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  • 特開-器具のドア用ラッチ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062960
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】器具のドア用ラッチ装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20240501BHJP
   E05B 65/00 20060101ALI20240501BHJP
   B04B 7/06 20060101ALI20240501BHJP
   E05C 1/02 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
E05B47/00 J
E05B65/00 N
B04B7/06 A
E05C1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023182192
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】22203659
(32)【優先日】2022-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508248818
【氏名又は名称】サーモ エレクトロン エルエーデー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラ―トケ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ランガ-,ダニエル
【テーマコード(参考)】
4D057
【Fターム(参考)】
4D057AA00
4D057AB01
4D057AC01
4D057AC05
4D057AD01
4D057AE11
4D057BA06
4D057BD07
(57)【要約】
【課題】器具のドアを閉めるラッチを提供する。特に、遠心分離機の蓋をロックするための有利な装置を提供する。
【解決手段】器具のドアを閉じた状態でロックする装置であって、ドアに取り付けるためのロック部材であって、係合部を有するロック部材と、ロック部材の係合部を係合させるロックボルトと、ロックボルトを軸に沿って移動させるためのリニアアクチュエータであって、セルフロッキングであるリニアアクチュエータと、を備える装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具のドアを閉位置にロックするための装置であって、
ドアに取り付けるためのロック部材であって、係合部を有するロック部材と、
前記係合部を前記ロック部材に係合させるロックボルトと、
前記ロックボルトを軸に沿って移動させるためのリニアアクチュエータと、を備え、
前記リニアアクチュエータはセルフロッキング式である、装置。
【請求項2】
弾性部材が、前記リニアアクチュエータに対して前記ロックボルトを付勢する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ロックボルトは、ラッチ部とロック部とを備え、
前記ラッチ部は、前記ロック部材との接触が、前記ロックボルトを変位させるために前記軸に沿って前記ロック部材からの力を生成するように配置され、
前記ロック部は、前記ロック部材との接触が、前記ロックボルトを変位させるために前記軸に沿って前記ロック部材からの力を生成しないように配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ロック部材は、引き抜き方向とは反対の挿入方向(Z)に移動するように構成され、
前記ラッチ部は傾斜面を有し、
前記傾斜面は、前記ロック部材が前記挿入方向(Z)に移動するときに前記ロック部材に接触するように配置され、それによって前記軸に沿って前記ロックボルトを後退させようとする反力を提供する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記傾斜面が、前記軸に対して15~80度、好ましくは45度~70度の傾斜角を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ラッチ部は、前記傾斜面に対向するラッチ面を有し、
