IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローディア オペレーションズの特許一覧

特開2024-63045長期間持続する殺菌のための組成物及び方法
<>
  • 特開-長期間持続する殺菌のための組成物及び方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063045
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】長期間持続する殺菌のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 33/12 20060101AFI20240501BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20240501BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20240501BHJP
   A01N 25/10 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A01N33/12 101
A01P1/00
A01P3/00
A01N25/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024022365
(22)【出願日】2024-02-16
(62)【分割の表示】P 2020555210の分割
【原出願日】2019-04-09
(31)【優先権主張番号】62/654,652
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508079739
【氏名又は名称】ローディア オペレーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】アミット セガル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ブロフィー
(72)【発明者】
【氏名】カメル ラムダニ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】表面に適用された際に、頑強な長期間持続する殺菌を実現する組成物を提供する。
【解決手段】a.少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;b.天然源から誘導されるカチオン性多糖類と;c.有機酸と;d.カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤とを含む硬質表面処理組成物とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;
b.天然源から誘導されるカチオン性多糖類と;
c.有機酸と;
d.カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤と
を含む硬質表面処理組成物。
【請求項2】
前記組成物から形成されるフィルムが、RSS-12hによる少なくとも3摩耗サイクルに関して、少なくとも95%の微生物を死滅させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抗菌成分が、モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記カチオン性多糖類が、カチオン性グアー、カチオン性セルロース、カチオン性デンプン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記カチオン性多糖類が、カチオン性グアーである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記カチオン性グアーが、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、カチオン性アミンオキシド、カチオン性ベタイン、プロピオネート、アンホアセテート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるカチオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記界面活性剤が、スルタイン、タウレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される両性界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
極性溶媒を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物から形成されるフィルムが、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験に従って、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
a.少なくとも1つの、800ppm~約40,000ppmの範囲の量の第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;
b.天然源から誘導される、約800ppm~約30,000ppmの範囲の量のカチオン性多糖類と;
c.約1,000ppm~約35,000ppmの範囲の量の有機酸と;
d.カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、約2,000ppm~約90,000ppmの範囲の量の界面活性剤と
を含む硬質表面処理濃縮組成物。
【請求項13】
残留抗菌作用を表面に提供する方法であって、請求項1に記載の組成物を前記表面に適用する工程を含む、方法。
【請求項14】
残留抗菌作用を有する基材であって、前記基材の少なくとも一部分が、請求項1に記載の組成物でコーティングされる基材を含む、基材。
【請求項15】
表面上又は表面での微生物コロニーの形成を実質的に減少又は制御するための、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項16】
前記組成物から形成されるフィルムが、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験の変更バージョンに従って、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記組成物から形成されるフィルムが、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験に従って、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる、請求項15に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年4月9日に出願された米国仮特許出願第62/654,652号の米国特許法第119条(e)下の優先権の利益を主張し、本出願の開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、潜在的に有害である微生物の多くが少なくとも所与の期間生存することができない殺菌性表面を提供することが望ましい。ほとんどの材料は、通常、微生物汚染を防止しない表面を有する。表面の微生物耐性を改善するための1つの有用な方法は、殺菌効果を提供し、また、次の適用まで将来の増殖を防止する配合物で表面を処理することである。
【0003】
表面を処理する1つの一般的な方法は、液体配合物の層をその表面に適用し、次いで層を乾かすか、又は層を乾燥させることである。このような液体配合物は透明であり、保存中も安定性を維持することが望ましい。このような液体配合物が、硬質で平らな表面に適用された場合に均一に広がることも望ましい。そのようなフィルムは、乾燥したときに、以下の望ましい特性:透明度、非粘着性;繰り返しの接触又は拭き取りに対する耐久性;蓄積が長期間ないこと;及び表面に適用した後、通常の使用下で長期間にわたって殺菌効果を維持する能力のうちの1つ以上を有することが望ましい。
【0004】
