IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊田合成株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-プロジェクタ 図1
  • 特開-プロジェクタ 図2
  • 特開-プロジェクタ 図3
  • 特開-プロジェクタ 図4
  • 特開-プロジェクタ 図5
  • 特開-プロジェクタ 図6
  • 特開-プロジェクタ 図7
  • 特開-プロジェクタ 図8
  • 特開-プロジェクタ 図9
  • 特開-プロジェクタ 図10
  • 特開-プロジェクタ 図11
  • 特開-プロジェクタ 図12
  • 特開-プロジェクタ 図13
  • 特開-プロジェクタ 図14
  • 特開-プロジェクタ 図15
  • 特開-プロジェクタ 図16
  • 特開-プロジェクタ 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062941
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】プロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/20 20170101AFI20240501BHJP
   B60Q 3/51 20170101ALI20240501BHJP
   B60Q 3/54 20170101ALI20240501BHJP
   B60Q 3/64 20170101ALI20240501BHJP
   B60Q 3/12 20170101ALI20240501BHJP
   B60Q 3/217 20170101ALI20240501BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
B60Q3/20
B60Q3/51
B60Q3/54
B60Q3/64
B60Q3/12
B60Q3/217
F21V8/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023150227
(22)【出願日】2023-09-15
(31)【優先権主張番号】P 2022170484
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 将人
【テーマコード(参考)】
3K040
3K244
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040CA06
3K040DA03
3K040DA05
3K040DB01
3K040DC03
3K040EA04
3K040EA05
3K040EB02
3K040GA05
3K040GB02
3K040GB04
3K040GB08
3K040GB09
3K040GC01
3K040GC04
3K040GC14
3K040GC16
3K040GC18
3K040HB01
3K040JA04
3K244AA05
3K244BA50
3K244CA02
3K244GA08
(57)【要約】
【課題】容易に投影像を切り替えることができるプロジェクタを提供する。
【解決手段】投影領域7に投影する柄21を有する柄部2と、柄21に投影光30を照射する光源部3と、柄21の投影光30が照射された領域の図柄を拡大して投影領域7に投影し、投影像70を形成する投影レンズを有する投影レンズ部5と、を備え、柄21の投影光30が照射される領域を切り替えることにより、投影領域7に形成される複数の投影像70を切り替える、プロジェクタ1を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影領域に投影する柄を有する柄部と、
前記柄に投影光を照射する光源部と、
前記柄の前記投影光が照射された領域の図柄を拡大して前記投影領域に投影し、投影像を形成する投影レンズを有する投影レンズ部と、
を備え、
前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、又は前記柄の面内方向の角度を変化させることにより、前記投影領域に形成される前記投影像を変化させる、
プロジェクタ。
【請求項2】
前記光源部が、少なくとも1つの発光素子からなる光源を複数有し、
前記光源部に含まれる複数の光源の発光状態を独立して変化させることにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、
請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記光源部に含まれる複数の光源の発光状態を制御する制御部を備え、
前記柄部、前記光源部、及び前記投影レンズ部が1つの筐体に収容された、
請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記光源ごとに配置され、前記光源部から出力される前記投影光を集光する複数の集光レンズを有する集光レンズ部を備えた、
請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記光源の間を仕切る仕切部材を備えた、
請求項4に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記投影レンズ部は、複数の前記投影像を前記投影領域の同じ位置に投影する、
請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記投影レンズ部は、複数の前記投影像を前記投影領域の異なる位置に投影する、
請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記制御部は、前記発光素子の点灯と消灯を連続的に制御して前記投影像を切り替え、動的な前記投影像を前記投影領域に投影する、
請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記制御部は、前記光源を構成する前記発光素子が複数である場合、前記発光素子の点灯と消灯を制御して、前記投影像の輝度の高低、及び前記投影像の色の変化の少なくとも一方を行う、
請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記制御部によって前記発光素子の点灯と消灯を制御して、複数の前記投影像を前記投影領域に順次投影して、経時的に変化する画像を表示し、
複数の前記投影像の各々を投影する際にフェードイン及びフェードアウトさせ、かつ複数の前記投影像の各々が投影されるタイミングがその前後に投影される前記投影像の投影されるタイミングと一部において重なる、
請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項11】
前記経時的に変化する画像は、揺らぐように変化する部分を含む画像又は特定の方向に移動する部分を含む画像である、
請求項10に記載のプロジェクタ。
【請求項12】
前記柄部を前記光源部に対して相対的に動かすことにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、又は前記柄の面内方向の角度を変化させる、
請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項13】
前記プロジェクタ内で前記光源部を固定して前記柄部を動かすことにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、又は前記柄の面内方向の角度を変化させる、
請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項14】
前記プロジェクタ内で前記柄部を固定して前記光源部を動かすことにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、
請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項15】
前記柄部を回転させることにより、前記柄の面内方向の角度を変化させる、
請求項13に記載のプロジェクタ。
【請求項16】
前記柄部を前記光源部に対して相対的にスライドさせることにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、
請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項17】
投影領域に投影する柄を有する柄部と、
少なくとも1つの発光素子からなる光源を複数有し、前記光源ごとに前記柄の異なる領域に投影光を出力する光源部と、
前記柄の異なる領域に対応して設けられ、対向する前記柄の前記異なる領域を拡大して投影することで前記投影領域に投影像を形成する複数の投影レンズを有する投影レンズ部と、
前記光源部の前記発光素子の点灯と消灯を制御し、前記柄の前記異なる領域に応じた複数の前記投影像を切り替える制御部と、
を備えたプロジェクタ。
【請求項18】
前記光源ごとに配置され、前記光源部から出力される前記投影光を集光する複数の集光レンズを有する集光レンズ部を備えた、
請求項17に記載のプロジェクタ。
【請求項19】
前記光源の間を仕切る仕切部材を備えた、
請求項17に記載のプロジェクタ。
【請求項20】
前記制御部は、前記発光素子の点灯と消灯を連続的に制御して前記投影像を切り替え、動的な前記投影像を前記投影領域に投影する、
