(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024063156
(43)【公開日】2024-05-10
(54)【発明の名称】流体を処理及び/又は操作するための可撓性システムにおけるプラットフォームと協働する使い捨てカートリッジ
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240501BHJP
C12M 3/00 20060101ALI20240501BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12M3/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031748
(22)【出願日】2024-03-01
(62)【分割の表示】P 2021506054の分割
【原出願日】2019-04-17
(31)【優先権主張番号】18168281.6
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】520404584
【氏名又は名称】アグラリス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】オルナ トマス、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】コスタ フェランド、ミケル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】流体を操作するための可撓性システムにおいて互いに協働する使い捨てカートリッジ及びプラットフォームを提供する。
【解決手段】中の流体を貯蔵及び/又は処理するのに適した少なくとも1つの生物学的反応チャンバ4、中の流体を循環させ、少なくとも1つの生物学的反応チャンバの内部と流体連通するように構成された導管ネットワーク5、及び導管ネットワークを循環する流体の流れを制御し、第1マルチコネクタ9aを介してプラットフォーム2の作動手段7と接続するように構成された流体の流れを制御する流量制御手段を含む、細胞培養のためのシステム1においてプラットフォームと協働するための使い捨てカートリッジ3であって、ここで、導管ネットワーク内で循環される流体、及び生物学的反応チャンバ内で貯蔵及び/又は処理される流体が、培地、液体培地、細胞、又はそれらの任意の組み合わせである、使い捨てカートリッジ。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中の流体を貯蔵及び/又は処理するのに適した少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)、
中の流体を循環させ、前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)の内部と流体連通するように構成された導管ネットワーク(5)、及び
前記導管ネットワーク(5)を循環する流体の流れを制御し、第1マルチコネクタ(9a)を介してプラットフォーム(2)の作動手段(7)と接続するように構成された流体の流れを制御する流量制御手段
を含むことを特徴とする、細胞培養のためのシステム(1)においてプラットフォーム(2)と協働するための使い捨てカートリッジ(3)であって、
ここで、前記導管ネットワーク(5)内で循環される流体、及び前記生物学的反応チャンバ(4)内で貯蔵及び/又は処理される流体が、培地、液体培地、細胞、又はそれらの任意の組み合わせである、使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項2】
流体の流れを制御するための流量制御手段が、前記第1マルチコネクタ(9a)を介して、前記プラットフォーム(2)の作動手段(7)と流体連通して接続するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項3】
流体の流れを制御するための流量制御手段が、前記第1マルチコネクタ(9a)を介して、前記プラットフォーム(2)の作動手段(7)と電気的に連通して接続するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項4】
内部に流体を収容するのに適した前記導管ネットワーク(5)に接続され複数の容器を含み、互いに、及び/又は前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)の内部と流体連通するように構成されていることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)が、前記導管ネットワーク(5)を介して、第1前室(13)からの少なくとも第1初期生成物を受け取るように構成されていることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)が、前記導管ネットワーク(5)によって、好ましくは前記第1前室(13)を介して、第2前室(16)からの第2初期生成物を受け取るように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項7】
少なくとも第1初期生成物を貯蔵するのに適し、第1初期生成物を中へ導入するための第1入口(14)を備える第1前室(13)を少なくとも含むことを特徴とする、請求項5又は6のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項8】
前記第1前室(13)が、前記第2前室(16)からの第2初期生成物を導入する第2導入口(15)を有することを特徴とする、請求項6及び7に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの生物学的チャンバ(4)の内部に導入される前に、前記初期生成物の少なくとも1つを調整するように構成された調整手段(20)を含むことを特徴とする、請求項7~8のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項10】
前記導管ネットワーク(5)を介して、前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)に収容された流体の循環を駆動する手段を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項11】
前記使い捨てカートリッジ(3)の流体の流れを制御するために流量制御手段に作用するように構成された作動手段(7)、
前記使い捨てカートリッジ(3)の前記第1マルチコネクタ(9a)と前記作動手段(7)を接続するように構成された第2マルチコネクタ(9b)、及び
前記作動手段(7)及び前記使い捨てカートリッジ(3)の作動を制御するように構成された制御ユニット(18)
を含むことを特徴とする、細胞培養のためのシステム(1)において、請求項1~10のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)と協働するためのプラットフォーム(2)。
【請求項12】
前記作動手段(7)が、ガス分配手段であり、前記使い捨てカートリッジ(3)が請求項2に記載のものであるときに、前記第1マルチコネクタ(9a)及び第2マルチコネクタ(9b)を介して、前記使い捨てカートリッジ(3)と流体連通するように構成されていることを特徴とする。請求項11に記載のプラットフォーム(2)。
【請求項13】
