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特開2024-62980非アバランシェ光検出器を有する高感度深度センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024062980
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】非アバランシェ光検出器を有する高感度深度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/4861 20200101AFI20240501BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20240501BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240501BHJP
   G01S 17/894 20200101ALI20240501BHJP
【FI】
G01S7/4861
H01L31/10 A
H01L31/10 G
H01L27/146 A
G01S17/894
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024002014
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2021501313の分割
【原出願日】2019-07-16
(31)【優先権主張番号】62/698,805
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
(71)【出願人】
【識別番号】521013518
【氏名又は名称】ギガジョット テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】マスーディアン,サレハ
(72)【発明者】
【氏名】マ,ジャジュ
(57)【要約】
【課題】非アバランシェ光検出器を有する高感度深度センサを提供する。
【解決手段】検知デバイス(100)は、光を放射するための光源(101)と、放射された光の反射を検出するための光センサ(105)と、光センサ内の反射光検出に応答する距離決定回路と、を含む。光センサは、1個の電子を超える光電荷記憶容量を有する光検出器(115)と、100ナノ秒未満のレイテンシを有する光検出器内の光検出に応答して出力信号を生成する出力回路(117)とを含む。距離決定回路(119)は、光検出器内の光子検出に応答した出力信号の遷移に基づいて、経過時間を測定し、経過時間に基づいて、検知デバイスと、放射された光の反射をもたらした表面との間の距離を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知デバイスであって、
光を放射するための光源と、
前記光源によって放射された前記光の反射を検出するための光センサであって、前記光センサは、1個の電子を超える光電荷記憶容量を有する光検出器と、前記光源によって放射された前記光の反射における前記光検出器内での光子検出に応答して、前記光子検出から100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成するための出力回路とを有する、光センサと、
前記光子検出に応答した前記出力信号の遷移に基づいて経過時間を測定するための回路であって、前記経過時間に基づいて、前記検知デバイスと、前記光源によって放射された前記光の反射をもたらした表面との間の距離を決定するための回路と、を備える、検知デバイス。
【請求項2】
前記経過時間を測定するための前記回路は、前記光源からの前記光の放射と、前記光子検出に応答した前記出力信号の遷移との間の経過時間を測定するための回路を備える、請求項1に記載の検知デバイス。
【請求項3】
光を放射するための前記光源は、光パルスを放射する光源を備え、前記経過時間を測定するための前記回路は、前記光源からの前記光パルスの放射と、前記光子検出に応答した前記出力信号の遷移との間の経過時間を測定するための回路を備える、請求項2に記載の検知デバイス。
【請求項4】
前記経過時間を測定するための前記回路は、クロック信号の遷移に応答して時間とともにカウント出力をインクリメントまたはデクリメントするカウンタと、前記出力信号の電圧レベル間の遷移に応答して前記カウンタの出力をラッチするためのラッチ回路とを備える、請求項2に記載の検知デバイス。
【請求項5】
光子検出に応答して、前記光子検出から100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する前記出力信号を生成するための前記出力回路は、前記光検出器のフォトダイオード内の光子検出から10ナノ秒以内に、前記出力信号に、電圧レベル間を遷移させるための回路を備える、請求項1に記載の検知デバイス。
【請求項6】
前記光検出器は、pinフォトダイオードと、pin領域をその中に有する浮動拡散ノードと、前記pinフォトダイオードと前記浮動拡散ノードとの間の導電性チャネルの形成を可能にするための転送ゲートと、を備える、請求項1に記載の検知デバイス。
【請求項7】
前記出力回路は、浮動拡散ノードに結合されたゲート端子と、光子検出から100ナノ秒以内に電圧レベル間を遷移する前記出力信号として、前記浮動拡散ノードの電位の変化に応答して遷移する電圧を生成するための信号出力端子とを有する、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタを備える、請求項6に記載の検知デバイス。
【請求項8】
前記光検出器は、フォトウェルを有するフォトダイオードを備え、前記出力回路は、前記フォトダイオードの前記フォトウェルに隣接して配設されたチャネルを有する接合型電界効果トランジスタ(JFET)を備える、請求項1に記載の検知デバイス。
【請求項9】
前記JFETは、半導体基板の表面で電気的に露出され、かつ導電チャネルによって相互接続された、ドープされたソース領域およびドレイン領域を備え、前記フォトダイオードは、導電チャネルの下方の前記半導体基板の前記表面下に、より深く延在している、請求項8に記載の検知デバイス。
