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特開2024-629463Dモデルにわたるコーナ接続要素の伝搬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062946
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】3Dモデルにわたるコーナ接続要素の伝搬
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20240501BHJP
   G06F 30/13 20200101ALI20240501BHJP
   G06F 30/17 20200101ALI20240501BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20240501BHJP
   G06F 111/04 20200101ALN20240501BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F30/13
G06F30/17
G06F30/20
G06F111:04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023171508
(22)【出願日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】18/049,390
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500430693
【氏名又は名称】ダッソー システムズ ソリッドワークス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ダルワトカール,サチン
(72)【発明者】
【氏名】カンジャルカル,サティシュ
(72)【発明者】
【氏名】ニンバルカル,ラナジット
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146DC01
5B146DG01
5B146EA10
5B146EA15
5B146EC04
(57)【要約】
【課題】 3Dモデルにわたるコーナ接続要素の伝搬を提供する。
【解決手段】 方法は、複数の構造コーナ部材を有する複数のコーナを有する3Dモデル化オブジェクト内のコーナ接続要素を自動的に伝搬する。コーナのリスト、及びシードコーナの選択を受け取る。モデル内のターゲットコーナを、シードコーナとトポロジ的に相似として識別する。シードコーナにおける第1の接続要素のためのリファレンスデータを収集する。第1の接続要素リファレンスデータをコピーし、ターゲットコーナに方向づける。第1の接続要素と同一の第2の接続要素を作成し、ターゲットコーナに適用する。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーチャベースのCADシステムとのユーザの対話によって、3Dモデル化オブジェクトを設計するためのコンピュータ実施方法であって、前記3Dモデル化オブジェクトが機械的構造を表現し、前記機械的構造が構造部材を含み、前記機械的構造が複数のコーナをさらに含み、各コーナが、前記コーナにおいて相互に接続された前記モデルの複数の構造部材をさらに含み、前記方法が接続要素をトポロジ的に相似のコーナに自動的に挿入し、
前記複数のコーナのパラメトリックフィーチャリストを受け取るステップと、
前記複数のコーナの第1のコーナの選択を受け取るステップと、
前記第1のコーナとトポロジ的に相似の前記モデル内の第2のコーナを識別するステップと、
前記第1のコーナにおける第1の接続要素のためのリファレンスデータを収集するステップと、
前記第1の接続要素リファレンスデータを前記第2のコーナにコピーするステップと、
前記コピーされた第1の接続要素リファレンスデータを前記第2のコーナに方向づけるステップと、
前記第1の接続要素と同一の第2の接続要素を作成するステップと、
前記第2の接続要素を前記第2のコーナに適用するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のコーナにおける前記第1の接続要素のユーザ選択を受け取るステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のコーナ及び前記第2のコーナが前記コーナ部材の相対方位を除いて同一であり、前記第1のコーナと前記第2のコーナとの間の剛体変換を計算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記剛体変換を前記第1の接続要素に適用し、前記第2の接続要素のためのリファレンスを生成するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のコーナが前記第1のコーナの鏡像であり、前記第1のコーナ及び前記第2のコーナの前記コーナの位置の点をつなぐ線分の中点に構築された鏡映面の周りの鏡像変換を計算するステップであって、前記線分の方向が前記鏡映面に垂直である、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記鏡像体変換を前記第1の接続要素に適用し、前記第2の接続要素のためのリファレンスを生成するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記CADシステムのグラフィカルユーザインターフェースを介して前記第2のコーナの指示を提供するステップと、
前記第2のコーナにおける前記第2の接続要素のグラフィカル表現を提供するステップと、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はコンピュータ支援設計(CAD(computer-aided design))環境における設計ツールに関し、より詳細には、鉄骨及び木造構造の設計に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
鉄骨及び木造構造の設計は、垂直、水平、及び傾斜支持材を含む、構造部材の作成を含む。2つ以上のこのような部材が会する位置は、コーナ又は結合部と呼ばれる。図1によって示されるように、構造100は複数のコーナ121、122を含み得る。
