(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062950
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】回転砥石の撮影装置及び回転砥石の撮影方法
(51)【国際特許分類】
B24B 49/12 20060101AFI20240501BHJP
H04N 23/74 20230101ALI20240501BHJP
【FI】
B24B49/12
H04N23/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023176008
(22)【出願日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2022170825
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000150604
【氏名又は名称】株式会社ナガセインテグレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 幸泰
(72)【発明者】
【氏名】板津 武志
(72)【発明者】
【氏名】井村 諒介
【テーマコード(参考)】
3C034
5C122
【Fターム(参考)】
3C034AA07
3C034BB93
3C034CA09
3C034CA22
3C034CA26
3C034CB11
3C034DD05
3C034DD20
5C122FA17
5C122GG21
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】回転砥石の砥面をカラー画像によって撮影すること。
【解決手段】回転中の回転砥石14の外周面である砥面14aをランプ28によって照明する。砥面14aをその回転方向において割出して、割出し位置において撮影装置21の電子シャッタを切ることによって砥面14aを撮影する。ランプ28は電子シャッタを切るタイミングと同調して照明動作される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中の回転砥石の砥面を照明する照明手段と、
前記砥面を撮影する撮影手段と、
前記回転砥石の回転位置を割出す割出し手段と、
割出された位置において前記撮影手段のシャッタを撮影動作させる制御手段とを備えた前記回転砥石の撮影装置において、
前記制御手段は、前記シャッタを切るタイミングで前記照明手段を発光動作させる回転砥石の撮影装置。
【請求項2】
前記割出し手段は、割出し原点を設定する請求項1に記載の回転砥石の撮影装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記割出し原点を基準にして撮影画像を並べる請求項2に記載の回転砥石の撮影装置。
【請求項4】
前記制御手段は、撮影された前記砥面の画像を撮影順に連続させる請求項1に記載の回転砥石の撮影装置。
【請求項5】
前記制御手段は、撮影する割出し位置を前記回転砥石が1回転するごとに遷移させる請求項1に記載の回転砥石の撮影装置。
【請求項6】
前記制御手段は、複数の割出し位置をスキップしたスキップ位置で撮影させるとともに、そのスキップ位置を前記回転砥石が1回転するごとに遷移させる請求項1に記載の回転砥石の撮影装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記スキップ位置を均等に配置するとともに、前記1回転ごと1割出しピッチ分ずつ遷移させる請求項6に記載の回転砥石の撮影装置。
【請求項8】
前記照明手段、前記撮影手段、前記割出し手段及び前記制御手段をユニット化するとともに、そのユニットを研削盤のテーブルに設置可能にした請求項1に記載の回転砥石の撮影装置。
【請求項9】
回転中の回転砥石の砥面を照明手段によって照明するとともに、前記砥面をその回転方向において割出して、割出し位置においてシャッタを切ることによって前記砥面を撮影する前記回転砥石の撮影方法において、
前記シャッタを切るタイミングと同調して前記照明手段を照明動作させる回転砥石の撮影方法。
【請求項10】
