(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000630
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】表示形式変更方法、電子機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20231226BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20231226BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/04845
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099421
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 博和
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555AA12
5E555AA24
5E555AA25
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA07
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB07
5E555BC04
5E555CA02
5E555CA13
5E555CA14
5E555CB07
5E555CB16
5E555CB17
5E555CB44
5E555CB55
5E555CB62
5E555CC03
5E555CC18
5E555DA01
5E555DB45
5E555DC11
5E555DC13
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】数の表示形式の変更を直感的な操作で素早く行えるようにする。
【解決手段】電子機器の制御部は、数を表示部に表示させ、表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
数を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる、表示形式変更方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に分数形式で表示されている場合で、かつ第1の閾値未満の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる、請求項1に記載の表示形式変更方法。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に分数形式で表示されている場合で、かつ第2の閾値以上および第1の閾値未満の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつ第3の閾値以上の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる、請求項2に記載の表示形式変更方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に小数形式で表示されている場合で、かつ第4の閾値未満の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させる、請求項1に記載の表示形式変更方法。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつ第5の閾値以上の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に小数形式で表示されている場合で、かつ第6の閾値以上および第4の閾値未満の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させる、請求項4に記載の表示形式変更方法。
【請求項6】
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に分数形式で表示されている場合で、かつ第1の閾値以上の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に小数形式で表示されている場合で、かつ第4の閾値以上の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる、請求項1に記載の表示形式変更方法。
【請求項7】
前記コンピュータは、
前記ピンチアウト操作の操作幅の大きさに基づいて、表示する小数形式の小数の桁数を変化させる請求項4乃至6のいずれか一項に記載の表示形式変更方法。
【請求項8】
コンピュータが、
数を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、少なくとも第1進数、第2進数、第3進数の間で変化させる、表示形式変更方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、
前記ジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、第1進数、第2進数、第3進数、および第4進数の間で変化させる、請求項8に記載の表示形式変更方法。
【請求項10】
数を表示部に表示させ、前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる制御部、
を備える電子機器。
【請求項11】
コンピュータを、
数を表示部に表示させ、前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示形式変更方法、電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子計算装置において、分数と循環小数を切り替え表示可能なものが知られている。
例えば、特許文献1には、キー入力部のメニューキーの操作に応じて表示されたメニュー画面から分数→循環小数変換モードを選択して分数→循環小数変換モードに設定した後、分数を入力し、実行キーを押下すると、分数を循環小数に変換して表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、分数から循環小数に表示形式を変更するために、循環小数変換モードへの設定やキー操作などの一連の手順を実施する必要があり、表示された分数を直感的な操作で素早く循環小数に変換することはできない。
【0005】
また、循環小数を分数形式、循環小数形式(循環節に点、上線、下線、又は括弧等の記号を付して表記する表示形式)、小数形式(通常の小数の表示形式であり、循環節は繰り返し表記する表示形式)の3つの表示形式の間で変更可能な電子計算装置やWebアプリケーションも知られているが、設定画面や設定キーを用いた表示形式の変更操作手順を実施することが必要となり、直感的な操作で素早く表示形式を変更することができない。
【0006】
また、或る数の表示形式を変更するケースとしては、分数形式、循環小数形式、小数形式の間の変更に限られず、例えば、2進数、8進数、10進数、16進数などの進数表示の表示形式の変更なども挙げられるが、いずれにおいても、表示形式の変更を直感的な操作で素早く行うことはできない。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、数の表示形式の変更を直感的な操作で素早く行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面による表示形式変更方法は、
コンピュータが、
数を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる。
【0009】
本発明の第2の側面による表示形式変更方法は、
コンピュータが、
数を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、少なくとも第1進数、第2進数、第3進数の間で変化させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、数の表示形式の変更を直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の電子機器の機能的構成を示すブロック図である。
【
図2】循環小数を分数形式、循環小数形式、小数形式で表示した場合の表示上の横幅の大小関係を模式的に示す図である。
【
図3】有限小数を分数形式と小数形式で表示した場合の表示上の横幅の大小関係を模式的に示す図である。
【
図4】(a)は、
図1の電子機器における、循環節を有する数の表示形式の切り替えを説明するための図、(b)は、
図1の電子機器における、循環節を有しない数の表示形式の切り替えを説明するための図である。
【
図5】第1の実施形態において