前記ラッチ面は、前記ロック部材が前記引き抜き方向に移動するときに前記ロック部材に接触するように配置され、それによって、前記軸に沿って前記ロックボルトを後退させようとしない反力を提供する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ラッチ部は、前記挿入方向(Z)において前記ロック部よりも大きい寸法を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ロックボルトは、前記ラッチ部と前記ロック部との間にテーパ部を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記リニアアクチュエータを制御するためのコントローラと、前記ドアの位置を感知するためのドアセンサと、前記ロックボルトおよび/またはアクチュエータの位置を感知するための作動センサと、をさらに備え、前記コントローラは、前記ドアセンサおよび作動センサに基づいて、前記軸に沿ってロック位置、ラッチ位置、および後退位置のそれぞれに前記ロックボルトを配置するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記リニアアクチュエータは、シャフトおよびスライダを有するアクチュエータを備え、
前記ロックボルトは、前記シャフトに沿って前記スライダから所定の距離だけ弾性的に付勢されている、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記シャフトがねじ山付きロッドであり、前記スライダが前記シャフトに螺合して取り付けられたナットである、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ねじ山付きロッドおよび前記ナットのねじ山の各々のピッチは、セルフロッキングのために選択される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記アクチュエータを制御するためのコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記スライダを前記軸に沿ってロック位置、ラッチ位置、および後退位置のそれぞれに配置するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ラッチ位置において、前記ロック部材と前記ロックボルトとの間の接触が、前記ロックボルトを変位させるために前記軸に沿って前記ロック部材から力を生成し、
前記ロック位置において、前記ロックボルトが、前記ロック部材を前記装置内の固定位置にロックし、
前記後退位置において、前記ロック部材は前記ロックボルトに接触することができない、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ハウジングをさらに備え、
前記ハウジングは、前記リニアアクチュエータおよび前記ロックボルトを収容し、
前記ハウジングは、前記ロック部材を受け入れるための開口部を含み、
前記ハウジングは、前記ロックボルトと係合するための座部を含み、前記座部は、前記ロック部材が前記開口部内に受け入れられたときに前記リニアアクチュエータの反対側に位置する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
係合部材をさらに備え、
前記係合部材は、前記ハウジングの外側からアクセス可能であり、
前記係合部材は、前記ロックボルトを前記ロック部材から係合解除するための前記リニアアクチュエータの手動作動を可能にする、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具のドアを閉めるラッチに関する。特に、本発明は、遠心分離機の蓋をロックするための有利な装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
器具のドアにラッチを設けることが知られている。ラッチが器具の内容物からの衝撃に対して堅牢であるべきであることは、重い負荷を担持するかまたは負荷を高速で移動させる器具にとって特に重要である。例として、実験室用遠心分離機は、極めて高速で試料を回転させる。このような装置であってロータまたは負荷が故障した場合、破損した構成要素の運動エネルギーが非常に高くなる可能性がある。したがって、そのようなシステムにおける安全性の必要性が増大している。従来のラッチは、そのような衝撃に耐えるのに十分でない場合がある。
【発明の概要】
【0003】
