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特開2024-63122加齢に関連する状態の診断及び治療のための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063122
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】加齢に関連する状態の診断及び治療のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/20 20060101AFI20240501BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20240501BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
A61K31/20
A61P29/00
A61P7/06
A61P3/10
A61P3/06
A61P1/16
A61P17/00
A61P17/02
A61P25/04
A61P37/08
A61P25/20
A61P11/06
A61P9/10
A61P37/02
A61P11/00
A61P1/04
A61P43/00 105
A61P35/02
A61P35/00
A61P37/06
A61P17/06
A61P31/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P7/00
A61P43/00 111
A61P7/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029738
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2020564401の分割
【原出願日】2019-05-14
(31)【優先権主張番号】62/672,145
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/838,249
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520137235
【氏名又は名称】エピトラッカー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】EPITRACKER, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベン-ワトソン、ステファニー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高コレステロール血症、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏性障害を含む、加齢に関連する状態を治療するための組成物及び方法を提供する。
【解決手段】9個の炭素原子から31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、加齢に関連する状態の治療又は予防の方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書又は図面に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照による引用)
本出願は、平成30年5月16日に出願された米国仮出願第62/672,145号、
及び平成31年4月24日に出願された米国仮出願第62/838,249号の利益を主
張する。前述の出願の各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれ、各々は本明細
書の一部とされる。
【0002】
(技術分野)
高コレステロール血症、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏性障
害を含む、奇鎖飽和脂肪酸を含む組成物、ならびにその塩及び誘導体、ならびに加齢に関
連する状態の治療又は予防のための方法が提供され、高コレステロール血症、血栓症、線
維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏性障害を含む、加齢に関連する状態を治療
するための組成物及び方法が含まれる。
【背景技術】
【0003】
加齢は、健康状態のリスクを増大させ、生活の質及び寿命を低下させる可能性がある。
加齢とともに、高コレステロール血症、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、
過敏性疾患など一連の疾患を発症するリスクが高くなる。加齢はこれらの状態の原因又は
寄与因子として同定されており、そのような状態の治療は、寿命及びクオリティオブライ
フを改善する手段として提案されている。
【発明の概要】
【0004】
加齢関連状態の治療又は予防のための組成物及び方法が提供される。これらの組成物は
1つ以上の奇数鎖飽和脂肪酸、奇数鎖飽和脂肪酸の誘導体、又はそれらの塩を含み、これ
らは、他の薬剤と組み合わせて、又は本明細書に記載されるような種々の処置投与計画の
一部として投与され得る。提供される組成物は、加齢関連状態のマーカーを調節するのに
有効である。組成物を投与するための方法が提供される。これらの組成物は、他の薬剤と
組み合わせて、又は本明細書中に記載されるような種々の処置投与計画の一部として投与
され得る。提供される組成物は、生活の質又は寿命に影響を及ぼす加齢関連条件のマーカ
ーを調節するのに有効である。組成物を投与するための方法が提供される。
【0005】
組成物は、Th1型炎症、Th2型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、喘息
、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、慢性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クロ
ーン病、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液腫瘍学、代謝疾患、臓器移植、乾癬、
肺線維症、呼吸器感染症に対する肺反応、再狭窄、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫
瘍における間質生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、及び血管炎
症を含むが、これらに限定されない状態の治療、改善、又は予防に適している。
【0006】
本明細書中に開示される組成物によって駆動又は増悪される疾患:α平滑筋アクチン(
αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンI、コラーゲンIII、デコリン、エオタ
キシン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA
-DR)、免疫グロブリンG、インターフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10/C
XCL10)、インターロイキン(I-TAC/CXCL11)、インターロイキン(I
L-1α、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-10、IL-17F、
ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、マトリックスメタ
ロプロテイナーゼ(MMP)-1、MMP-9、単球走化性タンパク質1(MCP-1)
、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻害因子1(P
AI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T又はB細胞増
殖、組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細
胞接着分子(VCAM-1)、血管内皮増殖因子2(VEGFR2)。
【0007】
したがって、一般的に適用可能な第1の局面(すなわち、本明細書中で同定される局面
又は実施形態のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、加齢に関連する状
態の処置のための医薬組成物が提供され、ここで、加齢に関連する状態は高コレステロー
ル血症、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏性障害からなる群より
選択され、この組成物は1つ以上の奇数鎖飽和脂肪酸、又は薬学的に受容可能なその塩、
及び薬学的に受容可能なキャリアを含み、ここで、1つ以上の脂肪酸は奇数鎖飽和脂肪酸
からなる群より選択される。
【0008】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の脂肪酸は、ヘプタデカン酸又
はペンタデカン酸である。
【0009】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、鎖飽和脂肪酸さえ実質的に含
まない。
【0010】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質的に
含まない。
【0011】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、単位投薬形態である。
【0012】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は1kgの体重あたり、2.5m
g~50mgの1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に受容可能な塩の患者への投与のために
構成される。
【0013】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、1日1回の投与のために構成
される。
【0014】
第1の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、組成物は、0.01mg~10000m
gの1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に受容可能な塩を含む。
【0015】
一般的に適用可能な第2の局面(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態
のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、加齢に関連する状態の処置又は
予防のための薬剤の製造における、第1の局面又はその実施形態のいずれかの医薬組成物
の使用が提供され、ここで、加齢に関連する状態は、高コレステロール血症、血栓症、線
維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏性障害からなる群より選択される。
【0016】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、使用は、血栓症、線維症、又は乏しい創
傷治癒の処置又は予防のための薬剤の製造である。
【0017】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、マーカー又は血栓症、線
維症、又は乏しい創傷治癒の症状を調節するように構成される。
【0018】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、血栓症、線維症、又は乏しい創傷治癒の
マーカーは、奇数鎖飽和脂肪酸、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター、プラス
ミノーゲン活性化インヒビター-1、又はコラーゲン-Iの血清、血漿、細胞、又は組織
レベルからなる群より選択される。
【0019】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、高グロブリン血症又は過
敏症のマーカー又は症状を調節するように構成される。
【0020】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、高グロブリン血症又は過敏症のマーカー
は、奇数鎖飽和脂肪酸、血清グロブリン、又は免疫グロブリンGの血清、血漿、細胞、又
は組織レベルからなる群より選択される。
【0021】
第2の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、1つ以上の脂肪酸の血清
、血漿、又は赤血球膜濃度を、2.2μMを超え、30μM未満の濃度に増加させるよう
に構成される。
【0022】
一般的に適用可能な第3の局面(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態
のいずれかと独立して組み合わせ可能である)において、加齢に関連する状態の処置又は
予防のための方法が提供され、ここで、加齢に関連する状態は高コレステロール血症、血
栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏性障害からなる群より選択され、
この方法はそれを必要とする患者に、有効量の1つ以上の脂肪酸、又は薬学的に受容可能
なその塩を投与する工程を包含し、ここで、1つ以上の脂肪酸は、1つ以上の奇数鎖脂肪
酸及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0023】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に受容
可能な塩は、1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に受容可能な塩及び薬学的に受容可能なキ
ャリアを含む単位投薬形態における薬学的組成物として提供される。
【0024】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、単位投薬形態は、0.01mg~100
00mgの1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に受容可能な塩を含む。
【0025】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の奇数鎖脂肪酸は、ヘプタデカ
ン酸又はペンタデカン酸である。
【0026】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、鎖飽和脂肪酸さえ実質的
に含まない。
【0027】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、多価不飽和脂肪酸を実質
的に含まない。
【0028】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、医薬組成物は、複数の異なる脂肪酸を含
む。
【0029】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1日あたり1kgの体重あたり2.5m
g~50mgの1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に受容可能な塩が、患者に投与される。
【0030】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に受容
可能な塩は、1日1回患者に投与される。
【0031】
第3の局面の実施形態(すなわち、本明細書中で同定される局面又は実施形態のいずれ
かと独立して組み合わせ可能である)において、血清、血漿、赤血球、又は組織濃度は、
2.2μMを超え、30μM未満に増加される。
【0032】
一般に適用可能な第4の態様(すなわち、本明細書で識別される態様又は実施形態のい
ずれかと独立して組み合わせることができる)では、実質的に本明細書で説明される組成
物が提供される。
【0033】
一般に適用可能な第5の態様(すなわち、本明細書で識別される態様又は実施形態のい
ずれかと独立して組み合わせることができる)では、実質的に本明細書で説明される方法
が提供される。
【0034】
一般に適用可能な第6の態様(すなわち、本明細書で識別される態様又は実施形態のい
ずれかと独立して組み合わせることができる)では、実質的に本明細書で説明されるよう
な使用が提供される。
【0035】
第1から第6の態様の実施形態の特徴のいずれも、本明細書で識別されるすべての態様
及び実施形態に適用可能である。さらに、第1から第6の態様の実施形態の特徴のいずれ
も、任意の方法で本明細書に記載される他の実施形態と独立して、部分的に又は全体的に
組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、又は3つ以上の実施形態は、全体的に又
は部分的に組み合わせることができる。さらに、第1~第6の態様の実施形態の特徴のい
ずれも、他の態様又は実施形態に対して任意であってもよい。方法又は使用の任意の態様
又は実施形態は別の態様又は実施形態の組成物を使用して実施することができ、組成物の
任意の態様又は実施形態は、別の態様又は実施形態の方法又は使用に適合させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】ニュージーランド白色対照ウサギにおける高脂肪食誘発性非アルコール性脂肪性肝炎における顕著なステージ3「架橋」肝線維症(黒矢印)と、ペンタデカン酸(35mg/kg)を11週間連日経口投与したウサギにおける架橋線維症の欠如との比較。
【0037】
図2】α-IgM及びTCRリガンドで刺激し、管理(n=6)と比較して6.7μM及び20μMのペンタデカン酸でインキュベートしたCD19+ B細胞及び末梢血単核細胞における分泌免疫グロブリンG(IgG)の用量依存性低下。
【0038】
図3】IL-1β、TNFα、IFNγで刺激し、6.7μM及び20μMのペンタデカン酸でインキュベートした初代ヒト内皮細胞におけるウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体(uPAR)の用量依存的増加を、管理(n=6)と比較した。
【0039】
図4】IL-1β、TNFα、IFNγ、EGF、bFGF、及びPDGF-BBで刺激し、対照と比較して6.7μM及び20μMでペンタデカン酸とインキュベートした初代ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン-I、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター-1(PAI-1)、及び72時間線維芽細胞増殖の用量依存性低下(n=6)。
【発明を実施するための形態】
【0040】
1つ以上の奇数鎖飽和脂肪酸を含む組成物、ならびに高コレステロール血症、血栓症、
線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、ならびに過敏性障害及び他の関連状態を含む、加
齢に関連する状態の処置のための関連方法が提供される。
【0041】
加齢により高コレステロール血症のリスクが増大する(Kriesberg RA a
nd Kasim S(1987)Cholesterol代謝と加齢、Am J Me
d 82:54-60)。コレステロールの上昇、特に低比重リポ蛋白(LDL)コレス
テロールの上昇は、年齢とともに有病率も増加するアテローム性動脈硬化症を含む心血管
疾患の基礎的原因又は寄与因子として同定されている。コレステロール値の低下は、特に
50歳未満の人では寿命の改善と関連している(Anderson KM,Castel
li WP,Levy D(1987)Cholesterol and mortal
ity:Framingham Study JAMA 257:2176-2180か
らの30年間の追跡)。
【0042】
加齢により、I型コラーゲン及びIII型コラーゲンの蓄積が増加し、心臓、肺、肝臓
、腎臓、皮膚の進行性線維性疾患が生じ、心臓、呼吸器、肝臓、腎臓の機能、ならびに創
傷治癒に悪影響を及ぼす。線維化の増加は部分的には循環PAI-1の増加及びuPAの
減少による可能性があり、これは血栓症のリスクを増加させ、コラーゲン-I(Ghos
h AK,Vaughan DE 2011 PAI-1 in tissue fib
rosis J Cell Physiol 227:493-507)を含む線維化組
織の活性分解を減少させる。PAI-1を減少させ、uPAを増加させる薬剤は、血栓症
の治療に役立ち、コラーゲン-I沈着を低下させることによって、線維化疾患の治療にも
役立ち、加齢に伴う創傷治癒を改善する。
【0043】
加齢は、免疫グロブリンG(IgG)を含む自己抗体及び免疫グロブリンのより高い循
環レベルと関連している(Hallgrenら1973 リンパ球フィトヘマグルチニン
応答性、加齢ヒトにおける免疫グロブリン及び自己抗体)。最も一般的な循環抗体である
IgGは、体液性免疫の構成要素としてB細胞から放出される。IgGは感染と闘うのを
助ける一方で、自己免疫性溶血性貧血、血清病、全身性エリテマトーデス及び過敏性肺炎
を含むがこれらに限定されないII型及びIII型過敏反応においても病原的役割を果た
す。B細胞によるIgG分泌を低下させる薬剤は、高グロブリン血症及び過敏性疾患の治
療に役立つ。
【0044】
特定の実施形態の目的は本明細書中に提供される状態(高コレステロール血症、血栓症
、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏症障害、ならびにコンパニオンアニマ
ル及びヒトなどの哺乳動物被験体における他の関連状態を含むが、これらに限定されない