請求項17に記載のプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、光源から出射した光を車室内の照射面に導光する導光手段と、導光手段と照射面との間に設けられ、所定の柄が形成されて導光手段からの光を透過させることで照射面に柄を投影する柄パネルと、を有する車両の照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この照明装置は、ユーザの好みに応じて柄パネルを交換することで、車室内の表面に投影される光の像を変更することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-40194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車両の照明装置は、柄パネルを交換しないと投影される像を変更できないので、手間がかかる問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、容易に投影像を切り替えることができるプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記のプロジェクタを提供する。
【0008】
[1]投影領域に投影する柄を有する柄部と、前記柄に投影光を照射する光源部と、前記柄の前記投影光が照射された領域の図柄を拡大して前記投影領域に投影し、投影像を形成する投影レンズを有する投影レンズ部と、を備え、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、又は前記柄の面内方向の角度を変化させることにより、前記投影領域に形成される前記投影像を変化させる、プロジェクタ。
[2]前記光源部が、少なくとも1つの発光素子からなる光源を複数有し、前記光源部に含まれる複数の光源の発光状態を独立して変化させることにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、上記[1]に記載のプロジェクタ。
[3]前記光源部に含まれる複数の光源の発光状態を制御する制御部を備え、前記柄部、前記光源部、及び前記投影レンズ部が1つの筐体に収容された、上記[2]に記載のプロジェクタ。
[4]前記光源ごとに配置され、前記光源部から出力される前記投影光を集光する複数の集光レンズを有する集光レンズ部を備えた、上記[3]に記載のプロジェクタ。
[5]前記光源の間を仕切る仕切部材を備えた、上記[4]に記載のプロジェクタ。
[6]前記投影レンズ部は、複数の前記投影像を前記投影領域の同じ位置に投影する、上記[2]に記載のプロジェクタ。
[7]前記投影レンズ部は、複数の前記投影像を前記投影領域の異なる位置に投影する、上記[2]に記載のプロジェクタ。
[8]前記制御部は、前記発光素子の点灯と消灯を連続的に制御して前記投影像を切り替え、動的な前記投影像を前記投影領域に投影する、上記[2]に記載のプロジェクタ。
[9]前記制御部は、前記光源を構成する前記発光素子が複数である場合、前記発光素子の点灯と消灯を制御して、前記投影像の輝度の高低、及び前記投影像の色の変化の少なくとも一方を行う、上記[2]に記載のプロジェクタ。
[10]前記制御部によって前記発光素子の点灯と消灯を制御して、複数の前記投影像を前記投影領域に順次投影して、経時的に変化する画像を表示し、複数の前記投影像の各々を投影する際にフェードイン及びフェードアウトさせ、かつ複数の前記投影像の各々が投影されるタイミングがその前後に投影される前記投影像の投影されるタイミングと一部において重なる、上記[2]に記載のプロジェクタ。
[11]前記経時的に変化する画像は、揺らぐように変化する部分を含む画像又は特定の方向に移動する部分を含む画像である、上記[10]に記載のプロジェクタ。
[12]前記柄部を前記光源部に対して相対的に動かすことにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、又は前記柄の面内方向の角度を変化させる、上記[1]に記載のプロジェクタ。
[13]前記プロジェクタ内で前記光源部を固定して前記柄部を動かすことにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、又は前記柄の面内方向の角度を変化させる、上記[12]に記載のプロジェクタ。
[14]前記プロジェクタ内で前記柄部を固定して前記光源部を動かすことにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、上記[12]に記載のプロジェクタ。
[15]前記柄部を回転させることにより、前記柄の面内方向の角度を変化させる、上記[13]に記載のプロジェクタ。
[16]前記柄部を前記光源部に対して相対的にスライドさせることにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、上記[12]に記載のプロジェクタ。
[17]投影領域に投影する柄を有する柄部と、少なくとも1つの発光素子からなる光源を複数有し、前記光源ごとに前記柄の異なる領域に投影光を出力する光源部と、前記柄の異なる領域に対応して設けられ、対向する前記柄の前記異なる領域を拡大して投影することで前記投影領域に投影像を形成する複数の投影レンズを有する投影レンズ部と、前記光源部の前記発光素子の点灯と消灯を制御し、前記柄の前記異なる領域に応じた複数の前記投影像を切り替える制御部と、を備えたプロジェクタ。
[18]前記光源ごとに配置され、前記光源部から出力される前記投影光を集光する複数の集光レンズを有する集光レンズ部を備えた、上記[17]に記載のプロジェクタ。
[19]前記光源の間を仕切る仕切部材を備えた、上記[17]に記載のプロジェクタ。
[20]前記制御部は、前記発光素子の点灯と消灯を連続的に制御して前記投影像を切り替え、動的な前記投影像を前記投影領域に投影する、上記[17]に記載のプロジェクタ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容易に投影像を切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの一例を示す展開図である。
図2図2(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの一例を示す正面図であり、図2(b)は、プロジェクタのブロック図の一例である。
図3図3(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの上面図の一例であり、図3(b)は、プロジェクタの左側面図の一例であり、図3(c)は、図3(a)のA-A線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。
図4図4は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの配置位置と投影位置の一例を示す車両内部の図である。
図5図5(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの柄部について説明するための断面図の一例であり、図5(b)は、柄部の一例を示す上面図であり、図5(c)は、変形例に係る柄部の一例を示す上面図である。
図6図6(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの第1の光源が投影する投影像の一例であり、図6(b)は、第2の光源が投影する投影像の一例であり、図6(c)は、第3の光源が投影する投影像の一例である。
図7図7(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの第1の光源が投影する動的な投影像の一例であり、図7(b)は、第2の光源が投影する動的な投影像の一例であり、図7(c)は、第3の光源が投影する動的な投影像の一例であり、図7(d)は、第1の光源~第3の光源が投影する複数の投影像を重ねた一例を示す図である。
図8図8(a)は、第2の実施の形態に係る4つの発光素子を有する光源の一例を示す図であり、図8(b)は、3つの発光素子を有する光源の一例を示す図である。
図9図9(a)は、第2の実施の形態に係る2つの光源部を有する光源の一例を示す図であり、図9(b)は、4つの光源を有する光源部の一例を示す図である。
図10図10(a)~図10(c)は、第2の実施の形態に係る投影像の輝度の高低の一例について説明するための図である。
図11図11(a)は、第3の実施の形態に係るプロジェクタの第1の光源が投影する投影像の一部の一例であり、図11(b)は、第2の光源が投影する投影像の一部の一例であり、図11(c)は、第3の光源が投影する投影像の一部の一例である。
図12図12は、第3の実施の形態に係る発光素子の出力のタイミングを示すタイミングチャートの一例である。
図13図13(a)は、第3の実施の形態に係るプロジェクタの第1の光源が投影する投影像の一例であり、図13(b)は、第2の光源が投影する投影像の一例であり、図13(c)は、第3の光源が投影する投影像の一例である。
図14図14(a)、(b)は、第4の実施の形態に係るプロジェクタを構成する第1のプロジェクタ、第2のプロジェクタ、第3のプロジェクタが投影像を投影領域に投影する様子を示す模式図である。
図15図15(a)、(b)は、第4の実施の形態に係る第1のプロジェクタの斜視図と垂直断面図である。