【0003】
CAD環境に関連して、CADシステムのユーザは、モデル化構造のコーナごとに「トリミング」を規定する。ここで、ユーザはコーナにおけるコーナ部材のうちの1つ以上の端部を選択して適切にトリムし(それの幾何構成を規定し)、所望のコーナ部材の配置及び方位を作成する。ユーザは、様々な仕方で、例えば、部材方位、及び/又はトリム平面の組み合わせを操作し、コーナ部材をトリムする。コーナトリミングは、概して、ユーザが、コーナ部材がコーナにおいてトリムされる順番を規定するトリム順序を指定することを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数のコーナを含む構造内の個々のコーナごとにトリムオプション及び順序を指定することによって所望のトリム幾何構成を達成することは、多くの場合、多大な時間及び労力を費やす間怠っこしい作業になる。
【0005】
構造は一連の部材を通じてそれらの荷重を地面へ伝達し得る。これは、図7A図7Cによって示されるように、部材をコーナにおいて結合するための接続要素700を設計することによって達成される。接続要素の例としては、限定するものではないが、とりわけ、ボルト接続、L型クリップ、ガセットプレート、及びファインプレートが挙げられる。多数のコーナを含む構造内の個々のコーナごとに接続要素を配置することは、多大な時間及び労力を要する間怠っこしい作業になり得る。したがって、上述の課題に対処することが業界において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明の実施形態は、3Dモデルにわたるコーナ接続要素の伝搬のための方法を提供する。簡単に説明すると、本方法は、複数の構造コーナ部材を有する複数のコーナを有する3Dモデル化オブジェクト内のコーナ接続要素を自動的に伝搬する。コーナのリスト、及びシードコーナの選択を受け取る。モデル内のターゲットコーナを、シードコーナとトポロジ的に相似として識別する。シードコーナにおける第1の接続要素のためのリファレンスデータを収集する。第1の接続要素リファレンスデータをコピーし、ターゲットコーナに方向付けられる(oriented)。第1の接続要素と同一の第2の接続要素を作成し、ターゲットコーナに適用する。
【0007】
添付の図面及び詳細な説明を精査することで、本発明の他のシステム、方法、及び特徴が当業者に明らかになるであろう。全てのこのような追加のシステム、方法、及び特徴は、本説明に含まれ、本発明の範囲に含まれ、添付の請求項によって保護されることが意図される。
【0008】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面における構成要素は必ずしも原寸に比例しておらず、その代わりに、本発明の原理を明確に示すことに重点が置かれている。図面は本発明の実施形態を例示し、明細書と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、複数のコーナを有する例示的なモデル化構造を示す概略図である。
図2A図2Aは、3Dモデル化構造のための複雑なコーナの概略図である。
図2B図2B図2Aの複雑なコーナの分解図の概略図である。
図3図3は、3Dモデルのトポロジ的に相似のコーナを自動的に識別するための方法の第1の実施形態のフローチャートである。
図4図4は、図3の識別ステップを詳解するフローチャートである。
図5図5は、図3の適用ステップを詳解するフローチャートである。
図6図6は、平行及び逆平行部材を有するコーナを有するモデル化構造の概略図である。
図7A図7Aは例示的な第1のコーナ接続要素の概略図である。
図7B図7Bは例示的な第2のコーナ接続要素の概略図である。
図7C図7Cは例示的な第3のコーナ接続要素の概略図である。
図8図8は、本発明の機能性を実行するためのシステムの一例を示す概略図である。
図9図9は、CADシステムに関連して、接続要素をモデル化構造の第1のコーナからモデル化構造のトポロジ的に相似の第2のコーナにコピーするための方法の例示的な第2の実施形態のフローチャートである。
図10図10は、図9によって参照される例示的なモデル化構造の概略図である。
図11図11は、トリムツールの第1の例を示す概略図である。
図12図12は、トリムツールの第2の例を示す概略図である。
図13図13は、共通接続面を共有する2つの接続要素を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
以下の定義は、本明細書において開示される実施形態の特徴に適用される用語を解釈するために有用であり、本開示内の要素を定義することのみを意図されている。
【0011】
本開示内で使用するとき、「自動分類」は、ユーザが手動で(CAD環境ユーザインターフェースを介して)個々のステップを遂行することに代わる、一連のステップのコンピュータ実行を指す。概して、CAD環境において取られる全てのアクションはコンピュータによって実施されるが、ここでは、自動化とは、所望のタスクを遂行するためのユーザ-コンピュータ対話を低減するためのタスクへの関連ステップのグループ化を指す。関与するユーザ-コンピュータ対話のレベルは、予測される、及び指定されたユーザプリファレンスとバランスを取られる自動性のレベルに依存し得る。
【0012】
本開示内で使用するとき、「モデル化オブジェクト」又は「モデル化構造」は、物理構造、例えば、機械及び/又は電気工学の技術分野からの現実世界の製品のコンピュータレンダリング表現を指す。概して、モデル化オブジェクトは、CAD環境と称され得る、CADシステムを介して操作されるデータ構造内に記憶された数値データによって表現され、ここで、モデル化オブジェクトは、CAD環境ユーザインターフェースによって、例えば、とりわけ、2又は3次元でグラフィカルに、及び/又はパーツ/コンポーネントリストを介して表現され得る。
【0013】
本開示内で使用するとき、表現「機械的構造」は、機械的骨組又は主枠を示すオブジェクト又はアセンブリを指示する。ここで、機械的構造は、相互に接続された構造部材(すなわち、細長い固体、任意選択的に剛体のもの)を含む。2つの構造部材は、それらが互いに結合又は接触している場合に、相互接続されていると言われる。
