(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006305
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20240110BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01R13/52 302E
H04M1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107067
(22)【出願日】2022-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 聡
【テーマコード(参考)】
5E087
5K023
【Fターム(参考)】
5E087LL02
5E087LL17
5E087LL29
5E087LL34
5E087QQ01
5E087RR12
5E087RR25
5K023AA07
5K023BB25
5K023DD06
5K023LL06
(57)【要約】
【課題】防水用キャップの軸の取り付けを容易にすることができる。
【解決手段】情報処理装置は、コネクタを保護するキャップ103と、軸106と、軸106を挿入するための取付穴107とを有する。軸106は、キャップ103に取り付けられ、第1爪部106aが設けられる。取付穴107は、第1内壁107aと、第1内壁107aの対面の第2内壁107bと、第1突起部108と、第2突起部109とを有する。第1突起部108は、第1内壁107aに設けられ、軸106が挿入されたときに第1爪部106aが引っ掛けられる。第2突起部109は、第2内壁107bの第1突起部108に対向する位置からずれた位置に設けられる。第1突起部108の先端を通る第1内壁107aに平行な第1直線110aと、第2突起部109の先端を通る第1内壁107aに平行な第2直線110bとの距離は、軸106の太さよりも長い。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタを保護するキャップと、
前記キャップに取り付けられ、第1爪部が設けられた軸と、
第1内壁と、前記第1内壁の対面の第2内壁と、前記第1内壁に設けられ、前記軸が挿入されたときに前記第1爪部が引っ掛けられる第1突起部と、前記第2内壁の前記第1突起部に対向する位置からずれた位置に設けられる第2突起部とを有し、前記第1突起部の先端を通る前記第1内壁に平行な第1直線と、前記第2突起部の先端を通る前記第1内壁に平行な第2直線との距離が前記軸の太さよりも長い、前記軸を挿入するための取付穴と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第2突起部は、前記第1突起部に対向する位置から前記軸の挿入方向にずれた位置に設けられる、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記軸は、前記第1爪部よりも前記キャップに近い位置に、前記第1爪部より前記軸に対して垂直方向に長い第2爪部が設けられ、
前記取付穴の入口に縁部が設けられ、前記取付穴の入口の前記軸の挿入方向に対する垂直方向の幅は、前記軸の前記第1爪部が設けられた部分の太さよりも長く、前記軸の前記第2爪部が設けられた部分の太さよりも短い、
請求項1記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タブレット端末やスマートフォン等の情報処理装置には、防水機能を有するものがある。防水機能を持つ情報処理装置では、コネクタにキャップを取り付けることで、コネクタからの水の浸入を防止する。
【0003】
情報処理装置の防水用のキャップに関する技術としては、例えば、キャップに付加的な構造を設けなくてもキャップを筐体の所定位置に安定的に保持できる電子機器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
防水用のキャップが紛失しないよう、情報処理装置とキャップとを軸で繋いでおくことがある。例えば、キャップに取り付けられた軸を取付穴に挿入しておくことがある。軸を挿入する際に、取付穴に引掛ける爪部分を潰す量が大きいと、軸の取り付けが困難である。
【0006】