前記作動手段(7)が、電流分配手段であり、前記使い捨てカートリッジ(3)が請求項3に記載のものであるときに、前記第1マルチコネクタ(9a)及び第2マルチコネクタ(9b)を介して、前記使い捨てカートリッジ(3)と電気的に連通するように構成されていることを特徴とする、請求項11に記載のプラットフォーム(2)。
【請求項14】
前記使い捨てカートリッジ(3)と流体連通し、所定の温度を維持するように構成された貯蔵モジュール(17)を含むことを特徴とする、請求項11~13のいずれか1項に記載のプラットフォーム(2)。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)、及び
請求項11~14のいずれか1項に記載のプラットフォーム(2)
を含む、細胞培養のためのシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【発明の目的】
【0001】
本発明は、流体を操作及び処理するための機器及び/又は装置から構成される。本発明は、任意の種類の流体を操作及び/又は処理するためのシステムにおけるこれらの機器及び/又は装置の一体化に関する。具体的には、本発明は、流体を操作するための可撓性システムにおいて互いに協働する使い捨てカートリッジ及びプラットフォーム、ならびに流体を操作するための可撓性システムに関する。より具体的には、本発明は、細胞培養を意図とする。
【0002】
本発明の背景
現在、流体を処理及び/又は操作するプロセスごとのために、該プロセスを実行できるための特定のシステム又は装置は設計されている。より具体的には、細胞を培養し、又は増殖させるプロセスを意図した異なる生物学的反応系又はシステムがあるが、これらの生物学的反応系又はシステムは、全体として、それぞれ該培養プロセス及び培養される細胞の種類に対して特異的である。言い換えれば、異なる種類の細胞を培養するのに十分な可撓性を有するシステムはなく、流体を処理及び/又は操作するための他のプロセスについても同様である。流体を処理及び/又は操作するためのプロセスは、細胞培養プロセス、化学工学プロセス、及び医薬品製造等として理解することができる。
【0003】
各種類の細胞が異なる方法、異なる物理的及び/又は化学的条件下で培養されることを前提として、これまでに各培養システム又は生物学的反応系は、特定種類の細胞培養に関する問題を解決するように設計されてきた。しかし、この実践は、各プロセスを実行するために、完全に最初から装置又はシステムを設計しなければならないという欠点がある。
【0004】
各細胞培養システム又は生物学的反応系において、通常、システム全体を通して数多くのバルブが使用される。これらのバルブは、該システムに含まれる複数のチャンネル又は管に接続される。これらの生物学的反応系は、装置又はシステム全体を操作できるようにするために、コンピュータによって制御されるようにこれらのバルブの各々をシステムに接続する必要性に加えて、各管又はチャンネルをその対応する位置及び各バルブの間に配置しなければならないという欠点がある。従って、それに加えて、既知の培養システムは、手動すぎで、複雑であり、細胞培養システムに組み込まれた構成要素を数多く接続する際にエラーを引き起こす可能性があるという欠点がある。さらに、これらの同じ欠点は、流体を処理及び/又は操作するための他のプロセスに外挿することができる。
【0005】
任意の流体の処理及び/又は操作を可能にする可撓性システムが開発され、これらの技術的問題を解決した。言い換えると、使い捨てカートリッジ(使い捨てカートリッジとして機能する)と協働するプラットフォームが開発された。これによって、流体を処理及び/又は操作するための各プロセスに適した消耗要素のみが必要とされ、各プロセスに対して単一のプラットフォームが常に使用される。従って、任意のプロセス、特に任意の物理的及び/又は化学的条件下での任意の種類の細胞培養を可能にする可撓性システムが提供される。
【0006】
本発明の説明
本発明は、請求項1に記載のプラットフォームと協働する使い捨てカートリッジ、請求項11に記載の使い捨てカートリッジと協働するためのプラットフォーム、及び請求項15に記載の流体を操作するための可撓性システムを手段として、前記課題に対する解決策を提案する。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を定義する。
【0007】
本発明の第一態様は、細胞培養システムにおいてプラットフォームと協働する使い捨てカートリッジを提供する。該使い捨てカートリッジは、以下を含むことを特徴とする。
流体を貯蔵及び/又は処理するのに適した少なくとも1つの生物学的反応チャンバ、
流体を循環させ、少なくとも1つの生物学的反応チャンバの内部と流体連通するように構成された導管ネットワーク、及び
導管ネットワークを通って循環する流体の流れを制御する流量制御手段と、第1マルチコネクタを介してプラットフォームの作動手段と接続するように構成された流体の流れを制御する流量制御手段。ここで、前記導管ネットワーク内で循環される流体及び前記生物学的反応チャンバ内で貯蔵及び/又は処理される流体が、培地、液体培地、細胞、あるいはそれらの任意の組み合わせである。
【0008】
本明細書の全体を通して、「使い捨てカートリッジ」は、とりわけ1つ又は複数のチャンバと、流体循環用の導管、及び前記導管を循環する流体の流れを制御する流量制御手段を含む一連の構成要素によって形成された固定要素又は装置として理解されるであろう。さらに、該使い捨てカートリッジは、使い捨て要素として理解される。即ち、これが一旦使用され、又は流体処理プロセスが終了すると、廃置され、他の要素に交換されることができる要素として理解される。
【0009】
同じプラットフォームと協働する新しいものに置き換えることができる使い捨てカートリッジは、流体を処理及び/又は操作するためのシステムに可撓性を有利に提供する。言い換えると、特定の流体処理プロセスのためのシステム全体を設計し、製造する必要はなく、むしろ流体を操作し、処理するための異なるプロセスのためのプラットフォームと協働する異なる消耗要素が使用される。
【0010】
使い捨てカートリッジは、流体を処理及び/又は操作するための異なるプロセスによって、それらを処理及び/又は操作するために流体を収容することができる容器又はリザーバとして理解されるチャンバを含む。より具体的には、チャンバは、生物学的反応チャンバ、又は化学反応が行われるチャンバ、あるいは生物学的プロセスが行われるチャンバとして理解され得る。
【0011】
使い捨てカートリッジは、さらに、互いに、及び/又はチャンバ内部の流体と連通することができる、接続される複数の導管及び/又は管によって形成される導管ネットワークを含む。
【0012】
流体の流れを制御するための流量制御手段は、プラットフォームに含まれる作動手段によって作動されるように構成される。使い捨てカートリッジがプラットフォームと協働するとき、流体の流量制御手段は、該使い捨てカートリッジに含まれる第1マルチコネクタを介して作動手段と接続する。本明細書では、「接続」は、2つ以上の構成要素が通信する作用として理解されるであろう。言い換えると、流体の流量制御手段は、該プラットフォームの作動手段と連通するように構成される。
【0013】
