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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063061
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】ウェハ加工方法、システム及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240501BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20240501BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240501BHJP
   B24B 9/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
H01L21/304 621E
H01L21/304 622H
H01L21/68 F
H01L21/68 A
B24B9/00 601G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024024727
(22)【出願日】2024-02-21
(62)【分割の表示】P 2023522571の分割
【原出願日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】10-2020-0131907
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0067255
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0067263
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0104769
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0104771
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0104772
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0117361
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518062668
【氏名又は名称】ミーレ カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、イルジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キホ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジョンヨル
(72)【発明者】
【氏名】イ、キホォン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジフン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウェハの切り欠きを加工してバックグラインディング工程中にウェハが破損されることを防止するウェハ加工方法、システム及び装置を提供する
【解決手段】ウェハ加工方法は、一側に切り欠き部が形成されたウェハを準備するステップと、ビジョンカメラで撮影した前記切り欠き部の映像情報を分析して前記ウェハを整列させるステップと、切り欠きホイールを用いて前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工するステップと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側に切り欠き部が形成されたウェハを準備するステップと、
前記ウェハの厚さ方向に対して平行な回転軸を中心として回転する切り欠きホイールを用いて前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように、前記切り欠き部を加工するステップと、を含み、
前記切り欠きホイールによって加工された前記切り欠きホイールの一定領域は、平面上から見たとき、第1幅を有する第1領域と第2幅を有する第2領域からなり、
前記第1領域は、第1厚さを有し、
前記第2領域は、前記第1厚さと異なる第2厚さを有し、
前記第2領域は、前記第2厚さが一定であるか、少なくとも一部に前記第2厚さが変化する傾斜面を備える、ウェハ加工方法。
【請求項2】
一側に切り欠き部が形成されたウェハを載置させる支持台と、
前記ウェハの厚さ方向に対して平行な回転軸を中心として回転するスピンドル及び前記スピンドルの一端に配置され、前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように、前記切り欠き部を加工する切り欠きホイールを含む切り欠き加工装置と、を含み、
前記切り欠きホイールによって加工された前記切り欠き部の一定領域は、平面上から見たとき、第1幅を有する第1領域と第2幅を有する第2領域からなり、前記第1領域は、第1厚さを有し、
前記第2領域は、前記第1厚さと異なる第2厚さを有し、
前記第2領域は、前記第2厚さが一定であるか、少なくとも一部に前記第2厚さが変化する傾斜面を備える、ウェハ加工システム。
【請求項3】
前記切り欠きホイールの直径は、加工される前記切り欠き部の一定領域の幅よりも大きい、請求項2に記載のウェハ加工システム。
【請求項4】
前記切り欠きホイールの直径は、前記切り欠き部の一定領域の幅の2倍よりも大きい、請求項3に記載のウェハ加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウェハ加工方法、システム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハは、素子形成が完了すると下面を加工して厚さを薄くするバックグラインディング(back grinding)工程を経る。バックグラインディング工程を経たウェハは厚さが薄くなるため、積層されるウェハ層数を増やすことができる。これは半導体の性能向上につながる。
【0003】
しかし、従来の場合、バックグラインディング工程の際にウェハの厚みが過度に薄くなり、ウェハ破損が発生する問題がある。特に、このようなバックグラインディング工程の際にウェハを整列させるために形成された切り欠き部で破損が発生する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、ウェハの切り欠きを加工してバックグラインディング工程中にウェハが破損されることを防止するウェハ加工方法、システム及び装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は、一側に切り欠き部が形成されたウェハを準備するステップと、前記ウェハを整列させるステップと、切り欠きホイールを用いて前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工するステップとを含む、ウェハ加工方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態に係るウェハ加工方法、システム及び装置は、バックグラインディング工程前にウェハの切り欠き部を加工し、バックグラインディング工程中に発生するウェハの損傷を防止することができる。
【0007】
また、本発明の一実施形態に係るウェハ加工方法、システム及び装置は、切り欠き部加工中に切り欠きホイールの中心がウェハの外部に配置されるようにすることで、安定して精巧な切り欠き部加工を実行することができる。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係るウェハ加工方法、システム及び装置は、ウェハの切り欠き部に傾斜面を形成し、これを後工程でアラインマークとして活用することで、認識誤りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るウェハ加工システムを概略的に示す図である。
図2図1のウェハ加工システムのブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るウェハ加工方法のフローチャートである。
図4A】本発明の一実施形態に係るウェハの一面を洗浄するノズルの経路を示す図である。
図4B】本発明の一実施形態に係るウェハの一面を洗浄するノズルの経路を示す図である。
図5A】本発明の一実施形態に係るノズルを示す図である。
図5B】本発明の一実施形態に係るノズルを示す図である。
図6】加工対象のウェハを概略的に示す図である。
図7】整列装置を説明するための図である。
図8】切り欠き部のエッジ情報を抽出する方法を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係る切り欠き加工装置を概略的に示す図である。
図10図9の切り欠き加工装置を用いたウェハ加工方法を説明するための概念図である。
図11A】ウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
図11B】ウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
図11C】ウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
図12】他の実施形態に係る切り欠き加工装置を用いたウェハ加工方法を説明するための概念図である。
図13A図12のウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
図13B図12のウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
図13C図12のウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
図14A】他の実施形態に係る切り欠きホイールを説明するための図である。
図14B】他の実施形態に係る切り欠きホイールを説明するための図である。
図15A】また他の実施形態に係る切り欠きホイールを説明するための図である。
図15B】また他の実施形態に係る切り欠きホイールを説明するための図である。