殺菌剤として、又は殺菌活性を有するクリーナーとして市販されている抗菌性組成物は、典型的には、微生物の死滅を99.9%以上で達成する。しかし、表面の再汚れ付着又は汚染には、このような組成物による更なる処理が必要である。したがって、適用の繰り返しを必要とせずに高い微生物の死滅を提供する抗菌性配合物に対する必要性が存在する。しかし、上記の要件を満たす組成物の設計は、成分間の予測不可能で複雑な相互作用を考慮すると困難な作業である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】実施例で行われたRSS-12h分析を示すフローチャートである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は:少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;天然源から誘導されるカチオン性多糖類と;有機酸と;カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせから選択される界面活性剤とを含む硬質表面処理組成物を提供する。残留抗菌作用を表面に提供する方法であって、本開示の組成物を表面に適用する工程を含む、方法もまた提示される。本開示はまた、残留抗菌作用を有する基材であって、基材の少なくとも一部分が、本開示の組成物でコーティングされる基材を含む、基材を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
本開示は、処理された表面に長期間持続する殺菌を提供し、天然源から誘導されるカチオン性多糖類を含む組成物に関する。本組成物は、繰り返し処理を必要とすることなく、12~24時間で少なくとも95%以上の微生物(例えば、細菌、ウィルス、又は真菌)の死滅(例えば、99.9%死滅)を達成する。本開示の組成物の有効性を評価するための好適な技術は、米国及び欧州の標準的方法を含む。
【0008】
米国環境保護庁(EPA)による24時間の長期消毒要求を立証するために、残留自己消毒(RSS)法、EPAプロトコル#01-1A(https://www.epa.gov/sites/production/files/2015-09/documents/cloroxpcol_final.pdf)で、組成物を評価する。長期間の殺菌を検証するために、既存の全ての試験プロトコルは、再適用前に予想される接触及び拭き取りにより、典型的には、24時間の再汚染及び摩耗の最大量をエミュレートする。本明細書では、表面へのおよそ半分のレベルの摩耗及び再汚れ付着の課題を伴う中間プロトコルが、「RSS-12h」試験プロトコルとして提示される。
【0009】
残留抗菌活性を測定及び評価できる標準的な欧州試験方法についての必要性に対処するために、英国規格協会は最近:「硬質非多孔性表面上の液体化学殺菌剤の残留抗菌(殺細菌性及び/又は殺酵母性)効力を評価するための定量的表面試験-試験方法」と題したBSI-PAS-2424を発行した。抗菌効果の試験を含むほとんどの方法は、生成物を表面に適用し、微生物にチャレンジする前に一定期間放置することを含む。このような方法の制限は、適用後も表面が乱されないままであることである。実際、ランカスター大学は次のように報告している:消費者調査に基づく「家庭での清掃行動」は、家庭又は職場の環境で、生成物が表面に適用されると、表面が継続的に接触及び拭き取りなどの摩耗にさらされることを示した。これにより、典型的には、24時間ごとに、生成物を再適用する前に表面の再汚染がもたらされる。試験方法BSI PAS 2424は、生成物が使用されるように設計されている実際の条件を反映するように設計された。
【0010】
EPA-RSS、RSS-12h、及びBSI-PAS 2424法は全て、湿潤及び乾燥摩耗サイクルを試験プロトコルに組み込むことにより、長期間持続する殺菌剤の効果をエミュレートしようとする。試験方法間の明白な類似性に加えて、RSS法とPAS2424法との間にはいくつかの重要な違いがある。
1.微生物:2つの方法で試験される微生物の数及びタイプは異なり、以下に記載される。PAS-2424には4つの細菌及び1つの酵母菌株が含まれているが、EPA-RSSリストははるかに短かい(例:グラム陽性菌及びグラム陰性菌)。
2.摩耗試験に使用される重量は、アプリケーションジオメトリ以外に、2つの方法で大きく異なる。量り皿を含むEPA-RSS試験法で適用される垂直力は1084g±0.2gで、BSI PAS 2424法で適用される垂直力210g±2gの5倍である。
3.摩耗サイクル:RSS-12h試験プロトコルのように、BSI-PAS 2424の3つの摩耗サイクルと比較して、EPA-RSS法は6つの摩耗サイクルを使用する。
【0011】
一実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、残留自己消毒(RSS)活性試験(EPAプロトコル#01-1A)に従って、少なくとも99.9%(例えば、log3減少)の微生物を死滅させる。一実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、残留自己消毒(RSS)活性試験(EPAプロトコル#01-1A)に従って、少なくとも99.9%(例えば、log3減少)のグラム陽性菌及びグラム陰性菌を死滅させる。
【0012】
長期間持続する殺菌の要求は、RSS試験によって実証され、これは、適用された組成物を再汚染(微生物による再接種)及び摩耗(摩耗サイクル)にさらすことにより、適用された組成物にチャレンジする。再接種及び摩耗サイクルの数がおよそ半分の中間試験プロトコル(「RSS-12h」)を使用して、試験生成物を再適用する前に最大12時間耐久性のある殺菌を予測する。図1に概説されるように、この手順では、最初の1週間(EPAプロトコル#01-1Aを参照)にわたる試験細菌(微生物)培養の準備を必要とする。
【0013】
試験では、表面に細菌を接種し、続いて生成物を基材に適用してそれを乾燥させる。基材は、ガラス、ポリカーボネート、又はスチールであってもよい。次いで、この基材を摩耗にさらす-3回の「摩耗サイクル」の再接種レジーム。摩耗は1084gwt、下地に薄いポリウレタン発泡体層を有する布地で覆われた長方形のスチールブロックで行われる。各摩耗サイクルは「乾燥」摩耗と「湿潤」摩耗で構成され、後者は布製カバーがPreval(登録商標)スプレーを使用してミストの水で濡れている。各摩耗(乾燥/湿潤)は、試験基材全体でのブロックの前後の動きによって特徴付けられる。各摩耗サイクルに続いて、細菌培養物を表面に再接種する。RSS-12hには、6磨耗サイクル/6接種試験レジメンの概要を示す完全なRSS試験と比較して、3磨耗サイクル/3接種試験が含まれる。試験方法のその他全ての詳細は、EPAプロトコル#01-1Aで概説されているとおりである。
【0014】
試験基質を一晩乾燥させ、その後、最終的に再び5分間接種(消毒剤試験)し、続いて基質全体を中和する。次いで、生存する細菌を表面から収穫し、寒天プレート上で段階希釈して培養し、24~48時間にわたってコロニーを形成させる。次いで、生存する細菌を、コロニーの数としてカウントする。接種された細菌数と生存する細菌数の違いにより、対数目盛で死滅率(例えば、99.9%死滅)又はlog減少(例えば、3log減少)の有効性評価がもたらされる。本試験における細菌を、その他の微生物、例えば真菌又はウィルスと置き換えてもよい。一実施形態では、微生物は、グラム陽性菌(例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus))、グラム陰性菌(例えば、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes))、真菌、エンベロープウィルス、ノンエンベロープウィルス、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0015】
本開示の組成物は、液体配合物である。本開示の組成物を使用する1つの好ましい方法は、組成物の層を基材に適用し、組成物を乾かすか、又は組成物を乾燥させることが考えられる。組成物の層を基材に適用し、次いでそれを乾かすか、又はそれを乾燥させる動作は、本明細書では、基材を「処理する」と呼ばれる。溶媒が蒸発すると、組成物は基材上に膜を形成すると考えられる。組成物の乾燥した層は、本明細書では、「フィルム」として知られている。
【0016】
一実施形態では、組成物は:少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;天然源から誘導されるカチオン性多糖類と;有機酸と;カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせから選択される界面活性剤とを含む。
【0017】
一実施形態では、組成物のpHは、約2~約12の範囲である。別の実施形態では、組成物のpHは、3~10の範囲である。別の実施形態では、組成物のpHは、3~5の範囲である。更に別の実施形態では、組成物のpHは、4~9の範囲である。
