(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063107
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20240501BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240501BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240501BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240501BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240501BHJP
H01L 33/44 20100101ALI20240501BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20240501BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
G09F9/30 310
G09F9/302 Z
H01L33/62
H01L33/58
H01L33/44
H01L33/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024028911
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2021521772の分割
【原出願日】2019-11-07
(31)【優先権主張番号】62/756,894
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/674,016
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ,チョン フン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の表示装置の少なくとも1つ以上の構成要素を不要にすることができる表示装置。
【解決手段】表示装置が提供される。表示装置は、フレキシブル基板と、フレキシブル基板上に互いに離間して配置された複数の発光ダイオードと、発光ダイオード間を満たし、各発光ダイオードの一部を覆って、個々の発光面を規定する遮光層LSと、を有し、発光面間の距離は、互いに等しい。係る表示装置によれば、フレキシブル基板上に複数の発光部を含む複数の発光素子を配置することで、低消費電力で高効率の光を取り出すことができ、これにより、当該表示装置は、様々な電子機器に適用することができる。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル基板と、
前記基板上に互いに離間して配置された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の間を満たし、前記複数の発光素子のそれぞれを部分的に覆って光抽出面を画定する遮光層と、を含み、
前記光抽出面との距離は同じである、表示装置。
【請求項2】
前記複数の発光素子は、第1方向における第1距離に互いに離間され、前記第1方向と垂直な第2方向における第2距離に互いに離間され、
前記第1距離は前記第2距離と等しいか、又はそれ以上である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記基板は、前記第1方向にロールされるように構成される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1距離が前記第2距離よりも大きい場合、
前記遮光層が、前記第1方向に前記発光素子を覆う領域よりも、前記第2方向に前記発光素子を覆う領域がより大きい、請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の発光素子と電気的に共通に接続された共通回路をさらに含み、
前記共通回路は、前記基板上に配置され、メッシュ構造を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記基板上に、前記発光素子を覆う保護層をさらに有し、
前記保護層は、可視光を透過させる材料を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記基板の硬度は、前記複数の発光素子のそれぞれの硬度よりも小さい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の発光素子のそれぞれは、前記基板上に、互いに水平に離間して設けられた第1発光部、第2発光部、および第3発光部を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記複数の発光素子のそれぞれは、前記基板上に、垂直に積層された第1発光部、第2発光部、および第3発光部を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3発光部は、前記第2発光部の幅よりも小さい幅を有し、前記第2発光部は、前記第1発光部よりも小さい幅を有する、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の発光素子のそれぞれは、前記基板の一面から上に行くほど小さくなる幅を有する、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、一般的には表示装置に関するものであり、より詳細には、フレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、表示装置は、光を利用した画像を表示する表示パネルと、表示パネルに光を供給するバックライトユニットを含んでいる。表示パネルは、スイッチング素子、画素電極、共通電極、およびカラー層を含む多数の画素セルを含んでいる。表示パネルとして、液晶表示パネルが広く利用されている。バックライトユニットから供給された光は、液晶とカラー層とを通過することにより、表示装置は、色付きの光の混合によってカラー画像を表示することができる。カラー画像を表示するためのカラー層は、例えば、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、および青色カラーフィルタを含んでいる。そして、各色のフィルタを通過した光が混合することにより、様々な色を表示することができる。このように、画像を表示するための様々な色の光を実現するためには、カラーフィルタが必要である。
【0003】
また、液晶には偏光が必要であり、そのため、一般的には偏光フィルタや各種光学フィルムが必要となる。そのため、表示装置が厚くなり重量化される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の例示的な実施形態にしたがって構成された複数の発光ダイオードを含む表示装置は、液晶、バックライトユニット、偏光フィルタ、およびカラーフィルタなどの従来の表示装置の少なくとも1つ以上の構成要素を不要にすることができる。