ドアを閉じた状態でロックする装置であって、ドアに取り付けるためのロック部材であって、係合部を有するロック部材と、ロック部材の係合部を係合させるロックボルトと、ロックボルトを軸に沿って移動させるためのリニアアクチュエータであって、セルフロッキングであるリニアアクチュエータと、を備える装置。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明のより良い理解のために、および本発明がどのように実施され得るかを示すために、ここで、例としてのみ、添付の図面を参照する。
図1】器具のドアをラッチするための装置の断面図および分解図である。
図2図1の装置を含む器具を示す図である。
図3】好ましい形態のロックボルトの拡大図である。。
【発明を実施するための形態】
【0005】
構造
図1は、図2に示すような器具200のドア205をロックするための装置100の第1の実施形態を示す。
【0006】
装置100は、ロック部材5と、ロック部材5に係合するロックボルト2とを備える。ロックボルト2がロック部材5と係合すると、ドア205の開閉が防止される。
【0007】
装置100は、ロックボルト2を軸に沿って移動させるためのリニアアクチュエータ1、7を備える。
【0008】
リニアアクチュエータ1、7は、シャフト1-2を有するアクチュエータ1と、スライダ7とを備える。アクチュエータ1を作動させると、スライダ7がシャフト1-2の長手方向軸Xに沿って上下に移動し、それによって直線運動がもたらされる。
【0009】
リニアアクチュエータ1、7は、弾性部材9を介してロックボルト2を駆動するように構成されてもよい。しかしながら、好ましくは、ロックボルト2は、スライダ7がロックボルト2に当接する(すなわち、直接接触する)ことを可能にするように、圧縮されたときに弾性部材9(以下の2~12)を受け入れるための空洞を備えて構成されてもよい。
【0010】
リニアアクチュエータ1、7を制御するためにコントローラ70が設けられてもよい。アクチュエータ1、7の構成を監視するために、コントローラ70と通信する1つまたは複数のセンサ14を設けられてもよい。例えば、センサ14は、シャフト1-2に沿ったスライダ7の直線位置を示してもよい。
【0011】
システムが実装され得る多くの方法が存在する。しかしながら、ユーザがコントローラ70にドアを開くように指示するための入力装置(例えば、ボタン)が設けられてもよいことが想定される。ドア205またはロック部材5上のセンサは、ドア205が閉じられていることをコントローラ70に信号で伝えるために使用される。装置100は、好ましくは、それによってドア205を閉じると自動的にロックし、ユーザ入力に応答してロック解除することができる。あるいは、装置100は、器具200によって実行される処理が完了したことを示す信号に応答してロックを解除することができる。
【0012】
好ましいリニアアクチュエータ1、7では、アクチュエータは、ねじ付きナット7の形態のスライダ7が取り付けられたねじ付きシャフト1-2を有するモータ1を含むことができる。この場合、モータ1を駆動するとねじ山付きシャフト1-2が回転する。ナットは、シャフト1-2と共に回転することが防止され、その結果、シャフト1-2の回転は、シャフト1-2およびナット7のねじ山の係合を介してナット7を駆動して移動させる。
【0013】
リニアアクチュエータ1、7は、その特定の形態に関係なく、逆駆動可能ではない。換言すれば、それはセルフロッキングアクチュエータである。このように、アクチュエータ1の作動はスライダ7の直線運動を生じさせるが、アクチュエータ1が作動していないときには、スライダ7に加えられる力はリニアアクチュエータによって反作用を受け、スライダ7の移動を防止する。
【0014】
モータ1と、ねじ山付きシャフト1-2と、シャフト(1-7)に螺着されたナット7とから形成されたリニアアクチュエータ1、7の例では、ねじ山のピッチの選択によって逆駆動を防止することができる。歯車装置の分野で知られているように、軸方向の力がナット7に加えられたときに、ナット7とねじ山付きシャフト1-2との間の摩擦が、ねじ山付きシャフト1-2に加えられる分解された回転力よりも大きい割合で増加するように、ピッチを選択することが可能である。したがって、摩擦は、ナット7上の軸方向の力がシャフト1-2を回転させることを防止する。そのため、逆駆動可能ではない。
【0015】
遠心分離機などの器具200に設置されると、装置100は、器具のドア205を閉位置にロックするように構成される。ロック部材5は、ロック部材5を固定位置に拘束することによってドア205の開閉を防止するように、器具のドア205に取り付けられてもよく、またはその一部であってもよい。例えば、ドア205は、ロック部材5がヒンジ軸Yからオフセットされた状態でヒンジ結合されてもよい。別の例では、ドアは、器具の残りの部分から分離可能であってもよく、複数のロック部材5がその周囲に間隔を置いて配置される。