図16図16(a)は、第5の実施の形態に係るプロジェクタの内部構造を示す斜視図である。図16(b)、(c)は、そのプロジェクタの内部の動作を示す模式図である。
図17図17(a)は、第5の実施の形態に係る他のプロジェクタの内部構造を示す斜視図である。図17(b)、(c)は、そのプロジェクタの内部の動作を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
(プロジェクタ1の概要)
図1は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの一例を示す展開図である。図2(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの一例を示す正面図であり、図2(b)は、プロジェクタのブロック図の一例である。図3(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの上面図の一例であり、図3(b)は、プロジェクタの左側面図の一例であり、図3(c)は、図3(a)のA-A線で切断した断面を矢印方向から見た断面図の一例である。図4は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの配置位置と投影位置の一例を示す車両内部の図である。なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また図2(b)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0012】
本実施の形態のプロジェクタ1は、図1図3(c)に示すように、投影領域7に投影する柄(模様)21を有する柄部2と、少なくとも1つの発光素子からなる光源を複数有し、光源ごとに柄21の異なる領域に投影光30を出力する光源部3と、柄の異なる領域に対応して設けられ、対向する柄の異なる領域を拡大して投影することで投影領域7に投影像70を形成する複数の投影レンズを有する投影レンズ部5と、光源部3の発光素子の点灯と消灯を制御し、柄21の異なる領域に応じた複数の投影像70を切り替える制御部6と、を備えて概略構成されている。
【0013】
本実施の形態の柄部2は、一例として、図1に示すように、柄21の複数の領域として第1の柄領域22~第3の柄領域24を有している。この第1の柄領域22~第3の柄領域24は、一例として、異なる図柄を有しているがこれに限定されない。
【0014】
また本実施の形態の光源部3は、一例として、図2(b)に示すように、複数の光源として第1の光源31~第3の光源33を有している。この第1の光源31~第3の光源33は、柄部2の第1の柄領域22~第3の柄領域24に対応して設けられている。第1の光源31~第3の光源33は、投影光30a~投影光30cを出力するが光源ごとに区別する必要がない場合、光源部3から出力される光を投影光30と記載する。
【0015】
本実施の形態のプロジェクタ1は、一例として、図1に示すように、第1の柄領域22~第3の柄領域24に応じて設けられ、第1の柄領域22~第3の柄領域24を拡大して投影領域7に投影する第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53を有する投影レンズ部5を備えている。
【0016】
またプロジェクタ1は、図1に示すように、光源ごとに配置され、光源部3から出力される投影光30を集光する複数の集光レンズを有する集光レンズ部4を備えている。
【0017】
本実施の形態のプロジェクタ1は、図1に示すように、第1の光源31~第3の光源33ごとに配置された第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43を有する集光レンズ部4を備えている。なお変形例として、プロジェクタ1は、発光素子が指向性の高い投影光30を出力するように構成されている場合、集光レンズ部4を備えない構成とすることも可能である。
【0018】
・プロジェクタ1の配置位置と投影位置について
プロジェクタ1は、一例として、図4に示すように、車両9の内部に配置され、車両9の内装部品を投影位置としている。具体的には、プロジェクタ1は、一例として、ドア90、インストルメントパネル91、フロアボックス92、バスタブ93、運転席97や助手席98の足下の床94、後部座席99の足下の床95、及び天井96などに配置される。
【0019】
プロジェクタ1は、例えば、ドア90に配置された場合、アームレストのポケット内や、ドア90の前方の凸形状部の内部に配置される。なおドア90の前方の凸形状部の内部とは、運転席97側又は助手席98側のインストルメントパネル91との接続部近傍である。
【0020】
プロジェクタ1がドア90のドアトリムの内部である配置位置90aに配置された場合、その投影領域7は、一例として、図4に示すように、ドア90の上部のオーナメントパネルなどの投影位置90bとなる。なおドア90は、図4において運転席97側のドアを指しているが一例であって、助手席98側のドアや後部座席99側のドアであっても良い。
【0021】
またプロジェクタ1がインストルメントパネル91の内部である配置位置91aに配置された場合、その投影領域7は、一例として、フロアボックス92の蓋部分などの投影位置91bとなる。
【0022】
またプロジェクタ1がインストルメントパネル91の表示装置910の側部やエアコンの吹出口の側部などの配置位置92aに配置された場合、その投影領域7は、一例として、助手席98の前方のオーナメントパネルなどの投影位置92bとなる。
【0023】
またプロジェクタ1がフロントガラス下のバスタブ93の内部や表示装置910の周辺の突起部分の内部である配置位置93aに配置された場合、その投影領域7は、一例として、助手席98の前方の投影位置93bとなる。
【0024】
またプロジェクタ1が運転席97や助手席98の前方のインストルメントパネル91の下方の内部である配置位置94aに配置された場合、その投影領域7は、一例として、運転席97や助手席98の床94などの投影位置94bとなる。
【0025】
またプロジェクタ1がフロアボックス92の後方の配置位置95aに配置された場合、その投影領域7は、一例として、後部座席99の床95などの投影位置95bとなる。
【0026】
さらにプロジェクタ1がフロアボックス92の蓋部分の内部の配置位置96aに配置された場合、その投影領域7は、一例として、天井96が投影位置96bとなる。
【0027】
なお投影領域7は、上述の例に限定されず、Aピラー901やBピラー902などの車両9の内部を投影位置とすることが可能である。さらにプロジェクタ1は、ドアの下方に配置されてカーテシーランプとして路面を投影位置とすることも可能である。
【0028】
(筐体10の構成)
プロジェクタ1は、図1に示すように、筐体10と、光学系の部品が一体となった第1のユニット11と、光源部3などが一体となった第2のユニット13と、を備えている。第1のユニット11は、柄部2、集光レンズ部4、投影レンズ部5及び第1のカバー12を有している。また第2のユニット13は、基板14及び第2のカバー15を有している。
【0029】
この筐体10は、樹脂材料を用いて細長い箱形状に形成されている。筐体10は、前面100に3つの円筒が連なった円筒部100aを有している。また筐体10は、下面103に第1のユニット11が挿入される第1の挿入開口103a及びコネクタ部103bと、後面104に第2のユニット13が挿入される第2の挿入開口104aと、を有している。
【0030】
円筒部100aは、円筒の開口部分である第1のレンズ開口100b~第3のレンズ開口100dを有している。この第1のレンズ開口100b~第3のレンズ開口100dは、第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53が内部に露出している。第1のレンズ開口100b~第3のレンズ開口100dは、独立した開口となっているので、乗員から内部の投影レンズが見え難くなっている。なお第1のレンズ開口100b~第3のレンズ開口100dは、繋がった1つの開口として形成されても良いし、円形以外の形状を有していても良い。
【0031】
筐体10の左側面101には、図3(a)及び図3(b)に示すように、左側爪部101aと、下側嵌合開口101bと、上側嵌合開口101cと、を有している。また筐体10の右側面102には、図1に示すように、右側爪部102aと、下側嵌合開口102bと、上側嵌合開口102cと、を有している。
【0032】
左側爪部101a及び右側爪部102aは、取付先に設けられた開口と嵌め合うように設けられている。下側嵌合開口101b及び下側嵌合開口102bは、第1のカバー12の嵌合爪部120及び嵌合爪部121が嵌め合うように設けられている。上側嵌合開口101c及び上側嵌合開口102cは、第2のカバー15の嵌合爪部150及び嵌合爪部151が嵌め合うように設けられている。
【0033】
コネクタ部103bは、車両9のコネクタが取り付けられる。このコネクタ部103bは、基板14のコネクタピン141が露出している。
【0034】
基板14は、細長いプリント配線基板である。この基板14は、端部にコネクタピン141を有している。基板14は、第2のカバー15の取付開口152に挿入され、取り付けられる。
【0035】
(柄部2の構成)
図5(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの柄部について説明するための断面図の一例であり、図5(b)は、柄部の一例を示す上面図であり、図5(c)は、変形例に係る柄部の一例を示す上面図である。なお以下では、一例として、透過領域25と遮光領域26とで形成された図柄について説明するが投影像70を形成可能であればこれに限定されない。