【0005】
本発明の概念の追加の特徴は、以下の説明に記載され、部分的には、説明から明らかになるか、または本発明の概念の実践によって理解することができるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態に係る表示装置は、フレキシブル基板と、基板上に互いに離間して配置された複数の発光素子と、発光素子の間を満たし、発光素子のそれぞれを部分的に覆って光抽出面をそれぞれ画定する遮光層と、を含み、隣接する光抽出領域間の距離は同じである。
【0007】
発光素子は、第1方向における第1距離、第1方向と垂直な第2方向における第2距離に互いに離間され、第1距離は第2距離と等しいか、又はそれ以上であってもよい。
【0008】
基板は、第1方向にロールされるように構成されていてもよい。
【0009】
第1距離が第2距離よりも大きい場合、前記遮光層が、第1方向に前記発光素子を覆う領域よりも、前記第2方向に前記発光素子を覆う領域がより大きくてもよい。
【0010】
表示装置は、発光素子と電気的に共通に接続された共通回路をさらに含み、共通回路は、基板上に配置され、メッシュ構造(mesh structure)を有していてもよい。
【0011】
表示装置は、基板上に、発光素子を覆う保護層をさらに有し、保護層は、可視光を透過
させる材料を含んでいてもよい。
【0012】
基板の硬度は、発光素子のそれぞれの硬度よりも小さくてもよい。
【0013】
発光素子のそれぞれは、基板上に、互いに水平に離間して設けられた第1発光部、第2発光部、および第3発光部を含んでいてもよい。
【0014】
発光素子のそれぞれは、基板上に、垂直に積層された第1発光部、第2発光部、および第3発光部を含んでいてもよい。
【0015】
第3発光部は、第2発光部よりも小さい幅を有し、第2発光部は、第1発光部よりも小さい幅を有していてもよい。
【0016】
発光素子のそれぞれは、基板の一面から上に行くほど小さくなる幅を有していてもよい。
【0017】
その他の実施形態の詳細は、詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0018】
本開示の例示的な実施形態に係る表示装置によれば、フレキシブル基板上に複数の発光部を含む複数の発光素子を配置することで、低消費電力で高効率の光を取り出すことができ、これにより、当該表示装置は、様々な電子機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1a】例示的な実施形態に係る表示装置を説明するための平面図である。
【
図1b】例示的な実施形態に係る表示装置を説明するための平面図である。
【
図1c】例示的な実施形態に係る表示装置を説明するための平面図である。
【
図2a】例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための平面図である。
【
図2b】
図2aに示す発光素子をA-A’線で切断した断面図である。
【
図2c】
図2aに示す発光素子をB-B’線で切断した断面図である。
【
図3a】他の例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための断面図である。
【
図3b】他の例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための断面図である。
【
図4a】他の例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための断面図である。
【
図4b】他の例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための断面図である。
【
図5a】他の例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための平面図である。
【
図5b】
図5aに示す発光素子をA-A’線で切断した断面図である。
【
図6a】本発明の他の実施形態に係る発光素子を説明するための平面図である。
【
図6b】
図6aに示す発光素子をA-A’線およびB-B’線で切断した断面図である。
【
図7a】例示的な実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための平面図である。
【
図7b】
図7aの発光素子をA-A’線で切断した断面図である。
【
図7c】
図7aの発光素子をB-B’線で切断した断面図である。
【
図8a】例示的な実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための平面図である。
【
図8b】
図8aの発光素子をA-A’線で切断した断面図である。
【
図8c】
図8aの発光素子をB-B’線で切断した断面図である。
【
図9a】例示的な実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための平面図である。
【
図9b】
図9aの発光素子をA-A’線で切断した断面図である。
【
図9c】
図9aの発光素子をB-B’線で切断した断面図である。
【
図10a】例示的な実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための平面図である。
【
図11a】例示的な実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための平面図である。
【
図12a】例示的な実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための平面図である。
【
図13a】例示的な実施形態に係る発光素子を実装基板に実装する方法を説明するための断面図である。
【
図13b】例示的な実施形態に係る発光素子を実装基板に実装する方法を説明するための断面図である。
【
図14】例示的な実施形態に係る表示装置が適用された電子機器を示す図である。
【
図15】例示的な実施形態に係る表示装置が適用された電子機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の構成と効果を十分に理解するために、本開示の実施形態を添付した図面を参照して説明する。ただし、本開示は、本明細書に記載の実施形態に限定されるものではなく、様々な形で実施されてもよく、様々な変更が加えられてもよい。
【0021】
以下、表示装置について、実施形態の様々な例を通じて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
本開示の実施形態で使用される技術用語は、別段の定めがない限り、当業者に従来から知られている意味で解釈され得る。
【0023】
図1a~