【0014】
本開示内で使用するとき、「コーナ」は、複数の構造部材(「コーナ部材」)が接続された機械的構造の位置を指す。接続は、任意の種類のもの、例えば、機械的なもの(例えば、締結具、若しくは代替的に、単なる接触を介して達成される)、化学的なもの(例えば、粘着によって達成される)、及び/又は熱的なもの(例えば、例として、溶接を介して、熱エネルギーを利用して達成される)であり得る。概して、接続は全ての自由度を拘束/ロックし、部材の一体保持を剛直にし、いかなる運動も許さぬよう構造に強度をもたらし得る。溶接接続の場合の例では、溶接は、接続された構造部材の、あるものの他のものに対するいかなる運動も禁止し得る。本方法の機械的構造の構造部材は直線状構造部材及び/又は曲線状構造部材を含み得る。機械的構造は、垂直軸と整列した主軸に対して規定され得る。このような場合には、構造部材は、「梁」とも称され得る、水平構造部材、及び/又は「柱」とも称され得る、垂直構造部材を含み得る。
【0015】
機械的構造は任意の種類の機械的構造、例えば、金属構造であり得る。本方法によって設計される3Dモデル化オブジェクトによって表現され得る金属構造の例としては(限定するものではないが)以下のものが挙げられる:
機枠。構造部材は、例えば、機械の機械的枠を形成する筋材であり、機械は測定及び/又は生産機械などの任意の種類の機械である、
1つ以上のアルミニウム押し出しプロファイルに基づく構造系。構造部材は、例えば、任意選択的に、全て同じプロファイル、又は代替的に、少なくとも2つの異なるプロファイルを呈するアルミニウム押し出し品である、
鉄骨構造。構造部材は、例えば、鉄骨梁、鉄骨補強筋、及び/又は鉄骨柱であり、任意選択的に、建物又は任意の種類の建造物を支持し、コーナは、例えば、ボルト結合部を用いて達成される、
溶接構造。コーナは、例えば、筋材であり得る構造部材の間の溶接結合部を用いて達成される(鉄骨構造及び溶接構造は同じ仕方で設計され得ることに留意されたい)、或いは
乗り物構造。構造部材は、例えば、例として、任意の種類の乗り物、例えば、自動車又はトラックなどの地上の乗り物、ボート又は船などの水上の乗り物、飛行機又はヘリコプターなどの空中の乗り物であり得る、乗り物の支持枠を形成する。
【0016】
本開示内で使用するとき、「コーナタイプ」は、コーナ内に含まれる構造部材の数(「部材数」)、及び構造部材がコーナにおいて終端するかどうか/どのように終端するか(「先端」を有するかどうか/どのように有するか)に基づくコーナの分類を指す。例えば、「単純なコーナ」は、ちょうど2つの構造部材が、そのうちの一方はその先端でない位置で、接続されたコーナである(例えば、2つの構造部材のうちの一方の先端が、他方の構造部材の、該他方の構造部材の先端でない位置に到達する)。「2部材のコーナ(two-member corner)」は、ちょうど2つの構造部材が、両方ともその先端で、接続されたコーナである(すなわち、2つの構造部材のうちの一方の先端が他方の構造部材の先端に到達する)。複雑なコーナは、厳密に2つを超える構造部材が接続されたコーナである(例えば、2つ以上の構造部材の先端が第3の構造部材に、例えば、その先端に、又は代替的に、その先端でない位置に到達する)。
【0017】
この位置において使用するとき、「コーナの位置」は、モデルの原点位置に対するコーナの単一の点の位置を指す。モデルの各コーナは固有のコーナの位置を有する。図2Aは、座標系250のx軸まで沿った第1の構造部材210、y軸に沿った第2の構造部材220、及びz軸に沿った第3の構造部材230を有する複雑なコーナ200を示す。コーナ構造部材210、220、230はコーナの位置201において会する。コーナの方位はコーナの全ての部材の方向によって規定される。図2Bは、コーナ200の分解バージョンを示す。ここで、第1の構造部材210は第1のコーナ交差位置211を有し、第2の構造部材220は第2のコーナ交差位置221を有し、第3の構造部材230は第3のコーナ交差位置231を有し、第1、第2、及び第3のコーナ交差位置211、221、231の各々はコーナの位置201(図2A)に対応する。ここで、第2の交差位置221は第2の構造部材220の先端に対応し、第3のコーナ交差位置231は第3の構造部材230の先端に対応し、その一方で、第1の交差位置211は第1の構造部材210の中間部分に対応する。
【0018】
本開示内で使用するとき、「同一のコーナ」は、同数の部材(等しい「部材数」を有する)、及び同じ部材幾何構成を共有するが、コーナの位置は異なる。
【0019】
本開示内で使用するとき、モデル化オブジェクト内の第1のコーナ及び第2のコーナは、それらが、
(1)同一のコーナであるか、
(2)回転変換を除いて同一であるか、又は
(3)鏡像である
場合に、「トポロジ的に相似」と言及される。
【0020】
本開示内で使用するとき、コーナの「トリム」又は「トリミング」は、コーナにおいて終端する各構造部材の端部幾何構成の規定を指す。第1及び第2のコーナがトポロジ的に相似である場合には、第1のコーナのトリミングは第2のコーナに適用され得る。
【0021】
本開示内で使用するとき、「トリムツール」は、2つ以上の部材がコーナにおいて会するときに、交差する/干渉する材料を他の部材から切り取ることになるであろう部材である。図12は、水平部材1211がコーナ1200の他のコーナ部材1212、1213からトリムする(材料を取り去る)コーナ1200を示す。本開示内で使用するとき、「リファレンス」は、CADモデルの幾何学的フィーチャを記述するデータ構造を指す。コーナリファレンスは、構造のコーナのためのデータ、例えば、コーナ点の座標、方向、並びにコーナの配置及び方位を規定するために用いられる接続要素及び構造部材からの平面の基点を含む。
【0022】
本開示内で使用するとき、「パラメトリックコーナ」は、コーナにおける、コーナの構造部材、及び構造部材のフィーチャ(例えば、幾何パラメータ)の一覧を指す。CADシステムは各パラメトリックコーナの一覧をモデル内に維持する。ユーザはパラメトリックコーナフィーチャを選択し、コーナトリミングを適用し得る。
【0023】
本開示内で使用するとき、モデルの部分の「指示」は、指示された部分のグラフィカルな強調、例えば、強調された輪郭(例えば、太くされた、若しくは着色された輪郭)、ポインタ要素、又は高コントラスト色表現を指す。