)に対する保護因子及び危険因子を検出するための方法を提供することである。特定の実
施形態における目的として、組成物は、健康なコレステロールを支持するか、又は健康な
血小板を維持するか、又は健康なアレルゲン応答を維持する。特定の実施形態における目
的として、組成物は皮膚線維芽細胞のための抗増殖剤としての使用に適切であり、そして
創傷治癒、特に瘢痕形成の減少を補助し得、そして全身的に又は局所的に投与され得る。
特定の実施形態の目的は哺乳動物(例えば、コンパニオンアニマル及びヒト)における加
齢関連状態を含むが、これらに限定されない状態を処置するための方法を提供することで
ある。特定の実施形態の目的は哺乳動物(例えば、コンパニオンアニマル及びヒト)にお
ける加齢関連状態を含むが、これらに限定されない状態を検出するための方法を提供する
ことである。特定の実施形態の目的は、1つ以上の脂肪酸又は脂肪酸誘導体(奇数鎖脂肪
酸(例えば、ヘプタデカン酸)、及び/又は特定の偶数鎖脂肪酸(例えば、ベヘン酸)を
含むが、これらに限定されない)の血清、血漿、又は赤血球膜レベルを、哺乳動物(例え
ば、コンパニオンアニマル及びヒト)の被験体において増加させるための方法を提供する
ことである。特定の実施形態の目的は、加齢に関連する状態を含むがこれに限定されない
状態を治療又は予防するための脂肪酸サプリメント又は処方箋治療薬を提供することであ
る。特定の実施形態の目的は、費用効果的な方法で達成することが容易な、コンパニオン
アニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体における加齢関連状態を含む、本明細書で提供さ
れる状態を検出及び/又は治療するための方法を提供することである。
【0045】
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物対象における
加齢関連状態のマーカーを調節するための方法を提供することである。特定の実施形態の
目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物対象における加齢関連状態を検出
するための方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル
及びヒトのような哺乳動物被験体における加齢関連状態の処置のための方法を提供するこ
とである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのような哺乳動物被
験体における加齢関連状態の予防のための方法を提供することである。特定の実施形態の
目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物対象における、高コレステロール
血症、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、及び過敏症障害を含む、加齢関連
状態及び関連状態を含む、本明細書で提供される状態の予防方法を提供することである。
【0046】
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体の血清
、血漿、又は赤血球膜中の奇数鎖脂肪酸を増加させるための方法を提供することである。
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物対象における加
齢関連状態を検出又は治療するための方法を提供することである。特定の実施形態の目的
は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体において、他の脂肪酸を実質的
に含まない奇数鎖脂肪酸を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオン
アニマル及びヒトのような哺乳動物被験体において、偶数鎖脂肪酸を実質的に含まない1
つ以上の奇数鎖脂肪酸を提供することである。
【0047】
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物対象における
加齢関連状態を検出及び治療するための方法を提供することである。一定の実施形態の目
的は、哺乳動物(例えば、コンパニオンアニマル及びヒト)における加齢関連状態を処置
するための、脂肪酸(例えば、奇数鎖脂肪酸)を提供することである。特定の実施形態の
目的は、コンパニオンアニマル及びヒトのような哺乳動物被験体における加齢関連状態の
予防のための方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマ
ル及びヒトなどの哺乳動物被験体における加齢に関連する状態を検出又は治療するための
方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、ペンタデカン酸又は他の奇数鎖飽
和脂肪酸サプリメントを提供して、哺乳動物(例えば、コンパニオンアニマル及びヒト)
における加齢関連状態を処置することである。
【0048】
特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体に、生
体利用可能な形態の奇数鎖脂肪酸を提供することである。特定の実施形態の目的は、1つ
以上の奇数鎖脂肪酸に、1つ以上の特定の偶数鎖脂肪酸を、哺乳動物(例えば、コンパニ
オンアニマル及びヒト)の被験体に提供することである。特定の実施形態の目的は、哺乳
動物及びヒトなどの哺乳動物被験者の血清中の奇数鎖脂肪酸及び特定の偶数鎖脂肪酸の両
方を増加させるための方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオ
ンアニマル及びヒトなどの哺乳動物被験体の血清、血漿、又は赤血球膜における脂肪酸伸
長のための方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、コンパニオンアニマル
及びヒトなどの哺乳動物被験体の血清、血漿、又は赤血球膜における脂肪酸鎖短縮のため
の方法を提供することである。特定の実施形態の目的は、哺乳動物及びヒトなどの哺乳動
物被験体の血清、血漿、又は赤血球膜中の中性形態(例えば、遊離脂肪酸、コレステロー
ルエステル、ジアシルグリセリド、及びトリアシルグリセリド)、リン脂質(例えば、ホ
スファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルコリン、及
びリゾホスファチジルエタノールアミン)、及びスフィンゴ脂質(例えば、セラミド、ヘ
キソシルセラミド、及びスフィンゴシン)を含む、様々な奇数鎖及び非常に長鎖の偶数脂
肪酸形態の濃度を変化させるための方法を提供することである。
【0049】
1つ以上の特定の均一鎖脂肪酸を含む組成物、及び加齢に関連する状態の処置のための
関連する方法が提供される。1つ以上の生体利用可能な偶数鎖脂肪酸を含む組成物が提供
される。
【0050】
前述の目的のうちの1つ以上は、本明細書に記載されるような様々な組成物、方法、及
び使用によって提供されるか、又は達成される。
【0051】
定義
本明細書で使用される用語「アルコール」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用
の意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定される
べきではない)、そして1つ以上のヒドロキシ基を組み込むか、又は1つ以上のヒドロキ
シ基によって置換されるか、又は1つ以上のヒドロキシ基を含むように官能化される、本
明細書に記載される任意の化合物をいうが、これらに限定されない。
【0052】
本明細書で使用される「誘導体」という用語は広い用語であり、当業者にその通常の慣
用的な意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定さ
れるべきではない)、そして1つ以上の誘導体基を組み込むか、又は1つ以上の誘導体基
によって置換されるか、又は1つ以上の誘導体基を含むように官能化される、本明細書に
記載される任意の化合物をいうが、これらに限定されない。誘導体としては、エステル、
アミド、無水物、酸ハロゲン化物、チオエステル、リン酸塩、三リン酸塩、及びβ-スル
フェニル誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用される「炭化水素」という用語は広い用語であり、当業者にその通常の
慣用の意味を与えられるべきであり(そして特別な又は特別にカスタマイズされた意味に
限定されるべきではない)、炭素原子及び水素原子のみを含む任意の部分を指すが、これ
らに限定されない。官能化又は置換された炭化水素部分は、本明細書の他の箇所に記載さ
れるような1つ以上の置換基を有する。
【0054】
本明細書で使用される「脂質」という用語は広い用語であり、当業者にその通常の慣用
の意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定されな
い)、特に、飽和及び不飽和油及びワックス、誘導体、アミド、グリセリド、脂肪酸、脂
肪アルコール、ステロール及びステロール誘導体、リン脂質、セラミド、スフィンゴ脂質
、トコフェロール、及びカロテノイドを指すが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は広い用語であり、当業者に
その通常の慣用の意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意
味に限定されるべきではない)、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレ
ルギー反応、又は妥当なリスク/利益比に相応する他の問題合併症を伴わずに、ヒト及び
動物の組織との接触及び/又はヒト及び動物による消費に適している化合物、材料、組成
物、及び/又は剤形を指すが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」及び「その薬学的に許容される塩」と
いう用語は広い用語であり、当業者にそれらの通常の慣用の意味を与えられるべきであり
(そして、特別な意味又は慣用の意味に限定されるべきではない)、薬学的に許容される
無毒の酸又は塩基から調製される塩を指すが、これらに限定されない。適切な薬学的に許
容される塩としては、金属塩(例えば、アルミニウム、亜鉛、アルカリ金属塩(例えば、
リチウム、ナトリウム、及びカリウム塩)の塩;アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウ
ム及びマグネシウム塩);有機塩(例えば、リジン、N,N’-ジベンジルエチレンジア
ミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン
(N-メチルグルカミン)、プロカイン、及びトリスの塩);遊離酸及び塩基の塩;無機
塩(例えば、硫酸塩、塩酸塩、及び臭化水素塩);ならびに当業者に周知の供給源(例え
ば、The Merck Index)に現在広く医薬的に使用されており、そして当業
者に周知の供給源に列挙される他の塩が挙げられる。任意の適切な組成物はそれが非毒性
であり、所望の活性を実質的に妨害しないという条件で、本明細書中で議論される治療剤
の塩を作製するように選択され得る。塩に加えて、薬学的に許容される化合物の前駆体及
び誘導体を使用することができる。薬学的に受容可能なアミド、低級アルキル誘導体、及
び保護誘導体もまた、好ましい実施形態の組成物及び方法における使用に適切であり得る
。好ましい実施形態の化合物を薬学的に許容される塩の形態で投与することが可能であり
得るが、化合物を中性形態で投与することが一般に好ましい。
【0057】
本明細書で使用される「医薬組成物」という用語は広い用語であり、当業者にその通常
の慣用的な意味を与えられるべきであり(そして特別な又は特注の意味に限定されるべき
ではない)、そして本明細書で開示される1つ以上の化合物と、希釈剤又は担体のような
他の化学成分との混合物を指すが、これらに限定されない。医薬組成物は、生物への化合
物の投与を容易にする。医薬組成物は、化合物を無機又は有機の酸又は塩基と反応させる
ことによっても得ることができる。医薬組成物は一般に、特定の意図される投与経路に合
わせて調整される。
【0058】
本明細書で使用される「担体」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用的な意味を
与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるべきでは
ない)、細胞又は組織への化合物の取り込みを容易にする化合物を指すが、これに限定さ
れない。例えば、限定されるものではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)は対象
の細胞又は組織への多くの有機化合物の取り込みを容易にする、一般的に利用される担体
である。水、生理食塩水、エタノール、及び鉱油もまた、特定の医薬組成物において使用
される担体である。
【0059】
本明細書で使用される「希釈剤」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用的な意味
を与えられるべきであり(そして特別な又は特別にカスタマイズされた意味に限定される
べきではない)、薬理学的活性を欠くが、薬学的に必要又は所望であり得る医薬組成物中
の成分をいうが、これに限定されない。例えば、希釈剤は、その質量が製造及び/又は投
与には小さすぎる強力な薬物のバルクを増加させるために使用され得る。それはまた、注
射、摂取又は吸入によって投与されるべき薬物の溶解のための液体であり得る。当技術分
野における希釈剤の一般的な形態はヒト血液の組成を模倣するリン酸緩衝生理食塩水など
の緩衝水溶液であるが、これに限定されない。
【0060】
本明細書で使用される「賦形剤」は広い用語であり、当業者にその通常の慣用の意味を
与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるべきでは
ない)、そして医薬組成物に添加されて、組成物にバルク、コンシステンシー、安定性、
結合能力、潤滑、崩壊能力などを提供するが、これらに限定されない物質を指す。「希釈
剤」は賦形剤の一種である。
【0061】
本明細書で使用される「対象」は広い用語であり、当業者に通常の慣用の意味を与えら
れるべきであり(特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されない)、治療、観察
又は実験の対象である動物を指すが、これに限定されない。「動物」には魚類、貝類、は
虫類、特に哺乳類などの冷血及び温血脊椎動物及び無脊椎動物が含まれ、特に哺乳類には
これに限定されないが、イルカ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒ
ツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、霊長類、例えばサル、チンパンジー及び類人猿、特にヒトが含
まれる。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0062】
本明細書中で使用される場合、用語「処置する」、「処置」、「治療」又は「治療」は
広い用語であり、そしてそれらの通常の及び慣習的な意味を与えられるべきであり(そし
て、特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない)、そして限定される
ことなく、疾患又は状態の完全な治癒又は排除を必ずしも意味しない。疾患又は状態の任
意の望ましくないマーカー、徴候又は症状の任意の緩和は、任意の程度まで、治療及び/
又は治療と考えることができる。さらに、治療は、患者の全体的な健康感又は外観を悪化
させ得る行為を含み得る。
【0063】
本明細書で使用される「治療有効量」及び「有効量」という用語は広い用語であり、当
業者にその通常及び慣用の意味を与えられるべきであり(そして特別又は特別にカスタマ
イズされた意味に限定されるべきではない)、示される生物学的又は薬学的応答を誘発す
る活性化合物又は医薬品の量を示すために使用されるが、これらに限定されない。例えば
、治療有効量の化合物は状態のマーカー又は症状を予防、軽減又は改善するために、又は
処置される対象の生存を延長するために必要とされる量であり得る。この応答は組織、シ
ステム、動物又はヒトで起こることがあり、治療される疾患の徴候又は症状の緩和を含む
。治療有効量の決定は、本明細書中に提供される開示を考慮して、十分に当業者の能力の
範囲内である。用量として必要とされる本明細書中に開示される化合物の治療有効量は、
投与経路、処置されるヒトを含む動物の型、及び考慮中の特定の動物の物理的特徴に依存
する。用量は所望の効果を達成するように調整され得るが、体重、食事、同時投薬、及び
医療分野の当業者が認識する他の因子などの因子に依存する。
【0064】
本明細書で使用される「溶媒」という用語は広い用語であり、当業者にその通常の慣用
の意味を与えられるべきであり(そして特別な又はカスタマイズされた意味に限定されな
い)、極性又は非極性、直鎖又は分岐、環式又は脂肪族、芳香族、ナフテン系であり得、
特に、アルコール、誘導体、ジエステル、ケトン、アセテート、テルペン、スルホキシド
、グリコール、パラフィン、炭化水素、無水物、複素環式を含むがこれらに限定されない
、他の化合物又は手段に対する溶解性のいくつかの特徴を有する化合物を指す。
【0065】
本明細書で言及される任意のパーセンテージ、比率、又は他の量は別段の指示がない限
り、重量基準である。
【0066】
奇鎖脂肪酸
脂肪酸には、本明細書中に提供されるような飽和及び不飽和脂肪酸が含まれ、脂肪酸は
当業者によって使用されるような従来の命名法を使用して言及され、記載される。飽和脂
肪酸は、炭素-炭素二重結合を含まない。不飽和脂肪酸は、少なくとも1つの炭素-炭素
二重結合を含む。一不飽和脂肪酸は、ただ1つの炭素-炭素二重結合を含む。多価不飽和
脂肪酸は、2つ以上の炭素-炭素二重結合を含む。脂肪酸中の二重結合は一般にシスであ
るが、トランス二重結合も可能である。二重結合の位置はΔnによって示すことができ、
ここで、nは、二重結合炭素原子の各対のより低い番号の炭素を示す。全炭素数:#二重
結合、Δdouble bond positionsの形態の短縮表記を用いることが
できる。例えば、20:4Δ5,8,11,14は20個の炭素原子及び4個の二重結合
を有し、二重結合が5及び6個の炭素原子、8及び9個の炭素原子、11及び12個の炭
素原子、ならびに14及び15個の炭素原子の間に位置し、炭素原子1がカルボン酸基の
炭素である脂肪酸を指す。ステアリン酸塩(オクタデカノエート)は飽和脂肪酸である。
オレイン酸(シス-Δ9-オクタデセノエート)はモノ不飽和脂肪酸であり、リノレネー
ト(オール-シス-Δ9,12,15-オクタデカトリエノエート)は多価不飽和脂肪酸
である。炭素の総数は「C」によって先行することができ、二重結合位置は不特定であり
得、例えば、C20:4は、20個の炭素原子及び4個の二重結合を有する脂肪酸を意味
する。
【0067】
脂肪酸は種々の名称で言及され得、例えば、ヘプタデカン酸は、ヘプタデシル酸、マー
ガリン酸、及びn-ヘプタデシル酸、又はC17:0と言及され得る。脂肪酸は当技術分
野で知られているように、脂質数と呼ぶことができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、脂肪酸は、奇数鎖飽和脂肪酸であり得る。さらなる実施
形態において、1つ以上の脂肪酸は、少なくとも1つの奇数鎖飽和脂肪酸を含むことがで
きる。
【0069】
奇数鎖脂肪酸の例は、マーガリン酸(ヘプタデカン酸、C17:0)、ペラルゴネート
(ノナン酸、C9:0)、ウンデカン酸(C11:0)、ノナデカン酸(C19:0)、
ペンタデカン酸(C15:0)、アラキドネート((5Z,8Z,11Z,14Z)-イ
コサ-5,8,11,14-テトラエン酸)、アドレネート(全シス-7,10,13,
16-ドコサテトラエン酸)、及びオスボンド酸(全シス-4,7,10,13,16-
ドコサペンタエン酸)である。一般に、1つ以上の奇数鎖脂肪酸は9個の炭素原子~31
個の炭素原子(9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、又
は31個の炭素原子)、例えば15~21個の炭素原子、例えば17個の炭素原子を有す
るが、特定の実施形態ではより高い又はより低い奇数の炭素原子が許容され得る。一般に
、1つ以上の奇数鎖脂肪酸は飽和であるが、特定の実施形態ではモノ又はポリ不飽和奇数
鎖脂肪酸が許容され得る。
【0070】
奇数鎖脂肪酸は、飽和又は不飽和炭化水素鎖を含み得る。奇数鎖脂肪酸は、カルボン酸
誘導体として存在してもよい。奇数鎖脂肪酸は塩として、例えば、カルボキシル基に存在
し得る。ある態様において、1つの奇数鎖脂肪酸が存在してもよく、2つの奇数鎖脂肪酸
が存在してもよく、3つの奇数鎖脂肪酸が存在してもよく、又はそれ以上であってもよい
。いくつかの実施形態では、複数の奇数鎖脂肪酸を含む混合物中の奇数鎖脂肪酸が不飽和
の量、炭化水素鎖の長さ、誘導体化の状態の変化、又は他の構造的特徴によって区別され
得る。
【0071】
奇数鎖脂肪酸はバターを含むいくつかの乳製品中に微量で見出される(例えば、Man
sson HL(2008),Fatty acids in bovine milk
fat,Food Nutrを参照のこと)。Res.。52:4)。研究では、奇数
の鎖脂肪酸を含む食品の毎日の食事摂取量を増やすことで、血清中又は血漿中濃度がうま
く上昇することが実証されている(例えば、Benatar J.R.,Stewart
R.A.H.(2014)、乳製品摂取量を変えることがトランス及び飽和脂肪酸濃度
に及ぼす影響を参照)-ランダム化比較研究の結果である。Nutr.。J.13:32
).