図1cは、例示的な実施形態に係る表示装置を説明するための平面図である。
図2aは、例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための平面図であり、
図2bは、
図2aの発光素子をA-A’線で切断した断面図であり、
図2cは、
図2aの発光素子をB-B’線で切断した断面図である。
図3aおよび
図3bは、他の例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための断面図である。
図4aおよび
図4bは、他の例示的な実施形態に係る発光素子を説明するための断面図である。
【0024】
図1a、
図1b、
図1c、
図2a、
図2b、
図2c、
図3a、
図3b、
図4a、および
図4bを参照すると、表示装置は、基板SUBと、基板SUB上に配置された複数の発光素子LEDを含む。
図1aおよび
図1bは、複数の発光素子LEDのそれぞれの第1面からの表示装置の平面図である。
図1cは、発光素子LEDのそれぞれの第1面に対向する第2面からの表示装置の平面図である。
【0025】
基板SUBは、可撓性及び可視光透過特性を有するプラスチック基板SUBを含む。プラスチック基板SUBは、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリジメチルシロキサン(PDMS)
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、およびポリ塩化ビニル樹脂のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。ただし、本発明の概念は、これに限定されるものではない。
【0026】
例示的な実施形態によれば、基板SUBは、第1方向DR1に巻き取る(rolling)ことができる。
【0027】
基板SUBの第1面上において、複数の発光素子LEDのそれぞれは、第1方向DR1における第1距離DT1、第1方向DR1と垂直な方向の第2方向DR2における第2距離DT2だけ互いに離間して配置される。例示的な実施形態によれば、第1距離DT1は第2距離DT2より大きくてもよい。この場合、発光素子LEDは、第2方向DR2よりも第1方向DR1に大きな距離だけ離れていることにより、基板SUBは第1方向DR1に容易に巻き取ることができる。他の例示的な実施形態によれば、第1距離DT1は、第2距離DT2と実質的に同じであってもよい。
【0028】
発光素子LED間の第1距離DT1および第2距離DT2の各々は、各々の発光素子LEDの臨界寸法(CD:critical dimension)の8倍~15倍であってもよい。例示的な実施形態によれば、各発光素子LEDの臨界寸法CDは、50μm~80μmであってもよい。
【0029】
例示的な実施形態によれば、基板SUBは、第1硬度を有していてもよく、各々の発光素子LEDは、第2の硬さを有していてもよい。第1硬度は、第2硬度よりも小さくてもよい。約50μm~約80μmの非常に小さな臨界寸法を有する発光素子LEDは、第1距離DT1および第2距離DT2によって互いに十分に離間されるので、発光素子LEDが、基板SUBの硬度よりも大きい硬度を有する場合であっても、基板SUBを巻き取ったり、曲げたりしても、発光素子LEDが割れるなどの損傷を防止することができる。
【0030】
図1aを参照すると、図示された例示的な実施形態に係る表示装置は、発光素子LED間を実質的に満たし、基板SUB上の発光素子LEDを覆う保護層PRTをさらに含んでいてもよい。保護層PRTは、可視光を透過し、柔軟性を有する材料を含んでいてもよい。保護層PRTは、シリコン系樹脂を含んでいてもよい。特に、保護層PRTは、シロキサン系樹脂のようなシリコン系樹脂またはエポキシ樹脂を含んでいてもよい。例えば、保護層PRTは、PDMSを含んでいてもよい。この場合、発光素子LEDの各々の発光領域LEAは、光抽出領域LEXと実質的に同じであってもよい。発光領域LEAは、各発光素子LEDが発光する領域であり、光抽出領域LEXは、発光領域LEAで発光した光が外部に取り出される領域を意味する。発光領域LEAと光抽出領域LEXは、基板SUBの一面を基準に画定されてもよい。一例として、発光素子LED間の第1距離DT1および第2距離DT2が同じである場合、光抽出領域LEX間の距離は同じであってもよい。他の例として、発光素子LED間の第1距離DT1が第2距離DT2よりも大きい場合、発光素子LEDの間の距離に応じて、光抽出領域LEXの間距離が異なっていてもよい。
【0031】
図1bを参照すると、別の例示的な実施形態に係る表示装置は、発光素子LED間を実質的に満たし、基板SUB上の発光素子LEDを、部分的に覆う遮光層LSをさらに含んでいてもよい。遮光層LSは、絶縁特性を有し、光を吸収または遮断する物質を含んでいてもよい。例えば、遮光層LSは、フォトレジストまたはブラックマトリックスを含んでいてもよい。遮光層LSが形成されていない発光素子LEDの部分は、保護層PRTによって保護されていてもよい。この場合、遮光層LSによって、各発光素子LEDの光抽出領域LEXは、発光領域LEAよりも小さくなっていてもよい。したがって、各発光素子LEDから発生される光のコントラスト比(contrast)を高めることができる。
【0032】
図1bの発光素子LEDにおいて、第1距離DT1が第2距離DT2よりも大きく、遮光層LSが第1方向DR1に沿って各発光素子LEDを部分的に覆っている場合、発光素子LEDの第2方向DR2に沿った長さは、遮光層LS(例えば、光抽出領域LEX)によって露出している各発光素子LEDの第2方向に沿った長さよりも大きくなっていてもよい。より詳細には、遮光層LSは、第2方向DR2に沿って各発光素子LEDを部分的に覆っていてもよく、露出した発光素子LEDの第2方向DR2に沿った長さは、第1距離DT1と第2距離DT2との差だけ小さくなっていてもよい。このように、光抽出領域LEXの間は、第1距離DT1と同じ距離だけ、互いに離れていてもよい。このように、光抽出領域LEXが互いに同じ距離だけ離れているので、発光素子LEDを含む表示装置は、全体的に均一な光を発生させることができる。
【0033】
図2a、
図2b、
図2c、
図3aおよび
図3bによれば、各々の発光素子LEDは、垂直方向に積層された第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3を含む。例示的な実施形態によれば、第1発光部LE1は、最も短い波長の光を生成し、第2発光部LE2は、第1発光部LE1から発生した光の波長よりも長く、第3発光部LE3で発生された光の波長よりも短い波長の光を生成し、第3発光部LE3は、最も長い波長の光を生成してもよい。例えば、第1発光部LE1は、青色の光を発し、第2発光部LE2は、緑色の光を発し、第3発光部LE3は、赤色の光を発するようにしてもよい。ただし、第1~第3発光部LE1、LE2、LE3のそれぞれから発せられる光の色は、これに限定されるものではなく、様々に変化させてもよい。例えば、第1~第3発光部LE1、LE2、LE3は、それぞれ、赤色の光、青色の光、および緑色の光を発してもよい。または、第1~第3発光部LE1、LE2、LE3のそれぞれが、互いに異なる光を発光してもよいし、少なくとも一部の発光部が同じ色の光を発光してもよい。
