方向の幅W1は、それに隣接する絶縁部の径方向の幅W2よりも大きい。すなわち、各閉じた環状の導電部の幅は、いずれも、それに隣接する閉じた環状の絶縁部の幅よりも大きい。これにより、各導電部と充電台との電気的接続位置における接触面積を増加させ、充電接触故障を低減することができる。
【0040】
いくつかの実施例では、各導電部及びそれに隣接する絶縁部の径方向の幅の比は、1:1~1:0.3の範囲である。
【0041】
なお、各導電部とそれに隣接する絶縁部との径方向の幅の比を合理的な範囲に制御する必要がある。比が大きすぎると、絶縁部の幅が小さすぎて絶縁効果に影響を与え、短絡等の不具合が発生しやすくなるおそれがある。比が小さすぎると、導電部の幅が小さくて、導電部と充電台の電気接点との接触面積の拡大に不利となる。
【0042】
これに基づき、各導電部とそれに隣接する絶縁部との径方向の幅の比の範囲を1:1~1:0.3とすることにより、絶縁効果を確保した上で、導電部と充電台の電気接点との接触面積を拡大し、充電接触故障を低減する。
【0043】
具体的には、本実施例では、各導電部の径方向の幅を1mmとし、各絶縁部の径方向の幅を0.65mmとすることができる。これにより、絶縁効果を確保しつつ、導電部と充電台の電気接点との接触面積を拡大し、充電接触故障を低減することができる。
【0044】
いくつかの実施例では、導電領域12は、導電平面11上に間隔をおいて交互に配置された正極導電部121及び負極導電部122を含み、絶縁部は、隣接する正極導電部121と負極導電部122との間に設けられる。
【0045】
充電端子10と充電台との間の円滑な導電を図るために、導電平面11には、正極と負極とにそれぞれ接続される正極導電部121及び負極導電部122がそれぞれ設けられている。また、正極導電部121及び負極導電部122の間には絶縁部が設けられることにより、正極導電部121及び負極導電部122の独立導電を確保し、短絡の発生を回避している。
【0046】
具体的には、正極導電部121及び負極導電部122の両方とも閉じた環状に構成されており、正極導電部121及び負極導電部122の径方向の幅が隣接する絶縁部の径方向の幅よりも大きくなっていることにより、正極導電部121及び負極導電部122と充電台の電気接点との接触面積が増加し、充電接触故障を低減することができる。
【0047】
図4及び
図5を参照すると、いくつかの実施例では、充電端子10は、導電平面11とは反対側の接続面14をさらに備えており、接続面14には第1の電気接点15及び第2の電気接点16が突設されている。ここで、第1の電気接点15は正極導電部121に電気的に接続され、第2の電気接点16は負極導電部122に電気的に接続されている。
【0048】
具体的には、第1の電気接点15及び第2の電気接点16は、正極導電部121及び負極導電部122が完全な導通回路を形成するように、正極導電部121及び負極導電部122と他の部材との間の電気的接続をそれぞれ接続点として実現することができる。
【0049】
充電端子10がエアロゾル発生装置100に装着される場合、第1の電気接点15は、正極導電部121とメイン基板との間を導通させるように、エアロゾル発生装置100のメイン基板に接続されてもよい。同様に、第2の電気接点16は、負極導電部122とメイン基板との間を導通させるために、エアロゾル発生装置100のメイン基板に接続されてもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、第1の電気接点15は、充電端子10の周方向に間隔を置いて配置された少なくとも2つの第1のサブ接点を含み、及び/又は第2の電気接点16は、充電端子10の周方向に間隔を置いて配置された少なくとも2つの第2のサブ接点を含む。
【0051】
正極導電部121が第1のサブ接点を介して回路を導通させる場合、第1のサブ接点の数は、導通回路を流れる電流の横断面の大きさに影響する。すなわち、第1のサブ接点の数が多いほど、導通回路において電流が通過可能な横断面が大きくなる。これにより、充電効率が向上し、急速充電が可能となる。
【0052】
同様に、負極導電部122が第2のサブ接点を介して回路を導通させる場合、第2のサブ接点の数は、導通回路を流れる電流の横断面の大きさに影響する。すなわち、第2のサブ接点の数が多いほど、導通回路において電流が通過可能な横断面が大きくなる。これにより、充電効率が向上し、急速充電が可能となる。
【0053】
具体的には、本実施例では、第1のサブ接点が2つ設けられ、2つの第1のサブ接点が充電端子10の径方向に対称に配置されている。第2のサブ接点は2つ設けられており、2つの第2のサブ接点は充電端子10の径方向に対称に配置されている。
【0054】
上記構成により、第1のサブ接点と第2のサブ接点とが互いに独立し、互いに干渉することなく、かつ、電流が通過する横断面を向上させ、充電効率を向上させ、急速充電を実現することができる。
【0055】