【0024】
本開示内で使用するとき、「接続要素」は、コーナにおいて部材を結合するための材料及び/又は手段を指す。接続要素の例としては、限定するものではないが、とりわけ、ボルト接続、L型クリップ、ガセットプレート、及びファインプレートが挙げられる。
【0025】
次に、添付の図面に例が示された、本発明の実施形態を詳細に参照する。可能なときには、同じ、又は同様の部分に言及するために、同じ参照符号が図面及び説明において用いられる。
【0026】
本発明の例示的な実施形態は、コンピュータモデル化構造内のトポロジ的に相似のコーナを識別し、それらをグループに振り分けるための方法に関する。コーナは、複数のレベルのチェックを適用することによって、トポロジ的に相似である、又は異なると分類され得る。第1のレベルのチェックは、コーナのいくつかのパラメータ、例えば、限定するものではないが、コーナ部材の数(「部材数」)、及びコーナ部材の断面幾何形状の比較を含む。第2のレベルチェックは、後述されるようにそれぞれのコーナ部材の相対方位を比較することを含み得る。2つのコーナ部材がこれらのチェックのための基準を満たす場合には、それらは同一のコーナとして分類される。次に、コンピュータモデル化構造の同一のコーナは、後続の動作のために、例えば、とりわけ、同一のコーナのグループを表示し、シードコーナのユーザトリミングをトポロジ的に相似のコーナのグループに適用するために、グループ化され得る。
【0027】
モデル化された系内のトポロジ的に相似のコーナのユーザによる識別は時間がかかり、誤りが発生しやすくなり得る。トポロジ的に相似のコーナであると分類されたコーナを自動的に識別し、及び/又はグループ化することは、この技術的問題に対する技術的ソリューションをもたらし、グループがまとめて操作及び/又は変更されることを可能にし、コーナを設計/実装する際の時間を短縮し、モデル化オブジェクト内の誤り及び見落としを低減する。例えば、表示された視野からCADシステムのユーザに視覚的に相似に見え得るコーナが、ユーザによって、相似であると誤認されることがある。同様に、表示された視野が、相似のコーナを異なるように見えさせることがある。さらに、単なる視覚的識別では、回転した方位、又は逆平行の(鏡像の)要素を有する相似のコーナを見逃す結果をもたらすことがある。したがって、単なる時間節約の便益以上に、実施形態は、相似のコーナを識別し、それに応じてコーナトリミング及び/又はコーナ接続要素を伝搬するための以前の方法の実際の改善を示す。
【0028】
図3は、フィーチャベースのCADシステムとのユーザの対話によって3Dモデル化オブジェクトを設計するためのコンピュータ実施方法の第1の実施形態のフローチャートである。3Dモデル化オブジェクトは機械的構造を表現する。機械的構造は構造部材及び複数のコーナを含み、各コーナは、コーナにおいて相互に接続された複数の構造部材をさらに有する。本方法はモデルのトポロジ的に相似のコーナを自動的に識別する。
【0029】
フローチャート内の任意のプロセスの説明又はブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実施するための1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、コードの部分、又はステップを表すと理解されるべきであり、機能が、本発明の当業者によって理解されるであろうように、関与する機能性に応じて、実質的に同時に、又は逆順で実行されることを含む、図示又は説明されたものと異なる順序で実行され得る、代替的な実装形態が本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0030】
ブロック310によって示されるように、機械的構造を表現する3Dモデル化オブジェクトの複数のコーナのパラメトリックフィーチャリストを受け取る。各コーナは、コーナの位置、及びコーナにおいて相互に接続された構造部材(「コーナ部材」)の部材数を含む。各コーナ部材のパラメトリックフィーチャは、断面形状及びサイズ;部材終端位置221、231(図2B)(コーナにおいて終端するコーナ部材の場合)、又は部材中間位置211(図2A)(コーナにおいて終端しないコーナ部材の場合)のどちらかから成るコーナ部材の位置を含む。他のコーナ部材フィーチャは、他のコーナ部材の各々に対する相対方位を含む。
【0031】
ブロック320によって示されるように、複数のコーナの第1のコーナの選択を受け取る。第1のコーナの選択は、例えば、CADシステムのグラフィカルユーザインターフェース(GUI(graphical user interface))を介した、ユーザ選択であり得るか、或いは例えば、モデル内の全てのコーナが分類及び/又はグループ化されているシナリオでは、任意であり得る。ブロック330によって示されるように、第1のコーナとトポロジ的に相似のモデル内の第2のコーナを識別する。ブロック340によって示されるように、第1のコーナのトリミングのユーザ規定を受け取る。ブロック350によって示されるように、トリミング規定を第2のコーナに自動的に適用する。
【0032】
図4はブロック330の識別をより詳細に示す。第1のコーナとトポロジ的に相似のモデル内の第2のコーナを識別することは、第1のコーナを第2のコーナと比較することを含む。ブロック410によって示されるように、第1のコーナ及び第2のコーナのための部材数を比較する。ブロック415によって示されるように、各対が、第1のコーナのコーナ部材に対応する第2のコーナのコーナ部材を有する、コーナ部材の対を識別する。ブロック420によって示されるように、対にされたコーナ部材の断面サイズ及び形状を比較する。ブロック430によって示されるように、対にされたコーナ部材のコーナの位置を比較する。一致したコーナ部材の対を、平行又は逆平行のどちらかであることについてチェックする。ブロック410、420、430、440におけるチェックの全てが肯定である場合には、ブロック470によって示されるように、第1及び第2のコーナはトポロジ的に相似である(実質的に同一である)。
【0033】
ブロック410、420、430が肯定であるが、対にされた部材が平行でも逆平行でもない場合には、ブロック450が、全ての第1及び第2の対にされた部材はそれらのそれぞれのコーナに対して同じ方位を有するかどうかをチェックする。図6は、平行及び逆平行のコーナ部材を有する構造を示す。