【0034】
第1発光部LE1は、第1n型半導体層102、第1活性層104、第1p型半導体層106、および第1オーミック層108を含んでいてもよい。第2発光部LE2は、第2n型半導体層202、第2活性層204、第2p型半導体層206、および第2オーミック層208を含んでいてもよい。第3発光部LE3は、第3n型半導体層302、第3活性層304、第3p型半導体層306、および第3オーミック層308を含んでいてもよい。
【0035】
第1n型半導体層102、第2n型半導体層202、および第3n型半導体層302のそれぞれは、Siがドープされた窒化ガリウム系半導体層であってもよい。第1p型半導体層106、第2p型半導体層206、および第3p型半導体層306のそれぞれは、Mgがドープされた窒化ガリウム系半導体層であってもよい。第1活性層104、第2活性層204、および第3活性層304のそれぞれは、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)を含んでいてもよく、その組成比は、所望のピーク波長の光を放出するように決定されていてもよい。第1オーミック層108、第2オーミック層208、および第3オーミック層308のそれぞれは、インジウムスズ酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、亜鉛ドープインジウムスズ酸化物(ZITO:Zinc-doped Indium Tin Oxide)、亜鉛インジウム酸化物(ZIO:Zinc Indium Oxide)、ガリウムインジウム酸化物(GIO:Gallium Indium Oxide)、酸化亜鉛スズ(ZTO:Zinc Tin Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO:Fluorine-doped Tin Oxide)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO:Aluminium-doped Zinc Oxide)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO:Gallium-doped Zinc Oxide)、インジウムスズ酸化物(In4Sn3O12)、亜鉛マグネシウム酸化物(Zn(1-x)MgxO(0≦x≦1などの透明導電性酸化物(TCO:Transparent Conductive Oxide)の少なくとも
一つが用いられてもよい。第1発光部LE1において、第1n型半導体層102、第1活性層104、第1p型半導体層106、および第1オーミック層108が順次積層されてもよいし、第2発光部LE2において、第2オーミック層208、第2p型半導体層206、第2活性層204、および第2n型半導体層202が順次積層されてもよいし、第3発光部LE3において、第3オーミック層308、第3p型半導体層306、第3活性層304、および第3n型半導体層302が順次積層されてもよい。例示的な実施形態によれば、第2発光部LE2は、第1発光部LE1よりも小さい平面面積を有し、第3発光部LE3は、第2発光部LE2よりも小さい平面面積を有していてもよい。例えば、第1発光部LE1は、第1活性層104、第1p型半導体層106、および第1オーミック層108をエッチングして、第1n型半導体層102の一部を露出させた構造を有していてもよい。第2発光部LE2は、第1オーミック層108を露出させるように、第1発光部LE1よりも小さい平面面積を有していてもよく、第2p型半導体層206、第2活性層204、および第2n型半導体層202がエッチングされて、第2オーミック層208の一部が露出した構造を有していてもよい。第3発光部LE3は、第2n型半導体層202を露出させるように、第2発光部LE2よりも小さい平面面積を有していてもよく、第3p型半導体層306、第3活性層304、および第3n型半導体層302がエッチングされて、第3オーミック層308の一部が露出した構造を有していてもよい。
【0036】
各々の発光素子LEDは、第1n型半導体層102と電気的に接続された第1パッドPD1、第2n型半導体層202と電気的に接続された第2パッドPD2、第3n型半導体層302と電気的に接続された第3パッドPD3、および第1オーミック層108、第2オーミック層208、および第3オーミック層308と共通に電気的に接続された共通パッドCPDをさらに含んでいてもよい。第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDのそれぞれは、Au、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Hf、Cr、Ti、およびCuのうちの少なくとも一つ、またはそれらの合金を含んでいてもよい。
【0037】
第1オーミック層108、第2オーミック層208、および第3オーミック層308は、共通パッドCPDに電気的に接続されているように図示されているが、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、第1n型半導体層102、第2n型半導体層202、および第3n型半導体層302は、共通パッドCPDに電気的に接続されていてもよい。
【0038】
発光素子LEDは、第1発光部LE1と第2発光部LE2との間に配置され、第1発光部LE1と第2発光部LE2とを接着させる第1接着部AD1と、第2発光部LE2と第3発光部LE3との間に配置され、第2発光部LE2と第3発光部LE3とを接着させる第2接着部AD2と、をさらに含んでいてもよい。第1接着部AD1および第2接着部AD2のそれぞれは、絶縁性を有し、可視光を透過させ、かつ接着性を有する材料を含んでいてもよい。第1接着部AD1および第2接着部AD2のそれぞれは、ガラス(glass)、ポリマー(polymer)、レジスト(resist)、またはポリイミド(polyimide)などを含んでいてもよい。例えば、第1接着部AD1および第2接着部AD2のそれぞれは、スピンオングラス(SOG:Spin On Glass)、ベ
ンゾシクロブテン(BCB:benzocyclobutene)、ハイドロジェンシルセスキオキサン(HSQ:hydrogen silsesquioxane)、およびSU-8フォトレジストのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0039】
いくつかの例示的な実施形態では、発光素子LEDは、第1発光部LE1と第2発光部LE2との間に配置された第1カラーフィルタCF1と、第2発光部LE2および第3発光部LE3との間に配置された第2カラーフィルタCF2をさらに含んでいてもよい。第1カラーフィルタCF1は、第1発光部LE1から発せられた光を反射し、第2発光部L