【0072】
一般に、奇数鎖脂肪酸などの脂肪酸は、遊離脂肪酸又はその誘導体として提供すること
ができる。このような誘導体としてはアシルグリセリドが挙げられるが、これに限定され
ない。アシルグリセリドは、3個までのアシル脂肪酸エステルで置換されていてもよい。
従って、アシルグリセリドは、モノアシルグリセリド(MAG)、ジアシルグリセリド(
DAG)、又はトリアシルグリセリド(TAG)であり得る。グリセリドは、2種類以上
の脂肪酸エステルを含むことができる。例えば、グリセリドは、ヘプトデカノエート及び
ドコサノエートを含むことができる。グリセリドはまた、構造化トリアシルグリセリド(
STAG)、プラスマロゲン、又はリン脂質であり得る。脂肪酸エステルは、sn1位も
しくはsn2位、又は両方の位置にあり得る。sn1及びsn2位置は、同じ又は異なる
脂肪酸エステルによって置換され得る。非限定的な例として、構造化トリアシルグリセリ
ドは、sn-1,3-C17-sn-2-オレオイルであり得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、脂肪酸が遊離脂肪酸、コレステロールエステル、グリセロー
ルエステル(モノアシルグリセリド(MAG)、ジアシルグリセリド(DAG)、又はト
リアシルグリセリド(TAG)を含むがこれらに限定されない)、リン脂質(ホスファチ
ジルコリン、リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスフ
ァチジルエタノールアミン、又はホスファチジルセリンを含むがこれらに限定されない)
、セラミド(ヘキソシルセラミドを含むがこれらに限定されない)、又はスフィンゴ脂質
として提供することができる。ホスファチジルコリンの非限定的な例は、2,3-ジ-C
17:0-ホスファチジルコリンである。リソホスファチジルコリンの非限定的な例は、
2-リソ-3-C17:0-ホスファチジルコリンである。いくつかの実施形態において
、脂肪酸の誘導体は、β-スルフェニル誘導体であり得る。酸又はエステルのようなβ-
スルフェニル誘導体は、体内でのβ-酸化に対して抵抗性であり得ると考えられる。非限
定的な例として、ヘプタデカン酸のβ-スルフェニル誘導体は、テトラデシルチオ酢酸で
ある。誘導体は、当業者に公知の標準的な方法によって合成され得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、脂肪酸が特定のタイプの脂質、例えば、セラミド、リン脂質
、スフィンゴ脂質、膜脂質、糖脂質、又はトリグリセリドの構成要素として提供されても
よい。
【0075】
いくつかの実施形態では、脂肪酸(例えば、非常に長鎖の均一脂肪酸)は生物学的に利
用可能な形態で提供される。「バイオアベイラビリティー」とは薬物の主要な薬物動態学
的特性の一つ体循環に到達する未変化体の投与量の割合をいい、定義により、薬剤を静脈
内投与する場合、そのバイオアベイラビリティーは100%である。本明細書で使用する
「バイオアベイラビリティー」という用語は静脈内以外の投与方法、例えば経口治療剤を
使用する場合、体によってうまく吸収される脂肪酸の形態をいう。いくつかの実施形態で
は、非常に長鎖の脂肪酸ベースの組成物でさえ、吸収を最適化する適合を含み得る。いく
つかの実施形態では、非常に長鎖の均一脂肪酸を構造化トリアシルグリセリドとして提供
することができる。さらなる実施形態では、脂肪酸が構造化トリアシルグリセリドのsn
-2位にある。
【0076】
純粋な又は精製された脂肪酸は、種々の物理的状態で存在し得る。例えば、ヘプタデカ
ン酸は室温で安定であるオフホワイトの粉末として存在し、この化合物はいくつかの商業
的供給業者(例えば、ミズーリ州セントルイスのSigma-Aldrich corp
.から)から少量で研究目的に適した形態で購入することができる。他の脂肪酸、又はそ
の塩もしくは誘導体は、油、固体、結晶性固体、又は気体として存在し得る。
【0077】
奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体は少なくとも約10%、少
なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少
なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少
なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.9%
、少なくとも約99.99%、又は実質的に純粋な純度(例えば、バルク形態の脂肪酸又
はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体のパーセンテージ)で提供され得、ここで、
実質的に純粋なものは不純物の存在からの生理学的効果が検出可能でないようなレベルの
不純物を有する生成物を含み得るが、これらに限定されない。例えば、奇数鎖脂肪酸及び
/又は非常に長鎖の偶数脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体などの脂
肪酸の混合物は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少な
くとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少な
くとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少な
くとも約99%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、又は実質的に純
粋な純度で存在し得る。脂肪酸、又はその混合物、又はその薬学的に許容される塩もしく
は誘導体は、他の脂肪酸又は脂肪酸誘導体を含まなくてもよく、トリグリセリドを含まな
くてもよく、又はリン脂質を含まなくてもよい。限定するものではないが、本明細書で提
供される奇数鎖脂肪酸は単独で、又は一群として、偶数鎖脂肪酸を実質的に含まなくても
よく、偶数鎖脂肪酸には例えば、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:
0)、又はステアリン酸(C18:0)が含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書
で提供される奇数鎖脂肪酸が短鎖脂肪酸(SCFA、例えば、2~6個の炭素原子を有す
る脂肪酸)、中鎖脂肪酸(MCFA、例えば、7~12個の炭素原子を有する脂肪酸)、
長鎖脂肪酸(LCFA、例えば、13~22個の炭素原子を有する脂肪酸)、又は超長鎖
脂肪酸(VLCFA、例えば、23個以上の炭素原子を有する脂肪酸)を実質的に含まな
くてもよい。
【0078】
奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体のような脂肪酸は、任意の
供給源に由来し得る。いくつかの実施形態では脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩も
しくは誘導体は、天然供給源中に存在してもよく、天然供給源から単離されてもよく、半
合成であってもよく、合成であってもよく、又はこれらの1つ以上の混合物であってもよ
い。脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体は、実験室で製造されてもよ
く、性質で製造されてもよく、酵素プロセスによって製造されてもよく、野生微生物によ
って製造されてもよく、遺伝的に改変された微生物によって製造されてもよく、動物組織
から単離されてもよく、化学合成によって製造されてもよく、又はこれらのプロセスの複
数によって製造されてもよい。
【0079】
脂肪酸は、天然供給源、例えば魚油に由来してもよく、又は当技術分野で公知の方法に
よって合成されてもよい。ある態様において、脂肪酸は、未精製又は未精製の天然物中に
存在する望ましくない成分で汚染され得る。このような状況では、望ましくない成分を除
去すること、又は既知の分離又は精製技術を用いて所望の成分の濃度を増加させることが
望ましい場合がある。
【0080】
記載された任意の化合物において、全ての互変異性形態も含まれることが意図される。
限定するものではないが、カルボキシル基の全ての互変異性体が含まれることが意図され
る。
【0081】
E又はZとして定義することができる幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有す
る本明細書に記載の任意の化合物において、各二重結合は、独立して、E又はZ、又はそ
れらの混合物であってもよい。
【0082】
本明細書に開示される化合物が充填されていない原子価を有する場合、原子価は水素又
はその同位体、例えば、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)で充填されるべ
きである。
【0083】
奇数鎖脂肪酸などの脂肪酸は本明細書に記載されるように、結晶形態(化合物の同じ元
素組成の異なる結晶充填配置を含む多形としても知られる)、非晶質相、塩、溶媒和物、
及び水和物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物が水、エタノール
などの薬学的に許容される溶媒と溶媒和した形態で存在する。他の実施形態では、本明細
書に記載の化合物が非溶媒和形態で存在する。溶媒和物は化学量論的又は非化学量論的量
のいずれかの溶媒を含み、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を用いた結晶化
のプロセスの間に形成され得る。水和物は溶媒が水である場合に形成され、又はアルコラ
ートは溶媒がアルコールである場合に形成される。さらに、本明細書中に提供される化合
物は、溶媒和されていない形態及び溶媒和された形態で存在することができる。一般に、
溶媒和形態は本明細書中に提供される化合物及び方法の目的のために、非溶媒和形態と同
等であると考えられる。
【0084】
本明細書に記載の化合物は、同位体的に標識することができる。いくつかの状況におい
て、重水素のような同位体での置換はより大きな代謝安定性から生じる特定の治療的利点
(例えば、増加したインビボ半減期又は減少した投薬必要量)を提供し得る。同位体置換
は例えば、化合物中の原子の運命をモニターする機会を提供することによって、化合物の
投与に対する被験体応答をモニターする際に有益であり得る。化合物構造で表される各化
学元素は、前記元素の任意の同位体を含むことができる。例えば、化合物構造において、
水素原子は、明示的に開示され得るか、又は化合物中に存在すると理解され得る。水素原
子が存在し得る化合物の任意の位置において、水素原子は水素-1(プロチウム)及び水
素-2(重水素)を含むがこれらに限定されない、水素の任意の同位体であり得る。した
がって、本明細書における化合物への言及は文脈が明らかにそわないことを指示しない限
り、全ての潜在的な同位体形態を包含する。
【0085】
食事中の様々な脂肪酸の有病率は被験者におけるメタボリックシンドロームの発生と相
関している(例えば、Forouhi N、Koulman A、Sharp S、Im
amura F、Kroger J、Schulze M, et al.(2014)
、個々の血漿リン脂質飽和脂肪酸と2型糖尿病の発症とのプロスペクティブな関連性の差
:EPIC-InterActケースコホート研究、Lancet Diabetes
Endocrinol.2:810-8参照)。実際、全脂肪乳摂取は、メタボリックシ
ンドロームマーカーのリスク低下と相関している(例えば、Kratz M、Marco
vina S、Nelson JE、Yeh MM、Kowdley KV、Calla
han HS、et al.(2014)、乳脂肪摂取は耐糖能、肝臓及び全身のインス
リン感受性、及び肝臓脂肪と関連しているが、ヒトのβ細胞機能とは関連していない。A
m。J.Clin.。Nutr.,99:1385-96参照)。
【0086】
奇数鎖飽和脂肪酸が有益な効果を有するメカニズムは十分に理解されていない。理論に
よって限定されることを望まないが、脂肪酸又はその誘導体は体内の代謝プロセスによっ
て伸長(鎖長の増加)又は鎖短縮されて、異なる脂肪酸又はその誘導体を形成し得ると考
えられる。特定の脂肪酸の過酸化は、体内にシグナル伝達特性を有する産物を生成し得る
。特定の鎖長の脂肪酸は、本明細書中に提供される1つ以上の条件に実質的に寄与するシ
グナル伝達製品を生成すると考えられる。いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸が非常
に長い偶数鎖脂肪酸などの非常に長い鎖脂肪酸を形成するように伸長される。さらなる実
施形態において、非常に長い偶数鎖脂肪酸は、奇数鎖脂肪酸に鎖短縮され得る。体内の非
常に長い偶数鎖脂肪酸のレベルは、1つ以上の奇数鎖脂肪酸の投与後に増加し得る。体内
の奇数鎖脂肪酸のレベルは、1つ以上の非常に長い偶数鎖脂肪酸の投与後に増加し得る。
【0087】
1種以上の脂肪酸を含む医薬組成物
奇数鎖脂肪酸もしくは非常に長鎖の偶数鎖脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体などの脂
肪酸、及び少なくとも1つの賦形剤を含む製剤が提供される。一般に、経口製剤において
実施形態の化合物を投与することが好ましいが、他の投与経路も企図される。
【0088】
本明細書に記載される医薬組成物は、それ自体で被験体に、又はそれらが他の活性剤と
混合される組成物中で、併用療法として、又は担体、希釈剤、賦形剤もしくはそれらの組
合せと一緒に投与することができる。製剤は、選択される投与経路に依存する。本明細書
中に記載される化合物の処方及び投与のための技術は当業者に公知である(例えば、「R
emington:The Science and Practice of Pha
rmacy」、Lippincott Williams&Wilkins;第20版(
2003年6月1日)及び「Remington's Pharmaceutical
Sciences」、Mack Pub(株)第18版、第19版(それぞれ1985年
12月、1990年6月)を参照のこと)。
【0089】
本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、
レビゲーション、乳化、カプセル化、封入、錠剤化、又は抽出プロセスの手段によって、
それ自身公知であるプロセスによって製造され得る。本明細書中に開示される医薬組合せ
において使用される化合物の多くは、薬学的に許容される対イオンとの塩として提供され
得る。
【0090】
化合物を投与する多数の技術が当該分野に存在し、これらには経口、直腸、局所、エア
ロゾル、注射及び非経口送達(筋肉内、皮下、静脈内、髄内注射、髄腔内、直接脳室内、
腹腔内、鼻腔内及び眼内注射が含まれるが、これらに限定されない)が挙げられる。本明
細書では、上記の任意の組合せ、又は当業者に知られている他の方法が企図される(例え
ば、「Remington:The Science and Practice of
Pharmacy」、Lippincott Williams&Wilkins;2
0th edition(June 1,2003)及び「Remington's P
harmaceutical Sciences」、Mack Pub(株)第18版、
第19版(それぞれ1985年12月、1990年6月)を参照されたい)。
【0091】
実際には、奇数鎖飽和脂肪酸又はその塩もしくは誘導体などの脂肪酸を、従来の薬学的
配合技術に従って、薬学的担体と密接に混合した状態で、活性成分として組み合わせるこ
とができる。担体は、投与に望まれる調製物の形態に応じて、多種多様な形態をとること
ができる。したがって、本明細書中に提供される医薬組成物は、各々が所定量の活性成分
を含有するカプセル、カシェ剤又は錠剤などの経口投与に適した別個の単位として提供す
ることができる。さらに、組成物は、油、粉末、顆粒、溶液、水性液体中の懸濁液、非水
性液体、水中油型エマルジョン、又は油中水型液体エマルジョンとして提供することがで
きる。上記の一般的な投薬形態に加えて、本明細書中に提供される化合物、又はその薬学
的に受容可能な塩もしくは誘導体はまた、制御放出手段及び/又は送達デバイスによって
投与され得る。組成物は、薬学的方法のいずれかによって調製することができる。一般に
、このような方法は、活性成分を、1つ以上の必要な成分を構成するキャリアと会合させ
る工程を包含する。一般に、組成物は、活性成分を液体担体又は微細な固体担体又はその
両方と均一かつ緊密に混合することによって調製される。次いで、製品は、好都合には所
望のプレゼンテーションに成形することができる。
【0092】
製剤はまた、全身的ではなく局所的な様式で、例えば、しばしばデポー剤又は徐放性製
剤で、化合物を感染領域に直接注射することによって投与されてもよい。さらに、標的化
された薬物送達システムは例えば、組織特異的抗体でコーティングされたリポソームにお
いて使用され得る。
【0093】
医薬組成物は脂肪酸(例えば、奇数鎖脂肪酸)、又はその塩もしくは誘導体を、所望の
治療効果に有効な量で含有し得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物が単位投薬形態
であり、単位投薬形態あたり約0.1mg以下~約5000mg以上を含む。さらなる実
施形態において、医薬組成物は、単位投薬形態あたり約1~約500mg、又は単位投薬
形態あたり約500~5000mgを含む。このような投薬形態は、固体、半固体、液体
、エマルジョンであり得るか、又は吸入投与のためのエアロゾルなどを介した送達に適合
され得る。
【0094】
使用される医薬担体は、例えば、固体、液体、又は気体であり得る。固体担体の例には
、ラクトース、テラアルバ、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア
、ステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸が含まれる。液体担体の例は、糖シロッ
プ、落花生油、オリーブ油、低級アルコール、及び水である。気体担体の例としては、二
酸化炭素及び窒素が挙げられる。
【0095】
本明細書で提供される医薬組成物は、水中の活性化合物の溶液又は懸濁液として調製す
ることができる。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどの適切な界面活性剤を含め
ることができる。分散液剤も、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及び油中のそ
れらの混合物において調製することができる。さらに、防腐剤は例えば、微生物の有害な
増殖を防止するために含まれ得る。
【0096】
注射用に好適な本明細書で提供される医薬組成物には、無菌水溶液又は分散液が含まれ
る。さらに、組成物は、そのような滅菌注射溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末
の形態であり得る。医薬組成物は、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならない;し
たがって、好ましくは細菌及び真菌のような微生物の汚染作用に対して保存されなければ
ならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロ
ピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物油、及びそれらの適切な混合
物を含有する溶媒又は分散媒体であり得る。
【0097】
上述の担体成分に加えて、上述の医薬製剤は、適宜、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤
、表面活性剤、増粘剤、滑沢剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)などの1つ以上の追加の担体
成分を含むことができる。さらに、他のアジュバントを含めて、製剤を意図するレシピエ
ントの血液と等張にすることができる。本明細書で提供される化合物、又はその薬学的に
許容される塩もしくは誘導体を含有する組成物はまた、希釈のために粉末又は液体濃縮物
形態で調製され得る。
【0098】
脂肪酸(例えば、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体)は、リポソームとし
て処方され得る。脂肪酸は、リポソームの脂質部分の成分であり得るか、又はリポソーム
の水性部分にカプセル化され得る。奇数鎖脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体などの脂肪
酸は、シクロデキストリンと共製剤化することもできる。シクロデキストリンは例えば、
ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン又はスルホブチルエーテルシクロデキスト
リンであり得る。
【0099】
本明細書では、奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体を、少なく
とも1つの追加の活性剤と組み合わせて含む組成物が意図される。脂肪酸(例えば、奇数
鎖飽和脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体)及び少なくとも1つのさらなる活性剤は単一
の処方物中に、又は一緒に提供される複数の処方物中に存在し得るか、又は処方されない
(例えば、賦形剤及びキャリアを含まない)。いくつかの実施形態において、脂肪酸(例
えば、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体)は、単一の組成物において、1つ
以上のさらなる薬剤と一緒に投与され得る。例えば、奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸の化
合物、又はその塩もしくは誘導体を1つの組成物で投与することができ、追加の薬剤の少
なくとも1つを第2の組成物で投与することができる。さらなる実施形態において、脂肪
酸(例えば、奇数鎖飽和脂肪酸)、又はその塩もしくは誘導体、及び少なくとも1つのさ
らなる活性剤は、キット中に同時パッケージングされる。例えば、薬物製造業者、薬物再
販業者、医師、調合店、又は薬剤師は、開示された化合物又は製品及び患者への送達のた
めの別の成分を含むキットを提供することができる。
【0100】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、本明細書に記載される1つ以上の化合物
(例えば、奇数鎖飽和脂肪酸又はその薬学的に許容される塩もしくは誘導体などの脂肪酸
)の治療有効量及び薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又はそれらの組み合わせを
含むことができる薬学的組成物に関する。医薬組成物は、例えば、組成物の>1%、≧2
%、≧3%、≧4%、≧5%、≧6%、≧7%、≧8%、≧9%、≧10%、≧20%、
≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、
又は≧98%において、奇鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体を含む
ことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物が複数の脂肪酸、例えば、組成物の
>1%、≧2%、≧3%、≧4%、≧5%、≧6%、≧7%、≧8%、≧9%、≧10%
、≧20%、≧30%、≧40%、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%
、≧95%、又は≧98%。
【0101】
食品
食品及び脂肪酸(例えば、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体)を含む他の
食品が提供され、ここで、食品中の脂肪酸の量は強化されている(例えば、濃縮されてい
るか、又は濃縮されている)。本明細書で提供される奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸は、
対象による消費のために食品に添加され得る。奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸は、食品の
1つ又は複数の成分に組み込まれてもよい。奇数鎖飽和脂肪酸などの脂肪酸は、成分とし
て調製されてもよく、又は調製されなくてもよい。化合物、又は化合物を含む調製物は、
調製前、調製中、又は調製後に添加することができる。調製には、限定されるものではな
いが、調理、混合、香味付け、調味付け、ブレンド、煮沸、フライ、ベーキング、又は当
技術分野で公知の他のプロセスが含まれ得る。強化は、好ましくは本明細書の他の箇所に
記載されるような脂肪酸の治療的な毎日の投与量を提供するようなレベルであるが、しか
し、有益な効果はまた、そのような投与量よりも少ない量で得ることができる。
【0102】
本明細書中に提供されるような、奇数鎖飽和脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体などの
脂肪酸は、天然において公知のプロセスの操作によって、例えば、植物、動物、細菌、又
は真菌の代謝プロセスを改変することによって、食品中の構成要素として存在し得る。奇
数鎖飽和脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体などの脂肪酸の濃度を増加させるための、植
物、動物、細菌、又は真菌の遺伝子改変が意図される。例として、脂肪酸は、食品中に、
少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくと
も約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%
、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%
、少なくとも約50%、又はそれ以上、例えば、1%~2%、3%、又は4%、又は5%
、又は6%、又は7%、又は8%、又は9%、又は10%、又は20%、又は30%、又
は40%、又は50%の濃度で存在することができる。
【0103】
効能・効果
加齢関連状態を治療するための組成物及び方法を提供する。これらの状態には、高コレ
ステロール血症、肥満、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、過敏症、及び癌
;脂質異常症(総コレステロール値の上昇又はLDL-コレステロール値の上昇を含む)
、血栓症(静脈血栓症、深部静脈血栓症、ページェット病、バッド-キアリ症候群、門脈
血栓症、脳静脈洞血栓症、頸静脈洞血栓症、動脈血栓症、脳卒中、心筋梗塞、四肢虚血、
及び肝動脈血栓症を含む)、線維性疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺線
維症、特発性肺線維症、肝線維症、肝硬変、胆道閉鎖症、心房線維症、心内膜心筋線維症
、陳旧性心筋梗塞、脳線維症、グリア瘢痕、動脈硬化、クローン病、デュピュイトラン拘
縮、ケロイド、表皮及び真皮の瘢痕化、縦隔線維症、ペイロニー病、腎性全身性線維症、
進行性塊状線維症、塵肺症、後腹膜線維症を含む)、創傷治癒及び皮膚修復(年齢、肥満
、慢性疾患、免疫抑制、栄養状態、又は血管不全による創傷治癒の遅延を含む)、高グロ
ブリン血症及び関連する状態、過敏症(アレルギー及び自己免疫疾患、自己免疫溶血性貧
血、リウマチ性心臓病、血小板減少症、胎児性赤芽球症、グッドパチュア症候群、グレー
ブス病、重症筋無力症、血清病、関節反応、連鎖球菌後糸球体炎を含む)関節炎、ループ
ス腎炎、全身性エリテマトーデス、外因性アレルギー性肺胞炎、過敏性肺炎、関節リウマ
チ、多発性硬化症、バセドウ病、又は重症筋無力症を含む)、及び癌を含む腫瘍性疾患(
例えば、リンパ腫、ホジキン病、及び肝細胞癌など)が含まれるが、これらに限定されな
い。
【0104】
加齢とは、生物における一連の形態学的及び機能的変化であって、経時的に起こる変化
をいう。この用語はまた、生物がその最大生殖能力に達した後の生物学的機能の低下をい
う。炎症は、ミトコンドリアDNAの変異などの過程を介して加齢に伴う病態と考えられ
ている。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物及び方法が、高コレステロール
血症、肥満、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、過敏症、又は癌を含む加齢
関連状態の治療、予防、予防又は維持のために示される。
【0106】
理論によって限定されることを望むものではないが、血清、血漿、及び細胞中の奇数鎖
飽和脂肪酸遊離脂肪酸又はリン脂質レベルを標的濃度まで増加させることは、加齢関連条
件を減少させ得ると考えられる。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法が、血清、血漿、又は赤血球膜奇
数鎖脂肪酸のレベルを増加させる。
【0108】
いくつかの実施形態では、血清、血漿、又は赤血球膜の非常に長い偶数鎖脂肪酸のレベ
ルは1つ以上の奇数鎖脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体の投与後に増加し得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、治療される状態が慢性疾患の貧血である。
【0110】
いくつかの実施形態では、治療される状態は自己免疫疾患である。
【0111】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物及び方法が、加齢に関連する状
態のマーカーを調節する。特定の実施態様において、マーカーは、血清、血漿、又は赤血
球膜奇数鎖脂肪酸百分率;奇数鎖脂肪酸の血清、血漿、又は赤血球膜全奇数鎖脂肪酸;赤
血球沈降速度、アルカリホスファターゼ、血清フェリチン、CRP(C反応性タンパク質
)、IL-6及びTNFα(及びインスリン抵抗性に関連する他のサイトカイン)、c-
Jun N末端キナーゼ(JNK)、ATM(毛細血管拡張性運動失調突然変異)又は単
球走化性タンパク質-1である。いくつかの実施形態において、奇数鎖脂肪酸は、糖脂質
の成分として測定される。さらなる態様において、奇数鎖脂肪酸は、リン脂質の構成成分
として測定される。なおさらなる実施形態において、マーカーは、血清又は赤血球膜であ
り、非常に長鎖の脂肪酸割合、非常に長鎖の脂肪酸の血清濃度、血清総非常に長鎖の脂肪
酸でさえある。
【0112】
いくつかの実施形態において、本明細書に提供される方法は、加齢に関連する状態のマ
ーカーの濃度を測定する工程を含む。当業者は本明細書に記載されるものを含むが、これ
に限定されない、そのような測定のための適切な方法を実行することができるのであろう
【0113】
本明細書において提供されるのは、脂肪酸(例えば、奇数鎖脂肪酸又は非常に長い偶数
鎖脂肪酸)の用量を、所定の間隔で、又は被験体の裁量に任された間隔で投与する工程を
包含する、処置のための方法である。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法がすべての血清、血漿
、又は赤血球膜脂肪酸に対して、それぞれ、奇数鎖脂肪酸の閾値血清、血漿、又は赤血球
膜パーセンテージを提供し得る。例えば、閾値は、約0.05%以下から90%以上、例
えば、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なく
とも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%
、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約
1.0%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約1.3%、少な
くとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7
%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.1%の値であって
もよい。約2.3%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.
7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3.0%、少なくと
も約3.5%、少なくとも約4.0%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、少な
くとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約
10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約
30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約
50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約
90%、又は90%を超える。
【0115】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が奇数鎖脂肪酸の血清
又は血漿濃度、又は奇数鎖脂肪酸の赤血球膜濃度において、ベースライン値(例えば、処
置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観察される一般値)を超え
る増加を提供し得る。例えば、奇数鎖脂肪酸の血清又は血漿奇数鎖脂肪酸又は赤血球膜濃
度は、少なくとも約1μg/ml、少なくとも約2μg/ml、少なくとも約3μg/m
l、少なくとも約4μg/ml、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml
、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、
少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/m
l、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg
/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約45μg/ml、少なくとも約50
μg/ml、又は50μg/mlを超えて増加され得る。いくつかの実施形態では、奇数
鎖脂肪酸又は奇数鎖脂肪酸の赤血球膜濃度が少なくとも約0.01×10-4M、少なく
とも約0.05×10-4M、少なくとも約0.1×10-4M、少なくとも約0.2×
10-4M、少なくとも約0.3×10-4M、少なくとも約0.4×10-4M、少な
くとも約0.5×10-4M、少なくとも約0.6×10-4M、少なくとも約0.7×
10-4M、少なくとも約0.8×10-4M、少なくとも約0.9×10-4M、少な
くとも約1×10-4M、少なくとも約2×10-4M、又は少なくとも約3×10-4
Mことによって、基準値(例えば、治療される患者における治療前値、又は特定の患者集
団において観察される全般値)を超えて増大し得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が血清又は血漿総奇数
鎖脂肪酸、又は赤血球膜総奇数鎖脂肪酸の増加を提供し得る。例えば、血清総奇数鎖脂肪
酸、又は赤血球膜総奇数鎖脂肪酸は、少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/
ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/m
l、少なくとも約10μg/ml、少なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg
/ml、少なくとも約25μg/ml、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35
μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少なくとも約45μg/ml、少なくとも約
50μg/ml、少なくとも約60μg/ml、少なくとも約70μg/ml、少なくと
も約80μg/ml、少なくとも約90μg/ml、100μg/ml、少なくとも約1
50μg/ml、少なくとも約200μg/ml、少なくとも約250μg/ml、少な
くとも約300μg/ml、少なくとも約350μg/ml、少なくとも約400μg/
ml、少なくとも約450μg/ml、少なくとも約500μg/ml、又は500μg
/mlを超えることによって、基準値(例えば、治療される患者における治療前値、又は
特定の患者集団において観察される全般値)を超えて増大し得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法がそれぞれ、血清、血
漿、又は赤血球膜奇数鎖脂肪酸において、すべての血清又は赤血球膜脂肪酸と比較して、
ベースライン値(例えば、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団におい
て観察される一般値)を超える増加を提供細胞。例えば、血清、血漿、又は赤血球膜奇数
鎖脂肪酸は、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%
、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約
0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少な
くとも約0.9%、少なくとも約1%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、
少なくとも約1.3%、少なくとも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1
.6%、少なくとも約1.7%、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なく
とも約2%、少なくとも約2.1%、少なくとも約2.2%、少なくとも約2.3%、少
なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少なくとも約2.6%、少なくとも約2.