【0016】
装置100は、ロック部材5を受け入れるための開口部305を有するハウジング3を備えることが好ましい。ロック部材5は、挿入方向Zにおいて開口部305を通して挿入されてもよく、または挿入方向Zとは反対の引き抜き方向において開口部305から引き抜かれてもよい。ハウジング3は、器具200のハウジングまたは構造の一部を形成してもよく、またはそれに締結されてもよい。
【0017】
限定するものではないが、図示のように、ロック部材5は、ロックボルト2を受け入れるための係合部5-1を有するアームである。図示のように、係合部5-1は、ロック部材5の開口である。別の実施形態では、係合部5-1は、ロック部材5のフック形状部分であってもよく、またはロック部材5の狭窄部であってもよい。いずれの例の係合部5-1も、引き抜き方向においてはロックボルト2と当接してロック部材5のそれ以上の引き抜きを阻止し、挿入方向Zにおいてはロックボルト2と当接してそれ以上のロック部材5の挿入を阻止する。したがって、係合部5-1は、挿入方向Zにおいてロックボルト2に当接するための挿入停止部5-1aと、引き抜き方向においてロックボルト2に当接するための引き抜き停止部5-1bとを備えることができる。
【0018】
図3は、好ましいロックボルト2の拡大図を示す。ロックボルト2は、軸方向に自由に摺動することができるように(すなわち、シャフト1-2のねじ山と係合しないように)、シャフト1-2上に摺動可能に取り付けられてもよい。シャフト1-2に沿ってナット7から所定の距離の位置にロックボルト2を付勢するために、例えばシャフト1-2の周りにばね(図示)などの弾性部材9が設けられてもよい。例えば、弾性部材9の第1の端部はロックボルト2に当接してもよく、弾性部材9の第2の端部はナット7に当接してもよい。弾性部材9は、非圧縮状態で最大長さを有する。
【0019】
弾性部材9は、その張力または圧縮によってロックボルト2をスライダ7に対して付勢するように構成されたばねまたは他の弾性材料構成要素であってもよく、あるいはロックボルト2をシャフト1-2に沿ってナット7から所定の距離の位置に付勢するように構成された何らかの他の機構であってもよい。
【0020】
図から分かるように、ロックボルト2は、ロックボルト2の先端にノーズ部2-2、2-4を含むことができる。テーパ部2-6と、テーパ部2-6によってノーズ部2-2、2-4から分離された幅広部2-8と、を備える。
【0021】
ロックボルト2は、1つ以上のボア2-10、2-12を有してもよい。図示のように、第1のボア2-10は、ロックボルト2をシャフト1-2上に摺動可能に取り付けるために使用される。より大きい第2のボア2-12は、弾性部材9を収容することができ、弾性部材9は、この例では、シャフト1-2を取り囲み、第2のボア2-12の端部に当接するコイルばねである。
【0022】
ノーズ部2-2、2-4は、第1の側に傾斜面2-2を有し、第1の側と反対側の第2の側にラッチ面2-4を有する。ロックボルト2は、傾斜面2-2が開口部305に面し、ラッチ面2-4が開口部から離れる方向に面するようにハウジング3内に配置される。
【0023】
傾斜面2-2は、シャフト1-2の軸Xに対して傾斜しており、開口部305を通して挿入されたロック部材5によって傾斜面2-2に加えられた力が、ロックボルト2を移動させ、それによって弾性部材9を圧縮することができる。このようにして、器具のドア205を閉じると、ロック部材5が開口部305内に挿入され、ロック部材5が傾斜面2-2に押し付けられて、ロックボルト2が邪魔にならないように移動し、ロック部材5をハウジング3内に完全に挿入することが可能になる。傾斜面2-2の傾斜角度は、使用者が必要とする閉鎖力が大きすぎないように十分に大きくなければならない。傾斜角度が大きすぎると、ロックボルト2の変位によって弾性部材9が十分に圧縮されない。好ましくは、傾斜面2-2は、シャフト1-2の長手方向軸に対して15~80度の傾斜角Aを有する。好ましい実施形態では、傾斜面2-2は、少なくとも45度の傾斜角を有する。より好ましくは、傾斜面2-2は70度以下の傾斜角を有する。
【0024】
好ましい実施形態では、ロック部材5は、係合部5-1の少なくとも一部に接する低摩擦材料(低摩擦材料は、ロック部材5の材料の残りの部分よりも低い摩擦係数を有する)を含む。低摩擦材料は、ロック部材5-1の挿入方向Zの最遠位部(すなわち、傾斜面2-2と接触する面)に設けられることが好ましい。
【0025】