【0036】
柄部2は、図5(a)に示すように、光が透過する透明樹脂材料を用いて細長い板形状にされた透明基板20を有している。柄21は、この透明基板20の表面200に形成されているが裏面201でも良く、また表面200及び裏面201に形成されても良い。この柄21は、一例として、円形状を有する第1の柄領域22~第3の柄領域24を有しているが矩形であっても良く、複数の形状を組み合わせたものであっても良く、これに限定されない。
【0037】
第1の柄領域22~第3の柄領域24は、一例として、等間隔で直線状に並んでいる。また第1の柄領域22~第3の柄領域24は、第1の図柄21a~第3の図柄21cを有している。この第1の柄領域22~第3の柄領域24は、投影されて投影領域7に投影像70を形成する。
【0038】
なお第1の柄領域22~第3の柄領域24ごとの投影像70は、後述する投影像70a~投影像70cであるが区別しない場合、いずれも投影像70として記載するものとする。また投影像70a~投影像70cの図柄は、第1の柄領域22~第3の柄領域24の第1の図柄21a~第3の図柄21cを拡大して投影されたものであって図柄としては相似であるので、各投影像の図柄を第1の図柄21a~第3の図柄21cと記載する。
【0039】
第1の柄領域22~第3の柄領域24は、一例として、透過領域25及び遮光領域26によって第1の図柄21a~第3の図柄21cが形成されている。透過領域25は、光源部3から出力された投影光30を透過させる領域である。遮光領域26は、投影光30を透過させない、又は透過率が透過領域25に比べて低い領域である。この遮光領域26は、第1の柄領域22~第3の柄領域24の外の領域にも形成されても良い。
【0040】
なお柄21は、一例として、透過領域25及び遮光領域26の2つの領域によって形成されているとしたがこれに限定されず、着色されていても良いし、遮光領域26が複数の透過率を有する領域を有しても良く、またこれらを組み合わせても良い。
【0041】
遮光領域26は、一例として、透明基板20の表面200に金属膜を形成し、その金属膜をエッチングして形成されても良いし、印刷などによって遮光性を有する塗料を塗布して形成されても良いし、遮光性を有する塗料を表面200に塗布した後、レーザによって透過領域25に対応する箇所の塗料を剥離して形成されても良く、またこれらに限定されない。
【0042】
第1の柄領域22~第3の柄領域24は、図5(b)に示すように、異なる図柄である第1の図柄21a~第3の図柄21cを有している。なお変形例として柄部2は、図5(c)に示すように、第1の柄領域22~第3の柄領域24が形成された第1の柄プレート20a~第3の柄プレート20cを並べて配置して構成されても良い。
【0043】
(光源部3の構成)
本実施の形態の光源部3は、一例として、複数の光源として第1の光源31~第3の光源33を有している。なお光源の数は、これに限定されず、後述するように複数であれば良い。
【0044】
また光源部3は、一例として、第1の光源31が発光素子31aを有し、第2の光源32が発光素子32aを有し、第3の光源33が発光素子33aを有しているがこれに限定されない。つまり光源は、1つの発光素子ではなく、複数の発光素子で構成されても良く、また光源ごとに発光素子の数が異なっても良い。
【0045】
発光素子31a~発光素子33aは、図1に示すように、基板14の表面140に等間隔で直線状に並んで配置されている。この発光素子31a~発光素子33aは、一例として、白色の投影光30を出力するLED(Light Emission Diode)素子であるがこれに限定されず、LD(Laser Diode)素子などであっても良い。また発光素子31a~発光素子33aは、一例として、同じ色の投影光30を出力するがこれに限定されず、少なくとも1つが異なる色の投影光30を出力しても良い。
【0046】
プロジェクタ1は、光源の間を仕切る仕切部材を備えている。本実施の形態の光源部3は、第1の光源31~第3の光源33を有しているので、仕切部材として第1の光源31と第2の光源32の間に第1の仕切部材105と、第2の光源32と第3の光源33の間に第2の仕切部材106と、を有している。
【0047】
この第1の仕切部材105及び第2の仕切部材106は、一例として、樹脂材料を用いて板形状に形成され、第2の挿入開口104aの内部に設けられている。なお第1の仕切部材105及び第2の仕切部材106は、板形状に限定されず、第1の光源31~第3の光源33が出力する投影光30が混らないように光源を囲む筒形状であっても良い。また仕切部材は、第1の仕切部材105及び第2の仕切部材106の他に、第1の集光レンズ41と第2の集光レンズ42の間、及び第2の集光レンズ42と第3の集光レンズ43の間にも設けられても良い。
【0048】
(集光レンズ部4の構成)
集光レンズ部4は、図1に示すように、樹脂材料を用いて形成され、細長い箱形状を有している。集光レンズ部4は、前面40aに設けられた開口400の中に、第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43が一体に形成されている。この第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43は、一例として、樹脂材料を用いて凸レンズとして形成されている。
【0049】
第1の集光レンズ41は、図3(c)に示すように、第1の光源31の発光素子31aから出力された広がりのある投影光30aを第1の柄領域22に集光するように構成されている。第2の集光レンズ42は、第2の光源32の発光素子32aから出力された広がりのある投影光30bを第2の柄領域23に集光するように構成されている。第3の集光レンズ43は、第3の光源33の発光素子33aから出力された広がりのある投影光30cを第3の柄領域24に集光するように構成されている。
【0050】
第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43は、対向して配置された第1の柄領域22~第3の柄領域24に投影光30a~投影光30cを集光して導くので、同じ曲率を有しているがこれに限定されず、柄領域の位置に応じて異なっていても良いし、投影レンズ部5の曲率に応じて異なっていても良い。
【0051】
集光レンズ部4は、図1に示すように、側面40bから突出する突出部401を有している。そして突出部401は、円形の孔である孔部402と、爪部403と、を有している。この爪部403は、突出部401の対向する両面に設けられている。
【0052】
(投影レンズ部5の構成)
投影レンズ部5は、複数の投影像70を投影領域7の同じ位置に投影するように構成されている。この投影レンズ部5は、一例として、樹脂材料を用いて細長い箱形状を有している。投影レンズ部5は、図1及び図3(c)に示すように、背面50bに開口500を有している。この開口500には、柄部2が取り付けられている。
【0053】
投影レンズ部5は、図1に示すように、前面50aに第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53が一体に形成されている。第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53は、集光された投影光30を拡大して投影するため、両凸レンズとして構成されている。この第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53は、同じ位置に複数の投影像70を投影するため、それぞれの曲率が異なっている。
【0054】
第1の投影レンズ51は、図3(c)に示すように、第1の集光レンズ41によって集光され、第1の柄領域22を介して到達した第1の光源31の投影光30aを投影領域7に投影して投影像70aを形成する。この投影像70aは、第1の柄領域22の第1の図柄21aを拡大した像である。
【0055】
本実施の形態では、投影レンズが一列に並んでいるので、中央に位置する第2の投影レンズ52が基準となり、第2の投影レンズ52の正面に投影像70bが投影される。従って第1の投影レンズ51は、図3(c)の紙面において第2の投影レンズ52よりも上方に位置するので、下方にシフトさせて投影像70aを投影する。つまり第1の投影レンズ51は、第2の投影レンズ52が投影する投影像70bと同じ位置に投影像70aが投影されるように構成されている。
【0056】
第2の投影レンズ52は、図3(c)に示すように、第2の集光レンズ42によって集光され、第2の柄領域23を介して到達した第2の光源32の投影光30bを投影領域7に投影して投影像70bを形成する。この投影像70bは、第2の柄領域23の第2の図柄21bを拡大した像である。
【0057】
第3の投影レンズ53は、図3(c)に示すように、第3の集光レンズ43によって集光され、第3の柄領域24を介して到達した第3の光源33の投影光30cを投影領域7に投影して投影像70cを形成する。この投影像70cは、第3の柄領域24の第3の図柄21cを拡大した像である。
【0058】
第3の投影レンズ53は、図3(c)の紙面において第2の投影レンズ52よりも下方に位置するので、上方にシフトさせて投影像70cを投影する。つまり第3の投影レンズ53は、第2の投影レンズ52が投影する投影像70bと同じ位置に投影像70cが投影されるように構成されている。
