(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063120
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】重度の月経出血を治療する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/513 20060101AFI20240501BHJP
A61K 31/565 20060101ALI20240501BHJP
A61K 31/567 20060101ALI20240501BHJP
A61K 31/57 20060101ALI20240501BHJP
A61K 31/585 20060101ALI20240501BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240501BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240501BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240501BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A61K31/513
A61K31/565
A61K31/567
A61K31/57
A61K31/585
A61P15/00
A61P29/00
A61P35/00
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029529
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2020557202の分割
【原出願日】2018-07-23
(31)【優先権主張番号】PCT/US2018/028390
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512212195
【氏名又は名称】アッヴィ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フバリス,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】カステッリ-ヘイリー,ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】フロレス,オスカー・アントゥネス
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン,キース
(72)【発明者】
【氏名】ジェイン,リタ
(72)【発明者】
【氏名】ン,ジューキ・ウィング-ケウン
(72)【発明者】
【氏名】ノース,ジャニン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】オーウェンズ,シャーロット・ディー
(72)【発明者】
【氏名】パラック,ハンナ
(72)【発明者】
【氏名】ペロソ,ポール・エム
(72)【発明者】
【氏名】スナブス,マイケル・シー
(72)【発明者】
【氏名】ソリマン,アーメッド・エム
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,ジェームズ・ダブリュ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】子宮筋腫を有する又は有していない、治療を必要とする対象における重度の月経出血を治療する方法を提供する。
【解決手段】有効量の4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩を、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む、方法とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮内膜症関連疼痛を治療する方法であって、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、中等度から重度の子宮内膜症を有する患者における疲労をさらに低減する、又は中等度から重度の子宮内膜症を有する患者において疼痛用医薬の使用をさらに低減させる、方法。
【請求項2】
化合物A又は薬学的に許容されるその塩が、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与され、エストロゲンが、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンからなる群から選択され、プロゲストーゲンが、プロゲステロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲステロンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エストロゲンが、エストラジオールであり、プロゲストーゲンが、酢酸ノルエチンドロンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
エストラジオールが、1日あたり約0.5mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンが、1日あたり約0.1mgの量で投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンが、1日1回、投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
エストラジオールが、1日あたり約1.0mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンが、1日あたり約0.5mgの量で投与される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンが、1日1回、投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
エストラジオールが、連続的に投与され、酢酸ノルエチンドロンが、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される、請求項4又は6に記載の方法。
【請求項9】
化合物Aが、150mgで1日1回、200mgで1日2回、300mgで1日2回、又は600mgで1日1回、投与される、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日あたり約300mgの量で投与される、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回、投与される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日あたり約400mgの量で投与される、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回、投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日あたり約600mgの量で投与される、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回、投与される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンが、少なくとも28日間、毎日、投与される、請求項2~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンが、少なくとも56日間、毎日、投与される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンが、少なくとも84日間、毎日、投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンが、少なくとも168日間、毎日、投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンが、約168日間~約1年間、毎日投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
エストロゲンが、エストラジオールであり、プロゲストーゲンが、プロゲステロンである、請求項2に記載の方法。
【請求項22】
エストラジオールが、連続的に投与され、プロゲステロンが、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
子宮筋腫、子宮内膜症、腺筋症又は多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される状態と診断される患者における疲労又は疼痛用医薬を低減する方法であって、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含み、疲労が、患者において低減される、又は患者への疼痛用医薬が低減される、方法。
【請求項24】
患者が、子宮筋腫と診断されている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
患者が、子宮内膜症と診断されている、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
患者が、腺筋症と診断されている、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
患者が、多嚢胞性卵巣症候群と診断されている、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
子宮内膜症の治療を必要とする患者に、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、子宮内膜症を治療する方法であって、患者が、骨ミネラル密度低下を経験しており、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を中止すると、骨ミネラル密度低下が実質的に元に戻る、方法。
【請求項29】
治療を必要とする患者を4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩により治療する方法であって、患者が、骨ミネラル密度低下を経験しており、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を中止すると、骨ミネラル密度低下が実質的に元に戻る、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許は、その全内容が参照により本明細書に完全に組み込まれている、2018年4月19日出願の、非仮特許出願第PCT/US2018/028390号からの優先権を求める。
【0002】
本発明は、子宮筋腫を有する又は有さない対象における、重度の月経出血を治療するためのGnRH受容体アンタゴニストの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
子宮内膜症は、正常であれば子宮腔(すなわち、子宮内膜)において見られる組織が、子宮の外側、通常は、骨盤の腹膜内壁の表面に埋まっているのが見られる、疾患である。子宮内膜症は、出産可能年齢の女性10名あたり推定で1名が罹患しており、疼痛、不妊症及び性機能障害を引き起こす恐れがある。子宮腔の外側での子宮内膜組織の成長は、エストロゲン依存性と考えられている。したがって、子宮内膜症の現在の治療法は、エストロゲンレベルの改変を目的としている。
【0004】
子宮筋腫(平滑筋腫)は、良性腫瘍であり、出産可能年齢の女性において、多く蔓延している。子宮筋腫に関連する症状は、最も一般には、重度の又は長く続く月経出血、骨盤圧迫及び骨盤器官の圧縮、背痛、並びに生殖に有害な結果が含まれる。重度の月経出血(HMB;月経周期1回あたり80mLを超えるものとして定義される月経過多)(The Menorrhagia Research Group、Quantification of menstrual blood loss. The Obstetrician & Gynaecologist.2004年;6巻:88~92頁)は、不都合でありかつ鉄欠乏性貧血に至る恐れがあり、これは、子宮摘出を含むことがある外科的処置の主要原因である。他の症状、特に圧迫症状は、腫瘍のサイズ、数及び位置に大きく依存する。
【0005】
病因は、依然として十分に解明されていないが、子宮筋腫の成長は、エストロゲン及びプロゲストーゲンの両方に大きく依存することが知られている。筋腫は、ホルモン生成の減少により、更年期後に収縮する傾向がある。これに基づいて、症候性子宮筋腫を有する女性に対する大部分の医療的治療は、ホルモン遮断戦略又はホルモンモジュレート戦略のどちらか一方を目的としている。
【0006】
腺筋症は、子宮の筋肉壁(子宮筋層)を子宮の内壁(子宮内膜)が突き破る疾患である。腺筋症は、月経期前の月経痙攣、下腹部の圧迫及び膨満感を引き起こすことがあり、重い生理を引き起こす恐れがある。この疾患は、子宮全体にわたって位置していても、又は一点に局在していてもよい。腺筋症は、よく見られる疾患である。腺筋症は、中年女性、及び子供を出産した女性において、最も多く診断されている。ある検討により、以前に子宮の手術を受けた女性は、腺筋症のリスクがあり得ることも示唆されている。
【0007】
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、出産可能年齢の女性の間において、よく起こるホルモンの障害である。PCOSを有する女性は、低頻度の又は長く続く月経期を有することがある、又は過度の男性ホルモン(アンドロゲン)レベルを有することがある。卵巣は、流体からなる多数の小さな集合体(毛包)を発達させて、定期的に卵子を放出することができない場合がある。
【0008】
性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)とは、性ステロイド産生及び正常な生殖機能を担う、下垂体ホルモンの分泌を刺激するペプチドである。GnRHアゴニストは、脳下垂体-生殖腺系の活性を抑制することにより、子宮内膜症、子宮筋腫又は腺筋症を治療するために使用される。しかし、GnRHアゴニストは、エストロゲンなどの性腺刺激ホルモン及び生殖腺ホルモンの初期刺激を引き起こす。
【0009】
ペプチドGnRHアンタゴニストは、脳下垂体において、GnRH受容体に競合的に結合し、下垂体からの黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)などの性腺刺激ホルモンの放出を遮断する。このようなペプチドGnRHアンタゴニストは、腫瘍学及び生殖補助医療に承認されている。しかし、ペプチドGnRHアンタゴニストは、毎日の皮下注射として、又は長期間作用型デポ製剤として送達されるので、投与は不便である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】The Menorrhagia Research Group、Quantification of menstrual blood loss. The Obstetrician & Gynaecologist.2004年;6巻:88~92頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、子宮内膜症、子宮筋腫、腺筋症及び多嚢胞性卵巣症候群のため、特に、子宮内膜症又は腺筋症に関連する疼痛、及び子宮筋腫又は腺筋症に関連する重度の月経出血の管理のための、経口投与による新規な治療が当分野において必要とされている。さらに、このような治療剤、特に非ペプチドGnRHアンタゴニストを含む経口により生体利用可能な剤形を開発することが当分野において依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本発明は、概して、子宮内膜症関連疼痛を治療する方法であって、中等度から重度の子宮内膜症を有する患者における疲労をさらに低減する、又は中等度から重度の子宮内膜症を有する患者における疼痛用医薬の使用をさらに低減する方法を提供する。この方法において、治療は、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。一実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与される。エストロゲンは、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンからなる群から選択される。プロゲストーゲンは、プロゲステロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲステロンからなる群から選択される。好ましくは、エストロゲンは、エストラジオールであり、プロゲストーゲンは、酢酸ノルエチンドロンである。
【0013】
一実施形態において、エストラジオールは、1日あたり約0.5mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.1mgの量で投与される。この実施形態において、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0014】
さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日あたり約1.0mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.5mgの量で投与される。この実施形態において、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0015】
本発明の一態様において、エストラジオールは、連続的に投与され、酢酸ノルエチンドロンは、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される。
【0016】
さらに別の実施形態において、化合物Aは、150mgを1日1回、200mgを1日2回、300mgを1日2回、又は600mgを1日1回、投与される。
【0017】
したがって、一実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約300mgの量で投与される。別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約150mgの量で投与される。300mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与されてもよい。150mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩はまた、1日2回、投与されてもよい。
【0018】
別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約400mgの量で投与される。さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約200mgの量で投与される。
【0019】
また、400mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回、投与されてもよい。また、200mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩が、1日2回、投与されてもよい。
【0020】
さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約600mgの量で投与される。さらに、別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与される。
【0021】
本発明の別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも28日間、毎日投与される。さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも56日間、毎日投与される。別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも84日間、毎日投与される。及び、さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも168日間、毎日投与される。さらに、別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、約168日間~約1年間、毎日投与される。
【0022】
好ましくは、本発明の異なる態様において、エストロゲンは、エストラジオールであり、プロゲストーゲンは、プロゲステロンである。別の実施形態において、エストラジオールは、連続的に投与され、プロゲステロンは、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される。
【0023】
別の態様において、本発明は、子宮内膜症の治療を必要とする患者に4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、子宮内膜症を治療する方法であって、前記患者が、骨ミネラル密度低下を経験しており、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を中止すると、骨ミネラル密度低下が実質的に元に戻る、方法を提供する。
【0024】