前記回転砥石の外周の前記砥面を撮影する請求項9に記載の回転砥石の撮影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転砥石の砥面を撮影するようにした回転砥石の撮影装置及び回転砥石の撮影方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,特許文献2及び特許文献3には、回転砥石の砥面の状態を確認するために、その砥面を撮影するようにした技術が開示されている。これらの特許文献1~3においては、砥面を撮影して、砥面の摩耗や汚損のレベルを判断するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-42158号公報
【特許文献2】特開2004-45078号公報
【特許文献3】特開2021-115680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転中の回転砥石の砥面を割出して、その回転中に割出し位置を撮影する場合、回転砥石の回転速度が高速であるため、シャッタ速度はきわめて短い。従って、カメラに取込まれる撮影光量が少なくなるため、モノクロ画像にならざるを得ない。一方、砥面状態の判別にはカラー画像が適切である。しかし、撮影光量が足りないと、カラー画像を得ることは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の回転砥石の撮影装置においては、回転中の砥面を照明する手段と、前記砥面を撮影する撮影手段と、前記回転砥石の回転方向の位置を割出す割出し手段と、割出された位置において前記撮影手段のシャッタを撮影動作させる制御手段とを備えた回転砥石の撮影装置において、前記制御手段は、前記シャッタを切るタイミングで前記照明手段を発光動作させることを特徴とする。
【0006】
本発明の回転砥石の撮影方法においては、回転砥石の回転中の砥面を照明手段によって照明するとともに、前記砥面の回転方向の位置を割出すとともに、各割出し位置においてシャッタを切ることによって前記砥面を撮影する回転砥石の砥面撮影方法において、前記シャッタを切るタイミングと同調して前記照明手段を照明動作させることを特徴とする。
【0007】
以上の撮影装置及び撮影方法においては、シャッタを切るタイミングと照明手段の照明動作とが同調されるため、シャッタタイミング以外のときには照明手段を停止させればよい。言い換えれば、シャッタタイミングの短い期間だけ照明手段が瞬間的に照明動作されるため、照明手段に対して高電圧を印加できる。従って、砥面に対して十分な照明光量を与えることができるので、シャッタ速度が速くても、カメラに取込まれる撮影光量を多くすることができる。このため、カラー画像を得ることができる。よって、砥面の状態を正確に認識することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高速回転している回転砥石の砥面をカラー画像によって撮影できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態において回転砥石を有する研削盤の正面図。
【
図2】同じく照明装置及び撮影装置を示す拡大断面図。
【
図3】同じく回転砥石の割出しピッチを示す説明図。
【
図5】同じく割出しに同調して出力されるパルスのタイミングを示す線図。
【
図7】第2実施形態において回転砥石を有する研削盤の正面図。
【
図8】同じく照明装置及び撮影装置を示す拡大断面図。
【
図9】同じく回転砥石の割出しピッチを示す説明図。
【
図10】(a)~(c)は、同じく撮影される割出し位置の遷移を示す説明図。
【
図13】(a)及び(b)は、同じく撮影位置を遷移させるためのパルスタイミングの線図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、本発明を平面研削盤(以下、研削盤という)において具体化したものである。
【0011】
〈第1実施形態の構成〉
図1に示すように、第1実施形態の撮影装置としての研削盤10は、ベッド11上においてX軸方向に往復移動可能に支持されたテーブル12を備えている。テーブル12の上面にワーク100が設置される。
【0012】
ベッド11上においてX軸と直角で、かつ水平なZ軸方向に移動されるコラム(図示しない)には砥石軸13がX軸及びZ軸と直角で、かつ鉛直なY軸方向に移動可能に支持されている。従って、この砥石軸13は昇降される。砥石軸13には回転砥石14が支持されており、この回転砥石14は、
図4に示す砥石回転モータ15によって一方向に回転される。回転砥石14の回転速度は、例えば、1分間に1000~3000回転等であるが、この回転速度は任意に設定される。回転砥石14の外周面が研削面としての砥面14aになっている。回転砥石14が回転されると、砥面14aによってワーク100の上面が研削される。
【0013】