【請求項10】
光電荷が前記フォトダイオードの前記フォトウェル内に蓄積されるにつれて、前記JFETの前記導電チャネルの導電率が変化する、請求項9に記載の検知デバイス。
【請求項11】
前記JFETは、半導体基板の表面で電気的に露出され、かつ導電チャネルによって相互接続された、ドープされたソース領域およびドレイン領域を備え、前記光検出器は、前記JFETを前記半導体基板から電気的に分離するための酸化物トレンチをさらに備える、請求項8に記載の検知デバイス。
【請求項12】
前記出力信号を生成するための前記出力回路は、前記光源によって放射された前記光の反射の光子検出から5ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成するための回路を備える、請求項1に記載の検知デバイス。
【請求項13】
前記出力信号を生成するための前記出力回路は、前記光源によって放射された前記光の反射の光子検出の1ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成するための回路を備える、請求項1に記載の検知デバイス。
【請求項14】
前記光センサ内に含まれる前記光検出器は、第1の光検出器を備え、前記光センサは、1個の電子を超えるそれぞれの記憶容量を各々が有する複数の他の光検出器を追加的に含み、前記第1の光検出器および複数の他の光検出器は、2次元アレイ内に配列されている、請求項1に記載の検知デバイス。
【請求項15】
検知デバイス内での動作の方法であって、
前記検知デバイスから光を放射することと、
1個の電子を超える光電荷記憶容量を有する光検出器内で前記放射された光の反射を検出することと、
前記光検出器内での前記放射された光の反射の検出に応答して、前記検出から100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成することと、
光子検出に応答した前記出力信号の遷移に基づいて、経過時間を測定することと、
前記経過時間に基づいて、前記検知デバイスと、光源によって放射された前記光の前記反射をもたらした表面との間の距離を決定することと、を含む方法。
【請求項16】
前記経過時間を測定することは、前記光源からの前記光の放射と、前記光子検出に応答した前記出力信号の遷移との間の経過時間を測定することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記検知デバイスから光を放射することは、前記検知デバイスから光パルスを放射することを含み、前記経過時間の測定値を生成することは、前記検知デバイスからの前記光パルスの放射と、前記放射された光パルスの反射における前記光検出器内での光子検出との間の経過時間の測定値を生成することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
反射光の検出に応答して、前記検出から100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成することは、前記反射光の検出に応答して、前記検出から10ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記光検出器内で前記放射された光の反射を検出することは、pinフォトダイオード内に光電荷を蓄積することを含み、前記出力信号を生成することは、(i)前記光電荷を、前記pinフォトダイオードから、pin領域をその中に有する浮動拡散ノードへ転送することと、(ii)前記光電荷を前記pinフォトダイオードから前記浮動拡散ノードへ転送した後に、前記浮動拡散ノードの電圧レベルに応じた前記出力信号を生成することと、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記光検出器内で前記放射された光の反射を検出することは、接合型電界効果トランジスタ(JFET)のチャネルに隣接して配設されたフォトダイオード内に光電荷を蓄積することを含み、前記出力信号を生成することは、前記チャネルに結合された前記JFETの端子に前記出力信号を生成することを含み、前記出力信号は、前記フォトダイオード内に蓄積された光電荷の量に応じた電圧レベルを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
検知デバイスであって、
光を放射するための手段と、
前記放射された光の反射を検出するための手段であって、1個の電子を超える光電荷記憶容量を有する、前記放射された光の反射を検出するための手段と、
前記検出するための手段内の前記放射された光の反射の検出に応答して、前記検出から100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成するための手段と、
光子検出に応答した前記出力信号の遷移に基づいて、経過時間を測定するための手段と、
前記経過時間に基づいて、前記検知デバイスと、光源によって放射された前記光の前記反射をもたらした表面との間の距離を決定するための手段と、を備える検知デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年7月16日に出願された米国仮出願第62/698,805号の優先権を主張し、参照により組み込む。本出願はまた、米国出願第15/301,267号(35USC371(c)は2016年9月30日付け、現在は米国特許第10,319,776号)、第15/555,911号(35USC371(c)は2017年9月5日付け、現在は米国特許第10.283,539号)、および第62/676,266号(2018年5月24日出願)、ならびに国際出願第PCT/US17/22607号(国際出願日は2018年9月15日)および第PCT/US19/34036号(国際出願日は2019年5月24日)を、参照により組み込む。
【背景技術】
【0002】
(序説)