さらに別の態様において、本発明は、投与を必要とする患者に4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップであって、前記患者が、骨ミネラル密度低下を経験しており、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を中止すると、骨ミネラル密度低下が実質的に元に戻る、投与するステップを提供する。
【0025】
本発明は、子宮筋腫を有する又は有さない対象における、月経による血液喪失量を減少させる方法に関する。本発明はまた、筋腫及び子宮体積を低下させる方法、及び子宮筋腫の非出血関連症状を治療する方法に関する。本方法は、対象に、1日あたり300~600mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩を、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。上記の方法において、エストロゲンは、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンからなる群から選択され、プロゲストーゲンは、プロゲステロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲステロンからなる群から選択される。例えば、上記の方法において、エストロゲンは、エストラジオールであり、プロゲストーゲンは、酢酸ノルエチンドロン及びプロゲステロンである。
【0026】
この治療を必要とする対象は、月経周期1回あたり、80mLを超える量の月経血液を有する。前記対象が、一旦、上記の方法によって治療されると、これらの対象は、月経周期1回あたり、80mL未満の量の月経による血液喪失を有する。
【0027】
上記の方法によって治療される対象は、子宮筋腫を有している恐れがある、又は子宮筋腫を有していない。
【0028】
上記の方法により治療される対象は、骨盤圧迫、膨満感、骨盤痛、尿路(uinary)問題などの子宮筋腫(「バルク症状」)に関連する、非出血症状を有する恐れがある。
【0029】
上記の方法において、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロン(これは、プロゲストーゲンである。)は、1日1回、経口投与される。例えば、一態様において、エストラジオールは、1日あたり約0.5mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.1mgの量で投与される。別の態様において、エストラジオールは、1日あたり約1.0mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.5mgの量で投与される。代替的に、エストラジオールは、連続的に投与され、酢酸ノルエチンドロンは、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される。
【0030】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約300mgの量で投与される。具体的には、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与される。
【0031】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約400mgの量で投与される。具体的には、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与される。
【0032】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約600mgの量で投与される。具体的には、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり2回、投与される。
【0033】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも28日間、毎日投与される。別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも56日間、毎日投与される。さらに別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも84日間、毎日投与される。さらに別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも168日間、毎日投与される。さらに別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、約168日間~約1年間、毎日投与される。
【0034】
本発明はまた、治療を必要とする対象において、子宮筋腫を治療する方法に関する。本方法は、対象に、1日あたり300~600mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩を、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。例えば、上記の方法において、エストロゲンは、エストラジオールであり、プロゲストーゲンは、酢酸ノルエチンドロン及びプロゲステロンである。
【0035】
上記の方法において、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。例えば、一態様において、エストラジオールは、1日あたり約0.5mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.1mgの量で投与される。別の態様において、エストラジオールは、1日あたり約1.0mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.5mgの量で投与される。
【0036】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約300mgの量で投与される。具体的には、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与される。
【0037】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約400mgの量で投与される。具体的には、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与される。
【0038】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約600mgの量で投与される。具体的には、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり2回、投与される。
【0039】
上記の方法において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも28日間、毎日投与される。別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも56日間、毎日投与される。さらに別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも84日間、毎日投与される。さらに別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも168日間、毎日投与される。さらに別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、約168日間~約1年間、毎日投与される。
【0040】
一実施形態において、本発明は、子宮筋腫、子宮内膜症、腺筋症又は多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される状態と診断される患者における、疲労又は疼痛用医薬を低減する方法であって、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含み、疲労が、前記患者において低減される、又は前記患者への疼痛用医薬が低減される、方法をさらに提供する。一態様において、患者は、子宮筋腫、子宮内膜症、腺筋症又は多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される状態と診断されている。一実施形態において、患者は、子宮筋腫と診断されている。別の実施形態において、患者は、子宮内膜症と診断されている。一実施形態において、患者は、腺筋症と診断されている。一実施形態において、患者は、多嚢胞性卵巣症候群と診断されている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】実施例1において記載されている検討に関する、複合出血エンドポイント(<80ml/周期となる血液喪失の低下、及びベースラインと比較すると、≧50%の血液喪失の低下を有する対象の割合)、及び無月経(出血又は小出血がない)を示すグラフである。
図1は、すべての対象における、最後の28日間の治療の間の最直前観測値を補完(last observation carried forward)(LOCF)したものを示している。左側に示されている複合出血エンドポイントは、アルカリヘマチンデータを使用して計算された。無月経は、アルカリヘマチンデータと毎日の出血の記録日誌データの両方を使用して計算された。
図1に示されている複合出血エンドポイント及び無月経の棒グラフの各々に関すると、患者は、エラゴリクス300 BID(N=30)(一番左の1番目の棒)、E600 QD(N=28)(左から2番目の棒)、E300+エストロゲン(1.0mgのエストラジオール(Estrace(登録商標))及び200mgのプロゲステロン(周期的Prometrium(登録商標))(まとめて、「EP」と呼ぶ)(N=26)(左側から3番目の棒)、E200 BID(N=33)(左から4番目の棒)、E400 QD(N=31)(左から5番目の棒)、E200 BID+低用量Activella(登録商標)(0.5mgのエストラジオールと0.1mgの酢酸ノルエチンドロンの組合せ)(「A」と呼ぶ)(N=34)(左から6番目の棒)、E100 BID(左から7番目の棒)(N=31)及びプラセボ(PBO)(N=49)(左から8番目の棒(又は、右から1番目の棒))により治療を受けた。P値は以下の通り定義される:
***p<0.001(プールしたプラセボ(PBO;コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
**p<0.01(プールしたPBO(コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
【
図2】実施例1における検討に記載されている、3か月間の治療の間の、アルカリヘマチン方法によって測定された、平均全血液喪失を示すグラフである。患者は、エラゴリクス600 QD(N=24)、エラゴリクス300 BID(N=26)、エラゴリクス400 QD(N=26)、エラゴリクス200 BID(N=28)、エラゴリクス200 BID+低用量Activella(登録商標)(0.5mgのエストラジオールと0.1mgの酢酸ノルエチンドロンの組合せ)、エラゴリクス300 BID+エストロゲン(1.0mgのエストラジオール(Estrace(登録商標)))及び200mgのプロゲステロン(周期的Prometrium(登録商標))(まとめて、「EP」と呼ぶ)(N=25);エラゴリクス100 BID(N=26)及びプラセボ(PBO)(N=43)により治療を受けた。
【
図3】実施例1における検討に記載されている、3か月間の治療の間の、アルカリヘマチン方法によって測定された、月あたりの平均血液喪失(MBL)の分析を示すグラフである。患者は、エラゴリクス600 QD、エラゴリクス300 BID、エラゴリクス400 QD、エラゴリクス200 BID、エラゴリクス200 BID+低用量Activella(登録商標)(0.5mgのエストラジオールと0.1mgの酢酸ノルエチンドロンの組合せ)、エラゴリクス300 BID+エストロゲン(1.0mgのエストラジオール(Estrace(登録商標)))及び200mgのプロゲステロン(周期的Prometrium(登録商標));エラゴリクス100 BID及びプラセボにより治療を受けた。
図3に示されている8種の用量の各々に対して、4本の棒が示されている。左から一番遠い棒はスクリーニング時における、AH方法により測定した周期あたりの平均血液喪失(mL)を示す。第2の棒は、ベースライン後の6~35日目からの平均総MBLである。第3の棒は、ベースライン後の36~65日目からの平均総MBLである(mL)。第4の棒(右から最も遠い)は、ベースライン後の66~95日目における平均総MBLである(mL)。
【
図4】実施例1における検討に記載されている、一次筋腫及び子宮体積の各々に関する、ベースラインからの平均変化率(%)の分析を示すグラフである。
図4に示されている一次筋腫体積及び子宮体積データに関すると、患者は、エラゴリクス300 BID(N=30)(一番左側の1番目の棒)、E600 QD(N=27)(左から2番目の棒)、E300+エストロゲン(1.0mgのエストラジオール(Estrace(登録商標)))及び200mgのプロゲステロン(周期的Prometrium(登録商標))(「EP」と呼ぶ)(N=21)(左側から3番目の棒)、E200 BID(N=34)(左から4番目の棒)、E400 QD(N=27)(左から5番目の棒)、E200 BID+低用量Activella(登録商標)(0.5mgのエストラジオールと0.1mgの酢酸ノルエチンドロンの組合せ)(「A」と呼ぶ)(N=32)(左から6番目の棒)、E100 BID(左から7番目の棒)(N=28)及びプラセボ(PBO)(N=47)(左から8番目の棒(又は、右から1番目の棒))により治療を受けた。P値は以下の通り定義される:
***p<0.001(プールしたプラセボ(PBO;コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
**p<0.01(プールしたPBO(コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
*p<0.05(プールしたプラセボ(PBO;コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
【
図5】実施例1における検討において記載されている、子宮筋腫の症状の重症度及びクオリティオブライフ(UFS-QoL)結果の分析を示すグラフである。
図5に示されている症状の重症度及び健康に関連するクオリティオブライフ(HRQL)の総スコア及び子宮体積データに関すると、患者は、エラゴリクス300 BID(N=28)(一番左側の1番目の棒)、E600 QD(N=28)(左から2番目の棒)、E300+エストロゲン(1.0mgのエストラジオール(Estrace(登録商標)))及び200mgのプロゲステロン(周期的Prometrium(登録商標))(「EP」と呼ぶ)(N=25)(左側から3番目の棒)、E200 BID(N=32)(左から4番目の棒)、E400 QD(N=30)(左から5番目の棒)、E200 BID+低用量Activella(登録商標)(0.5mgのエストラジオールと0.1mgの酢酸ノルエチンドロンとの組合せ)(「A」と呼ぶ)(N=30)(左から6番目の棒)、E100 BID(左から7番目の棒)(N=29)及びプラセボ(PBO)(N=46)(左から8番目の棒(又は、右の1番目の棒))により治療を受けた。P値は以下の通り定義される:
***p<0.001(プールしたプラセボ(PBO;コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
**p<0.01(プールしたPBO(コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
*p<0.05(プールしたプラセボ(PBO;コホート1、2及び4に由来するPBO)に対するエラゴリクスの場合)。
【
図A-1】12か月間にわたる、検討EM-Iにおける平均月経困難疼痛スコアのベースラインからの平均変化、及びこの延長検討EM-IIIにおける応答の維持を示すグラフである。
【
図A-2】12か月間にわたる、検討EM-Iにおける平均NMPPスコアのベースラインからの平均変化、及びこの延長検討EM-IIIにおける応答の維持を示すグラフである。
【
図A-3】12か月間にわたる、検討EM-Iにおける平均性交困難疼痛スコアのベースラインからの平均変化、及びこの延長検討EM-IIIにおける応答の維持を示すグラフである。
【
図A-4】エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDに関する、ベースライン時、6か月目及び12か月目における腰椎BMD Zスコア箱プロットを示すグラフである。
【
図A-5】ベースラインからの平均変化率としての、レスキューオピオイド丸剤数の結果を示すグラフである。有意性対プラセボは、ANCOVAモデルから、P<.05(
*)及びP<.001(
***)に関して表示されている。1か月=35日間の間隔である。
【
図A-6】平均のPromis疲労SF-6a Tスコアのベースラインは、正常集団よりも高い1SD超となることを示すグラフである[平均値=50、SD=10]。
**は、P<0.01である。
**は、疲労に関するANOVAモデルから、エラゴリクス治療群対プラセボに関して統計学的有意性があることを示し、治療が主要因子となることを示す。最大値SF-6a Tスコア=76.8である。
【
図A-7】エラゴリクスは、子宮内膜症患者間のベースラインからの疲労スコアを低下させたことを示すグラフである。疲労に関するANCOVAモデルからの、統計学的有意性対プラセボのP<0.05、<0.01、<0.001(
*,
**,
***)が示されており、このことは、治療が主要因子となること、及びベースライン疲労が共変量となることを示し、これにより、各治療群とプラセボとが比較される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
定義
特に本明細書において定義されていない限り、本発明に関連して使用されている科学用語及び技術用語は、当業者により一般に理解されている意味を有するものとする。しかし、用語の意味及び範囲は、いかなる潜在的な曖昧性の事象においても明確であるべきであり、本明細書において提示されている定義は、いかなる辞書の定義又は付帯的な定義にも優先する。本出願において、「又は」の使用は、特に明記しない限り、「及び/又は」を意味する。さらに、用語「含むこと(including)」、並びに「含む(includes)」及び「含んだ(included)」などの他の形態の使用は、限定ではない。本特許出願(特許請求の範囲を含む)における「含む(comprise)」又は「含む(comprises)」又は「含むこと(comprising)」という用語の使用に関すると、本出願人らは、文脈が特に必要としない限り、それらの用語は、排他的ではなくむしろ、包括的に解釈されるべきであるという基礎的及び明確な理解に基づいて使用されること、及び本出願人らは、以下の特許請求の範囲を含めた、本特許出願を理解する際にそのように解釈されるよう、それらの用語の各々を意図していることを留意している。いずれかの置換基、又は本発明の化合物、又は本明細書における任意の他の式において、2回以上、出現する変数の場合、この定義は、出現毎に、いずれの他の出現時にも、この定義と無関係である。
【0043】
用語「エラゴリクス」は、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩を指す。エラゴリクスは、経口により活性な、非ペプチドGnRHアンタゴニストであり、他のGnRHアゴニスト及び注射可能な(ペプチド)GnRHアンタゴニストとは異なる。エラゴリクスは、女性における、下垂体及び卵巣ホルモンの用量依存的抑制を生じる。エラゴリクス及び薬学的に許容されるその塩を作製する方法は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、WO2005/007165に記載されている。
【0044】
エラゴリクス又は4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸は、遊離酸又は遊離塩基として一般に利用され得る。代替的に、エラゴリクス又は4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸は、酸付加塩又は塩基付加塩の形態で使用され得る。本発明の遊離アミノ化合物の酸付加塩は、当分野において周知の方法によって調製され得、有機酸及び無機酸から形成され得る。好適な有機酸は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、桂皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸及びベンゼンスルホン酸を含む。好適な無機酸は、塩化水素、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸を含む。塩基付加塩は、カルボン酸陰イオンと形成するそのような塩を含み、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム及びカルシウム)、並びにアンモニウムイオン及びこれらの置換されている誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウムなど)から選択されるものなどの有機及び無機の陽イオンと形成される塩を含む。こうして、エラゴリクス又は4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸の「薬学的に許容される塩」という用語は、ありとあらゆる許容される塩形態を包含することが意図されている。好ましい実施形態において、エラゴリクスは、ナトリウム塩、すなわちエラゴリクスナトリウムとして存在する。