図16】本発明の一実施形態に係るエッジ加工装置を説明するための図である。
図17】本発明の一実施形態に係るエッジ加工装置を説明するための図である。
図18】本発明の一実施形態に係るエッジ加工方法を説明するための図である。
図19】本発明の一実施形態に係るエッジ加工方法を説明するための図である。
図20A】本発明の一実施形態に係るエッジ加工方法を説明するための図である。
図20B】本発明の一実施形態に係るエッジ加工方法を説明するための図である。
図21】本発明の一実施形態に係る自動工具交換装置を説明するための図である。
図22】自動工具交換装置の他の実施形態を説明するための図である。
図23】本発明の一実施形態に係る自動工具交換方法を説明するための図である。
図24】本発明の一実施形態に係る自動工具交換方法を説明するための図である。
図25】本発明の一実施形態に係る検査装置を説明するための図である。
【発明を実施するための最善の形態】
【0010】
本発明の一実施形態は、一側に切り欠き部が形成されたウェハを準備するステップと、前記ウェハを整列させるステップと、切り欠きホイールを用いて前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工するステップとを含む、ウェハ加工方法を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記切り欠き部の映像情報を分析して前記切り欠き部のエッジ情報を抽出するステップ及び前記抽出されたエッジ情報と予め計画された切り欠き加工情報とを用いて前記切り欠きホイールの加工経路を設定するステップをさらに含み、前記切り欠き部を加工するステップは、前記設定された加工経路に沿って前記切り欠きホイールが移動するように制御し、前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工することができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記切り欠き部を加工するステップの前に、スピンドルの一端の既存の切り欠きホイールの取り付け有無を確認するステップと、前記既存の切り欠きホイールが取り付けられている場合、前記スピンドルを予め設定された区域に移動させて前記既存の切り欠きホイールを除去するステップと、前記スピンドルの一端の前記既存の切り欠きホイールの除去有無を確認するステップと、複数の新規切り欠きホイールを収納するカセットユニットに前記スピンドルを移動させ、前記複数の新規切り欠きホイールのうちいずれか1つを前記スピンドルの一端に取り付けるステップとをさらに含み、前記切り欠き部を加工するステップは、前記新規切り欠きホイールが取り付けられた前記スピンドルをウェハの切り欠き部に移動させ、前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工することができる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記切り欠き部を加工するステップの前に、スピンドルの一端に既存の切り欠きホイールを交換するか否かを判断するステップと、前記既存の切り欠きホイールを交換すると決定された場合、前記スピンドルで前記既存の切り欠きホイールを除去し、新規切り欠きホイールを取り付けるステップと、チェックセンサユニットを用いて前記スピンドルの一端から前記新規切り欠きホイールの末端までの第1長さを測定するステップと、前記第1長さを用いて前記既存の切り欠きホイールの加工位置情報を補正するステップとを含み、前記切り欠き部を加工するステップは、前記補正された加工位置情報に応じて前記新規切り欠きホイールを制御し、ウェハの切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工することができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、ウェハ洗浄ノズルによって洗浄水を供給し、前記ウェハを洗浄するステップをさらに含み、前記ウェハ洗浄ノズルは、ガス流入部及びガス排出部を設ける第1ノズルチップ、洗浄水流入部及び洗浄水排出部を設ける第2ノズルチップを含み、前記ガス排出部は前記洗浄水排出部と連通されることができる。
【0015】
本発明の一実施形態は、一側に切り欠き部が形成されたウェハを載置させる支持台と前記支持台上に載置された前記ウェハの切り欠き部を撮影するビジョンカメラとを用いて前記切り欠き部の映像情報を取得し、前記取得された切り欠き部の映像情報を分析して前記ウェハを整列させる整列装置及び前記切り欠き部を加工するが、前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工する切り欠きホイール及び一端に前記切り欠きホイールを回転可能に取り付けるスピンドルを設ける切り欠き加工装置を含むウェハ加工システムを提供する。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記切り欠き部の映像情報を分析して前記切り欠き部のエッジ情報を抽出し、前記抽出されたエッジ情報と予め計画された切り欠き加工情報とを用いて前記切り欠きホイールの加工経路を設定し、前記設定された加工経路に沿って前記切り欠きホイールが移動するように制御する制御部をさらに含むことができる。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記ウェハのエッジ部に沿って加工するが、前記エッジ部の一定領域が予め設定された第2厚さを有するように前記エッジ部を加工するエッジホイールと、一端に前記エッジホイールを取り付けるが、第2回転軸を中心に回転可能に前記エッジホイールを取り付ける第2スピンドルを含むエッジ加工装置をさらに含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態は、ウェハの切り欠き部を加工するが、前記切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように前記切り欠き部を加工する切り欠きホイール及び一端に前記切り欠きホイールを回転可能に取り付けるスピンドルを設けるウェハ加工装置を提供する。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記切り欠きホイールの直径は、加工される前記切り欠き部の一定領域の幅より大きくてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態において、前記切り欠きホイールは、前記ウェハと接触する加工面を含む前記切り欠きホイールの加工部を2つ以上に分割するように形成されたスリット部を含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記切り欠きホイールは、第1直径を有する第1加工部と、前記第1直径より小さい第2直径を有し、第1加工部の一端から外側に突出するように前記第1加工部の一端に配置される第2加工部とを含むことができる。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記第2加工部は、前記第1加工部の一端面に対して傾斜したテーパ面を設けることができる。
【0023】
前述したもの以外の他の側面、特徴、利点が、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【0024】
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して以下の実施形態を詳細に説明するものとし、図面を参照して説明するとき、同一又は対応する構成要素は同一の図面符号を付与し、これに対する重複の説明は省略する。
【0026】
本実施形態は様々な変換を加えることができ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明しようとする。本実施形態の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する内容を参照することで明らかになるであろう。しかしながら、本実施形態は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で具現されることができる。
【0027】
以下の実施形態において、第1、第2などの用語は限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で用いられた。
【0028】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0029】
以下の実施形態において、含むまたは有するなどの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0030】
以下の実施形態において、ユニット、領域、構成要素などの部分が他の部分「うえ」または「上」にあると言うとき、他の部分の真上にある場合だけでなく、その中間に他のユニット、領域、構成要素等が介在されている場合も含む。
【0031】
以下の実施形態において、接続するまたは結合するなどの用語は、文脈上明らかに別段に意味しない限り、必ずしも2つの部材の直接的及び/または固定的な接続または結合を意味するものではなく、2つの部材の間に他の部材が介在されたことを排除するものではない。
【0032】
本明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が追加される可能性を予め排除するものではない。
【0033】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張または縮小されてもよい。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上任意に示しているため、以下の実施形態は必ずしも示されたものに限定されるものではない。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係るウェハ加工システム10を概略的に示す図であり、図2は、図1のウェハ加工システム10のブロック図である。
【0035】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態に係るウェハ加工システム10は、ウェハを加工するシステムに関するものであり、具体的にはウェハの厚さを薄くするバックグラインディング(back griding)工程前の切り欠き部をトリミングまたはカッティングすることでウェハの工程歩留まりを向上させることができるシステムに関するものである。