3次元撮像装置または深度センサは、一般に、センサによる検出のために(センサの近くの光源から放射される)光パルスが物体の表面で反射して戻るのに必要な時間を測定するか、または連続光源を変調するために使用される搬送波の反射におけるエンベロープ減衰を測定するか(減衰は、変調された搬送波の位相シフトを示す)のいずれかによって、物体の深度、またはセンサと物体との間の距離を決定する。パルスベースおよび位相ベースの両方の検知システムで、光センサは、反射光を検知し、用途の精度要件を満たすのに十分な分解能でその大きさおよび/または到着時間を記録できる必要がある。例えば、5mmの精度で距離/深度を測定することを目的としたパルスベースのシステムの光センサは、反射の弱いパルスを検出するのに十分な低光感度で、光パルスの往復飛行時間を、約33ピコ秒(ps)以内にまで分解する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
従来の3D撮像装置および深度センサは、典型的には、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)およびシリコン光子マルチプライヤ(SiPM)などの電子アバランシェゲインを有するソリッドステート光センサ(光検出器)を採用している。高速でかつ単一光子に高感度を示すが、アバランシェゲイン光検出器には、高暗電流(すなわち、ノイズが多い)、単一電子ウェル容量、低い量子効率(QE)、低空間分解能、低製造歩留まりなどを含むいくつかの欠点がある。他のより堅牢な(すなわち、より深いフォトウェルならびに/またはより高いQE、空間分解能、および製造歩留まりを有する)光検出器は、非実用的に長い読み出しレイテンシのために、概して避けられてきた。例えば、(例えば、従来の4トランジスタ撮像ピクセルにおけるような)浮動拡散ノードへの光電荷転送によって読み出されるpinフォトダイオード(PPD)を有するセンサでは、電荷転送時間だけで、典型的に、(数百メートルの距離測定分解能に相当する)約数百ナノ秒であり、したがって、多くの深度検知用途では非実用的なレイテンシである。
【0004】
本明細書の開示は、3次元撮像装置または深度センサに配備され得るソリッドステート光センサに関する。
【0005】
本明細書に記載のさまざまな実施形態は、添付の図面の図において、限定としてではなく、例として示され、図中、同様の参照番号は、同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】光源および低レイテンシマルチフォトウェル光センサを有する深度センサ(または3Dセンサ)の一実施形態を示す。
図2図1に示された低レイテンシマルチフォトウェル光検出器の一実施形態を示す。
図3図2の低レイテンシマルチウェル光検出器内の例示的な検出サイクルを示す。
図4図2の低レイテンシマルチウェル光検出器内の検出サイクルごとまたは数回の検出サイクルごとに実行され得るフォトダイオードリセットシーケンスを示す。
図5】マルチウェルフォトダイオードおよび出力トランジスタを兼ねるJFETベースのデバイスを有する低レイテンシマルチフォトウェル光検出器の一実施形態を示す。
図6図5のJFETベースの光検出器内の例示的な動作シーケンスを示す。
図7図5の検出器におけるように、フォトダイオード上に垂直に積み重ねられたp型JFETトランジスタの例示的な上面図および断面図を示す。
図8】代替のJFETベースの光検出器回路を示す。
図9】代替のJFETベースの光検出器回路を示す。
図10】それぞれの光子検出カウントでそれぞれのレジスタ内のカウント-ラッチ動作をトリガするために逓減ゲインを有する並列増幅経路を有するアナログフロントエンド/時間-デジタル変換器(AFE/TDC)の一実施形態を示す。
図11】単一増幅器段が、増幅された光検出器出力信号を、それぞれの漸次高まるラッチ閾値を有するレジスタのラッチ入力に出力する、代替のAFE/TDCの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
マルチキャリアフォトウェル深度およびサブナノ秒の読み出しレイテンシ(または数ナノ秒以下のレイテンシ)を有する光センサが、本明細書のさまざまな実施形態において、迅速でかつ/または確固たる信号デジタル化を提供するアナログフロントエンド(AFE)および時間-デジタル変換器(TDC)の対応する実施形態とともに開示される。深度センサまたは3Dセンサ内に配備されると、低レイテンシ読み出しおよび改善されたAFE/TDCと併用された多光子感度(すなわち、多電子または多正孔ウェルの深度)により、従来のアバランシェゲインセンサと比較して、劇的に改善された深度検知(より高い感度、より細かい分解能)が可能となる。
【0008】
図1は、光源101と、低レイテンシのマルチフォトウェル光センサ105、すなわち(単一光キャリアアバランシェゲインセンサと対照的に)複数の光キャリアを記憶し得るフォトウェルを有する光センサとを有し、入射光子衝突が発生するとすぐに、または読み出しパルスから数ナノ秒(または1ナノ秒未満)以内のいずれかで、光キャリアの蓄積(したがって入射光子衝突)を示すセンサ出力を生成する、深度センサ(または3Dセンサ)100の一実施形態を示す。詳細図110を参照すると、例えば、光センサ105は、インバウンド(反射)光を、低レイテンシ読み出し(LLR)マルチウェル光検出器115に集束させるための任意選択的受光光学素子を含み、光検出器115は、次いで、検出信号をアナログフロントエンド(AFE)117を介して時間-デジタル変換器(TDC)119へ出力する。TDC出力は、測定データを確定して出力する深度センサ100内のバックエンド処理ロジック(特に図示されていない)に供給される。
【0009】