ロック部材5の係合部5-1がロックボルト2の端部と位置合わせされると、弾性部材9は再び自由に延びることができ、したがって、ロックボルト2は、ラッチ面2-4が係合部5-1と位置合わせされるように係合部5-1内に摺動することができる。この位置において、ラッチ面2-4は、ロック部材5が引き抜かれるのを防止する。傾斜面2-2とは対照的に、ロック部材5によってラッチ面2-4に加えられた力は、ロックボルト2に弾性部材9を圧縮させない。例えば、ラッチ面2-4は、シャフト1-2の軸Xに対して平行または実質的に平行に延在してもよい。他の例では、ラッチ面2-4は、ラッチ面2-4に加えられた任意の力がロック部材5との整列から離れるロックボルト2の移動を防止するように配置された座部(例えば、セルフセンタリング座部)を画定することができる。
【0026】
このようにして、弾性部材9およびロック部材2はラッチとして協働して、ドア205を閉じてラッチ閉鎖することを可能にする。
【0027】
好ましくは、ノーズ部2-2,2-4の高さ(挿入方向Zにおける傾斜面2-2とラッチ面2-4との間の最大距離)は、係合部5-1の高さ(挿入方向Zにおける最大開口)よりも小さい。
【0028】
リニアアクチュエータ1、7を作動させて、係合部5-1を通ってロック部材2をさらに延ばすことによって、ドア205のより強固なロックを達成することができる。ロック部材2が係合部5-1にさらに挿入されると、テーパ部2-6は係合部5-1をロックボルト2に位置合わせすることができる。すなわち、ロック部材5が完全に挿入されていない場合や、位置合わせされた位置を超えて挿入された場合でも、テーパ部2-6は係合部5-1を位置合わせすることができる。ロックボルト2が係合部5-1を通ってテーパ部2-6を越えて延びると、ロックボルト2の幅広部2-8が係合部5-1内に位置合わせされる。幅広部2-8の高さは、係合部5-1の高さと同じであってもよいし、略一致していてもよい。このようにして、ロック部材5の移動を防止または制限することができる。
【0029】
好ましい実施形態では、座部307が、ロックボルト2と係合するためにハウジング3内に設けられる。座部307は、ロック部材5が開口部305を通して完全に挿入されたときに、ロック部材5のリニアアクチュエータ1、7とは反対側にあるように配置される。例えば、座部307は、ドア205がロックされるときにロックボルト2の安定性を保証するロックボルト2のセンタリングを提供するために、テーパ部2-6と相補的な形状を有してもよい。
【0030】
このようにして、ロックボルト2は、より狭いラッチ部とより厚いロック部分とを備える。ラッチ部が開口部305と位置合わせされると、ドア205は、ロック部材5が第1の量の遊びで所定の位置に緩く保持されるように、ロック部材5がラッチ部に接触し、係合部5-1に自由に挿入されるまでロックボルト2を後退させることによって閉じられ得る。ロックボルト2が貫通してロック部材5が挿入された状態で、ロック部が開口部305と位置合わせされると、ロック部材5は、第1の遊び量よりも小さい第2の遊び量で所定位置に密接に保持される。この文脈における遊びとは、挿入および引き抜き方向におけるロックボルト2に対するロック部材5の自由な移動量を意味する。
【0031】
リニアアクチュエータ1、7は、ロック部材5がロックボルト2と係合することなく開口部305の内外に移動することができるように、ロック部材2を後退させるように配置される。
【0032】
したがって、ロック部材2は、シャフト1-2の軸方向に、後退位置、ラッチ位置、およびロック位置の3つの位置がある。
【0033】
後退位置では、ロックボルト2は、ロック部材5によって係合されないように、開口部305と位置合わせされないように後退する。
【0034】
ラッチ位置において、ロックボルト2は、傾斜部2-2およびラッチ部2-4が開口部305と位置合わせされた状態で配置され、弾性部材9は伸長状態にある。このラッチ位置では、ロック部材5を開口部305に挿入すると、ロック部材5が傾斜面2-2に接触する。これは、ロックボルト2を後退位置に向かって移動させ、係合部5-1がロック部材2と整列するまで弾性部材9を圧縮し、ロックボルト2がラッチ位置に戻ることを可能にする。ロックボルト2が係合部5-1内のラッチ位置に戻るとき、ラッチ面2-4は、ロック部材5が開口部305から取り外されるのを防止する。
【0035】
ロック位置において、広い部分2-8は開口部305と位置合わせされる。ロックボルト2が係合部5-1内のロック位置にあるとき、ロックボルト2は、ロック部材5の移動を防止または制限するように係合部5-1に密接に嵌合する。
【0036】
ロック部材の3つの位置は、ナット7の3つの位置に対応する。