【0036】
本発明の一実施形態に係るウェハ加工システム10は、搬送装置110、整列装置120、切り欠き加工装置130、エッジ加工装置140及び制御部150を含むことができる。また、ウェハ加工システム10は、自動工具交換装置160、検査装置170及び洗浄装置180をさらに含むことができる。
【0037】
搬送装置110は、外部から搬入されたウェハWを切り欠き加工装置130またはエッジ加工装置140に搬送し、加工が完了すると洗浄工程を経てシステム10の外部に搬出する機能を実行する。
【0038】
搬送装置110は、搬送ロボット111、プリアライナ113、ピッカー115及び支持台117を含むことができる。
【0039】
搬送ロボット111は、外部(またはインローダポート(in loader port))から搬入されたウェハを支持してプリアライナ113に伝達する機能を実行する。また、搬送ロボット111は、加工が完了したウェハが洗浄された後、外部(またはアウトローダポート(out loader port))に搬出する機能を実行することができる。搬送ロボット111は、ウェハを搬送するための構造で構成されることができ、例えば、複数の自由度を有するロボットアーム構造を含むことができる。
【0040】
搬送ロボット111によって伝達されたウェハは、プリアライナ113によって一次的に整列された後、ピッカー115を介して支持台117上に配置されることができる。例えば、プリアライナ113は、ウェハの一側に形成された切り欠き部の位置を確認し、切り欠き部を基準にウェハを整列させることができる。プリアライナ113は、搬送ロボット111によって伝達されたウェハの位置を一次的に整列させる機能を果たし、より精巧な整列機能は整列装置120を介して行うことができる。
【0041】
支持台117は、加工過程でウェハを支持する機能を実行する。支持台117は、ウェハを安定して支持するために、別途の固定部材(図示せず)をさらに含むことができる。例えば、支持台117は、複数の吸着孔(図示せず)を用いてウェハを吸着支持することができる。または、支持台117は、クランプ(図示せず)を用いてウェハを機構的に支持することができる。
【0042】
支持台117は、ウェハを支持した状態で3次元に移動または回転することができる。
【0043】
整列装置120は、ビジョンカメラ123(図7参照)を用いて切り欠き部の映像情報を取得することができる。整列装置120は、照明手段121(図7参照)をさらに含むことができる。すなわち、整列装置120は、ウェハの下部に配置された照明手段121(図7参照)を用いてウェハに向けて光を照射した状態で、ビジョンカメラ123(図7参照)により切り欠き部の映像情報を取得することができる。
【0044】
この場合、ウェハが存在する部分は光を隠して暗く表現され、切り欠き部が形成されてウェハが存在しない部分は光が透過して明るく表現されることができる。整列装置120によって取得された切り欠き部の映像情報は、光の明暗を介して区分される切り欠き部のエッジライン情報を含むことができる。
【0045】
また、整列装置120は、ビジョンカメラ123(図7参照)を用いて支持台117上に載置されたウェハ上の複数のポイントを測定し、これにより支持台117の回転軸とウェハの中心点の偏差を予め確認することができる。または、整列装置120は、ビジョンカメラ123(図7参照)を用いて切り欠き加工装置130またはエッジ加工装置140の位置を予め確認することができる。
【0046】
切り欠き加工装置130は、ウェハ加工システム10の一側に配置されるが、前記支持台117上に載置されたウェハに向けて移動可能に配置されることができる。切り欠き加工装置130は、ウェハに形成された切り欠き部を加工し、切り欠き部の厚みを薄くしたり(トリミング)、切り欠き部の少なくとも一部を切開(カッティング)したりすることができる。
【0047】
切り欠き加工装置130は、切り欠きホイール131(図9参照)、第1スピンドル133(図9参照)及び第1支持プレート135を含むことができる。切り欠き加工装置130の切り欠き加工方法については後述する。
【0048】
エッジ加工装置140は、ウェハ加工システム10の一側に配置されるが、支持台117上に載置されたウェハに向けて移動可能に配置されることができる。エッジ加工装置140は、ウェハのエッジ部を加工する機能を実行する。エッジ加工装置140は、1つで構成されることもできるが、複数個で構成されてウェハのエッジを加工することができる。例えば、エッジ加工装置140は、図16に示すように、対向配置される2つの加工装置からなり、ウェハのエッジを加工することができる。
【0049】
エッジ加工装置140は、エッジホイール141(図16参照)、第2スピンドル143(図16参照)及び第2支持プレート145を含むことができる。エッジ加工装置140のエッジ加工方法については後述する。
【0050】
制御部150は、ウェハ加工システム10がウェハを加工するように、ウェハ加工システム10の各構成要素を制御することができる。制御部150は、各構成要素から移動情報または映像情報などを取得することができ、取得した情報を用いて各構成要素を制御することができる。制御部150は、工程を実行するためのプロセッサを含むことができる。
【0051】
ここで、プロセッサは、基本的な算術、論理及び入出力演算を実行することによって、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されることができる。命令は、メモリまたは受信部によってプロセッサに提供されることができる。例えば、プロセッサは、メモリなどの記録装置に記憶されたプログラムコードに応じて受信される命令を実行するように構成されることができる。ここで、「プロセッサ(processor)」とは、例えば、プログラム内に含まれたコードまたは命令で表された機能を実行するために物理的に構造化された回路を有する、ハードウェアに組み込まれたデータ処理装置を意味することができる。
【0052】
このようにハードウェアに組み込まれたデータ処理装置の一例として、マイクロプロセッサ(Мicroprocessor)、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、プロセッサコア(Processor Core)、マルチプロセッサ(Мultiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの処理装置を網羅することができるが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0053】
自動工具交換装置160は、切り欠き加工装置130と連動し、切り欠きホイール131の状態に応じて切り欠きホイール131を自動的に交換することができる。また、自動工具交換装置160は、エッジ加工装置140のエッジホイール141の状態に応じてエッジホイール141を自動的に交換する機能も実行することができる。
【0054】
検査装置170は、切り欠き加工装置130の切り欠きホイール131の状態またはエッジ加工装置140のエッジホイール141の状態を確認し、異常の有無または劣化度合いを分析して切り欠きホイール131またはエッジホイール141を交換するか否かを判断することができる。
【0055】
洗浄装置180は、切り欠き加工装置130またはエッジ加工装置140によって加工が完了したウェハを洗浄する機能を実行する。洗浄装置180は、ウェハの上面を洗浄する第1洗浄手段183及びウェハの前記上面と対向する下面を洗浄する第2洗浄手段181を含むことができる。
【0056】
ここで、ウェハの上面は、半導体素子が形成される一面であってもよく、切り欠き加工またはエッジ加工が行われる面であってもよい。ウェハの下面は、一面に対向する裏面であってもよく、その後、ウェハの厚さを薄くするためにバックグラインディング工程が実行される面であってもよい。
【0057】
洗浄装置180においてウェハの上面と下面を洗浄する順序に制限はないが、一実施形態として、切り欠きトリミング工程及びエッジ工程が実行された上面を先に洗浄した後、ウェハを裏返し、バックグラインディング工程が実行されるウェハの下面を洗浄する順序で洗浄することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、洗浄装置180は、ウェハの下面を洗浄する第2洗浄手段181のみを含み、切り欠きトリミング工程及びエッジ工程が完了した後に反転したウェハの下面を洗浄することができる。このとき、ウェハの上面は、切り欠きトリミング工程またはエッジ工程の際に供給される研磨水で洗浄されることができる。
【0058】
以下では、図面を参照し、ウェハ加工システム10の洗浄装置180をより具体的に説明する。
【0059】
図3は、本発明の一実施形態に係るウェハ加工方法のフローチャートである。また、図4は、本発明の一実施形態に係るウェハWの一面を洗浄するノズル1802の経路を示す図であり、図4aは、往復旋回運動するノズル1802、図4bは、往復直線運動するノズル1802に関するものである。また、図5は、本発明の一実施形態に係るノズル1800を示す図であり、図5aは、ノズル1800の断面図を、図5bは、ノズル1800の分解斜視図をそれぞれ示すものである。
【0060】
洗浄装置180を用いてウェハWを洗浄するステップは、本発明の一実施形態に係るウェハ加工の一ステップとして、一側に切り欠き部が形成されたウェハを準備し、切り欠きホイールを用いて切り欠き部の一定領域が予め設定された厚さを有するように切り欠き部を加工した後、洗浄水を供給してウェハを洗浄するように構成することができる。
【0061】
洗浄装置には、ウェハWに洗浄水を供給するノズル1800を設けることができ、ノズル1800を1つ以上提供されることができる。ノズル1800を介して供給される洗浄水として、切り欠きトリミング工程またはエッジ工程の際に供給される研磨水を用いることができる。
【0062】
ノズル1800のうちいずれかのノズル1801は、切り欠き部Nを洗浄するために切り欠き部Nに洗浄水を供給するが、ウェハWの内側から外側に向かって洗浄水を供給するか、またはウェハWの外側から内側に向かって洗浄水を供給できるように設けられることができる。