1つの側面では、本件は、防水用キャップの軸の取り付けを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、キャップと、軸と、軸を挿入するための取付穴とを有する情報処理装置が提供される。キャップは、コネクタを保護する。軸は、キャップに取り付けられ、第1爪部が設けられる。取付穴は、第1内壁と、第1内壁の対面の第2内壁と、第1内壁に設けられ、軸が挿入されたときに第1爪部が引っ掛けられる第1突起部と、第2内壁の第1突起部に対向する位置からずれた位置に設けられる第2突起部とを有する。第1突起部の先端を通る第1内壁に平行な第1直線と、第2突起部の先端を通る第1内壁に平行な第2直線との距離は、軸の太さよりも長い。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、防水用キャップの軸の取り付けを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る情報処理装置を示した図である。
【
図2】情報処理装置の側面を示した図で、(A)は、キャップを閉じた状態を示した図であり、(B)は、キャップを開けた状態を示した図である。
【
図3】キャップを示した図で、(A)は、軸を外した状態を示した図であり、(B)は、キャップを閉じた状態を示した図である。
【
図5】キャップを開けた状態の軸と取付穴とを示す図で、(A)は、キャップと取付穴とを示した図であり、(B)は、第1爪部近傍を拡大した図である。
【
図6】キャップを閉じた状態の軸と取付穴とを示す図で、(A)は、キャップと取付穴とを示した図であり、(B)は、第2爪部近傍を拡大した図である。
【
図9】軸と取付穴内の寸法の関係を示す図で、(A)は、軸が突起部の間を通過するときを示した図であり、(B)は、突起部の間の寸法を示した図であり、(C)は、第1爪部の引っ掛かり量を示した図である。
【
図10】爪部の潰し量を示す図で、(A)は、他の情報処理装置を示した図であり、(B)は、実施の形態に係る情報処理装置を示した図である。
【
図11】第1の変形例を示す図で、(A)は、軸を外した状態を示した図であり、(B)は、軸を挿入した状態を示した図である。
【
図12】第2の変形例を示す図で、(A)は、軸を外した状態を示した図であり、(B)は、軸を挿入した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
図1は、実施の形態に係る情報処理装置を示した図である。実施の形態に係る情報処理装置100は、タブレット端末である。なお、情報処理装置100は、スマートフォン等の端末であってもよい。情報処理装置100は、前面にディスプレイ101を有する。情報処理装置100は、ディスプレイ101に画面表示し、ディスプレイ101に重ねて設けられたタッチパネルから使用者の入力操作を受け付ける。
【0011】
図2は、情報処理装置の側面を示した図で、(A)は、キャップを閉じた状態を示した図であり、(B)は、キャップを開けた状態を示した図である。
図2(A)に示されるように、情報処理装置100は、側面にキャップ102,103,104が取り付けられている。キャップ102,103,104それぞれは、情報処理装置100に設けられたコネクタを保護する。なお、以下では、キャップ103について詳細に説明するが、キャップ102,104についてもキャップ103と同様の機構が設けられている。
【0012】
図2(B)は、キャップ103を開けた状態の情報処理装置100の側面を示した図である。
図2(B)に示されるように、情報処理装置100は、側面にコネクタ105と取付穴107とが設けられている。コネクタ105は、情報処理装置100に外部機器を接続するためのコネクタである。キャップ103は、コネクタ105を保護する。キャップ103は、コネクタ105に取り付けられることで、コネクタ105からの浸水を防止している。
【0013】
取付穴107は、軸106を挿入するための穴である。軸106は、キャップ103に取り付けられている。軸106は、取付穴107に挿入されることで、キャップ103と情報処理装置100とを繋ぎ、キャップ103の紛失を防止する。また、軸106は、ゴム材等の弾性素材でできており、キャップ103を開けたときに曲がることで、外部機器をコネクタ105に接続しやすくする。