使い捨てカートリッジは、流体を操作するための可撓性システムにおいてプラットフォームと協働するように構成される。言い換えると、使い捨てカートリッジがプラットフォームと協働するとき、該使い捨てカートリッジの異なる構成要素は、プラットフォーム又はその構成要素と接続又は接触する。さらに、該使い捨てカートリッジは、プラットフォームと協働し始めるため、又はその逆のため、プラットフォームに接続し、又は接続されなければならない。例えば、使い捨てカートリッジは、消耗要素(使い捨てカートリッジ)の第1マルチコネクタとプラットフォームの第2マルチコネクタとの間の接続及び/又は結合を介して、例えば、消耗要素の流量制御手段をプラットフォームの作動手段と接続する。
【0014】
特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、使い捨てカートリッジをプラットフォームに固定するように構成された固定手段をさらに含む。有利には、流体を操作及び/又は処理するためのシステムのプラットフォームに固定し、結合され、及び/又は連結されることができる。言い換えると、固定手段の結果として、使い捨てカートリッジをプラットフォームに固定することができる。
【0015】
特定な実施形態では、流体の流れを制御するための流量制御手段は、流体連通で、第1マルチコネクタを介して作動手段と接続するように構成される。言い換えると、使い捨てカートリッジがプラットフォームと協働するとき、流体の流れを制御するための流量制御手段は、第1マルチコネクタを介した流体接続によってプラットフォームに含まれる作動手段によって作動される。言い換えると、流体の流れを制御するための流量制御手段とプラットフォーム、特に作動手段との間に流体の接続が存在し、それらは互いに流体連通していることを意味する。
【0016】
有利には、使い捨てカートリッジ内の第1マルチコネクタ及びプラットフォーム内の第2マルチコネクタの存在、及び両者の間に存在する結合及び/又は接続の存在は、使い捨てカートリッジの流体(圧縮空気又は窒素)がそれぞれ圧縮空気又は窒素を提供するプラットフォームの作動手段と共に循環する管又はコネクタの流体接続を容易にする。
【0017】
より特定な実施形態では、流体の流れを制御するための流量制御手段とプラットフォームの作動手段との間の流体連通は、圧縮空気又は窒素である。言い換えると、作動手段は、圧縮空気又は窒素により使い捨てカートリッジの流体の流量制御手段を作動させる。
【0018】
別の特定な実施形態では、流体の流れを制御するための流量制御手段は、第1マルチコネクタを介して作動手段と電気的に連絡するように構成される。言い換えると、使い捨てカートリッジがプラットフォームと協働するとき、流量制御手段は、第1マルチコネクタを介した電気的接続によってプラットフォームに含まれる作動手段によって作動される。言い換えると、流体の流れを制御するための流量制御手段とプラットフォーム、特に作動手段との間に電気的接続が存在する。これは、それらが互いに電気的に連通していることを意味する。
【0019】
使い捨てカートリッジ内の第1マルチコネクタ及びプラットフォーム内の第2マルチコネクタの存在、及び両者の間に存在する結合及び/又は接続の存在は、有利には、管の電気的接続、又は前記電気的な連通を提供するプラットフォームの作動手段と使い捨てカートリッジとの電気的接続を容易にする。
【0020】
より特定な例では、所望の細胞培養物を得るために、培地及び初期細胞は、最初に少なくとも1つのチャンバの内部に収容される。
【0021】
特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、内部に流体を収容するのに適した導管ネットワークに接続され、互いに及び/又は少なくとも1つの生物学的反応チャンバの内部と流体連通するように構成された複数の容器を含む。
【0022】
使い捨てカートリッジに含まれる前記複数の容器の各々は、貯蔵リザーバ又はチャンバとして理解される。それぞれが、その用途に応じて、即ち、関与する流体処理プロセスに応じて異なる用途を有する。有利には、本発明の使い捨てカートリッジは、単一の装置であり、即ち、流体を操作及び/又は処理するための単一のシステムで流体処理プロセスを設計及び実施するための完全な自由をユーザに与える。
【0023】
より特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、少なくとも1つのチャンバからの流体残渣を収容するように構成された導管ネットワークに接続された残渣容器を含む。別の特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、流体又は最終製品を収容するように構成されたリザーバを含む。該リザーバは、導管ネットワークを介して、少なくとも1つのチャンバの内部と流体連通している。
【0024】
有利には、前記残渣容器は、導管ネットワークを循環する流体、ならびにチャンバの内部からの流体、又は、例えば洗浄容器からの洗浄液等の使い捨てカートリッジの内部に含まれる他の容器からの他の流体を収容することを可能にする。残渣容器は、導管ネットワークを介して、少なくとも1つのチャンバの内部と流体連通している。さらに、該残渣容器は、残りの流体、流体を処理又は操作するプロセスにおいて無視できる流体、又はユーザにとって関心のない流体を収容するのに適している。
【0025】
細胞培養の特定な例では、チャンバからの残留培地又は培養培地の残渣は、前記残渣容器に送達される。
【0026】
リザーバは、流体又は最終生成物が貯蔵される最終容器として理解される。即ち、結果として生じる流体、最終生成物、又はその一部であって、最初にチャンバの内部にある初期流体又は流体を処理及び/又は操作した後に関心のある流体、又は少なくとも1つの流体を処理及び/又は操作するためのプロセスのために該チャンバ内に導入される流体。有利には、所望の最終生成物を得るための追加の工程を実施することなく、流体又は複数の流体の組合せを、最終生成物としてリザーバから直接得ることができる。細胞培養の特定な例では、所望の最終生成物又は流体は、培養細胞又は最終細胞、及び/又は培地として理解され、それはリザーバ内に収容される。
【0027】
特定な実施形態では、少なくとも1つの生物学的反応チャンバは、導管ネットワークを介して第1前室からの少なくとも第1初期生成物を受け取るように構成される。細胞培養の特定な例では、第1初期生成物は、前記初期細胞又は初期細胞及び培地として理解され得る。
【0028】
より特定な実施形態では、少なくとも1つの生物学的反応チャンバは、好ましくは第1前室を介して、導管ネットワークによって第2前室からの第2初期生成物を受け取るようにさらに構成される。言い換えると、第2前室は、少なくとも1つのチャンバの内部と直接に流体接続することができる。しかし、第2前室は、第1前室と流体連通していることが好ましい。即ち、第2初期生成物は、最初に、第1前室の内部に導入され、次いで、第1初期生成物と共に、導管ネットワークを介して、少なくとも1つのチャンバの内部へと搬送される。細胞培養の特定な例では、第2初期生成物は、培地、即ち、培養細胞に適した培地として理解され得る。
【0029】
特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、少なくとも第1初期生成物を貯蔵するのに適した少なくとも第1前室を含み、該第1前室は、第1初期生成物を導入するための第1入口を含む。
【0030】
少なくとも第1流体又は初期生成物は、最初に該第1前室に収容される。即ち、流体を処理及び/又は操作するためのプロセスの前に、その後の処理又は操作のために導管ネットワークを通ってチャンバの内部に循環又は搬送される。
【0031】
該特定な実施形態では、第1前室は使い捨てカートリッジに配置される。しかし、別の特定な実施形態では、第1前室は使い捨てカートリッジの一部ではなく、流体を処理及び/又は操作するために、プラットフォーム内又はシステムの外側に配置することができる。