【0063】
そして、ノズル1801が切り欠き部Nに洗浄水を供給している間、またはノズル1801が切り欠き部Nに洗浄水を供給する前後に、また別のノズル1802はウェハWの一面を洗浄するためにウェハWの一面に向かって洗浄水をさらに供給するように構成されることができる。このとき、ウェハWの一面に向かって洗浄水を供給するノズル1802は、ウェハW上を往復運動しながら洗浄水を供給するように構成されることができる。
【0064】
例えば、図4aに示すように、アーム1802aがアーム支持軸1802bを中心にウェハW上の所定の領域でピボット回動する際に、ウェハWの一面に向かって洗浄水を供給するノズル1802は、一端がアーム支持軸1802bと結合されたアーム1802aの他端に固定され、ウェハWの中心と外周との間の領域で弧を描いて往復旋回運動するように構成されることができる。このとき、アーム支持軸1802bは、これを回転させるモータ(図示せず)と接続されることができる。
【0065】
あるいは、図4bに示すように、ウェハWの一面に向かって洗浄水を供給するノズル1802は、ウェハWと離隔して配置されているが、ウェハWの中心と外周を横切るように配置されるガーダ1802cに往復可能に設置され、ウェハWの中心と外周との間の領域で往復直線運動するように構成されることができる。このとき、ノズル1802は、電気や油圧によって駆動されるサーボモータ(図示せず)に駆動可能に接続されることができる。
【0066】
このように、切り欠き部Nに向かって洗浄水を供給するノズル1801とウェハWの一面に向かって洗浄水を供給するノズル1802とが洗浄装置に共に提供される場合、加工システムの制御部は各ノズル1801、1802が互いに干渉を起こすことなくウェハWを洗浄できるようにノズル1801、1802の駆動を制御するように構成されることができる。
【0067】
ノズル1801、1802は、ウェハWの上面を洗浄する第1洗浄手段183及びウェハWの下面を洗浄する第2洗浄手段181のうち少なくともいずれか一つに設けられることができる。
【0068】
一方、ノズル1800として切り欠き部Nに洗浄水を供給するノズル1801及びウェハW上を往復運動しながらウェハWの一面に向かって洗浄水を供給するノズル1802のうち少なくとも1つは、図5に示すように、第1ノズルチップ1810及び第2ノズルチップ1820を含むことができる。第1ノズルチップ1810と第2ノズルチップ1820が一体として製造されるか、それぞれ製造された第1ノズルチップ1810と第2ノズルチップ1820とが結合されて1つのノズル1800を形成することができる。
【0069】
図5aは、本発明の一実施形態に係るノズル1800の断面図であり、図示のように第1ノズルチップ1810にはガス流入部1811a及びガス排出部1811bが設けられ、ガス流入部1811aにおいてガス排出部1811b間を連通するガス流路1811cが設けられることができる。
【0070】
そして、第2ノズルチップ1820には洗浄水流入部1821a及び洗浄水排出部1821bが設けられ、洗浄水流入部1821aと洗浄水排出部1821bとの間を連通する洗浄水流路1821cを設けることができる。
【0071】
また、第2ノズルチップ1820には、混合流体流入部1823a及び混合流体排出部1823bが設けられ、混合流体流入部1823aと混合流体排出部1823bとの間を連通する混合流体流路1823cを設けることができる。
【0072】
ノズル1800は、ガス排出部1811b、洗浄水排出部1821b及び混合流体流入部1823aが連通するように構成することができるが、例えば、第2ノズルチップ1820は、第1ノズルチップ1810の外周面の一部を包む収容部1822を含み、ガス排出部1811b、洗浄水排出部1821b及び混合流体流入部1823aはそれぞれ収容部1822と連通することができる。
【0073】
図5bは、本発明の一実施形態に係るノズル1800の分解斜視図であって、第1ノズルチップ1810と第2ノズルチップ1820がそれぞれ製造されて結合される場合には、第1ノズルチップ1810と第2ノズルチップ1820が結合されてノズル1800を形成することができる。このとき、第1ノズルチップ1810の少なくとも一部が第2ノズルチップ1820の一側に形成された収容溝に挿入された状態で、第1ノズルチップ1810は第2ノズルチップ1820と結合されることができる。そして、収容部1822は、収容溝の一部として第1ノズルチップ1810と第2ノズルチップ1820との間に設けられることができる。
【0074】
ノズル1800の内部に流入されるガスと洗浄水の流動を見ると、まず洗浄水流入部1821aに流入された洗浄水は、洗浄水流路1821cを介して洗浄水排出部1821bに排出された後収容部1822に流入されることができる。そして、ガス流入部1811aに流入されたガスは、ガス流路1811cを介してガス排出部1811bに排出された後、収容部1822に流入されることができる。収容部1822に流入されたガスと洗浄水は、収容部1822で混合されながら混合流体流入部1823aに流入された後、混合流体流路1823cを介して混合流体排出部1823bに排出されることができる。
【0075】
ガス流路1811cからガスが層流を形成しながら速い速度で直線流動できるように、ガスは所定の圧力でガス流入部1811aに流入されることができ、ガス流路1811cは直径に比べて長い長さに延長形成されることができる。
【0076】
そして、ガス排出部1811bに排出されるガスが収容部1822に流入した洗浄水と混合されながら直ちに混合流体流入部1823aに流入できるように、ガス排出部1811bと混合流体流入部1823aは隣接して配置されることができる。
【0077】
ガス排出口を介して所定の圧力で排出されるガスは、収容部1822に収容された洗浄水と共に混合流体流入部1823aに流入されることができるが、このとき混合流体は、ガスが洗浄水に混合されながら生成されるガス気泡を含むことができる。ガス気泡を含む混合流体が混合流体排出部1823bに排出されてウェハW表面と衝突する際、混合流体がウェハW表面に加える衝撃力と共に混合流体に含まれたガス気泡が弾けながらウェハW表面に加える追加衝撃力によってウェハWに対する洗浄力を向上させることができる。
【0078】
洗浄が完了したウェハは、前述した搬送装置110によってウェハ加工システム10の外部に搬出されることができる。
【0079】
一方、本発明の一実施形態に係るウェハ加工システム10は、バックグラインディング装置(図示せず)をさらに含むことができる。ウェハ加工システム10は、切り欠き加工装置130またはエッジ加工装置140によって切り欠き部Nまたはエッジ部Eの加工が完了した後、バックグラインディング装置(図示せず)を用いてウェハWの一面を研磨することができる。
【0080】
前述したように、ウェハWは切り欠き部N及びエッジ部Eの厚さが薄くなった状態であるため、ウェハ加工システム10はバックグラインディング過程で切り欠き部Nに損傷が発生せず、ウェハWの歩留まりを向上させることができる。
【0081】
以下では、図面を参照し、ウェハ加工システム10の各構成要素をより具体的に説明しながらウェハ加工システム10のウェハ加工方法について説明する。
【0082】
図6は、加工対象のウェハWを概略的に示す図であり、図7は、整列装置120を説明するための図であり、図8は、切り欠き部Nのエッジ情報を抽出する方法を説明するための図である。
【0083】
図6図8を参照すると、ウェハ加工システム10は、一側に切り欠き部Nが形成されたウェハWを準備する。
【0084】
ここで、ウェハWは、一面に素子が形成された状態であることができる。ウェハWの種類、大きさ及び形状は特に限定しない。例えば、ウェハWは、シリコン、ゲルマニウム、石英またはサファイアなどからなることができる。ウェハWは、半導体素子が形成された基板であるか、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display; LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diodes; OLED)、発光ダイオード(Luminescent diode; LED)などのディスプレイが形成された基板であることができる。
【0085】
ウェハWには、ウェハWの中心に向かって凹状の切り欠き部Nが形成されることができる。一般的にウェハWは、ウェハ表面のライン等のパターンやアラインキー(align key)等を用いて整列されるが、素子工程中ウェハ表面を保護するために樹脂層が塗布され、このようなパターンやアラインキーを認識するのが難しいという問題点がある。切り欠き部Nはこのような問題点を解決するためにウェハWの一側に形成されたものであり、ウェハ加工システム10はビジョンカメラによって切り欠き部Nの位置を把握してウェハWを整列させることになる。
【0086】
ウェハ加工システム10は、外部からウェハWが搬入されると搬送装置110を用いて加工作業が行われる支持台117にウェハWを載置することができる。ウェハWは、搬送装置110のプリアライナ113によって一次整列された状態で支持台117に搬送されることができる。
【0087】
支持台117にウェハWが載置されると、ウェハ加工システム10は、整列装置120を用いてウェハWの位置を認識し、加工前のウェハWを整列させることができる。整列装置120は、照明手段121とビジョンカメラ123とを含むことができる。
【0088】
照明手段121とビジョンカメラ123は、ウェハWを基準に互いに対向して配置されることができ、一実施形態として、照明手段121はウェハWの下部に配置されてウェハWに向かって光を照射し、ビジョンカメラ123はウェハWの上部に配置され、光が照射された状態でウェハWの映像を撮影して映像情報M1を取得することができる。
【0089】
ビジョンカメラ123の種類は特に限定しない。例えば、ビジョンカメラ123は、通常の光学カメラ、ToF(Time of Flight)カメラまたはライダー(lidar)であることができる。
【0090】
ウェハ加工システム10の制御部150は、前記受信した映像情報M1を分析してウェハWを整列させることができる。制御部150は、支持台117の位置を制御してウェハWを整列させることもでき、切り欠き部Nの位置情報を用いて切り欠き加工装置130またはエッジ加工装置140を制御することもできる。
【0091】