【0045】
さらに、エラゴリクス又は4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又はこの塩はまた、水又は他の有機溶媒との溶媒和物を形成することがある。このような溶媒和物は、本発明の範囲内に同様に含まれる。
【0046】
用語「治療する」、「治療すること」及び「治療」とは、疾患及び/又はこの付随症状を緩和する又は抑止する方法を指す。
【0047】
「薬学的に許容される」とは、担体、希釈剤又は賦形剤が、製剤の他の成分と適合しなければならず、このレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0048】
化合物の「溶媒和物」は、溶質(本化合物)及び溶媒の分子複合体を指す。
【0049】
「対象」は、本明細書において、以下に限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)などを含めた、哺乳動物などの動物を含むよう定義されている。好ましい実施形態及び態様において、対象はヒト女性である。さらに別の実施形態又は態様において、対象は、閉経前のヒト女性である。
【0050】
エラゴリクス又は4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸若しくはこの塩、又はエストロゲン若しくはプロゲストーゲンを言及する「有効量」又は「薬学的有効量」とは、対象において所望の生物学的、薬理学的又は治療的転帰を誘発するのに十分な量を指す。
【0051】
本発明は、概して、子宮内膜症関連疼痛を治療する方法であって、中等度から重度の子宮内膜症を有する患者における疲労をさらに低減する、又は中等度から重度の子宮内膜症を有する患者における疼痛用医薬の使用をさらに低減する方法を提供する。この方法において、治療は、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。一実施形態において、化合物A又は薬学的に許容されるその塩は、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与される。エストロゲンは、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンからなる群から選択される。プロゲストーゲンは、プロゲステロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲステロンからなる群から選択される。好ましくは、エストロゲンは、エストラジオールであり、プロゲストーゲンは、酢酸ノルエチンドロンである。
【0052】
一実施形態において、エストラジオールは、1日あたり約0.5mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.1mgの量で投与される。この実施形態において、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0053】
さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日あたり約1.0mgの量で投与され、酢酸ノルエチンドロンは、1日あたり約0.5mgの量で投与される。この実施形態において、エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0054】
本発明の一態様において、エストラジオールは、連続的に投与され、酢酸ノルエチンドロンは、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される。
【0055】
さらに別の実施形態において、化合物Aは、150mgを1日1回、200mgを1日2回、300mgを1日2回、又は600mgを1日1回、投与される。
【0056】
したがって、一実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約300mgの量で投与される。別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約150mgの量で投与される。300mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与されてもよい。150mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩はまた、1日2回、投与されてもよい。
【0057】
別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約400mgの量で投与される。さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約200mgの量で投与される。
【0058】
400mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩はまた、1日2回、投与されてもよい。200mgの4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩はまた、1日2回、投与されてもよい。
【0059】
さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日あたり約600mgの量で投与される。さらに、別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸又は薬学的に許容されるその塩は、1日2回、投与される。
【0060】
本発明の別の態様において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも28日間、毎日投与される。さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも56日間、毎日投与される。別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも84日間、毎日投与される。及び、さらに別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、少なくとも168日間、毎日投与される。さらに、別の実施形態において、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸、エストロゲン及びプロゲストーゲンは、約168日間~約1年間、毎日投与される。
【0061】
好ましくは、本発明の異なる態様において、エストロゲンは、エストラジオールであり、プロゲストーゲンは、プロゲステロンである。別の実施形態において、エストラジオールは、連続的に投与され、プロゲステロンは、月経周期の最後の12~14日の間に、1日1回、投与される。
【0062】
一実施形態において、本発明は、子宮筋腫、子宮内膜症、腺筋症又は多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される状態と診断される患者における疲労又は疼痛用医薬を低減する方法であって、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含み、疲労が、前記患者において低減される、又は前記患者への疼痛用医薬が低減される、方法をさらに提供する。一態様において、患者は、子宮筋腫、子宮内膜症、腺筋症又は多嚢胞性卵巣症候群からなる群から選択される状態と診断されている。一実施形態において、患者は、子宮筋腫と診断されている。別の実施形態において、患者は、子宮内膜症と診断されている。一実施形態において、患者は、腺筋症と診断されている。一実施形態において、患者は、多嚢胞性卵巣症候群と診断されている。
【0063】
子宮筋腫に関連する重度の月経出血を低減又は管理する方法
一実施形態において、本発明は、この治療を必要とする対象において、子宮筋腫に関連する重度の月経出血(HMB)を軽減又は管理する方法に関する。重度の月経出血は、月経周期1回あたり80mLを超える血液喪失を経験している対象を指す(月経周期は、一般的に、28日間である。)。対照的に、重度の月経出血に罹患していない女性は、月経周期1回あたり、約30~40mLの血液喪失を経験する。一態様において、本発明の方法が使用されて、子宮筋腫を有する対象における重度の月経出血を、周期あたり80mL未満となる血液喪失量まで軽減又は管理することができる。別の態様において、本発明の方法が使用されて、子宮筋腫を有する対象における重度の月経出血の量を、ベースラインから少なくとも50%低下させことができる。
【0064】
月経による血液喪失を分析する方法は、当分野において公知であり、例えば、アルカリヘマチン方法を含む。アルカリヘマチン方法は、生理用品表面で採取される月経血液を定量することに基づく(Hallberg L.、Nilsoon L.、Determination of Menstrual Blood Loss. Scand.J.Clin.Lab.Invest.、1964年;16巻:244~248頁)。この方法は、強アルカリ溶液を使用して、血の付着した生理用品に由来するヘムをアルカリヘマチンへと化学的に変換し、アルカリヘマチンが、比色分析により測定される。対象の血清ヘモグロビン(Hgb)と比較すると、月経製品中の血液喪失の量が決定され得る。
【0065】
a. エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
一態様において、本発明の方法は、この治療を必要とする対象における、子宮筋腫に関連する重度の月経出血を低減又は管理するステップを含む。本方法は、子宮筋腫に関連する重度の月経出血を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。これらの用量は、1日1回又は1日2回、投与され得る。
【0066】
b. ホルモン補充療法と組み合わせたエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
別の態様において、本発明の方法は、この治療を必要とする対象における、子宮筋腫に関連する重度の月経出血を低減又は管理するステップを含む。本方法は、子宮筋腫に関連する重度の月経出血を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。対象へのエストロゲンとプロゲストーゲンの組合せ物の投与は、多くの場合、「ホルモン補充療法」又は「アドバック療法」と呼ばれる。「ホルモン補充療法」又は「アドバック療法」は、骨ミネラル密度低下及び血管運動症状などの低エストロゲン症状を予防するために使用される。具体的には、対象が、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩により治療されると、エラゴリクス単独で治療された対象に比べて、ほてり(hot flash)(これは、エストロゲン枯渇の血管運動症状である。)があると報告された対象の数が、実質的に低下することが見出された。
【0067】
対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。有効量又は有効用量が、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0068】
使用され得る好適なエストロゲンは、例えば、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンを含む。
【0069】
使用され得る好適なプロゲストーゲンは、例えば、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲストーゲンを含む。
【0070】
ホルモン補充療法のためのエストゲン(estogen)及びプロゲストーゲンを含有する、連続的に使用される一緒にされた経口用製剤は、当分野において公知であり、本発明にやはり使用され得る。好適な製剤は、例えば、Activella(登録商標)、Angeliq(登録商標)、FemHRT(登録商標)、Jenteli(商標)、Mimvey(商標)、Prefest(商標)、Premphase(登録商標)及びPrempro(登録商標)を含む。
【0071】
本発明の一態様において、エストロゲンは、エストラジオールである。別の態様において、エストラジオールの用量は0.5mgである。別の実施形態において、エストラジオールの用量は1.0mgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日1回、投与される。
【0072】
本発明の別の態様において、エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。別の実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は、2.5mcgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールの用量は、5.0mcgである。さらに別の態様において、エチニルエストラジオールは、1日1回、投与される。
【0073】
本発明のさらに別の態様において、エストロゲンは、抱合型エストロゲンである。別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.3mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.45mg又は0.625mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンは、1日1回、投与される。
【0074】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、周期的(28~30日間のサイクルの最後の12日間)に使用される、経口プロゲステロンである。別の実施形態において、プロゲステロンの用量は、100又は200mgである。
【0075】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.1mgである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、1.0mgである。さらに別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0076】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルゲスチメートである。別の態様において、ノルゲスチメートの用量は、0.09mgである。さらに別の態様において、ノルゲスチメートは、1日1回、投与される。
【0077】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、メドロキシプロゲステロンである。本発明のさらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、1.5mgである。別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、2.5mg又は5mgである。さらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンは、1日1回、投与される。
【0078】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ドロスピレノンである。別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.25mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.5mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンは、1日1回、投与される。
【0079】
本発明の一態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日2回、投与される300mgとなる。
【0080】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される300mgとなる。
【0081】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0082】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0083】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0084】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0085】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、並びにこれらの組成物及び製剤の投与は、エストロゲン及びプロゲストーゲンの投与前、この直前、この最中、この直後、又はこの後であってもよい。
【0086】
さらに別の態様において、治療サイクルは、連続投与されるエストロゲンと組み合わせた、1日あたりの投与のエラゴリクス及び周期投与のプロゲストーゲンからなる。例えば、正常な月経周期を模倣するため、及び定期的な軽度の出血エピソードを誘導するため、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与が3か月又は6か月であり、プロゲストーゲンは、毎月、最後の12~14日間、投与される。さらに別の態様において、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与、並びにプロゲストーゲンの周期投与からなる。
【0087】
さらにさらなる態様において、治療サイクルは、エラゴリクスの毎日の投与、並びにエストロゲン及び/又はプロゲストーゲンの遅延投与からなる。例えば、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~6か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が6か月間となる。代替的に、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~12か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が12か月間となる。
【0088】
子宮筋腫を有する対象における筋腫体積を低下させる方法
別の実施形態において、本発明は、子宮筋腫を有する対象における、筋腫体積を低下させる方法に関する。一態様において、本発明の方法が使用されて、筋腫体積を少なくとも約25%以上、低下させることができる。別の態様において、本発明の方法が使用されて、子宮筋腫を有する対象における筋腫体積を低下させることができる。より詳細には、本発明の方法が使用されて、子宮筋腫を有する対象において、筋腫体積を少なくとも約25体積%以上、低下させることができる。別の態様において、本発明の方法が使用されて、子宮筋腫を有する対象において、子宮摘出、筋腫摘出又は子宮動脈塞栓術の前に筋腫体積を低下させる。筋腫体積を測定する方法は、当分野において公知であり、超音波及び/又はMRIを含む。
【0089】
a. エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
一態様において、本発明の方法は、子宮筋腫を有しており、かつこの治療を必要とする対象における、筋腫体積を低下させるステップを含む。本方法は、子宮筋腫を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。これらの用量は、1日1回又は1日2回、投与され得る。
【0090】
b. ホルモン補充療法と組み合わせたエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
別の態様において、本発明の方法は、子宮筋腫を有しており、かつこの治療を必要とする対象における、全筋腫体積を低下させるステップを含む。本方法は、子宮筋腫を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。本方法は、子宮筋腫に関連する重度の月経出血を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。
【0091】
対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。有効量又は有効用量が、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0092】
使用され得る好適なエストロゲンは、例えば、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンを含む。
【0093】
使用され得る好適なプロゲストーゲンは、例えば、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲストーゲンを含む。
【0094】
連続的に使用される、ホルモン補充療法のためのエストロゲン及びプロゲストーゲンを含有して一緒にされた製剤は、当分野において公知であり、本発明にやはり使用され得る。好適な製剤は、例えば、Activella(登録商標)、Angeliq(登録商標)、FemHRT(登録商標)、Jenteli(商標)、Mimvey(商標)、Prefest(商標)、Premphase(登録商標)及びPrempro(登録商標)を含む。