図1の制御部により実行される表示形式変更処理Aの流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図5のステップS4において実行される分数形式からの変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】(a)は、ピンチアウトの幅を説明するための図、(b)は、ピンチインの幅を説明するための図である。
【
図8】
図5のステップS5において実行される循環小数形式からの変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図5のステップS6において実行される小数形式からの変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】(a)は、数を分数形式で表示している状態で、その数に対してピンチアウトが行われた場合の、上記表示形式変更処理Aによる数の表示形式の変化の一例を示す図である。(b)は、数を循環小数形式で表示している状態で、その数に対してピンチアウトが行われた場合の、上記表示形式変更処理Aによる数の表示形式の変化の一例を示す図である。
【
図11】数を16進数、10進数、8進数、2進数で表示した場合の表示上の横幅の大小関係を模式的に示す図である。
【
図12】
図1の電子機器における、16進数、10進数、8進数、2進数の間の切り替えを説明するための図である。
【
図13】第2の実施形態において
図1の制御部により実行される表示形式変更処理Bの流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図13のステップS13において実行される16進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図15】
図13のステップS14において実行される10進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図13のステップS15において実行される8進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図13のステップS16において実行される2進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図18】電子機器がインターネット等の通信ネットワークを介してWebサーバと接続されている態様を示す図である。
【
図19】
図18のWebサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
<第1の実施形態>
[電子機器100の構成]
まず、本発明の第1の実施形態に係る電子機器100の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る電子機器100の機能的構成を示すブロック図である。電子機器100は、例えば、関数電卓アプリケーション(関数電卓アプリと呼ぶ)121が搭載されたタブレット端末、スマートフォン、PC(Personal Computer)等により構成されていてもよいし、計算専用の装置により構成されていてもよく、その形態は特に限定されない。
【0014】
図1に示すように、電子機器100は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15等により構成され、各部はバス16により接続されている。
【0015】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成されている。制御部11のCPUは、ROMや記憶部12に格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて各種処理を実行することにより、電子機器100の各部を集中制御する。
【0016】
記憶部12は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、各種プログラム及びプログラムで使用されるデータ等を記憶する。
本実施形態において、記憶部12には、関数電卓アプリ121が記憶されている。関数電卓アプリ121は、制御部11が後述する表示形式変更処理Aを含む計算に係る各種処理を実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0017】
操作部13は、表示部14の画面上に重畳されて形成されたタッチパネル131を備えている。操作部13は、各種操作ボタンをさらに備えていてもよく、操作ボタンの操作や表示部14の画面上の操作を検出し、その操作情報を制御部11に出力する。
【0018】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、制御部11から指示された表示情報に従い各種表示を行う。
【0019】
通信部15は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信ネットワークを介して、外部装置と通信を行うための通信制御を行う。
【0020】
[電子機器100の動作]
次に、電子機器100の動作について説明する。
電子機器100において、操作部13により関数電卓アプリ121の起動操作が検出されると、制御部11は、関数電卓アプリ121を起動して、関数電卓アプリ121との協働により以下の処理を実行する。
【0021】
例えば、制御部11は、関数電卓アプリ121が起動されると、入力画面を表示部14に表示させる。タッチパネル131により、或る数の入力操作が検出されると、制御部11は、表示部14に入力された数を表示させる。タッチパネル131により、演算式の入力が検出され、実行が指示されると、制御部11は、入力に基づいて演算処理を行い、演算結果を表示部14に表示させる。
【0022】
ここで、小数には、有限桁の数字で表現できる有限小数と、有限桁の数字で表現できず、無限桁の数字で表現できる無限小数とがある。無限小数には、ある桁から同じ数字列が無限に繰り返される循環小数と、循環しない非循環小数がある。有限小数と循環小数はともに有理数であり、分数で表すことができる。非循環小数は、無理数であり、分数形式では表現することができない。
【0023】
循環小数の繰り返される数字列は、循環節と呼ばれる。循環小数の表示形式としては、通常の小数の表示形式(循環節を繰り返し表記する表示形式。小数形式と呼ぶ。)と、循環節に点、上線、下線、又は括弧等の記号を付して表記する表示形式(循環小数形式と呼ぶ。)と、分数形式とがある。
【0024】
循環小数を各表示形式で表示した場合、例外もあるが一般的には、
図2に示すように、表示上の横幅は以下のような関係になる。
分数形式の横幅≦循環小数形式の横幅≦小数形式の横幅
また、有限小数を小数形式、分数形式で表示した場合、例外もあるが一般的には、
図3に示すように、表示上の横幅は以下のような関係になる。
分数形式の横幅≦小数形式の横幅
なお、小数形式で表示する際の桁数の上限は、予め定められていることとしてもよいし、ユーザが操作部13により設定できるようにしてもよいし、後述するようにピンチアウトの操作幅で決定してもよい。
【0025】
電子機器100では、有理数の場合、上記の表示形式間における横幅の長さの関係から、ユーザがジェスチャー操作で直感的に分数形式、循環小数形式、小数形式の間で表示形式を変更できるようになっている。具体的には、ピンチ操作の操作方向(ピンチイン、ピンチアウト)を用いて表示形式が変更できるようになっている。なお、本明細書において、数の表示形式の変更とは、数の値は変更せずに、数を示す数字の表現形式を変更することを意味し、数字の大きさや色、フォントの変更は含まない。
【0026】
ここで、ピンチイン(ピンチイン操作)は、タッチパネル131上で2本の指の間隔を狭める方向(小さくなる方向)に指を動かすジェスチャー操作(ピンチ操作)であり、一般的には、表示の縮小に用いられている。ピンチアウト(ピンチアウト操作)は、タッチパネル131上で2本の指の間隔を広げる方向(大きくなる方向)に指を動かすジェスチャー操作(ピンチ操作)であり、一般的には、表示の拡大に用いられている。
そこで、本実施形態において、制御部11は、ジェスチャー操作(ピンチ操作)の操作幅の大きさと、操作方向に基づいて、数(有理数)の表示形式を変更する(変化させる)。
【0027】
例えば、
図4(a)に示すように、操作の対象となる数が循環節を有する数であって、分数形式で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を広げる方向に動かすピンチアウト(pinch-out)を行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に分数形式より横幅の広い循環小数形式又は小数形式に変更する。例えば、ピンチアウトの幅(
図7(a)参照)が小(第2の閾値以上第1の閾値未満である)の場合は循環小数形式に、ピンチアウトの幅が大(第1の閾値以上である)の場合は、小数形式に変更する。ピンチアウトの幅が第2の閾値未満である場合は、対象となる数の表示形式は変更しない。ここで、第1の閾値>第2の閾値である。
【0028】