【0059】
このように、第1の投影レンズ51及び第3の投影レンズ53は、第2の投影レンズ52を基準として対称となる曲率を有している。
【0060】
投影レンズ部5は、側面50cから突出する突出部501を有している。この突出部501は、集光レンズ部4の孔部402に挿入される円柱部502を有している。この円柱部502は、孔部402に挿入されることで、柄部2、集光レンズ部4及び投影レンズ部5の位置決めがなされ、これらが一体となる。
【0061】
一体となった集光レンズ部4、柄部2及び投影レンズ部5は、第1のカバー12の取付開口123に挿入される。この挿入により、集光レンズ部4の爪部403が嵌合開口122に嵌まり込み、集光レンズ部4、柄部2、投影レンズ部5及び第1のカバー12が一体となる。なお第1のカバー12の嵌合開口122は、集光レンズ部4の対向する側面に設けられた爪部403に応じて対向して設けられている。
【0062】
(制御部6の構成)
制御部6は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部6が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。この制御部6は、基板14に配置されている。
【0063】
制御部6は、図2(b)に示すように、発光素子31a~発光素子33aと電気的に接続されている。制御部6は、第1の制御信号S~第3の制御信号Sを出力することで、発光素子31a~発光素子33aの点灯と消灯を制御するように構成されている。なお発光素子31a~発光素子33aは、例えば、第1の制御信号S~第3の制御信号Sの入力により点灯し、入力しないと消灯する。第1の制御信号S~第3の制御信号Sは、一例として、PWM(Pulse Width Modulation)信号であるがこれに限定されない。
【0064】
制御部6は、一例として、車両9を総合的に制御する車両制御部900から取得する車両情報Sに応じて投影像70a~投影像70cを切り替える。この車両情報Sは、一例として、乗員の乗車、駆動装置の始動及び運転の開始などの情報である。制御部6は、一例として、乗員が乗車した際に第1の柄領域22に基づく投影像70aを投影し、駆動装置の始動の際に第2の柄領域23に基づく投影像70bを投影し、運転の開始の際に第3の柄領域24に基づく投影像70cを投影するがこれに限定されない。
【0065】
なお制御部6は、車両情報Sに基づく投影像70a~投影像70cの切り替えに限定されず、切り替えるためのスイッチの操作に基づいて切り替えても良いし、表示装置910に表示されたアイコンなどに対する操作によって切り替えても良く、これに限定されない。乗員は、スイッチやアイコンなどの操作によって気分に応じて投影像70を切り替えることが可能となる。
【0066】
・投影像70a~投影像70cの切り替えについて
図6(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの第1の光源が投影する投影像の一例であり、図6(b)は、第2の光源が投影する投影像の一例であり、図6(c)は、第3の光源が投影する投影像の一例である。
【0067】
図6(a)~図6(c)、及び後述する図7図7(d)、図10(a)~図10(c)は、一例として、プロジェクタ1を投影領域7の真上から投影した場合の投影像70a~投影像70dとしてその形状を円形としている。投影像70a~投影像70dは、投影領域7に対するプロジェクタ1の傾きによってその形状が円形から楕円形に変化する。なお投影像70a~投影像70dの形状は、柄領域の形状や投影光30が出射する筐体10のレンズ開口の形状に応じた形状となる。
【0068】
図6(a)~図6(c)の投影像70a~投影像70cは、紙面において無色の部分が柄21の透過領域25を透過した投影光30によって形成された透過像250であり、黒色の部分が遮光領域26によって投影光30が遮光されたことで形成された遮光像260である。なお図6(a)~図6(c)の投影像70a~投影像70cは、上述したように、透過像250及び遮光像260によって形成されているがこれに限定されない。
【0069】
第1の光源31は、制御部6から出力された第1の制御信号Sに基づいて発光素子31aを点灯させて投影光30aを出力する。投影光30aは、図6(a)に示すように、第1の集光レンズ41、第1の柄領域22及び第1の投影レンズ51を介して第1のレンズ開口100bから出射し、第1の図柄21aを拡大した投影像70aを投影領域7に形成する。
【0070】
第2の光源32は、制御部6から出力された第2の制御信号Sに基づいて発光素子32aを点灯させて投影光30bを出力する。投影光30bは、図6(b)に示すように、第2の集光レンズ42、第2の柄領域23及び第2の投影レンズ52を介して第2のレンズ開口100cから出射し、第2の図柄21bを拡大した投影像70bを投影領域7に形成する。
【0071】
第3の光源33は、制御部6から出力された第3の制御信号Sに基づいて発光素子33aを点灯させて投影光30cを出力する。投影光30cは、図6(c)に示すように、第3の集光レンズ43、第3の柄領域24及び第3の投影レンズ53を介して第3のレンズ開口100dから出射し、第3の図柄21cを拡大した投影像70cを投影領域7に形成する。
【0072】
制御部6は、上述のように、第1の制御信号S~第3の制御信号Sを出力することで、投影像70a~投影像70cを切り替えることが可能となる。
【0073】
・動的な投影像70a~投影像70cについて
図7(a)は、第1の実施の形態に係るプロジェクタの第1の光源が投影する動的な投影像の一例であり、図7(b)は、第2の光源が投影する動的な投影像の一例であり、図7(c)は、第3の光源が投影する動的な投影像の一例であり、図7(d)は、第1の光源~第3の光源が投影する複数の投影像を重ねた一例を示す図である。
【0074】
制御部6は、発光素子の点灯と消灯を連続的に制御して投影像70を切り替え、動的な投影像70を投影領域7に投影する。この動的な投影像70とは、一例として、図7(a)~図7(c)に示すように、第1の図柄21a~第3の図柄21cを有する投影像70a~投影像70cを順番に連続的に切り替えることにより、遮光領域26によって形成された黒色の部分である遮光像260が移動する像となる、つまり投影像70a~投影像70cによって形成されるアニメーションである。投影像70a~投影像70cは、図7(a)~図7(c)に示すように、連続的に切り替わることで、遮光像260が反時計回りに回転して移動するように見える。なお投影像70の数は、プロジェクタ1が投影可能な投影像70の数に応じて変更される。
【0075】
また制御部6は、第1の光源31~第3の光源33の少なくとも2つを同時に点灯させることにより、投影像70a~投影像70cと異なる投影像70dを投影することも可能である。図7(d)に示す投影像70dは、一例として、投影像70a~投影像70cを重ねて第1の図柄21a~第3の図柄21cが重なる第4の図柄21dとなっている。また投影像70dは、複数の投影像70を重ねて投影された像であるので、奥行きのある投影像とすることが可能である。
【0076】
さらにプロジェクタ1は、光源部3が赤色、緑色、青色の投影光30a~投影光30cを出力するように構成されることにより、フルカラーで投影像70を形成することも可能である。
【0077】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態に係るプロジェクタ1は、容易に投影像70を切り替えることができる。具体的には、プロジェクタ1は、異なる投影像70a~投影像70cを形成する第1の柄領域22~第3の柄領域24を有しているので、異なる柄が形成された部材を交換する場合と比べて、第1の光源31の発光素子31a~第3の光源33の発光素子33aの点灯と消灯によって投影像70a~投影像70cを容易に切り替えることができる。またプロジェクタ1は、異なる柄が形成された部材を交換する場合と比べて、構造が簡素化され、安価に製造することができる。
【0078】
プロジェクタ1は、投影像70a~投影像70cの少なくとも2つを重ねた投影像70dを投影することができるので、この構成を採用しない場合と比べて、柄領域を増やすことなく投影像70の種類を増やすことができ、また奥行きのある投影像70dを投影することができる。
【0079】
プロジェクタ1は、集光レンズ部4の第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43が一体に形成され、柄部2の第1の柄領域22~第3の柄領域24が一体に形成され、投影レンズ部5の第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53が一体に形成されている。またプロジェクタ1は、この集光レンズ部4、柄部2及び投影レンズ部5が第1のユニット11としてユニット化されるので、集光レンズや投影レンズを別々に形成して筐体に取り付ける場合と比べて、位置ずれが抑制されて投影像70の投影位置の精度や輝度が向上して意匠性を高めることができる。
【0080】
プロジェクタ1は、第1の光源31~第3の光源33の間を仕切る第1の仕切部材105及び第2の仕切部材106を有しているので、この構成を採用しない場合と比べて、各光源の投影光が混じらず、解像度の高い投影像70を投影することができる。
【0081】