【0014】
図3は、キャップを示した図で、(A)は、軸を外した状態を示した図であり、(B)は、キャップを閉じた状態を示した図である。
図3(A)に示されるように、軸106は、第1爪部106aが設けられている。第1爪部106aは、例えば、軸106の先端に設けられている。第1爪部106aは、軸106が挿入方向(矢印Xの方向)に挿入されると、取付穴107に挿入された軸106が引き抜かれて外れないよう、取付穴107の内部に引っ掛けられる。
【0015】
キャップ103が取り付けられる場合、軸106は、挿入方向に取付穴107に押し込まれ、キャップ103に取り付けられた根本まで挿入される。キャップ103は、情報処理装置100に嵌め込まれることで、
図3(B)に示されるように情報処理装置100に取り付けられる。
【0016】
図4は、情報処理装置の内部を示した図である。
図4に示されるように、取付穴107の内壁である第1内壁107aおよび第2内壁107bは、情報処理装置100の内部に向けて延びている。第1内壁107aおよび第2内壁107bは、ディスプレイ101に垂直な内壁である。第2内壁107bは、第1内壁107aの対面に位置するように設けられる。
【0017】
軸106は、第1内壁107aと、第2内壁107bとの間を通って挿入される。ここで、取付穴107は、軸106が挿入されたときに第1爪部106aが第1内壁107a側を向くよう設けられる。以下では、
図4におけるA-A断面図を用いて、軸106および取付穴107について詳細に説明する。
【0018】
図5は、キャップを開けた状態の軸と取付穴とを示す図で、(A)は、キャップと取付穴とを示した図であり、(B)は、第1爪部近傍を拡大した図である。
図5(A)に示されるように、キャップ103に取り付けられた軸106は、第1爪部106aと第2爪部106bとが設けられている。第2爪部106bは、第1内壁107a側に設けられている。第2爪部106bは、第1爪部106aよりもキャップ103に近い位置に設けられている。第2爪部106bは、第1爪部106aより軸106に対して垂直方向に長い。
【0019】
第1内壁107aは、第1突起部108が設けられている。第1突起部108は、軸106が挿入されたときに第1爪部106aが引っ掛けられる。第1突起部108は、挿入方向を向いた面と、挿入方向と逆方向(引抜方向)を向いた面と、第1内壁107aおよび第2内壁107bと平行な面とを有する。第1突起部108の挿入方向を向いた面は、第1内壁107aと垂直に設けられている。第1突起部108の引抜方向を向いた面は、挿入方向に進むにつれて第2内壁107bに近づくよう傾斜して設けられている。
【0020】
第1突起部108は、
図5(B)に示されるように、キャップ103を外すために軸106が引き抜かれたときに、挿入方向を向いた面で第1爪部106aと当接する。これにより、第1突起部108は、挿入された軸106の引抜方向への移動を制限する。
【0021】
第2内壁107bは、第2突起部109が設けられている。第2突起部109は、第2内壁107bの第1突起部108に対向する位置から軸106の挿入方向にずれた位置に設けられている。
【0022】
第2突起部109は、挿入方向を向いた面と、引抜方向を向いた面と、第1内壁107aおよび第2内壁107bと平行な面とを有する。第2突起部109の挿入方向を向いた面は、第2内壁107bと垂直に設けられている。なお、第2突起部109は、挿入方向を向いた面を有していなくてもよく、第1内壁107aおよび第2内壁107bと平行な面が挿入方向に延びていてもよい。第2突起部109の引抜方向を向いた面は、挿入方向に進むにつれて第1内壁107aに近づくよう傾斜して設けられている。
【0023】
第2突起部109は、第1内壁107aおよび第2内壁107bと平行な面で、軸106と当接する。これにより、第2突起部109は、挿入された軸106の第2内壁107b方向への移動を制限する。つまり、第2突起部109は、第1突起部108に引っ掛かった第1爪部106aが外れてしまうのを防止する。
【0024】
なお、第2突起部109は、第2内壁107bの第1突起部108に対向する位置から軸106の挿入方向にずれた位置に設けられることで、軸106の先端側が第2内壁107b方向へ移動するのを制限する。これにより、第2突起部109は、第1爪部106aを、より外れにくくすることができる。