具体的には、制御部150は、整列装置120を介して取得した映像情報M1を用いて、ウェハW上の複数のポイント(例えば、4点以上)を抽出し、支持台117の回転軸とウェハWの中心点との偏差または切り欠き加工装置130及びエッジ加工装置140とウェハWの位置を事前に確認することができる。
【0092】
その後、制御部150は、前記確認された構成の位置情報に基づいて、切り欠き加工装置130とエッジ加工装置140とが設定された移動経路に沿って移動するように制御することができる。
【0093】
また、制御部150は、切り欠き部Nの映像情報M1を分析して切り欠き部Nのエッジ情報を抽出することができる。制御部150は、照明手段121を用いてウェハWの下面または上面に向けて光を照射した状態でウェハWを基準に照明に対向して配置されたビジョンカメラ123で撮影した切り欠き部Nの映像情報M1を分析することができる。前記の映像情報M1は、図8に示すように、ウェハW領域が光を覆って暗く、切り欠き部N光が通過して明るくてもよい。このような明暗の差を用いて、制御部150は、切り欠き部Nのエッジ情報を抽出することができる。
【0094】
より具体的には、切り欠き部Nのエッジ情報は、切り欠き部Nのエッジラインに沿って抽出された複数のエッジポイントpの情報を含むことができる。一実施形態として、図8に示すように、制御部150は、切り欠き部Nのエッジラインに沿って一定の間隔で複数のエッジポイントpを抽出することができる。
【0095】
制御部150は、抽出されたエッジ情報と予め計画された切り欠き加工情報とを用いて切り欠きホイール131の加工経路を設定することができる。前記切り欠きホイール131の加工経路は、切り欠きホイール131の中心O1を基準に設定され、後述する図9のようにウェハWの外部に、エッジラインに沿って設定されることができる。
【0096】
ここで、制御部150は、切り欠き加工装置130を設定された移動経路に従って移動するように制御することにあたって、設定された移動経路は、前のウェハW加工時に切り欠き加工装置130が移動した経路であることができる。ウェハ加工システム10として1つの製造単位(LOT単位)で提供されるウェハの場合、ウェハWの切り欠き部Nは類似の形状に形成されることができる。
【0097】
本発明の一実施形態に係るウェハ加工システム10は、現在加工されるウェハの切り欠き部を加工するにあたって、以前に加工されたウェハの切り欠き部を加工する際に使用された、設定された移動経路で切り欠き加工装置130を移動するように制御することにより、切り欠き部加工効率を極大化することができる。
【0098】
ただし、この場合、単に前のウェハを加工する際に設定された移動経路をすぐに適用するものではなく、ウェハ加工システム10の制御部150は、受信した映像情報M1を用いてウェハWの切り欠き部Nのエッジラインが前のウェハの切り欠き部のエッジラインと差があるかどうかなどを確認し、差が発生した場合には現在のウェハWの設定された移動経路を変更することができる。
【0099】
すなわち、ウェハ加工システム10はウェハの切り欠き部の映像情報を分析し、前のウェハと現在のウェハとの差がない場合、前のウェハの加工経路に沿って加工し、差がある場合、映像情報を用いて切り欠き加工装置の移動経路を再設定することで、切り欠き部加工工程を正確かつ効率的に実行することができる。
【0100】
図9は、本発明の一実施形態に係る切り欠き加工装置130を概略的に示す図であり、図10は、図9の切り欠き加工装置130を用いたウェハ加工方法を説明するための概念図であり、図11a~図11cは、ウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
【0101】
図9図11cを参照すると、支持台117上にウェハWが整列されると、ウェハ加工システム10は、切り欠き加工装置130を用いてウェハWの切り欠き部Nの厚さを薄くするトリミング加工または切り欠き部Nの一部を切断するカッティング加工を実行することができる。
【0102】
切り欠き加工装置130は、図11aに示すように、予め設定された直径RAを有する切り欠きホイール131及び切り欠きホイール131に接続された第1スピンドル133を含むことができる。
【0103】
切り欠きホイール131は、ウェハWを直接加工する部材であり、第1スピンドル133の一端に接続されることができる。切り欠きホイール131は、第1スピンドル133の回転によって回転しながらウェハWを加工することができる。例えば、切り欠きホイール131は、ウェハWに形成された切り欠き部Nを加工してその厚さを薄くしたり、切り欠き部Nの一部をカッティングしたりすることができる。
【0104】
第1スピンドル133は、回転軸Ax1を中心に回転し、そのためにモータ(図示せず)などを設けることができる。一実施形態として、第1スピンドル133は第1支持プレート135上に配置することができる。第1支持プレート135は、ガントリー(図示せず)等に接続された状態でウェハWが載置された支持台117に向かって移動することができる。
【0105】
また、第1スピンドル133は、第1支持プレート135に接続された状態で回転及び移動することができる。あるいは、第1支持プレート135によって切り欠き加工装置130が固定された状態である場合、支持台117が切り欠き加工装置130に移動及び回転して切り欠き加工を行うことができる。以下では、説明の便宜上、切り欠き加工装置130が支持台117に移動して切り欠き加工を実行する場合を中心に説明する。
【0106】
ウェハ加工システム10は、ウェハWが整列された後、切り欠きホイール131を用いて切り欠き部Nの一定領域が予め設定された厚さd1(図11b参照)を有するように切り欠き部Nを加工することができる。このとき、切り欠きホイール131の直径RAは、加工される切り欠き部Nの一定領域の幅Aより大きくてもよい。
【0107】
言い換えれば、ウェハ加工システム10は、切り欠きホイール131の中心O1が前記切り欠き部Nに重ならないように切り欠きホイール131を制御しながら切り欠き部Nを加工することができる。すなわち、切り欠き加工が実行される間、切り欠きホイール131の中心O1はウェハWの外側に位置することができる。
【0108】
一実施形態として、切り欠きホイール131の直径RAは、加工される切り欠き部Nの一定領域の幅Aの2倍より大きくてもよい。図10を参照すると、切り欠きホイール131の半径RA/2は、切り欠き部Nの固有幅DAと同じであることができる。このとき、切り欠き部Nの固有幅DAは、ウェハWのエッジラインから切り欠き加工が実行された一定領域までの距離(x-y平面上の距離)であることができる。
【0109】
具体的には、図11aに示すように、ウェハ加工システム10は、第1直径RAを有する切り欠きホイール131の一部がウェハWに接触した状態でウェハWを加工することができる。このとき、切り欠きホイール131は円筒状に形成されることができ、切り欠きホイール131によって加工されたウェハWの上面Waと側面Wbは図11bに示すように垂直に形成されることができる。
【0110】
ただし、このような上面Waと側面Wbは、切り欠きホイール131の形状に対応されることができる。例えば、切り欠きホイール131のエッジ部分の角度が86°~94°の範囲の値を有する場合、上面Waと側面Wbとの間の角度は94°~86°の範囲の値と決定されることができる。
【0111】
一実施形態として、ウェハ加工システム10は、切り欠き加工装置130を用いてウェハWを加工することにあたって、ウェハの一面に対して垂直である垂直方向(図9においてz方向)に切り欠き加工装置130を移動するように制御して切り欠き部Nを加工することができる。このとき、切り欠きホイール131の平面(x-y平面)上での座標は、固定された状態でウェハWの切り欠き部Nに向かって垂直方向(z方向)に移動することにより、切り欠き部Nを加工することができる。
【0112】
他の実施形態として、ウェハ加工システム10は、切り欠き加工装置130を用いてウェハWを加工することにあたって、ウェハの一面に対して水平である水平方向(x-y方向)に切り欠き加工装置130を移動するように制御して切り欠き部Nを加工することができる。このとき、切り欠きホイール131の垂直方向(z方向)の座標は、固定された状態でウェハWの切り欠き部Nに向かって水平方向(x-y方向)に移動することにより、切り欠き部Nを加工することができる。
【0113】
また他の実施形態として、ウェハ加工システム10は、切り欠き加工装置130を用いてウェハの一面に対して垂直である垂直方向(z方向)に先ず、深さ加工を実行した後、水平方向(x-y方向)に幅加工を実行するすることができる。
【0114】
また他の実施形態として、ウェハ加工システム10は、切り欠き加工装置130を用いて水平方向(x-y方向)と垂直方向(z方向)に同時に移動するように制御することにより、ウェハWの切り欠き部Nを加工することができる。
【0115】
切り欠き加工装置130を用いてウェハWの切り欠き部Nに対する加工が完了すると、図11cのように切り欠き部Nの一定領域の厚さが変わって陰影が発生することができる。
【0116】
図12は、他の実施形態に係る切り欠き加工装置を用いたウェハ加工方法を説明するための概念図であり、図10a~図10cは、図9のウェハ加工方法によって加工された部分を説明するための図である。
【0117】
図12図13cを参照すると、本発明の他の実施形態に係る切り欠き加工装置130の切り欠きホイール131′は、第1加工部1311と第2加工部1312とを含むことができる。これにより、他の実施形態に係る切り欠きホイール131′によって加工された切り欠き部Nの一定領域は、第1厚さd1を有する第1領域n1と前記第1厚さd1と異なる第2厚さd2を有する第2領域n2を含むことができる。
【0118】
他の実施形態に係る切り欠きホイール131′によって加工された切り欠き部Nの一定領域は、平面上から見たとき、第1幅A1を有する第1領域n1と第2幅A2とを有する第2領域n2からなることができる。
【0119】
図12では、切り欠きホイール131′の直径RA′が図10の切り欠きホイール131の直径RAより小さい場合を例として示しており、このような場合も切り欠きホイール131′の直径RAは、切り欠き部Nの一定領域の幅A1+A2より大きくてもよい。したがって、切り欠き部Nの加工中に、切り欠きホイール131の中心O1′はウェハWと重ならず、ウェハWの外部に配置されることができる。
【0120】