プロジェクタ1は、複数の投影像70を連続的に切り替えて動的な投影像70を投影することができるので、投影像を切り替えられない場合と比べて、意匠性を向上させることができる。
【0082】
プロジェクタ1は、光源部3が複数の色の投影光30を出力してフルカラーの投影像70を投影することができるので、この構成を採用しない場合と比べて、投影する投影像70を設計する際の自由度が向上する。
【0083】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、光源部の構成が第1の実施の形態と異なっている。
【0084】
図8(a)は、第2の実施の形態に係る4つの発光素子を有する光源の一例を示す図であり、図8(b)は、3つの発光素子を有する光源の一例を示す図である。なお以下に記載する実施の形態において、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略するものとする。
【0085】
制御部6は、光源を構成する発光素子が複数である場合、発光素子の点灯と消灯を制御して、投影像の輝度の高低、及び投影像の色の変化の少なくとも一方を行う。
【0086】
・光源を構成する発光素子の数について
図8(a)に示す第1の光源31は、発光素子31a~発光素子31dを有している。なお他の光源は、第1の光源31と同様の構成であっても良いし、発光素子の数が第1の光源31と異なっていても良い。
【0087】
図8(a)に示す第1の光源31は、発光素子31a~発光素子31dを有している。この発光素子31a~発光素子31dは、一例として、正方形の頂点に配置されているがこれに限定されない。この発光素子31a~発光素子31dは、第1の柄領域22に基づく投影像70aを投影領域7に投影する。なお発光素子31a~発光素子31dは、例えば、同じ色の光を出力するように構成されても良いし、異なる色の光を出力するように構成されても良い。
【0088】
制御部6は、発光素子31a~発光素子31dごとに点灯と消灯を制御することにより、投影像70aの輝度の高低を制御したり、投影像70aの色の変化を制御したりすることが可能となる。
【0089】
また図8(b)に示す第1の光源31は、発光素子31a~発光素子31cを有している。この発光素子31a~発光素子31cは、一例として、正三角形の頂点に配置されているがこれに限定されない。この発光素子31a~発光素子31cは、例えば、同じ色の光を出力するように構成されても良いし、異なる色の光を出力するように構成されても良い。
【0090】
制御部6は、発光素子31a~発光素子31cごとに点灯と消灯を制御することにより、投影像70aの輝度の高低を制御したり、投影像70aの色の変化を制御したりすることが可能となる。
【0091】
プロジェクタ1は、1つの光源が複数の発光素子によって構成される場合、複数の発光素子から出力された投影光30を対応する柄領域及び投影レンズに集光するように、集光レンズが部分的に曲率の異なる形状を有しても良いし、発光素子に対応した集光レンズが複数集まって1つの集光レンズを構成するように構成されても良く、またこれに限定されない。さらにプロジェクタ1は、1つの光源がさらに多くの発光素子から構成されても良い。
【0092】
・光源部3を構成する光源の数について
図9(a)は、第2の実施の形態に係る2つの光源部を有する光源の一例を示す図であり、図9(b)は、4つの光源を有する光源部の一例を示す図である。
【0093】
図9(a)に示す光源部3は、第1の光源31及び第2の光源32を有している。この光源部3は、一例として、第1の光源31及び第2の光源32が縦に並んでいる。従ってこのプロジェクタ1は、第1の光源31及び第2の光源32に応じて2つの柄領域、集光レンズ及び投影レンズを有している。このプロジェクタ1は、少なくとも異なる2つの投影像70を投影することができる。
【0094】
図9(b)に示す光源部3は、第1の光源31~第4の光源34を有している。この光源部3は、一例として、第1の光源31~第4の光源34が正方形の頂点に配置されている。従ってこのプロジェクタ1は、第1の光源31~第4の光源34に応じて4つの柄領域、集光レンズ及び投影レンズを有している。つまりプロジェクタ1は、少なくとも異なる4つの投影像70を投影することができる。
【0095】
・投影像70の輝度の強弱について
図10(a)~図10(c)は、第2の実施の形態に係る投影像の輝度の高低の一例について説明するための図である。以下では、一例として、第1の光源31によって投影される投影像70aについて説明するが他の光源についても同様である。
【0096】
プロジェクタ1は、一例として、第1の光源31が発光素子31a~発光素子31cを有している。なおここでは、輝度の高低について説明するため、第1の光源31が発光素子31a~発光素子31cは、一例として、同じ色の投影光30aを出力するものとする。
【0097】
図10(a)に示す投影像70aは、制御部6が発光素子31aを点灯させ、発光素子31b及び発光素子31cを消灯させて第1の柄領域22を投影させた像を示している。
【0098】
また図10(b)に示す投影像70aは、制御部6が発光素子31a及び発光素子31bを点灯させ、発光素子31cを消灯させて第1の柄領域22を投影させた像を示している。この投影像70aは、図10(a)に示す投影像70aよりも輝度が高くなっている。
【0099】
さらに図10(c)に示す投影像70aは、制御部6が発光素子31a~発光素子31cを点灯させて第1の柄領域22を投影させた像を示している。この投影像70aは、図10(b)に示す投影像70aよりも輝度が高くなっている。従って制御部6は、図10(a)~図10(c)に示すように、点灯する発光素子の数を増やすことにより輝度を高くすることができる。
【0100】
また同様に、発光素子31a~発光素子31cが異なる色の投影光30aを出力する場合、制御部6は、発光素子31a~発光素子31cの点灯と消灯を制御することにより、投影像70aの色の変化を生成することができる。
【0101】
(第2の実施の形態の効果)
プロジェクタ1は、1つの光源が複数の発光素子で構成されている場合、複数の発光素子の点灯と消灯を個別に制御することにより、同じ図柄を有する投影像70であっても輝度の高低や色の変化などにより、投影像70に変化をつけることができる。
【0102】
他の実施の形態として投影レンズ部5は、複数の投影像を投影領域7の異なる位置に投影するように構成されても良い。
【0103】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、プロジェクタによって投影領域に表示される画像の表現形態において、第1の実施の形態と異なる。なお、プロジェクタの構成など、第1の実施の形態と同様の部分においては説明を省略又は簡略化する。また、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分には、第1の実施の形態と同じ符号を付す。
【0104】
図11(a)は、第3の実施の形態に係るプロジェクタ1の第1の光源31が投影する投影像70aの一部の一例であり、図11(b)は、第2の光源32が投影する投影像70bの一部の一例であり、図11(c)は、第3の光源33が投影する投影像70cの一部の一例である。
【0105】
上述のように、第1の光源31は、制御部6から出力された第1の制御信号Sに基づいて発光素子31aを点灯させて投影光30aを出力する。また、第2の光源32は、制御部6から出力された第2の制御信号Sに基づいて発光素子32aを点灯させて投影光30bを出力する。また、第3の光源33は、制御部6から出力された第3の制御信号Sに基づいて発光素子33aを点灯させて投影光30cを出力する。
【0106】
制御部6は、発光素子31a、32a、33aの点灯と消灯を制御して、投影像70a、70b、70cを投影領域7に順次投影して、経時的に変化する画像を表示する。
【0107】
図12は、発光素子31a、発光素子32a、発光素子33aの出力のタイミングを示すタイミングチャートの一例である。図12に示される出力a、出力b、出力cは、それぞれ発光素子31a、発光素子32a、発光素子33aの出力である。
【0108】
図12に示されるように、発光素子31a、発光素子32a、発光素子33aの各々は、点灯時に徐々に出力が増加し、消灯時に徐々に出力が減少する。これにより、投影像70a、70b、70cの各々を投影する際に、フェードイン及びフェードアウトさせることができる。
【0109】
また、図12に示されるように、発光素子31a、発光素子32a、発光素子33aの各々が出力されるタイミングが、その前後に出力される発光素子が出力されるタイミングと一部において重なっている。すなわち、発光素子31aと発光素子32aの出力されるタイミングが一部において重なり、発光素子32aと発光素子33aの出力されるタイミングが一部において重なっている。また、発光素子33aの出力されるタイミングと、その次の発光素子31aの出力されるタイミングが一部において重なっていてもよい。
【0110】
これにより、投影像70a、70b、70cの各々が投影されるタイミングがその前後に投影される投影像の投影されるタイミングと一部において重なる。すなわち、投影像70aと投影像70bの投影されるタイミングが一部において重なり、投影像70bと投影像70cの投影されるタイミングが一部において重なっている。また、投影像70cの投影されるタイミングと、その次の投影像70aの投影されるタイミングが一部において重なっていてもよい。