【0095】
本発明の一態様において、エストロゲンは、エストラジオールである。別の態様において、エストラジオールの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、エストラジオールの用量は、1.0mgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日1回、投与される。
【0096】
本発明の別の態様において、エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。別の実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は、2.5mcgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールの用量は、5.0mcgである。さらに別の態様において、エチニルエストラジオールは、1日1回、投与される。
【0097】
本発明のさらに別の態様において、エストロゲンは、抱合型エストロゲンである。別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.3mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.45mg又は0.625mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンは、1日1回、投与される。
【0098】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、周期的(28~30日間のサイクルの最後の12日間)に使用される、プロゲステロンである。別の実施形態において、プロゲステロンの用量は、100又は200mgである。
【0099】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は,0.1mgである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、1.0mgである。さらに別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0100】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルゲスチメートである。別の態様において、ノルゲスチメートの用量は、0.09mgである。さらに別の態様において、ノルゲスチメートは、1日1回、投与される。
【0101】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、メドロキシプロゲステロンである。本発明のさらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、1.5mgである。別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、2.5mg又は5mgである。さらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンは、1日1回、投与される。
【0102】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ドロスピレノンである。別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.25mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.5mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンは、1日1回、投与される。
【0103】
本発明の一態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日2回、投与される300mgとなる。
【0104】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される300mgとなる。
【0105】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0106】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0107】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0108】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0109】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、並びにこれらの組成物及び製剤の投与は、エストロゲン及びプロゲストーゲンの投与前、この直前、この最中、この直後、又はこの後であってもよい。
【0110】
さらに別の態様において、治療サイクルは、連続投与されるエストロゲンと組み合わせた、エラゴリクスの毎日の投与及びプロゲストーゲンの周期投与からなる。例えば、正常な月経周期を模倣するため、及び定期的な軽度の出血エピソードを誘導するため、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与が3か月又は6か月であり、プロゲストーゲンは、毎月、最後の12~14日間、投与される。さらに別の態様において、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与、並びにプロゲストーゲンの周期投与からなる。
【0111】
さらにさらなる態様において、治療サイクルは、エラゴリクスの毎日の投与、並びにエストロゲン及び/又はプロゲストーゲンの遅延投与からなる。例えば、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~6か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が6か月間となる。代替的に、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~12か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が12か月間となる。
【0112】
子宮筋腫を有する対象における全子宮体積を低下させる方法
別の実施形態において、本発明は、子宮筋腫を有する対象における、全子宮体積を低下させる方法に関する。「全子宮体積」は、子宮全体の体積である。一態様において、本発明の方法が使用されて、全子宮体積を少なくとも約25%以上、低下させることができる。別の態様において、本発明の方法が使用されて、子宮筋腫を有する対象における全子宮体積を低下させることができる。より詳細には、本発明の方法が使用されて、子宮筋腫を有する対象において、全子宮体積を少なくとも約25%以上、低下させることができる。全子宮体積を測定する方法は、当分野において公知であり、超音波及び/又はMRIを含む。
【0113】
a. エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
一態様において、本発明の方法は、子宮筋腫を有しており、かつこの治療を必要とする対象における、全子宮体積を低下させるステップを含む。本方法は、子宮筋腫を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。これらの用量は、1日1回又は1日2回、投与され得る。
【0114】
b. ホルモン補充療法と組み合わせたエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
別の態様において、本発明の方法は、子宮筋腫を有しており、かつこの治療を必要とする対象における、子宮体積を低下させるステップを含む。本方法は、子宮筋腫を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。本方法は、子宮筋腫に関連する重度の月経出血を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。
【0115】
対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。有効量又は有効用量が、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0116】
使用され得る好適なエストロゲンは、例えば、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンを含む。
【0117】
使用され得る好適なプロゲストーゲンは、例えば、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲストーゲンを含む。
【0118】
連続的に使用される、ホルモン補充療法のためのエストロゲン及びプロゲストーゲンを含有して一緒にされた製剤は、当分野において公知であり、本発明にやはり使用され得る。好適な製剤は、例えば、Activella(登録商標)、Angeliq(登録商標)、FemHRT(登録商標)、Jenteli(商標)、Mimvey(商標)、Prefest(商標)、Premphase(登録商標)及びPrempro(登録商標)を含む。
【0119】
本発明の一態様において、エストロゲンは、エストラジオールである。別の態様において、エストラジオールの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、エストラジオールの用量は、1.0mgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日1回、投与される。
【0120】
本発明の別の態様において、エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。別の実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は、2.5mcgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールの用量は、5.0mcgである。さらに別の態様において、エチニルエストラジオールは、1日1回、投与される。
【0121】
本発明のさらに別の態様において、エストロゲンは、抱合型エストロゲンである。別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.3mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.45mg又は0.625mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンは、1日1回、投与される。
【0122】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、周期的(28~30日間のサイクルの最後の12日間)に使用される、プロゲステロンである。別の実施形態において、プロゲステロンの用量は、100又は200mgである。
【0123】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.1mgである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、1.0mgである。さらに別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0124】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルゲスチメートである。別の態様において、ノルゲスチメートの用量は、0.09mgである。さらに別の態様において、ノルゲスチメートは、1日1回、投与される。
【0125】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、メドロキシプロゲステロンである。本発明のさらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、1.5mgである。別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、2.5mg又は5mgである。さらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンは、1日1回、投与される。
【0126】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ドロスピレノンである。別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.25mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.5mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンは、1日1回、投与される。
【0127】
本発明の一態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日2回、投与される300mgとなる。
【0128】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される300mgとなる。
【0129】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0130】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0131】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0132】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0133】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、並びにこれらの組成物及び製剤の投与は、エストロゲン及びプロゲストーゲンの投与前、この直前、この最中、この直後、又はこの後であってもよい。
【0134】
さらに別の態様において、治療サイクルは、連続投与されるエストロゲンと組み合わせた、エラゴリクスの毎日の投与及びプロゲストーゲンの周期投与からなる。例えば、正常な月経周期を模倣するため、及び定期的な軽度の出血エピソードを誘導するため、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与が3か月又は6か月であり、プロゲストーゲンは、毎月、最後の12~14日間、投与される。さらに別の態様において、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与、並びにプロゲストーゲンの周期投与からなる。
【0135】
さらにさらなる態様において、治療サイクルは、エラゴリクスの毎日の投与、並びにエストロゲン及び/又はプロゲストーゲンの遅延投与からなる。例えば、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~6か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が6か月間となる。代替的に、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~12か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が12か月間となる。
【0136】
外科的処置又は半侵襲的処置後の子宮筋腫の再成長又は再発を予防する方法
さらに別の実施形態において、本発明は、外科的処置(筋腫摘出など)又は半侵襲的処置(子宮動脈塞栓術、MRIにより案内される高密度焦点式超音波療法など)によって対象から1つ以上の子宮筋腫を除去した後に、対象における子宮筋腫の再成長又は再発を予防する方法に関する。
【0137】
a. エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
一態様において、本発明の方法は、外科的処置又は半侵襲的処置によって、対象から1つ以上の子宮筋腫を除去した後に、対象における子宮筋腫の再成長又は再発を予防するステップを含む。本方法は、1つ以上の子宮筋腫が除去(外科的処置又は半侵襲的処置などによる)された対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。
【0138】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩は、手術直後にそれを必要とする対象に投与され得る。「手術直後」とは、術後1日間、術後2日間、術後3日間、術後4日間、術後5日間、術後6日間又は術後7日間、エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与することを指す。エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩は、少なくとも6か月、少なくとも12か月、少なくとも18か月、少なくとも24か月などの期間、手術後に毎日(すなわち、連続的に)、対象に投与され得る。対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。これらの用量は、1日1回又は1日2回、投与され得る。
【0139】
b. ホルモン補充療法と組み合わせたエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
さらに別の態様において、本発明の方法は、外科的処置又は半侵襲的処置によって、対象から1つ以上の子宮筋腫を除去した後に、対象における子宮筋腫の再成長又は再発を予防するステップを含む。本方法は、1つ以上の子宮筋腫の除去された対象(外科的処置又は半侵襲的処置などによる)に、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。
【0140】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩は、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて、手術直後にそれを必要とする対象に投与され得る。「手術直後」とは、術後1日間、術後2日間、術後3日間、術後4日間、術後5日間、術後6日間又は術後7日間、エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与することを指す。エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩は、少なくとも6か月、少なくとも12か月、少なくとも18か月、少なくとも24か月などの期間、手術後に毎日(すなわち、連続的に)、対象に投与され得る。
【0141】
対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。有効量又は有効用量が、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0142】
使用され得る好適なエストロゲンは、例えば、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンを含む。
【0143】
使用され得る好適なプロゲストーゲンは、例えば、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲストーゲンを含む。
【0144】
連続的に使用される、ホルモン補充療法のためのエストロゲン及びプロゲストーゲンを含有して一緒にされた製剤は、当分野において公知であり、本発明にやはり使用され得る。好適な製剤は、例えば、Activella(登録商標)、Angeliq(登録商標)、FemHRT(登録商標)、Jenteli(商標)、Mimvey(商標)、Prefest(商標)、Premphase(登録商標)及びPrempro(登録商標)を含む。
【0145】
本発明の一態様において、エストロゲンは、エストラジオールである。別の態様において、エストラジオールの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、エストラジオールの用量は、1.0mgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日1回、投与される。
【0146】
本発明の別の態様において、エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。別の実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は、2.5mcgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールの用量は、5.0mcgである。さらに別の態様において、エチニルエストラジオールは、1日1回、投与される。
【0147】
本発明のさらに別の態様において、エストロゲンは、抱合型エストロゲンである。別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.3mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.45mg又は0.625mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンは、1日1回、投与される。