【0032】
別のより特定な実施形態では、第1前室は、最初に少なくとも第1初期生成物を含み、少なくとも1つのチャンバは、第2初期生成物を含む。言い換えると、第1前室からの第1初期生成物がチャンバの内部に導入されると、流体(生成物)の処理又は操作をもたらす第2初期生成物と反応する。しかし、有利には、第1前室の存在により、少なくとも1つの初期生成物を、少なくとも1つの流体が処理及び/又は操作されるべき少なくとも1つのチャンバ以外の容器内に最初に収容することが可能になる。これにより、流体の処理が所望される前又は突然の方法による始動を防止する。
【0033】
より特定な実施形態では、第1前室は、第2前室からの第2初期生成物を導入するための第2入口を含む。より特定な実施形態では、第2前室は使い捨てカートリッジに配置される。別の特定な実施形態では、第2前室は、プラットフォーム内に配置される。細胞培養の特定な例では、分かるように、細胞培養プロセスが開始される前に、即ち、初期生成物がチャンバの内部に導入される前及び流体の処理及び/又は操作が開始される前に、両方の初期生成物がチャンバの内部に導入される前に、第2前室に含まれる培地が、初期細胞又は初期細胞と培地ともに第1前室に導入されることができる。
【0034】
別の特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、導管ネットワークに接続された少なくとも1つのセンサを含む。該少なくとも1つのセンサが、少なくとも1つの流体パラメータを測定するように構成される。
【0035】
使い捨てカートリッジに含まれる少なくとも1つのセンサは、プラットフォームの制御ユニットの処理手段と接続するように構成される。有利には、1つ以上のセンサの存在は、チャンバ内に収容され、及び/又は導管ネットワークを循環する少なくとも1つの流体の処理を制御することを可能にする。細胞培養の特定な例では、これらのセンサは、生物学的反応チャンバ内で行われる細胞培養プロセス中に、細胞及び培地の状態を制御することを可能にする。
【0036】
特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、導管ネットワークに接続された洗浄容器を含み。該洗浄容器は、導管ネットワークに沿ってその内部から洗浄液を放出するように構成されている。
【0037】
特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、少なくとも1つの生物学的反応チャンバの内部に導入される前に、初期生成物の少なくとも1つを調整するように構成された調整手段を含む。該調整手段は、流体のpH、流体中に溶解されたO2の濃度、又は流体のイオン力を調整することができる。有利には、初期流体を、少なくとも1つのチャンバ内に入る前に、該調整手段を介して調整することができる。
【0038】
より特定な実施形態では、調整手段は、初期生成物の少なくとも1つを、少なくとも1つの生物学的反応チャンバの内部に導入される前に、加熱するように構成された加熱手段である。言い換えると、初期生成物の1つが特定の温度で前室に含まれているか、又はこれらの同じ初期生成物自体が特定の温度、好ましくは初期の所望の温度未満である、前記初期生成物の温度は、前記少なくとも1つのチャンバの内部に導入される前に、該加熱手段を介して有利に変更することができる。より特定な実施形態では、該加熱手段はヒーターである。細胞培養の特定な例では、培地が所望の温度より低い温度にさらされると、該培地は該加熱手段を介して加熱される。しかし、培地は第1前室に導入されるか、又は生物学的反応チャンバ内に直接導入されるので、培養細胞用の培地は、初期細胞と接触する前に加熱されなければならない。
【0039】
特定な実施形態では、流体の流れを制御するための流量制御手段は、バルブ、ポンプ、又はこれらの組合せである。
【0040】
より特定な実施形態では、バルブは管ピンチバルブ及び/又は電磁バルブである。有利には、該種類のバルブの使用は、管又は導管に干渉しない。
【0041】
さらに別の特定な実施形態では、ポンプは蠕動マイクロポンプである。該蠕動マイクロポンプは、導管を通して流体を駆動又は循環させ、従来のポンプ又はバルブのようにさらに作用できるように構成される。該種類のマイクロポンプは使い捨てであってもよい。
【0042】
特定な実施形態では、システムは、導管ネットワークを介して少なくとも1つのチャンバ内に収容された流体の循環を駆動する手段を含む。より特定な実施形態では、流体の循環を駆動する手段は、蠕動ポンプ、又は圧縮空気噴射、又は連通容器、又はそれらの組合せである。チャンバ内に収容された流体を駆動するための蠕動ポンプは、主に、アクチュエータとして理解されるモータ、及び使い捨てカートリッジの実際の導管ネットワークの導管と接続する入口及び出口を有するヘッドから形成される。詳細には、ポンプモータは、プラットフォーム内に配置され、ポンプヘッドの入口及び出口は、導管ネットワークに接続されており、使い捨てカートリッジ自体の一部である。使い捨てカートリッジがプラットフォームに結合される特定な実施形態では、使い捨てカートリッジの前記ヘッドは、プラットフォームに配置されたモータに接続及び/又は結合される。より特定な実施形態では、少なくとも1つの蠕動ポンプ、特にポンプモータは、固定手段を介してプラットフォームの固定構造に固定されるように構成される。
【0043】
特定な実施形態では、使い捨てカートリッジは、少なくとも1つのチャンバ、導管ネットワークの一部、及び流体の流れを制御する流量制御手段が収容されたハウジング構造を含む。該ハウジング構造は、第1構造に固定されるように構成される。これは、固定手段を介したプラットフォームのオス構造として理解できる。より特定な実施形態では、該固定手段は、第2構造である。これは、第1構造、即ち、プラットフォームのオス構造に固定及び/又は結合されるように構成されたメス構造として理解できる。
【0044】
有利には、ハウジング構造は、プラットフォーム内に容易に一体化できる。これにより、プラットフォームと使い捨てカートリッジの接続及び/又は一体化が簡素化される。
【0045】
別の特定な実施形態では、残渣容器及びリザーバは、ハウジング構造の外側に配置され、プラットフォームの第2区画に収容されるように構成される。残渣容器及びリザーバは、導管ネットワーク又はチャンバの内部に接続され、コネクタによって接続されるように適合された外部導管を介して、ハウジング構造の内部と流体接続するように構成される。細胞培養の特定な場合では、前記コネクタは無菌である。
【0046】
リザーバ及び残渣容器の両方がハウジング構造の外側に位置するという事実は、有利には、2つ以上の最終流体又は過剰な流体残渣が得られ得るプロセスにおいて、容器、即ちリザーバ及び残渣容器の両方を新しいものと置換できることを可能にする。さらに、細胞培養の特定な実施形態では、又はシステムを通って循環する流体を外部から汚染しないことが非常に重要である他のプロセスにおいて、リザーバ及び残渣容器の両方が、滅菌コネクタの結果として新しい容器に置換できるという事実は、使い捨てカートリッジと干渉しない容器の該交換又は置換をもたらす。
【0047】
別の特定な実施形態では、加熱手段は、プラットフォームの第2区画に収容されるように構成される。
【0048】
別の特定な実施形態では、ハウジング構造は、固定部品の貯蔵モジュールの温度よりも高い温度を含むように構成される。
【0049】