操作の対象となる数が循環節を有する数であって、循環小数表示形式で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を広げる方向に動かすピンチアウトを第5の閾値以上のピンチアウトの幅で行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に循環小数形式よりも横幅の広い小数形式に変更し、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を狭める方向に動かすピンチイン(pinch-in)を第3の閾値以上のピンチインの幅(
図7(b)参照)で行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に循環小数形式よりも横幅の狭い分数形式に変更する。対象となる数が循環小数表示形式で表示されている場合、ピンチアウトの幅が第5の閾値未満、又はピンチインの幅が第3の閾値未満である場合は、対象となる数の表示形式は変更しない。
【0029】
操作の対象となる数が循環節を有する数であって、小数形式で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を狭める方向に動かすピンチインを行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に小数形式より横幅の狭い循環小数形式又は分数形式に変更する。例えば、ピンチインの幅が小(第6の閾値以上第4の閾値未満である)の場合は循環小数形式に、ピンチインの幅が大(第4の閾値以上である)の場合は、分数形式に変更する。ピンチインの幅が第6の閾値未満である場合は、対象となる数の表示形式は変更しない。ここで、第4の閾値>第6の閾値である。
【0030】
また、
図4(b)に示すように、操作の対象となる数が循環節を有していない数であって、分数形式で表示されている場合、制御部11は、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を広げる方向に動かすピンチアウトを第1の閾値以上のピンチアウト幅で行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に分数形式より横幅の広い小数形式に変更する。制御部11は、ピンチアウトの幅が第1の閾値未満である場合は、対象となる数の表示形式を変更しない。また、制御部11は、ピンチアウトの幅が第7の閾値以上の場合に、対象となる数の表示を、小数形式に変更してもよく、ピンチアウトの幅が第7の閾値未満である場合に、対象となる数の表示形式を変更しなくてもよい。ここで、第7の閾値は、第1の閾値よりも小さい。
対象となる数が循環節を有していない数であって、小数形式で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を狭める方向に動かすピンチインを第4の閾値以上のピンチイン幅で行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に小数形式より横幅の狭い分数形式に変更する。制御部11は、ピンチインの幅が第4の閾値未満である場合は、対象となる数の表示形式を変更しない。また、制御部11は、ピンチインの幅が第8の閾値以上の場合に、対象となる数の表示を、小数形式に変更してもよく、ピンチインの幅が第8の閾値未満である場合に、対象となる数の表示形式を変更しなくてもよい。ここで、第8の閾値は、第4の閾値よりも小さい。
【0031】
ここで、第2の閾値と第3の閾値は同じ大きさでもよい。また、第5の閾値と第6の閾値は同じ大きさでもよい。
【0032】
また、第1の閾値~第6の閾値の大きさは、対象となる数の循環節の長さによって変化させてもよい。
例えば、第1の閾値は、数の表示形式を分数形式から循環小数形式に変更するか又は小数形式に変更するかを判断するための閾値であり、その大きさは、例えば、「対象となる数を循環小数形式で表示したときの数字列全体の幅(の大きさ)」としてもよい。
第2の閾値は、数の表示形式を分数形式から循環小数形式に変更するか否かを判断するための閾値であり、その大きさは、例えば、「対象となる数を循環小数形式で表示したときの数字列全体の幅-分数形式で表示したときの数字列全体の幅」としてもよい。
第3の閾値は、数の表示形式を循環小数形式から分数形式に変更するか否かを判断するための閾値であり、その大きさは、例えば、「対象となる数を循環小数形式で表示したときの数字列全体の幅-分数形式で表示したときの数字列全体の幅」としてもよい。
第4の閾値は、数の表示形式を小数形式から循環小数形式に変換するか又は分数形式に変更するかを判断するための閾値であり、その大きさは、例えば、「対象となる数を小数形式で表示したときの数字列全体の幅-分数形式で表示したときの数字列全体の幅」としてもよい。
第5の閾値は、数の表示形式を循環小数形式から小数形式に変換するか否かを判断するための閾値であり、その大きさは、例えば、「対象となる数を小数形式で表示したときの数字列全体の幅-循環小数形式で表示したときの数字列全体の幅」としてもよい。
第6の閾値は、数の表示形式を小数形式から循環小数形式に変更するか否かを判断するための閾値であり、その大きさは、例えば、「対象となる数を小数形式で表示したときの数字列全体の幅-循環小数形式で表示したときの数字列全体の幅」としてもよい。
【0033】
図5は、数が表示部14に表示されている間にタッチパネル131によりピンチ操作が検出された際に、制御部11により実行される表示形式変更処理Aの流れを示すフローチャートである。表示形式変更処理Aは、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0034】
まず、制御部11は、タッチパネル131によりピンチ操作の開始が検出された位置が、表示部14に表示されている数に対するジェスチャー操作開始の有効範囲内であるか否かを判断する(ステップS1)。
ここで、制御部11は、ユーザの入力又は演算に応じて表示部14に数を表示させた場合、数が表示されている領域を含む所定範囲をその数に対するジェスチャー操作の有効範囲に設定する。本実施形態では、例えば、表示されている数(数字列)に外接する矩形から左右に、表示されている数と同じサイズの数字M個分、上下に、表示されている数と同じサイズの数字N個分(M、Nは正の数)離れたところまでの矩形範囲を、表示されている数に対するジェスチャー操作の有効範囲に設定する。例えば、M=1とし、N=1としてもよい。ステップS1において、制御部11は、タッチパネル131によりピンチ操作開始が検出された位置が、表示部14に表示されているいずれかの数の有効範囲内であるか否かを判断する。なお、2本の指のいずれか一方のみが有効範囲内である場合は、例えば、有効範囲内と判断することとするが、有効範囲外と判断することとしてもよい。
【0035】
ピンチ操作の開始が検出された位置が、表示部14に表示されている数に対するジェスチャー操作開始の有効範囲内ではないと判断した場合(ステップS1;NO)、制御部11は、表示形式変更処理Aを終了する。
【0036】
ピンチ操作の開始が検出された位置が、表示部14に表示されている数に対するジェスチャー操作開始の有効範囲内であると判断した場合(ステップS1;YES)、制御部11は、ピンチ操作の対象となった数(対象の数と呼ぶ)が有理数であるか否かを判断する(ステップS2)。
対象の数が有理数ではないと判断した場合(ステップS2;NO)、制御部11は、表示形式変更処理Aを終了する。
【0037】
対象の数が有理数であると判断した場合(ステップS2;YES)、制御部11は、対象の数の表示形式を判断する(ステップS3)。
【0038】
対象の数の表示形式が分数形式であると判断した場合(ステップS3;分数形式)、制御部11は、分数形式からの変換処理を実行する(ステップS4)。
【0039】
図6は、
図5のステップS4において実行される、分数形式からの変換処理の流れを示すフローチャートである。分数形式からの変換処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0040】
まず、制御部11は、実施されたピンチ操作がピンチアウトであるか否かを判断する(ステップS401)。
制御部11は、タッチパネル131により検出された操作方向から、実施されたピンチ操作がピンチアウトであるか否かを判断する。
【0041】
実施されたピンチ操作がピンチアウトではないと判断した場合(ステップS401;NO)、制御部11は、分数形式からの変換処理を終了する。
【0042】
実施されたピンチ操作がピンチアウトであると判断した場合(ステップS401;YES)、制御部11は、対象の数に循環節があるか否かを判断する(ステップS402)。
ステップS402において、制御部11は、対象の数(分数)を小数にする演算を行い、演算結果に基づいて循環節があるか否かを判断する。
【0043】
対象の数に循環節があると判断した場合(ステップS402;YES)、制御部11は、ピンチアウトの幅が第2の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS403)。