7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9%、少なくとも約3%、少なくとも約
3.5%、少なくとも約4%、少なくとも約4.5%、少なくとも約5%、又は5%を超
えることによって、基準値(例えば、治療される患者における治療前値、又は特定の患者
集団において観察される全般値)を超えて増大し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が赤血球沈降速度の上
昇を減少させることができる。
【0119】
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供される化合物及び方法が上昇したアルカリ
ホスファターゼの減少を提供し得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供される化合物及び方法が血清フェリチンの
減少を提供し得る。例えば、血清フェリチンは少なくとも約10ng/ml、少なくとも
約100ng/ml、少なくとも約200ng/ml、少なくとも約300ng/ml、
少なくとも約400ng/ml、少なくとも約500ng/ml、少なくとも約600n
g/ml、少なくとも約700ng/ml、少なくとも約800ng/ml、少なくとも
約900ng/ml、少なくとも約1000ng/ml、少なくとも約1100ng/m
l、少なくとも約1200ng/ml、少なくとも約1300ng/ml、少なくとも約
1400ng/ml、少なくとも約1500ng/ml、少なくとも約2000ng/m
l、少なくとも約2500ng/ml、少なくとも約3000ng/ml、少なくとも約
3500ng/ml、4000ng/ml、少なくとも約4500ng/ml、少なくと
も約5000ng/ml、少なくとも約6000ng/ml、少なくとも約7000ng
/ml、少なくとも約8000ng/ml、少なくとも約9000ng/ml、少なくと
も約10000ng/ml、又は10000ng/mlを超えることよって、ベースライ
ン値(例えば、治療中の患者において観察される前治療値)未満に減少され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供される化合物及び方法が、特定のレベル未
満の血清フェリチンの減少を提供し得る。例えば、血清フェリチンは、約20000ng
/ml、約15000ng/ml、約12000ng/ml、約10000ng/ml、
約8000ng/ml、約5000ng/ml、約2000ng/ml、約1000ng
/ml、又は約500ng未満に減少され得る
【0122】
いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸(例えば、飽和奇数鎖脂肪酸)を投与して、奇
数鎖脂肪酸又はすべての奇数鎖脂肪酸の血清又は血漿総パーセントを所定の閾値を超えて
維持する。これらの実施形態の変形では、奇数鎖脂肪酸はヘプタデカン酸である。さらな
る変更において、奇数鎖脂肪酸は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、
約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.2%、
約1.4%、約1.6%、約1.8%、約2%、約2.2%、約2.4%、又は約2.6
%を超える、奇数鎖脂肪酸の血清リン脂質パーセント、又はすべての奇数鎖脂肪酸を維持
するために投与される。
【0123】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法がすべての血清又は赤
血球膜脂肪酸に対して、それぞれ、閾値血清、血漿、又は赤血球膜パーセンテージの非常
に長い鎖脂肪酸さえ提供細胞。例えば、閾値は、約0.05%以下から90%以上、例え
ば、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくと
も約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、
少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%、少なくとも約1
.0%、少なくとも約1.1%、少なくとも約1.2%、少なくとも約1.3%、少なく
とも約1.4%、少なくとも約1.5%、少なくとも約1.6%、少なくとも約1.7%
、少なくとも約1.8%、少なくとも約1.9%、少なくとも約2.1%、少なくとも約
2.2%、少なくとも約2.3%、少なくとも約2.4%、少なくとも約2.5%、少な
くとも約2.6%、少なくとも約2.7%、少なくとも約2.8%、少なくとも約2.9
%、少なくとも約3.0%、少なくとも約3.5%、少なくとも約4.0%、少なくとも
約4.5%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8
%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%
、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%
、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%
、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は90%を超える値であってもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が非常に長鎖の脂肪酸
の血清又は血漿濃度、又は非常に長鎖の脂肪酸の赤血球膜濃度において、ベースライン値
(例えば、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観察される一
般値)を超える増加を提供し得る。例えば、非常に長鎖の脂肪酸又は赤血球膜脂肪酸の血
清超長鎖脂肪酸又は赤血球膜濃度は、少なくとも約0.01μg/ml、少なくとも約0
.05μg/ml、少なくとも約0.1μg/ml、少なくとも約1μg/ml、少なく
とも約2μg/ml、少なくとも約3μg/ml、少なくとも約4μg/ml、少なくと
も約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少なくとも
約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少なくとも
約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml、少なく
とも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/ml、少
なくとも約45μg/ml、少なくとも約50μg/ml、又は50μg/mlを超える
ことにより増加させることができる。いくつかの実施形態では、非常に長鎖の脂肪酸、又
は非常に長鎖の脂肪酸の赤血球膜濃度さえも、少なくとも約0.001×10-4M、少
なくとも約0.005×10-4M、少なくとも約0.05×10-4M、少なくとも約
0.01×10-4M、少なくとも約0.05×10-4M、少なくとも約0.1×10
-4M、少なくとも約0.2×10-4M、少なくとも約0.3×10-4M、少なくと
も約0.4×10-4M、少なくとも約0.5×10-4M、少なくとも約0.6×10
-4M、少なくとも約0.7×10-4M、少なくとも約0.8×10-4M、少なくと
も約0.9×10-4M、少なくとも約1×10-4M、少なくとも約2×10-4M、
又は少なくとも約3×10-4Mによって、基準値(例えば、治療される患者における治
療前値、又は特定の患者集団において観察される全般値)を超えて増大し得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が、血清又は血漿総超
長鎖脂肪酸、又は赤血球膜総超長鎖脂肪酸の増加を提供し得る。例えば、血清総超長鎖脂
肪酸、又は赤血球膜全超長鎖脂肪酸でさえも、少なくとも約0.05μg/ml、少なく
とも約0.1μg/ml、少なくとも約0.5μg/ml、少なくとも約1μg/ml、
少なくとも約5μg/ml、少なくとも約6μg/ml、少なくとも約7μg/ml、少
なくとも約8μg/ml、少なくとも約9μg/ml、少なくとも約10μg/ml、少
なくとも約15μg/ml、少なくとも約20μg/ml、少なくとも約25μg/ml
、少なくとも約30μg/ml、少なくとも約35μg/ml、少なくとも約40μg/
ml、少なくとも約45μg/ml、少なくとも約50μg/ml、少なくとも約60μ
g/ml、少なくとも約70μg/ml、少なくとも約80μg/ml、少なくとも約9
0μg/ml、少なくとも約100μg/ml、少なくとも約150μg/ml、少なく
とも約200μg/ml、少なくとも約250μg/ml、少なくとも約300μg/m
l、少なくとも約350μg/ml、少なくとも約400μg/ml、少なくとも約45
0μg/ml、少なくとも約500μg/ml、又は500μg/mlを超えることによ
って、ベースライン値(例えば、治療される患者において観察される治療前値、又は特定
の患者集団において観察される一般値)を超えて増大し得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される組成物又は方法が、赤血球数の増加を
提供し得る。例えば、赤血球カウントレベルは少なくとも約0.1細胞/μL、少なくと
も約0.2細胞/μL、少なくとも約0.3細胞/μL、少なくとも約0.4細胞/μL
、少なくとも約0.5細胞/μL、少なくとも約0.6細胞/μL、少なくとも約0.7
細胞/μL、少なくとも約0.8細胞/μL、少なくとも約0.9細胞/μL、少なくと
も約1細胞/μL、少なくとも約1.2細胞/μL、少なくとも約1.4細胞/μL、少
なくとも約1.6細胞/μL、又は少なくとも約2細胞/μLだけ、ベースライン値(例
えば、処置される患者における処置前値、又は特定の患者集団において観察される一般値
)を超えて増加され得る。
【0127】
併用療法
いくつかの実施形態では奇数鎖脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体、又は非常に長鎖の
偶数鎖脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体、又は本明細書に記載される化合物を含む医薬
組成物、又はその塩もしくは誘導体などの本明細書に開示される化合物は1つ以上の追加
の活性剤と組み合わせて使用されてもよい。奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩もしくは
誘導体、又は奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩もしくは誘導体を含む組成物と組み合わ
せて使用することができる追加の活性剤の例には本明細書で提供される状態を治療するた
めに現在使用されている薬剤、及びそわなければ医学で知られている薬剤が含まれるが、
これらに限定されない。
【0128】
いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩もしくは誘導体、又は奇
数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩もしくは誘導体を含む組成物を、本明細書に記載の1つ
、2つ、3つ以上の追加の活性剤と共に使用することができる。このような薬剤には奇数
鎖脂肪酸又は非常に長鎖の偶数鎖脂肪酸などの第2の脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体
が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物が少なくとも1
つの奇数鎖脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体、及び少なくとも1つの超長偶数鎖脂肪酸
、又はその塩もしくは誘導体を含むことができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、奇数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩もしくは誘導体、又は奇
数鎖脂肪酸の化合物、又はその塩もしくは誘導体を含む組成物は、別の薬剤、又は、高コ
レステロール血症、肥満、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、過敏症、及び
癌細胞増殖を含む、加齢関連状態を含む本明細書で提供される状態の治療、予防、維持、
又は予防のため又は状態のマーカーの調節のための薬剤と組み合わせて使用(例えば、投
与又は摂取)することができる。いくつかの実施形態において、状態は、脂質異常症(総
コレステロール値の上昇又はLDL-コレステロール値の上昇を含む)、血栓症(静脈血
栓症、深部静脈血栓症、ページェット病、バッド-キアリ症候群、門脈血栓症、脳静脈洞
血栓症、海綿静脈洞血栓症、動脈血栓症、脳卒中、心筋梗塞、四肢虚血、及び肝動脈血栓
症)、線維性疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肺線維症、特発性肺線維症
、肝線維症、胆道閉鎖症、心房線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、グリア瘢痕
、動脈硬化、クローン病、デュピュイトラン拘縮、ケロイド、表皮及び真皮の瘢痕、骨髄
線維症、ペイロニー病、進行性塊状線維症、塵肺症、後腹膜線維症、強皮症、全身性硬化
症、及び癒着性被膜炎)、創傷治癒及び皮膚修復(年齢、肥満、慢性疾患、免疫抑制、栄
養状態、又は関連状態、過敏症、自己免疫性溶血性貧血、栄養状態、又は血管不全による
創傷治癒の遅延を含む)、高グロブリン血症及び関連する状態、過敏症(アレルギー及び
自己免疫疾患、自己免疫溶血性貧血、リウマチ性心臓病、血小板減少症、胎児性赤芽球症
、グッドパチュア症候群、グレーブス病、重症筋無力症、血清病、関節反応、連鎖球菌後
糸球体炎を含む) 関節炎、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、外因性アレルギー
性肺胞炎、過敏性肺炎、関節リウマチ、多発性硬化症、バセドウ病、又は重症筋無力症を
含む)、及び癌を含む腫瘍性疾患(例えば、リンパ腫、ホジキン病及び肝細胞癌など)で
あり得る。
【0130】
例えば、本明細書中に開示される脂肪酸の化合物は、スタチン(例えば、アトルバスタ
チン(リピトール)、ロバスタチン(リバロ)、プラバスタチン(プラバコール)、ロス
バスタチン(クレストール)、シンバスタチン(Zoctatin)又はコレステロール
吸収剤(例えば、エゼチミブ(ゼチア))、胆汁酸封鎖剤(プレバリト)、コレスチポー
ル(コレスチド))、エゼチミブ-シンバスタチン(ヴィトリン)、エボロクマブ(レパ
サ)、PKSK9阻害剤、フィブラート(例えば、フェノフィブラート(トリコール)、
ゲムフィブロジル(ロピド))、ナイアシン、フィトステロール、魚油/ω3脂肪酸、減
量薬(オルリスタット(ゼニカル)、ロルカセリン(Belviq)、フェンテルミン及
びトピラマート(Qsymia)、ブプロピロン及びナルトレキソン(Contrave
)、リラグルチド(Saxenda)、フェンテルミン、Adipex-P、 Topa
max、Desoxyn、Alli、フェニカル、Fastin、Qsymia、met
hamphetamine、Didrex、lorcaserin、Saxenda、l
onamin、Pregnyl、絨毛性ゴナドトロピン、Bontril PDM、絨毛
性ゴナドトロピン、Tagamet、liraglutide、T-Diet、Topa
max Sprinkle、アンフェタミン、ベンズフェタミン、ブプロピオン/ナルト
レキソン、シメチジン、Evenedate、メチルフェニデート、Suprenza、
Tenuate Dospan、Adipost、Atti-Plex P、Belvi
q XR、desvenlafaxine、Oby-Cap、Phentercot、P
hentride Prelu-2、Tagamet HB、Equaline Aci
d Reducter、Melfiat、Regimex、Guarana、Garci
nia、Hoodia、Ephedra)、抗凝固薬(ヘパリン、ワルファリン、アピキ
サバン、ダルテパリン、エドキサバン、エノキサパリン、フォンダパリヌクス、リバーロ
キサバン、Xa阻害薬、抗線維化薬(ニンテダニブ、ピルフェニドン、NSAID、抗ヒ
スタミン薬、コルチコステロイド(コルチゾン、プレジソン)、シクロホスファミド、ア
ザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、N-アセチルシステイン、プロトンポンプ
阻害薬(プリロゼック、ネキシウム)、気管支拡張薬(アルブテロール、テオフィリン、
イプラトロピウム)、抗炎症薬(グアイフェネシン、N-アセチルシステイン、フルチカ
ゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾン、イブプロフェン、モンテルカスト、クロモリ
ン、N-アセチルシステイン)、抗生物質(シプロフロキサシン、コリスチン、ジクロキ
サシン、アモキシシリン、シプロ、レボフロキサシン、セフタジジム、メロペネム、ピペ
ラシリン、メロペネム)、ビタミン(ADEK、Fer-in-Sol、Polyvif
lor drops、Aquasol-A ドリスドール、アクアソール-E)、膵酵素
(ドキュセート、カサントラノール、ポリエチレングリコール)、胃腸薬(オメプラゾー
ル、ラニチジン、メトクロプラミド)、抗ヒスタミン薬(ロラタジン、セチリジン、フェ
キソフェナジン)、鼻噴霧薬(バンセナーゼ/バンクAQ、ベコナーゼ/ベクAQ、洞含
嗽薬)、スルファジアジン銀、サンチル、尿素、ヒビクレン、シルバデン、サルナ、ベネ
レックス、レア、ルクサメンド、ビオネック、 Nuvail、Numecta、Der
masorb XM、Levicyn、Aragel、硝酸銀、Keragel、マフェ
ニド、Sulfamylon、Polysporin、X-Viate、Umecta
PD、Uramaxin、remeven、角質溶解薬、ネオスポリン、ネオマイシン、
バシトラシン、ポリミキシン、ベンザルHP、アトラプロ、顆粒剤、バソレックス、亜鉛
ペースト、カラミン、コールタール、イクタモール、ペントキシフィリン、イロプロスト
、三硝酸グリセリル、カルシウム拮抗薬、コルチコステロイド、プソラレン、フェニトイ
ン、レチノイド、鎮痛薬、コルヒチン、抗血小板薬(アスピリン)、血管収縮薬(ニコチ
ン、コカイン、アドレナリン)から選択される1つ以上の薬剤と組み合わせて使用するこ
とができる。
【0131】
本明細書中に開示される脂肪酸の化合物(例えば、奇数鎖脂肪酸)は、1つ以上の医療
デバイス、医療処置、又は外科処置(例えば、肥満症のための外科処置(例えば、胃バイ
パス手術、腹腔鏡下調節可能な胃バンディング、十二指腸スイッチを伴う胆道膵臓転換、
胃スリーブ、迷走神経遮断)、カテーテル指向性血栓溶解、大静脈フィルター、静脈血栓
摘出、圧迫バンデージング、真空補助閉鎖、間欠的空気圧迫デバイス、デブリドマン(鋭
利、機械的、自己溶解性(蜂蜜)、酵素的、又は生物手術(マゴット))、紫外線治療、
高圧酸素、放射熱ドレッシング、超音波治療、レーザー、水治療、電気療法、電磁療法、
及び免疫グロブリン置換療法)と組み合わせて使用され得る。
【0132】
投与
当業者に容易に明らかなように、投与される有用なインビボ用量及び特定の投与様式は
、年齢、体重、状態の重症度、及び処置される哺乳動物種、使用される化合物の特定の形
態、ならびにこれらの化合物が使用される特定の使用に依存して変化する。有効用量レベ
ル、すなわち、所望の結果を達成するために必要な用量レベルの決定は日常的な方法、例
えば、インビボ研究を用いて、当業者によって達成され得る。例えば、「Estimat
ing Maximum Safe Starting Dose in Initia
l Clinical Trials for Therapeutics in Ad
ult Healthy Volunteers」、U.S.Food and Dru
g Administration、2005年7月を参照されたい。
【0133】
ある態様において、本明細書中に提供される方法は、本明細書中に提供される組成物の
治療有効量を投与することを含み得る。いくつかの実施形態において、治療有効量は、加
齢に関連する状態のマーカーの調節を参照することによって決定され得る。いくつかの実
施形態では、治療有効量が本明細書中に提供される状態の症状の調節を参照することによ
って決定され得る。さらに他の実施形態では、炎症を含む本明細書で提供される状態の治
療のためのガイドラインを含むがこれに限定されない、本明細書で説明される状態のため
の確立されたガイドラインを参照することができる。
【0134】
投薬量は、所望の効果及びマーカー値などの治療適応症に応じて、広く変化し得る。あ
るいは、投与量が当業者によって理解されるように、患者の表面積又は体重に基づいて計
算され得る。正確な用量はケースバイケースで決定されるか、又は場合によっては被験者
の情報に基づいた裁量に委ねられる。成人ヒト患者のための1日用量投与計画は例えば、
奇数鎖脂肪酸もしくは非常に長鎖の偶数脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体、又は複数の
脂肪酸の混合物、又はその塩もしくは誘導体、約0.01mg~約10000mg、約1
mg~約5000mg、約5mg~約2000mg、約10mg~約1000mg、又は
約50mg~約500mgの脂肪酸の経口用量であり得る。単回用量は、約0.01mg
、約0.1mg、約1mg、約5mg、約10mg、約20mg、約50mg、約100
mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約8
00mg、約900mg、約1000mg、約2000mg、約5000mg、又はそれ
以上の脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体を含み得る。投薬量は被験体の体重に従って調
節され得、例えば、投薬量は、約0.001mg/kg、約0.01mg/kg、約0.