図1及び
図2に示すように、前記回転砥石14の近傍で回転砥石14の側方位置には撮影手段としての撮影装置21が装設されている。この撮影装置21は、回転砥石14の砥面14aに近接する撮影位置と、砥面14aから離間する図示しない退避位置とに配置される。撮影位置における撮影装置21は回転砥石14と一体にY軸方向及びZ軸方向に移動される。この撮影装置21は、CCD(固体撮像素子)を有するカメラ22と、レンズ(図示しない)を含む光経路23とを有している。撮影装置21と砥面14aとの間の位置には照明ドーム26が配置されている。照明ドーム26の頂部には開口27が形成されている。照明ドーム26の内面には砥面14aを照明するための照明手段としての複数のランプ28が設けられている。このランプ28は、発光ダイオード(LED)よりなる。
【0014】
そして、撮影装置21が撮影位置に配置された状態において、ランプ28からの発光動作による光が砥面14aに対して照明動作されるため、その照射画像が照明ドーム26の開口27を通過してカメラ22に取込まれる。カメラ22は取込まれた画像を電子シャッタの開放によって撮影する。
【0015】
撮影画像のデータは、
図4に示す中央処理装置32を備えた制御装置31の記憶部33に記憶される。割出し手段,撮影手段及び制御手段としての制御装置31には回転砥石14を回転させるモータ15のエンコーダ34が接続されている。エンコーダ34も割出し手段を構成する。
【0016】
〈第1実施形態の作用〉
図4に示すエンコーダ34は、モータ15の所定の等回転角度ごとに信号を発生する。そして、制御装置31の制御によって
図3及び
図5に示す以下の作用が実行される。すなわち、研削加工が行われない回転砥石14の回転時において、エンコーダ34からの信号に基づき、タイミング生成部35は回転砥石14の回転方向における所定の等ピッチごとの回転位置(割出し位置)αと対応して割出しパルスPuを発生する。そして、
図5に示すように、カメラ22がその割出しパルスPuに対応する所定のシャッタタイミングShで電子シャッタを切ることにより(電子シャッタを開放することにより)、割出し位置αの撮影動作を実行する。割出しパルスPuの数は、回転砥石14の1回転につき、例えば1024であるが、この割出しパルスPuの数は限定されるものではなく、任意に設定できる。
【0017】
図3に示すように、制御装置31は、割出しパルスPuのひとつを、基準点及び割出し原点Gとする。
また、
図5に示すように、前記ランプ28に対して割出しパルスPuのタイミングで高電圧が印加される。このため、割出しパルスPuに同調して、ランプ28の点灯による砥面14aの照射と、電子シャッタの開放による撮影とが同時に実行される。
【0018】
そして、
図6に示すように、電子シャッタの開放ごとに撮影された各画像Im1は、制御装置31の記憶部33に格納される。
次いで、その各画像Im1が原点GのパルスPuを基準にして,つまり原点GのパルスPuに対応する画像Im1起点にして撮影順に並べられて接続される。このため、砥面14aの1周分の連続画像Im2が形成されて、その連続画像Im2が記憶部33に記憶される。その連続画像Im2は、目視確認のために表示部36で表示される。
【0019】
その後、連続画像Im2によって砥面状況が確認された回転砥石14によってワーク100に対して研削加工が実行される。
そして、ワーク100の研削加工後、割出しパルスPuに対応するランプ28の点灯とカメラ22のシャッタ開放とにより、再度砥面14aの撮影が実行される。そして、撮影された砥面14aの1周分の画像Im1が原点GのパルスPuを基準に連続画像Im2として撮影順に並べられて接続される。このため、研削加工の前後における同一位置の撮影画像を確認できる。なお、撮影画像の確認のために基準となる原点は、撮影後に特定位置の割出しパルスPuを選択して、その割出しパルスPuを原点としてもよい。
【0020】
〈第1実施形態の効果〉
従って、本実施形態の撮影装置及び撮影方法においては、以下の効果がある。
(1)回転砥石14の割出し位置αにおけるシャッタが切られるタイミングで割出しパルスPuが発生されるごとに、ランプ28が高電圧で点灯される。従って、回転砥石14の砥面14aが高い光量のもとに照らされる。このため、撮影によって得られる画像は、明瞭なカラー画像として再現される。このように、撮影される砥面14aをカラー画像にすれば、砥面14aの状態をより正確に認識できる。
【0021】
(2)ランプ28の高電圧点灯は瞬間的であるため、ランプ28やその周囲の部品が高温になることを抑制できる。従って、過熱に起因する不都合な事態が生じることを回避できる。