E2および第3発光部LE3から発せられた光を通過させてもよく、第1発光部LE1から発せられた光が、第2発光部LE2および第3発光部LE3のそれぞれに影響を及ぼさないようにしてもよい。第2カラーフィルタCF2は、第1発光部LE1および第2発光部LE2のそれぞれから発せられた光を反射し、第3発光部LE3から発せられた光を通過させてもよく、第1発光部LE1および第2発光部LE2から発せられた光が、第3発光部LE3に影響を及ぼさないようにしてもよい。第1カラーフィルタCF1および第2カラーフィルタCF2それぞれはTiO2とSiO2とが交互に積層された構造を有する分散型ブラッグリフレクタ(DBR:Distributed Bragg Reflector)を含んでいてもよい。例えば、第2カラーフィルタCF2におけるTiO2とSiO2との交互の順序または数は、第1カラーフィルタCF1におけるTiO2とSiO2とが交互の順序または数と異なっていてもよい。
【0040】
発光素子LEDは、第1n型半導体層102と電気的に接続された第1コンタクトパターンCT1、第1コンタクトパターンCT1と電気的に接続され、第1n型半導体層102の平坦な上面を覆って延びる第1延長パターンEL1、および第1延長パターンEL1と第1パッドPD1とを電気的に接続する第1貫通パターンVA1と、をさらに含んでいてもよい。発光素子LEDは、第2n型半導体層202と電気的に接続された第2コンタクトパターンCT2、第2コンタクトパターンCT2と電気的に接続され、第1n型半導体層102の平坦な上面上に延びる第2延長パターンEL2、および第2延長パターンEL2と第2パッドPD2とを電気的に接続する第2貫通パターンVA2と、をさらに含んでいてもよい。発光素子LEDは、第3n型半導体層302と電気的に接続された第3コンタクトパターンCT3と、第3コンタクトパターンCT3と電気的に接続され、第1n型半導体層102の平坦な上面上に延びる第3延長パターンEL3、および第3延長パターンEL3と第3パッドPD3とを電気的に接続する第3貫通パターンVA3をさらに含んでいてもよい。発光素子LEDは、第1オーミック層108および第2オーミック層208と電気的に接続される第1共通コンタクトパターンCCT1、第3オーミック層308と電気的に接続される第2共通コンタクトパターンCCT2、第1共通コンタクトパターンCCT1および第2共通コンタクトパターンCCT2と電気的に接触し、第1n型半導体層102の平坦な上面上に延びる共通延長パターンCEL、および共通延長パターンCELと共通パッドCPDとを電気的に接続する共通貫通パターンCVAをさらに含んでいてもよい。この場合、第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDのそれぞれは、第3発光部LE3と基板SUBとの間に配置されていてもよい。
【0041】
図2a、
図2b、
図2c、
図3a、および
図3bを参照すると、第1貫通パターンVA1、第2貫通パターンVA2、第3貫通パターンVA3、および共通貫通パターンCVAは、それぞれが、第1n型半導体層102の平坦な上面に延長された第1延長パターンEL1、第2延長パターンEL2、第3延長パターンEL3、および共通延長パターンCEL上に配置されることで、お互いに同じ高さを有していてもよい。したがって、第1貫通パターンVA1、第2貫通パターンVA2、第3貫通パターンVA3、および共通貫通パターンCVAのそれぞれを介して第1n型半導体層102、第2n型半導体層202、第3n型半導体層302、並びに第1オーミック層108、第2オーミック層208、および第3オーミック層308に、より安定的に電流を供給することができる。例示的な実施形態によれば、第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDのそれぞれは、発光素子LEDを覆うパッシベーション膜PVTに延びていてもよい。このようにすれば、発光素子LEDの大きさが小さく、第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDの位置や大きさが、パッドを実装する基板SUBに適合していない場合であっても、第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDのそれぞれが、パッシベーション膜PVTに延長しているため、目的とする基板SUBに容易に実装することができる。
【0042】
図1a、
図1b、
図2a、
図2b、
図2c、
図3a、および
図3bを参照すると、各々の第3発光部LE3は、基板SUBと対向するように配置されてもよく、各々の第1発光部LE1の一面は、発光領域LEAを含んでいてもよい。
図2a、
図2b、および
図2cに示された例示的な実施形態によれば、発光素子LEDは、保護層PRTによって互いに分離されてもよい。
図3aおよび
図3bに示される例示的な実施形態によれば、表示装置は、発光素子LEDの間を実質的に満たし、発光素子LEDの第1発光部LE1の一面を部分的に覆う遮光層LSをさらに含んでいてもよい。第1発光部LE1の第1n型半導体層102の幅は、発光領域LEAで規定されていてもよい。遮光層LSは、発光領域LEAを部分的に覆い、光抽出領域LEXを規定していてもよい。この場合、光抽出領域LEXは、発光領域LEAよりも小さくてもよい。遮光層LSが各々の発光素子LEDの第1面を部分的に覆うことで、光が取り出される第1面の面積が小さくなるため、各々の発光素子LEDから発生する光のコントラストを高めることができる。
【0043】
図4aおよび
図4bに示す例示的な実施形態によれば、発光素子LEDは、第1n型半導体層102と電気的に接続された第1コンタクトパターンCT1、および第1コンタクトパターンCT1と電気的に接続され、発光素子LEDの第3発光部LE3から第1発光部LE1まで延長する第1延長パターンEL1をさらに含んでいてもよい。また、発光素子LEDは、第2n型半導体層202と電気的に接続された第2コンタクトパターンCT2、および第2コンタクトパターンCT2と電気的に接続され、発光素子LEDの第3発光部LE3から第1発光部LE1まで延在する第2延長パターンEL2をさらに含んでいてもよい。また、発光素子LEDは、第3n型半導体層302と電気的に接続される第3コンタクトパターンCT3、および第3コンタクトパターンCT3と電気的に接続され、発光素子LEDの第3発光部LE3から第1発光部LE1まで延在する第3延長パターンEL3をさらに含んでいてもよい。また、発光素子LEDは、第1オーミック層108および第2オーミック層208と電気的に接続される第1共通コンタクトパターンCCT1、第3オーミック層308と電気的に接続される第2共通コンタクトパターンCCT2、および第1共通コンタクトパターンCCT1および第2共通コンタクトパターンCCT2と電気的に接続され、発光素子LEDの第3発光部LE3から第1発光部LE1まで延在する共通延長パターンCELをさらに含んでいてもよい。この場合、第1発光部LE1は、基板SUBと向かい合っていてもよく、第1発光部LE1から離れて向き合う基板SUBの一方の面は、光抽出面を含んでいてもよい。