いくつかの実施例では、導電領域12は、信号導電部123をさらに含み、信号導電部123とそれに隣接する負極導電部122とは絶縁部を介して間隔をおいて配置される。
【0056】
なお、充電端子10がエアロゾル発生装置100に装着される場合、正負極の導通のほか、例えば充電中に、エアロゾル発生装置100上のランプの点灯及び点滅等の機能を実現するための信号通信を実現する必要がある。
【0057】
このため、導電平面11上には、エアロゾル発生装置100のメイン基板と信号通信可能に接続された信号導電部123が設けられている。
【0058】
具体的には、信号導電部123は導電平面11の中心位置に設けられ、負極導電部122及び正極導電部121はそれぞれ充電端子10の径方向に沿って中心から周囲に向かって間隔をおいて設けられてもよい。絶縁部は2つ設けられ、一方の絶縁部は信号導電部123と負極導電部122との間に設けられ、他方の絶縁部は負極導電部122と正極導電部121との間に設けられている。
【0059】
なお、信号導電部123、正極導電部121及び負極導電部122と絶縁部との接合方式としては、一体成形、インモールド成形又はカシメ成形等を採用してもよいが、これらに限定されない。
【0060】
いくつかの実施例では、接続面14には、信号導電部123に電気的に接続された第3の電気接点17が突設されている。
【0061】
具体的には、第3の電気接点17は、信号導電部123が完全な導通回路を形成するように、信号導電部123と他の部材との間の電気的な接続を接続点として実現することができる。
【0062】
充電端子10がエアロゾル発生装置100に装着される場合、第3の電気接点17は、信号導電部123とメイン基板との間を導通させて信号通信を実現するように、エアロゾル発生装置100のメイン基板に接続されてもよい。
【0063】
再び
図1を参照すると、上述した充電端子10と同じ思想に基づいて、本発明は、本体20と、上述した充電端子10とを含むエアロゾル発生装置100を提供する。ここで、充電端子10は本体20に設けられ、導電平面11は充電端子10の本体20とは反対側の面に形成され、導電領域12は少なくとも2つの導電部を含み、各導電部は本体20と電気的に接続されている。
【0064】
なお、本体20は、セルと、各導電部が電気的に接続されたメイン基板と、別の機能部品とを備えている。具体的には、充電端子10は本体20に設けられ、導電平面11は本体20とは反対側に配置され、接続面14は本体20に向かって配置され、接続面14上の第1の電気接点15、第2の電気接点16及び第3の電気接点17はそれぞれメイン基板に接続されて導通される。
【0065】
さらに、第1の電気接点15、第2の電気接点16、及び第3の電気接点17は、FPC、金属ブラケット、及び線材などを用いてメイン基板との接続導通を実現することができるが、これらに限定されない。具体的には、本実施例では、第1の電気接点15、第2の電気接点16及び第3の電気接点17は、FPCでメイン基板に接続されて導通される。
【0066】
上述したエアロゾル発生装置100と同じ思想に基づいて、本発明は、充電台200と上述したエアロゾル発生装置100とを含むエアロゾル発生システム1000を提供する。ここで、エアロゾル発生装置100は、充電台200に着脱可能に設けられ、充電端子10を介して充電台200に電気的に接続されている。
【0067】
エアロゾル発生装置100は吸引後に充電台200に置き戻して収納及び充電され、エアロゾル発生装置100の正常な使用を確保することができる。
【0068】
いくつかの実施例では、エアロゾル発生装置100は角柱状であり、充電台200の一側には、エアロゾル発生装置100を収容するための収容キャビティ201が設けられ、エアロゾル発生装置100は収容キャビティ201に倣って密着する。
【0069】
エアロゾル発生装置100を収容キャビティ201内に配置することにより、エアロゾル発生装置100の充電台200における位置決めを実現して、充電を実現する。
【0070】
具体的には、エアロゾル発生装置100が収容キャビティ201に収容されると、エアロゾル発生装置100の充電端子10上の導電平面11が充電台200に電気的に接続される。このとき、収容キャビティ201によって、エアロゾル発生装置100に対する径方向の位置規制を実現することができる。また、エアロゾル発生装置100が収容キャビティ201内で自身の周方向に回転しても、導電平面11上の導電部と充電台200上の電気接点との電気的な接続に影響を与えず、エアロゾル発生装置100と充電台200との接続安定性を向上させることができる。
【0071】
さらに、エアロゾル発生装置100を角柱状に設けることにより、収容キャビティ201内におけるエアロゾル発生装置100の位置決めを容易にすることができる。倣い密着とは、エアロゾル発生装置100の外形が角柱状又は角やエッジを有する他の非対称形状である場合に、収容キャビティ201とエアロゾル発生装置100とが、両者が密着するように同一形状であることを意味する。エアロゾル発生装置100は収容キャビティ201に倣って密着することにより、エアロゾル発生装置100が収容キャビティ201内で回転したりガタついたりすることを防止し、エアロゾル発生装置100と充電台200との間の接続安定性を高め、エアロゾル発生装置100と充電台200の電気接点との間の接触をより安定させることができる。