図11aの切り欠きホイール131を用いて切り欠き部Nを加工する場合、図11cに示すように1つの影でのみ表現される。これとは異なり、第1加工部1311と第2加工部1312とを含む切り欠きホイール131′を用いて加工する場合、図13cに示すように厚さの差により2つの陰影で表現されるため、ビジョンカメラによって切り欠き部Nがより明確に認識されることができる。
【0121】
一実施形態として、切り欠き部Nの第2領域n2は傾斜面Weを含むことができる。 言い換えれば、切り欠き部Nの第2領域n2は、第2厚さd2で一定に形成されるのではなく、第1領域n1の第1厚さd1から第2厚さd2に徐々に変化する形状からなることができる。
【0122】
具体的には、図13aに示すように、第1加工部1311は、図11aの切り欠きホイール131と同じ形状であることができ、第1スピンドル133の回転軸Ax1と同軸に配置される円筒形状を有することができる。
【0123】
第1加工部1311は、切り欠きホイール131の外郭に配置される部分であり、第1加工面1311aと第2加工面1311bとを含むことができる。第1加工面1311aと第2加工面1311bは、図11aの切り欠きホイールのように実質的に垂直に形成されることができる。
【0124】
第1加工面1311aは、切り欠き部Nの上面Waと接触し、第1スピンドル133の回転によって上面Waを加工することができる。一実施形態として、第1加工面1311aは、第1加工部1311の底面で、切り欠き部Nの上面Waと平行に配置されることができる。
【0125】
第2加工面1311bは、切り欠き部Nの側面Wbと接触して第1スピンドル133の回転によって側面Wbを加工することができる。一実施形態として、第2加工面1311bは、第1加工部1311の側面で、切り欠き部Nの側面Wbと平行に配置されることができる。
【0126】
第2加工部1312は、第1加工部1311の一側に配置されることができる。一実施形態として、第2加工部1312は、第1加工部1311の半径方向内側に位置し、第1スピンドル133の回転軸Ax1と同軸で配置されることができる。
【0127】
第2加工部1312は、図に示すように、テーパ面1312aと平坦面1312bとを有することができる。テーパ面1312aは、切り欠き部Nの傾斜面Weを加工するように配置されることができる。
【0128】
一実施形態として、第2加工部1312は円錐台(circular truncated cone)形状を有することができ、テーパ面1312aは第2加工部1312の側面に該当することができる。また、テーパ面1312aは、第1加工部1311の第1加工面1311aと第1角度θをなすように配置されることができる。
【0129】
これにより、切り欠き加工装置130によって加工されたウェハWの切り欠き部Nには、上面Wa、側面Wb、傾斜面Weを形成することができる。より具体的には、図13a及び図13bに示すように、第1加工部1311により切り欠き部Nの上面Wa及び側面Wbが加工され、第2加工部1312によって切り欠き部Nの傾斜面Weを加工することができる。
【0130】
また、第1加工面1311aとテーパ面1312aとがなす第1角度θと同様に、切り欠き部Nの上面Waと傾斜面Weは互いに第1角度θをなすように配置されることができる。したがって、上面Waに比べて比較的に下方に傾斜した傾斜面Weに陰影が生じ、上面Waと傾斜面Weとの間には境界線が形成されることができる。
【0131】
他の実施形態として、整列装置120は、ウェハWの素子面を撮像し、これに基づいて突起が形成された不良素子等を確認することができる。その後、ウェハ加工システム10は、切り欠き加工装置130を用いてウェハWの不良素子を除去する加工を実行することができる。
【0132】
整列装置120は、切り欠き部N加工及び/またはエッジ部E加工が完了した後または加工が実施される前に、ウェハWの素子面を検査する。このとき、ウェハWの素子面には、製造過程において異物等により突起が形成された状態であることができる。このような突起はウェハWの品質を低下させ、他の工程で装置と衝突して損傷等を引き起こす可能性がある。
【0133】
整列装置120がウェハWの素子面を撮像すると、切り欠き加工装置130はウェハWの切り欠き部Nを加工するのに用いられることができるだけでなく、ウェハWの不良素子を除去するのにも用いられることができる。例えば、切り欠き加工装置130は、切り欠きホイール131を用いて不良素子を削り取り、除去することができる。
【0134】
図14a及び図14bは、他の実施形態に係る切り欠きホイール231を説明するための図である。
【0135】
図14a及び図14bを参照すると、他の実施形態に係る切り欠きホイール231は、ウェハWと接触する第1加工面2311aを含む加工部2311を設け、このとき、加工部2311は、切り欠きホイール231の端部を意味することができる。他の実施形態に係る切り欠きホイールは、図11aの切り欠きホイール131と比較して、加工部2311を2つ以上に分割するように形成されたスリット部233を含むことができる。
【0136】
スリット部233は、切り欠きホイール231の端部である加工部2311を2つ以上に分割することができる。例えば、図14aに示すように、スリット部233は、加工部2311を第1方向に分割する第1スリット233aと、加工部2311を第1方向とは異なる第2方向に分割する第2スリット233bを含むことができる。
【0137】
具体的には、第1スリット233aは、加工部2311の第1加工面2311aから切り欠きホイール231の内部に向かって凹状の溝からなることができる。第1スリット233aは、第1方向に沿って形成され、加工部2311の側面である第2加工面2311bを貫通する形状に形成されることができる。
【0138】
同様に、第2スリット233bは、加工部2311の第1加工面2311aから切り欠きホイール231の内部に向かって凹状の溝からなることができる。第2スリット233bは、第1方向と交差する第2方向に沿って形成され、加工部2311の側面である第2加工面2311bを貫通する形状に形成されることができる。
【0139】
第1スリット233aと第2スリット233bは切り欠きホイール231の中心Oで交差することができ、図示のように第1スリット233aと第2スリット233bは十字形に配置されることができる。第1スリット233aは加工部2311を第1方向に分割し、第2スリット233bは加工部2311を第2方向に分割することができる。しかしながら、これは一実施形態に過ぎず、本発明はスリット部233の形態と数に限定されない。
【0140】
スリット部233は、切り欠き加工工程中に供給される研磨水を切り欠きホイール231全体に円滑に供給する機能を実行することができる。すなわち、加工部2311の第1加工面2311aは、スリット部233が形成されることにより、切り欠き部Nの上面に直接研磨水を供給しながら加工することができる。また、研磨水はスリット部233を通じて循環し続けるため、ウェハWを研磨する過程で発生するチップ(chip)が容易に排出されるようにすることができる。
【0141】
一実施形態として、第1スリット233aと第2スリット233bは、第1加工面2311aに対して垂直方向に深さを有する溝であることができる。これにより分割される加工部2311は、角張った角端設けるようになり、このような角端はウェハWの加工過程で加工ブレードの役割を果たすことができる。スリット部233を設ける切り欠きホイール231は研削力が向上し、ウェハWの加工品質をさらに向上させることができる。
【0142】
図15a及び図15bは、また他の実施形態に係る切り欠きホイール231′を説明するための図である。
【0143】
図15a及び図15bを参照すると、また他の実施形態に係る切り欠きホイール231′は、図13aの切り欠きホイール131′と同様に、第1加工部2311と第2加工部2312とを含み、第1加工部2311と第2加工部2312を2つ以上に分割するように形成されたスリット部233を含むことができる。
【0144】
第1加工部2311は第1直径R1を有し、第2加工部2312は第1直径R1より小さい第2直径R2を有し、第1加工部2311一端から外側に突出するように第1加工部2311の一端に配置されることができる。
【0145】
第1加工部2311は、切り欠きホイール231の外郭に配置される部分であり、第1加工面2311aと第2加工面2311bとを含むことができる。第1加工面2311aと第2加工面2311bは、図11aの切り欠きホイールのように実質的に垂直に形成されることができる。
【0146】
第2加工部2312は、第1加工部2311の一側に配置されることができる。一実施形態として、第2加工部2312は、第1加工部2311の半径方向内側に位置し、第1スピンドル133の回転軸Ax1と同軸で配置されることができる。
【0147】
第2加工部2312は、図に示すように、テーパ面2312aと平坦面2312bとを有することができる。テーパ面2312aは、切り欠き部Nの傾斜面Weを加工するように配置されることができる。
【0148】
一実施形態として、第2加工部2312は円錐台(circular truncated cone)形状を有することができ、テーパ面2312aは第2加工部2312の側面に該当することができる。また、テーパ面2312aは、第1加工部2311の第1加工面2311aと第1角度θをなすように配置されることができる。
【0149】
スリット部233は、切り欠きホイール231の端部である第1加工部2311と第2加工部2312とを2以上に分割することができる。例えば、図15aに示すように、スリット部233は、第1加工部2311と第2加工部2312を第1方向に分割する第1スリット233aと、加工部2311を第1方向とは異なる第2方向に分割する第2スリット233bを含むことができる。
【0150】
具体的には、第1スリット233aは、加工部2311の第1加工面2311aから切り欠きホイール231の内部に向かって凹状の溝からなることができる。第1スリット233aは、第1方向に沿って形成され、加工部2311の側面である第2加工面2311bを貫通する形状に形成されることができる。
【0151】
他の実施形態として、第1スリット233aと第2スリット233bは互いに異なる深さを有するように配置されることができる。これにより、第1スリット233aと第2スリット233bとの間には段差を形成されることができる。