【0111】
その結果、図11に示される投影像70a、70b、70cを投影領域7に順次投影することにより表示される画像は、揺らぐように経時的に変化する。図11に示される投影像70a、70b、70cと同様に、全体又は一部において類似した複数の投影像70を投影領域7に順次投影する場合、類似した部分が揺らぐように画像が経時的に変化する。すなわち、投影領域7に表示される画像は、揺らぐように変化する部分を含む。
【0112】
図13(a)は、第3の実施の形態に係るプロジェクタ1の第1の光源31が投影する投影像70aの一例であり、図13(b)は、第2の光源32が投影する投影像70bの一例であり、図13(c)は、第3の光源33が投影する投影像70cの一例である。
【0113】
図13に示される投影像70a~投影像70cは、配置の異なる特定の柄700を有する。
【0114】
図12に示されるタイミングチャートに従って発光素子31a、発光素子32a、発光素子33aの点灯と消灯を制御する場合、図13に示される投影像70a、70b、70cを投影領域7に順次投影することにより表示される画像においては、柄700が左から右に滑らかに移動する。
【0115】
図13に示される投影像70a、70b、70cと同様に、配置の異なる特定の柄を有する複数の投影像70を投影領域7に順次投影する場合、特定の柄が特定の方向に移動するように画像が経時的に変化する。すなわち、投影領域7に表示される画像は、特定の方向に移動する部分を含む。
【0116】
(第3の実施の形態の効果)
揺らぐように変化する部分を含む画像や、特定の方向に滑らかに移動する部分を含む画像を投影領域7に表示することができる。
【0117】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、異なる投影像を投影するための機構が独立して設けられている点において、第1の実施の形態と異なる。なお、プロジェクタの構成など、第1の実施の形態と同様の部分においては説明を省略又は簡略化する。また、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分には、第1の実施の形態と同じ符号を付す。
【0118】
第1の実施の形態に係るプロジェクタ1は、第1の柄領域22~第3の柄領域24を有する柄部2、第1の光源31~第3の光源33を有する光源部3、第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43を有する集光レンズ部4、第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53を有する投影レンズ部5、及び制御部6が1つの筐体10に収容された1つのプロジェクタである。一方で、第4の実施の形態に係るプロジェクタ8は、各々が投影像70を投影領域7に投影することができる複数のプロジェクタから構成される。
【0119】
図14(a)、(b)は、第4の実施の形態に係るプロジェクタ8を構成する第1のプロジェクタ8a、第2のプロジェクタ8b、第3のプロジェクタ8cが投影像70を投影領域7に投影する様子を示す模式図である。
【0120】
図15(a)、(b)は、第1のプロジェクタ8aの斜視図と垂直断面図である。第1のプロジェクタ8aは、第1の光源31と、第1の柄領域22を有するプレート状の柄部2aと、第1の集光レンズ41と、第1の投影レンズ51とを備える。第1の光源31が実装された基板14a、第1の集光レンズ41、第1の投影レンズ51、及び柄部2aは、部品80a、80b、80cで構成される筐体80に収容される。筐体80は、第1の投影レンズ51からの光を取り出すための開口部801と、外部機器のコネクターを基板14aのコネクターに接続するための開口部802を有する。
【0121】
第1のプロジェクタ8aにおいては、制御部6から出力された第1の制御信号Sに基づいて第1の光源31に含まれる発光素子31aなどの発光素子が点灯し、投影光30aを出力する。第1の集光レンズ41によって集光され、柄部2aの第1の柄領域22を通過した投影光30aは、第1の投影レンズ51によって投影領域7に投影され、投影像70aが形成される。
【0122】
第2のプロジェクタ8bは、第1のプロジェクタ8aの第1の光源31、柄部2a、第1の集光レンズ41、第1の投影レンズ51をそれぞれ第2の光源32、第2の柄領域23を有する柄部2b、第2の集光レンズ42、第2の投影レンズ52に置き換えた構造を有する。
【0123】
第2のプロジェクタ8bにおいては、制御部6から出力された第2の制御信号Sに基づいて第2の光源32に含まれる発光素子32aなどの発光素子が点灯し、投影光30bを出力する。第2の集光レンズ42によって集光され、柄部2bの第2の柄領域23を通過した投影光30bは、第2の投影レンズ52によって投影領域7に投影され、投影像70bが形成される。
【0124】
第3のプロジェクタ8cは、第1のプロジェクタ8aの第1の光源31、柄部2a、第1の集光レンズ41、第1の投影レンズ51をそれぞれ第3の光源33、第3の柄領域24を有する柄部2c、第3の集光レンズ43、第3の投影レンズ53に置き換えた構造を有する。
【0125】
第3のプロジェクタ8cにおいては、制御部6から出力された第3の制御信号Sに基づいて第3の光源33に含まれる発光素子33aなどの発光素子が点灯し、投影光30cを出力する。第3の集光レンズ43によって集光され、柄部2cの第3の柄領域24を通過した投影光30cは、第3の投影レンズ53によって投影領域7に投影され、投影像70cが形成される。
【0126】
本実施の形態に係るプロジェクタ8においては、制御部6は、例えば、車両9に搭載された制御ECU(Electronic Control Unit)に含まれ、制御部6からの第1の制御信号S~第3の制御信号Sは、ケーブルハーネスを介して第1のプロジェクタ8a~第3のプロジェクタ8cに送られる。この場合、プロジェクタ8は、制御部6を含まない第1のプロジェクタ8a~第3のプロジェクタ8cから構成される装置であってもよいし、制御部6と第1のプロジェクタ8a~第3のプロジェクタ8cを含む、車両9に設置された画像投影システムであってもよい。
【0127】
第1のプロジェクタ8a、第2のプロジェクタ8b、第3のプロジェクタ8cは、図14(a)に示されるように、近い位置に並べて設置されてもよいし、図14(b)に示されるように、離れた位置に配置されてもよい。
【0128】
(第4の実施の形態の効果)
第4の実施の形態によれば、独立した複数のプロジェクタを用いて複数の異なる投影像70を投影領域7に投影することができる。
【0129】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態は、柄部を光源部に対して相対的に動かすことによって投影像を変化させる点において、第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の部分においては説明を省略又は簡略化する。また、第1の実施の形態と同じ機能及び構成を有する部分には、第1実施の形態と同じ符号を付す。
【0130】
図16(a)は、第5の実施の形態に係るプロジェクタ300aの内部構造を示す斜視図である。プロジェクタ300aは、光源部としての光源301と、光源301が搭載された基板302と、柄304を有するプレート状の柄部303aと、柄部303aを保持する歯車305と、歯車305とかみ合うように設置された歯車306と、モーターを含む電動アクチュエータ307と、電動アクチュエータ307に含まれる歯車306の回転軸308と、集光レンズ309と、投影レンズ310とを備える。これらの部品は、プロジェクタ1の筐体10のような筐体に収容される。
【0131】
光源301は、上記の第1の光源31~第3の光源33と同様に、少なくとも1つの発光素子からなる。集光レンズ309は、上記の第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43と同様の機能を有する集光レンズであり、投影レンズ310は、上記の第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53と同様の機能を有する投影レンズである。
【0132】
柄部303aは、上記の柄部2a~2cと同様の構造を有する、1つの柄領域を有する柄304を有するプレート状の部品である。柄部303aは、例えば、歯車305に設けられた柄部303aと同じ形状の孔に嵌め込まれて、歯車305に保持される。また、柄部303aは、歯車305の表面に貼り付けられて保持されてもよい。この場合、歯車305は、光源301が発する光を透過する材料からなる。
【0133】
歯車305は、例えば、歯車305の外周の一部を覆う図示されない枠によって、回転可能に支持される。また、歯車305は、光源301が発する光を透過する材料からなる回転軸を介して筐体に支持されていてもよい。
【0134】
図16(b)に示されるように、電動アクチュエータ307が回転軸308を介して歯車306を回転させると、歯車306とかみ合っている歯車305が柄部303aとともに回転し、柄304の面内方向の角度が変化する。例えば、図16(c)に示されるように、歯車306を反時計回りに回転させると、歯車305が柄部303aとともに時計回りに回転する。
【0135】