【0034】
全ての第1及び第2の対にされたコーナ部材が同じ相対方位を有する場合には、ブロック470によって示されるように、第1及び第2のコーナはトポロジ的に相似である。全ての第1及び第2の対にされた部材が同じ相対方位を有しない場合には、ブロック460によって示されるように、第1及び第2のコーナを、鏡像であることについてチェックする。第1及び第2のコーナが鏡像である場合には、ブロック470によって示されるように、第1及び第2のコーナはトポロジ的に相似である。
【0035】
第1及び第2のコーナが、トポロジ的に相似であると見なされる場合には、CADシステムのユーザインターフェースは、例えば、第2のコーナをモデルのグラフィカル表現内で強調表示すること、縁取りすること、取り囲むことによって、第2のコーナを視覚的に指示し得る。
【0036】
コーナの比較は初期基準(対応する部材数(ブロック410)、コーナ部材形状/サイズ(ブロック420)、部材コーナの位置(ブロック430))に合格したが、対応する部材対のうちの少なくとも1つが平行でも逆平行でもなければ(ブロック440)、本方法は2つのコーナの部材の相対方位をチェックする(ブロック450、460)。高いレベルにおいて、本方法は第1及び第2のコーナの対にされた部材を通して反復し、対応する部材の位置に適用されたときに、それらを合致させる剛体変換行列を計算する。本方法は変換を対の第2の部材の全てのコーナ部材の位置/方向に適用し、第1の/第2のコーナ部材はそれぞれのコーナに対する位置及び方向に関して合致するかどうかを決定する。
【0037】
2つの所与のコーナはトポロジ的に相似であるかどうかを決定するために、以下の数学操作が遂行される。部材方向の各々のもののための正規化ベクトルを追加することによって、各コーナの全ての部材方向のために角二等分線を計算する。角二等分線は、部材方向ベクトルの各々に対して等しい角度にある線である。部材方向ベクトルは、第1の3D(x,y,z)コーナ点を部材の反対端部上の第2の3D端点から減算し、結果のベクトルを正規化することによって計算される。例えば、図1の場合、左のコーナ121についての角二等分線ベクトルは{-0.31,-0.9,0.31}であり、右のコーナ122については{-0.42,-0.9,-0.1}である。
【0038】
3D変換行列を計算する。3D変換行列に右のコーナの角二等分線ベクトルを乗算することは右のコーナを左のコーナの角二等分線ベクトルと合致させる。行列は平行移動及び回転成分の両方を含む。例えば、表1に、図1のコーナ121、122のために計算された3D変換行列が示されている。
【0039】
【表1】
【0040】
各コーナの部材方向を縦走し、以下において説明されるように、左のコーナからの部材方向及び右のコーナからの部材方向を処理する。
・コーナ点(全てのコーナ部材が会する点)を基点として、及び左のコーナの角二等分線ベクトルを法線として用いて、リファレンス平面を作成する。
・角二等分線変換(表1)に右のコーナ部材ベクトル方向を乗算する。
・左のコーナから計算されたコーナ部材ベクトル方向、及び左のコーナから計算された変換部材ベクトル方向をリファレンス平面上に射影する。これらの射影されたベクトル方向の間の角度を計算する。
・2つの射影されたベクトルの間の角度を用いて回転変換を計算する。回転変換を用いて、射影されたベクトル方向を整列させる。
【0041】
表2に、計算された3D変換行列が示されている。
【0042】
【表2】
【0043】
角二等分線変換(表1)、及び回転変換(表2)を乗算し、2つのコーナ121、122を整列させるための最終変換を計算する。表3は最終変換を示す。
【0044】
【表3】
【0045】
上述の説明は、概して、第1のコーナを第2のコーナと比較することを説明したが、実施形態は、第1のコーナをモデル内の複数のコーナと比較するために適用可能である。モデル内のコーナの数に対応するコーナ数「n」を所与とすると、以下の論理を用いて、トポロジ的に相似のコーナ、及びモデルのn個のコーナの各コーナ内の対応する一致部材を識別する。
【0046】
本方法はn個のコーナを縦走し、各コーナを全ての他のコーナと比較する。ここで、各コーナは2つ以上のコーナ部材を包含し得る。第1のコーナと第2のコーナとの間の比較は以下のことを含む:
■第1のコーナの第1のコーナ部材から出発し、3D(x,y,z)コーナ点を部材の他の3D端点から減算し、結果のベクトルを正規化することによって、コーナ部材ごとの単位方向ベクトルを計算する。
■同様に、本方法は第2のコーナからのコーナ部材の各々のものの単位方向ベクトルを計算する。
■本方法は、上述されたように、3D変換行列を計算する。適用されたとき、変換行列は第1のコーナの部材の方向ベクトルを第2のコーナの対応する部材の方向ベクトルと合致させる。
■3D変換行列に他のコーナの全てのコーナ部材の方向ベクトルを乗算し、得られた方向ベクトルを第1のコーナからのコーナ部材の方向ベクトルと比較する。
■他のコーナのコーナ部材ごとに、第1のコーナ内に見出された一致コーナ部材が存在する場合には、コーナをトポロジ的に相似として識別する。
【0047】
図4、ブロック460に戻ると、以下の手順を用いて、第2のコーナは第1のコーナの鏡像であるかどうかを立証する。第1に、第1及び第2のコーナのコーナ位置の点をつなぐ線分の中点によって構築された鏡映面を用いて鏡像変換を計算する。線分の方向は鏡映面に垂直である。第2に、第1及び第2のコーナは同数のコーナ部材を有することを以前に立証したので(図4、ブロック410参照)、鏡像変換を各コーナ部材の対の第2のコーナのコーナ部材に適用し、対の対応する第1のコーナのコーナ部材に照らしてチェックする。チェックは、第1のコーナのコーナ部材の位置及び方向は、変換された第2のコーナのコーナ部材と同じであるかどうかを決定する。鏡像変換を適用することによって第1のコーナからの全てのコーナ部材を第2のコーナからのコーナ部材と合致させることができた場合には、コーナをトポロジ的に相似のコーナとして分類する。
【0048】