ここで、ピンチアウトの幅は、ピンチアウト前後での2本の指間のX軸方向(指のスライド方向)の距離の変化量、すなわち、ピンチアウトの操作幅である。例えば、
図7(a)に示すように、指Aと指Bでピンチアウトを行った場合の指Aと指Bのタッチ開始点間の距離をX2、タッチ終了点間の距離をX1とすると、ピンチアウトの幅は、X1-X2となる。ここで、タッチ終了点は、タッチパネル131からの検出信号が途絶えた点を指す。例えば、2本指の少なくとも一方の指が離れた時点での、双方の指の位置を指す。
【0044】
ピンチアウトの幅が第2の閾値以上ではないと判断した場合(ステップS403;NO)、制御部11は、分数形式からの変換処理を終了する。
【0045】
ピンチアウトの幅が第2の閾値以上であると判断した場合(ステップS403;YES)、制御部11は、ピンチアウトの幅が第1の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS404)。
【0046】
ピンチアウトの幅が第1の閾値以上ではない(第1の閾値未満である)と判断した場合(ステップS404;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を循環小数形式に変更し(ステップS405)、分数形式からの変換処理を終了する。
【0047】
ピンチアウトの幅が第1の閾値以上であると判断した場合(ステップS404;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を小数形式に変更し(ステップS406)、分数形式からの変換処理を終了する。
【0048】
一方、ステップS402において、対象の数に循環節がないと判断した場合(ステップS402;NO)、制御部11は、ピンチアウトの幅が第1の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS407)。
ピンチアウトの幅が第1の閾値以上ではないと判断した場合(ステップS407;NO)、制御部11は、分数形式からの変換処理を終了する。
【0049】
ピンチアウトの幅が第1の閾値以上であると判断した場合(ステップS407;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を小数形式に変更し(ステップS408)、分数形式からの変換処理を終了する。
【0050】
一方、
図5のステップS3において、対象の数の表示形式が循環小数形式であると判断した場合(ステップS3;循環小数形式)、制御部11は、循環小数形式からの変更処理を実行する(ステップS5)。
【0051】
図8は、
図5のステップS5において実行される、循環小数形式からの変換処理の流れを示すフローチャートである。循環小数形式からの変換処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0052】
まず、制御部11は、実施されたピンチ操作がピンチアウトであるか否かを判断する(ステップS501)。
実施された操作がピンチアウトであると判断した場合(ステップS501;YES)、制御部11は、ピンチアウトの幅が第5の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS502)。
ピンチアウトの幅が第5の閾値以上であると判断した場合(ステップS502;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を小数形式に変更し(ステップS503)、循環小数形式からの変換処理を終了する。
ピンチアウトの幅が第5の閾値以上ではない(第5の閾値未満である)と判断した場合(ステップS502;NO)、制御部11は、循環小数形式からの変換処理を終了する。
【0053】
一方、実施された操作がピンチアウトではないと判断した場合(ステップS501;NO)、制御部11は、実施された操作がピンチインであるか否かを判断する(ステップS504)。
実施された操作がピンチインであると判断した場合(ステップS504;YES)、制御部11は、ピンチインの幅が第3の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS505)。
【0054】
ここで、ピンチインの幅は、ピンチイン前後での2本の指間のX軸方向(指のスライド方向)の距離の変化量、すなわち、ピンチインの操作量(操作幅)である。例えば、
図7(b)に示すように、指Aと指Bでピンチインを行った場合の指Aと指Bのタッチ開始点間の距離をX1、タッチ終了点間の距離をX2とすると、ピンチインの幅は、X1-X2となる。ここで、タッチ終了点は、タッチパネル131からの検出信号が途絶えた点を指す。例えば、2本指の少なくとも一方の指が離れた時点での、双方の指の位置を指す。
【0055】
ピンチインの幅が第3の閾値以上であると判断した場合(ステップS505;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を分数形式に変更し(ステップS506)、循環小数形式からの変換処理を終了する。
【0056】
一方、ステップS504において、実施された操作がピンチアウトでもピンチインでもないと判断した場合(ステップS504;NO)、又は、ステップS505において、ピンチインの幅が第3の閾値以上ではない(第3の閾値未満である)と判断した場合(ステップS505;NO)、制御部11は、循環小数形式からの変換処理を終了する。
【0057】
一方、
図5のステップS3において、対象の数の表示形式が小数形式であると判断した場合(ステップS3;小数形式)、制御部11は、小数形式からの変換処理を実行する(ステップS6)。
【0058】
図9は、
図5のステップS6において実行される、小数形式からの変換処理の流れを示すフローチャートである。小数形式からの変換処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0059】
まず、制御部11は、実施された操作がピンチインであるか否かを判断する(ステップS601)。
実施された操作がピンチインではないと判断した場合(ステップS601;NO)、制御部11は、小数形式からの変換処理を終了する。
【0060】
実施された操作がピンチインであると判断した場合(ステップS601;YES)、制御部11は、対象の数に循環節があるか否かを判断する(ステップS602)。
対象の数に循環節があると判断した場合(ステップS602;YES)、制御部11は、ピンチインの幅が第6の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS603)。
【0061】
ピンチインの幅が第6の閾値以上ではないと判断した場合(ステップS603;NO)、制御部11は、小数形式からの変換処理を終了する。
【0062】
ピンチインの幅が第6の閾値以上であると判断した場合(ステップS603;YES)、制御部11は、ピンチインの幅が第4の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS604)。
【0063】
ピンチインの幅が第4の閾値以上ではない(第4の閾値未満である)と判断した場合(ステップS604;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を循環小数形式に変更し(ステップS605)、小数形式からの変換処理を終了する。
【0064】
ピンチインの幅が第4の閾値以上であると判断した場合(ステップS604;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を分数形式に変更し(ステップS606)、小数形式からの変換処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS602において、対象の数に循環節がないと判断した場合(ステップS602;NO)、制御部11は、ピンチインの幅が第4の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS607)。
ピンチインの幅が第4の閾値以上ではないと判断した場合(ステップS607;NO)、制御部11は、小数形式からの変換処理を終了する。
【0066】
ピンチインの幅が第4の閾値以上であると判断した場合(ステップS607;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を分数形式に変更し(ステップS608)、小数形式からの変換処理を終了する。
【0067】
図10(a)は、数を分数形式で表示している状態で、その数に対してピンチアウトが行われた場合の、上記表示形式変更処理Aによる数の表示形式の変化の一例を示す図である。
図10(a)に示すように、分数形式で表示している状態で、ピンチアウト幅が第2の閾値に達するまで2本の指の間を広げると、数が循環小数形式に変更される。さらに、ピンチアウト幅が第1の閾値に達するまで2本の指の間を広げると、数が小数形式に変更される。