1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg
、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg
、約9mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25m
g/kg、約30mg/kg、又はそれ以上でもよい。投薬量は個々の被験体に適切であ
るように、1日以上の過程で与えられる単一の1つ又は一連の2つ以上であり得る。いく
つかの実施形態では、化合物が約1週間以上(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間
、5週間、6週間、6週間、7週間、8週間、8週間、又はそれ以上)、数週間、約1ヶ
月以上(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、
9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれ以上)、約1年以上、又は複数年間、
連続治療の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態において、脂肪酸(例えば、
奇数鎖脂肪酸又は非常に長鎖の偶数鎖脂肪酸、又はその塩もしくは誘導体)は、1日あた
り1回、1日あたり2回、1日あたり3回、又はそれ以上投与又は摂取され得る。
【0135】
当業者によって理解されるように、特定の状況において、被験体を効果的に処置するた
めに、上記の好ましい投薬範囲を超える量で本明細書中に開示される化合物を投与するこ
とが必要であり得る。
【0136】
単位投薬形態、例えば、予め測定された量の組成物を有する個々のパッケージを、所定
のスケジュールでの投与のために構成することもできる。1日に1~3回投与するように
構成された単位剤形が好ましいが、特定の実施形態では1日に3回を超える、又は1日に
1回未満の投与のために単位剤形を構成することが望ましい場合がある。
【0137】
投薬量及び間隔は所定のパラメーター、指標、又はマーカー値、又は最小有効濃度(M
EC)を維持するのに十分な活性部分の血漿レベルを提供するために、個々の被験体に調
節され得る。所望の結果を達成するために必要な用量は、個々の特徴及び投与経路に依存
する。しかし、アッセイ、例えば、HPLCアッセイ又はバイオアッセイを使用して、血
清濃度を決定し得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物及び方法が例えば、米国特許で
提供されるように、デバイス及びデバイスを使用する方法と併せて使用されてもよい。N
o.7,651,845;U.S.Pat.No.8,251,904;U.S.Pat
.No.8,251,904;U.S.Pat.No.4,985,015;U.S.P
at.No.8,827,957;U.S.Pat.No.4,252,159;U.S
.Pat.No.5,318,521;U.S.Pat.No.4,718,430;U
.S.Pat.No.9,713,600、U.S.Pat.No.9,707,199
、U.S.Pat.No.9,687,461、U.S.Pat.No.9,662,3
06、U.S.Pat.No.9,561,206、U.S.Publ.No.2011
/0190702;U.S.Publ.No.2017/0266144,U.S.Pu
bl.No.2016/0324814,U.S.Publ.No.2016/0195
559,U.S.Publ.No.2016/0195558,U.S.Publ.No
.2016/0193172,2U.S.Publ.No.016/0193171、U
.S.Publ.No.2016/0193170、WO2016/111843、DE
2615061;及び例えば、U.S.Publに提供されるような診断デバイスと関連
する。No.2012/0072236。
【0139】
診断とモニタリング
本明細書では、加齢に関連する状態の診断及びモニタリングのための方法が提供される
【0140】
いくつかの実施形態において、診断又はモニタリングの方法は体液中の脂肪酸(例えば
、奇数鎖脂肪酸又は非常に長鎖の偶数鎖脂肪酸)のパーセンテージを測定する工程を包含
し得る。いくつかの実施形態では、診断又はモニタリングの方法が対象における、加齢に
関連する状態を含む、本明細書で提供される状態のマーカーを測定するステップを含んで
もよい。いくつかの実施形態では、診断又はモニタリングの方法が加齢に関連する状態の
マーカーを測定するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つのマーカー
と別のマーカーとの間の関係が有益であることが証明され得る。いくつかの実施形態にお
いて、加齢に関連する状態は赤血球沈降速度の閾値レベル、例えば、血清奇数鎖脂肪酸又
は血清超長偶数鎖脂肪酸を参照することによって診断され得る。いくつかの実施形態では
、本明細書で提供される加齢に関連する状態が状態のマーカーの閾値レベル、例えば、血
清奇数鎖脂肪酸パーセンテージ、奇数鎖脂肪酸の血清濃度、血清総奇数鎖脂肪酸、血清超
長偶数鎖脂肪酸、血清総超長偶数鎖脂肪酸、又は2つの血清脂肪酸間の比率を参照するこ
とによって診断されてもよい。例えば、閾値は、加齢に関連する状態の症状又はマーカー
を参照することによって決定されてもよい。
【0141】
被験体における脂肪酸(例えば、奇数鎖脂肪酸又は非常に長鎖の偶数鎖脂肪酸、又は加
齢に関連する状態のマーカー)のパーセンテージは、任意の手段によってモニターされ得
る。分析のためのサンプルは、被験体の任意の流体又は組織に由来し得る。例えば、血清
、血漿、赤血球膜、尿及び糞からである。
【実施例0142】
実施例1
加齢は高コレステロール血症のリスクが高い。合成奇数鎖飽和脂肪酸の経口投与は、伝
統的な肥満実験動物モデルにおいてコレステロールを低下させると仮定された。
【0143】
本試験では、肥満マウスモデルにおいて合成ペンタデカン酸(C15:0)の連日経口
投与が総コレステロール及びLDLコレステロールに及ぼす影響を検討した。20匹のC
57BL/6Jマウスに高脂肪食(HFD)(D12492、60% kcal脂肪)を
8週間与えた。次いで、研究マウスを、以下の2群の10:ビヒクル対照及びペンタデカ
ン酸処置(5mg/kg体重)に分けた。被験物質は室温で安定な合成粉末形態であり、
Sigma-Aldrich(製品W433400(≧99% C15:0))から購入
した。被験物質はHFDへの自由なアクセスを継続しながら、12週間(84日間)胃強
制経由で毎日提供された。0日目と84日目に総コレステロールと低密度リポタンパク質
(LDL)コレステロールを測定した。Wilcoxon順位和分析を用いて、治療群の
データを対照群と比較した。有意性は、0.05以下のP値として定義した。
【0144】
ペンタデカン酸処置群のマウスは、試験を通して被験物質に耐性であった。投与群のマ
ウスでは早期死亡は認められず、対照群の1匹では投与7週目に予定外の死亡が認められ
た。
【0145】
84日目にペンタデカン酸処置群をビヒクル対照群と比較した場合、ペンタデカン酸(
5mg/kg)で処置した被験体は、より低い総コレステロール及びLDLコレステロー
ルを有した(表1)。0日目に2つの群の間でこれらの変数に差はなかった(データは示
さず)。
【0146】
表1は、84日間経口合成ペンタデカン酸で処置した肥満マウスと対照との間のコレス
テロールの比較を提供する。
【表1】
【0147】
実施例2
加齢に伴い、高グロブリン血症、線維症、血栓症、高コレステロール血症のリスクが高
くなる。合成奇数鎖飽和脂肪酸の経口投与は、高脂肪食に関する伝統的な実験動物モデル
において、血清グロブリン、コレステロール、及び肝線維症を低下させるという仮説が立
てられた。
【0148】
本試験では、高脂肪食を与えた動物モデルにおいて、合成ペンタデカン酸(C15:0
)の連日経口投与が血清グロブリン、コレステロール、及び肝線維症に及ぼす影響を検討
した。16匹のニュージーランド白色ウサギに高脂肪食(HFD)(4%ピーナッツ油と
0.5%コレステロール)を2週間与えた。次いで、研究ウサギを、以下の2群の8匹に
分けた:高脂肪食コントロール、及びペンタデカン酸(35mg/kg体重)で処置した
高脂肪食動物。被験物質は室温で安定な合成粉末形態であり、Sigma-Aldric
h(製品W433400(≧99%ペンタデカン酸))から購入した。被験物質はHFD
への自由なアクセスを継続しながら、11週間(77日間)食餌中で毎日与えた。0日目
及び77日目に総コレステロール、血小板及びグロブリンが測定された。
【0149】
77日目、HFD対照群及びペンタデカン酸投与群の肝組織を採取し、公認の獣医病理
学者が線維症について組織学的にスコア化した。肝臓組織を、H&Eのためのパラフィン
包埋ブロック及び線維症(コラーゲン沈着)のためのピクロシリアスレッド染色に加工し
た。全ピクロスピリウスレッド染色肝スライドを、Aperio ScanScope
AT2を用いて20xでスキャンした。線維症の病期は以下のように定義された:0=な
し、1=類洞周囲又は門脈周囲、2=類洞周囲及び門脈/門脈周囲、3=架橋線維症、4
=肝硬変。Wilcoxon順位和分析を用いて、治療群のデータを対照群と比較した。
有意性は、0.05以下のP値として定義した。
【0150】
ペンタデカン酸処置群のウサギは、試験を通して被験物質に耐性であった。いずれのグ
ループにおいても早期死亡はなかった。
【0151】
77日目にペンタデカン酸処置群をHFD対照群と比較した場合、ペンタデカン酸(3
5mg/kg)で処置された被験体は、より低い血漿コレステロール、血小板、及びグロ
ブリンを有した。0日目に、2つの研究群の間でこれらの変数に差はなかった(データは
示さず)。表2は、経口合成ペンタデカン酸で77日間処置したウサギと対照との間の血
漿コレステロール、血小板、グロブリン、及びクレアチンキナーゼの比較を提供する。
【表2】
【0152】
Day77におけるペンタデカン酸投与群とHFD対照群を比較したところ、ペンタデ
カン酸(35mg/kg)投与群の被験者では肝線維症の重症度が低かった。図1は、ペ
ンタデカン酸で処理したウサギの肝臓におけるステージ3架橋線維症の欠如を示す。表3
は、経口合成ペンタデカン酸で77日間処置したウサギと対照との間の肝線維症段階スコ
アの比較を提供する。
【表3】
【0153】
実施例3
加齢に伴い、高グロブリン血症、線維症、アレルギー、癌のリスクが高くなる。炎症性
、血栓性、及び線維性応答を模倣するように刺激された一次ヒト細胞は、適切な濃度で合
成奇数鎖飽和脂肪酸に曝露された場合、減少した陰性応答を有すると仮定された。
【0154】
本研究は、アレルギー性、血栓性、及び線維性疾患状態を模倣する薬剤に曝露された3
つの主要なヒト細胞ベースの活性系に対する、4つの濃度(740nm及び2.2、6.
7、及び20μM)での合成ペンタデカン酸(C15:0)の影響を調べた。一般に、こ
れらのシステムにおけるタンパク質ベースのバイオマーカーを測定し、対照と比較した。
ペンタデカン酸は、2つ以上の連続した濃度がビヒクル対照と比較して同じ方向に所与の
バイオマーカーを変化させ、内部対照の有意なエンベロープの外側にあり、20%を超え
る効果サイズ(log10比>0.1)を有する少なくとも1つの濃度を有した場合、「
活性」とみなされた。
【0155】
最初の細胞に基づくシステムは胚中心で起こるT細胞依存性のB細胞の活性化を再現し
、アレルギー病態を模倣した。CD19+ B細胞及び末梢血単核細胞をα-IgM及び
TCRリガンドで刺激し、ペンタデカン酸と共に168時間インキュベートした。ペンタ
デカン酸で処理しなかった対照に加えて、陰性の非刺激系も含めた。分泌IgGを測定し
、対照と比較した。
【0156】
2番目の細胞に基づくシステムは、Th1炎症性及び血栓形成促進性環境を再現した。
一次内皮細胞をIL-1β、TNF-α、及びIFNγで刺激し、ペンタデカン酸と共に
24時間インキュベートした。ペンタデカン酸で処理しなかった対照に加えて、陰性の非
刺激系も含めた。このシステムにおけるウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体
(uPAR)活性化を測定し、対照と比較した。
【0157】
3番目の細胞に基づくシステムは線維症と細胞増殖を再現した。一次真皮線維芽細胞を
IL-1β、TNFα、IFNγ、EGF、bFGF、及びPDGF-BBで刺激し、ペ
ンタデカン酸と共に24時間インキュベートした。ペンタデカン酸で処理しなかった対照
に加えて、陰性の非刺激系も含めた。この系におけるプラスミノーゲン活性化因子阻害剤
-1(PAI-1)、コラーゲン-I及び線維芽細胞増殖(72時間)を測定し、対照と
比較した。
【0158】
ペンタデカン酸は、全ての4つの濃度(740nm及び2.2、6.7、及び20μM
)で、3つの細胞系全てにおいて非細胞毒性であった。
【0159】
これらの研究では、炎症反応、血栓形成促進反応、線維化反応、細胞増殖反応を模倣す
る細胞ベースの系がペンタデカン酸で減弱した。図2、3及び4は、ペンタデカン酸と共
にインキュベートしたヒト細胞系における分泌IgGの用量依存的減少(図2)、uPA
Rの増加(図3)、ならびにPAI-1、コラーゲン-I及び72時間線維芽細胞増殖の
減少(図4)を提供する。これらの指数のすべてについて、6.7μM及び20μMのペ
ンタデカン酸濃度が生物活性であった。
【0160】
奇鎖脂肪酸(ヘプタデカン酸、又はC17:0、及びペンタデカン酸、又はC15:0
)は、反芻動物全脂肪乳製品中に存在する飽和脂肪酸である。奇鎖飽和脂肪酸は第一胃中
の細菌によって集合され、第一胃から乳に通過し、乳脂肪摂取のバイオマーカーとして使
用されている。興味深いことに、消費者が高脂肪食品から離れて移動しているにもかかわ
らず、C15:0及びC17:0の血中濃度によって示される時に、ヒトでは、乳製品の
摂取が肥満及び過敏性障害のより低い発生率を含む複数の健康上の利益と関連している。
現在までのところ、乳製品の肥満及び過敏症に対するベネフィットの機序は明らかにされ
ていない。実施形態の方法を使用した結果に基づいて、奇数鎖飽和脂肪酸が、ヒトにおけ
る乳製品の抗肥満及び抗過敏性利益における重要なプレーヤーであり得ることが提案され
得る。
【0161】
これらの利点を利用するために、奇数鎖飽和脂肪酸を、サプリメント、医療食品、食品
添加物、食品強化剤、飲料添加物、飲料強化剤、又は錠剤、カプセル化ピル、ゲルキャッ
プピル、液体懸濁液、スプレー、及び粉末を含む任意の形態の医薬品中の酸に使用するこ
とができる。さらに、ヒト及び動物サンプル(血液(血清、血漿、及び赤血球膜を含む)
、尿、及び糞中の奇数鎖飽和脂肪酸についての診断試験及びアッセイを使用して、低奇数
鎖飽和脂肪酸を検出し、そして患者における奇数鎖飽和脂肪酸レベルを連続的にモニター
し得る。奇数鎖飽和脂肪酸の使用は、以下を予防、幹、及び治療することができる:高コ
レステロール血症、肥満、血栓症、線維症、創傷治癒、高グロブリン血症、過敏症、及び
癌細胞増殖及び他の関連状態を含む、加齢及び加齢関連状態。
【0162】
イルカを用いた修正食事研究に基づいて、奇数鎖飽和脂肪酸は、メタボリックシンドロ
ーム、糖尿病、2型糖尿病、空腹時血漿グルコースの上昇、血清トリグリセリドの上昇、
高フェリチン血症、心血管疾患、脂肪肝、腹部肥満、炎症誘発性状態、C反応性タンパク
質の上昇、炎症、貧血、インスリン抵抗性、自己免疫疾患、高血圧、心血管疾患、癌、及
びアルツハイマー病及び他の形態の認知症を含む神経変性疾患を治療する方法として提案
されている。
【0163】
データは、コレステロール(総又はLDL-コレステロール)の低下、及び血栓症、線
維症、肥満、高グロブリン血症、過敏症及び癌細胞増殖の緩和に対する奇数鎖飽和脂肪酸
の直接効果を実証する。高脂肪食を与え、経口ペンタデカン酸(C15:0)で12週間
毎日処置した肥満マウスは、高脂肪食のみを与えた対照マウスと比較して、より低いコレ
ステロール及びより低い体重増加パーセントを示した。ペンタデカン酸のコレステロール
低下作用は高脂肪食摂取ウサギを用いた著者らの研究で反復した。この研究では高脂肪食
を与え、11週間毎日の経口ペンタデカン酸で同時に処理したウサギは高脂肪食対照と比
較してコレステロールが低かった。加えて、著者らの高脂肪食摂取ウサギ試験は、対照と
比較して、血清グロブリンを低下させ、肝線維症の重症度を低下させるペンタデカン酸の
有益な効果を実証した。ウサギにおけるこれらの抗過敏症及び抗線維化作用は我々の初代
ヒト細胞表現型プロファイル研究において反復されており、その中には、B細胞からのペ
ンタデカン酸の用量依存的な分泌型免疫グロブリンGの減少、内皮細胞におけるウロキナ
ーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体の増加、そしてプラスミノーゲン活性化阻害因子
-1、コラーゲン-I、及び皮膚線維芽細胞増殖の減少が含まれていた。
【0164】
データは2.2μM~20μMの範囲の用量依存的濃度における奇数鎖飽和脂肪酸の有
益な活性を実証し、最も有益な効果は、少なくとも6.7μMによって検出される。これ
らの血清、血漿、細胞、又は組織レベルを達成するための奇数鎖飽和脂肪酸の投与は、観
察された有益な効果を付与すると予想される。
【0165】
以下の材料:Venn-Watson S.(2015)フェリチンの減少及びイルカ
におけるメタボリックシンドロームの軽減に関連する飽和脂肪酸ヘプタデカン酸(C17
:0)の食事摂取の増加。PLOS ONE 10:e0132117。
【0166】
加齢又は関連条件に関連するか又は適用可能な方法及び組成物は以下の参考文献におい
て議論され、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる:Yin,G.(2
015)Pfeuffer M,Jaudszus A,Pentadecanoic
and heptadecanoic acids:multifacted odd-
chain fatty acids,Adv Nutr.2016 July15;7
(4):730-4;Fave,G.(2004)脂質の物理的性質:脂質バイオアベイ
ラビリティを管理する新しい戦略。Cell Bol Biol 50:815-831
.。Ramirez,M.(2001)Absorption and distrib
ution of dietary fatty acids from differ
ent sources.Early Hum Develop 65:S95-S10
1;Jenkins B.(2015)A review of odd-chain
fatty acid metabolism and or role of pen
tadecanoic acid(C15:0)及びheptadecanoic ac
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-44;Mansson HL(2008)Fatty acids in bovin
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.(2014)乳製品摂取量の変化がトランス及び飽和脂肪酸濃度に及ぼす影響-ランダ
ム化比較試験の結果。Nutr J 13:32;Abdullah MM.(2015
)推奨乳製品摂取は、健康な成人における循環脂肪酸プロフィールを調節する:多施設ク
ロスオーバー研究。Br J Nutr 113:435-44;Forouhi N.