【0037】
ロックボルト2が後退位置にあるとき、ナット7はシャフト1-2上の第1の位置にあり、弾性部材9は圧縮されていない(または、いくつかの構成では、伸長されていない)。
【0038】
ロックボルト2がラッチ位置にあるとき、ナット7はシャフト1-2上の第2の位置にあり、弾性部材は圧縮されていない。しかしながら、弾性部材9は、ロック部材5を開口部305に挿入することによって圧縮されてもよい。
【0039】
ロックボルト2がロック位置にあるとき、ナット7はシャフト1-2上の第3の位置にある。この場合、ドア205の不用意な移動を防止するために、弾性部材9が圧縮されることが好ましい。好ましくは、弾性部材9の圧縮は、ナット7がロックボルト2に当接することを可能にする。これにより、ロックボルト2の位置における遊びの可能性を排除することができる。
好ましい実施形態では、シャフト1-2は、係合部材8を介して手動で(すなわち、ユーザによって)回転可能であってもよい。係合部材8は、ハウジング3の外に延びていてもよいし、工具を係合部材8に係合させるための開口がハウジング3に設けられていてもよい。
【0040】
装置100は、以下に説明するように、器具200のドア205を閉じる方法において使用することができる。
【0041】
ドア205が開いているとき、コントローラ70は、リニアアクチュエータ1、7を介して、ラッチ部が開口部305と位置合わせされるようにロックボルト2を位置決めする。
【0042】
好ましくは、コントローラ70は、リニアアクチュエータ1、7のナット7を第2の位置に移動させて、ロックボルト2をナット7に対して位置決めする弾性部材9によってロックボルト2がこの整列(ラッチ位置)に付勢されるようにする。
【0043】
ドア205はユーザによって閉じられてもよい。これにより、ロック部材5が開口部305に挿入される。
【0044】
ロック部材5がラッチ部と係合すると、ロックボルト2が弾性部材9の付勢に抗して後退する。
【0045】
係合部5-1とロックボルト2との位置合わせは、弾性部材9がロックボルト2を係合部5-1内に延在させることを可能にし、ラッチ部が再び開口部305と位置合わせされるようにする。
【0046】
器具200が作動されると、リニアアクチュエータ1、7は、ロック部が開口部305と位置合わせされるようにロックボルト2を位置決めする。
【0047】
好ましくは、コントローラ70は、リニアアクチュエータ1、7のナット7を第3の位置に移動させて、ロックボルト2が係合部5-1を通ってさらに延びてハウジング3内の座部307に接触するようにする(ロック位置)。
【0048】
好ましくは、弾性部材9は、第2の所定の位置で圧縮される。
【0049】
器具200がその活動を完了すると、装置100は、以下に説明されるように、器具200のドア205を開く方法において使用され得る。
【0050】
コントローラ70は、リニアアクチュエータ1、7を介して、開口部305と全く整列しないようにロックボルト2を後退させる。
【0051】
好ましくは、コントローラ70は、ロックボルト2がロック部材5を妨害することができないように、リニアアクチュエータ1、7のナット7を第1の位置(後退位置)に移動させる。
【0052】
コントローラ70は、ドア205が開かれたことを検知すると、ナット7(より一般的にはスライダ7)を第1位置から第2位置に移動させてもよい。このようにして、ロックボルト2は後退位置からラッチ位置に移動する。
【0053】
コントローラ70は、ドア205が閉じられたことを検知すると、ナット7(より一般的にはスライダ7)を第2位置から第3位置に移動させてもよい。このようにして、ロックボルト2はラッチ位置からロック位置に移動する。
【0054】
コントローラ70は、ユーザ入力(例えば、ボタン押下)に応答して、または器具200によって実行されるプロセスが完了したことを示す信号に応答して、ナット7(より一般的にはスライダ7)を第3の位置から第1の位置に移動させてもよい。このようにして、ロックボルト2はロック位置から後退位置に移動する。
【0055】
上述の装置100のための特に有利な器具200は遠心分離機であり、その理由は、その中の構成要素の運動エネルギーが、故障の場合に極端な開放力のリスクをもたらす可能性があるからである。
【0056】
したがって、器具200は、チャンバ240と、チャンバ内のロータ220と、ロータを駆動するモータ230と、チャンバ240にアクセスするためのドア205と、閉鎖位置においてドア205をロックし、それによってチャンバ240を閉鎖するための装置100と、を備えてもよい。
図1
図2
図3
【外国語明細書】