【0018】
本開示の抗菌性組成物は、少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を含む。一実施形態では、第4級アンモニウム化合物は、抗菌性「quat」である。用語「第4級アンモニウム化合物」又は「quat」は、一般に、次の式:
【化1】
[式中、R1~R4は、同様又は相違、置換又は非置換、飽和又は不飽和、分枝又は非分枝、及び環状又は非環式であってもよく、エーテル、エステル、又はアミド結合を含有してもよいアルキル基である;それらは芳香族又は置換芳香族基であり得る]
を有する任意の組成物を指す。一実施形態では、基R1、R2、R3、及びR4は、各々、C20未満の鎖長を有する。Xは、アニオン性対イオンである。用語「アニオン性対イオン」は、第4級アンモニウムを有する塩を形成し得る任意のイオンを含む。好適な対イオンの例としては、塩化物、臭化物、フッ化物、及びヨウ化物などのハロゲン化物、スルホネート、プロピオネート、メトサルフェート、サッカリネート、エトサルフェート、ヒドロキシド、アセテート、ホスフェート、カーボネート、バイカーボネート、及びニトレートが挙げられる。一実施形態では、アニオン性対イオンは、塩素である。
【0019】
いくつかの実施形態では、20未満又はC2~C20の炭素鎖を有する第4級アンモニウムが、本開示の組成物に含まれる。他の実施形態では、C6~C18、C12~C18、C12~C16、及びC6~C10の炭素鎖を有する第4級アンモニウムが、本開示の組成物に含まれる。本開示で有用な第4級アンモニウム化合物の例としては、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。単一の第4級アンモニウム又は2つ以上の第4級アンモニウムの組み合わせが、本開示の組成物中に含まれてもよい。本開示において有用な第4級アンモニウム化合物の更なる例としては、ベンゼトニウムクロリド、エチルベンジルアルコニウムクロリド、エチルベンゼトニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルベンゼトニウムクロリド、セタルコニウムクロリド、セトリモニウムクロリド(CTAB)、カルニチン、ドファニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド(TEAB)、ドミフェンブロミド、ベンゾドデシニウムブロミド、ベンゾキソニウムクロリド、コリン、デナトニウム、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0020】
いくつかの実施形態では、R基の性質、アニオン、及び存在する第4級窒素原子の数に応じて、抗菌性第4級アンモニウム化合物は、以下のカテゴリの1つに分類され得る:モノアルキルトリメチルアンモニウム塩;モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;ジアルキルジメチルアンモニウム塩;ヘテロ芳香族アンモニウム塩;ポリ置換第4級アンモニウム塩;ビス第4級アンモニウム塩;及びポリマー第4級アンモニウム塩。各カテゴリを、本明細書で議論する。
【0021】
モノアルキルトリメチルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である1つのR基、及び短鎖アルキル基、例えばメチル又はエチル基などである残りのR基を含有する。モノアルキルトリメチルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Rhodaquat(登録商標)M242C/29及びDehyquart(登録商標)Aの商品名で市販されているセチルトリメチルアンモニウムブロミド;Arquad(登録商標)16として市販されているアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;アルキルアリールトリメチルアンモニウムクロリド;並びにAmmonyx(登録商標)DMEとして市販されているセチルジメチルエチルアンモニウムブロミドが挙げられる。
【0022】
モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である1つのR基、ベンジルラジカルである第2のR基、及び短鎖アルキル基、例えばメチル又はエチル基などである残りの2つのR基を含有する。モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Lonza Inc.からBarquat(登録商標)として市販されているアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;及びLonza Inc.からLonzagard(登録商標)として市販されているベンゼトニウムクロリドが挙げられる。更に、モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩は置換されていてもよい。このような塩の非限定的な例としては、ドデシルジメチル-3,4-ジクロロベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。最後に、Stepan CompanyからBTC(登録商標)2125Mとして市販されており、Lonza Inc.からBarquat(登録商標)4250として市販されているアルキルジメチルベンジル及びアルキルジメチル置換ベンジル(エチルベンジル)アンモニウムクロリドの混合物がある。その他の例としては、N,N-ベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロリド、Ν,Ν-ベンジルジメチルデシルアンモニウムクロリド、N-ドデシル-N-ベンジル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N-テトラデシル-N-ベンジル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-N-ベンジルアンモニウムクロリド、N,N-ジメチルN-ベンジルN-オクタデシルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0023】
ジアルキルジメチルアンモニウム塩は、長鎖アルキル基である2つのR基、及び短鎖アルキル基、例えばメチル基などである残りのR基を含有する。ジアルキルジメチルアンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Lonza Inc.からBardac(登録商標)22として市販されているジデシルジメチルアンモニウムハライド;Lonza Inc.からBardac(登録商標)2250として市販されているジデシルジメチルアンモニウムクロリド;Lonza Inc.からBardac(登録商標)LF及びBardac(登録商標)LF-80として市販されているジオクチルジメチルアンモニウムクロリド;並びにLonza Inc.からBardac(登録商標)2050及び2080として市販されているジデシル及びジオクチルジメチルアンモニウムクロリドとの混合物として販売されているオクチルデシルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0024】
ヘテロ芳香族アンモニウム塩は、長鎖アルキル基である1つのR基、及びいくつかの芳香族系により提供される残りのR基を含有する。したがって、R基が結合している第4級窒素は、ピリジン、キノリン、又はイソキノリンなどの芳香族系の一部である。ヘテロ芳香族アンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、Zeeland Chemical Inc.からSumquat(登録商標)6060/CPCとして市販されているセチルピリジニウムハライド;The Dow Chemical CompanyからDowicil(登録商標)200として市販されている1-[3-クロロアルキル]-3,5,7-トリアザ-1-アゾニアアダマンタン;及びアルキル-イソキノリニウムブロミドが挙げられる。
【0025】
ポリ置換第4級アンモニウム塩は、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、又はヘテロ芳香族アンモニウム塩であって、その分子のアニオン部分は、大きな高分子量(MW)の有機イオンである。ポリ置換第4級アンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、アルキルジメチルベンジルアンモニウムサッカリネート、及びジメチルエチルベンジルアンモニウムシクロヘキシルスルファメートが挙げられる。