【0148】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、周期的(28~30日間のサイクルの最後の12日間)に使用される、プロゲステロンである。別の実施形態において、プロゲステロンの用量は、100又は200mgである。
【0149】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.1mgである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、1.0mgである。さらに別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0150】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルゲスチメートである。別の態様において、ノルゲスチメートの用量は、0.09mgである。さらに別の態様において、ノルゲスチメートは、1日1回、投与される。
【0151】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、メドロキシプロゲステロンである。本発明のさらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、1.5mgである。別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、2.5mg又は5mgである。さらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンは、1日1回、投与される。
【0152】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ドロスピレノンである。別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.25mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.5mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンは、1日1回、投与される。
【0153】
本発明の一態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日2回、投与される300mgとなる。
【0154】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される300mgとなる。
【0155】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0156】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0157】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0158】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0159】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、並びにこれらの組成物及び製剤の投与は、エストロゲン及びプロゲストーゲンの投与前、この直前、この最中、この直後、又はこの後であってもよい。
【0160】
さらに別の態様において、治療サイクルは、連続投与されるエストロゲンと組み合わせた、エラゴリクスの毎日の投与及びプロゲストーゲンの周期投与からなる。例えば、正常な月経周期を模倣するため、及び定期的な軽度の出血エピソードを誘導するため、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与が3か月又は6か月であり、プロゲストーゲンは、毎月、最後の12~14日間、投与される。さらに別の態様において、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与、並びにプロゲストーゲンの周期投与からなる。
【0161】
さらにさらなる態様において、治療サイクルは、エラゴリクスの毎日の投与、並びにエストロゲン及び/又はプロゲストーゲンの遅延投与からなる。例えば、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~6か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が6か月間となる。代替的に、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~12か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が12か月間となる。
【0162】
子宮筋腫に無関係の重度の月経出血を低減又は管理する方法
一実施形態において、本発明は、この治療を必要とする対象における、重度の月経出血(HMB)を低減又は管理する方法であって、重度の月経出血が、子宮筋腫に関連しないが、腺筋症、多嚢胞性卵巣症候群、遺伝性出血障害、特発性の重度の月経出血など他の状態の結果である、方法に関する。一態様において、本発明の方法が使用されて、重度の月経出血を、周期あたり80mL未満の血液喪失まで低減又は管理することができる。別の態様において、本発明の方法が使用されて、対象における重度の月経出血の量を、ベースラインから50%低下させことができる。
【0163】
a. エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
一態様において、本発明の方法は、この治療を必要とする対象における、子宮筋腫以外の状態に関連する重度の月経出血を低減又は管理するステップを含む。本方法は、子宮筋腫以外の状態に関連する重度の月経出血を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。一態様において、対象は、いかなる子宮筋腫も有し得ない。別の態様において、対象は、子宮筋腫を有し得るが、重度の月経出血は、子宮筋腫の結果ではない。
【0164】
対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。用量が、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0165】
b. ホルモン補充療法と組み合わせたエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
別の態様において、本発明の方法は、この治療を必要とする対象における、子宮筋腫以外の状態に関連する重度の月経出血を低減又は管理するステップを含む。本方法は、子宮筋腫以外の状態に関連する重度の月経出血を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。本方法は、子宮筋腫に関連する重度の月経出血を罹患している対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。一態様において、対象は、いかなる子宮筋腫も有し得ない。別の態様において、対象は、子宮筋腫を有し得るが、重度の月経出血は、子宮筋腫の結果ではない。
【0166】
対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。有効量又は有効用量が、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0167】
使用され得る好適なエストロゲンは、例えば、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンを含む。
【0168】
使用され得る好適なプロゲストーゲンは、例えば、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲストーゲンを含む。
【0169】
連続的に使用される、ホルモン補充療法のためのエストロゲン及びプロゲストーゲンを含有して一緒にされた製剤は、当分野において公知であり、本発明にやはり使用され得る。好適な製剤は、例えば、Activella(登録商標)、Angeliq(登録商標)、FemHRT(登録商標)、Jenteli(商標)、Mimvey(商標)、Prefest(商標)、Premphase(登録商標)及びPrempro(登録商標)を含む。
【0170】
本発明の一態様において、エストロゲンは、エストラジオールである。別の態様において、エストラジオールの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、エストラジオールの用量は、1.0mgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日1回、投与される。
【0171】
本発明の別の態様において、エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。別の実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は、2.5mcgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールの用量は、5.0mcgである。さらに別の態様において、エチニルエストラジオールは、1日1回、投与される。
【0172】
本発明のさらに別の態様において、エストロゲンは、抱合型エストロゲンである。別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.3mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.45mg又は0.625mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンは、1日1回、投与される。
【0173】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、周期的(28~30日間のサイクルの最後の12日間)に使用される、プロゲステロンである。別の実施形態において、プロゲステロンの用量は、100又は200mgである。
【0174】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.1mgである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、1.0mgである。さらに別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0175】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルゲスチメートである。別の態様において、ノルゲスチメートの用量は、0.09mgである。さらに別の態様において、ノルゲスチメートは、1日1回、投与される。
【0176】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、メドロキシプロゲステロンである。本発明のさらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、1.5mgである。別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、2.5mg又は5mgである。さらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンは、1日1回、投与される。
【0177】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ドロスピレノンである。別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.25mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.5mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンは、1日1回、投与される。
【0178】
本発明の一態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日2回、投与される300mgとなる。
【0179】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される300mgとなる。
【0180】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0181】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0182】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0183】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0184】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、並びにこれらの組成物及び製剤の投与は、エストロゲン及びプロゲストーゲンの投与前、この直前、この最中、この直後、又はこの後であってもよい。
【0185】
さらに別の態様において、治療サイクルは、連続投与されるエストロゲンと組み合わせた、エラゴリクスの毎日の投与及びプロゲストーゲンの周期投与からなる。例えば、正常な月経周期を模倣するため、及び定期的な軽度の出血エピソードを誘導するため、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与が3か月又は6か月であり、プロゲストーゲンは、毎月、最後の12~14日間、投与される。さらに別の態様において、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与、並びにプロゲストーゲンの周期投与からなる。
【0186】
さらにさらなる態様において、治療サイクルは、エラゴリクスの毎日の投与、並びにエストロゲン及び/又はプロゲストーゲンの遅延投与からなる。例えば、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~6か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が6か月間となる。代替的に、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~12か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が12か月間となる。
【0187】
この治療を必要とする対象における子宮筋腫を治療する方法
一実施形態において、本発明は、子宮筋腫を有しており、かつこの治療を必要とする対象を治療する方法に関する。子宮筋腫を有しており、かつこの方法に準拠して治療される対象は、重度の月経出血を経験していないことがあるが、骨盤圧迫、骨盤痛、膨満感、尿路症状などの他の子宮筋腫症状を代わりに示すことがある。
【0188】
a. エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
一態様において、本発明の方法は、重度の月経出血を示さないが、この治療を必要とする子宮筋腫を有する対象を治療するステップを含む。本方法は、子宮筋腫を有する(及び重度の月経出血を示さない)対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む。対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。これらの用量は、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0189】
b. ホルモン補充療法と組み合わせたエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の使用
別の態様において、この治療を必要とする対象における、対象の子宮筋腫を治療する本発明の方法。本方法は、子宮筋腫を有する(及び重度の月経出血を示さない)対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、エストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。本方法は、子宮筋腫に罹患している(及び重度の月経出血を示さない)対象に、有効量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩を、1種以上のエストロゲン及びプロゲストーゲンと組み合わせて投与するステップを含む。
【0190】
対象に投与され得る有効量又は有効用量のエラゴリクス若しくは薬学的に許容されるその塩は、1日あたり300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mg、400mg又は600mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約300mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約400mgである。本発明のさらに別の態様において、有効量あるいは有効用量のエラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物は、1日あたり約600mgである。有効量又は有効用量が、1日1回又は1日2回、投与され得る。エストロゲン及び/又はプロゲストーゲンは、経口的に、経皮的に又は膣内に投与され得る。
【0191】
使用され得る好適なエストロゲンは、例えば、エストラジオール、エチニルエストラジオール及び抱合型エストロゲンを含む。
【0192】
使用され得る好適なプロゲストーゲンは、例えば、プロゲステロン、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルゲスチメート、ドロスピレノン及びメドロキシプロゲストーゲンを含む。
【0193】
連続的に使用される、ホルモン補充療法のためのエストロゲン及びプロゲストーゲンを含有して一緒にされた製剤は、当分野において公知であり、本発明にやはり使用され得る。好適な製剤は、例えば、Activella(登録商標)、Angeliq(登録商標)、FemHRT(登録商標)、Jenteli(商標)、Mimvey(商標)、Prefest(商標)、Premphase(登録商標)及びPrempro(登録商標)を含む。
【0194】
本発明の一態様において、エストロゲンは、エストラジオールである。別の態様において、エストラジオールの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、エストラジオールの用量は、1.0mgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールは、1日1回、投与される。
【0195】
本発明の別の態様において、エストロゲンは、エチニルエストラジオールである。別の実施形態において、エチニルエストラジオールの用量は、2.5mcgである。さらに別の実施形態において、エストラジオールの用量は、5.0mcgである。さらに別の態様において、エチニルエストラジオールは、1日1回、投与される。
【0196】
本発明のさらに別の態様において、エストロゲンは、抱合型エストロゲンである。別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.3mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンの用量は、0.45mg又は0.625mgである。さらに別の実施形態において、抱合型エストロゲンは、1日1回、投与される。
【0197】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、周期的(28~30日間のサイクルの最後の12日間)に使用される、プロゲステロンである。別の実施形態において、プロゲステロンの用量は、100又は200mgである。
【0198】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.1mgである。別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、0.5mgである。別の実施形態において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンの用量は、1.0mgである。さらに別の態様において、ノルエチンドロン又は酢酸ノルエチンドロンは、1日1回、投与される。
【0199】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ノルゲスチメートである。別の態様において、ノルゲスチメートの用量は、0.09mgである。さらに別の態様において、ノルゲスチメートは、1日1回、投与される。
【0200】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、メドロキシプロゲステロンである。本発明のさらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、1.5mgである。別の態様において、メドロキシプロゲステロンの用量は、2.5mg又は5mgである。さらに別の態様において、メドロキシプロゲステロンは、1日1回、投与される。
【0201】