図2は、この場合は、ゲート付きチャネル(すなわち、転送ゲート125によって開閉される)によって相互接続されたpinフォトダイオード(PPD)121およびpin浮動拡散ノード(PFD)123を有する、図1の低レイテンシマルチフォトウェル光検出器の一実施形態を示す。読み出しコントローラ140が、転送ゲート125における転送ゲート(TG)パルスをアサートして、PPDとPFDとの間に電荷転送チャネルを形成し、したがって、フォトダイオード内に蓄積された光電荷を、ソースフォロワトランジスタ127を介して読み出すために、pin浮動拡散ノードへ転送する。浮動拡散内のpin領域は、浮動拡散ノードへのTGパルスフィードスルーを打ち消し、pinされていない浮動拡散構造を悩ます比較的長い浮動拡散安定化時間(読み出し前の遅延)を回避し、したがって、TGパルスアサーションと出力信号の安定化との間の時間を劇的に短縮させる。いくつかの実施形態において、例えば、(トランジスタ127のソース端子における)TGパルスアサーションと出力信号安定化との間の遅延は、数百ナノ秒から、100ナノ秒未満、より一般的には10ナノ秒未満、または5ナノ秒以下(例えば、3、2、もしくは1ナノ秒、またはさらにはサブナノ秒間隔)に短縮され、それによって、光検出器の読み出しレイテンシを2桁以上短縮する。pinフォトダイオードは、任意の実用的なサイズのフォトウェル(マルチ光キャリアストレージウェル、SW)を有するように設計し得、浮動拡散ノードも同様に、(PPDおよびPFDの静電容量の比率に応じた)十分に高い変換ゲインと、低入力換算読み出しノイズとをもたらして、光子カウント感度を可能とするようにサイズ決定し得る。ソースフォロワトランジスタ127は、そのトランジスタの(pin浮動拡散ノード123が結合されている)ゲート端子とソース端子との間の電圧追従動作によって実装される、ソースフォロワ回路内のその構成にちなんで名付けられている。より具体的には、電流源131が、トランジスタ127を通る一定バイアス電流を確立して、トランジスタ127のソース端子における光検出器出力を、(トランジスタ127のゲートにおける)pin浮動拡散ノードの電位に追従させる、定常状態ゲート-ソース電圧をもたらし、すなわち、PFD電位のいかなる変化も、SFトランジスタのソースに現れ、したがって信号出力AFEに現れる。リセットトランジスタ129が、PFDおよびPPDのリセットを可能にするために設けられ、読み出しコントローラがリセットパルス(RST)をアサートしたときにはPFDノードを(この例では)VDDに戻し、読み出しコントローラがRSTおよびTG信号を同時に発生させたときにはPFDおよびPPDストレージノードの両方をVDDに戻す。
【0010】
引き続き図2を参照すると、n+浮動拡散内のp+pin領域は、TG-FD容量結合によって引き起こされるTGパルスフィードスルーを軽減させように、必要に応じてサイズ決定され得る。(pinフォトダイオードのpin層およびストレージウェル(SW)構成要素を、pin浮動拡散ノードのpin用領域および容量記憶(FD)領域とともに示す)物理的断面150を参照すると、(例えば、ドープポリシリコンによって実装された)転送ゲート125は、表面酸化物上に配設されて、PPDとPFDとの間の基板153内の増強チャネルの形成を可能にする。
【0011】
図3は、図2の低レイテンシマルチウェル光検出器内の例示的な検出サイクルを示す。検出サイクルの開始(150)において、読み出しコントローラはリセットパルスをアサートして、浮動拡散ノードを(この例ではVDDに)リセットし、次いで、一連のTGパルスを出力して、pinフォトダイオード内の電荷蓄積レベルを繰り返しサンプリングする。各TGパルスは、フォトダイオードのストレージウェルからpin浮動拡散ノードへの、収集された(生成された)光電荷の転送を可能し(すなわち、前のTGパルスアサーション以降にPPDによって収集された電荷が、PFDへ転送され、それによってPFD電位を変化させる)、そのような電荷転送は、転送された光キャリアの数に応じた大きさ(dV1、dV2、dV3)を有する出力電圧ステップをもたらす。すべての電荷転送イベントの前(すなわち、すべてのTGパルスの前)に浮動拡散をリセットする(RSTパルスをアサートする)従来のCMOSイメージセンサとは対照的に、浮動拡散リセット動作は、光検出サイクルの開始時にのみ実行されて、出力電圧を比較的高い値(リセット値)に回復させることに留意されたい。
【0012】
深度センサまたは3Dセンサ内で、AFEおよびTDCは、各TGパルスに続く光検出器の出力信号の大きさおよびタイミングを記録して、バックエンドロジック/コンピューティング回路が、飛行時間に依存する深度測定値を生成すること(例えば、出力信号が検出閾値を下回る時間を確定し、その時間を深度測定計算に適用すること)を可能にし得る。一般に、検出分解能は、TGパルスサイクル時間(tcyc)によって制約されるが、測定値生成ロジックは、連続するパルスサイクルの電圧逓減イベント間を補間して、tcyc未満の分解能で測定を行い得る(例えば、検出サイクルの継続時間にわたって線形光子衝突プロファイルをモデル化し、その線形プロファイルの係数を使用して、所与のtcyc間隔内の閾値交差を推定する)。
【0013】
図4は、検出サイクルごとまたは数回の検出サイクルごとに実行され得る、フォトダイオードリセットシーケンス、つまり調整中である「ブラインド位相」中のRSTおよびTG信号の同時アサーションを示し、後者のアプローチは、異なるフォトウェル充填ポイントに沿って捕捉された測定値の平均化を可能にし(すなわち、潜在的に、電荷転送動作の非線形性を修正し)、複数の検出サイクルにわたるブラインド位相のオーバーヘッドを償却する。図示された例では、フォトダイオードリセット動作(実際には、熱生成されたキャリアおよび/または周囲光によって生成された電荷をクリアするために使用され得る電気シャッタ)の終了直後に、光パルスが放射され、TGパルス列の出力が、その後間もなくまたは即座に(すなわち、最小深度測定値に応じて)開始される。
【0014】
代替実施形態では、転送ゲート125およびpin浮動拡散ノード123は、図2に示された低レイテンシ光検出器から省略され得、そうすると、pinフォトダイオード121は、ソースフォロワトランジスタ127のゲートを連続的に駆動する。そのような構成は、電荷転送動作が不要であるので、光子検出に応答して比較的瞬時の出力をもたらし、したがって、感度要件が緩和されたタイムクリティカルなシステムに適用され得る。
【0015】