【0044】
図4aおよび
図4bに図示された第1延長パターンEL1、第2延長パターンEL2、第3延長パターンEL3、および共通延長パターンCELのそれぞれは、Au、Ag、Ni、Al、Rh、Pd、Ir、Ru、Mg、Zn、Pt、Hf、Cr、Ti、およびCuのうちの少なくとも一つ、またはそれらの合金を含んでいてもよい。上記の金属を含む第1延長パターンEL1、第2延長パターンEL2、第3延長パターンEL3、および共通延長パターンCELは、発光素子LEDの第3発光部LE3から第1発光部LE1に向かって延在して発光素子LEDの側面に配置されることによって、遮光層としても機能し得る。また、第1発光部LE1から第3発光部LE3に向かって幅が徐々に小さくなっていてもよい。そのため、複数の発光素子LEDが配置された基板SUBを容易に巻き取ったり、曲げたりすることが可能となる。
【0045】
表示装置は、第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDのそれぞれと電気的に接続される第1基板パッドSPD1、第2基板パッドSPD2、第3基板パッドSPD3、および共通基板パッドSCPDをさらに含んでいてもよい。第1基板パッドSPD1、第2基板パッドSPD2、第3基板パッドSPD3、および共通基板パッドSCPDのそれぞれは、第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDに対応する位置に配置され、はんだボール(SD
:solder ball)のような導電性材料によって電気的に接続されていてもよい。
【0046】
表示装置は、発光素子LEDに対向する基板SUBの一面に設けられた共通基板パッドSCPDと電気的に接続される共通回路CC(
図1c参照)をさらに含んでいてもよい。共通回路CCは、メッシュ構造を有し、複数の共通基板パッドSCPDを電気的に接続していてもよい。発光素子LEDの共通基板パッドSCPDは、共通回路CCによって互いに電気的に接続されていてもよい。共通回路CCは、共通基板パッドSCPDと電気的に接続される第1延長部ET1および第2延長部ET2を含んでいてもよい。このように、共通基板パッドSCPDに所定の電圧を印加する共通回路CCが、メッシュ構造によって複数の発光素子LEDの共通パッドCPDを電気的に接続することにより、基板SUBの圧延中に共通回路CCまたは共通基板パッドSCPDの一部が破損した場合であっても、共通パッドCPDに所定の電圧を印加することができる。
【0047】
表示装置の発光素子は、以下でより詳細に説明されるように、様々に変更されてもよい。
【0048】
図5aは、他の例示的な実施形態に係る発光素子の平面図であり、
図5bは、
図5aのA-A’線に沿って切断した断面図である。
【0049】
図5aおよび
図5bを参照すると、図示された例示的な実施形態に係る発光素子は、同一平面上に互いに水平方向に離間している第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3を含んでいてもよい。
【0050】
第1発光部LE1は、第1n型半導体層102、第1活性層104、第1p型半導体層106、および第1オーミック層108を含んでいてもよい。第1活性層104、第1p型半導体層106、および第1オーミック層108は、第1n型半導体層102の一部が露出するように、メサ構造を有していてもよい。第2発光部LE2は、第2n型半導体層202、第2活性層204、第2p型半導体層206、および第2オーミック層208を含んでいてもよい。第2活性層204、第2p型半導体層206、および第2オーミック層208は、第2n型半導体層202の一部が露出するように、メサ構造を有していてもよい。第3発光部LE3は、第3n型半導体層302、第3活性層304、第3p型半導体層306、および第3オーミック層308を含んでいてもよい。第3活性層304、第3p型半導体層306、および第3オーミック層308は、第3n型半導体層302の一部が露出するようにメサ構造を有していてもよい。
【0051】
第1パッドPD1は、第1コンタクトパターンCT1を介して第1オーミック層108と電気的に接続され、第2パッドPD2は、第2コンタクトパターンCT2を介して第2オーミック層208と電気的に接続され、第3パッドPD3は、第3コンタクトパターンCT3を介して第3オーミック層308と電気的に接続されていてもよい。第1n型半導体層102、第2n型半導体層202、および第3n型半導体層302のそれぞれは、第1共通コンタクトパターンCCT1、第2共通コンタクトパターンCCT2、および第3共通コンタクトパターンCCT3を接続する共通パッドCPDによって電気的に接続されていてもよい。
【0052】
本実施形態では、第1n型半導体層102、第2n型半導体層202、および第3n型半導体層302は、共通パッドCPDに電気的に接続されているように図示されているが、本発明の概念はこれに限定されるものではない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、第1オーミック層108、第2オーミック層208、および第3オーミック層308が、共通パッドCPDに電気的に接続されていてもよい。
【0053】
図5aおよび
図5bに示す発光素子の要素は、
図1a、
図1b、
図2a、
図2b、
図2c、
図3a、
図3b、
図4a、および
図4bに示す発光素子の要素と実質的に同じであるため、実質的に同じ要素についての繰り返しの説明は冗長性を避けるために省略する。
【0054】
図6aは、他の例示的な実施形態に係る発光素子の平面図であり、
図6bは、
図6aの発光素子をA-A’線及びB-B’線に沿って切断した断面図である。
【0055】
図6aおよび
図6bを参照すると、発光素子は、垂直方向に積層された第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3を含んでいてもよい。
【0056】
第1発光部LE1は、垂直方向に積層された第1n型半導体層102、第1活性層104、第1p型半導体層106、および第1オーミック層108を含んでいてもよい。第2発光部LE2は、垂直方向に積層された第2n型半導体層202、第2活性層204、第2p型半導体層206、および第2オーミック層208を含んでいてもよい。第3発光部LE3は、垂直方向に積層された第3オーミック層308、第3p型半導体層306、第3活性層304、および第3n型半導体層302を含んでいてもよい。
【0057】