本発明のさらに別の態様において、プロゲストーゲンは、ドロスピレノンである。別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.25mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンの用量は、0.5mgである。さらに別の態様において、ドロスピレノンは、1日1回、投与される。
【0202】
本発明の一態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日2回、投与される300mgとなる。
【0203】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される300mgとなる。
【0204】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0205】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される400mgとなる。
【0206】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、0.5mgのエストラジオール及び0.1mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0207】
本発明のさらに別の態様において、エラゴリクスの用量は、1.0mgのエストラジオール及び0.5mgの酢酸ノルエチンドロンと組み合わせて、1日1回又は1日2回、投与される600mgとなる。
【0208】
エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物、並びにこれらの組成物及び製剤の投与は、エストロゲン及びプロゲストーゲンの投与前、この直前、この最中、この直後、又はこの後であってもよい。
【0209】
本発明の一実施形態において、エラゴリクス又は薬学的に許容されるその塩の用量は、100~800mgの範囲、200~600mgの範囲、200~400mgの範囲又は300~600mgの範囲にある。本発明のさらなる実施形態において、エラゴリクスの化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の用量は、約75mg、100mg、150mg、200mg、300mg、400mg又は600mgである。これらの用量は、1日1回又は1日2回、投与され得る。
【0210】
さらに別の態様において、治療サイクルは、連続投与されるエストロゲンと組み合わせた、エラゴリクスの毎日の投与及びプロゲストーゲンの周期投与からなる。例えば、正常な月経周期を模倣するため、及び定期的な軽度の出血エピソードを誘導するため、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日投与が3か月又は6か月であり、プロゲストーゲンは、毎月、最後の12~14日間、投与される。さらに別の態様において、治療サイクルは、エラゴリクス及びエストロゲンの毎日の投与、並びにプロゲストーゲンの周期投与を含む。
【0211】
さらにさらなる態様において、治療サイクルは、エラゴリクスの毎日の投与、並びにエストロゲン及び/又はプロゲストーゲンの遅延投与を含む。例えば、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~6か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日の投与が6か月間である。代替的に、治療サイクルは、エストロゲン及びプロゲストーゲンが3~12か月間、毎日投与されると同時に、エラゴリクスの毎日投与が12か月間である。
【0212】
本発明のある種の実施形態が、本明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態の変形は、上述の説明を一読すると、当業者に明白となり得る。本発明者らは、当業者が、適宜、このような変形を用いることを予期しており、本明細書において具体的に記載されている以外の方法で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は準拠法によって許可されているように、本明細書に添付の特許請求の範囲において列挙されている主題の修正及び均等物をすべて含む。さらに、これらのすべての可能な変形において、特に示されていない限り、又は明確に文脈と矛盾しない限り、上記の要素の任意の組合せが本発明によって包含される。
【実施例0213】
[実施例-1] 子宮内膜症の対象における、完了した第2相試験における有効性及び安全性所見の要旨
【0214】
有効性
6つの第2相の無作為化した、二重盲検のプラセボ及び/又は活性体を対照とする並行群の多回用量検討を完了して、子宮内膜症関連疼痛のための治療としてのエラゴリクスを評価した。有効性は、月経困難(DYS)、非月経骨盤痛(NMPP)、性交困難、及び機器の範囲内での一般的な骨盤痛について評価した。
【0215】
追加の有効性アセスメントは、クオリティオブライフ、及び子宮内膜症の疼痛を制御するための鎮痛剤の使用を含んだ。
【0216】
これらの第2相試験にわたり、登録基準は類似しており、目視検査(スクリーニングの5~8年以内に腹腔鏡検査又は開腹術)によって確認された子宮内膜症を有する、18~49歳の閉経前女性であって、中等度から重度の子宮内膜症関連疼痛を経験した上記閉経前女性を選択するよう意図された。女性は、規則的な月経周期を有していた場合、及び重症な子宮筋腫若しくは骨盤病変がない場合に含まれた。
【0217】
75~250mgの範囲となるエラゴリクスの合計の1日分の用量が、12又は24週間の治療の間の、DYS、NMPP又は一般的な骨盤痛(患者の全般的な印象の変化を含む)を測定する疼痛の機器の範囲にわたり評価された。
【0218】
まとめると、これらの第2相試験は、100~250mgのエラゴリクスの1日あたりの用量が、子宮内膜症関連疼痛の臨床的に有意な低下を伴うことを示した。
【0219】
検討により、1日あたり150mgの用量のエラゴリクスは、DYS及びNMPPに対して、酢酸メドロキシプロゲステロンの皮下向けデポ剤(DMPA-SC)と同等の効果を有する一方、1日あたり150mg及び250mgの用量のエラゴリクスは、リュープロレリンと比べるとそれほど効果がないことも実証された。
【0220】
さらに、性交困難の症状は軽減され、女性は、クオリティオブライフのアセスメントが改善されたことを報告した。疼痛を制御するための鎮痛剤の総合的な使用は、エラゴリクス治療群においてやはり低下した。
【0221】
子宮出血に及ぼすエラゴリクスの効果を、電子記録日誌(eDiary)における出血の毎日の報告に従い、1か月あたりの出血日の割合の分析を含めた、第2相の子宮内膜症プログラムにおいて評価した。これらの分析により、総合的に、エラゴリクスを服用した患者は、プラセボの投与を受けた患者と比べると、1か月あたりの出血日数はより少なく経験したことが示された。250mg QDを服用した患者は、150mg QDを服用した患者と比べて、出血日数をより少なく経験した。毎日のeDiaryの記録からの個々の月経チャートを精査すると、エラゴリクスのレシピエントの大部分が、出血強度の低下を経験し、多くの場合、出血エピソード間の間隔が延びたことが示された。
【0222】
一部の対象は、特に、低用量のエラゴリクスにおいて、やはり不規則な出血のいくつかの証拠を伴う、希発月経期間を経験した。
【0223】
安全性
子宮内膜症を有する女性におけるエラゴリクスの安全性及び忍容性を、エラゴリクスを少なくとも1用量を服用した708名の女性を含め、6つの完了した第2相試験において評価した。全体として、475名の女性が、少なくとも12週間、エラゴリクスを服用し、278名の女性が、少なくとも24週間の期間、エラゴリクスを服用した。女性の大部分は、白人(78.9%~100%)である一方、約7%が黒人であり、約4.5%がヒスパニック系であった。これらの6つの第2相試験全体の平均年齢は、31~33歳(範囲は、18~48歳)であり、平均肥満度指数(BMI)は、23~28kg/mであった。総合的に、女性の40%~70%は、子宮内膜症の治療に関して事前の治療を受けており、ホルモン避妊薬が、この状態に対して処方される最も一般的なクラスの薬物であった。さらに、これらの大部分は、検討登録前に、鎮痛剤医薬(非ステロイド系抗炎症薬、オピオイド及び/又は他のもの)を服用中であった。
【0224】
子宮内膜症を有する女性における完了した第2相試験での安全性データを精査すると、エラゴリクスは、評価したすべての1日あたりの用量(100~250mg)に対して安全であり、かつ十分に忍容されることが示された。中止に至ったAE(4.8%)の出現率は、4.8%であった。12週間及び24週間の解析対象集団の両方において、エラゴリクスの場合に観察された最も共有した有害事象は、頭痛及び悪心であり、出現率は、24週間の解析において、DMPA-SCの場合に観察された有害事象と類似していた。これらの事象のいずれも、深刻なものではなく、これらの事象は、検討中止の1%未満しか寄与しなかった。
【0225】
[実施例2]
この実施例は、子宮筋腫を有する閉経前女性における、Activella(登録商標)と共に又はこれなしに投与されたエラゴリクスの安全性及び有効性を評価する、3か月間の治療期間による、複数の機関で行われる、第2a相の二重盲検のプラセボ対照による無作為化試験(N=280)である。
【0226】
この実施例は、重度の月経出血(HMB;月経周期1回あたり>80mLの血液喪失)を有する20~49歳の閉経前女性における、子宮筋腫に関連する子宮出血の軽減、並びに筋腫体積及び子宮体積を低下させるため、プラセボ対照(PBO)に対する、エラゴリクス(100mg BID、200mg BID、200mg BID+低用量Activella(登録商標)(0.5mgのエストラジオールと0.1mgの酢酸ノルエチンドロンの組合せ)、300mg BID、300mg BID+1.0mgのEstrace、及び200mgの周期的Prometrium(「EP」とまとめて呼ぶ)、400mg QD及び600 QD)の6種の用量の安全性及び有効性を評価する。この検討は、以下の6つのコホートを含んだ:
【0227】
コホート1:エラゴリクス200mg BID又はプラセボ(PBO)。
【0228】
コホート2:エラゴリクス300mg BID又はプラセボ。
【0229】
コホート3:エラゴリクス200mg BID+低用量Activella(登録商標)(0.5mgのエストラジオールと0.1mgのノルエチンドロンアクテート(norethindrone actate)の組合せ)
コホート4:エラゴリクス100mg BID、400mg QD又はプラセボ。
【0230】
コホート5:エラゴリクス600mg QD。
【0231】
コホート6:エラゴリクス300mg BID+エストロゲン(1.0mgのエストラジオール(Estrace(登録商標)))及び200mgのプロゲステロン(周期的Prometrium(登録商標)))(EP)。Estrace(登録商標)をエラゴリクス(連続的)と共に毎日、投与し、Prometrium(登録商標)を、月経周期の毎28日の最後の12日間、毎日投与した(周期的)。
【0232】
登録
予備データは、少なくとも1用量のエラゴリクスの投与を受けた170名の女性を含んだ。全体として、152名の女性が、少なくとも2か月間、エラゴリクスの投与を受け、127名の女性が、3か月間(全治療期間)、エラゴリクスの投与を受けた。女性の大部分は、黒人(約80%)であり、19%が白人であった。平均年齢は、41.9歳(28~53歳の範囲)であり、平均肥満度指数(BMI)は、30.3kg/m2である。
【0233】
登録者の特徴を表1に示す。
【0234】
【0235】
【0236】
有効性
いくつかの有効性エンドポイントがあるが、2つの出血アセスメントからなる複合エンドポイントを使用して、有効性の尺度の1つを評価した。有効性エンドポイントは、最後の月(治療の最後の28日)において、<80mLの月経による血液喪失(MBL)量に到達し、かつ同様にアルカリヘマチン(AH)方法によって測定される、ベースラインから最後の月(治療の最後の28日)までのMBL量の≧50%低下に到達した対象の割合を含んだ。それぞれ、200mg BID、300mg BID及びプラセボ群において、対象の85%、97%及び30%が、複合出血アセスメントエンドポイントに到達した(コホート1において、プラセボに対して200mg BIDの場合、及びコホート2において、プラセボに対して300mg BIDの場合、P<0.05)。200mg BID+低用量Activella(登録商標)(低用量Activella(登録商標)は、0.5mgのエストラジオールと0.1mgの酢酸ノルエチンドロンの組合せである。)群において、対象の82%が、この複合エンドポイントに到達した。筋腫及び子宮体積に関すると、200mg BID、300mg BID及びプラセボ群において、それぞれ、対象の63%、55%及び29%が、筋腫体積の≧25%低下を達成し、対象の50%、68%及び9%が、子宮体積の≧25%低下を達成した。200mg BID+低用量群において、対象の53%及び42%が、それぞれ、筋腫及び子宮体積の≧25%低下を達成した。クオリティオブライフ(QoL)尺度は、「子宮筋腫症状の応答及び健康に関連するクオリティオブライフに関する質問票」(UFS-QOL)を使用してやはり決定した(Harding,Gale、Coyne Karin S.、Thompson Christine L.、Spies James B、United BioSource Corporation、7101 Wisconsin Avenue、Suite 600、Bethesda、MD、20814、USA、Health and Quality-Life Outcomes、2008年、6巻、99頁)。
【0237】
これらの結果を、
図1~5、並びに以下の表3及び4に要約する。
【0238】
表3:アルカリヘマチン(AH)方法によって測定された治療期間中の月経による血液喪失の合計(
図2も参照されたい。)。
【0239】
【0240】
表4:アルカリヘマチン(AH)方法によって測定した治療期間中の毎月の月経による血液喪失(MBL)の平均
【0241】
【0242】
表3及び4、並びに
図1~3における結果は、アドバック療法を伴わないエラゴリクス300mg BIDは、出血の最大阻害を実現する(女性の大部分は無月経を達成した。)ことを示す。エラゴリクス400mg QD及び600mg QDは、この点において、わずかながら有効性に乏しかった。しかし、これらの用量は、比較的高い割合のほてりを伴った(女性の50~62.5%が、ほてりの有害事象を報告した。)。エラゴリクス200mg+低用量Activella(登録商標)(0.5mg E2/0.1mg NETA)及びエラゴリクス300mg BID+周期的EPレジメン(周期の最後の12日間、1mgのE2/200mgのプロゲステロン)は、HMBを正常レベルにまで回復させた。どちらも、アドバックレジメンにより、ほてりの割合が約50%低下した。
【0243】
図4は、エラゴリクス治療のすべて(アドバック療法を伴う及び伴わない)が、3か月以内に子宮体積及び筋腫体積を低下させたこと、及びエラゴリクス300mg BIDは、最強の効果を示したことを示している。さらに、アドバック療法レジメンのどちらも、体積低下に及ぼすエラゴリクスの効果を実質的に低下しなかった。
図5により、エラゴリクス治療のすべて(アドバック療法を伴う及び伴わない)が、プラセボに比べて、クオリティオブライフ(QoL)尺度の改善を示すことが示された。
【0244】
[実施例A-1] 子宮筋腫及び非優位性腺筋症を有する女性の部分群における、エラゴリクスの有効性及び安全性
【0245】
腺筋症は、子宮筋組織内部における、子宮膜の良性組織の成長というエストロゲン依存性疾患であり、重度の月経出血(HMB)及び月経困難を伴う。腺筋症は、子宮を正常に覆っている子宮内膜の組織が、内部から飛び出し、子宮の筋壁にまで成長している場合に起こる。場所の違う子宮内膜組織が、各月経周期の間、通常(肥厚化、破壊及び出血)通り、働き続ける。大きくなった子宮、及び疼痛のある重度の生理をもたらす恐れがある。症状は、子供を出産後、出産年齢の後半に始まることが最も多い。腺筋症の原因は、依然として不明であるが、この疾患は、通常、更年期を過ぎるとなくなる。腺筋症に起因する重度の不快感を経験する女性の場合、ある治療が一助となり得るが、子宮摘出が唯一の治療法である。時として、腺筋症は、無症候性である、徴候又は症状を引き起こさない、又は、唯一軽度の不快感がある。他の例において、腺筋症は、以下:重度の又は長く続く月経出血、月経中の重度の痙攣、又は鋭い刃物で刺すような骨盤痛(月経困難)、生理期間にわたり続く月経痙攣及び年齢を重ねるにつれて起こる悪化、性交中の疼痛、並びに月経期間に出る血栓を引き起こす恐れがある。
【0246】
UF及び腺筋症を有する女性の部分群における、エラゴリクスの有効性及び安全性の解析を行った。
【0247】
患者及び方法:HMB(≧80ml/月)及びUFを有する閉経前女性において、エラゴリクス(コホート1、300mgを1日2回[BID]及びコホート2、600mgを1日1回[QD])、エラゴリクスと0.5mgのエストラジオール(E2)/0.1mgの酢酸ノルエチンドロン(NETA)、及びエラゴリクスと1.0mgのE2/0.5mgのNETAの安全性及び有効性を評価する、6か月間の無作為化した、二重盲検のプラセボを対照とする2つのコホートの第2b相臨床試験を行った。この臨床試験において検討したエラゴリクスは、化合物Aのナトリウム塩を含んだ。
【0248】
対象はすべて、超音波を用いて評価し、サブセットは、MRIによってやはり自発的に評価を受けた。女性が、優勢状態(超音波/MRIにより、子宮筋層の>50%)として、びまん性又は部分性腺筋症の形跡を有した場合、この検討から除外した。ベースラインにおいて、非優勢腺筋症(超音波/MRI)であると確認された女性の部分群において、有効性及び安全性を事後評価した。月経による血液喪失(MBL)は、生理用品から定量した(アルカリヘマチン)。複合一次エンドポイントは、最後の28日間の治療におけるベースラインからの、HMB及び<80mLであるMBLの≧50%低下を有した女性の割合とした。有害事象(AE)を記録した。
【0249】
結果:この検討において治療した567名の女性のうち、86名の女性(15%;コホート1、n=32;コホート2、n=54)は、腺筋症であることが確認された(超音波及び/又はMRI)。確認された腺筋症を有する女性の大多数(72%)は黒人であり、87%が、ベースラインにおいて、≧25BMIを有した。治療の最後の28日間に、HMB及び<80mLの月経による血液喪失(MBL)がベースラインから≧50%の低下を有した、コホート1における女性の割合は、プラセボ(n=10)の場合、40%であり、エラゴリクス300mg BID(n=5)の場合、80%であり、エラゴリクス300mg BIDと0.5mg E2/0.1mg NETA(n=12)との場合、83%であり、エラゴリクス300mg BIDと1.0mg E2/0.5mg NETA(n=5)との場合、100%であり、コホート2における女性の割合は、プラセボ(n=16)の場合、13%であり、エラゴリクス600mg QD(n=13)の場合、92%であり、エラゴリクス600mg QDと0.5mg E2/0.1mg NETA(n=14)との場合、93%であり、エラゴリクス600mg QDと1.0mg E2/0.5mg NETA(n=9)との場合、89%であった。薬物検討に関連する又はこれに関連しない、少なくとも1つのAEは、コホート1において、プラセボ群(n=10)の90%、及びエラゴリクス治療群(n=22)の77%に報告があり、コホート2において、プラセボ群(n=16)の88%、及びエラゴリクス治療群(n=38)の67%に報告があった。
【0250】
[実施例A-2] 症状性腺筋症を有する女性におけるエラゴリクスの安全性及び有効性
症候性腺筋症を有する年齢が18~51歳の閉経前女性において、プラセボに比べ、E2/NETA(エストラジオール1mg/酢酸ノルエチンドロン 0.5mg QD)と組み合わせたエラゴリクス300mg BIDの安全性、有効性及び忍容性を臨床試験において評価する。
【0251】
アドバック治療と等価なエラゴリクス300mg BIDは、症候性腺筋症を有する女性において、重度の月経出血(HMB)及び骨盤痛を低減することが予期される。既に記載した通り、アドバック及びエラゴリクスの別の用量は、症候性腺筋症の治療にも使用することができる。
【0252】
エラゴリクスが効果的かつ安全であることを見出すことができた評価の様々な態様は、以下を含むことができる:
a)6か月時において、月経による血液喪失(MBL)がベースラインから>50%の低下を伴う、重度の月経出血の<80ml/月への低下。
b)3か月時における、骨盤痛の臨床的に有意な低下(ベースラインからの>30%の低下として定義)。このアセスメントは、同様に、鎮痛剤などの他の共投薬を考慮に入れる。
c)3か月時において、MBLがベースラインから>50%の低下を伴う、重度の月経出血の<80ml/月への低下、
d)12か月時において、MBLがベースラインから>50%の低下を伴う、重度の月経出血の<80ml/月への低下、
e)6か月時における、骨盤痛のベースラインからの臨床的に有意な低下(>30%の低下として定義)。このアセスメントは、同様に、鎮痛剤などの他の共投薬を考慮に入れる。
f)プラセボに比べた、ベースラインからのMBL体積平均変化、
g)無月経+/-小出血により定義される出血の抑制、
h)月経期の全体にわたって続く月経痙攣の抑制、
i)性交の間の疼痛の低減、又は
j)月経期中に出る血栓の低下。
【0253】