図5は、図11を参照してここで説明される、第2のコーナへの第1のコーナトリミング規定の自動適用(図3、ブロック350)をより詳細に示す。ブロック610によって示されるように、第1のコーナのトリミングのユーザ規定を第2のコーナにコピーする。コーナトリムデータは、例えば、限定するものではないが、間隙値、平面トリムタイプ、コーナトリムタイプ、マイタ角度、及び平面トリムモードを含み得る。一致したコーナ部材対のために、コーナ部材トリム順序及び個々のコーナ間隙値を第1のコーナから第2のコーナにコピーする。
【0049】
ブロック620によって示されるように、第1のコーナ1100を、トリムツールとして指定された1つ以上のコーナ部材を有することについてチェックする。第1のコーナ1100が、トリムツールとして指定された1つ以上のコーナ部材1112、1113を有する場合には、ブロック630によって示されるように、第2のコーナの対応するコーナ部材を見出し、トリムツール面1121、1122として指定する。第1及び第2のコーナはトポロジ的に相似であると決定した際に計算された変換行列に第1のコーナ1100のトリムツール面1121、1122上の点の空間座標を乗算し、変換された点を用いて第2のコーナ上の対応するトリムツール面の位置を特定する。ブロック640によって示されるように、第1のコーナ1100のトリミングのユーザ規定に従って第2のコーナをトリムする。
【0050】
第2の例示的な実施形態の下では、ユーザはモデル化構造のシードコーナからシード接続要素を選択し得、シード接続要素は複製され、1つ以上のトポロジ的に相似のコーナに配置される。複製された接続要素はシードコーナのとおりにトポロジ的に相似のコーナに配置され、方向づけられる。複製された接続要素はシード接続要素の回転又は鏡像であり得る。
【0051】
図9は、CADシステムに関連して接続要素をモデル化構造の第1の(シード)コーナからモデル化構造のトポロジ的に相似の第2の(ターゲット)コーナにコピーするための方法の例示的な第2の実施形態のフローチャート900である。図10は、図9の説明において参照される例示的なモデル化構造1000の概略図である。図4に示され、以上において詳細に説明されたように、ブロック330によって示されるように、第1のコーナとトポロジ的に相似のモデル内の第2のコーナを識別する。CADシステムのユーザインターフェース1060は、モデル化構造1000の1つ以上のトポロジ的に相似のコーナ1030を、例えば、テキスト一覧として、及び/又はグラフィカル表現として指示し得る。ブロック910によって示されるように、接続要素1010をシードコーナ(ここでは、第1のコーナ)に配置するためのリファレンスを収集する。収集されるリファレンスデータは接続要素タイプに依存する。例えば、面リファレンスのためには点集合が用いられ、平面リファレンスのためには平面法線及び基点が用いられ、軸リファレンスのためには方向及び基点が用いられる。
【0052】
本方法は、ブロック920によって示されるように、第2のコーナを、接続要素を配置するための一致リファレンスについてチェックする。例えば、一致リファレンスは、シード接続要素を用いて作成されたデータセットに適用された変換を用いて見出され得る。L型クリップの2つの外面はシードコーナ内の構造部材面と合致し得るため、本方法は、次に、L型クリップを同じ方位に配置するためのターゲットコーナからの合致構造部材面を見出し得る。
【0053】
図13によって示されるように、シードL型クリップAは面1001、1002面を配置のための合致面として用いる。L型クリップAのとおりにパターン形成されたターゲットL型クリップBは面1001及び1003を配置のための合致面として用いる。ここで、クリップA及びBは1つの共通構造部材、面1001を共有するので、面1001はクリップA及びBのために共通である。
【0054】
一致リファレンスが見出されない場合には、ブロック930によって示されるように、接続要素を第2のコーナに適用しない。ブロック940によって示されるように、シード接続要素のコピーを作り、コピーされた接続要素を第2のコーナに適用するために方向づけられる。ブロック950によって示されるように、コピーされた接続要素を第2のコーナに適用する。
【0055】
2つのコーナがトポロジ的に同一である場合、第1のコーナの接続要素が第2のコーナに適用されなくてもよいシナリオが存在し得る。接続要素は、構造部材に対する3つの制約を適用することによって完全に規定される。制約のうちのいずれかが正しく適用されない場合には、接続要素は構造部材に対して固定又は方向づけられないであろう。特定の条件、例えば、対応する面又は点又は平面が、異なるトリミングオプション又は任意の他のモデル化操作のゆえにターゲットコーナにおいてdueと見出されない場合には、一致リファレンスは見出され得ず、これにより、接続要素はターゲットコーナにおいてパターン形成されないことになる。
【0056】
上述のことは、第1のコーナにおけるシード接続要素を用いて第2のコーナにおける相似の接続要素を作成することを説明しているが、同じプロセスが、2つ以上のコーナ、例えば、識別されたトポロジ的に相似のコーナ1030のグループ内の全てのコーナにおける相似の接続要素を作成するために用いられ得る。実装形態によっては、CADシステムは相似のコーナのリストを提供し得、ユーザはコーナのうちの1つ以上(又は全て)を相似の接続要素のために選択し得る。CADシステムは、トポロジ的に相似のコーナにおいて適用された接続要素の表示1020を提供し得、飛ばされた(スキップされた)相似のコーナ1040をグラフィカルに、又はテキストでさらに指示し得る。
【0057】
以上において詳細に説明された機能性を実行するための本システムはコンピュータであり得、その一例が図8の概略図に示されている。システム500は、プロセッサ502、記憶デバイス504、上述の機能性を規定するソフトウェア508が内部に記憶されたメモリ506、入力、及び出力(I/O(input, and output))デバイス510(又は周辺装置)、並びにシステム500内の通信を可能にするローカルバス、又はローカルインターフェース512を包含する。ローカルインターフェース512は、例えば、限定するものではないが、当技術分野において知られているとおりの、1つ以上のバス又は他の有線若しくは無線接続であることができる。ローカルインターフェース512は、通信を可能にするために、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ、及び受信器などの、簡潔にするために省略された、追加の要素を有し得る。さらに、ローカルインターフェース512は、上述の構成要素の間の適切な通信を可能にするために、アドレス、制御、及び/又はデータ接続を含み得る。