第1パッドPD1は、第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3を貫通する第1貫通パターンVA1を介して、第1n型半導体層102と電気的に接続されてもよい。第2パッドPD2は、第2発光部LE2および第3発光部LE3を貫通する第2貫通パターンVA2を介して、第2n型半導体層202と電気的に接続されていてもよい。第3パッドPD3は、第3貫通パターンVA3を介して、第3n型半導体層302と電気的に接続されていてもよい。共通パッドCPDは、第2発光部LE2および第3発光部LE3を貫通して第1オーミック層108と電気的に接続される第4貫通パターンVA4、第3発光部LE3を貫通して第2オーミック層208と電気的に接続される第5貫通パターンVA5、および第3オーミック層308と電気的に接続される第6貫通パターンVA6を介して、第1オーミック層108、第2オーミック層208、および第3オーミック層308と電気的に接続されていてもよい。
【0058】
発光素子は、第1接着部AD1、第2接着部AD2、第1カラーフィルタCF1、および第2カラーフィルタCF2をさらに含んでいてもよい。
【0059】
図6aおよび
図6bに示す発光素子の要素は、
図1a、
図1b、
図2a、
図2b、
図2c、
図3a、
図3b、
図4a、および
図4bに図示された発光素子の要素と実質的に同じであるため、実質的に同じ要素についての繰り返しの説明は、冗長性を避けるため省略する。
【0060】
以下では、
図1a、
図2a、
図2b、および
図2cに示す発光素子の製造方法を例示的に説明する。
【0061】
【0062】
図7a、
図7b、および
図7cを参照すると、第1基板100上に第1n型半導体層102、第1活性層104、第1p型半導体層106、および第1オーミック層108を順次形成することで、第1発光部LE1を形成してもよい。第1オーミック層108上に、第1カラーフィルタCF1がさらに形成されてもよい。ただし、いくつかの例示的な実施
形態では、第1カラーフィルタCF1は省略されてもよい。第2基板上に、第2n型半導体層202、第2活性層204、第2p型半導体層206、および第2オーミック層208を順次形成することにより、第2発光部LE2を形成してもよい。第3基板上に、第3n型半導体層302、第3活性層304、第3p型半導体層306、および第3オーミック層308を順次形成することにより、第3発光部LE3を形成してもよい。第3オーミック層308上に、第2カラーフィルタCF2をさらに形成されていてもよい。ただし、いくつかの例示的な実施形態では、第2カラーフィルタCF2は、省略されてもよい。第1オーミック層108上に第1接着部AD1を形成し、第2オーミック層208が第1接着部AD1に接着されるように、第2発光部LE2を接着させた後、レーザリフトオフ(LLO:Laser Lift Off)または化学的リフトオフ(CLO:Chemical Lift Off)を用いて、第2基板を除去してもよい。また、第2n型半導体層202上に、第2接着部AD2を形成し、第2接着部AD2に第3オーミック層308が接着されるように、第3発光部LE3を接着させた後、LLOまたはCLOを用いて第3基板を除去してもよい。
【0063】
図8a、
図8bおよび
図8cを参照すると、第1マスクを用いて、第3n型半導体層302、第3活性層304、および第3p型半導体層306をエッチングして第3オーミック層308を露出させ、第2マスクを用いて、第3オーミック層308及び第1接着部AD1をエッチングして第2n型半導体層202を露出させ、第3マスクを用いて、第2n型半導体層202、第2活性層204、および第2p型半導体層206をエッチングして第2オーミック層208を露出させ、第4マスクを用いて、第2オーミック層208、第1接着部AD1をエッチングすることにより、第1オーミック層108を露出させ、第5マスクを用いて、第1オーミック層108、第1p型半導体層106、および第1活性層104をエッチングして第1n型半導体層102を露出させてもよい。
【0064】
図9a、
図9b、および
図9cを参照すると、エッチングされた構造を覆う誘電体層IDLが形成されてもよい。誘電体層IDLはSiO
x、SiN
x、Al
xO
yとSiO
xN
yのうちの一つを含んでもよい。誘電体層IDLをエッチングすることにより、第1n型半導体層102、第2n型半導体層202、第3n型半導体層302、第1オーミック層108、第2オーミック層208、および第3オーミック層308を露出させる開口が形成されてもよい。
【0065】
図10a、
図10bおよび
図10cを参照すると、誘電体層IDLの開口によって露出された第1n型半導体層102と電気的に接触する第1コンタクトパターンCT1、誘電体層IDLの開口によって露出された第2n型半導体層202と電気的に接触する第2コンタクトパターンCT2、誘電体層IDLの開口によって露出された第3n型半導体層302と電気的に接触する第3コンタクトパターンCT3、誘電体層IDLの開口によって露出された第1オーミック層108および第2オーミック層208と電気的に接触する第1共通コンタクトパターンCCT1、および誘電体層IDLの開口によって露出された第3オーミック層308と電気的に接触する第2共通コンタクトパターンCCT2を形成してもよい。
【0066】
図11a、
図11bおよび
図11cを参照すると、第1コンタクトパターンCT1と電気的に接続し、第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3の側面に沿って延在し、第1n型半導体層102の実質的な表面に形成された誘電体層IDL上に配置される第1延長パターンEL1と、第2コンタクトパターンCT2と電気的に接触し、第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3の側面に沿って延在し、第1n型半導体層102の実質的な表面に形成された誘電体層IDL上に配置される第2延長パターンEL2と、第3コンタクトパターンCT3と電気的に接触し、第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3の側面に沿って延在し、第1n型半
導体層102の実質的な表面に形成された誘電体層IDL上に配置される第3延長パターンEL3と、第1共通コンタクトパターンCCT1および第2共通コンタクトパターンCCT2と電気的に接触し、第1発光部LE1、第2発光部LE2、および第3発光部LE3の側面に沿って、第1n型半導体層102の実質的な表面に形成された誘電体層IDL上に延在する共通延長パターンCELを形成を形成してもよい。
【0067】
図12a、
図12b、および
図12cを参照すると、第1発光部LE1、第2発光部LE2、第3発光部LE3、第1延長パターンEL1、第2延長パターンEL2、第3延長パターンEL3、および共通延長パターンCELを覆うパッシベーション膜PVTが形成されていてもよい。パッシベーション膜PVTは、少なくとも一つの無機材料または少なくとも一つの有機材料を含んでいてもよい。有機材料としては、アクリル、ガラス、ポリマー、レジスト、ポリイミド、ポリアミド、スピンオングラス(SOG)、ベンゾシクロブテン(BCB)、ハイドロジェンシルセスキオキサン(HSQ)、またはSU-8フォトレジストなどを含んでいてもよく、無機材料としては、SiO