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pid saturated fatty acids and incident t
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-8;Patel P.(2010)血漿及び赤血球膜リン脂質で測定され、食物摂取頻
度アンケート及び2型糖尿病の新規発症リスクにより導出された脂肪酸:Europea
n Prospective Investigation into Cancer
and Nutrition(EPIC)-Norfolkコホートにおけるパイロット
研究。Am J Clin Nutrition 92:1214-22;Krachl
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・代謝・循環器疾患。NMCD 18:503-10;Maruyama C.(200
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定デサチュラーゼ活性の差異。J Atherscler Thromb 15:306
-313;Choi H.(2005)男性の乳製品消費と2型糖尿病リスク:前向き研
究。JAMA Internal Med 165:997-1003;Kratz M
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が、ヒトのβ細胞機能とは関連しない。米国臨床栄養学会誌。99:1385-96;M
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ion between individual plasma phospholip
id saturated fatty acids and incident ty
pe 2 diabetes:EPIC-InterAct case-cohort
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D:25107467;Benatar JR.(2014)乳製品摂取量の変更がトラ
ンス及び飽和脂肪酸値に及ぼす影響-ランダム化比較試験の結果。Nutr J 13:
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及び乳児アレルギー性障害の間の乳製品、カルシウム、及びビタミンDの母体消費。An
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答性、免疫グロブリ。J Immunol 111:1101-1107.。
【0167】
実施例4
我々のスクリーニングされた化合物が複数の加齢関連疾患に関連する活性を有すること
を実証するために、合成された化合物の選択されたサブセットを使用して、ヒト細胞に基
づく研究を完了した。概念の証拠として、イルカにおける炎症を低下させる際の予想され
る有効性に基づいて、本発明者らの化合物ライブラリーから14の化合物を選択した。こ
れらの化合物の純粋な合成形態を、種々の疾患状態を模倣する12の異なるヒト一次細胞
系を使用して、細胞ベースの活性(複数の加齢関連疾患及び寿命に影響を及ぼし得る疾患
に関連する)についてスクリーニングした(表4-ライブラリー中の選択された化合物を
スクリーニングするために使用される一次ヒト細胞系の説明)。
方法
【0168】
Diversity PLUSパネルは、様々なヒト疾患状態をモデル化するシステム
の広範なセットにわたって、偏りのない方法で試験薬剤の特徴付けを可能にする。これら
のシステムは、血管系、皮膚、肺、及び炎症組織の複雑なヒト組織及び疾患生物学をモデ
ル化するように設計される。この広範なパネルにわたる148のバイオマーカー活性の定
量的測定、ならびに公知の生物活性剤からの生物活性の比較分析を使用して、4つの濃度
(740nm及び2.2、6.7及び20μM)での各選択された化合物の効力及び機能
を予測及び比較した。
【0169】
BioMAPシステムはヒト組織又は病理学的状態で自然に生じる関連するシグナル伝
達ネットワークを捕捉するために、刺激(サイトカイン又は増殖因子など)を加えた、健
康なヒトドナー由来の1つ以上の一次細胞型で構築される。血管生物学は動脈平滑筋細胞
に特異的なTh1炎症状態(CASM3C系)と同様に、Th1(3C系)とTh2(4
H系)炎症環境の両方でモデル化される。さらなる系は、単球駆動性Th1炎症(LPS
系)又はT細胞刺激(SAg系)、マクロファージ活性化により駆動される慢性Th1炎
症(lMphg系)及び胚中心(BT系)で起こるB細胞のT細胞依存性活性化を含む全
身性免疫応答の側面を再現する。BE3Cシステム(Th1)とBF4Tシステム(Th
2)は肺の気道炎症を表し、一方MyoFシステムは筋線維芽細胞-肺組織リモデリング
をモデル化する。最後に、皮膚生物学は、Th1皮膚炎症をモデリングするKF3CTシ
ステム及び創傷治癒をモデリングするHDF3CGFシステムで扱われている。
【0170】
各試験薬剤は、個々のシステム環境内でのタンパク質バイオマーカー読み出しの変化か
ら作成されるシグネチャBioMAPプロファイルを生成する。バイオマーカーの測定値
(1システムにつき7~17)は治療及び生物学的意義に応じて選択され、疾患の転帰又
は特定の薬剤の効果を予測し、既知の作用機序を有する薬剤(MoA)を用いて検証され
る。各読み出しは、タンパク質を検出する免疫ベースの方法(例えば、ELISA)又は
増殖及び生存率を測定する機能アッセイによって定量的に測定される。バイオMAPの読
みは多様であり、細胞表面受容体、サイトカイン、ケモカイン、マトリックス分子及び酵
素を含む。全体として、Diversity PLUSパネルは、特定のBioMAPシ
ステムの生理学的状況内で生じる生物学的変化を捕捉する148のバイオマーカー読み出
しを含む。特異的BioMAP活動はインビボ生物学と相関しており、多様な生理学的系
にわたるMoA及び標的選択性に基づいて化合物を区別するために、マルチパラメータB
ioMAPプロフィールが使用されている。
【0171】
活性化BioMAP系を各化合物と24~72時間インキュベートした。活性化細胞系
からのタンパク質ベースのバイオマーカーを測定し、非処理対照系と比較した。バイオマ
ーカー活性は少なくとも1つの化合物濃度が有意エンベロープの外側にあり、20%を超
える効果サイズ(log10比)>0.1を有する場合に「有意」であると認められた。
BioMAPアッセイは現在、高インスリン血症、高血糖症、及び脂質異常症を含む代謝
性疾患をモデル化するための細胞系を有していない;したがって、これらのアッセイは化
合物の潜在的な抗炎症特性及び抗線維化特性を評価することに限定された。
【0172】
本研究に含まれた化合物は、10-ウンデカノエート(10-ウンデカン酸の共役塩基
;脂質、中鎖脂肪酸)、10-ヘプタノエート(10-ヘプタデカン酸の共役塩基;脂質
、長鎖脂肪酸)、及びペンタデカン酸(脂質、長鎖脂肪酸)を含んだ。
【0173】
結果
全ての化合物は、種々の加齢関連疾患を模倣する複数の細胞系にわたって、0.7~2
0μMの濃度の間の治療活性を首尾よく示した(表5:種々の加齢関連疾患を模倣する一
次ヒト細胞系における選択された化合物の治療活性)。Th1及びTh2型炎症、T細胞
依存性B細胞増殖、アレルギー、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、慢性炎症、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液
腫瘍学、代謝疾患、臓器移植、乾癬、肺線維症、呼吸器感染症に対する肺反応、再狭窄、
関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍における間質生物学、全身性エリテマトーデス(
SLE)、潰瘍性大腸炎、及び血管炎症を代表とする我々の選択した化合物によってうま
く減弱された関連する細胞ベースの疾患系。選択された化合物によって標的化される疾患
の要約例が提供される(表6-ヒト一次細胞表現型プロファイリング活性データに基づい
て、選択された化合物によって標的化されるTh2型炎症又はT細胞依存性B細胞増殖を
含む疾患の例;表7-ヒト一次細胞表現型プロファイリング活性データに基づいて、選択
された化合物によって標的化されるTh1型炎症を含む疾患の例;表8-ヒト一次細胞表
現型プロファイリング活性データに基づいて、選択された化合物によって標的化される疾
患の例)。
【0174】
さらに、この研究の知見に基づいて、以下の因子によって駆動又は増悪される疾患が選
択された化合物によって減弱又は治療される可能性がある:α平滑筋アクチン(αSMA
)、CD40、CD69、コラーゲンI、デコリン、e-セレクチン、エオタキシン3(
CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、
インターフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10/CXCL10)、インターロイキ
ン(IL)-1、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、IL-17A、IL-
17F、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、マトリックスメタロプロテイ
ナーゼ(MMP)-1、MMP-9 単球走化性タンパク質1(MCP-1)、γインタ
ーフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAI- 1
)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T又はB細胞増殖、組織
プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接着分
子(VCAM-1)、血管内皮増殖因子2(VEGFR2)。
【0175】
要約すると、本研究は複数の経路にわたる脂肪酸がイルカメタボロームで同定され、加
齢関連疾患に関連する治療活性を有すると予測されることを実証し、様々な疾患状態を模
倣するヒト細胞系における疾患修飾活性を成功裏に実証した。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0176】
例示的な実施形態
方法1:9個の炭素原子から31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸又はそ
の薬学的に許容される塩の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、加齢
に関連する状態の治療又は予防の方法。
【0177】
方法2:加齢に関連する状態が、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、肝疾患、鉄過剰症
、皮膚治癒障害、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、Th1型炎症、T細胞
依存性B細胞増殖、アレルギー、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、慢性閉塞性
肺疾患(COPD)、クローン病、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液腫瘍学、臓
器移植、乾癬、肺線維症、呼吸器感染症に対する肺の反応、再狭窄、関節リウマチ、腫瘍
における間質生物学、全身性エリテマトーデス(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及
び、α平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、CD69、コラーゲンI、デコリン、e
-セレクチン、エオタキシン3(CCL26)、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DR
アイソタイプ(HLA-DR)、免疫グロブリンγ誘導タンパク質10(IP-10/C
XCL10)、インターフェロン誘導性T細胞α走化性物質(I-TAC/CXCL11
)、インターロイキン(IL-1α、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、I
L-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-C
SF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP-1)、単球走化性タンパク質1(
MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻
害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T
又はB細胞増殖 組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNF
α)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、血管内皮増殖因子2(VEGFR2)からな
る群より選択される1つ以上の因子引き起こされる又は悪化する疾患、からなる群より選
択される方法1。
【0178】
方法3:方法が、予防方法である方法1又は2のいずれか1つ。
【0179】
方法4:方法が、治療方法である方法1又は2のいずれか1つ。
【0180】
方法5:加齢に関連する状態が高コレステロール血症である方法1~4のいずれか1つ
【0181】
方法6:加齢に関連する状態が、血栓症、線維症、及び創傷治癒不良からなる群から選
択される、方法1~4のいずれか1つ。
【0182】
方法7:血栓症、線維症、又は創傷治癒不良のマーカー又は症状が調節される方法6。
【0183】
方法8:血栓症、線維症又は創傷治癒不良のマーカーが、血清、血漿、細胞、又は組織
レベルの奇数鎖飽和脂肪酸、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター、プラスミノ
ーゲン活性化インヒビター-1、又はコラーゲン-Iからなる群より選択される、方法7
【0184】
方法9:加齢に関連する状態が血栓症である方法1~4のいずれか1つ。
【0185】
方法10:加齢に関連する状態が、高グロブリン血症及び過敏症障害からなる群より選
択される、方法1~4のいずれか1つ。
【0186】
方法:高グロブリン血症又は過敏症のマーカー又は症状が調節される、方法10。
【0187】
方法12:高グロブリン血症又は過敏症のマーカーが、奇数鎖飽和脂肪酸、血清グロブ
リン、又は免疫グロブリンGの血清、血漿、細胞、又は組織レベルからなる群より選択さ
れる、方法11。
【0188】
方法13:加齢に関連する状態が過敏性障害である方法1~4のいずれか1つ。
【0189】
方法14:9個の炭素原子から31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸の血
清、血漿、又は赤血球膜濃度が、2.2μMを超え30μM未満の濃度に増加される、方
法1から13のいずれか1つ。
【0190】
方法15:9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸がヘプ
タデカン酸である方法1~14のいずれか1つ。
【0191】
方法16:9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸がペン
タデカン酸である方法1~14のいずれか1つ。
【0192】
方法17:複数の異なる奇数鎖脂肪酸が投与される、方法1~16のいずれか1つ。
【0193】
方法18:9個の炭素原子から31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸の血
清、血漿、赤血球、又は組織濃度が、2.2μMを超え30μM未満に増加する、方法1
~17のいずれか1つ。
【0194】
方法19:9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸又はそ
の薬学的に許容される塩が、9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数
鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む単位剤形で、
薬学的組成物として提供される、方法1~18のいずれか1つ。
【0195】
方法20:単位剤形が、9個の炭素原子から31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数
鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩0.01mgから10000mgを含む、方法1
9。
【0196】
方法21:医薬組成物が偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、方法19~20のいず
れか1つ。
【0197】
方法22:医薬組成物が多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、方法19~21のいず
れか1つ。
【0198】
方法23:方法1~22のうち、1つ以上の奇数鎖脂肪酸で、カーボンアトムが9個か
ら31個のカーボンアトム又は製薬上許容可能な塩分を有するものを1日に1回患者に投
与する方法。
【0199】
医薬組成物24:1つ以上の脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含み、1つ以上の
脂肪酸が奇数鎖飽和脂肪酸からなる群から選択される、加齢に関連する条件を治療又は予
防するための医薬組成物;及び薬学的に許容されるキャリア。
【0200】
医薬組成物25:加齢に関連する状態が、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、肝疾患、
鉄過剰症、皮膚の完全性の障害、創傷治癒、瘢痕化、アレルギー、睡眠障害及び問題、胃
腸障害及び問題、Th1型炎症、T細胞依存性B細胞増殖、アレルギー、喘息、アテロー
ム性動脈硬化症、慢性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、クローン病、組織損傷に対
する皮膚反応、線維症、血液腫瘍学、臓器移植、乾癬、呼吸器感染症に対する肺の反応、
再狭窄、関節リウマチ、サルコイドーシス、腫瘍の間質生物学、全身性エリテマトーデス
(SLE)、潰瘍性大腸炎、血管炎症、及びα平滑筋アクチン(αSMA)、CD40、
CD69、コラーゲンI、デコリン、e-セレクチン、エオタキシン3からなる群より選
択される1つ以上の因子によって駆動又は増悪される疾患 CCL26)、線維芽細胞増
殖、ヒト白血球抗原-DRアイソタイプ(HLA-DR)、免疫グロブリンγ誘導タンパ
ク質10(IP-10/CXCL10)、インターフェロン誘導性T細胞α走化性物質(
I-TAC/CXCL11)、インターロイキン(IL-1α、IL-2、IL-6、I
L-8(CXCL8)、IL-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージ
コロニー刺激因子(M-CSF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP-1)、
単球走化性タンパク質1(MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、
プラスミノーゲン活性化阻害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2