【0022】
(3)前記のように、ランプ28の高電圧点灯は瞬間的であるため、消費電力を少なくできる。
(4)撮影画像を撮影順に接続して連続画像とするため、砥面14aの全体の認識が容易になる。
【0023】
(5)撮影された画像Im1を原点位置のものを基準に並べることにより、研削加工の前後における同一位置の撮影画像を確認できる。従って、砥面14aの状態変化を認識できて、ドレスタイミングの決定等に役立てることができる。
【0024】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を主として第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態において、撮影装置51は研削盤10と別体であって、テーブル12上に設置可能である。
【0025】
〈第2実施形態の構成〉
図7及び
図11に示すように、撮影装置51のケーシング52内に、中央処理装置32,記憶部33及びタイミング生成部35を有する制御装置31が設けられている。また、ケーシング52内にカメラ22,表示部54及びランプ28が設けられている。従って、制御装置31、カメラ22,表示部54及びランプ28がケーシング52内においてユニット化されている。
【0026】
図8に示すように、ランプ28及びカメラ22のレンズ部分は、ケーシング52から外部に向かって臨むように配置されている。また、図示しないが、表示部54の表示面がケーシング52の外側面に位置しており、この表示面に入力データや、制御装置31における処理結果等が表示される。
【0027】
図7及び
図8に示すように、ランプ28の反対側の面であるケーシング52の底面には、永久磁石53が取り付けられている。この永久磁石53は研削盤10のテーブル12上に磁気吸着される。
【0028】
図11に示すように、砥石回転用のモータ15,エンコーダ34,研削盤10全体の動作を表示する表示部36等は研削盤10に設けられている。そして、撮影装置51は、図示しない有線で研削盤10電気系統に接続される。
【0029】
〈第2実施形態の作用〉
次に、撮影装置51の作用を
図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
図12のフローチャートは、制御装置31の記憶部33に設定されたプログラムが中央処理装置32の作用に基づいて進行するものである。本実施形態においては、回転砥石14の砥面14aを撮影するために、エンコーダ34の出力にともなう割出し数(例えば1024)があらかじめ記憶部33に設定される。この割出し数をnとする。そして、本実施形態においては、回転砥石14の砥面14aの撮影が回転砥石14の1回転について原点Gを起点とする複数の割出し位置αを均等間隔でスキップしたスキップ位置において複数回(本実施形態では4回)実行される。回転砥石14の次の1回転においては、前回における回転の際の撮影位置である割出し位置αに対して、1割出しピッチ分回転方向に遷移した割出し位置αにおいて撮影が実行される。言い換えれば、1/nだけ遷移した位置において撮影が実行される。以下に、その詳細を説明する。
【0030】
はじめに、
図7及び
図8に示すように、撮影装置51がその永久磁石53においてテーブル12上に吸着保持される。また、回転砥石14が所定の回転数で回転される。このため、エンコーダ34からの出力に基づいて、タイミング生成部35から、
図9及び
図13(a)に示すように、回転砥石14の1回転ごとに、回転砥石14の所定の回転位置αごとに合計n数の割出しパルスPuが出力される。
【0031】
そして、
図12のステップ(以下、Sという)1において、エンコーダ34からの信号に基づくタイミング生成部35からの割出しパルスPuに基づいて、
図10(a)に示すように、回転砥石14が原点Gに位置したことが判断される。この判断に基づいて、S2において、
図13(a)に示すように、ランプ28の点灯によって回転砥石14の砥面14aが照明される。そして、その割出しパルスPuに基づくシャッタタイミングShにおいて、カメラ22のシャッタの開放信号が出力されて、カメラ22のシャッタが開放される。このため、照明と同調するシャッタ開放により、砥面14aが撮影されるとともに、S3においてそのデータが記憶部33に記憶される。なお、設定された原点位置で最初の撮影が行われることに代えて、制御装置31に記憶されたタイミングに基づいて最初に撮影された位置を原点としてもよい。