【0068】
図10(b)は、数を循環小数形式で表示している状態で、その数に対してピンチアウトが行われた場合の、上記表示形式変更処理Aによる数の表示形式の変化の一例を示す図である。
図10(b)に示すように、循環小数形式で表示している状態で、ピンチアウト幅が第5の閾値に達するまで2本の指の間を広げると、数が小数形式に変更される。
【0069】
このように、制御部11は、表示形式変更処理Aを実行することにより、表示部14に表示された数に対してピンチ操作が実施された場合、その操作幅の大きさと、操作方向に基づいて、表示された数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる。
したがって、ユーザは表示されている数の表示形式を直感的な操作で容易に変更することができる。
【0070】
なお、分数形式からの変換処理において、ピンチアウトの幅に第2の閾値を設けず、実施されたピンチアウトの幅が第1の閾値未満である場合に、対象の数の表示形式を循環小数形式(循環節がない場合は小数形式)に変更し、第1の閾値以上である場合に、対象の数の表示形式を小数形式に変更することとしてもよい。
また、循環小数形式からの変換処理において、ピンチアウトの幅に第5の閾値を設けず、ピンチアウトが行われた場合に、制御部11は、対象の数の表示形式を小数形式に変更することとしてもよい。また、ピンチインの幅に第3の閾値を設けず、ピンチインが行われた場合に、制御部11は、対象の数の表示形式を分数形式に変更することとしてもよい。
また、小数形式からの変換処理において、ピンインの幅に第6の閾値を設けず、ピンチインが行われた場合に、制御部11は、ピンチインの幅が第4の閾値未満である場合に、対象の数の表示形式を循環小数形式(循環節がない場合は分数形式)に変更し、第4の閾値以上である場合に、対象の数の表示形式を分数形式に変更することとしてもよい。
【0071】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、ピンチ操作を用いて、表示部14に表示された数の表示形式を分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変更する例について説明したが、第2の実施形態では、表示部14に表示された数の進数表示の表示形式を変更する例について説明する。本実施形態では、2進数、8進数、10進数、16進数の間で表示形式を変更する例について説明する。
【0072】
第2の実施形態において、記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121には、上記表示形式変更処理Aを実行するためのプログラムに代えて、又は、表示形式変更処理Aを実行するためのプログラムに加えて、後述する表示形式変更処理Bを実行するためのプログラムが記憶されている。その他の第2の実施形態における電子機器の構成は、第1の実施形態で説明した電子機器100と同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態の動作について説明する。
【0073】
電子機器100において、操作部13により関数電卓アプリ121の起動操作が検出されると、制御部11は、関数電卓アプリ121を起動して、関数電卓アプリ121との協働により以下の処理を実行する。
【0074】
例えば、制御部11は、関数電卓アプリ121が起動されると、入力画面を表示部14に表示させる。タッチパネル131により、或る数の入力操作が検出されると、制御部11は、表示部14に入力された数を表示させる。タッチパネル131により、演算式の入力が検出され、実行が指示されると、制御部11は、入力に基づいて演算処理を行い、演算結果を表示部14に表示させる。
【0075】
ここで、本実施形態の電子機器100では、数を、2進数、8進数、10進数、または16進数で表示可能である。
【0076】
或る数を2進数、8進数、10進数、16進数で表示した場合、例外もあるが一般的には、
図11(a)、(b)に示すように、表示上の横幅は以下のような関係になる。
16進数表示の横幅≦10進数表示の横幅≦8進数表示の横幅≦2進数表示の横幅
【0077】
電子機器100では、上記の進数表示の間での文字列の横幅の長さの関係から、ユーザがジェスチャー操作で直感的に2進数、8進数、10進数、16進数のいずれかの表示形式で数の表示を変更できるようになっている。具体的には、ピンチ操作(ピンチイン、ピンチアウト)を用いて表示形式が変更できるようになっている。
【0078】
ここで、第1の実施形態で説明したように、ピンチインは、一般的には、表示の縮小に用いられている。ピンチアウトは、一般的には、表示の拡大に用いられている。
そこで、本実施形態において、制御部11は、ジェスチャー操作(ピンチ操作)の操作幅の大きさと、操作方向(ピンチイン、ピンチアウト)に基づいて、数の2進数、8進数、10進数、16進数の間の表示形式(進数表示)を変更する(変化させる)。
【0079】
例えば、
図12に示すように、対象となる数が16進数で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を広げる方向に動かすピンチアウト(pinch-out)を行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に16進数表示より表示上の横幅の広い10進数、8進数、又は2進数に変更する。例えば、ピンチアウトの幅が小(第1の進数変換用閾値未満である)の場合は10進数表示に、中(第1の進数変換用閾値≦ピンチアウトの幅<第2の進数変換用閾値)の場合は8進数表示に、大(第2の進数変換用閾値以上である)の場合は、2進数表示に変更する。
なお、第1の進数変換用閾値、第2の進数変換用閾値は予め定められた閾値であり、第1の進数変換用閾値<第2の進数変換用閾値である。
【0080】
対象となる数が10進数で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を広げる方向に動かすピンチアウトを行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に10進数表示より表示上の横幅の広い8進数又は2進数に変更する。例えば、ピンチアウトの幅が小(第1の進数変換用閾値未満である)の場合は8進数表示に、中(第1の進数変換用閾値≦ピンチアウトの幅<第2の進数変換用閾値)又は大(第2の進数変換用閾値以上である)の場合は、2進数表示に変更する。2本の指の間隔を狭める方向に動かすピンチインを行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に10進数表示より表示上の横幅の狭い16進数に変更する。
【0081】
対象となる数が8進数で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を広げる方向に動かすピンチアウトを行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に8進数表示より表示上の横幅の広い2進数に変更する。2本の指の間隔を狭める方向に動かすピンチインを行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に8進数表示より表示上の横幅の狭い10進数又は16進数に変更する。例えば、ピンチインの幅が小(第1の進数変換用閾値未満である)の場合は10進数表示に、中(第1の進数変換用閾値≦ピンチインの幅<第2の進数変換用閾値)又は大(第2の進数変換用閾値以上である)の場合は、16進数表示に変更する。
【0082】
対象となる数が2進数で表示されている場合、ユーザがタッチパネル131上で2本の指の間隔を狭める方向に動かすピンチインを行うと、制御部11は、対象となる数の表示を、一般的に2進数表示より表示上の横幅の狭い8進数、10進数、又は16進数に変更する。例えば、ピンチインの幅が小(第1の進数変換用閾値未満である)の場合は8進数表示に、中(第1の進数変換用閾値≦ピンチインの幅<第2の進数変換用閾値)の場合は10進数表示に、大(第2の進数変換用閾値以上である)の場合は、16進数表示に変更する。
【0083】
図13は、数が表示部14に表示されている間にタッチパネル131によりピンチ操作が検出された際に、制御部11により実行される表示形式変更処理Bの流れを示すフローチャートである。表示形式変更処理Bは、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0084】
まず、制御部11は、タッチパネル131によりピンチ操作の開始が検出された位置が、表示部14に表示されている数に対するジェスチャー操作開始の有効範囲内であるか否かを判断する(ステップS11)。
ここで、ジェスチャー操作開始の有効範囲については、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