本発明の第二態様では、本発明は、細胞培養システムにおいて本発明の第一態様のいずれかの実施形態の使い捨てカートリッジと協働するためのプラットフォームを提供する。それは、以下を含むことを特徴とする。
使い捨てカートリッジの流体の流れを制御するために流量制御手段に作用するように構成された作動手段、
前記使い捨てカートリッジの第1マルチコネクタと前記作動手段を接続するように構成された第2マルチコネクタ、及び
前記作動手段及び前記使い捨てカートリッジの作動を制御するように構成された制御ユニット。
【0050】
第2マルチコネクタは、プラットフォームと協働するとき、使い捨てカートリッジの第1マルチコネクタに結合又は接続される。有利には、該マルチコネクタは、作動手段との流体の流れを制御するための流量制御手段の各々の接続を、前記マルチコネクタを介して集中させることを可能にする。これにより、これらのマルチコネクタの結合の結果として、使い捨てカートリッジとプラットフォームとの間の単純かつ迅速な接続が可能になる。
【0051】
制御ユニットは、作動手段、及び使い捨てカートリッジ内に配置され、作動手段によって作動される流体の流れを制御するための流量制御手段の両方を制御することができる。
【0052】
特定な実施形態では、プラットフォームは第1構造を含む。該第1構造は、使い捨てカートリッジを固定するように構成されたオス構造として理解でき、好ましくは、そのハウジング構造である。
【0053】
特定な実施形態では、作動手段はガス分配手段である。これは、使い捨てカートリッジの流体の流れを制御する流量制御手段が第1マルチコネクタを介して作動手段と流体連通するように構成されているとき、第1及び第2マルチコネクタを介して使い捨てカートリッジと流体連通するように構成される。より具体的には、ガス分配手段は、圧縮空気や窒素、又はC02で富化された空気を分配する手段である。
【0054】
特定な実施形態では、作動手段は電流分配手段である。これは、使い捨てカートリッジの流体の流れを制御する流量制御手段が第1マルチコネクタを介して作動手段と電気的に連通するように構成されているとき、第1及び第2マルチコネクタを介して使い捨てカートリッジと電気的に連通するように構成される。
【0055】
特定な実施形態では、プラットフォームは、使い捨てカートリッジと流体連通し、所定の温度を維持するように構成された貯蔵モジュールを含む。より特定な実施形態では、貯蔵モジュールは、第2初期生成物を貯蔵するのに適した第2前室を含む。該第2前室は、使い捨てカートリッジと流体連通するように構成される。細胞培養の特定な例では、培地は、使い捨てカートリッジの内部温度より低い温度で貯蔵モジュール内に位置する第2前室に貯蔵することができる。
【0056】
特定な実施形態では、使い捨てカートリッジが流入流体を駆動するためのポンプを含む場合、プラットフォームは、使い捨てカートリッジに配置されたポンプヘッドに接続又は連結されるように構成されたポンプモータをさらに含む。詳細には、ポンプモータは、プラットフォームの制御ユニットによって作動される。
【0057】
本発明の第三態様では、本発明は、細胞培養のためのシステムを提供する。該システムは、以下を含む。
前記本発明の第一態様のいずれかの実施形態による使い捨てカートリッジ、及び
前記本発明の第二態様のいずれかの実施形態によるプラットフォーム。
【0058】
該システムは、可撓性の観点から有利である。これは、使い捨てカートリッジをプラットフォームと一体化することによって、流体を処理及び/又は操作するための異なるプロセスを実行することを可能にする。言い換えると、実行されるプロセスに応じて、所望のプロセスに応じて必要とされる使い捨てカートリッジは、プラットフォームに一体化され、又はプラットフォームに接続されなければならない。さらに、いくつかの流体処理プロセスでは、プロセス自体が変化する。例えば、実行されるために、システムが、消耗要素にすでに最初に含まれ、交換されなければならない特別な構成要素を有することを必要とするか、又は新しい構成要素、又はプラットフォームを前記消耗要素に組み込むことを必要とするステップを有する。このようにして、消耗要素を変更し、その構成要素又はプラットフォーム構成要素を再設計することは、特定のプロセスでの作業を継続するために十分であろう。
【0059】
該システムは、設置及び使用が容易である。これにより、有利には、構成要素間の接続不良を低減する。必要なのは、使い捨てカートリッジをプラットフォームに結合し、流体を処理及び/又は操作するためのプロセスを開始することだけである。
【0060】
言い換えると、必要な任意の流体プロセスを、1つの同じプラットフォームで制御し、実行することができる。例えば、特定の細胞培養プロセスのために細胞培養システム又は生物学的反応系全体を設計する必要はなく、異なる種類の細胞を培養することができる。同様に、それと協働するためにプラットフォームに結合された使い捨てカートリッジを変更するだけで、任意の種類の細胞を所望の任意の流体力学的な構成で培養することができる。
【0061】
本明細書(特許請求の範囲、明細書及び図面を含む)に記載された方法の全ての特徴及び/又はステップは、そのような相互に排他的な特徴の組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点をより明確に理解するため、添付図面を参照し、例示的及び非限定的な実施例のみによって与えられる好ましい実施形態を以下で詳細に説明する。
【0063】
【
図1A】は、本発明による可撓性システムの特定な例を概略的に示す。
【0064】
【
図1B】は、本発明による可撓性システムの特定な例を概略的に示す。
【0065】
【
図2】は、本発明の特定な例によるプラットフォームの斜視図を示す。
【0066】
【
図3A】は、本発明の特定な例による使い捨てカートリッジのハウジング構造の斜視図を示す。
【0067】
【
図3B】は、本発明の特定な例による使い捨てカートリッジのハウジング構造の背面図を示す。
【0068】
【
図4】は、本発明の特定な例による可撓性システムの詳細の斜視図を示す。
【0069】
【
図5】は、本発明の別の特定な例による可撓性システムの詳細の斜視図を示す。
【0070】
【
図6】は、本発明による可撓性システムの断面の特定な例を概略的に示す。
【0071】
【
図7】は、本発明による可撓性システムの断面の特定な例を概略的に示す。
【0072】
本発明の詳細な説明
図1~
図5は、可撓性システム(1)が細胞を培養するためのシステムである本発明の特定な例を示す。該特定な例では、チャンバ(4)は、生物学的反応チャンバである。流体は、培養培地、細胞及び/又は洗浄液を有する培養培地である。
【0073】
図1A~1Bは、細胞を培養するためのシステム(1)を概略的に示す。システム(1)は、互いに協働するプラットフォーム(2)及び使い捨てカートリッジ(3)を含む。
【0074】
詳細には、
図1A~
図1Bに示されている使い捨てカートリッジ(3)は、例えば、その中に培地等の初期生成物や懸濁された細胞が収容された第1前室(13)と流体連通する細胞培養用の生物学的反応チャンバ(4)を有する。さらに、チャンバ(4)は、例えば、培地で培養された細胞等の所望の最終生成物が貯蔵される第1リザーバ(11)と流体連通する。次に、生物学的反応チャンバ(4)は、例えば、残留培地等の生物学的反応チャンバ(4)からの残留流体が貯蔵される残渣容器(10)と流体連通する。詳細には、
図1Bは、洗浄液又はPBSが貯蔵される洗浄容器(12)をさらに示す。該特定な例では、前室(13)は、細胞が導入される第1入口(14)、及び培地が導入される第2入口(15)を有する(