プロジェクタ300aにおいては、基板302などに搭載された制御部から出力された制御信号に基づいて光源301に含まれる発光素子が点灯し、投影光を出力する。集光レンズ309によって集光され、柄部303aの柄304を通過した投影光は、投影レンズ310によって投影領域に投影され、投影像が形成される。このとき、柄部303aが回転することにより、投影像が回転し、経時的に変化することになる。
【0136】
図17(a)は、第5の実施の形態に係るプロジェクタ300bの内部構造を示す斜視図である。プロジェクタ300bは、光源部としての光源301と、光源301が搭載された基板302と、第1の柄領域304a~第3の柄領域304cを含む柄を有するプレート状の柄部303bと、柄部303bを保持し、一側面に凹凸312を有する長方形の保持板311と、保持板311の凹凸312とかみ合うように設置された歯車306と、モーターを含む電動アクチュエータ307と、電動アクチュエータ307に含まれる歯車306の回転軸308と、集光レンズ309と、投影レンズ310とを備える。これらの部品は、プロジェクタ1の筐体10のような筐体に収容される。
【0137】
柄部303bは、上記の柄部2と同様の構造を有する、複数の柄領域(第1の柄領域304a~第3の柄領域304c)を含む柄を有するプレート状の部品である。柄部303bにおいて第1の柄領域304a~第3の柄領域304cは所定の方向に沿って一列に並び、保持板311の凹凸312は第1の柄領域304a~第3の柄領域304cが並ぶ上記の所定の方向に沿った保持板311の側面に設けられる。
【0138】
柄部303bは、例えば、保持板311に設けられた柄部303bと同じ形状の孔に嵌め込まれて、保持板311に保持される。また、柄部303bは、保持板311の表面に貼り付けられて保持されてもよい。この場合、保持板311は、光源301が発する光を透過する材料からなる。保持板311は、例えば、凹凸312が設けられた側面の反対側の側面を覆う図示されない枠によって、スライド可能に支持される。
【0139】
図17(b)に示されるように、電動アクチュエータ307が回転軸308を介して歯車306を回転させると、歯車306とかみ合っている凹凸312を有する保持板311が柄部303bとともに一方向(図17(b)においては上下方向)にスライドし、第1の柄領域304a~第3の柄領域304cのうちの投影光が照射される領域が切り替わる。例えば、図17(c)に示されるように、歯車306を反時計回りに回転させると、保持板311が柄部303bとともに下方向にスライドする。
【0140】
プロジェクタ300bにおいては、基板302などに搭載された制御部から出力された制御信号に基づいて光源301に含まれる発光素子が点灯し、投影光を出力する。集光レンズ309によって集光され、柄部303bの第1の柄領域304a~第3の柄領域304cを含む柄を通過した投影光は、投影レンズ310によって投影領域に投影され、投影像が形成される。このとき、柄部303bがスライドすることにより、投影像が第1の柄領域304a~第3の柄領域304cに対応する像の間で切り替わり、経時的に変化することになる。
【0141】
なお、図17(a)~(c)に示される例では、プロジェクタ300b内で光源301を固定して柄部303bをスライドさせているが、柄部303bを固定して光源301をスライドさせることにより、第1の柄領域304a~第3の柄領域304cのうちの投影光が照射される領域を切り替えてもよい。この場合、例えば、光源301が搭載された基板302を保持板311で保持して、歯車306を回転させて柄部303bとともに保持板311をスライドさせる。また、この場合、例えば、上記の第1の集光レンズ41~第3の集光レンズ43、第1の投影レンズ51~第3の投影レンズ53のような、第1の柄領域304a~第3の柄領域304cの各々に対応する複数の集光レンズと投影レンズが用いられる。
【0142】
(第5の実施の形態の効果)
第5の実施の形態によれば、柄部を光源部に対して相対的に動かすことによって、投影領域に投影する投影像を変化させることができる。
【0143】
上記の第1~5の実施の形態によれば、次のプロジェクタを提供することができる。
[A]投影領域に投影する柄を有する柄部と、前記柄に投影光を照射する光源部と、前記柄の前記投影光が照射された領域の図柄を拡大して前記投影領域に投影し、投影像を形成する投影レンズを有する投影レンズ部と、を備え、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、又は前記柄の面内方向の角度を変化させることにより、前記投影領域に形成される前記投影像を変化させる、プロジェクタ。
【0144】
また、上記の第1~4の実施の形態によれば、次のプロジェクタを提供することができる。
[B]前記光源部が、少なくとも1つの発光素子からなる光源を複数有し、前記光源部に含まれる複数の光源の発光状態を独立して変化させることにより、前記柄の前記投影光が照射される領域を切り替える、上記[A]に記載のプロジェクタ。
【0145】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。
【0146】
例えば、光源部に含まれる複数の光源の発光素子の点灯と消灯を制御して複数の投影像を切り替える形態においては、複数の光源の発光素子の出力(発光強度)を制御して複数の投影像を切り替えてもよい。すなわち、光源部に含まれる複数の光源の発光状態を独立して変化させることにより、複数の投影像を切り替えることができる。光源部に含まれる複数の光源の発光状態は、制御部により制御される。
【0147】
また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0148】
なお、上記実施の形態及び実施例によれば、下記のプロジェクタを提供することもできる。
[1]投影領域に投影する柄を有する柄部と、少なくとも1つの発光素子からなる光源を複数有し、前記光源ごとに前記柄の異なる領域に投影光を出力する光源部と、前記柄の異なる領域に対応して設けられ、対向する前記柄の前記異なる領域を拡大して投影することで前記投影領域に投影像を形成する複数の投影レンズを有する投影レンズ部と、前記光源部の前記発光素子の点灯と消灯を制御し、前記柄の前記異なる領域に応じた複数の前記投影像を切り替える制御部と、を備えたプロジェクタ。
[2]前記光源ごとに配置され、前記光源部から出力される前記投影光を集光する複数の集光レンズを有する集光レンズ部を備えた、上記[1]に記載のプロジェクタ。
[3]前記光源の間を仕切る仕切部材を備えた、上記[2]に記載のプロジェクタ。
[4]前記投影レンズ部は、複数の前記投影像を前記投影領域の同じ位置に投影する、上記[3]に記載のプロジェクタ。
[5]前記投影レンズ部は、複数の前記投影像を前記投影領域の異なる位置に投影する、上記[3]に記載のプロジェクタ。
[6]前記制御部は、前記発光素子の点灯と消灯を連続的に制御して前記投影像を切り替え、動的な前記投影像を前記投影領域に投影する、上記[4]又は[5]に記載のプロジェクタ。
[7]前記制御部は、前記光源を構成する前記発光素子が複数である場合、前記発光素子の点灯と消灯を制御して、前記投影像の輝度の高低、及び前記投影像の色の変化の少なくとも一方を行う、上記[4]又は[5]に記載のプロジェクタ。
【符号の説明】
【0149】
1…プロジェクタ、2…柄部、3…光源部、4…集光レンズ部、5…投影レンズ部、6…制御部、7…投影領域、9…車両、10…筐体、11…第1のユニット、12…第1のカバー、13…第2のユニット、14…基板、15…第2のカバー、20…透明基板、20a~20c…第1の柄プレート~第3の柄プレート、21…柄、21a~21d…第1の図柄~第4の図柄、22~24…第1の柄領域~第3の柄領域、25…透過領域、26…遮光領域、30,30a~30c…投影光、31~34…第1の光源~第4の光源、31a~31d…発光素子、40a…前面、40b…側面、41~43…第1の集光レンズ~第3の集光レンズ、50a…前面、50b…背面、50c…側面、51~53…第1の投影レンズ~第3の投影レンズ、70,70a~70d…投影像、90…ドア、91…インストルメントパネル、92…フロアボックス、93…バスタブ、94,95…床、96…天井、97…運転席、98…助手席、99…後部座席、90a~96a…配置位置、90b~96b…投影位置、100…前面、100a…円筒部、100b~100d…第1のレンズ開口~第3のレンズ開口、101…左側面、101a…左側爪部、101b…下側嵌合開口、101c…上側嵌合開口、102…右側面、102a…右側爪部、102b…下側嵌合開口、102c…上側嵌合開口、103…下面、103a…第1の挿入開口、103b…コネクタ部、104…後面、104a…第2の挿入開口、105…第1の仕切部材、106…第2の仕切部材、120,121…嵌合爪部、122…嵌合開口、123…取付開口、140…表面、141…コネクタピン、150,151…嵌合爪部、152…取付開口、200…表面、201…裏面、250…透過像、260…遮光像、400…開口、401…突出部、402…孔部、403…爪部、500…開口、501…突出部、502…円柱部、900…車両制御部、901…Aピラー、902…Bピラー、910…表示装置、700…柄、8…プロジェクタ、8a~8c…第1のプロジェクタ~第3のプロジェクタ、300a、300b…プロジェクタ、301…光源、303a、303b…柄部、304…柄、309…集光レンズ、310…投影レンズ、304a~304c…第1の柄領域~第3の柄領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17