【0152】
他の実施形態として、第1スリット233aと第2スリット233bは傾斜を有するように配置されることができる。例えば、第1スリット233aと第2スリット233bは、切り欠きホイール231の中心Oに向かってテーパ面2312aの傾きと同じ第1角度θを有するように形成されることができる。
【0153】
図16及び図17は、本発明の一実施形態に係るエッジ加工装置140を説明するための図である。
【0154】
図16及び図17を参照すると、エッジ加工装置140は、ウェハ加工システム10の一側に配置され、ウェハWのエッジ部分を加工する機能を実行することができる。エッジ加工装置140は、支持台117にウェハWが載置されると、支持台117に向かって移動してウェハWのエッジ部Eを加工することができる。
【0155】
本発明の一実施形態に係るウェハ加工システム10は、ウェハWの切り欠き部Nを加工した直後にバックグラインディング工程を実行することもできるが、必要に応じてエッジ加工装置140を用いてウェハWのエッジ部Eの厚さを薄くするトリミング工程を実行することができる。
【0156】
エッジ加工装置140は、エッジホイール及び第2スピンドルを設けることができる。このとき、エッジホイールは、ウェハWのエッジ部Eに沿って加工するが、エッジ部Eの一定領域が予め設定された厚さを有するようにエッジ部Eを加工することができる。第2スピンドルは一端にエッジホイールを取り付けるが、回転軸を中心に回転可能にエッジホイールを取り付けることができる。
【0157】
一実施形態として、エッジ加工装置140は、2つのエッジホイールと2つのスピンドルを含むことができる。具体的には、エッジ加工装置140は、第1エッジホイール141及び前記第1エッジホイール141と接続される第2-1スピンドル143を含むことができる。また、エッジ加工装置140は、図示してはないが、第2-1スピンドル143と接続される第2-1支持プレート(図示せず)を含むことができる。
【0158】
また、エッジ加工装置140は、支持台117を基準に第1エッジホイール141と対向配置される第2エッジホイール142と、第2エッジホイール142と接続される第2-2スピンドル144と、第2-2スピンドル144と接続される第2-2支持プレート145とを設けることができる。
【0159】
第1エッジホイール141及び第2エッジホイール142は、それぞれ第2-1支持プレート(図示せず)及び第2-2支持プレート145に接続された状態で、第2-1スピンドル143及び第2-2スピンドル144の回転によって回転しながらウェハWのエッジ部Eを加工することができる。
【0160】
例えば、一対のエッジ加工装置140は、支持台117を中心に時計方向または反時計方向に回転しながらウェハWのエッジ部Eを加工することができる。
【0161】
他の実施形態として、図17に示すように、エッジ加工装置140は、ウェハWのエッジ部Eを加工する間、位置が固定された状態で支持台117が中心軸Ax1を中心に時計方向または反時計方向に回転しながらウェハWのエッジ部Eを加工することができる。
【0162】
図18図20bは、本発明の一実施形態に係るエッジ加工方法を説明するための図である。
【0163】
図18及び図20bを参照すると、ウェハ加工システム10は、ウェハWの切り欠き部Nの一定領域が予め設定された第1厚さを有するように切り欠き部Nを加工し、エッジ部Eの一定領域が予め設定された第2厚さを有するようにエッジ部Eを加工することができる。
【0164】
このとき、エッジ工程により加工されるエッジ部Eの一定領域RHは、切り欠き部Nより小さくてもよい。具体的には、エッジ部Eの一定領域RHは、ウェハWのエッジラインから切り欠き部Nが加工される一定領域Aまでの最大距離である切り欠き部Nの固有幅DAより小さくてもよい。言い換えれば、第1エッジホイール141及び第2エッジホイール142がウェハWと接触する加工幅は、切り欠きホイール131の直径より小さくてもよい。
【0165】
このとき、切り欠き加工装置130によって予め設定された第1厚さを有するように加工される切り欠き部Nの加工深さd4は、エッジ加工装置140によって予め設定された第2厚さを有するように加工されるエッジ部Eの加工深さd3と同じであってもよく、大きくてもよい。加工深さd3、d4は、切り欠きホイール131またはエッジホイール141によってウェハWの上面Wtから垂直方向に加工される深さであることができる。
【0166】
エッジ部Eの加工深さd3を切り欠き部Nの加工深さd4と同一または小さく設定することにより、エッジ加工による切り欠き部Nのクラック発生を最小限に抑えることができる。例えば、ウェハ加工システム10は、切り欠き部Nの厚さを180μm程度薄くするように加工する場合、エッジ部Eは、150μm程度の厚さを薄くするように加工することができる。ただし、これは一実施形態に過ぎず、切り欠き部Nとエッジ部Eともに厚さが150μm薄くなるように加工することができ、これとは異なる加工厚さに加工できることは言うまでもない。
【0167】
図20a及び図20bを参照すると、一実施形態として、エッジ加工装置140がエッジ加工を開始する第2加工位置sp2は、切り欠き加工装置130が切り欠き加工を開始する第1加工位置sp1と異なってもよい。ここで、第1加工位置sp1と第2加工位置sp2は、ウェハW上での加工位置であることができる。
【0168】
図16のように、エッジ加工装置140が2つのエッジホイール141、142を設ける場合、第1エッジホイール141の第1加工位置sp2-1と第2加工位置sp2-2は、ウェハWの中心WOを基準に切り欠き部Nに対して垂直な方向のエッジ部Eに位置することができる。または、図17のように、エッジ加工装置140が1つのエッジホイール141を設ける場合、エッジホイール141の第2加工位置sp2-3はウェハWの中心WOを基準に切り欠き部Nに対向するエッジ部Eに位置することができる。しかしながら、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、切り欠き加工が開始される第1加工位置とエッジ加工が開始される第2加工位置とが一致することができるのは言うまでもない。
【0169】
図21は本発明の一実施形態に係る自動工具交換装置160を説明するための図であり、図22は自動工具交換装置160の他の実施形態を説明するための図である。
【0170】
図21を参照すると、自動工具交換装置160は、ウェハ加工システム10の一側に配置されるが、切り欠き加工装置130が加工工程を実行しないときに切り欠き加工装置130と隣接して配置されることができる。
【0171】
自動工具交換装置160は、切り欠き加工装置130の切り欠きホイール131に異常があるか、または劣化した場合に切り欠きホイール131を自動的に交換する機能を実行する。一実施形態として、自動工具交換装置160は制御部150によって制御され、切り欠き加工装置130の切り欠きホイール131の加工回数が予め設定された基準を超える場合、切り欠きホイール131を交換することができる。
【0172】
他の実施形態として、自動工具交換装置160は、切り欠きホイール131の状態を確認する検査装置170(図2参照)と連携して、加工前または加工後検査装置170が切り欠きホイール131の状態を確認し、切り欠きホイール131の状態に応じて自動的に切り欠きホイール131を交換することができる。
【0173】
または、自動工具交換装置160は、予め設定された加工回数を超える場合、切り欠きホイール131を交換することに設定するが、検査装置170を通じて定期的に検査し、予め設定された加工回数未満であっても問題がある場合はすぐに切り欠きホイール131を交換することもできる。
【0174】
より具体的には、図22を参照して説明すると、本発明の一実施形態に係る自動工具交換装置160は、カセットユニット161、収容感知部163、駆動部165及びチェックセンサユニット167を含むことができる。
【0175】
カセットユニット161は、複数の新規切り欠きホイールN131を収容することができ、各新規切り欠きホイールN131を収容するための複数の収容部1611を含むことができる。カセットユニット161は、図19のように一列に配置される複数の収容部1611を2列以上に設けてもよく、図18のように回転するディスクに沿って一列に配置される複数の収容部1611を設けてもよい。
【0176】
カセットユニット161は、自動工具交換装置160の一側に固定設置され、収容部1611に新規切り欠きホイールN131が新たに充填される構造であってもよい。しかしながら、本発明はこれに限定されず、カセットユニット161は、それ自体が自動工具交換装置160に対して交換可能であるようにカートリッジの形態で形成されることができる。
【0177】
収容感知部163は、カセットユニット161の複数の収容部1611のそれぞれに新規切り欠きホイールN131が収容されたか否かを感知することができる。自動工具交換装置160は、収容感知部163を用いて、複数の収容部1611のうち新規切り欠きホイールN131がない収容部1611の位置または数を把握することができる。
【0178】
駆動部165は、カセットユニット161と接続されてカセットユニット161の位置を変更したり、複数の収容部1611の位置を移動させる機能を実行することができる。駆動部165は、カセットユニット161の構造に応じて、カセットユニット161または複数の収容部1611の位置を直線運動または回転運動させるための構成を含むことができる。
【0179】
一実施形態として、図21に示すように、カセットユニット161がディスク形態からなる場合、駆動部165はカセットユニット161を回転させる構成を含むことができる。例えば、自動工具交換装置160は、切り欠き加工装置130の進入位置に対応するように駆動部165を用いてカセットユニット161を回転させることができる。すなわち、自動工具交換装置160は、新規切り欠きホイールN131が収容されたホイールカセットを駆動部165を用いて回転させ、交換する新規切り欠きホイールN131を切り欠き加工装置130の一方向(x方向)と同一線上に位置させることができる。
【0180】
チェックセンサユニット167は、スピンドル133の一端に取り付けられる新規切り欠きホイールN131の位置情報を測定することができる。具体的には、チェックセンサユニット167は、スピンドル133の一端から新規切り欠きホイールN131の末端までの長さ情報を取得する機能を実行することができる。これにより、自動工具交換装置160は、新規切り欠きホイールN131を取り付ける過程で発生する可能性のある位置誤差を補正し、予め設定された加工計画に従って切り欠き工程を直ちに実行することができる。