図7に示されるように)。第2入口(15)は、プラットフォーム(2)の貯蔵モジュール(17)内に配置された第2前室(16)と流体連通する(
図1Bに示されるように)。第2前室(16)からの培地を第1前室(13)に導入する前に、該培地を加熱する加熱手段(20)を通過させ、即ち、初期細胞とともに前記第1前室(13)に導入するための温度を変化させる。
図1A~
図1Bにおいて、図示されたシステムに配置されたチャンバ(4)及び異なる容器又は装置は、複数の管又は導管によって形成された導管ネットワーク(5)を介して互いに流体連通する。流体の流れを制御する流量制御手段の各々は、プラットホーム(2)に位置する作動手段(7)からの圧縮空気が循環する管又は導管を介して第1マルチコネクタ(9a)と接続されている。流体の流れを制御するための該流量制御手段は、バルブ(6)とポンプ(30と37)との組み合わせである。これらの特定な例では、バルブ(6)はピンチバルブであり、ポンプ(30と37)は、流体(30)及び/又はマイクロポンプ(6)を駆動する蠕動ポンプである。詳細には、マイクロポンプ(37)は、使い捨てカートリッジの一部であり、第1マルチコネクタ(9a)と流体連通している。流体を駆動する蠕動ポンプ(30)は、プラットフォーム(2)(図示せず)内に配置されたポンプモータ(36)、及び使い捨てカートリッジ(3)内に配置され(
図5に詳細に示されるように)、前記ポンプモータ(36)に結合されたポンプヘッド(23)によって形成される。
【0075】
使い捨てカートリッジ(3)に配置された第1マルチコネクタ(9a)は、プラットフォーム(2)に配置された第2マルチコネクタ(9b)に結合される。また、第2マルチコネクタ(9b)は、使い捨てカートリッジ(3)の流量制御手段に伝達される圧縮空気を循環させる管又は導管で作動手段(7)に接続されている。
【0076】
図1A~
図1Bの両図に示されるプラットホーム(2)は、使い捨てカートリッジ(3)、作動手段(7)及び貯蔵モジュール(17)を制御する制御ユニット(18)をさらに有する。
【0077】
細胞培養の特定な例では、貯蔵モジュール(17)の温度は4℃である。一方、使い捨てカートリッジ(3)が収容されるハウジング構造(21)の温度は37℃である。
【0078】
詳細には、
図1Bに示される可撓性システム(1)は、導管ネットワーク(5)内に配置された2つのセンサ(26)をさらに有する。該センサ(26)は、導管ネットワーク(5)を循環する流体の関心のある特性を検出するように構成される。
【0079】
図2は、細胞培養用のシステム(1)のプラットフォーム(2)の斜視図を示しているが、それには使い捨てカートリッジ(3)の構成要素のいずれも示されていない。該図面に見られるように、プラットフォーム(2)は、プラットフォーム(2)の一端に配置された貯蔵モジュール(17)を含む。該貯蔵モジュール(17)は、例えば、培地、洗浄液又は他の流体を特定の温度でその中に保存しているので、該貯蔵モジュール(17)は冷蔵庫として理解される。なお、該特定の温度は、使い捨てカートリッジ(3)、又は使い捨てカートリッジ(3)がプラットフォーム(2)に固定される構造又は区画の温度よりも低いことが好ましい。
【0080】
プラットフォーム(2)は、その他端に、使い捨てカートリッジ(3)を収容するように構成された第1区画(28)をさらに有する。そして、プラットフォーム(2)は、第1区画(28)に対して下方に、第1リザーバ(11)、残渣容器(10)及び加熱手段(20)を収容するのに適した第2区画(24)を含む。プラットフォーム(2)の第1区画(28)は、使い捨てカートリッジ(3)のハウジング構造(21)がそのメス構造(8)(固定手段)を介して固定されるオス構造体(22)を含む。さらに、プラットフォーム(2)の第1区画(28)は、使い捨てカートリッジ(3)の蠕動ポンプ(30)のヘッド(23)が結合又は固定される蠕動ポンプ(30)のモータ(36)(図示せず)が配置される固定構造(19)を含む(
図5に詳細に見られる)。該第1区画(28)は、第1マルチコネクタ(9a)(図示せず)及び第2マルチコネクタ(9b)を介して使い捨てカートリッジ(3)の流量制御手段と流体連通する作動手段(7)(図示せず)をさらに含む。該特定な例では、プラットフォーム(2)は、2つの第2マルチコネクタ(9b)を有する。
【0081】
プラットフォーム(2)の第1区画(28)は、該第1区画(28)を閉鎖する第1扉(29)を有する。次に、第2区画(24)は、該第2区画(24)を閉鎖する第2扉(31)を有する。従って、各区画(24と28)は、互いに独立してアクセスすることができる。これにより、第1区画(28)に干渉することなく、例えば、リザーバ(11)からの最終生成物、又は残渣容器(10)に貯蔵された残渣を抽出することを有利に可能にする。特に、第1区画(28)の第1扉(29)は、細胞培養の過程に区画の内部を見ることができるようにする第1窓(32)を有する。
【0082】
同様に、プラットフォーム(2)は、貯蔵モジュール(17)と第1区画(28)との間に配置された制御ユニット(18)を有する。制御ユニット(18)は、貯蔵モジュール(17)及び第1区画(28)に関する情報に加えて、細胞培養に関する情報が示されたディスプレイ(33)を含む。
【0083】
特定な例では、プラットフォームは、貯蔵モジュール(17)、制御ユニット(18)、及び複数の第1区画(28)と第2区画(24)を含む。従って、異なる細胞培養プロセスを同時に行うことができ、それらの全てが制御ユニット(18)によって制御される。
【0084】
図3A~
図3Bは、他の構成要素(図示せず)の中のチャンバ(4)が収容された使い捨てカートリッジ(3)のハウジング構造(21)を示す。
図3Aは、該ハウジング構造(21)の斜視図を示している。ここからより詳細に観察できるように、該構造が、一連の穴(34)を含む。これらを介して、使い捨てカートリッジ(3)とプラットフォーム(2)、及び前記使い捨てカートリッジ(3)に一体化された実際の部品との異なる接続及び/又は連通を可能にする。ハウジング構造(21)は、孔(34)が配置される第1部分、及びハウジング構造(21)のカバーとして理解される第2部分を含む。ハウジング構造の該カバー又は第2部分は、前記ハウジング構造(21)の内部を貫通する第2窓(35)を有する。従って、その中に一体化された要素を見ることができる。さらに、ハウジング構造(21)の該第2部分又はカバーは、ハウジング構造(21)が閉じた構造又は区画として現れるように、第2部分が第1部分と一緒に閉鎖及び/又は嵌合する閉鎖手段を有する。
図3Bは、ハウジング構造(21)、特に該構造の第1部分の背面図を示す。その中、プラットフォーム(2)のオス構造体(22)に結合及び/又は固定されるように構成されたメス構造(8)(固定手段)を見ることができる。
【0085】
図4~
図5は、プラットフォーム(2)の区画(24と28)、及び該プラットフォーム(2)に固定された使い捨てカートリッジ(3)の斜視図を示す。ハウジング構造(21)が第1区画(28)内のプラットフォーム(2)に結合される方法は、両方の図面において見ることができる。プラットフォーム(2)の固定構造(19)に配置されたポンプモータ(36)に結合された蠕動ポンプ(30)の2つのヘッド(23)に加えて、この第1区画(28)には、1つずつ配置された2つの第2マルチコネクタ(9b)が見られる。これらの図面は、第1リザーバ(11)、残渣容器(10)及び加熱手段(20)が配置される第2区画(24)をさらに示す。そして、第2区画(24)は、導管ネットワーク(5)の一部である管及び/又は導管が通過する貫通溝(27)を有する。前記管及び/又は導管は、貯蔵モジュール(17)(図示せず)内に配置された第2前室(16)を、加熱手段(20)を介して使い捨てカートリッジ(3)と流体連通する。さらに、