図5は、この場合は、ダウンストリーム信号処理ロジックを駆動するためのマルチウェルフォトダイオード(PD)203およびソースフォロワトランジスタ205を兼ねるJFETベースのデバイス201を有する、図1に示された低レイテンシマルチフォトウェル光検出器の代替実施形態を示す。断面図220に示されるように、空乏モードJFETのソースおよびチャネルは、デュアル領域nドープストレージウェル(すなわち、nドープ領域221と、それほど高濃度でないnドープ領域223とを有する)上に実装され、一方、トランジスタドレインは、デュアル領域ストレージウェルが形成されているp型基板上に実装されている。p型基板とn型ストレージウェルとの間のpn接合は、JFETの下方のフォトダイオードの設置(すなわち、スタック型JFET/PD構造)を効果的に構成する。機能的な観点から、JFETのドレインは、基板に内部で接続され、VSSにバイアスをかけられ(接続は示されていない)、一方、JFETのソースは、(それ自体はVDDとJFETソース端子の間に結合されている)定電流源215に結合されている。光子衝突が、シリコン内に電子-正孔対をもたらすと、電子(光電荷)がストレージウェルによって収集され、JFETチャネルを取り囲むより高濃度のnドープ領域(221)内に蓄積され、ストレージウェルの静電位を変調し、したがって、230に破線の空乏プロファイルによって示されるように、チャネル内の空乏領域の幅を変調し、チャネル抵抗を効果的に変化させる。チャネルを流れる電流は、電流源215によって一定に保たれているので、JFETのソースの電圧は、ストレージウェルの電位に追従し(すなわち、検出器が飽和範囲内でバイアスをかけられているとき)、したがって、吸収された光子の数に比例して変化する。
【0016】
図5のJFETベースの検出器は、pinフォトダイオード検出方式に比べて、いくつかの利点を提供する。1つには、吸収された光子が検出器出力に瞬時の電圧変化をもたらすので、電荷転送動作が不要であり、より高い時間分解能、したがってより高精度の深度測定が可能になる。また、JFETベースの検出器は、ソースフォロワからの寄生容量および電圧ノイズがさらに低減されるので、MOSFETベースの検出器(例えば、pinフォトダイオードベースの検出器)よりも高い変換ゲインと低い入力換算読み出しノイズを示し、単一光子感度を可能にし得る。
【0017】
図6は、図5のJFETベースの光検出器内の例示的な動作シーケンスを示す。最初に、ブラインド位相中に、リセットゲート、つまり図5の要素211に正のバイアスをかける(すなわち、RSTをアサートしてスイッチオンにする)ことによって、電気シャッタが適用されて、フォトダイオードのストレージウェルをクリアする(VDDにリセットする)。ブラインド位相の終了時に、光パルスが放射されて、深度検知(および/または3D撮像)動作を開始させる。その後、各光子衝突が、ストレージウェル内の光電子捕捉をもたらし、したがって、251に示されるように、出力電圧の逓減をもたらす。出力電圧変化のタイミングおよび大きさは、後続の読み出し電子機器(AFE/TDC回路)によって記録され、バックエンド処理ロジック内での深度/距離/近接度測定値の生成を可能にする。
【0018】
図7は、図5の検出器におけるように、フォトダイオード上に垂直に積み重ねられたp型JFETトランジスタの例示的な上面図および断面図を示す。図示された実施形態では、JFETベースの検出器は、1対の(p+)型高濃度ドープソース領域およびドレイン領域と、光電子の収集および記憶のためのn型ドープストレージウェル(SW)と、ソース領域とドレイン領域とを相互接続するp型ドープチャネルと、ソース領域をp型基板から分離させるための(例えば、シャロートレンチアイソレーション(STI)技術、注入ベースの分離などを使用して実装された)酸化物充填分離トレンチと、を含む。リセットトランジスタは、ストレージウェルのn型領域に物理的に結合されて、ストレージウェルにリセット動作を実行させ、リセットドレインは、トランジスタの閾値電圧(例えば、VDD)よりも高い正の電圧に常にバイアスをかけられ、リセット動作は、リセットゲートに正のバイアスをかけることによってアサートすることができる。代替実施形態では、JFETベースの検出器は、n型チャネルとともに実装されて、相対的なドーピング濃度を維持しながら、各領域のドーピング極性を反転させる。
【0019】
図8および図9は、代替のJFETベースの光検出器回路を示す。図8の実施形態では、ゲートレスリセットは、パンチスルーダイオード281、283を使用して達成される。パンチスルーダイオードは、フォトダイオードのn型ドーピングウェルとのnpn接合を形成する。それは、リセットドレインnウェルを正のパルスにすることにより、フォトダイオードのリセット動作を実行する。従来のリセットトランジスタアプローチと比較して、リセットゲートと電圧出力ノード(例えば、フォトダイオードまたは浮動拡散)との間の寄生容量が少なくなり、そのため、変換ゲインが高くなり、入力換算読み出しノイズが低くなる。(ゲートレスリセットを用いて、または図5に示されたゲート付きリセット構成を用いて実装され得る)図9の実施形態では、JFETは、(図5に示された共通ドレインソースフォロワ構成の代わりに)共通ソース増幅器として機能するようにバイアスをかけられて、検出器のゲインを引き上げる。より具体的には、定電流源が、ドレインと(接地され得る)VSSとの間に結合されて、JFETドレイン電位にバイアスをかけ、一方、抵抗制御トランジスタ291(RES)が、JFETソースとVDDとの間に結合されて、JFETソース端子にバイアスをかける。
【0020】
上記したように、SPADおよびSiPMなどのアバランシェゲイン光検出器は、単一電子(光子)ウェル容量しか有さず、したがって、検出された各光子の後に飽和し、次の検出の前にリセットする必要がある。限られた容量は、検出器の機能を制限する。例えば、上記のpinフォトダイオードおよびJFETベースの光検出器の場合のように、フルウェル容量(FWC)が1個の電子よりも大きい場合、光強度情報を検出サイクル中に取得して、より多くの情報的/記述的測定、例えば、検知された物体の反射率係数およびテクスチャを検出するために使用することができる。より具体的には、本明細書に記載のpinフォトダイオードおよびJFETベースの光検出器は、単一光電子をはるかに超えるウェル容量、例えば、2、3、5、10、100、1000、もしくはそれ以上の光電子ウェル深度またはそれ以上のもの(またはこれらの限度間の任意のウェル深度)で実装され、したがって、(例えば、図3および図6に示すように)所与の光検出サイクル全体/内で漸次変化する出力信号をもたらし得る。いくつかの実施形態において、(2つ以上の光電子が捕捉されるイベントまたはサブ間隔を含む)光検出器飽和の前に発生する連続光子受信イベントに対応する検出サイクル内到着時間および強度情報を捕捉することができるAFEおよびTDCを、そのようなマルチウェル低レイテンシ光検出器と結合させて、そのようなサイクル内情報の高速読み出しを可能にする。