【0072】
具体的な実施例として、エアロゾル発生装置100は、三角柱状として構成され、これに対応して、収容キャビティ201は、エアロゾル発生装置100の回転又はがたつきを制限するために、エアロゾル発生装置100に適合する三角柱状にとして構成される。
【0073】
当然ながら、いくつかの別の実施例では、エアロゾル発生装置100は、四角柱状、五角柱状、六角柱状、又は他の形状に構成されてもよく、収容キャビティ201は、エアロゾル発生装置100の回転又はがたつきをより良好に制限するために、エアロゾル発生装置100に適合する同じ形状に構成されてもよい。
【0074】
いくつかの実施例では、エアロゾル発生装置100には、第1の磁気吸引部材101が設けられ、収容キャビティ201内には、エアロゾル発生装置100を収容キャビティ201内に磁気的に吸引して固定するように、第1の磁気吸引部材101に適合する第2の磁気吸引部材202が設けられる。
【0075】
第1の磁気吸引部材101と第2の磁気吸引部材202との相互磁気吸引により、収容キャビティ201内にエアロゾル発生装置100をより安定して配置することができ、エアロゾル発生装置100が収容キャビティ201内で回転したりガタついたりすることをさらに防止し、エアロゾル発生装置100と充電台200との間の接続安定性を高め、エアロゾル発生装置100と充電台200の電気接点との間の接触をより安定させることができる。
【0076】
いくつかの実施例では、エアロゾル発生システム1000は、収容キャビティ201内に配置されたストッパ203をさらに含み、ストッパ203は、収容キャビティ201内にエアロゾル発生装置100を周方向に制限するように、エアロゾル発生装置100の周方向に沿って収容キャビティ201の底壁に周設される。
【0077】
具体的には、エアロゾル発生装置100が収容キャビティ201内に収容されると、エアロゾル発生装置100の充電端子10の導電部が充電台200の電気接点に電気的に接続される。このとき、エアロゾル発生装置100における充電端子10の一端は、ストッパ203に周方向に当接することができ、エアロゾル発生装置100が充電中に充電台200と相対移動することを回避し、両者の接触をより安定させる。
【0078】
さらに、エアロゾル発生装置100における充電端子10の一端が弧状に形成され、ストッパ203がエアロゾル発生装置100に適合する弧状面を有することにより、ストッパ203とエアロゾル発生装置100との間の密着性を向上させ、エアロゾル発生装置100が収容キャビティ201内で回転したりガタついたりすることをさらに防止し、エアロゾル発生装置100と充電台200との間の接続安定性を高め、エアロゾル発生装置100と充電台200の電気接点との間の接触をより安定させることができる。
【0079】
本発明は具体的に使用される際には、まず、エアロゾル発生装置100を収容キャビティ201に収容し、充電端子10を充電台200に向けて配置する。充電端子10上の正極導電部121は充電台200上の正極電気接点に接続され、負極導電部122は充電台200上の負極電気接点に接続され、信号導電部123は充電台200上の信号電気接点に接続されている。
【0080】
これと同時に、正極導電部121、負極導電部122及び信号導電部123がそれぞれ第1の電気接点15、第2の電気接点16及び第3の電気接点17を介してメイン基板に接続されて、導通が実現される。これにより、エアロゾル発生装置100の充電過程を円滑に実現することができる。
【0081】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0082】
上記の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本発明の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本発明の思想から逸脱することなく、本発明の範囲に含まれるいくつかの変形及び改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本発明の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0083】
1000 エアロゾル発生システム
100 エアロゾル発生装置
101 第1の磁気吸着部材
200 充電台
201 収容キャビティ
202 第2の磁気吸着部材
203 ストッパ
10 充電端子
20 本体
11 導電平面
12 導電領域
13 絶縁領域
14 接続面
15 第1の電気接点
16 第2の電気接点
17 第3の電気接点
121 正極導電部
122 負極導電部
123 信号導電部