図4と
図5の両図に示されるように、使い捨てカートリッジ(3)の一部であって、システム(1)内の導管ネットワーク(5)に沿って流体連通を維持するのに適した2つの無菌コネクタ(25)が第1区画(28)に結合されている。
【0086】
図5は、
図4と同じ斜視図を示しているが、区画(24と28)に統合された構成要素間の異なる接続及び/又は通信を示している。ポンプモータが配置されたプラットフォーム(2)の固定構造(19)に結合された使い捨てカートリッジ(3)の蠕動ポンプ(30)の2つのヘッド(23)がこの
図5に見られる。これらのポンプヘッド(23)は、孔(34)を介して導管ネットワーク(5)によってハウジング構造(21)の内部と流体連通する。特に、各ポンプヘッド(23)が、使い捨てカートリッジ(3)の導管ネットワーク(5)の導管入口と導管出口を有する方法を具体的に見ることができる。
図5は、第2マルチコネクタ(9b)がそれぞれ2つの第1マルチコネクタ(9a)と結合し、これらのマルチコネクタが、作動手段(7)からの圧縮空気が循環する一連の管及び/又は導管を介して、ハウジング構造(21)の内部と流体連通する方法をさらに示す。該特定な例では、作動手段(7)は、例えば、圧縮空気分配ラックのような圧縮空気分配手段である。
【0087】
図5はまた、残渣容器(10)とリザーバ(11)の両方が、どのように互いに独立して、孔(34)を介して導管ネットワーク(5)によって、ハウジング構造(21)の内部と流体連通するかを示している。前記容器(10と11)をハウジング構造の内部に連通させるこれらの導管(5)は無菌でなければならない。従って、各導管(5)に接続された滅菌コネクタ(25)があり、それによって前記連通の滅菌状態を維持する。
【0088】
同様に、
図5は、加熱手段(20)が、どのように孔(34)(
図3Aに示す)を介して導管ネットワーク(5)によってハウジング構造(21)の内部と流体連通するかを示している。
【0089】
図6と
図7は、第1前室(13)の内部に初期細胞が導入される第1入口(14)、及び第1前室(13)の内部に培地が導入される第2入口(15)を有する第1前室(13)を概略的に示している。さらに、第1前室(13)が導管ネットワーク(5)を介してチャンバ(4)にどのように接続されているか、特に、ピンチバルブ(6)が配置されて、培養媒体内に浮遊する細胞のチャンバ(4)の内部への通過を調節するためのピンチバルブ(6)が配置されている管/導管を通して、チャンバ(4)にどのように接続されているかを示している。
【0090】
図7は、第2入口(15)が、プラットフォーム(2)に配置された貯蔵モジュール(17)内に位置する第2前室(16)にどのように接続されているかをさらに示している。該第2前室(16)は、特定の温度条件下で培地を収容している。第2入口(15)と第2前室(16)との間の接続は、導管ネットワーク(5)を介し、具体的には、第2入口(15)への培養媒体の通過を規制するためにピンチバルブ(6)が配置された管/導管を介して行われる。
【0091】
実施形態1
好ましい例示的な実施形態では、
中の流体を貯蔵及び/又は処理するのに適した少なくとも1つのチャンバ(4)、
中の流体を循環させ、前記少なくとも1つのチャンバ(4)の内部と流体連通するように構成された導管ネットワーク(5)、及び
前記導管ネットワーク(5)を循環する流体の流れを制御し、第1マルチコネクタ(9a)を介してプラットフォーム(2)の作動手段(7)と接続するように構成された流体の流れを制御する流量制御手段
を含むことを特徴とする、流体、好ましくは細胞培養物を処理及び/又は操作するための可撓性システム(1)におけるプラットフォーム(2)と協働する使い捨てカートリッジ(3)。
【0092】
実施形態2
流体の流れを制御するための流量制御手段が、前記第1マルチコネクタ(9a)を介して、前記プラットフォーム(2)の作動手段(7)と流体連通して接続するように構成されていることを特徴とする、実施形態1に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0093】
実施形態3
流体の流れを制御するための流量制御手段が、前記第1マルチコネクタ(9a)を介して、前記プラットフォーム(2)の作動手段(7)と電気的に連通して接続するように構成されていることを特徴とする、実施形態1に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0094】
実施形態4
内部に流体を収容するのに適した前記導管ネットワーク(5)に接続され複数の容器を含み、互いに、及び/又は前記少なくとも1つのチャンバ(4)の内部と流体連通するように構成されていることを特徴とする、前記実施形態のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0095】
実施形態5
前記少なくとも1つのチャンバ(4)が、前記導管ネットワーク(5)を介して、第1前室(13)からの少なくとも第1初期生成物を受け取るように構成されていることを特徴とする、前記実施形態のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0096】
実施形態6
前記少なくとも1つのチャンバ(4)が、前記導管ネットワーク(5)によって、好ましくは前記第1前室(13)を介して、第2前室(16)からの第2初期生成物を受け取るように構成されていることを特徴とする、実施形態5に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0097】
実施形態7
少なくとも第1初期生成物を貯蔵するのに適し、第1初期生成物を中へ導入するための第1入口(14)を備える第1前室(13)を少なくとも含むことを特徴とする、実施形態5又は6のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0098】
実施形態8
前記第1前室(13)が、前記第2前室(16)からの第2初期生成物を導入する第2入口(15)を含むことを特徴とする、実施形態6及び7に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0099】
実施形態9
前記少なくとも1つのチャンバ(4)の内部に導入される前に、前記初期生成物の少なくとも1つを調整するように構成された調整手段(20)を含むことを特徴とする、実施形態7~8のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0100】
実施形態10
前記導管ネットワーク(5)を介して、前記少なくとも1つのチャンバ(4)に収容された流体の循環を駆動する手段を含むことを特徴とする、前記実施形態のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【0101】
実施形態11
前記使い捨てカートリッジ(3)の流体の流れを制御するために流量制御手段に作用するように構成された作動手段(7)、
前記使い捨てカートリッジ(3)の前記第1マルチコネクタ(9a)と前記作動手段(7)を接続するように構成された第2マルチコネクタ(9b)、及び
前記作動手段(7)及び前記使い捨てカートリッジ(3)の作動を制御するように構成された制御ユニット(18)