【0026】
ビス第4級アンモニウム塩は、一般式:
【化2】
[式中、R基は、長鎖若しくは短鎖アルキル、ベンジルラジカルであってもよいか、又は芳香族系により提供され得る。Zは、各第4窒素に結合した炭素-水素鎖である]
を有する2つの対称第4級アンモニウム部分を含有する。ビス第4級アンモニウム塩のいくつかの非限定的な例としては、1,10-ビス(2-メチル-4-アミノキノリニウムクロリド)-デカン;及び1,6-ビス[1-メチル-3-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-プロピルジメチルアンモニウムクロリド]ヘキサン、又はトリクロビソニウムクロリドが挙げられる。
【0027】
一実施形態では、第4級アンモニウム化合物は、8個の炭素~約20個の炭素、8個の炭素~約18個の炭素、約10個~約18個の炭素、及び約12個~約16個の炭素などの中鎖~長鎖アルキルR基であり、可溶性で優れた抗菌剤を提供する。
【0028】
一実施形態では、第4級アンモニウム化合物は、2個の炭素~約12個の炭素、3個の炭素~約12個の炭素、又は6個の炭素~約12個の炭素などのR基を有する短いジアルキル鎖第4級アンモニウム化合物である。
【0029】
組成物は、1つ以上の第4級アンモニウム化合物を約100~約20,000ppm含んでもよい。様々な実施形態において、組成物は、1つ以上の第4級アンモニウム化合物を約500~約20,000ppm;約500~約10,000ppm;又は約500~約5000ppm含む。
【0030】
本開示で使用するためのカチオン性多糖類は、カチオン性基を含む多糖類主鎖を有するポリマーから選択され、天然源から誘導される。一実施形態では、天然源から誘導されるカチオン性多糖類は:カチオン性グアー、カチオン性セルロース、及びカチオン性デンプンから選択される。「カチオン性」は、pH又は非恒久的に帯電したものは何でも、恒久的正電荷を意味し、例えば所与のpHよりも下でカチオン性である、及びそのpHよりも上で両性又は中性であることができる誘導体である。カチオン性多糖類は、天然多糖類を化学変性することによって得ることができる。この化学変性はまた、「誘導体化」としても知られており、多糖主鎖に側鎖を導入することを可能にする。一実施形態では、本開示によるカチオン性多糖類が有するカチオン性基は、第4級アンモニウム基である。
【0031】
グアーは、糖のガラクトース及びマンノースで構成される多糖類である。その主鎖は、β1,4-結合したマンノース残基の直鎖であり、それにガラクトース残基があらゆる第2のマンノースにおいて1,6-結合して、短い分枝を形成している。
【0032】
本開示の文脈中で、カチオン性グアーは、グアーのカチオン性誘導体である。
【0033】
カチオン性グアーなどの、カチオン性多糖類の場合には、カチオン性基は、3つのラジカルを有する第4級アンモニウム基であってもよく、3つのラジカルは、同一であっても異なってもよく、水素、好ましくは1~22個の炭素原子、より詳細には1~14個、有利には1~3個の炭素原子を含有するアルキル、ヒドロキシアルキル、エポキシアルキル、アルケニル、又はアリールから好ましくは選ばれてもよい。対イオンは一般にハロゲンである。ハロゲンの一例は塩素である。
【0034】
第4級アンモニウム塩の例としては:3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(CHPTMAC)、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(EPTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DMDAAC)、ビニルベンゼントリメチルアンモニウムクロリド、トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、及びテトラアルキルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0035】
カチオン性多糖類におけるカチオン性官能基の一例は、対イオンありの、トリメチルアミノ(2-ヒドロキシル)プロピルである。様々な対イオンを利用することができ、それには、塩化物、フッ化物、臭化物、及びヨウ化物などのハロゲン化物、サルフェート、メチルサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0036】
一実施形態では、本開示のカチオン性グアーは:カチオン性ヒドロキシアルキルグアー、例えばカチオン性ヒドロキシエチルグアー(HEグアー)、カチオン性ヒドロキシプロピルグアー(HPグアー)、カチオン性ヒドロキシブチルグアー(HBグアー);並びにカチオン性カルボキシメチルグアー(CMグアー)、カチオン性カルボキシルプロピルグアー(CPグアー)、カチオン性カルボキシブチルグアー(CBグアー)、及びカルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー(CMHPグアー)を含むカチオン性カルボキシルアルキルグアーから選択される。
【0037】
一実施形態では、本開示のカチオン性グアーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド又はヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。
【0038】
一実施形態では、カチオン性多糖類は、カチオン性グアー及び1つ以上のフィルム形成水溶性ポリマーのブレンドである。一実施形態では、フィルム形成ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVPを含むコポリマー、キトサン、イオン性ポリマー(例えば、カルボン酸基又はスルホン酸基を含むアニオン性ポリマー及びそれらの塩であって、プロトンがリチウム、ナトリウム、カリウムなどで置換されている)、ポリアクリルアミドから選択される。
【0039】
別の実施形態では、カチオン性多糖類は、解重合したグアーである。この実施形態では、カチオン性グアーは、グアーポリマーを所望のサイズに「分割」するために、高分子量を有するカチオン的に変性されたグアーを解重合することによって調製することができる。本開示のカチオン性グアーはまた、ポリマーにカチオン性官能基を提供するために、天然グアーの解重合、それに続くカチオン化反応により、調製してもよいと理解されている。ペルオキソ化合物(例えば、過酸化水素)及び照射の使用による処理など、様々な解重合法が当該技術分野において周知であり、使用することができる。このような方法の例は、米国特許第4,547,571号明細書、同第6,383,344号明細書、及び同第7,259,192号明細書に開示されている。グアーのカチオン化は、当該技術分野において一般的な方法を使用して当業者によって容易に製造することができる。或いは、低分子量グアーは、収穫されたグアー豆が低分子量の天然グアーガムを含有するように、まだ発達初期段階にあるグアー豆を収穫することによって得ることができる。次いで、グアーガムは、カチオン化を受け、カチオン性官能基を提供し得る。
【0040】
中でも挙げることができるカチオン性グアー誘導体は、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI名)、例えばSolvayにより販売されているJaguar(登録商標)C13S、C14S、若しくはC17、Jaguar(登録商標)Excel及びJaguar(登録商標)C 2000、又はヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI名)、例えばSolvayにより販売されているJaguar(登録商標)C162である。
【0041】
一実施形態では、カチオン性多糖類は、カチオン性セルロースである。一実施形態では、カチオン性セルロースは、セルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース)である。セルロースエーテルの例は、米国特許第6,833,347号明細書で提供される。
【0042】