【0058】
プロセッサ502は、ソフトウェア、特に、メモリ506内に記憶されたものを実行するためのハードウェアデバイスである。プロセッサ502は、任意の特別製若しくは市販のシングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、中央処理装置(CPU(central processing unit))、本システム500に関連付けられたいくつかのプロセッサの間の補助プロセッサ、(マイクロチップ若しくはチップセットの形態の)半導体ベースのマイクロプロセッサ、マクロプロセッサ、又は概して、ソフトウェア命令を実行するための任意のデバイスであることができる。
【0059】
メモリ506は、揮発性メモリ要素(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM等などの、RAM))及び不揮発性メモリ要素(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROM等)のうちの任意の1つ又は組み合わせを含むことができる。さらに、メモリ506は、電子、磁気、光、及び/又は他の種類の記憶媒体を組み込み得る。メモリ506は、様々なコンポーネントが互いに遠隔に配置されているが、プロセッサ502によってアクセスされ得る、分散アーキテクチャを有することができることに留意されたい。
【0060】
ソフトウェア508は、本発明に係る、システム500によって遂行される機能性を規定する。メモリ506内のソフトウェア508は、後述されるとおりの、システム500の論理機能を実施するための実行可能命令の順序付けられたリスティングを各々包含する、1つ以上の別個のプログラムを含み得る。メモリ506はオペレーティングシステム(O/S(operating system))520を包含し得る。オペレーティングシステムは、本質的に、システム500内のプログラムの実行を制御し、スケジューリング、入力-出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。
【0061】
I/Oデバイス510は、入力デバイス、例えば、限定するものではないが、キーボード、マウス、スキャナ、マイクロフォン等を含み得る。さらに、I/Oデバイス510はまた、出力デバイス、例えば、限定するものではないが、プリンタ、ディスプレイ等を含み得る。最後に、I/Oデバイス510は、入力及び出力の両方を介して通信するデバイス、例えば、限定するものではないが、変調器/復調器(別のデバイス、システム、又はネットワークにアクセスするための、モデム)、無線周波数(RF(radio frequency))又は他のトランシーバ、電話インターフェース、ブリッジ、ルータ、或いは他のデバイスをさらに含み得る。
【0062】
システム500が動作中のときに、プロセッサ502は、メモリ506内に記憶されたソフトウェア508を実行すること、データをメモリ506へ、又はそれから通信すること、並びに概して、以上において説明されたとおりの、ソフトウェア508に準じたシステム500の動作を制御することを行うように構成されている。
【0063】
システム500の機能性が動作中のときに、プロセッサ502は、メモリ506内に記憶されたソフトウェア508を実行すること、データをメモリ506へ、又はそれから通信すること、並びに概して、ソフトウェア508に準じたシステム500の動作を制御することを行うように構成されている。オペレーティングシステム520はプロセッサ502によって読み出され、ことによると、プロセッサ502内にバッファされ、その後、実行される。
【0064】
システム500がソフトウェア508の形で実施されるときには、システム500を実施するための命令は、任意のコンピュータ関連デバイス、システム、又は方法による、又はそれと関連した使用のために任意のコンピュータ可読媒体上に記憶され得ることに留意されたい。このようなコンピュータ可読媒体は、実施形態によっては、メモリ506又は記憶デバイス504のどちらか又は両方に対応し得る。本文書に関連して、コンピュータ可読媒体は、電子、磁気、光、或いはコンピュータプログラムを、コンピュータ関連デバイス、システム、又は方法による、又はそれと関連した使用のために包含するか、又は記憶することができる他の物理デバイス又は手段である。システムを実施するための命令は、プロセッサ又は他のこのような命令実行システム、装置、若しくはデバイスによる、又はそれと関連した使用のために任意のコンピュータ可読媒体において具現化され得る。プロセッサ502が例として言及されたが、このような命令実行システム、装置、又はデバイスは、実施形態によっては、任意のコンピュータベースのシステム、プロセッサを包含するシステム、或いは命令実行システム、装置、又はデバイスから命令を取り出し、命令を実行することができる他のシステムであり得る。本文書に関連して、「コンピュータ可読媒体」は、プログラムを、プロセッサ或いは他のこのような命令実行システム、装置、又はデバイスによる、又はそれと関連した使用のために記憶、通信、伝搬、又は輸送することができる任意の手段であることができる。
【0065】
このようなコンピュータ可読媒体は、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、又は伝搬媒体であることができる。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)としては、以下のもの:1本以上の電線を有する電気接続(電子)、ポータブルコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM(random access memory))(電子)、リードオンリーメモリ(ROM(read-only memory))(電子)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM(erasable programmable read-only memory)、EEPROM、若しくはフラッシュメモリ)(電子)、光ファイバ(光)、及びポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CDROM(compact disc read-only memory))(光)が挙げられるであろう。プログラムは、例えば、紙又は他の媒体の光学走査を介して、電子的に取り込み、その後、コンパイルし、解釈実行するか、又は必要な場合には他の仕方で好適な仕方で別様に処理し、その後、コンピュータメモリ内に記憶することができるため、コンピュータ可読媒体は、紙、又はプログラムが印刷される別の好適な媒体であることさえできるであろうことに留意されたい。