【0085】
ピンチ操作の開始が検出された位置が、表示部14に表示されている数に対するジェスチャー操作開始の有効範囲内ではないと判断した場合(ステップS11;NO)、制御部11は、表示形式変更処理Bを終了する。
【0086】
ピンチ操作の開始が検出された位置が、表示部14に表示されている数に対するジェスチャー操作開始の有効範囲内であると判断した場合(ステップS11;YES)、制御部11は、対象の数の表示形式を判断する(ステップS12)。
【0087】
対象の数の表示形式が16進数であると判断した場合(ステップS12;16進数)、制御部11は、16進数からの変換処理を実行する(ステップS13)。
【0088】
図14は、
図13のステップS13において制御部11により実行される16進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。16進数からの変換処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0089】
まず、制御部11は、実施されたピンチ操作がピンチアウトであるか否かを判断する(ステップS131)。
制御部11は、タッチパネル131により検出された操作方向から、実施されたピンチ操作がピンチアウトであるか否かを判断する。
【0090】
実施されたピンチ操作がピンチアウトではないと判断した場合(ステップS131;NO)、制御部11は、16進数からの変換処理を終了する。
【0091】
実施されたピンチ操作がピンチアウトであると判断した場合(ステップS131;YES)、制御部11は、ピンチアウトの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であるか否かを判断する(ステップS132)。
ピンチアウトの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上ではないと判断した場合(ステップS132;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を10進数表示に変更し(ステップS133)、16進数からの変換処理を終了する。
【0092】
ステップS132において、ピンチアウトの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であると判断した場合(ステップS132;YES)、制御部11は、ピンチアウトの幅が予め定められた第2の進数変換用閾値以上であるか否かを判断する(ステップS134)。
ここで、第1の進数変換用閾値<第2の進数変換用閾値である。
【0093】
ピンチアウトの幅が予め定められた第2の進数変換用閾値以上ではないと判断した場合(ステップS134;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を8進数表示に変更し(ステップS135)、16進数からの変換処理を終了する。
ピンチアウトの幅が予め定められた第2の進数変換用閾値以上であると判断した場合(ステップS134;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を2進数表示に変更し(ステップS136)、16進数からの変換処理を終了する。
【0094】
一方、
図13のステップS12において、対象の数の表示形式が10進数であると判断した場合(ステップS12;10進数)、制御部11は、10進数からの変換処理を実行する(ステップ14)。
【0095】
図15は、
図13のステップS14において制御部11により実行される10進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。10進数からの変換処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0096】
まず、制御部11は、実施されたピンチ操作がピンチアウトであるか否かを判断する(ステップS141)。
【0097】
実施された操作がピンチアウトであると判断した場合(ステップS141;YES)、制御部11は、ピンチアウトの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であるか否かを判断する(ステップS142)。
ピンチアウトの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上ではないと判断した場合(ステップS142;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を8進数表示に変更し(ステップS143)、10進数からの変換処理を終了する。
【0098】
ステップS142において、ピンチアウトの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であると判断した場合(ステップS142;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を2進数表示に変更し(ステップS144)、10進数からの変換処理を終了する。
【0099】
ステップS141において、実施された操作がピンチアウトではないと判断した場合(ステップS141;NO)、制御部11は、実施された操作がピンチインであるか否かを判断する(ステップS145)。
実施された操作がピンチインであると判断した場合(ステップS145;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を16進数表示に変更し(ステップS146)、10進数からの変換処理を終了する。
実施された操作がピンチインではないと判断した場合(ステップS146;NO)、制御部11は、10進数からの変換処理を終了する。
【0100】
一方、
図13のステップS12において、対象の数の表示形式が8進数であると判断した場合(ステップS12;8進数)、制御部11は、8進数からの変換処理を実行する(ステップS15)。
【0101】
図16は、
図13のステップS15において制御部11により実行される8進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。8進数からの変換処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0102】
まず、制御部11は、実施されたピンチ操作がピンチアウトであるか否かを判断する(ステップS151)。
【0103】
実施された操作がピンチアウトであると判断した場合(ステップS151;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を2進数表示に変更し(ステップS152)、8進数からの変換処理を終了する。
【0104】
実施された操作がピンチアウトではないと判断した場合(ステップS151;NO)、制御部11は、実施された操作がピンチインであるか否かを判断する(ステップS153)。
実施された操作がピンチインであると判断した場合(ステップS153;YES)、制御部11は、ピンチインの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であるか否かを判断する(ステップS154)。
【0105】
ピンチインの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上ではないと判断した場合(ステップS154;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を10進数表示に変更し(ステップS155)、8進数からの変換処理を終了する。
ピンチインの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であると判断した場合(ステップS154;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を16進数表示に変更し(ステップS156)、8進数からの変換処理を終了する。
【0106】
実施された操作がピンチインではないと判断した場合(ステップS153;NO)、制御部11は、8進数からの変換処理を終了する。
【0107】
一方、
図13のステップS12において、対象の数の表示形式が2進数であると判断した場合(ステップS12;2進数)、制御部11は、2進数からの変換処理を実行する(ステップS16)。
【0108】
図17は、
図13のステップS16において制御部11により実行される2進数からの変換処理の流れを示すフローチャートである。2進数からの変換処理は、制御部11と記憶部12に記憶されている関数電卓アプリ121との協働により実行される。
【0109】
まず、制御部11は、実施されたピンチ操作がピンチインであるか否かを判断する(ステップS161)。
【0110】
実施された操作がピンチインであると判断した場合(ステップS161;YES)、制御部11は、ピンチインの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であるか否かを判断する(ステップS162)。