安全性評価は、身体検査、バイタルサイン、子宮内膜のアセスメント(子宮内膜の厚み及び生検)、骨盤の超音波[TAU(経腹超音波)/TVU(経膣超音波)]、臨床検査室検査及び有害事象のモニタリングを含むことができる。
【0254】
[実施例A-3] 子宮内膜症に関連する状態における、エラゴリクスの安全性及び有効性
(I)エラゴリクスは、脳下垂体におけるGnRH受容体に競合的に結合することによって内因性GnRHシグナル伝達を遮断する、経口的に投与される短期作用型の選択的非ペプチド低分子GnRH受容体アンタゴニストである。エラゴリクスの投与は、黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルの用量依存的抑制をもたらし、卵巣の性ホルモンである、エストラジオール及びプロゲステロンの血中レベルの低下をもたらす。LH及びFSH抑制は、投与時間内に始まり、エラゴリクスの中止時に容易に反転可能である。
【0255】
(a)薬力学:排卵及びエストラジオールに及ぼす影響
健常な女性における3回の月経周期の検討経過の間に、エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDにより、排卵率はそれぞれ、約50%及び32%になった。子宮内膜症を有する女性における第3相検討において、エストラジオールの約50pg/mLへの部分抑制が、エラゴリクス150mg QDの場合に観察された一方、エラゴリクス200mg BIDによる治療後に、エストラジオールの約12pg/mLまでのほぼ完全な抑制が観察された。
【0256】
(b)QT間隔に及ぼすエラゴリクスの影響
エラゴリクスは、QTc間隔を延長しない。QTc間隔に及ぼすエラゴリクス(最大1200mg)の影響を、活性を制御(モキシフロキサシン400mg)した徹底的なQT検討において評価した。エラゴリクスの治療濃度の17~23倍(それぞれ、200mg BID及び150mg QDレジメンに対する。)時において、エラゴリクスは、QTc間隔を延長しなかった。
【0257】
(II)健常な対象におけるエラゴリクスの薬物動態特性が、表A-1に示されている。定常状態の薬物動態パラメーターが、表A-2に示されている。
【0258】
【0259】
【0260】
(III)特定の集団における薬物動態
(a)腎機能障害
エラゴリクス曝露(Cmax及びAUC)は、腎機能障害によって改変されない。平均曝露は、正常な腎機能を有する女性と比べて、中等度から重度の、又は末期の腎不全(透析を受けている女性を含む)を有する女性と類似している。
【0261】
(b)肝機能障害
エラゴリクス曝露(Cmax及びAUC)は、正常な肝機能を有する女性と軽度の肝機能障害を有する女性の間において類似する。中等度及び重度の肝機能障害を有する女性におけるエラゴリクス曝露は、正常な肝機能を有する女性からの曝露の、それぞれ、約3倍及び7倍である。
【0262】
(IV)薬物の相互作用検討
薬物相互作用検討は、エラゴリクス、及び共投与される可能性が高い他の薬物、及び薬物動態相互作用に対するプローブとして一般に使用される薬物を用いて行った。表A-3及びA-4は、エラゴリクスが、潜在的に臨床的に適切な変化を示した他の薬物と共投与された場合の、薬物動態影響を要約している。
【0263】
【0264】
【0265】
(V)薬物相互作用
(a)エラゴリクスが他の薬物に影響を及ぼす可能性
エラゴリクスは、シトクロムP450(CYP)3A酵素の低度から中度の誘発物質である。エラゴリクスとの共投与により、CYP3Aの基質である薬物の血漿中濃度が低下し得る。
【0266】
エラゴリクスは、300mg BID又は400mg QD又は600mg QDなどの、200mg BID以上において、排出トランスポーターP-グリコタンパク質(P-gp)の阻害剤となる。エラゴリクス200mg BIDとの共投与により、P-gpの基質である薬物の血漿中濃度が低下し得る。
【0267】
(b)他の薬物がエラゴリクスに影響を及ぼす可能性
エラゴリクスは、CYP3A、P-gp及び有機陰イオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1の基質である。エラゴリクスが、CYP3A又はP-gpを阻害する薬物と共投与される場合、臨床的に有意な相互作用は予期されない。
【0268】
エラゴリクスを、CYP3Aを誘発する薬物と共投与すると、エラゴリクスの血漿中濃度が低下し得る。
【0269】
エラゴリクスを、OATP1B1を阻害する薬物と共投与すると、エラゴリクスの血漿中濃度が上昇し得る。強力なOATP1B1阻害剤とエラゴリクス200mg BIDレジメンとの使用は推奨されない。
【0270】
(c)確立された、及び他の潜在的薬物相互作用
表A-5は、同時投与薬物の濃度に及ぼすエラゴリクスの共投与の影響、及びエラゴリクスに及ぼす同時投与薬物の影響を示している。
【0271】
【0272】
臨床的な薬理学、表A-3及びA-4を参照されたい。
矢印の方向は、AUCの変化の方向を示す(↑=増大、↓=低下)。
【0273】
(d)エラゴリクスとの臨床的に有意な相互作用が観察されない薬物
エラゴリクスが、以下の医薬:ケトコナゾール、フルコナゾール、セルトラリン及びノルエチンドロン、又は他のプロゲスチン単独避妊薬と共投与された場合、用量調整は必要としない。
【0274】
(VI)非臨床的毒性学
(a)発がん性
2年間の発がん性検討(マウス及びラットにおいて実施)により、いかなる用量においても、マウスに腫瘍の増大がないことが明らかになったが、高用量(女性において、200mg BIDに関すると、安全性の13倍の差)のラットにおいて、甲状腺(雄及び雌)及び肝臓(雄のみ)の腫瘍の増大が発生した。ラットの腫瘍は、種特異的なものとして特定され、ヒトにとって無視できる程度の関連性であった。この結論は、甲状腺及び肝臓の腫瘍がラットに特異的であり得、高用量における肝臓の薬物代謝酵素の誘発により発生した可能性を証明するために行った、甲状腺及び肝臓への影響に関連する継続探索検討に基づいたものである。
【0275】
(b)突然変異誘発
変異原性検討は、インビトロ及びインビボにおける試験系を使用して、エラゴリクスを用いて行った。これらの検討により、突然変異性又は染色体異常誘発性の可能性の証拠はもたらされなかった。
【0276】
(c)出産能の機能障害
出産能及び生殖器に及ぼす影響を、ラット及びサルを用いる検討において評価し、この検討は、GnRH受容体結合親和性における種の差異を調整すると、ラットの場合、MRHDにおいてAUC未満の血漿中濃度となること、及びサルの場合、約0.28倍~9.9倍となることが確立された。ラットにおいて、出産能検討(用量50、150、300mg/kg/日)において影響はないが、反復用量検討(600、800mg/kg/日の用量)において、卵巣における黄体の退行及び低下が観察された。サルの反復用量検討(75、150、300及び600mg/kg/日)において、すべての用量において、生殖器(子宮頚部、子宮及び膣)の可逆的な萎縮が観察された。ヒトにおけるエラゴリクスの薬理学的作用に基づくと、出産能に対する可逆的な影響が、女性において予期され得る。
【0277】
(VII)臨床検討
関連疼痛を伴う子宮内膜症の管理における、エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDの有効性を、1686名の閉経前女性において、2つの国際的な二重盲検のプラセボ対照検討(検討EM-I及びEM-II)において、及び2つの非対照盲検延長検討(検討EM-III及びEM-IV)において実証した。各プラセボ対照検討は、6か月間の治療にわたる、子宮内膜症関連疼痛の低下を評価した。EM-I及びEM-IIの検討を完了した女性の75%超が、追加の6か月間の治療期間の延長検討に登録した。治療後の最大12か月間、対象を追跡した。
【0278】
(a)疼痛の低下
共主要有効性エンドポイントは、プラセボと比較した、3か月時における、月経困難、及び月経に関連しない骨盤痛(非月経骨盤痛[NMPP]としても知られている。)に対する応答者の割合とした。一次解析は、前の24時間にわたり、疼痛、及び日常の活動に及ぼす影響を評価するよう患者に依頼した毎日の記録日誌を使用して、上記のエンドポイントを独立して評価した。毎日の子宮内膜症疼痛インパクトスケールは、患者が報告する疼痛レベルはない、軽度、中等度又は重度(それぞれ、0~3のスコアに関連付ける。)からなり、各スコアに対して、機能的な構成要素を含ませた。
【0279】
女性が、子宮内膜症関連疼痛のために鎮痛剤の使用を増やすことなく、月経困難及び/又はNMPPの臨床的に有意な低下を経験した場合、その女性を応答者として定義した。
【0280】
プラセボに比べ、エラゴリクス150mg QD又は200mg BIDにより治療された一層高い割合の女性が、3か月時に、用量依存的に、月経困難及びNMPPに対する応答者となった。有効性の持続は、6か月にわたり観察された[表A-6を参照されたい。]。
【0281】
性交困難は、毎日の子宮内膜症疼痛インパクトスケールを使用して、二次エンドポイントとして評価した。
【0282】
プラセボに比べ、エラゴリクス200mg BIDにより治療した一層高い割合の女性が、3か月~6か月時に、性交困難の臨床的に有意な低下を報告した。
【0283】
【0284】
エラゴリクス治療群はどちらも、月経困難スコアの平均値はベースラインから低下し、これは、1か月時点に開始したプラセボよりも統計学的に有意性が高く、6か月間にわたり持続することを示した。
【0285】
これらの検討における女性はまた、0(疼痛なし)~10(これまでで最悪の疼痛)までの範囲のスケールに関して、数値評点スケール(NRS)を使用して、子宮内膜症の疼痛の毎日の自己アセスメントを提出した。エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDを服用した女性は、3か月時及び6か月時に、プラセボと比べて、NRSスコアの統計学的に(p<0.001)非常に有意な低下を報告した。
【0286】
対照検討EM-I及びEM-IIにおいて、元々、エラゴリクスを服用していた患者が、その用量を維持した、2つの盲検延長検討EM-III及びEM-IVにおいて、月経困難、NMPP及び性交困難が改善した持続期間が、合計で12か月となることが実証された。検討EM-IVにおいて、エラゴリクスが食物と共に服用される、及び食物と一緒に服用されない場合、有効性は維持された。
【0287】
検討EM-IIからの有効性エンドポイントに関する結果は、検討EM-Iにおいて観察されたものと一致した。
【0288】
(b)疼痛用医薬使用の低減
これらの検討において、エラゴリクス200mg BIDを服用した女性は、子宮内膜症関連疼痛を治療するために使用されるオピオイド(アセトアミノフェンを含むヒドロコドン)又はナプロキセンレスキュー医薬の量を、ベースラインにおいて必要な量と比べて減量した。さらに、プラセボを服用した女性と比べると、エラゴリクス200mg BIDを服用した女性の場合、オピオイド又はナプロキセンレスキュー医薬を使用した、1か月あたりの日数の割合が有意に低下した。これらの効果は、エラゴリクス150mg QDを服用した女性の場合、それほど一貫して観察されなかった。
図A-5を参照されたい。プラセボと比べると、200mg BIDエラゴリクス群は、3か月~6か月時に、1日あたりのオピオイド丸剤の平均数の変化率のベースラインからの有意な低下を有した。疼痛の低下は、処方され得る、又は一般市販薬に見出され得る、処方オピオイド又は非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)(例えば、ナプロキセン又はアセトアミノフェン)などの、疼痛用医薬の低下によって反映され得る。150mgを1日1回又は1日2回にすると、疼痛用医薬の服用が低減することも予期され、疼痛が低下したことを示し、同様に、1日1回又は1日2回の服用に関わらず、300mgの用量により、疼痛用医薬の摂取量が低下すること、及び疼痛の低下を示すことが予期される。プラセボと比較した、2つの第3相試験における、レスキュー鎮痛剤の使用のこのプールした解析において、(1)エラゴリクス150 QD及び200 BIDの用量はどちらも、レスキューオピオイド医薬が服用された日数の割合の有意な低下を示した、(2)200mg BIDのエラゴリクス用量は、毎日のピル数の平均割合の有意な低下を示した、(3)各エラゴリクス群における女性は、オピオイド用量を増加したものはほとんどおらず、一層多くの女性が、オピオイド用量の減量、又は安定したオピオイド用量を有した。
【0289】
EM-1及びEM-2において、患者の59%及び60%が、ベースライン時において、オピオイドレスキュー鎮痛剤を疼痛に使用した。ベースライン時に使用されたオピオイドレスキュー鎮痛剤は、主に、5/300~325mg及び30/300~500mgの強度のヒドロコドン/アセトアミノフェン(HC/APAP)及びコデイン/APAPであった。EM-1において、ベースライン時にオピオイドを服用している患者のすべてのうち、それぞれ、98%及び2%が、HC/APAP及びコデイン/APAPを服用した。EM-2において、ベースライン時にオピオイドを服用した患者のすべてのうち、50%が、HC/APAPを服用し、16%が、コデイン/APAPを服用し、3%が、コデインを服用し、32%が、トラマドール/APAPを服用した。
【0290】
(c)出血パターンに及ぼす影響
月経出血パターンに及ぼす影響
月経出血に及ぼすエラゴリクスの影響を、毎日、電子記録日誌を使用して、最大12か月間、評価し、この場合、対象は、その月経出血流(最後の24時間にある場合)を、小出血、軽度、中等度又は重度として分類した。エラゴリクスは、月経出血を報告した対象において、出血及び小出血した平均日数、並びに出血強度の用量依存的低下をもたらした。
【0291】
【0292】
エラゴリクスはまた、治療期間にわたり、無月経の女性(56日間の間隔において、出血又は小出血がないものとして定義)の割合が、用量依存的に上昇することも実証した。治療の最初の6か月の間の無月経の発生率は、エラゴリクス150mgを1日1回の場合、6~17%の範囲となり、エラゴリクス200mgを1日2回の場合、13~52%の範囲となり、プラセボの場合、1%未満の範囲となった。治療の第2の6か月の間、無月経の発生率は、エラゴリクス150mgを1日1回の場合、11~15%の範囲となり、エラゴリクス200mgを1日2回の場合、46~57%の範囲となった。
【0293】
1日1回の150mgのエラゴリクスによる治療の6か月後、停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、59%、87%及び95%の女性によって報告された。1日2回の200mgのエラゴリクスによる治療の6か月後、治療の停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、60%、88%及び97%の女性によって報告された。
【0294】
1日1回の150mgのエラゴリクスによる治療の12か月後、治療の停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、77%、95%及び98%の女性により報告された。1日2回の200mgのエラゴリクスによる治療の12か月後、治療の停止後の月経の回復は、それぞれ、1か月、2か月及び6か月以内に、55%、91%及び96%の女性により報告された。
【0295】
(VII)授乳
リスク要約:ミルク生成に及ぼすエラゴリクスの影響、母乳におけるその存在又は授乳された子供に及ぼすエラゴリクスの影響を評価するためのヒト検討は行われていない。エラゴリクス及びその代謝産物がヒトの母乳に存在するかどうかが、ヒトのミルク生成に影響を及ぼす、又は授乳を受けた幼児に影響を及ぼすことは知られていない。
【0296】
(a)ラットにおいて、エラゴリクスは、ミルクを介して、最小限しか分泌されない。
【0297】
授乳の発達上及び健康上の利益は、エラゴリクスに対する母体の臨床的必要性、及びエラゴリクスからの授乳を受けた児童に及ぼす任意の潜在的な有害作用と合わせて考慮されるべきである。
【0298】
(b)データ:動物データ
妊娠ラットに、妊娠期間及び授乳期間全体にわたり、エラゴリクスを含有する食事を与えて、1日あたり、400mg/kgのエラゴリクス用量にした。看護中、母マウス及び同腹マウスを給餌制限群及び非制限群に分けて、母体のミルク中にエラゴリクスが分泌されたかどうかを決定した。出産して10日目及び20日目において、給餌の制限された餌を受けた同複マウスの子供におけるエラゴリクスの血漿中濃度は、測定不能であった。給餌の制限されない群の子供マウスにおいて、エラゴリクス血漿中濃度は測定可能であり、母体の血漿中濃度の約1%であった。授乳を介した曝露の代わりとして、同腹マウスにおける血漿中濃度を使用すると、エラゴリクスは、ミルク中に最小限しか分泌されないと考えられる。
【0299】
(IX)有害反応
(a)臨床試験の経験
臨床試験は、幅広い様々な条件において行われるので、薬物の臨床試験に観察された有害反応の割合は、別の薬物の臨床試験における割合と直接、比較することができず、臨床実践において観察される割合を反映していない可能性がある。
【0300】
エラゴリクスの安全性は、合計が952名の女性を150mg QD又は200mg BIDにより治療した、2つの6か月間のプラセボを対照とする臨床検討(検討EM-I及び検討EM-II)において評価した。集団の年齢範囲は、18~49歳であった。6か月間の治療を完了し、適格基準を満たした女性は、最大12か月間の全治療期間の間、2つの6か月間の延長盲検検討において治療を継続した。
【0301】
(b)検討中止に至る有害反応(>1%)
この2つの対照検討(EM-I及びEM-II)において、エラゴリクス150mg QDにより治療された患者の5.5%、及びエラゴリクス200mg BIDにより治療された患者の9.6%が、有害反応により治療を中止した。どちらの剤形の場合の中止も、ほてり(0.8%及び2.5%)及び悪心(0.8%及び1.5%)によるものが最も共通するものであった。ほてり及び悪心のために中止した大部分は、治療の最初の2か月以内に発生した。対照検討において6か月間、エラゴリクス150mgをQDで服用した後の延長検討の間に、ほてりのためにこれを中止した女性は皆無であった。
【0302】
(c)共通の有害反応:
エラゴリクス用量群のどちらか一方における、2つのプラセボ対照検討における女性の≧5%に報告され、プラセボよりも高い頻度の有害反応を以下の表A-7に明記する。
【0303】
【0304】
延長検討において、有害反応プロファイルは、表A-7に明記されている通り、プラセボ対照検討において明記されたものと類似した。
【0305】
(d)それほど共通していない有害反応:
EM-I及びEM-IIにおいて、エラゴリクス用量群のどちらか一方において≧3%及び<5%に報告された、プラセボより多い有害反応は、以下を含む:
検討:体重の増加
精神医学的障害:うつ病、過敏性、性欲の低下、気分動揺
胃腸障害:下痢、腹痛、便秘;
神経系障害:めまい、又は
皮膚及び皮下組織障害:寝汗。
【0306】
ほてりの事象は、用量依存的であり、大部分は、軽度から中等度として評価した。他のすべての有害事象は、エラゴリクスの両方の用量間において、同等であった。低用量ホルモンアドバック療法を追加すると、ほてりなどのエストロゲン低下に関連する症状の発生が低減され得る。
【0307】
(e)骨ミネラル密度変化
プラセボ対照臨床検討及び延長臨床検討において、BMDをDXAによって測定した。これらの検討からの腰椎のBMDデータを表A-8に示す。他の解剖学的部位(大腿部頚部、股関節)のBMDにおいて観察された変化は、腰椎よりも概して小さいものであった。
【0308】
【0309】
エラゴリクス治療の12か月後、毎日150mgの用量を服用した患者は、-2.0の正常下限値未満のZスコアを有するものはなく、200mg BIDの用量を服用した患者の1%未満しか、-2.0の正常下限値未満のZスコアを有するものはなかった。エラゴリクス治療群のどちらにおいても、6か月及び12か月の治療後に、3つのDXA部位:腰椎、股関節及び大腿部におけるBMDの漸進的な回復があった。
【0310】
曝露-応答のモデル化からの追加解析により、エラゴリクス150mg QDの場合、12か月及び24か月時において、Zスコアの予測平均値(95%CI)は、それぞれ、0.23(0.01~0.45)及び0.18(-0.04~0.40)であることが示される。このモデルにより、3か月間、エラゴリクス150mg QDの治療を開始し、次に、200mg BIDまで用量を増加した対象において、6か月及び12か月時に、Zスコアの予測平均値(95%CI)は、それぞれ、0.23(-0.01~0.47)及び0.11(-0.13~0.36)であると予測される。
【0311】
(f)治療の間の検査値の変化
【0312】
(i)脂質
総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)及びトリグリセリドの用量依存的増加が、エラゴリクス治療の間に認められたが、これらの値は、概して、正常範囲内に留まった。
【0313】
脂質増加は、エラゴリクス治療を開始した後の1~2か月以内に通常、発生し、これ以降、12か月にわたり、安定したままであった。脂質レベルの上昇は、治療を停止して1か月後にベースラインに戻った。
【0314】
LDL-Cの治療前のベースラインからの平均上昇値は、150mg QDの場合、5.25mg/dLであり、200mg BIDの場合、13.10mg/dLであった。HDL-Cの治療前のベースラインからの平均上昇値は、150mg QDの場合、2.24mg/dLであり、200mg BIDの場合、4.16mg/dLであった。トリグリセリドの治療前のベースラインからの平均上昇値は、エラゴリクスの6か月間の治療後、150mg QDの場合、0.42mg/dLであり、200mg BIDの場合、11.08mg/dLであった。