【0021】
いくつかのセンサシステムの実施形態において、高帯域幅で低ノイズのゲイン段が、低レイテンシ光検出器出力信号を増幅し、高速デジタル化のための信号を準備するアナログフロントエンド(AFE)内に実装されて、マルチキャリアフォトウェルによって利用可能になる追加の検知データを活用する高感度/高分解能深度測定を可能にする。一般に、必要なAFEゲインは、用途に固有であり、検出器の変換ゲインとフォトウェルの深度とに依存する。比較的低い時間分解能と高感度とを必要とする用途(すなわち、長距離/高空間分解能の深度測定)では、例えば、非常に低い読み出しノイズを有する低レイテンシCMOS光検出器(例えば、上記のように浮動拡散内にpin領域を有するCMOS光検出器)およびポンプゲートジョット(すなわち、米国出願第15/301,267号に記載されているような)を使用することができる。電荷転送増幅器(CTA)を使用して、これらの光検出器(ピクセル)を読み出すことができる。スタック構造を使用して、ピクセル内増幅器の帯域幅を増大させることもできる。例えば、クラスタ並列アーキテクチャは、国際出願PCT/US17/22607で説明されているように実装することができる。いずれの場合も、アナログフロントエンドによる増幅後、光検出器の出力信号は、(必要に応じて)1つ以上のインバータによってバッファリングされ、TDC(例えば、所定のまたはプログラムされた閾値を超えるAFE出力を検出したときにカウンタ出力をラッチするためのカウンタおよび回路)に適用することができる。
【0022】
図10は、それぞれの光子検出カウントで、それぞれのレジスタ内のラッチ動作をトリガするための、すなわち、グローバルカウンタ310の出力、したがって発生した時間の測定値をラッチする、逓減ゲインを有する並列増幅経路を有するAFE/TDCの一実施形態を示す。例えば、1mV/e変換ゲインを有する光検出器と、300mVのトリガ閾値を有するレジスタ311、313、315(すなわち、300mV以上のラッチ信号は、レジスタ内のラッチ動作をトリガし、それによって、トリガされた時点でのグローバルカウントを記録する)との間に結合されているとき、増幅器321、323、325のゲインは、それぞれ300倍(1ボルト当たり300ボルトまたは300V/V)、150倍、および100倍に設定される。この動作により、単一光子検出(フォトダイオードストレージウェル内の単一光電子の収集)は、増幅器段321を介して、ラッチ入力311にラッチトリガ信号(300mV)を生成して、検出イベントの時間を捕捉する(すなわち、第1の光子検出に応答してグローバルカウンタの出力をラッチする)。増幅器段323および325内のより低いゲインレベルは、レジスタ313および315のラッチ入力に、閾値以下の出力信号(150mVおよび100mV)をもたらし、そのため、それらのレジスタは準備されたままであり、後続のグローバルカウント値をラッチするために利用可能である。したがって、第2の光子が検出されると、光検出器の出力信号は、1mVから2mVに倍増し、したがって増幅器段323から300mVの出力をもたらし、レジスタ313内でカウント-ラッチ動作をトリガして第2の光子検出イベントの時間(グローバルカウント)を捕捉する。第3の光子が検出されると、光検出器は、もう1mVだけ増分して(3mVにし)、増幅器段325から300mVの出力をもたらし、したがって、レジスタ315内でグローバルカウント(および第3の光子の検出の時間)をラッチする。代替実施形態では、追加のAFEゲイン段およびTDCレジスタを設けて、光検出器のウェル深度(飽和レベル)までの後続の光子検出イベントに関してTDC出力を生成し得る(グローバルカウント値捕捉)。また、光検出器のアレイ(アレイ内のピクセル)を有する光センサは、図10に示されたAFE/TDCユニットの対応するアレイを含み得る(アレイ全体の経過時間カウントをもたらすために、単一のグローバルカウンタを設けてもよい)。
【0023】
図11は、単一の増幅器段が、増幅された光検出器出力信号を、それぞれの漸次高まるラッチ閾値を有するレジスタのラッチ入力に出力する、代替のAFE/TDCの実施形態を示す。引き続き、例示的な1mV/e変換ゲイン光検出器では、100V/Vゲインを有する増幅器段325は、それぞれ50mV、150mV、および250mVのラッチトリガ閾値を有するレジスタ341、343、および345のラッチ入力を駆動する。この構成により、単一光子検出は、100mV増幅器出力を生成し、したがってレジスタ341内のカウント-ラッチ動作をトリガする(すなわち、増幅器325からの100mV出力は、レジスタ341の50mVラッチ閾値を超えるが、レジスタ343および345の150mVおよび250mV閾値を超えない)。第2の光子の検出は、レジスタ343内でグローバルカウンタ311の出力をラッチし(すなわち、増幅器325は、レジスタ343の150mVラッチ閾値を超える200mV出力を生成し)、第3の光子の検出は、レジスタ345内でグローバルカウントをラッチする(すなわち、増幅器からの300mV出力>レジスタ345の250mVラッチ閾値)。図10の実施形態と同様に、代替実施形態では、漸次高まるラッチ閾値を有する追加のTDCレジスタを設けて、光検出器のウェル深度(飽和レベル)までの後続の光子検出イベントに関してTDC出力を生成し得る(グローバルカウント値捕捉)。また、光検出器のアレイを有する光センサは、図11に示されたAFE/TDCユニットの対応するアレイを含み得る(ただし、AFE/TDCアレイ全体の経過時間カウントをもたらすために、単一のグローバルカウンタを設けてもよい)。
【0024】