【0111】
ピンチインの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上ではないと判断した場合(ステップS162;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を8進数表示に変更し(ステップS163)、2進数からの変換処理を終了する。
【0112】
ピンチインの幅が予め定められた第1の進数変換用閾値以上であると判断した場合(ステップS162;YES)、制御部11は、ピンチインの幅が予め定められた第2の進数変換用閾値以上であるか否かを判断する(ステップS164)。
【0113】
ピンチインの幅が予め定められた第2の進数変換用閾値以上ではないと判断した場合(ステップS164;NO)、制御部11は、表示されている対象の数を10進数表示に変更し(ステップS165)、2進数からの変換処理を終了する。
【0114】
ピンチインの幅が予め定められた第2の進数変換用閾値以上であると判断した場合(ステップS164;YES)、制御部11は、表示されている対象の数を16進数表示に変更し(ステップS166)、2進数からの変換処理を終了する。
【0115】
実施された操作がピンチインではないと判断した場合(ステップS161;NO)、制御部11は、2進数からの変換処理を終了する。
【0116】
このように、制御部11は、表示形式変更処理Bを実行することにより、表示部14に表示された数に対してピンチ操作が実施された場合、その操作幅の大きさ及び操作方向に基づいて、対象の数の表示形式を、16進数、10進数、8進数、2進数の間で変更する。
したがって、ユーザは表示されている数の進数表示を直感的な操作で容易に変更することができる。
【0117】
なお、
図13に示す表示形式変更処理Bでは、制御部11は、表示部14に表示された数の進数表示(表示形式)をピンチ操作の操作方向及び操作幅の大きさに基づいて、第1進数(
図12及び
図13に示す例では、16進数表示)、第2進数(
図12及び
図13に示す例では、10進数表示)、第3進数(
図12及び
図13に示す例では、8進数表示)、第4進数(
図12及び
図13に示す例では、2進数表示)の4つの間で表示形式を変更する場合を例にとり説明したが、第1進数、第2進数、第3進数の3つの表示形式の間で表示形式を変更することとしてもよい。例えば、ピンチ操作の操作方向及び操作幅の大きさに基づいて、16進数、10進数、2進数の間で表示形式を変更することとしてもよい。なお、3つの表示形式の間で表示形式を変更する場合の第1進数、第2進数、第3進数は、16進数、10進数、2進数に限られず、16進数、10進数、8進数としてもよいし、16進数、8進数、2進数としてもよいし、10進数、8進数、2進数としてもよい。
【0118】
また、上記表示形式変更処理Bでは、第1進数と第2進数間、第2進数と第3進数間、第3進数と第4進数間の表示形式の変更には、操作幅の大きさに閾値を設けずに、ピンチ操作が行われれば変更を行っていたが、第1進数と第2進数間、第2進数と第3進数間、第3進数と第4進数間の変更を行う際の操作幅の大きさに所定の閾値(第3の進数変換用閾値)を設け、操作幅の大きさが所定の閾値以上である場合に、表示形式の変更を行うこととしてもよい。
【0119】
また、関数電卓アプリ121には、
図5に示す表示形式変更処理Aと
図13に示す表示形式変更処理Bの両方の処理プログラムを含んでいてもよい。分数形式、循環小数形式、小数形式の間で表示形式の変更を行う場合(表示形式変更処理Aを実行する場合)と、進数表示の変更を行う場合(表示形式変更処理Bを実行する場合)との切り替えは、例えば、上下のスワイプで切り替えてもよいし、対象の数が整数の場合に自動的に進数表示に切り替えることとしてもよい。また、設定により切り替えることとしてもよい。
【0120】
以上説明したように、電子機器100の制御部11は、数を表示部14に表示させ、表示部14に表示された数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる。
したがって、数の表示形式の分数形式、循環小数形式、小数形式の間の変更を直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0121】
例えば、制御部11は、数が表示部14に分数形式で表示されている場合で、かつ第1の閾値未満の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させ、数が表示部14に循環小数形式で表示されている場合で、かつピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる。
したがって、数の分数形式と循環小数形式の間の変更を、直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0122】
また、例えば、制御部11は、数が表示部14に分数形式で表示されている場合で、かつ第2の閾値以上および第1の閾値未満の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させ、数が表示部14に循環小数形式で表示されている場合で、かつ第3の閾値以上の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる。
したがって、数の分数形式と循環小数形式の間の変更を、直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0123】
また、例えば、制御部11は、数が表示部14に循環小数形式で表示されている場合で、かつピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、数が表示部14に小数形式で表示されている場合で、かつ第4の閾値未満の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させる。
したがって、数の循環小数形式と小数形式の間の変更を、直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0124】
また、例えば、制御部11は、数が表示部14に循環小数形式で表示されている場合で、かつ第5の閾値以上の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、数が表示部14に小数形式で表示されている場合で、かつ第6の閾値以上および第4の閾値未満の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させる。
したがって、数の循環小数形式と小数形式の間の変更を、直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0125】
また、例えば、制御部11は、数が表示部14に分数形式で表示されている場合で、かつ第1の閾値以上の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、数が表示部14に小数形式で表示されている場合で、かつ第4の閾値以上の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる。
したがって、数の分数形式と小数形式の間の変更を、直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0126】
また、例えば、制御部11は、ピンチアウトの操作幅の大きさに基づいて、表示する小数形式の小数の桁数を変化させる。
したがって、小数形式で表示する場合の桁数を直感的な操作で変更することができる。
【0127】
また、例えば、制御部11は、数を表示部14に表示させ、表示部14に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、少なくとも第1進数、第2進数、第3進数の間で変化させる。
したがって、数の表示形式の、少なくとも第1進数、第2進数、第3進数の間の変更を直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0128】
また、例えば、制御部11は、ジェスチャー操作が行われた場合に、ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、第1進数、第2進数、第3進数、および第4進数の間で変化させる。
したがって、数の表示形式の第1進数、第2進数、第3進数、第4進数の間の変更を直感的な操作で素早く行うことが可能となる。
【0129】
なお、上記第1及び第2の実施形態における記述内容は、本発明に係る表示形式変更方法、電子機器及びプログラムの好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記第1及び第2の実施形態においては、電子機器100が本発明の表示形式変更方法を実行するための関数電卓アプリ121を搭載し、電子機器100の制御部11と、電子機器100に搭載された関数電卓アプリ121との協働により、本発明の表示形式変更方法を実現することとして説明したが、これに限定されない。例えば、