本開示の組成物で使用され得るカチオン性セルロースは、第4級アンモニウムカチオン性基により変性されるセルロースである。一実施形態では、第4級アンモニウム基は、同一又は異なる3つのラジカルを有し、水素、1~10個の炭素原子(例えば、1~6個の炭素原子;1~3個の炭素原子)のアルキルラジカル、アリールから選択され、これら3つのラジカルは同一又は異なる。一実施形態では、第4級アンモニウム基は、トリアルキルアンモニウム基(例えば、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、アリールジアルキルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム)、及び各々が対イオンと組み合わされた窒素原子が環状構造のメンバーであるアンモニウムラジカル(例えば、ピリジニウム及びイミダゾリン)から選択される。一実施形態では、第4級アンモニウム基の対イオンは、ハロゲン(例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、又はヨウ化物イオン)である。
【0043】
カチオン性デンプン上のカチオン性置換基は、カチオン性グアー及びカチオン性セルロースについて上述したものと同じである。
【0044】
一実施形態では、カチオン性多糖類は、より低いpHでカチオン性である両性多糖類から誘導される。一実施形態では、好適な両性多糖類としては、カチオン性及びアニオン性置換基の両方を含有する多糖類誘導体が挙げられる。両性多糖類は、カチオン性基又は置換基を含有するように誘導体化されるか又は変性される。置換多糖類は、多糖類のヒドロキシル官能基の誘導体化により形成される。カチオン性基は、アミノ、アンモニウム、イミノ、スルホニウム、又はホスホニウム基であってもよい。このようなカチオン性誘導体としては、第1級、第2級、第3級、及び第4級アミンを含む窒素含有基、並びにエーテル又はエステル結合のいずれかを介して結合したスルホニウム及びホスホニウム基を含有するものが挙げられる。一実施形態では、カチオン性誘導体は、第3級アミノ基及び第4級アンモニウムエーテル基を含む。
【0045】
カチオン性多糖類の置換度(DS)は、糖単位あたりの置換されたヒドロキシル基の平均数である。DSは、とりわけ滴定によって求めることができる。
【0046】
本開示の一態様によれば、カチオン性多糖類のDSは、0.1~1、好ましくは0.13~1、より好ましくは0.15~1、更により好ましくは0.16~0.3の範囲である。
【0047】
カチオン性多糖類の電荷密度(CD)は、ポリマーがそれから成り立っているモノマー単位上の正電荷の数と上記モノマー単位の分子量の比を指す。
【0048】
本開示の一態様によれば、カチオン性多糖類の電荷密度は、0.5~3(meq/gm)、好ましくは0.8~2(meq/gm)、より好ましくは0.8~1.6(meq/gm)、特に0.9~1.4(meq/gm)の範囲である。
【0049】
カチオン性多糖類は、約100,000ダルトン~3,500,000ダルトン、好ましくは約500,000ダルトン~3,500,000ダルトン、より好ましくは1,500,000ダルトン~3,500,000ダルトンの平均分子量(Mw)を有してもよい。
【0050】
一実施形態では、組成物中のカチオン性多糖類の量は、約200ppm~約5,000ppmの範囲である。
【0051】
本開示の組成物は、1つ以上の有機酸を更に含む。一実施形態では、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、シュウ酸、グルタル酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、フマル酸、酢酸、安息香酸、プロピオン酸、ソルビン酸、酒石酸、ギ酸、及び1つ以上のこのような有機酸の混合物から選択される。別の実施形態では、対イオン酸は、ポリマー酸、例えば、ポリ(アクリル酸)又はその他のポリカルボン酸(例えば、無水マレイン酸、メタクリル酸など)又はこれらのホモポリマー若しくはコポリマー(例えば、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートなど)など、例えばSolvayから入手可能なRhodoline(登録商標)シリーズのものなどであってもよい。組成物は、500~7,000ppmの1つ以上の有機酸を含んでもよい。
【0052】
本開示の組成物において、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン性界面活性剤から選択される。
【0053】
カチオン性界面活性剤は、水に溶解して実効カチオン電荷(net cationic charge)をもたらす界面活性剤である。一実施形態では、存在する場合、カチオン性界面活性剤は、カチオン性アミンオキシド、カチオン性ベタイン、プロピオネート、アンホアセテート、及びこれらの組み合わせから選択される。アミンオキシド、プロピオネート、アンホアセテート、及びベタインは、本開示の酸性pH条件においてカチオン性である。一実施形態では、プロピオネートは、カチオン性C8~C22プロピオネート、及びこれらの塩から選択される。別の実施形態では、カチオン性C8~C22プロピオネートは、アルキルアンホ(ジ)プロピオネート、アルキルアミノプロピオネート、アルキルアンホプロピオネート、これらの塩、及びこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、カチオン性アンホアセテートは、次の式に従うアンホアセテート:
【化3】
及び次の式に従うジアンホアセテート:
【化4】
[式中、Rは8~18個の炭素原子の脂肪族基であり、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムなどのカチオンである]
から選択される。ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、及びココアンホ二酢酸二ナトリウムが、いくつかの実施形態では好ましい。
【0054】
一実施形態では、ベタインは、カチオン性C8~C22ベタイン及びこれらの塩から選択される。更なる実施形態では、カチオン性C8~C22ベタインは、アルキルジメチルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルアンホ(ジ)アセテート、これらの塩、及びこれらの組み合わせから選択される。本明細書において、カチオン性界面活性剤についての「これらの塩」を参照する場合、これらは、任意の好適な塩であり得る。一実施形態では、塩は、Na、K、又はNHなどの一価のカチオンに基づく塩である。一実施形態では、塩は、例えば、Na又はKなどのアルカリ金属に基づく塩である。代替的な塩、例えば、Ca及びMgなどのアルカリ土類金属塩の使用もまた検討される;しかし、このような塩を使用する場合は、生成物の溶解度に注意する必要があろう。
【0055】
両性界面活性剤は、塩基性及び酸性親水基と有機疎水基の両方を含有する。一実施形態では、存在する場合、両性界面活性剤は、スルタイン、タウレート、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0056】
ノニオン性界面活性剤の説明は、米国特許第4,287,080号明細書、及び同第4,470,923号明細書に記載されている。特に、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド(直鎖又は分枝鎖)、及び任意選択的にプロピレンオキシドの、アルコール、ポリオール、アルキルフェノール、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、及び脂肪アミンとの縮合物;アミンオキシド;アルキルポリグリコシド又は脂肪酸及び糖のエステル、特にスクロースモノパルミテートなどの糖誘導体;長鎖(8~28個の炭素原子)の第3級ホスフィンオキシド;ジアルキルスルホキシド;ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー;ソルビタンのポリアルコキシル化エステル;ソルビタンの脂肪エステル;ポリ(エチレンオキシド)及び疎水性を付与するように変性された脂肪酸アミド(例えば、10~18個の炭素原子を含む脂肪酸モノ及びジエタノールアミド)でできているものを特に言及してもよい。
【0057】
例として、典型的なノニオン性界面活性剤は:
-2~50のオキシアルキレン(オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン)単位、特に12個(平均)の炭素原子又は18個(平均)の炭素原子を有するものを含むポリオキシアルキレン化C~C18脂肪族カルボン酸、