【0025】
また、
図5(B)に示されるように、第1突起部108の先端を通る第1内壁107aに平行な第1直線110aと、第2突起部109の先端を通る第1内壁107aに平行な第2直線110bとの距離は、軸106の太さよりも長い。このように、第1突起部108および第2突起部109は、第1爪部106aが第1突起部108よりも挿入方向にある場合、軸106が抵抗なく挿入方向に移動できるように設けられている。
【0026】
取付穴107の入口には、縁部107c,107dが設けられている。縁部107c,107dは、取付穴107の入口の挿入方向に対する垂直方向の幅が、取付穴107の内部の幅(第1内壁107aと第2内壁107bとの距離)より短くなるように取付穴107の縁に設けられる。縁部107cは、第1内壁107a側の取付穴107の縁に設けられている。縁部107dは、第2内壁107b側の取付穴107の縁に設けられている。縁部107c,107dは、取付穴107の入口の挿入方向に対する垂直方向の幅が、軸106の第1爪部106aが設けられた部分の太さよりも長くなるよう設けられる。
【0027】
図6は、キャップを閉じた状態の軸と取付穴とを示す図で、(A)は、キャップと取付穴とを示した図であり、(B)は、第2爪部近傍を拡大した図である。
図6(A)に示されるように、キャップ103を閉じた場合、軸106は、根本まで取付穴107に挿入されている。
【0028】
また、
図6(B)に示されるように、縁部107c,107dは、取付穴107の入口の挿入方向に対する垂直方向の幅が、軸106の第2爪部106bが設けられた部分の太さよりも短くなるように設けられている。これにより、軸106が挿入されるとき、軸106の第2爪部106bが設けられた部分は、挿入方向に対する垂直方向に潰れながら取付穴107の入口を通過する。なお、第2爪部106bは、キャップ103に近い位置に設けられているため、軸106の第2爪部106bが設けられた部分は、キャップ103を挿入方向に押し込むように力が加えられることで、容易に取付穴107の入口を通過できる。
【0029】
縁部107cは、軸106が根本まで取付穴107に挿入されている場合、挿入方向を向いた面で第2爪部106bと当接する。これにより、縁部107cは、挿入された軸106の引抜方向への移動を制限する。
【0030】
次に、軸106の取付穴107への挿入過程について説明する。
図7は、軸の挿入過程を示す図(その1)である。軸106が取付穴107へ挿入されるとき、まず、
図7の1番目の図に示されるように、軸106の第1爪部106aが設けられている部分は、縁部107c,107dの間を通過する。ここで、取付穴107の入口の挿入方向に対する垂直方向の幅が、軸106の第1爪部106aが設けられた部分の太さよりも長いため、軸106の第1爪部106aが設けられている部分は、抵抗なく縁部107c,107dの間を通過できる。
【0031】
さらに軸106が挿入されると、
図7の2番目の図に示されるように、第1爪部106aが第1突起部108に接触する。すると、第1突起部108は、軸106の移動方向を第2内壁107b側へ寄せる。軸106は、第1爪部106aが第1突起部108の引抜方向を向いた面に沿って第2内壁107bに近づくよう移動する。そして、
図7の3番目の図に示されるように、軸106の先端は、第2内壁107bに接触する。
【0032】
図8は、軸の挿入過程を示す図(その2)である。さらに軸106が挿入されると、軸106は、第2内壁107bと第2突起部109の引抜方向を向いた面に沿って曲がるように変形する。そして、
図8の1番目の図に示されるように、軸106の第1爪部106aが設けられた部分は、第1突起部108と第2突起部109との間を潰れながら通過する。そして、軸106の第1爪部106aが設けられた部分が第1突起部108と第2突起部109との間を通過すると、
図8の2番目の図に示されるように、軸106は、第1突起部108と第2突起部109とに当接し、引抜方向への移動が制限される。これにより、軸106は、情報処理装置100に取り付けられる。
【0033】
次に、軸106と取付穴107内の寸法の関係について説明する。