【0032】
S4においては、回転砥石14がS2のタイミングから90度回転したことが判断されると、S6において、360度回転したか、言い換えれば1回転が終了したか否かが判断される。1回転未満の場合は、S2に戻って、前記と同様に割出しパルスPuの出力に従って照明と撮影とが実行される。このため、
図10に実線で示すように、原点Gから90度ずつ回転するごとに、照明及び撮影が実行される。従って、回転砥石14の1回転について4回の砥面撮影が実行される。
【0033】
そして、S5において、回転砥石14が1回転したことが判断されると、S6において、1回転における最初の撮影位置である原点Gの位置から1/n度回転したか否かが判断される。つまり、
図10(b)及び
図13(b)の実線から明らかなように、1/1024度回転されると、S2において前記と同様に砥面14aの撮影が実行される。従って、
図12のフローチャートに従い、
図10(b),(c)から明らかなように、前回の回転時における撮影位置から1/n度ずつ回転方向の後方側へ遷移された90度ごとの4箇所の位置で撮影が実行される。
【0034】
そして、S7において、砥面14aに対するn(1024)の割出し位置αの撮影が終了すると、前記第1実施形態と同様に、その各画像Im1が原点Gの位置を起点にして撮影順に接続される。このため、砥面14aの1周分の連続画像Im2が形成されて、その連続画像Im2が記憶部33に記憶される。その連続画像Im2は、目視確認のために研削盤10の表示部36あるいは撮影装置51の表示部54や研削盤10に接続されたパソコン等の表示部で表示される。
【0035】
その後、ワーク100の研削のために、撮影装置51に代えてテーブル12上に研削加工されるべきワーク100が支持される。
研削加工の終了後は、研削加工後のワーク100に代えて撮影装置51がテーブル12上にセットされる。従って、砥面14aを再度撮影して砥面14aの状況変化を確認できる。
【0036】
〈第2実施形態の効果〉
第2実施形態においては、第1実施形態の効果に加えて、以下の効果がある。
(1)撮影装置51が研削盤10とは別体であって、テーブル12上に着脱されるものであるため、砥面14aの撮影機能を有していない研削盤10であっても、本実施形態の撮影装置51をテーブル12上に設けることによって砥面撮影が可能となる。
【0037】
(2)回転砥石14の1回転について、複数回(4回)の撮影が行われる。そして、回転砥石14の回転にともない、その撮影位置が遷移される。その結果、回転砥石14の砥面14a全体が撮影される。従って、短い間隔で撮影を行う必要がないため、安価で撮影能力が高くないカメラであっても、砥面14aの状態を監視できる。
【0038】
(変更例)
前記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。そして、前記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0039】
・前記第1実施形態では、撮影装置21及び照明ドーム26を砥面14aの側方位置に配置した。これに代えて、撮影装置21及び照明ドーム26を砥面14aの上方位置や斜め上方位置に配置すること。
【0040】
・砥面14a上の残留クーラントが撮影の邪魔になる場合、そのクーラントを除去する高圧空気吹付け手段等のクーラント除去手段を設けること。
・周面ではなく、側面が砥面である回転砥石の同砥面を撮影すること。従って、照明装置がその側面を照射するとともに、照射された側面をカメラ22が撮影する。
【0041】
・撮影された画像Im1を連続させる処理を実行しないこと。従って、分断された画像Im1によって砥面14aの状態を判別する。
・第2実施形態において、回転砥石14の1回転当たりの撮影回数を1回,2回,3回,5回以上等、4回以外の回数に変更すること。
【0042】
・前回の1回転に対する撮影位置の遷移を第2実施形態とは異なる割出しピッチで行うこと。例えば、2割出しピッチずつ遷移させること。
・砥面14aの撮影時には、回転砥石14の回転数を研削加工時より速くしたり、逆に遅くしたりすること。
【符号の説明】
【0043】
10…平面研削盤
12…テーブル
14…回転砥石
14a…砥面
21…撮影装置
22…カメラ
28…ランプ
31…制御装置
32…中央処理装置
33…記憶部
34…エンコーダ
35…タイミング生成部
51…撮影装置
52…ケーシング
100…ワーク
Im1…画像
Im2…連続画像
G…割出し原点
Sh…シャッタタイミング
α…割出し位置