を含むことを特徴とする、流体、好ましくは細胞培養物を処理及び/又は操作するための可撓性システム(1)において、実施形態1~10のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)と協働するためのプラットフォーム(2)。
【0102】
実施形態12
前記作動手段(7)が、ガス分配手段であり、前記使い捨てカートリッジ(3)が実施形態2に記載のものであるときに、前記第1マルチコネクタ(9a)及び第2マルチコネクタ(9b)を介して、前記使い捨てカートリッジ(3)と流体連通するように構成されていることを特徴とする、実施形態11に記載のプラットフォーム(2)。
【0103】
実施形態13
前記作動手段(7)が、電流分配手段であり、前記使い捨てカートリッジ(3)が実施形態3に記載のものであるときに、前記第1マルチコネクタ(9a)及び第2マルチコネクタ(9b)を介して、前記使い捨てカートリッジ(3)と電気的に連通するように構成されていることを特徴とする、実施形態11に記載のプラットフォーム(2)。
【0104】
実施形態14
前記使い捨てカートリッジ(3)と流体連通し、所定の温度を維持するように構成された貯蔵モジュール(17)を含むことを特徴とする、実施形態11~13のいずれか1項に記載のプラットフォーム(2)。
【0105】
実施形態15
実施形態1~10のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)、及び
実施形態11~14のいずれか1項に記載のプラットフォーム(2)
を含む、流体、好ましくは細胞培養物を処理及び/又は操作するための可撓性システム(1)。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中の流体を貯蔵及び/又は処理するのに適した少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)、
中の流体を循環させ、前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)の内部と流体連通するように構成された導管ネットワーク(5)、
導管ネットワークに接続され、導管ネットワーク(5)を通って循環する流体の流れを制御するように構成された流量制御手段であって、前記流体の流れを制御するための流量制御手段は、プラットフォーム(2)に含まれる作動手段(7)によって操作されるように構成されている、流量制御手段、および
プラットフォーム(2)の第2マルチコネクタ(9b)に接続されるように構成された第1マルチコネクタ(9a)
を含むことを特徴とする、細胞培養のためのシステム(1)においてプラットフォーム(2)と協働するための使い捨てカートリッジ(3)であって、
ここで、前記導管ネットワーク(5)内で循環される流体、及び前記生物学的反応チャンバ(4)内で貯蔵及び/又は処理される流体が、培地、液体培地、細胞、又はそれらの任意の組み合わせであり、かつ
使い捨てカートリッジ(3)がプラットフォーム(2)と協働する場合、使い捨てカートリッジ(3)の第1マルチコネクタ(9a)とプラットフォーム(2)の第2マルチコネクタ(9b)との間の接続が、流量制御手段とプラットフォーム(2)の作動手段(7)を流体連通または電気連通で接続するために提供される、使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項2】
内部に流体を収容するのに適した前記導管ネットワーク(5)に接続された複数の容器を含み、互いに、及び/又は前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)の内部と流体連通するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)が、前記導管ネットワーク(5)を介して、第1前室(13)からの少なくとも第1初期生成物を受け取るように構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)が、前記導管ネットワーク(5)によって、第2前室(16)からの第2初期生成物を受け取るように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項5】
少なくとも第1初期生成物を貯蔵するのに適し、第1初期生成物を中へ導入するための第1入口(14)を備える第1前室(13)を少なくとも含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項6】
前記第1前室(13)が、前記第2前室(16)からの第2初期生成物を導入する第2導入口(15)を有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの生物学的チャンバ(4)の内部に導入される前に、前記初期生成物の少なくとも1つを調整するように構成された調整手段(20)を含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項8】
前記導管ネットワーク(5)を介して、前記少なくとも1つの生物学的反応チャンバ(4)に収容された流体を循環させるための手段を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)。
【請求項9】
使い捨てカートリッジ(3)の流体の流れを制御するための流量制御手段に作用し、使い捨てカートリッジ(3)の流量制御手段を作動させるように適合された作動手段(7)、
前記使い捨てカートリッジ(3)の第1マルチコネクタ(9a)と前記作動手段(7)を接続するように構成された第2マルチコネクタ(9b)であって、使い捨てカートリッジ(3)がプラットフォーム(2)と協働する場合、使い捨てカートリッジ(3)の第1マルチコネクタ(9a)とプラットフォーム(2)の第2マルチコネクタ(9b)との間の接続が、流体の流れを制御するための流量制御手段と作動手段(7)とを接続するために提供される、第2マルチコネクタ(9b)、及び
前記作動手段(7)及び前記使い捨てカートリッジ(3)の作動を制御するように構成された制御ユニット(18)
を含むことを特徴とする、細胞培養のためのシステム(1)において、請求項1~8のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)と協働するためのプラットフォーム(2)。
【請求項10】
前記作動手段(7)が、ガス分配手段であり、前記第1マルチコネクタ(9a)及び第2マルチコネクタ(9b)を介して、前記使い捨てカートリッジ(3)と流体連通するように構成されていることを特徴とする。請求項9に記載のプラットフォーム(2)。
【請求項11】
前記作動手段(7)が、電流分配手段であり、前記第1マルチコネクタ(9a)及び第2マルチコネクタ(9b)を介して、前記使い捨てカートリッジ(3)と電気連通するように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載のプラットフォーム(2)。
【請求項12】
前記使い捨てカートリッジ(3)と流体連通し、所定の温度を維持するように構成された貯蔵モジュール(17)を含むことを特徴とする、請求項9~11のいずれか1項に記載のプラットフォーム(2)。
【請求項13】
請求項1~8のいずれか1項に記載の使い捨てカートリッジ(3)、及び
請求項9~12のいずれか1項に記載のプラットフォーム(2)
を含む、細胞培養のためのシステム(1)。