図18に示すように、電子機器100がインターネット等の通信ネットワークNを介してWebサーバ200と接続されている構成としてもよい。そして、本発明の表示形式変更方法を含む、関数電卓アプリ121と同様の処理を実行するためのプログラムが、Webサーバ200が有するWebアプリケーション221に記述されており、制御部11は、電子機器100に搭載されたWebブラウザを介してWebサーバ200にアクセスして、Webブラウザ上でWebアプリケーション221を実行させることで、本発明の表示形式変更方法を実現させる構成としてもよい。
ここで、Webサーバ200は、
図19に示すように、CPU等により構成される制御部21と、Webアプリケーション221が記憶された記憶部22と、操作部23と、表示部24と、通信部25と、を備えて構成され、各部はバス26を介して接続されて構成されている。
【0130】
例えば、Webアプリケーション221には、電子機器100のWebブラウザ上で数が入力されるか演算結果が表示される等により数を表示した場合、表示した数を複数の表示形式(例えば、分数形式、循環小数形式、小数形式の3つの表示形式、及び/又は、2進数、8進数、10進数、16進数の4つの表示形式(又はいずれか3つの表示形式))に変換するようWebサーバ200に要求する動作が記述されている。制御部11は、Webブラウザとの協働により表示部14に数を表示した場合、表示した数を通信部15によりWebサーバ200に送信して複数の表示形式に変換するよう要求する。Webサーバ200の制御部21は、電子機器100から受信した数を上述の複数の表示形式に変換して電子機器100に送信する。電子機器100の制御部11は、受信した複数の表示形式をRAM等に記憶する。また、Webアプリケーション221には、ピンチ操作が検出された場合、Webブラウザで上述の表示形式変更処理A、表示形式変更処理B、又はその変形例と同様の処理を実行する動作が記述されている。タッチパネル131によりピンチ操作が検出されると、制御部11は、Webアプリケーション221に基づいて、Webブラウザとの協働により、上述の表示形式変更処理A、表示形式変更処理B、又はその変形例と同様の処理を実行し、ピンチ操作の操作方向や操作幅の大きさに基づいて、表示された数の表示形式を変更して表示する。
【0131】
また、上記実施形態では、ジェスチャー操作が表示部の画面上で指を動かす操作(例えば、ピンチ操作)であることとして説明したが、本発明でいうジェスチャー操作は、表示部の画面上でマウスやタッチペン等の指以外の操作体を動かす操作(例えば、ドラッグ)を含む。
例えば、上記実施形態では、ピンチ操作が検出された場合に、ピンチ操作の操作方向(ピンチインかピンチアウトか)及び操作幅に基づいて、対象の数の表示形式を変更することとして説明したが、マウスのドラッグ(又はスワイプ)が検出された場合、右方向へのドラッグ(又はスワイプ)か左方向へのドラッグ(又はスワイプ)か、及びその操作幅に基づいて、対象の数の表示形式を変更することとしてもよい。ここで、一般的に、グラフなどにおいて、右方向に行くほど(数が)大きくなり、左方向に行くほど(数が)小さくなることから、例えば、右方向のドラッグ(又はスワイプ)が検出された場合に、ピンチアウトが検出された場合と同様の処理を実行し、左方向のドラッグ(又はスワイプ)が検出された場合に、ピンチインが検出された場合と同様の処理を実行する。
【0132】
また、上記実施形態では、3つの表示形式の間又は4つの表示形式の間で表示形式を変更する場合について本発明を適用する例について説明したが、2つの表示形式の間で表示形式を変更する場合に本発明を適用してもよい。例えば、分数形式と小数形式との間で表示形式を変更する場合や、m進数とn進数(m、nは正の整数)との間で表示形式を変更する場合に本発明を適用してもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM等の半導体メモリーやハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他の非一時的な有形物であるコンピュータ読み取り可能な媒体として、SSDや、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0134】
その他、電子機器の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0135】
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載に基づいて定められる。更に、特許請求の範囲の記載から本発明の本質とは関係のない変更を加えた均等な範囲も本発明の技術的範囲に含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
コンピュータが、
数を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる、表示形式変更方法。
<請求項2>
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に分数形式で表示されている場合で、かつ第1の閾値未満の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる、請求項1に記載の表示形式変更方法。
<請求項3>
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に分数形式で表示されている場合で、かつ第2の閾値以上および第1の閾値未満の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつ第3の閾値以上の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる、請求項2に記載の表示形式変更方法。
<請求項4>
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に小数形式で表示されている場合で、かつ第4の閾値未満の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させる、請求項1に記載の表示形式変更方法。
<請求項5>
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に循環小数形式で表示されている場合で、かつ第5の閾値以上の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に小数形式で表示されている場合で、かつ第6の閾値以上および第4の閾値未満の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を循環小数形式に変化させる、請求項4に記載の表示形式変更方法。
<請求項6>
前記コンピュータは、
前記数が前記表示部に分数形式で表示されている場合で、かつ第1の閾値以上の操作幅のピンチアウト操作が行われた場合に、前記数の表示形式を小数形式に変化させ、
前記数が前記表示部に小数形式で表示されている場合で、かつ第4の閾値以上の操作幅のピンチイン操作が行われた場合に、前記数の表示形式を分数形式に変化させる、請求項1に記載の表示形式変更方法。
<請求項7>
前記コンピュータは、
前記ピンチアウト操作の操作幅の大きさに基づいて、表示する小数形式の小数の桁数を変化させる請求項4乃至6のいずれか一項に記載の表示形式変更方法。
<請求項8>
コンピュータが、
数を表示部に表示させ、
前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、少なくとも第1進数、第2進数、第3進数の間で変化させる、表示形式変更方法。
<請求項9>
前記コンピュータは、
前記ジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、第1進数、第2進数、第3進数、および第4進数の間で変化させる、請求項8に記載の表示形式変更方法。
<請求項10>
数を表示部に表示させ、前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる制御部、
を備える電子機器。
<請求項11>
コンピュータを、
数を表示部に表示させ、前記表示部に表示された前記数に対してユーザによる所定のジェスチャー操作が行われた場合に、前記ジェスチャー操作の操作幅の大きさと操作方向に基づいて、前記数の表示形式を、分数形式、循環小数形式、小数形式の間で変化させる制御部、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0136】
100 電子機器
11 制御部
12 記憶部
121 関数電卓アプリ
13 操作部
131 タッチパネル
14 表示部
15 通信部
16 バス