-2~50個のオキシアルキレン(オキシエチレン及び/又はオキシプロピレン)単位、特に12個(平均)の炭素原子又は18個(平均)の炭素原子を有するものを含むポリオキシアルキレン化C~C24脂肪族アルコール;(SolvayからのAntarox(登録商標)B12DF、Antarox(登録商標)FM33、Antarox(登録商標)FM63及びAntarox(登録商標)V74、BASFからのPlurafac(登録商標)LF400及びPlurafac(登録商標)LF220、SolvayからのRhodasurf(登録商標)ID060、Rhodasurf(登録商標)ID070及びRhodasurf(登録商標)LA42、Rhodasurf(登録商標)LA9、Rhodasurf(登録商標)BC-630、並びにICIからのSynperonic(登録商標)A5、A7、及びA9でできているものを言及してもよい)、
-アミンオキシド、例えばドデシルジ(2-ヒドロキシエチル)アミンオキシドなど、
-ホスフィンオキシド、例えばテトラデシルジメチルホスフィンオキシドなどである。
【0058】
一実施形態では、ノニオン性界面活性剤は、13未満の親水性親油性比(HLB)値を有する。別の実施形態では、ノニオン性界面活性剤は、12未満のHLB値を有する。異なるHLB値を有するノニオン性界面活性剤が使用され得る。
【0059】
一実施形態では、組成物は、1つ以上のカチオン性、両性、及びノニオン性界面活性剤の組み合わせを含む。
【0060】
一実施形態では、本開示の組成物は、実質的にアニオン性界面活性剤を含まない。用語「実質的に含まない」に関して、記載されている組成物又は配合物又は成分が、3重量%未満、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.1重量%以下のアニオン性界面活性剤を含有することを意味する。
【0061】
本明細書で記載された成分に加えて、組成物はまた、極性担体溶媒(例えば、水)、着香剤、防腐剤、染料、腐食防止剤、ビルダー、クレンジング溶媒、及び抗菌性組成物において有用であることが知られている他の成分を含んでもよい。
【0062】
本開示に従う組成物は、殺菌剤洗浄組成物と他の成分の水の相対比率のみが異なる濃縮液の両方を含む。一実施形態では、濃縮配合物は、少なくとも1つの、約800ppm~約40,000ppm;又は約4,000ppm~約30,000ppm;又は約10,000ppm~約25,000ppmの範囲の量の第4級アンモニウム化合物;天然源から誘導される、約800ppm~約30,000ppm;又は約2,000ppm~約25,000ppm;又は約4,000ppm~約20,000ppmの範囲の量のカチオン性多糖類と;約1,000ppm~約35,000ppm;又は約5,000ppm~約25,000ppm;又は約15,000ppm~約25,000ppmの範囲の量の有機酸と;カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせから選択される、約2,000ppm~約90,000ppm;又は約10,000ppm~約75,000ppm;又は約20,000ppm~約70,000ppmの範囲の量の界面活性剤とを含む。
【0063】
濃縮液は、希釈なし(濃縮液:水 1:0)から、非常に薄い希釈(例えば、1:10,000)まで使用することができる。一実施形態では、希釈の範囲は、約1:1~約1:1,000である。別の実施形態では、希釈の範囲は、約1:1~約1:500である。更に別の実施形態では、希釈の範囲は、約1:10~約1:128である。
【0064】
残留抗菌作用を表面に提供する方法であって、本開示の組成物を表面に適用する工程を含む、方法もまた開示される。
【0065】
組成物は、手で行う方法と機械で行う方法及びこれらの組み合わせを含む任意の方法により表面へ適用され得る。例えば、組成物は、噴霧(ポンプ、エアロゾル、圧力など)、注入、展延、計測(例えば、竿又は棒で)、ぬぐい取り、拭き取り、ブラッシング、ディッピング、機械的用途、その他の適用方法、又はこれらの組み合わせによって適用され得る。
【0066】
一実施形態では、本開示の組成物は「噴霧及び拭き取り」用途での使用に好適である。そのような用途では、ユーザは一般に有効量の洗浄組成物をポンプを使用して適用し、その後数分以内に布、タオル、又はスポンジ、通常は使い捨てのペーパータオル又はスポンジで処理部位を拭き取る。
【0067】
本開示の組成物はまた、本明細書に記載されているものでも、濃縮物又は超濃縮物の形態であっても、湿潤ワイプを使用して、硬質表面に適用することができる。ワイプは、織られた性質又は不織の性質のものであり得る。布地基材は、研磨性又は非研磨性の洗浄パッドの形態で、不織又は織られたポーチ、スポンジを含めることができる。このような布地は、この分野では商業的に知られており、ワイプと呼ばれることが多い。このような基材は、樹脂結合、水流交絡、熱結合、メルトブローン、ニードルパンチ、又は前者の任意の組み合わせであり得る。
【0068】
不織布は、木材パルプ繊維と、よく知られた乾燥フォーム又はウェットレイ法によって形成された織物長の合成繊維の組み合わせであってもよい。レーヨン、ナイロン、オーロン、及びポリエステル、並びにそれらのブレンドなどの合成繊維を使用することができる。木材パルプ繊維は、不織布の約30~約60重量%、好ましくは約55~約60重量%を構成すべきであり、残りは合成繊維である。木材パルプ繊維は、吸収性、摩耗、及び汚れの貯留をもたらすが、合成繊維は、基材の強度及び弾力性をもたらす。
【0069】
本開示の組成物はワイプに吸収され、飽和ワイプを形成する。次いで、ワイプをポーチに個別に密封し、必要に応じて開けることができるか、又は必要に応じて、多数のワイプを容器に入れて使用することもできる。容器は、閉じたとき、組成物からの任意の成分の蒸発を防ぐために十分に密封されている。
【0070】
残留抗菌作用を有する基材であって、基材の少なくとも一部分が、本開示の組成物でコーティングされる基材を含む、基材もまた提供される。本開示の配合物は、任意の基材の適用によって使用することができる。いくつかの好適な基材としては、例えば、カウンタートップ、鏡、シンク、トイレ、電気のスイッチ、ドアノブ、壁、床、天井、パーテーション、手すり、コンピュータ画面、キーボード、機器などが挙げられる。好適な基材は、例えば、食品調製区域、家庭、工業環境、建築環境、医療環境、シンク、トイレなどを含む様々な環境で見られ得る。基材はどのような材料でできていてもよい;いくつかの好適な基材組成物としては、例えば、プラスチック(例えば、ラミネート及び壁装材を含む)、フォルマイカ、金属、ガラス、セラミックタイル、紙(例えば、壁紙など)、布地、完成又は未完成の木材などが挙げられる。
【0071】
表面上又は表面での微生物コロニーの形成を実質的に減少又は制御するための、本開示の組成物の使用もまた提供される。一実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、RSS-12hによる少なくとも3摩耗サイクルについて、少なくとも95%の微生物を死滅させる。別の実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験(例えば、24時間の要求について6摩耗サイクル)に従って、少なくとも95%の微生物を死滅させる。一実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、BSI-PAS 2424に従って、少なくとも95%の微生物を死滅させる。別の実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、RSS-12hによる少なくとも3摩耗サイクルについて、少なくとも99.9%の微生物を死滅させる。更に別の実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験(例えば、24時間の要求について6摩耗サイクル)に従って、少なくとも99.9%の微生物を死滅させる。別の実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、BSI-PAS 2424に従って、少なくとも99.9%の微生物を死滅させる。
【0072】