図9は、軸と取付穴内の寸法の関係を示す図で、(A)は、軸が突起部の間を通過するときを示した図であり、(B)は、突起部の間の寸法を示した図であり、(C)は、第1爪部の引っ掛かり量を示した図である。軸106が取付穴107に挿入されるとき、軸106の第1爪部106aが設けられた部分は、
図9(A)に示されるように、長さaである、第1突起部108と第2突起部109との間を潰れながら通過する。
【0034】
ここで、第2突起部109が第2内壁107bの第1突起部108に対向する位置に設けられていた場合、
図9(B)に示されるように、第1突起部108と第2突起部109との間の長さは、第1直線110aと第2直線110bとの距離を示す長さbとなる。軸106の第1爪部106aが設けられた部分が通過する隙間の長さが短いほど、当該部分を潰す量が大きくなるため、軸106を挿入するための力が大きくなる。長さaは、長さbよりも長いため、軸106の第1爪部106aが設けられた部分が長さaの隙間を通過する場合、長さbの隙間を通過する場合よりも軸106を挿入するための力は小さくなる。このように、第2突起部109が第2内壁107bの第1突起部108に対向する位置からずれた位置に設けられることで、軸106を挿入するための力が低減される。よって、情報処理装置100は、軸106の取り付けを容易にすることができ、組立工数を削減することができる。
【0035】
第1爪部106aが第1突起部108に引っ掛かる長さは、
図9(C)に示されるように、軸106の第1爪部106aが設けられた部分の太さを示す長さxから長さbを減算した長さcとなる。ここで、軸の爪部を長さcだけ引っ掛ける他の方法として取付穴の入口を長さbにすることが考えられる。以下では、当該方法と実施形態とを比較する。
【0036】
図10は、爪部の潰し量を示す図で、(A)は、他の情報処理装置を示した図であり、(B)は、実施の形態に係る情報処理装置を示した図である。軸の爪部を長さcだけ引っ掛ける他の方法として、
図10(A)に示されるような、軸206を取付穴207に挿入する場合について説明する。
【0037】
軸206は、第1爪部206aが設けられている。軸206および第1爪部206aの寸法は、軸106および第1爪部106aと同様である。取付穴207の縁には、縁部207c,207dが設けられている。縁部207c,207dは、取付穴207の入口が長さbになるように設けられている。軸206が挿入されると、第1爪部206aが縁部207cに引っ掛かる長さは、軸206の第1爪部206aが設けられた部分の太さを示す長さxから長さbを減算した長さcとなる。また、軸206の第1爪部206aが設けられた部分が縁部207c,207dの間を通過するときに当該部分を潰す量も長さcとなる。
【0038】
一方、
図10(B)に示される実施形態では、軸106の第1爪部106aが設けられた部分が第1突起部108と第2突起部109との間を通過するときに当該部分を潰す量は、長さxから長さaを減算した長さdとなる。長さaは、長さbよりも長いため、長さdは、長さcよりも短くなる。したがって、実施の形態では、
図10(A)に示される他の方法よりも小さい力で軸106を挿入することができる。
【0039】
実施の形態によれば、情報処理装置100は、キャップ103と、軸106と、軸106を挿入するための取付穴107とを有する。キャップ103は、コネクタ105を保護する。軸106は、キャップ103に取り付けられ、第1爪部106aが設けられる。取付穴107は、第1内壁107aと、第1内壁107aの対面の第2内壁107bと、第1突起部108と、第2突起部109とが設けられる。第1突起部108は、第1内壁107aに設けられ、軸106が挿入されたときに第1爪部106aが引っ掛けられる。第2突起部109は、第2内壁107bの第1突起部108に対向する位置からずれた位置に設けられる。第1突起部108の先端を通る第1内壁107aに平行な第1直線110aと、第2突起部109の先端を通る第1内壁107aに平行な第2直線110bとの距離は、軸106の太さよりも長い。
【0040】
これにより、情報処理装置100は、軸106を挿入するための力を低減させることができる。よって、情報処理装置100は、軸106の取り付けを容易にすることができる。
【0041】