【0066】
システム500がハードウェアの形で実施される、代替的な実施形態では、システム500は、各々、当技術分野においてよく知られた、以下の技術、データ信号に対して論理機能を実施するための論理ゲートを有する個別論理回路、適切な組み合わせの論理ゲートを有する特定用途向け集積回路(ASIC(application specific integrated circuit))、プログラマブルゲートアレイ(PGA(programmable gate array))、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA(field programmable gate array))等のうちの任意のもの又は組み合わせを用いて実施され得る。
【0067】
上述の実施形態は、概して、モデル化オブジェクトを操作し、エルゴノミクスが改善された構造設計をもたらす。
【0068】
モデル化オブジェクトは、例えば、データベース内に記憶されたデータによって定義された任意のオブジェクトである。転じて、表現「モデル化オブジェクト」はデータ自体を指示する。モデル化オブジェクトは、システムの種類に従って異なる型のデータによって定義され得る。システムは、CADシステム、CAEシステム、CAMシステム、PDMシステム、及び/又はPLMシステムの任意の組み合わせであり得る。それらの異なるシステムにおいて、モデル化オブジェクトは、対応するデータによって定義される。それに応じて、CADオブジェクト、PLMオブジェクト、PDMオブジェクト、CAEオブジェクト、CAMオブジェクト、CADデータ、PLMデータ、PDMデータ、CAMデータ、CAEデータについて論じ得る。しかし、モデル化オブジェクトはこれらのシステムの任意の組み合わせに対応するデータによって定義され得るため、これらのシステムは他のものを排除するものではない。それゆえ、システムはCAD及びPLMシステムの両方であることは十分にあり得る。
【0069】
CADシステムによって、それは、少なくとも、CATIA(商標)又はSOLIDWORKS(商標)などの、モデル化オブジェクトのグラフィカル表現に基づいてモデル化オブジェクトを設計するために適合された任意のシステムがさらに意味される。この場合には、モデル化オブジェクトを定義するデータは、モデル化オブジェクトの表現を可能にするデータを含む。CADシステムは、例えば、エッジ又は線分を、特定の場合には、面又はサーフェスと共に用いて、CADモデル化オブジェクトの表現を提供し得る。線分、エッジ、又はサーフェスは、様々な仕方、例えば、非一様有理Bスプライン(NURBS(non-uniform rational B-spline))で表現され得る。具体的には、CADファイルは、幾何要素が生成され得る仕様を包含し、それが今度は、表現が生成されることを可能にする。モデル化オブジェクトの仕様は単一のCADファイル又は複数のファイル内に記憶され得る。CADシステム内のモデル化オブジェクトを表現するファイルの典型的なサイズはパーツ当たり1メガバイトの範囲内である。モデル化オブジェクトは、通例、数千個のパーツのアセンブリであり得る。
【0070】
CADに関連して、モデル化オブジェクトは、通例、3Dモデル化オブジェクトであり得る。「3Dモデル化オブジェクト」によって、それは、その3D表現を可能にするデータによってモデル化された任意のオブジェクトが意味される。3D表現は全ての角度からの機械的構造の観察を可能にする。例えば、3Dモデル化オブジェクトは、そのように表現されたときに、処理され、その軸のうちの任意のもの周りに、又は表現が表示されたスクリーン内の任意の軸の周りに回転させられ得る。これは、とりわけ、3Dモデル化されない、2Dアイコンを除外する。3D表現の表示は設計を容易にする(すなわち、設計者が自分のタスクを統計的に達成する速度を増大させる)。製品の設計は製造プロセスの部分であるため、これは産業における製造プロセスを加速する。また、3Dモデル化オブジェクトは機械的構造の3D形状/幾何構成、換言すれば、現実世界における機械的構造を構成する材料の空間分布を記述する。
【0071】
本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく様々な変更及び変形を本発明の構造に対して行うことができることが当業者には明らかであろう。上述のことに鑑みて、本発明は、本発明の変更及び変形を、それらが添付の請求項及びそれらの同等物の範囲に含まれるという条件で、包括することを意図される。
【符号の説明】
【0072】
100 構造
121、122、200、1200 コーナ
201 コーナの位置
210 第1の構造部材
211 第1のコーナ交差位置
220 第2の構造部材
221 第2のコーナ交差位置
230 第3の構造部材
231 第3のコーナ交差位置
250 座標系
500 システム
502 プロセッサ
504 記憶デバイス
506 メモリ
508 ソフトウェア
510 入力及び出力デバイス
512 ローカルインターフェース
520 オペレーティングシステム
700、1010 接続要素
1000 モデル化構造
1001、1002、1003 面
1020 表示
1030 トポロジ的に相似のコーナ
1040 飛ばされた相似のコーナ
1060 ユーザインターフェース
1100 第1のコーナ
1112、1113、1212、1213 コーナ部材
1121、1122 トリムツール面
1211 水平部材
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】