【0315】
脂質比の変化は、LDL-C及びHDL-Cのどちらも上昇するため最小限であった。
【0316】
脂質プロファイルは、現在の臨床実践のガイドラインに従って、評価及び管理を行うべきである。
【0317】
(ii)子宮内膜の安全性
子宮内膜の生検は、6か月及び12か月時に、EM-I検討及びその延長検討において、対象に行った。これらの結果は、増殖性及び分泌生検パターンの用量依存的低下、及び休止/最小限の刺激生検パターンの増大を示している。子宮内膜過形成又はがんなどの、ベースライン後の異常な生検所見はなかった。
【0318】
健常な女性における、3回の月経周期の検討の経過中の、経膣超音波に基づいて、エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDにより、治療前の値と比べて、子宮内膜の平均厚さの用量依存的低下がもたらされた。
【0319】
(X)骨ミネラル密度低下
エラゴリクスは、骨ミネラル密度(BMD)の用量依存的低下にやはり関連し得る、血清エストラジオールのレベルを用量依存的に低下させる。治療停止後の6か月及び12か月時に、BMDの漸進的な回復がある[有害反応(6.1)を参照されたい。]。
【0320】
12か月間の連続使用の後、二重エネルギーX線吸光光度定量法(DXA)によるBMDの評価。BMD Zスコアが、-2.0より低い場合、BMDが年齢に適切な範囲になるまで、エラゴリクスを中止する。
【0321】
エラゴリクスの使用を、12か月より長く継続する場合、BMDは、臨床的に指示されている通り評価することが推奨される。継続的な長期間使用のためにエラゴリクスの投与を受けた女性にとって、利益/リスクのアセスメントにおいて、閉経前女性におけるBMDの喪失が考慮されるべきである。
【0322】
低いBMDというより大きなリスクにある患者において、年に1回よりも早くBMDのアセスメントを考慮されたい。リスク因子には、以下:エラゴリクス200mgを1日2回、服用すること、エラゴリクスによる治療の以前の経過後に、-2.0未満のZスコアとなること、GnRHアゴニストを以前に使用したこと、代謝性骨疾患、慢性的な飲酒及び/又は喫煙、神経性食欲不振症、骨粗鬆症の強固な家族歴、又は抗痙攣剤若しくはコルチコステロイドなどの骨質量を低下させる恐れのある薬物の慢性使用が含まれる。
【0323】
エラゴリクスを使用している女性において、カルシウム及びビタミンDが、BMD喪失を低下させることがあるかどうかを取り扱った検討はないが、患者のすべてが、適切なカルシウム及びビタミンDの摂取をすべきである。
【0324】
GnRHアナログ又はエラゴリクスを用いる臨床検討(他の集団中の場合)により、低用量ホルモンのアドバック療法(エストロゲン/プロゲスチン又は酢酸ノルエチンドロン)の使用は、これらの薬剤単独の場合に起こる骨の無機分の喪失を低減するのに有効となり得ることを示唆する。
【0325】
(XI)投与量及び投与
(a)投与情報
食物と共に又は食物なしに経口服用されるエラゴリクスは、150mgの錠剤(1日1回、QD)又は200mgの錠剤(1日2回、BID)、150mg BID、300mg BID又は400mg QD又は600mg QDのいずれかとして入手可能である。
【0326】
(b)投与の推奨
症状の重症度及び治療目的に基づいて、最低量有効用量を使用する[臨床検討(VII)を参照されたい。]。エラゴリクスによる治療は、患者の月経周期の間のいずれの時に開始してもよい。
【0327】
【0328】
エラゴリクスの投与量調整は、軽度の肝機能障害(チャイルド-ピューA)を有する女性に必要ではない。
【0329】
正常な肝機能を有する女性と比べると、中等度の肝機能障害を有する女性は、約3倍高いエラゴリクス曝露を有し、重度な肝機能障害を有する女性は、約7倍高い、エラゴリクス曝露を有した。曝露及び骨量減少のリスクのこのような増大のため、中等度の肝機能障害(チャイルド-ピューB)を有する女性の場合、1日1回のエラゴリクス150mgが推奨され、治療期間を6か月に限定する。エラゴリクス200mgを1日2回使用することは、中等度の肝機能障害を有する女性には推奨されない。重度の肝機能障害(チャイルド-ピューC)を有する女性において、エラゴリクスは禁忌される。
【0330】
錠剤はそれぞれ、150mgのエラゴリクスに等価な155.2mgのエラゴリクスナトリウムを含む。錠剤はそれぞれ、200mgのエラゴリクスに等価な207.0mgのエラゴリクスナトリウムを含む。
【0331】
(c)腎機能障害
いずれの程度の腎機能障害又は末期腎疾患(透析を受けている女性を含む)を有する女性において、エラゴリクスの用量調整は必要ではない[特定集団及び臨床的薬理学における使用を参照されたい。]。
【0332】
(d)肝機能障害
エラゴリクスの投与量調整は、軽度の肝機能障害(チャイルド-ピューA)を有する女性に必要ではない。エラゴリクス150mg QDのレジメンは、中等度の肝機能障害(チャイルド-ピューB)を有する女性に推奨される。200mgのBIDレジメンは推奨されない。
【0333】
重度の肝機能障害(チャイルド-ピューC)を有する女性において、エラゴリクスは禁忌される。
【0334】
肝臓トランスアミナーゼの増加
臨床試験において、基準範囲の上限値の少なくとも3倍の血清中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の用量依存的増加が、エラゴリクスを用いると起こった。エラゴリクスの最低有効用量の使用が推奨される。さらに、患者は、黄疸などの肝臓損傷を反映し得る症状又は徴候がある場合、速やかに、医療的注意を求めるよう指示される。患者は、継続治療の利益がリスクを上回るかどうかを判定するため、肝検査値の上昇に関して速やかに評価を受ける。
【0335】
プラセボ対象による臨床試験(検討EM-1及びEM-2)において、基準範囲の上限値の少なくとも3倍まで血清ALTの用量依存的な無症候性上昇が、ORILISSAによる治療(150mg、1日1回-1/450、0.2%;200mg、1日2回-5/443、1.1%;プラセボ-1/696、0.1%)の間に起こった。延長試験(検討EM-3及びEM-4)において類似の上昇が見られた。
【0336】
(e)自殺念慮、自殺行為、及び気分障害の増悪
エラゴリクスを使用する対象は、プラセボと比べて、うつ病及び気分変化の発生率が高く、自殺傾向又はうつ病の病歴を有するエラゴリクスの使用者対象は、このような病歴のない使用者対象と比べて、うつ病の発現率は高い。うつ症状を有する患者は、継続治療のリスクが、利益を勝るかどうかを判定するよう評価されるべきである。うつ病、不安症又は他の気分変化を新しく有する患者、又はこれらが悪化している患者は、適宜、精神保健専門家に診てもらうべきである。自殺念慮及び自殺行為を有する患者は、即時の医療的注意を求めるべきである。エラゴリクスを継続する利益及びリスクは、このような事象が発生するかどうかを評価すべきであり、任意選択的に、エラゴリクスは、悪化、又は深刻なうつ病、不安症、気分変化若しくは自殺念慮が原因で停止されるべきである。
【0337】
プラセボ対照試験(検討EM-1及びEM-2)において、エラゴリクスは、特に、うつ病の病歴を有する女性において、有害な気分変化を伴う。
【0338】
【0339】
[実施例A-4] 2つの第3相試験の間、最大6か月(M)間、治療された子宮内膜症関連疼痛を有する女性における、骨代謝マーカーに及ぼすエラゴリクスの影響は、延長検討に登録しなかった。
【0340】
この検討において:データを、2つの6Mの無作為化したプラセボ対照第3相試験(Elaris EM-I及びII)からプールし、2用量のエラゴリクス(150mgを1日1回[QD]及び200mgを1日2回[BID])を評価した。治療を早期中止した女性、参加を辞退した女性、又は連続使用による延長検討に適格性のなかった女性は、最大12M間、治療後経過観察期間(PTFU)に入った。
【0341】
材料及び方法:参加者は、子宮内膜症、及び中等度/重度の子宮内膜症関連疼痛であると外科的に診断を受けた18~49歳の閉経前女性とした。骨代謝マーカーである血清コラーゲン1型架橋C-テロペプチド(CTx)をベースライン、治療M3及びM6、並びにPTFU M3及びM6の治療終了時に採取した。PTFU M12における骨代謝採取物は、最大の骨量減少を有する女性にしか必要ではなかった。この解析に、治療中に≧1、及び1つのPTFU値を有しており、延長検討に登録しなかった(N=296)女性を含めた。ベースラインから各時間点までの平均変化の治療群間の差異は、一元配置ANOVA試験を使用して解析した。
【0342】
結果:ベースラインCTx血清レベルは、治療群全体で類似した。エラゴリクス200mg BIDを服用した女性は、プラセボよりもかなり大きなベースラインと比べると、治療M6時において、平均CTx血清レベルが増大した(ベースライン[SD]pg/mlからの平均変化率:プラセボ=-34.04[115.62];150mg QD=5.44[148.41]、p=0.177;200mg BID=179.16[217.79]、p<0.001)。CTx血清レベルにおけるベースラインからの平均変化は、エラゴリクス200mg BIDにおいて、PTFU M3を終えた治療後に、高い状態のままであり、プラセボよりもかなり高かった(プラセボ=-37.29[103.98];150mg QD=-9.15[156.72]、p=0.180;200mg BID=42.64[153.37]、p<0.001)。平均CTx血清レベルは、すべての治療群全体にわたり、PTFU M6においてベースラインと比べて低下した(プラセボ=-43.45[106.67];150mg QD=-29.60[171.08]、p=0.565;200mg BID=-33.33[145.60]、p=0.652)。さらなる骨代謝マーカー(すなわち、プロコラーゲン1型N末端プロペプチドであるオステオカルシン)を評価し、CTxとして類似した変化パターンを示した。
【0343】
結論:Elaris EM-I及びII検討に登録された子宮内膜症関連疼痛を有する女性において、エラゴリクス150mg QD及び200mg BIDによる治療により、6か月間の治療期間の間、平均CTx血清レベルが用量依存的に増加した。CTxレベルは、エラゴリクス中止後に低下した。300 QD、300mg BID及び600mg QD用量において、類似の効果が予期されると思われる。
【0344】
骨量減少
エラゴリクスは、骨ミネラル密度(BMD)の用量依存的低下を引き起こすことがある。BMD低下は、使用期間が長いほど大きく、治療の停止後、完全に可逆的になり得ない。長期の骨健康に及ぼすこれらのBMDの影響は低下し、将来の骨折リスクは不明である。患者におけるBMDは、脆弱性骨折の病歴、又は骨粗鬆症若しくは骨量減少に関する他のリスク因子と共に評価すべきである。エラゴリクスは、既知の骨粗鬆症を有する女性において推奨されない。骨量減少の程度を低下させるため、使用の期間を制限する。
【0345】
したがって、本発明は、子宮内膜症の治療を必要とする患者に4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、子宮内膜症を治療する方法であって、前記患者が、骨ミネラル密度低下を経験しており、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を中止すると、骨ミネラル密度低下が実質的に元に戻る、方法を提供する。
【0346】
さらに別の態様において、本発明は、投与を必要とする患者に4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸(化合物A)又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップであって、前記患者が、骨ミネラル密度低下を経験しており、化合物A又は薬学的に許容されるその塩を中止すると、骨ミネラル密度低下が実質的に元に戻る、投与するステップを提供する。
【0347】
[実施例A-5] 中等度から重度の子宮内膜症による疼痛を有する患者において、エラゴリクスは疲労を低減する。
【0348】
疼痛及び他の症状の臨床的に有意な低下に関するエラゴリクスの影響を評価するための第III相検討を行った。提示されたデータは、中等度から重度の子宮内膜症関連疼痛を有する女性における、疲労に及ぼすエラゴリクスの影響を試験したものである。3つのコホートの検討において、第1のコホートは、プラセボを服用する女性を含み、第2のコホートは、150mgのエラゴリクスを1日1回、服用する女性を含み、第3のコホートは、200mgのエラゴリクスを1日2回、服用する女性を含んだ。300mgを1日1回若しくは1日2回、及び600mgを1日1回、又は類似用量が、同様に、疲労の低下を示すことが予期される。疲労は、患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS(登録商標))、疲労ショートフォーム(SF)6aを使用して評価した。6つの項目により、疲労感の軽度から重症までの主観的感覚、日常の活動を行う能力を低下させる可能性が高い疲憊の持続的感覚、及び正常な機能に及ぶ自己報告症状の範囲が評価された。ドメインを、疲労の経験(頻度、期間及び強度)並びに身体的、精神的及び社会的活動に及ぼす疲労の影響に分類した。項目はすべて、前の7日間にわたり、疲労を評価した。5項目のリッカート尺度に関して、各質問への応答を取りまとめた。1は、「まったくない」、2は、「すこしある」、3は、「いくぶんある」、4は、「かなりある」、5は、「非常にある」である。質問は、ベースライン時、並びに1か月、3か月及び6か月時に行った。スコアが低いほど、疲労が少ないことを示した。事後の疲労SF-6a生スコアをTスコアに変換した。Tスコアは、5段階の生スコアを標準化したスコアに尺度変更し、こうして、一般集団は、50の平均値及び10の標準偏差(SD)を有することになる。
【0349】
解析:PROMIS疲労SF-6a Tスコアのベースラインからの変化を、各活性剤治療(エラゴリクス150mg QD及び200mg BID)及びプラセボの間で比較した。共分散(ANCOVA)の一元解析を利用した。ANCOVAは、治療を主要な影響として制御した。ベースライン疲労SF-6a Tスコアは、共変量として含んだ。
【0350】
子宮内膜症関連疼痛を有する女性における疲労は、未だ満たされていない医療的必要性が残されたままである。ベースライン時において、この検討における女性は、一般集団における女性よりも平均で1SD悪化する疲労のレベルを有した。プラセボと比較すると、エラゴリクスは、子宮内膜症に関連する中等度から重度の(sever)疼痛を有する女性において、用量依存的に疲労を改善した。
図A-6を参照されたい。3か月及び6か月時にエラゴリクスの用量のどちらの場合にも、PROMIS疲労SF-6a Tスコアにおけるプラセボに比べた統計学的に有意な低下が観察された。エラゴリクス200mgにより、疲労の統計学的に有意な低下が、早くも1か月時にやはり観察された。
図A-7を参照されたい。上記の治療用量のエラゴリクスはすべて、中等度から重度の子宮内膜症に罹患している女性において、疲労を低減させることが予期される。
【0351】
本発明を実施する方法
本発明の一態様において、本方法は、エラゴリクス又は4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸を含有する医薬組成物を投与することによって行われる。投与目的のため、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸が、医薬組成物として製剤化され得る。医薬組成物は、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸若しくは薬学的に許容されるその塩、又はその溶媒和物、及び薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含む。4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸は、特定の障害を治療するのに有効な量、すなわち好ましくは患者に許容される毒性を伴って、GnRH受容体アンタゴニスト活性をもたらすのに十分な量で組成物中に存在する。
【0352】
本発明を記載する文脈において(とりわけ、以下の特許請求の範囲の文脈において)、「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」という用語、並びに類似の指示語の使用は、本明細書中において特に指摘がない限り、又は明確に文脈と矛盾しない限り、単数及び複数の両方に及ぶものと解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」とは、特に明記しない限り、オープンエンドターム(すなわち「を含むが、これらに限定されない」を意味する。)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書中において特に指摘がない限り、その範囲内に収まる個々の値のそれぞれを個別に言及する省略法として働くことが単に意図されているに過ぎず、個々の値はそれぞれ、あたかも本明細書において個々に引用されているかのごとく、本明細書に組み込まれている。本明細書において記載されている方法はすべて、本明細書中において特に指摘がない限り、又は文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で行うこともできる。本明細書において提示されているあらゆる例、又は例示的な言い回し(例えば、「など」)の使用は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することが意図されているに過ぎず、本発明の範囲に限定を設けるものではない。本明細書における言い回しは、本発明の実施に必須なものとして特許請求されていないいかなる要素をも示すものとして解釈されるべきではない。
【0353】
上記の詳細説明及び添付の実施例は、単に例示に過ぎず、本発明の範囲に関する限定として見なされるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びこの均等物によってしか規定されないことが理解される。開示された実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者に明白である。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤若しくは方法、又は本発明の使用のこのような変更及び修正のいかなる組合せに関するものを非限定的に含めて、このような変更及び修正が、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなくなされてもよい。
【0354】
上に引用された参照文献(特許及び非特許)はすべて、参照によりこの特許出願に組み込まれる。このような参照文献の考察は、これらの参照文献の著者によって行われた主張を単に要約することを意図しているに過ぎない。いずれの参照文献(又は、いかなる参照文献の一部)も、関連する従来技術(又は、完全な従来技術)であるということは認められない。本出願人は、引用された参照文献の正確さ及び適切性に異議を申し立てる権利を保有する。
子宮内膜症に罹患し、かつチャイルド-ピューA又はBに分類される肝機能障害を有する閉経前成人ヒト女性患者における子宮内膜症関連疼痛を軽減するための医薬組成物であって、
前記医薬組成物が、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸のナトリウム塩(エラゴリクスナトリウム)を含み、
チャイルド-ピューBに分類される肝機能障害を有する患者には、155.2mgのエラゴリクスナトリウムが、1日1回、最大6か月間経口投与され;又は
チャイルド-ピューAに分類される肝機能障害を有する患者には、155.2mgのエラゴリクスナトリウムが、1日1回、最大24か月間経口投与され;又は
チャイルド-ピューAに分類される肝機能障害を有する患者には、207.0mgのエラゴリクスナトリウムが、1日2回、最大6か月間経口投与される、
前記医薬組成物。
子宮内膜症に罹患し、かつチャイルド-ピューAに分類される肝機能障害を有する閉経前成人ヒト女性患者における子宮内膜症関連疼痛を軽減するための医薬組成物であって、
前記医薬組成物が、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸のナトリウム塩(エラゴリクスナトリウム)を含み、
チャイルド-ピューAに分類される肝機能障害を有する患者に、155.2mgのエラゴリクスナトリウムが、1日1回、最大24か月間経口投与され;又は
チャイルド-ピューAに分類される肝機能障害を有する患者に、207.0mgのエラゴリクスナトリウムが、1日2回、最大6か月間経口投与される、
請求項1に記載の医薬組成物。
子宮内膜症に罹患し、かつチャイルド-ピューBに分類される肝機能障害を有する閉経前成人ヒト女性患者における子宮内膜症関連疼痛を軽減するための医薬組成物であって、
前記医薬組成物が、4-((R)-2-[5-(2-フルオロ-3-メトキシ-フェニル)-3-(2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンジル)-4-メチル-2,6-ジオキソ-3,6-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル]-1-フェニル-エチルアミノ)-酪酸のナトリウム塩(エラゴリクスナトリウム)を含み、
チャイルド-ピューBに分類される肝機能障害を有する患者に、155.2mgのエラゴリクスナトリウムが、1日1回、最大6か月間経口投与される、
請求項1に記載の医薬組成物。