一実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、RSS-12hによる少なくとも3摩耗サイクルについて、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、真菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる。別の実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験(例えば、24時間の要求について6摩耗サイクル)に従って、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、真菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる。別の実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、RSS-12hによる少なくとも3摩耗サイクルについて、少なくとも99.9%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、真菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる。更に別の実施形態では、組成物から形成されるフィルムは、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験(例えば、24時間の要求について6摩耗サイクル)に従って、少なくとも99.9%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、真菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる。
【0073】
具体的な実施形態が議論されるが、本明細書は、単なる例示であり、限定的なものではない。本明細書を検討すると、本開示の多くの変形が、当業者には明らかであろう。
【0074】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される技術的な用語及び科学的な用語のすべては、本明細書が関係する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0075】
明細書及び請求項において使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、複数への言及を含む。
【0076】
本明細書で使用する場合、特に指示がない限り、用語「約」又は「およそ」は、当業者によって決定される特定の値についての許容可能なエラーを意味し、これは、値がどのように測定又は決定されるかに部分的に依存する。特定の実施形態では、用語「約」又は「およそ」は、1、2、3、又は4標準偏差内を意味する。特定の実施形態では、用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【0077】
また、本明細書に記載される任意の数値範囲は、そこに包含される全ての部分的な範囲を含むことを意図することが理解されよう。例えば、範囲「1~10」は、列挙された最小値である1と、列挙された最大値である10との間及びそれを含む全ての部分的な範囲を含むことを意図する;すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有する。開示されている数値範囲は連続しているため、最小値と最大値の間の全ての値が含まれる。特に明記しない限り、本出願で指定された様々な数値範囲は概算値である。
【実施例0078】
本開示は以下の実施例を参照することにより更に説明する。以下の実施例は単に例示であって、限定することを意図したものではない。
【0079】
実施例1.フィルムの残留殺菌活性の評価:BSI-PAS2424プロトコル。配合物A及びB(表1)から調製されたフィルムを、上記のようなBSI-PAS2424プロトコルを使用して評価した。
【0080】
【表1】
【0081】
実施例2.フィルムの広がりに対するノニオン性界面活性剤の効果を、ポリカーボネート表面で調べた。
【0082】
濡れの改善を有する組成物(配合物C)を、以下の表2で示す。
【0083】
【表2】
【0084】
配合A及び配合Cの100マイクロリットルのアリコートを、ポリカーボネート(1インチ×1インチ)基材上に均一にひろげ、10秒間隔で画像を作成した。液体の配合Aはすぐにディウェッティングを開始し、液体プールに引き込んだが、配合Cの液体フィルムは実質的に静止したままで、基材全体を覆い、コーナーからわずかにディウェッティングした。
配合A(5分でのウェッティング)<50%表面積。
配合C(5分でのウェッティング)>90%表面積。
【0085】
液体フィルムを乾燥させて、より広い被覆面積で表面に均一に広がった残留フィルムを形成し、その後、殺菌活性に関してより厳密なRSS-12h試験を用いた試験に使用した。
【0086】
実施例3.フィルムの残留殺菌活性の評価:EPAプロトコル。
【0087】
配合Cから調製したフィルムを、上記のようなRSS-12hプロトコル、変更バージョンの残留自己消毒(RSS)法、EPAプロトコル#01-1Aを用いて評価した。プロトコル#01-1Aは、長期的な消毒の要求(つまり、「後で死滅する」耐久性の要求)を測定するためにEPAによって承認された方法である。プロトコル#01-1Aは、その内容全体が参照により組み込まれ、無生物の硬質非多孔性表面上の乾燥した化学残留物(フィルム)の細菌:スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、及び/又はエンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)に対する残留自己消毒活性を測定する。特に、表面に接種し、試験生成物で処理し、乾燥させ、次いで湿潤状態と乾燥状態を交互に繰り返して摩耗し、これはいくつかの再接種が点在している(図1)。
【0088】
典型的には、より耐性のあるグラム陰性菌である、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)を使用してスチール基材(1インチ×1インチ)で、表3で示した試験を行った。これは、対照として界面活性剤トリトンX-100(1-3)を用いて、配合C(1-3)で3回行った。初期、中間(24時間)、及び最終の接種物の強さは、最終接種の終わりに生存している微生物個体群がプレート数、cfu/ml(コロニー形成単位/ミリリットル)として示される。全てのフィルムを150マイクロリットルの配合Cをピペット分注することにより調製し、空気乾燥させた。配合Cをスチール表面に適用すると、平均して細菌個体群の>3のlog減少、又は>99.9%の死滅率が得られる。典型的な表面消毒試験で概説され、上記のRSS-12hで概説されている合格閾値は、3log減少である。
【0089】
【表3】
【0090】
実施例4.低減した「Quat」含有量のRSS-12及び効果。
【0091】
殺菌剤配合Cは、処理量を減らしても、>3LRである点でかなり堅牢であるように見える。これを更に適合して、他の全ての成分を一定に保ちながら、殺生物剤「quat」の総濃度を減らした。合計「quat」は、典型的な「quats」のppmの合計であり、その量は、配合C中0.7%w/w(7000ppm)~200ppm、500pm、及び1000ppmに劇的に減少した。全てのフィルムを150マイクロリットルの配合物を(1×1)インチのスチール基材上にピペット分注することにより調製し、空気乾燥させた。これらの変性組成物を、表4に示すように、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)を使用してスチール基材上で試験し、必要に応じて、>3LRでRSS-12プロトコルに合格した。
【0092】
【表4】
【0093】
実施例5.RSS-24に関する試験
【0094】
次いで、24時間の要求について6交互摩耗サイクル(各々湿潤及び乾燥)で、(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験により、配合Cを評価した。この試験(RSS-24と表記)は、RSS-12よりもより強力で、2倍の数の湿潤及び乾燥の摩耗があり、また、RSS-12の3回ではなく、5回の再接種が必要である。%相対湿度(%RH)が(45~55)%の試験範囲内であるように注意する必要がある。エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)を使用して(1×1)スチール基材上で150マイクロリットルの配合Cを用いて評価した場合、試験で必要な>3LRが達成され(表5)、RSS-24についての合格を示した。
【0095】
【表5】
【0096】
開示された主題について、その特定の実施形態の詳細な説明に関して説明した。このような詳細が、添付の特許請求の範囲に含まれる範囲を除き、開示された主題の範囲に対する制限と見なされることを意図するものではない。