また、第2突起部109は、第1突起部108に対向する位置から軸106の挿入方向にずれた位置に設けられる。これにより、情報処理装置100は、第1突起部108に引っ掛かった第1爪部106aが外れてしまうのを防止する。
【0042】
また、軸106は、第1爪部106aよりもキャップ103に近い位置に、第1爪部106aより軸106に対して垂直方向に長い第2爪部106bが設けられ、取付穴107の入口に縁部107c,107dが設けられる。取付穴107の入口の軸106の挿入方向に対する垂直方向の幅は、軸の第1爪部106aが設けられた部分の太さよりも長く、軸106の第2爪部106bが設けられた部分の太さよりも短い。これにより、情報処理装置100は、第1爪部106aおよび第2爪部106bの取付穴107の入口の通過を容易にすることができる。
【0043】
以下では、変形例について説明する。
図11は、第1の変形例を示す図で、(A)は、軸を外した状態を示した図であり、(B)は、軸を挿入した状態を示した図である。第1の変形例は、キャップ303に取り付けられた軸306を取付穴307に挿入するものである。軸306は、第1爪部306aと第2爪部306bとが設けられている。
【0044】
取付穴307は、第1内壁307aと第2内壁307bとを有する。第1内壁307aは、第1突起部308が設けられている。第2内壁307bは、第2突起部309が設けられている。第2突起部309は、第2内壁307bの第1突起部308に対向する位置から軸306の引抜方向にずれた位置に設けられている。
【0045】
軸306が挿入されるとき、第1爪部306aが第1突起部308に接触する。すると、第1突起部308は、軸306の移動方向を第2内壁307b側へ寄せる。軸306は、第1爪部306aが第1突起部308の引抜方向を向いた面に沿って第2内壁307bに近づくよう移動する。そして、軸306の第1爪部306aが設けられている部分が第1突起部308より挿入方向に位置するまで、軸306が挿入されると、第1爪部306aは、第1突起部308に引っ掛かる。よって、軸306は、小さい力で容易に取付穴307に挿入される。
【0046】
図11(B)に示されるように、軸306は、挿入されると、第1爪部306aが第1突起部308に当接し、引抜方向への移動が制限される。また、第2突起部309は、軸306と第2内壁307b側から当接し、第1突起部308に引っ掛かった第1爪部306aが外れてしまうのを防止する。
【0047】
このような第1の変形例に示すように、第2突起部309は、第2内壁307bの第1突起部308に対向する位置から軸306の引抜方向にずれた位置に設けられていてもよい。
【0048】
図12は、第2の変形例を示す図で、(A)は、軸を外した状態を示した図であり、(B)は、軸を挿入した状態を示した図である。第2の変形例は、キャップ403に取り付けられた軸406を取付穴407に挿入するものである。軸406は、第1爪部406aと第2爪部406bとが設けられている。
【0049】
取付穴407は、第1内壁407aと第2内壁407bとを有する。第1内壁407aは、第1突起部408が設けられている。第2内壁407bは、第2突起部409が設けられている。第2突起部409は、第2内壁407bの第1突起部408に対向する位置から軸406の挿入方向にずれた位置に設けられている。
【0050】
前述の実施の形態では、第1内壁107a、第1爪部106aおよび第2爪部106bは、キャップ103が延びる方向側に設けられていた。第2の変形例では、
図12(A),(B)に示されるように、第1内壁407a、第1爪部406aおよび第2爪部406bは、キャップ403が延びる方向と反対方向側に設けられている。このような、第2の変形例に示すように、軸406および取付穴407の各部位が実施の形態と反対向きに設けられていても、軸406の取り付けを容易にすることができる。
【0051】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
100 情報処理装置
101 ディスプレイ
102,103,104 キャップ
105 コネクタ
106 軸
106a 第1爪部
106b 第2爪部
107 取付穴
107a 第1内壁
107b 第2内壁
107c,107d 縁部
108 第1突起部
109 第2突起部
110a 第1直線
110b 第2直線