)、血清アミロイドA、T又はB細胞増殖 組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)
、腫瘍壊死因子α(TNFα)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、血管内皮増殖因子
2(VEGFR2)からなる群より選択される、医薬組成物24。
【0201】
製剤組成26:医薬組成物24又は25のいずれかであって、医薬組成物が加齢に関連
する状態の治療のためである医薬組成物のいずれか1つ。
【0202】
医薬組成物27:医薬組成物が、加齢に関連する状態の予防のためのものである医薬組
成物24又は26のいずれか1つ。
【0203】
医薬組成物28:加齢に関連する状態が高コレステロール血症である医薬組成物24~
27のいずれか1つ。
【0204】
医薬組成物29:加齢に関連する状態が、血栓症、線維症、及び創傷治癒不良からなる
群から選択される、医薬組成物22~27のいずれか1つ。
【0205】
医薬組成物30:血栓症、線維症、又は創傷治癒不良のマーカー又は症状を調節するよ
うに適合された医薬組成物29。
【0206】
医薬組成物31:血栓症、線維症又は創傷治癒不良のマーカーが、血清、血漿、細胞、
又は組織レベルの奇数鎖飽和脂肪酸、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター、プ
ラスミノーゲン活性化インヒビター-1、又はコラーゲン-Iからなる群より選択される
、医薬組成物30。
【0207】
医薬組成物32:加齢に関連する状態が血栓症である医薬組成物24~27のいずれか
1つ。
【0208】
医薬組成物33:加齢に関連する状態が、高グロブリン血症及び過敏症障害からなる群
から選択される、医薬組成物24~27のいずれか1つ。
【0209】
医薬組成物34:高グロブリン血症又は過敏症のマーカー又は症状を調節するように適
合された医薬組成物33。
【0210】
医薬組成物35:高グロブリン血症又は過敏症のマーカーが、奇数鎖飽和脂肪酸、血清
グロブリン、又は免疫グロブリンGの血清、血漿、細胞、又は組織レベルからなる群より
選択される、医薬組成物34。
【0211】
医薬組成物36:加齢に関連する状態が過敏性障害である医薬組成物24~27のいず
れか1つ。
【0212】
医薬組成物37:9個の炭素原子から31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪
酸の血清、血漿、又は赤血球膜濃度を2.2μMを超え30μM未満の濃度に増加させる
ように適合された医薬組成物24~32のいずれか1つ。
【0213】
医薬組成物38:9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸
がヘプタデカン酸で医薬組成物24~37のいずれか1つ。
【0214】
医薬組成物39:炭素数9~31の1つ以上の奇数鎖脂肪酸がペンタデカン酸で医薬組
成物24~37のいずれか1つ。
【0215】
医薬組成物40:複数の異なる奇数鎖脂肪酸が投与される、医薬組成物24~39のい
ずれか1つ。
【0216】
医薬組成物41:9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1個以上の奇数鎖脂肪酸
又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む単位投与形態の医薬組
成物24~40のいずれか1つ。
【0217】
医薬組成物42:単位剤形が、0.01mg~10000mgの、9個の炭素原子~3
1個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、
医薬組成物24~41のいずれか1つ。
【0218】
医薬組成物43:医薬組成物が偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、医薬組成物24
~42のいずれか1つ。
【0219】
医薬組成物44:医薬組成物が多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、医薬組成物24
~43のいずれか1つ。
【0220】
医薬組成物45:1日1kgの体重あたり、9個の炭素原子から31個の炭素原子を有
する1つ以上の奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩2.5mgから50mgの患
者への投与に適合された、単位投薬形態の医薬組成物24から44のいずれか1つ。
【0221】
医薬組成物46:1日1回患者に投与するように適合された、単位投薬形態の医薬組成
物24~45のいずれか1つ。
【0222】
使用47:加齢に関連する状態の治療又は予防のための医薬組成物の使用であって、1
つ以上の脂肪酸、又はその薬学的に許容される塩を含み、1つ以上の脂肪酸は、奇数鎖飽
和脂肪酸からなる群から選択される、医薬組成物の使用;及び薬学的に許容される担体。
【0223】
使用48:加齢に関連する状態が、炎症、貧血、高血糖、脂質異常症、肝疾患、鉄過剰
症、創傷治癒障害、瘢痕化、疼痛、アレルギー、睡眠障害及び問題、Th1型炎症、T細
胞依存性B細胞増殖、アレルギー、喘息、アテローム性動脈硬化症、自己免疫、慢性閉塞
性肺疾患(COPD)、クローン病、組織損傷に対する皮膚反応、線維症、血液腫瘍学、
臓器移植、乾癬、肺線維症、呼吸器感染症に対する肺の反応、再狭窄、関節リウマチ、腫
瘍における間質生物学、潰瘍性大腸炎、血管炎症、α平滑筋アクチン(αSMA)、CD
40、CD69、コラーゲンI、デコリン、e-セレクチン、エオタキシン3(CCL2
6)からなる群より選択される1つ以上の因子、線維芽細胞増殖、ヒト白血球抗原-DR
アイソタイプ(HLA-DR)、免疫グロブリンγ誘導タンパク質10(IP-10/C
XCL10)、インターフェロン誘導性T細胞α走化性物質(I-TAC/CXCL11
)、インターロイキン(IL-1α、IL-2、IL-6、IL-8(CXCL8)、I
L-10、IL-17F、ケラチン8/81、マクロファージコロニー刺激因子(M-C
SF)、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP-1)、単球走化性タンパク質1(
MCP-1)、γインターフェロン(MIG/CXCL9)、プラスミノーゲン活性化阻
害因子1(PAI-1)、プロスタグランジンE2(PGE2)、血清アミロイドA、T
又はB細胞増殖 組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、腫瘍壊死因子α(TNF
α)、血管細胞接着分子(VCAM-1)、血管内皮増殖因子2(VEGFR2)からな
る群より選択される使用。
【0224】
利用49:医薬組成物が加齢に関連する状態の治療のためのものである利用49又は4
8のいずれか1つ。
【0225】
使用50:医薬組成物が加齢に関連する状態の予防のためのものである使用47又は4
8のいずれか1つ。
【0226】
使用51:加齢に関連する状態が高コレステロール血症である使用43~46のいずれ
か1つ。
【0227】
使用52:加齢に関連する状態が、血栓症、線維症、及び創傷治癒不良からなる群から
選択される、使用47~51のいずれか1つ。
【0228】
使用53:医薬組成物が、血栓症、線維症、又は創傷治癒不良のマーカー又は症状を調
節するように適合される、使用52。
【0229】
使用54:血栓症、線維症、又は創傷治癒不良のマーカーが、血清、血漿、細胞、又は
組織レベルの奇数鎖飽和脂肪酸、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター、プラス
ミノーゲン活性化インヒビター-1、又はコラーゲン-Iからなる群より選択される、使
用53。
【0230】
使用55:加齢に関連する状態が、血栓症である使用47~51のいずれか1つ。
【0231】
使用56:加齢に関連する状態が、高グロブリン血症及び過敏症障害からなる群より選
択される、使用47~51のいずれか1つ。
【0232】
使用57:医薬組成物が、高グロブリン血症又は過敏症のマーカー又は症状を調節する
ために適合される、使用56。
【0233】
使用58:加齢に関連する状態が、過敏性障害である使用47~51のいずれか1つ。
【0234】
使用59:高グロブリン血症又は過敏症のマーカーが、奇数鎖飽和脂肪酸、血清グロブ
リン、又は免疫グロブリンGの血清、血漿、細胞、又は組織レベルからなる群より選択さ
れる、使用58。
【0235】
使用60:医薬組成物が、9個の炭素原子から31個の炭素原子を有する1つ以上の奇
数鎖脂肪酸の血清、血漿、又は赤血球膜濃度を、2.2μMを超え30μM未満の濃度に
増加させるように適合される、使用47~59のいずれか1つ。
【0236】
使用61:9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸がヘプ
タデカン酸である使用47~60のいずれか1つ。
【0237】
使用62:9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸がペン
タデカン酸である使用47~60のいずれか1つ。
【0238】
使用63:複数の異なる奇数鎖脂肪酸が投与される、使用47~62のいずれか1つ。
【0239】
使用64:医薬組成物が、9個の炭素原子~31個の炭素原子を有する1個以上の奇数
鎖脂肪酸又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む単位剤形であ
る使用47~63のいずれか1つ。
【0240】
使用65:使用64、ここで、単位投薬形態は、9個の炭素原子から31個の炭素原子
を有する1つ以上の奇数鎖脂肪酸又はその薬学的に受容可能な塩0.01mgから100
00mgを含む。
【0241】
使用66:医薬組成物が偶数鎖飽和脂肪酸を実質的に含まない、使用47~65のいず
れか1つ。
【0242】
使用67:医薬組成物が多価不飽和脂肪酸を実質的に含まない、使用47~66のいず
れか1つ。
【0243】
使用例68:医薬組成物が体重1kg当たり、患者に9個の炭素原子から31個の炭素
原子を有する1つもしくは複数の奇数鎖脂肪酸又はその医薬上許容される塩の2.5mg
から50mg/日の投与に適合した単位剤形である使用例47から67のいずれか1つ。
【0244】
使用69:使用47~69のいずれか1つであって、前記医薬組成物が、1日1回患者
に投与するように適合された単位剤形である使用。
【0245】
上記の説明は、本発明を実施するために企図される最良の形態、ならびにそれを製造及
び使用する方法及びプロセスを、それが関係する当業者が本発明を製造及び使用すること
を可能にするような完全、明確、簡潔、及び正確な用語で提示する。しかしながら、本発
明は、完全に等価で上記のものからの修正及び代替構造を受けやすい。したがって、本発
明は、開示された特定の実施形態に限定されない。それどころか、本発明は本発明の主題
を特に指摘し、明確に主張する以下の特許請求の範囲によって一般的に表される本発明の
精神及び範囲内に入るすべての修正及び代替構造を包含する。本開示は図面及び前述の説
明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は例示的又は例示
的であり、限定的ではないと考えられるべきである。
【0246】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ
る。本明細書に含まれる開示と矛盾する参照により組み込まれる刊行物及び特許又は特許
出願の範囲において、本明細書は、そのような矛盾する材料に取って代わる及び/又は優
先することが意図される。
【0247】
別段の定義がない限り、すべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は当業者にその
通常の慣習的意味及び慣習的意味を与えられるべきであり、本明細書において明示的に定
義されない限り、特別の又はカスタマイズされた意味に限定されない。本開示の特定の特
徴又は態様を説明するときの特定の用語の使用は、その用語が関連付けられる本開示の特
徴又は態様の任意の特定の特徴を含むように限定されるように本明細書で用語が再定義さ
れることを暗示すると解釈されるべきではないことに留意されたい。本願において使用さ
れる用語及び語句、ならびに、特に添付の特許請求の範囲において、別段の明示の記載が
ない限り、それらの変形は、限定するものではなく、公開されたものとして解釈されるべ
きである。前述の例として、「含む」という用語は「限定されるものではないが」等を意
味すると解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含む」等と同義であり、「含む
」、「含む」又は「特徴付けられる」と同義であり、「包含する」又は「特徴付けられる
」は追加の、非記載の要素又は方法ステップを排除するものではなく、「有する」という
用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含むが」という用語は「限定さ
れるものではない」と解釈されるべきであり、「例」という用語は論議中のアイテムの例
示的なインスタンスを提供するために使用され、そのリストを網羅的又は限定するもので
はなく、「既知の」、「通常の」、「標準の」等の形容詞及び同様の意味の用語は記載さ
れたアイテムを所与の期間又は所与の時間に利用可能なアイテムに限定するものと解釈さ
れるべきではなく、代わりに、利用可能な既知の、通常の、又は標準の技術を包含すると
解釈されるべきである。現在又は将来のいつでも知られているか、又はいつでも、「好ま
しくは」、「好ましい」、「望ましい」、又は「望ましい」という用語、及び同様の意味
の用語の使用は特定の特徴が本発明の構造又は機能にとって重要、本質的、又は重要であ
ることを暗示するものとして理解されるべきではなく、代わりに、本発明の特定の実施形
態で利用されてもされなくてもよい代替又は追加の特徴を強調することを単に意図したも
のとして理解されるべきである。同様に、用語「及び」にリンクされた品目のグループは
それらの品目の各々及び全てがグループ内に存在することを要求するものとして解釈され
るべきではなく、むしろ、特に断らない限り、「及び/又は」として解釈されるべきであ
る。同様に、用語「又は」にリンクされた項目のグループは、そのグループ間で相互排他
性を要求するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、特に断らない限り「及び/又
は」として解釈されるべきである。
【0248】
ある範囲の値が提供される場合、上限及び下限、ならびにその範囲の上限及び下限の間
の各介在する値は、実施形態内に包含されることが理解される。
【0249】
本明細書における実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関して、当業者は
文脈及び/又は用途に適切であるように、複数から単数へ、及び/又は単数から複数へと
翻訳することができる。様々な単数/複数の置換は明確にするために、本明細書に明確に
記載されてもよい。不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外しない。単一のプロセッ
サ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たす
ことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実
は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではな
い。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈される
べきではない。
【0250】
特定の数の導入されたクレームの列挙が意図される場合、そのような意図はクレームに
明示的に列挙され、そのような列挙がない場合、そのような意図は存在しないことが、当
業者によってさらに理解されるのであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の
特許請求の範囲は特許請求の範囲の列挙を導入するために、導入句「少なくとも1つ」及
び「1つ以上」の使用を含み得る。しかし、そのような語句の使用は当該導入されたクレ
ームの記載を含む特定のクレームを、当該導入されたクレームの記載を含む特定のクレー
ムの「a」又は「an」によるクレームの記載の導入がたとえ同じクレームが「1以上」
又は「少なくとも1以上」の導入語句及び「a」又は「an」のような「a」又は「an
」のような不明確な物品を含む場合であっても(例えば、「a」及び/又は「an」は典
型的には「少なくとも1以上」又は「1以上」を意味すると解釈されるべきである)、ク
レームの記載を導入するために使用される特定の物品の使用についても同様である。加え
て、たとえ導入されたクレーム引用の具体的な数が明示的に引用されたとしても、当業者
はそのような引用が典型的には少なくとも引用された数(例えば、他の修飾語、典型的に
は、少なくとも2つの引用、又は2つ以上の引用を手段する、「2つの引用」の裸の引用
)を意味すると解釈されるべきであることを認識するのであろう。さらに、「A、B、及
びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する規約が使用される場合、一般に、そのよう
な構成は当業者がその規約を理解することを意図する(例えば、「A、B、及びCのうち
の少なくとも1つを有するシステム」はA単独、B単独、C単独、A及びB単独、A及び
B単独、A及びC単独、A及びC単独、B及びC単独、ならびに/又はA、B及びC単独
などを有するシステムを含むが、それらに限定されない)。「A、B、又はCなどのうち
の少なくとも1つ」に類似する規約が使用される場合、一般に、そのような構成は当業者
がその規約を理解することを意図する(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1
つを有するシステムはA単独、B単独、C単独、A及びB同士、A及びC同士、B及びC
同士、及び/又はA、B及びC同士などを有するシステムを含むが、これらに限定されな
い)。さらに、説明、特許請求の範囲、又は図面のいずれかにおいて、2つ以上の代替用
語を提示する実質的に任意の離接的な単語及び/又は句は用語のうちの1つ、用語のうち
のいずれか、又は用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当
業者によってさらに理解されるのであろう。例えば、「A又はB」という語句は、「A」
又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解される
【0251】
仕様書に記載されている成分数、反応条件等の数値は全て「約」という言葉であらゆる
場合に変更されているものと理解されるため、記載されている数値が逆でない限り、求め
られる性質によって異なる近似値となる。最低限でも、本出願に対する優先権を主張する
いずれの出願においても、均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく
、各数値パラメータは、有効数字の数及び通常の四捨五入手法に照らして解釈されるべき
である。
【0252】
さらに、上記は明確さ及び理解の目的のために、例示及び実施例によっていくらか詳細
に記載されているが、特定の変更及び修正が実施され得ることは当業者に明らかである。
したがって、説明及び実施例は、本発明の範囲を本明細書に記載された特定の実施形態及
び実施例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の真の範囲及び精神
に含まれるすべての修正及び代替を包含するものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4