【0097】
したがって、本明細書で記載される例示的実施形態は、上記の目的及び利点、並びにそこに固有の目的及び利点を達成するために適切に調整されている。本明細書に記載される例示的な実施形態は、本明細書の教示の利益を有する当業者に明らかな、異なっている同等の方法で修飾及び実施され得るので、上記で開示された特定の実施形態は、単なる例示である。更に、以下の特許請求の範囲に記載されている場合を除き、本明細書に示されている構造又は設計の詳細に対する制限は意図されていない。したがって、上記で開示された特定の例示的な実施形態は、変更、組み合わせ、又は修飾されてもよく、全てのそのような変形は、本明細書で説明される例示的な実施形態の範囲及び精神の範囲内であると見なされることは明らかである。本明細書で例示的に開示された、本明細書で記載される例示的な実施形態は、本明細書で具体的に開示されない要素及び/又は本明細書で開示される任意選択的な要素の非存在下で実施され得る。様々な成分又は工程を「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、又は「含む(including)」という用語で、組成物及び方法を説明するが、組成物及び方法もまた、様々な成分、物質及び工程「から本質的になる」又は「からなる」ことができる。本明細書で使用する場合、用語「から本質的になる」は、列挙された成分、物質、又は工程、及び組成物又は方法の基本的且つ新規な特性に実質的に影響を与えないそのような更なる成分、物質、又は工程を含むことを意味すると解釈されるものとする。いくつかの実施形態では、列挙された成分又は物質「から本質的になる」本開示の実施形態による組成物は、組成物の基本的且つ新規な特性を変更する更なる成分又は物質を含まない。本明細書及び参照により本明細書に組み込まれ得る1つ以上の特許又はその他の文献における単語又は用語の使用法に矛盾がある場合、本明細書と一致する定義が採用されるべきである。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
したがって、本明細書で記載される例示的実施形態は、上記の目的及び利点、並びにそこに固有の目的及び利点を達成するために適切に調整されている。本明細書に記載される例示的な実施形態は、本明細書の教示の利益を有する当業者に明らかな、異なっている同等の方法で修飾及び実施され得るので、上記で開示された特定の実施形態は、単なる例示である。更に、以下の特許請求の範囲に記載されている場合を除き、本明細書に示されている構造又は設計の詳細に対する制限は意図されていない。したがって、上記で開示された特定の例示的な実施形態は、変更、組み合わせ、又は修飾されてもよく、全てのそのような変形は、本明細書で説明される例示的な実施形態の範囲及び精神の範囲内であると見なされることは明らかである。本明細書で例示的に開示された、本明細書で記載される例示的な実施形態は、本明細書で具体的に開示されない要素及び/又は本明細書で開示される任意選択的な要素の非存在下で実施され得る。様々な成分又は工程を「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、又は「含む(including)」という用語で、組成物及び方法を説明するが、組成物及び方法もまた、様々な成分、物質及び工程「から本質的になる」又は「からなる」ことができる。本明細書で使用する場合、用語「から本質的になる」は、列挙された成分、物質、又は工程、及び組成物又は方法の基本的且つ新規な特性に実質的に影響を与えないそのような更なる成分、物質、又は工程を含むことを意味すると解釈されるものとする。いくつかの実施形態では、列挙された成分又は物質「から本質的になる」本開示の実施形態による組成物は、組成物の基本的且つ新規な特性を変更する更なる成分又は物質を含まない。本明細書及び参照により本明細書に組み込まれ得る1つ以上の特許又はその他の文献における単語又は用語の使用法に矛盾がある場合、本明細書と一致する定義が採用されるべきである。
本発明は、次の実施態様を含む。
[1]a.少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;
b.天然源から誘導されるカチオン性多糖類と;
c.有機酸と;
d.カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤と
を含む硬質表面処理組成物。
[2]前記組成物から形成されるフィルムが、RSS-12hによる少なくとも3摩耗サイクルに関して、少なくとも95%の微生物を死滅させる、[1]に記載の組成物。
[3]前記抗菌成分が、モノアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載の組成物。
[4]前記カチオン性多糖類が、カチオン性グアー、カチオン性セルロース、カチオン性デンプン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載の組成物。
[5]前記カチオン性多糖類が、カチオン性グアーである、[4]に記載の組成物。
[6]前記カチオン性グアーが、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[5]に記載の組成物。
[7]前記有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、[1]に記載の組成物。
[8]前記界面活性剤が、カチオン性アミンオキシド、カチオン性ベタイン、プロピオネート、アンホアセテート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるカチオン性界面活性剤を含む、[1]に記載の組成物。
[9]前記界面活性剤が、スルタイン、タウレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される両性界面活性剤を含む、[1]に記載の組成物。
[10]極性溶媒を更に含む、[1]に記載の組成物。
[11]前記組成物から形成されるフィルムが、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験に従って、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる、[1]に記載の組成物。
[12]a.少なくとも1つの、800ppm~約40,000ppmの範囲の量の第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;
b.天然源から誘導される、約800ppm~約30,000ppmの範囲の量のカチオン性多糖類と;
c.約1,000ppm~約35,000ppmの範囲の量の有機酸と;
d.カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、約2,000ppm~約90,000ppmの範囲の量の界面活性剤と
を含む硬質表面処理濃縮組成物。
[13]残留抗菌作用を表面に提供する方法であって、[1]に記載の組成物を前記表面に適用する工程を含む、方法。
[14]残留抗菌作用を有する基材であって、前記基材の少なくとも一部分が、[1]に記載の組成物でコーティングされる基材を含む、基材。
[15]表面上又は表面での微生物コロニーの形成を実質的に減少又は制御するための、[1]に記載の組成物の使用。
[16]前記組成物から形成されるフィルムが、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験の変更バージョンに従って、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる、[15]に記載の使用。
[17]前記組成物から形成されるフィルムが、環境保護庁(EPA)プロトコル#01-1A残留自己消毒活性試験に従って、少なくとも95%のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、又はエンベロープウィルス及びノンエンベロープウィルスを死滅させる、[15]に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも1つの第4級アンモニウム化合物を含む抗菌成分と;
b.天然源から誘導されるカチオン性多糖類と;
c.有機酸と;
d.カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤と
を含む硬質表面処理組成物。
【外国語明細書】