x、SiN
x、Al
xO
y、およびSiO
xN
yのうちの1つを含んでいてもよい。例えば、パッシベーション膜PVTは、無色透明に設けられていてもよいし、さまざまな色を有していてもよい。例えば、パッシベーション膜PVTは、透明に設けられていてもよいし、黒色や白色に形成されていてもよい。
【0068】
パッシベーション膜PVTをエッチングすることで、第1延長パターンEL1、第2延長パターンEL2、第3延長パターンEL3、および共通延長パターンCELを露出させる貫通孔(図示せず)を形成してもよい。
【0069】
貫通孔を導電材料で充填することで、第1貫通パターンVA1、第2貫通パターンVA2、第3貫通パターンVA3、および共通貫通パターンCVAをそれぞれ形成してもよい。続いて、第1貫通パターンVA1と電気的に接続される第1パッドPD1、第2貫通パターンVA2と電気的に接続される第2パッドPD2、第3貫通パターンVA3と電気的に接続されている第3パッドPD3、および共通貫通パターンCVAと電気的に共通パッドCPDをそれぞれ形成されてもよい。このようにして、第1基板SUB上に複数の発光素子LEDが形成されてもよい。
【0070】
図13aおよび
図13bは、例示的な実施形態により、発光素子を実装基板に実装する方法を示す断面図である。
【0071】
図13aおよび
図13bを参照すると、発光素子LEDが形成された第1基板100を裏返して、ターゲット実装基板SUBと対向させてもよい。第1基板100の一面にマスクパターンMSKを形成した後、第1基板100に対して選択的レーザリフトオフを行うことにより、発光素子LEDを基板100から離間距離を考慮して選択的に分離してもよい。
【0072】
分離型発光素子LEDのそれぞれの第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDに対応する位置に、第1基板パッドSPD1、第2基板パッドSPD2、第3基板パッドSPD3、および共通基板パッドSCPDがそれぞれ形成されていてもよい。
【0073】
第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3、および共通パッドCPDのそれぞれは、第1基板パッドSPD1、第2基板パッドSPD2、第3基板パッドSPD3、および共通基板パッドSCPDと、はんだボールSDなどのように接着性および導電性を有する材料で接合されることにより、発光素子LEDが、基板SUB上に実装されてもよい。
【0074】
図14および
図15は、例示的な実施形態に係る表示装置が適用された電子機器を例示的に示す図である。
【0075】
図14を参照すると、例示的な実施形態に係る電子機器は、腕時計であってもよい。電子機器は、手首を包み込むハウジングHSと、ハウジングHSの内部および外部に出入りできるように、ロール状になっている表示部DPと、を含んでいてもよい。表示部DPは、
図1a、
図1b、
図2a、
図2b、
図2c、
図3a、
図3b、
図4a、および
図4bを参照して上述した表示装置を含んでもよい。
【0076】
例示的な実施形態によれば、表示部DPが静電方式と圧電方式を利用して、表示部DPをドラッグ(drag)されると、表示部DPの面積を調整されてもよい。このように、表示部DPの複数の発光素子は、個々の駆動回路と電気的に接続されてもよい。
【0077】
図15を参照すると、例示的な実施形態による電子機器は、巻き取り可能なスクリーン(rollable screen)であってもよい。電子機器は、ハウジングHSと、表示部DPとを含んでいてもよく、表示部DPは、ハウジングHSに出入りできるようにロール状になっていてもよい。表示部DPは、
図1a~
図4bを参照して上述した表示装置を含んでいてもよい。
【0078】
図示された例示的な実施形態によれば、電子機器として腕時計と巻き取り可能なスクリーンを例示的に説明したが、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、例示的な実施形態に係る表示装置を、さまざまな電子機器に適用することができる。
【0079】
本明細書では、特定の例示的な実施形態および実装を説明してきたが、この説明から他の実施形態および変更が明らかになるであろう。したがって、本発明の概念は、そのような実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲のより広い範囲、および当業者に明らかになるような様々な明らかな変更および同等の構成に限定されるものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に互いに離間して配置された複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の間に配置され、前記複数の発光素子のそれぞれを部分的に覆って光抽出面を画定する遮光層と、を含み、
前記複数の発光素子は、第1方向に第1距離、及び前記第1方向に直交する第2方向に第2距離で互いに離間しており、
前記第1距離は、前記第2距離よりも大きく、
前記光抽出面において前記第1方向における対向する縁部の間の距離は、前記光抽出面において前記第2方向における対向する縁部の間の距離とは異なる、表示装置。
【請求項2】
前記基板は、前記第1方向に可撓性を有するように構成される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の発光素子と電気的に共通に接続された共通回路をさらに含み、
前記共通回路は、前記基板上に配置され、メッシュ構造を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記基板上に、前記発光素子を覆う保護層をさらに有し、
前記保護層は、可視光を透過させる材料を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記基板の硬度は、前記複数の発光素子のそれぞれの硬度よりも小さい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の発光素子のそれぞれは、前記基板上に、垂直に積層された第1発光部、第2発光部、および第3発光部を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3発光部は、前記第2発光部の幅よりも小さい幅を有し、前記第2発光部は、前記第1発光部よりも小さい幅を有する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の発光素子のそれぞれは、前記基板の一面から上に行くほど小さくなる幅を有する、請求項1に記載の表示装置。
【外国語明細書】