図10および図11に示されたAFE/TDC回路、特に増幅器段(複数可)は、光検出器ICの曲線因子を増加させ、かつ/または光検出器出力ライン(例えば、カラム出力ライン)の長さ(したがって寄生容量)を減少させて、AFE/TDC回路の帯域幅を増大させるために、スタックプロセスで実装されてもよい。そのようなスタックマルチウェル(非アバランシェ)深度検知センサでは、(AFE/TDCを含む)読み出し回路の全体または任意の部分を、光検出器セル(複数可)と同じ集積回路チップ上に共配置し得る。あるいは、読み出し回路は、全体または一部を、光検出器セルを担持するセンサチップを有するスタック構成内に接合されたまたは別様に取り付けられたロジックチップ上に配設され得る(例えば、読み出し回路を包含する第1のウェハと、光検出器を包含する第2のウェハとのウェハ接合、続いて、光検出器チップの露出した外側表面が、裏側照明面を構成する2ダイスタックへの単体化)。
【0025】
本明細書に開示されたさまざまな検出器、読み出し回路、および物理的構成は、それらの動作、レジスタ転送、ロジック構成要素、トランジスタ、レイアウトジオメトリ、および/または他の特性の観点から、コンピュータ支援設計ツールを使用して記述され、さまざまなコンピュータ可読媒体において具現化されるデータおよび/または命令として表現(または表示)され得る。そのような回路表現を実装し得るファイルおよび他のオブジェクトのフォーマットには、これらに限定されないが、C、Verilog、およびVHDLなどの動作言語をサポートするフォーマット、RTEなどのレジスタレベルの記述言語をサポートするフォーマット、ならびにGDSII、GDSIII、GDSIV、CIF、MEBESなどのジオメトリ記述言語をサポートするフォーマット、ならびに任意の他の好適なフォーマットおよび言語が含まれる。そのようなフォーマット化データおよび/または命令が具現化され得るコンピュータ可読媒体には、これらに限定されないが、さまざまな形態のコンピュータ記憶媒体(例えば、そのように独立して分散されるか、オペレーティングシステム内に「現場で」記憶されるかに関わらず、光学、磁気、または半導体記憶媒体)が含まれる。
【0026】
1つ以上のコンピュータ可読媒体を介してコンピュータシステム内で受信されると、上記の回路のそのようなデータおよび/または命令ベースの表現は、コンピュータシステム内の処理エンティティ(例えば、1つ以上のプロセッサ)によって、ネットリスト生成プログラム、配置および経路プログラムなどを含むがこれらに限定されない1つ以上の他のコンピュータプログラムの実行と連動して処理されて、そのような回路の物理的表現の表示または画像を生成することができる。その後、そのような表示または画像は、例えば、デバイス製造プロセスにおいて回路のさまざまな構成要素を形成するために使用される1つ以上のマスクの生成を可能にすることによって、デバイス製造において使用することができる。
【0027】
前述の説明および添付の図面には、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、特定の用語および図面記号が記載れている。場合によっては、用語および記号は、それらの実施形態を実施するのに必要でない詳細を示唆し得る。例えば、特定の閾値レベル、増幅レベル、変換ゲイン、構成要素数、相互接続トポロジー、センサ実装、構成要素などのいずれも、代替実施形態において上記のものとは異なることがあり得る。個々の信号線として描写または記述された信号経路は、代わりに、多導体信号バスによって実装され得、逆もまた同様であり、伝達された信号ごとに複数の導体を含み得る(例えば、差動または疑似差動信号送信)。「結合された」という用語は、本明細書では、直接接続、ならびに1つ以上の介在機能的構成要素または構造を通しての接続を表すために使用される。デバイス構成またはプログラミングは、例えば、限定されないが、ホスト命令(したがって、デバイスの動作態様を制御すること、および/もしくはデバイス構成を確立すること)に応答して、または1回限りのプログラミング動作(例えば、デバイス製造中に構成回路内でヒューズを飛ばすこと)を通して、集積回路デバイス内のレジスタもしくは他の記憶回路内に制御値をロードすること、ならびに/またはデバイスの1つ以上の選択されたピンもしくは他の接触構造を基準電圧線に接続して(ストラッピングとも称される)、特定のデバイス構成もしくはデバイスの動作態様(例えば、増幅率、ラッチ閾値など)を確立すること、を含むことができる。「例示的な」および「実施形態」という用語は、嗜好または要件ではなく、実施例を表すために使用される。また、「し得る」および「することができる」という用語は、任意選択的な(許容可能な)主題を示すために交換可能に使用される。どちらの用語も不在であることは、所与の特徴または技法が必要であることを意味すると解釈されるべきではない。
【0028】
さまざまな修正および変更を、本開示のより広範な精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に提示された実施形態に対して行うことできる。例えば、いずれかの実施形態の特徴または態様を、他のいずれかの実施形態と併用して、またはその対応する特徴または態様の代わりに、適用することができる。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で見られるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知デバイスであって、
表面から反射された光に応答して2つ以上の放射された電子を保存することができる光検出器と、
内部にpin領域を有する浮動拡散ノードを含み、前記光検出器の中のそれぞれの電子の保存に応答して、100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成する読み出し回路と、
前記出力信号に基づいて、前記感知デバイスと前記表面との間の距離を表す値を生成する測定回路と、を備える感知デバイス。
【請求項2】
前記光検出器は、pinフォトダイオードを含む、請求項1に記載の感知デバイス。
【請求項3】
前記読み出し回路は、前記pinフォトダイオードと前記浮動拡散ノードとの間の導電チャンネルの形成を可能にする転送ゲートを含む、請求項2に記載の感知デバイス。