【0181】
一実施形態として、チェックセンサユニット167はタッチセンサからなることができる。切り欠き加工装置130は、カセットユニット161で新規切り欠きホイールN131を取り付けた後、自動工具交換装置160の一側に配置されるチェックセンサユニット167上において上下に移動し、新規切り欠きホイールN131の末端がタッチされることを感知することにより、新規切り欠きホイールN131の位置情報を取得することができる。
【0182】
他の実施形態として、チェックセンサユニット167はレーザを用いた距離測定センサであることもでき、ビジョンカメラを用いて位置情報を取得することができるのは言うまでもない。
【0183】
図23及び図24は、本発明の一実施形態に係る自動工具交換方法を説明するための図である。
【0184】
図23及び図24aを参照すると、自動工具交換方法は、まずスピンドル133の一端に既存の切り欠きホイール0131の取り付け有無を確認するS100。このとき、自動工具交換装置160は、スピンドル133の一端に既存の切り欠きホイール0131の取り付け有無を感知できる取り付けセンサ162をさらに含むことができる。このとき、取り付けセンサ162はビジョンカメラからなることができ、スピンドル133の一端を撮影して既存の切り欠きホイール0131が取り付け有無を確認することができる。
【0185】
他の実施形態として、切り欠き加工装置130は、スピンドル133の一端に切り欠きホイール131の取り付け有無着を確認する切り欠きホイール感知部139を含むことができる。例えば、取り付け感知部139は接触センサまたは圧力センサからなり、スピンドル133の一端に既存の切り欠きホイール0131の取り付け有無を確認することができる。さらに別の実施形態として、切り欠き加工装置130の切り欠きホイール感知部139はRFIDリーダーからなることもできる。言い換えれば、切り欠きホイール131には固有情報が入力されたRFIDタグが付着されることができ、切り欠きホイール感知部139はRFIDリーダーを用いてタグ情報を取得することにより、切り欠きホイール131が取り付けられているか、取り付けられた切り欠きホイール131が新規の切り欠きホイールであるか、既存の使っていた切り欠きホイールであるかなどを感知することができる。
【0186】
その後、図23及び図24bを参照すると、自動工具交換方法は、スピンドル133の一端に既存の切り欠きホイール0131が取り付けられている場合、スピンドル133を予め設定された区域に移動させ、既存の切り欠きホイール0131を除去することができるS200。予め設定された区域には、除去された既存の切り欠きホイール0131を収容する切り欠きホイール回収箱Rが位置することができる。
【0187】
その後、自動工具交換方法は、スピンドル133の一端の既存の切り欠きホイール0131が除去されたか否かを確認することができるS300。ステップS300は、前の ステップS100で既存の切り欠きホイール0131の取り付け有無を確認するための取り付けセンサ162を用いたり切り欠き加工装置130に含まれた切り欠きホイール感知部129を用いて既存の切り欠きホイール0131が除去されたか否かを確認することができる。
【0188】
その後、図23及び図24cを参照すると、自動工具交換方法は、複数の新規切り欠きホイールN131を収納するカセットユニット161にスピンドル133を移動させ、複数の新規切り欠きホイールN131のうちいずれか1つをスピンドル133の一端に取り付けることができるS400。
【0189】
前述したように、カセットユニット161は、複数の新規切り欠きホイールN131をそれぞれ収容する複数の収容部1611を含むことができる。ここで、複数の新規切り欠きホイールN131のうちいずれか1つをスピンドル133の一端に取り付けるステップは、カセットユニット161の複数の収容部1611のうち予め決定されたいずれか1つの収容部1611にスピンドル133を移動させて取り付けることができる。
【0190】
カセットユニット161は、複数の収容部1611のそれぞれに新規切り欠きホイールN131が収容されたか否かを感知する収容感知部163を含むことができるが、自動工具交換方法はこのような収容感知部163よって感知された結果を用いて、スピンドル133が移動する1つの収容部1611を決定することができる。
【0191】
言い換えれば、カセットユニット161は、収容感知部163によって新規切り欠きホイールN131を含む収容部1611の位置を把握することができ、新規切り欠きホイールN131を含む収容部1611のうち、スピンドル133が最短に移動できる最適の収容部1611を抽出することができる。自動工具交換方法は、抽出された最適な収容部1611にスピンドル133を移動させて新規切り欠きホイールN131を取り付けることができる。
【0192】
他の実施形態として、自動工具交換方法は、図21のようにカセットユニット161がホイール形態に形成される場合、抽出された最適収容部1611が切り欠き加工装置130の移動方向(x方向)に隣接するように駆動部165を用いてカセットユニット161を回転させることができる。その後、切り欠き加工装置130は、交換する新規切り欠きホイールN131の上部に移動して取り付けることができる。
【0193】
その後、自動工具交換方法は、チェックセンサユニット167(図22参照)を用いて交換された切り欠きホイールN131が正しく取り付けられたかを確認することができる。自動工具交換方法は、チェックセンサユニット167を用いてスピンドル133の一端E1から新規切り欠きホイールN131の末端までの第1長さを測定し、予め知っているスピンドル133の一端から既存の切り欠きホイール0131の末端までの第2長さと第1長さを用いてスピンドル133の位置を補正することができる。
【0194】
チェックセンサユニット167はタッチセンサであることができ、切り欠き加工装置130が下方に移動して切り欠きホイールN131の末端が接触されると、これを感知して新規切り欠きホイールN131の取り付け高さを測定することができる。制御部150は、この位置情報を用いて、感知された新規切り欠きホイールN131の取り付け高さを基準に既存の切り欠きホイール0131との高さの差を補正した後、切り欠き部Nを加工するように制御することができる。これにより、切り欠き加工装置130は、自動的に切り欠きホイールを交換した後、別途のティーチング(teaching)なしで加工を直ちに実行することができ、工程効率を向上させることができる。
【0195】
その後、図23を参照すると、切り欠き加工装置130は、新規切り欠きホイールN131が取り付けられたスピンドル133をウェハの切り欠き部Nに移動させ、切り欠き部Nの一定領域が予め設定された厚さを有するように切り欠き部Nを加工することができる。
【0196】
前記自動工具交換方法は、スピンドル133の一端に既存の切り欠きホイール0131の交換有無を判断して実行されることができる。言い換えれば、自動工具交換方法は、予め設定された加工回数に基づいて既存の切り欠きホイール0131の交換有無を判断したり、後述する検査装置170を用いて定期的に既存の切り欠きホイール0131の異常有無を確認した後、交換するか否かを判断することができる。
【0197】
図25は、本発明の一実施形態に係る検査装置170を説明するための図である。
【0198】
図25を参照すると、検査装置170は、切り欠き加工装置130またはエッジ加工装置140の加工前または後に、切り欠きホイール131またはエッジホイール141の状態を確認する機能を実行する。以下では、説明の便宜上、図に示すように検査装置170がエッジ加工装置140の状態を確認する場合を中心に説明する。
【0199】
検査装置170は、エッジホイール141に向けて光を照射する光源部171と、前記光源部171に対向して配置され、エッジホイール141の状態を撮影する撮像部173とを含むことができる。
【0200】
光源部171はエッジ加工装置140のエッジホイール141に光を放射し、撮像部173はエッジホイール141で反射された光を撮像することができる。撮像部173は光源部171に対向して配置され、エッジホイール141に照射された光を撮影するようになるが、エッジホイール141に対応する部分はエッジホイール141に隠されて暗く撮影され、残りの部分は明るく撮影することができる。
【0201】
これにより、撮像部173を通じて撮影された映像は、明暗によってエッジホイール141の縁が検出され、映像を通じてエッジホイール141の状態を確認することができる。ウェハ加工システム10は、エッジホイール141の状態に応じてエッジホイール141の交換可否を決定することができる。ウェハ加工システム10は、エッジホイール141が磨耗したり異常がある場合には、エッジホイール141を自動的に交換したり、作業者に通知で案内することができる。
【0202】
前述したように、本発明の一実施形態に係るウェハ加工方法は、バックグラインディング工程前にウェハWの切り欠き部Nを加工し、バックグラインディング工程中に発生するウェハWの損傷を防止することができる。
【0203】
また、本発明の一実施形態に係るウェハ加工方法は、切り欠き部加工中に切り欠きホイール131の中心がウェハWの外部に配置されるようにし、安定して精巧な切り欠き部加工を実行することができる。
【0204】
また、本発明の一実施形態に係るウェハ加工方法は、ウェハWの切り欠き部Nに傾斜面を形成し、これを後工程でアラインマークとして活用することで、認識誤りを防止することができる。
【0205】
このように、本発明は図に示された一実施形態を参照して説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、このことから様々な変形及び実施形態の変更が可能であることを理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本発明の一実施形態によれば、ウェハ加工方法及びシステムを提供する。また、切り欠き部を含むウェハ加工などに本発明の実施形態を適用することができる。


図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25