【請求項4】
前記出力信号を生成する読み出し回路は、前記転送ゲートに一連のパルスを生成する回路を含み、前記パルスのそれぞれは、前記パルスの1つとその前のパルスの1つとの間の期間に、前記光検出器の中に保存された1つ以上の電子の、前記光検出器から前記浮動拡散ノードへの転送を可能にする、請求項3に記載の感知デバイス。
【請求項5】
前記測定回路は、インクリメントする一連のカウント値を出力するカウンタと、前記出力信号が第1の電圧レベルを超えるとき、前記カウンタから出力されるインクリメントする一連のカウント値のいずれも保存する第1のラッチ回路とを備える、請求項1に記載の感知デバイス。
【請求項6】
前記測定回路は、前記出力信号が第2の電圧レベルを超えるとき、前記カウンタから出力されるインクリメントする一連のカウント値のいずれも保存する第2のラッチ回路を備える、請求項5に記載の感知デバイス。
【請求項7】
前記第1及び第2の電圧レベルは、前記第1及び第2のラッチ回路の各トリガー電圧を構成し、前記第2のラッチ回路のトリガー電圧は、前記第1のラッチ回路のトリガー電圧より大きい、請求項6に記載の感知デバイス。
【請求項8】
前記第1のラッチ回路が、
前記出力信号の第1の増幅バージョンを生成する第1の増幅器と、
前記出力信号の前記第1の増幅バージョンが、第1のラッチ要素のトリガー電圧を超えるとき、前記カウンタから出力される前記インクリメントする一連のカウント値のいずれも保存する第1のラッチ要素と、を備える、請求項5に記載の感知デバイス。
【請求項9】
前記表面から反射された光を構成するため、前記表面に伝搬して前記表面から反射する光を放射する光源をさらに備える、請求項1に記載の感知デバイス。
【請求項10】
前記浮動拡散ノードは、p型シリコン基板の中のnドープト領域を含み、
前記pin領域は、前記nドープト領域の中のpドープト領域を含む、請求項1に記載の感知デバイス。
【請求項11】
感知デバイスであって、
表面から反射された光に応答して2つ以上の放射された電子を保存することができるフォトウェルを有するフォトダイオードと、
前記フォトダイオードの前記フォトウェルに隣接して配置されたチャンネルを有する接合型電界効果トランジスタ(JFET)を含み、前記フォトウェル内のそれぞれの電子の保存に応答して、電圧レベル間で遷移する出力信号を生成する、読み出し回路と、
前記出力信号に基づいて、前記感知デバイスと前記表面との間の距離を表す値を生成する測定回路と、を備える感知デバイス。
【請求項12】
感知デバイス内の動作方法であって、
表面から反射された光に応答して、光検出器内に電子を保存することと、
少なくとも部分的に、pinフォトダイオードから、内部にpin領域を有する浮動拡散ノードへ電子を転送することにより、前記光検出器の中のそれぞれの電子の保存に応答して、100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成ことと、
前記出力信号に基づいて、前記感知デバイスと前記表面との間の距離を表す測定値を生成することと、を含む方法。
【請求項13】
前記表面から反射された光に応答して、前記光検出器内に電子を保存することは、前記表面から反射された光に応答してpinフォトダイオード内に電子を放射して保存することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記pinフォトダイオードから、内部にpin領域を有する浮動拡散ノードへ電子を転送することは、転送ゲートで制御信号をアサートして、前記pinフォトダイオードと前記浮動拡散ノードとの間に導電性チャンネルを形成することを可能にすることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記光検出器の中のそれぞれの電子の保存に応答して、100ナノ秒以内に、電圧レベル間を遷移する出力信号を生成ことは、前記転送ゲート上に前記制御信号として一連のパルスをアサートすることを含み、前記パルスのそれぞれは、前記パルスの1つとその前のパルスとの間の期間、前記光検出器内に保存された1つ以上の電子を、前記光検出器から前記浮動拡散ノードへ転送することを可能にする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記出力信号に基づいて、前記感知デバイスと前記表面との間の距離を表す測定値を生成することは、インクリメントする一連のカウント値をカウンタから出力することと、
前記出力信号が第1の電圧レベルを超えるとき、前記カウンタから出力されるインクリメントする一連のカウント値のいずれも第1のラッチ回路内に保存することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記出力信号が第2の電圧レベルを超えるとき、前記カウンタから出力されるインクリメントする一連のカウント値のいずれも第2のラッチ回路に保存することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び第2の電圧レベルは、前記第1及び第2のラッチ回路のそれぞれ等しくないトリガー電圧を構成する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記感知デバイスから光を放射し、前記光は、前記表面へ伝搬し、前記表面から反射し、前記表面から反射される光を構成する、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
感知デバイス内の動作方法であって、
表面から反射された光に応答して、フォトダイオードのフォトウェル内に電子を保存することであって、前記フォトウェルは2つ以上の電子を保存することができるものである、保存することと、
前記フォトダイオードの前記フォトウェルに隣接して配置されたチャンネルを有する接合型電界効果トランジスタ(JFET)を介して、前記フォトウェル内のそれぞれの電子の保存に応答して、電圧レベル間で遷移する出力信号を生成することと、
前記出力信号に基づいて、前記感知デバイスと前記表面との間の距離を表す測定値を生成することと、を含む方法。
【外国語明細書】